JP2008113489A - 電磁ブレーキ付回転センサ内蔵モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電磁ブレーキ付回転センサ内蔵モータ10は、電磁ブレーキ20と回転センサ40の間に、空隙44を介して磁性材料からなる磁気シールド板42を具えている。磁気シールド板42は、回転センサ40に対する電磁ブレーキ20による磁気影響を防止・低減する。回転センサ40の取付けベース30a、30bは非磁性材料からなる。モータロータ52からファン50方向に見ると、モータロータ52、回転センサ40、磁気シールド板42、空隙44、電磁ブレーキ20、ファン50の順にそれぞれ配置されている。
【選択図】図1
Description
この電磁ブレーキを具えたモータでは、電源を入れるとブレーキヨークが磁化され、その磁気吸引力によりアーマチュアがブレーキヨークに吸引され、摩擦板とアーマチュアとの間に空隙が生じることでブレーキが解放され、モータシャフトが回転する。反対に、電流を遮断するとブレーキヨークの磁気吸引力が消滅し、アーマチュアはトルクスプリングの力により押戻されて摩擦板に制動力を与え、モータシャフトを停止させる。
図6は、特開2001−238426号公報が開示する回転センサ82を具えたモータの要部断面図である。この技術は、図6に示すように、漏洩磁束を発生させるステータ巻線80と回転センサ82との間に磁気シールド板84を設置し、これにより、回転センサ82に対する漏洩磁束の磁気影響を防止・低減させようとするものである。
この特開2005−124259号公報が開示する技術は、図7に示すように、回転センサ90を、モータ反負荷側に突出したモータシャフト92のエンド部に設置し、その回転センサ90とブレーキヨーク94との間に、磁性材質で構成される磁気シールド板96を設置することにより、回転センサ90に対する漏洩磁束の磁気影響を防止・低減させようとするものである。
一方、回転センサ90に防水・防塵加工を施す替わりに、ファンカバー102自体を全閉構造とすることにより回転センサ90を雨水や粉塵から保護しようとする場合には、ファンカバー102外部からの空気の流れが遮断され、ファン100によるモータの冷却効果が発揮されないという問題が生じる。
前記モータが、前記電磁ブレーキと回転センサとの間に、空隙を介して磁性材料からなる磁気シールド板を具え、
前記回転センサの取付けベースが非磁性材料からなることを特徴とする電磁ブレーキ付回転センサ内蔵モータにより前記課題を解決した。
又、回転センサへの磁気影響を防止・低減したことにより、電磁ブレーキと回転センサとの距離を短縮することができ、これにより、モータ全長のコンパクト化が図れる。
又、強固であり、且つ、密閉された構造体であるモータケースに回転センサを内蔵すると、耐衝撃性が向上し使用環境にも影響されない。そして、ファンカバーもファンのみを覆うサイズで足りるため、大きなファンカバーが不要となりコストダウンを図ることができ、屋外で使用する場合にも、ファンカバーを全閉構造とする必要がないため、ファンによるモータの冷却効果も発揮される。
さらに、モータシャフトのエンド部に回転センサが具えられている場合と異なり、回転センサをモータケースに内蔵させたため、電磁ブレーキ付モータに多い手動軸をモータシャフト端部に取付けることが可能となる。
図1は本発明の第1実施形態の電磁ブレーキ付回転センサ内蔵モータを回転軸に沿った縦断面で示し、内部構造を側面から見た図である。
図2は本発明の第1実施形態の回転センサ付近の拡大断面図である。
図3は本発明の第1実施形態の電磁ブレーキ付回転センサ内蔵モータの、ブレーキヨーク及びモータシャフトからの漏洩磁束の様子を矢印で表したものであり、図3(a)は本発明の磁気シールド板が設置されていない場合の図、図3(b)は本発明の第1実施形態の磁気シールド板が設置された場合の図である。
電磁ブレーキ20を構成するブレーキヨーク20a及び、電磁コイル20bは反負荷側ブラケット18の一部を構成するように、その反負荷側ブラケット18の半径方向外端部に設置される。
アーマチュア20cも電磁ブレーキ20を構成するものであり、ブレーキヨーク20aのファン50側に隣接するように設置される。
電源が入りブレーキヨーク20aが励磁状態となると、アーマチュア20cはブレーキヨーク20aに吸引され、摩擦版20dとの間に空隙が生じ、電磁ブレーキ20は解放されてモータシャフト14は回転する。この励磁状態のときに、ブレーキヨーク20a、及び、磁化されたモータシャフト14から漏洩磁束が発生する。
