JP2014107903A - モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーキ用コイルを有するブレーキが設けられていても、ロータの回転位置を検出する検出機構の検出精度の低下を抑制することが可能なモータを提供する。
【解決手段】モータ1は、ブレーキ用コイル9を有しロータを停止させるブレーキ3と、磁性材料で形成され回転軸2の一端側に固定される磁石ホルダ7と、ロータの回転位置を検出する検出機構4とを備えている。検出機構4は、磁石ホルダ7に保持される検出用磁石14と、検出用磁石14に対向配置される基板17に実装される感磁素子とを備えている。磁石ホルダ7は、軸方向における一端側に配置され検出用磁石14が固定される小径部と、軸方向における他端側に配置され小径部よりも外径の大きな大径部とを備えており、回転軸2の軸方向におけるハウジング5の一端側の面を構成する端面部12aよりも軸方向における一端側に突出している。
【選択図】図1
【解決手段】モータ1は、ブレーキ用コイル9を有しロータを停止させるブレーキ3と、磁性材料で形成され回転軸2の一端側に固定される磁石ホルダ7と、ロータの回転位置を検出する検出機構4とを備えている。検出機構4は、磁石ホルダ7に保持される検出用磁石14と、検出用磁石14に対向配置される基板17に実装される感磁素子とを備えている。磁石ホルダ7は、軸方向における一端側に配置され検出用磁石14が固定される小径部と、軸方向における他端側に配置され小径部よりも外径の大きな大径部とを備えており、回転軸2の軸方向におけるハウジング5の一端側の面を構成する端面部12aよりも軸方向における一端側に突出している。
【選択図】図1
Description
本発明は、ロータの回転位置を検出するための磁気式の検出機構と、ロータを停止させる電磁式のブレーキとを備えるモータに関する。
従来、ロータの回転位置を検出するための磁気式のエンコーダを備えるモータが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のモータでは、エンコーダは、ロータを構成する回転軸の反出力側の端部に配置されている。また、エンコーダは、回転軸の反出力側の端部に固定される検出用磁石と、検出用磁石に対向配置されたセンサ基板に実装される感磁素子とを備えている。ロータおよびステータが収容されるモータハウジングの反出力側の端面には、センサ基板が固定される基板ホルダが固定されている。センサ基板および基板ホルダは、有底円筒状に形成されるカバーによって覆われている。モータハウジングおよびカバーは、薄鋼板等の磁性材料で形成されている。
ロータを短時間で停止させるために、本願発明者は、特許文献1に記載のモータへの電磁式のブレーキの取付けを検討している。そこで、本願発明者は、図6に示すように、回転軸101の外周側を囲むように略円筒状に巻回されるブレーキ用コイル102を有する電磁式のブレーキ103を回転軸101の反出力側に取り付けることを試みた。なお、上述のように、特許文献1に記載のモータは、回転軸101の反出力側の端部に固定される検出用磁石104と、検出用磁石104に対向配置されるセンサ基板105とを備えており、モータハウジング106の反出力側の端面部106aには、センサ基板105が固定される基板ホルダ107が固定され、センサ基板105および基板ホルダ107は、有底円筒状に形成されるカバー108によって覆われている。
しかしながら、回転軸101の外周側を囲む略円筒状のブレーキ用コイル102を有するブレーキ103を特許文献1に記載のモータに取り付けた場合、ブレーキ用コイル102に電流を流すと、ブレーキ用コイル102を流れる電流によって、図6の矢印F10で示すように、端面部106aに直接、回り込む磁路に加え、図6の矢印F11で示すように、センサ基板105を通過してカバー108に回り込む磁路が形成されて、センサ基板105上の感磁素子と検出用磁石104とよって構成されるエンコーダの検出精度が低下することが本願発明者の検討によって明らかになった。
そこで、本発明の課題は、ブレーキ用コイルを有するブレーキが設けられていても、ロータの回転位置を検出するための検出機構の検出精度の低下を抑制することが可能なモータを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のモータは、略筒状に形成されるステータと、回転軸を有しステータの内周側に配置されるロータと、ブレーキ用コイルを有しロータを停止させる電磁式のブレーキと、磁性材料で形成されステータ、ロータおよびブレーキが収容されるハウジングと、磁性材料で形成され回転軸の一端側に固定される磁石ホルダと、ロータの回転位置を検出するための検出機構とを備え、検出機構は、