回転センサ40は、フェライト磁石34(以下、単に「磁石34」と称する。)、磁石取付けベース30a、ホール素子36、ホール素子設置基板38、及びホール素子取付けベース30bにより構成される。これらの取付けベース30aと30bの材料には、磁気によって磁化されることがないように、アルミ材等の非磁性材料を用いる。
これらの取付けベースの材料にアルミ材を用いた場合には、軽量化、及び低慣性化することができ、さらに、熱放射性も高めることができるため、磁石34やホール素子36に対する熱の影響を抑制することができる。
以下、磁石取付けベース30aとホール素子取付けベース30bの構成につき説明する。
磁石取付けベース30aには、リング状でN極とS極が交互に磁化された磁石34が取付けられている。
なお、ホール素子36は、周知のとおり、ホール効果を利用し磁石34が回転した際の磁石34の磁束を感知することにより、モータシャフト14の回転を検知するためのものである。
この空隙44は、回転センサ40や磁石34への磁気影響の防止・低減に資する。すなわち、空隙44を設けることにより、磁気シールド板42が他の磁化された部品と非接触状態となるため、磁気シールド板42の残留磁気が減少し易く、その結果、ホール素子36や磁石34への磁気影響を防止・低減することができる。
そして、磁気シールド板42は、図2に示すように、径方向に見た場合、磁石34、ホール素子36、及びホール素子素子設置基板38をカバーする範囲に設置される(図2において、b>aとなる。)。
図3に示すように、磁気シールド板42により回転センサ40への磁気影響が防止・低減される結果、電磁ブレーキ20と、回転センサ40の距離を近くすることが可能となり(図3において、c>dとなる。)、モータ全体の構造のコンパクト化を図ることができる。
これにより、磁気シールド板42、及び回転センサ40の構成要素の全てが雨水、粉塵等から保護され、又、耐衝撃性も向上することになる。
前記密閉構造が防塵機能を有すれば足りるのか、或いは、防水機能まで要求されるのかによって、Vリング、Oリング、オイルシール等のシーリング材が使い分けられることは当然である。
「手動軸」とは、モータシャフトを人の手で回転させることを可能とするために、モータシャフトエンドにボルト頭を溶接したり、スパナで回せるよう多角形状に加工したものを言う。手動軸は据付時の位置合わせ時に用いられることが多く、通常、電磁ブレーキを解放した後にモータシャフトを回転させて位置合わせをする。
これにより、モータの設置及びメンテナンスが容易となる。
この実施形態では、磁気シールド板のモータシャフト側外端部をL字型に折曲げ、先端を軸方向に回転センサ40の方向に向けることによりL字型磁気シールド板42‘としている。このL字型磁気シールド板42’は、第1実施形態と比べると、回転センサ40により近い部分の磁気も吸収できるので好適である。
12:モータケース
14:モータシャフト
20:電磁ブレーキ
30a:磁石取付けベース(回転センサの取付けベース)
30b:ホール素子取付けベース(回転センサの取付けベース)
40:回転センサ
42:磁気シールド板
42’:L字型磁気シールド板
44:空隙
50:ファン
52:モータロータ
Claims (4)
- 電磁ブレーキを具えた回転センサ内蔵モータにおいて、
前記モータが、前記電磁ブレーキと回転センサの間に、空隙を介して磁性材料からなる磁気シールド板を具え、
前記回転センサの取付けベースが非磁性材料からなることを特徴とする、
電磁ブレーキ付回転センサ内蔵モータ。 - 前記電磁ブレーキ付回転センサ内蔵モータが、モータロータ、及びファンを具え、前記モータロータから前記ファン方向に、前記モータロータ、回転センサ、磁気シールド板、空隙、電磁ブレーキ、ファンの順に配置された、請求項1の電磁ブレーキ付回転センサ内蔵モータ。
- 前記磁気シールド板がL字型で、先端が軸方向に前記回転センサ方向に曲がっている、請求項1の電磁ブレーキ付回転センサ内蔵モータ。
- 前記回転センサ、及び磁気シールド板が、密閉構造とされたモータケースに内蔵された、請求項1の電磁ブレーキ付回転センサ内蔵モータ。
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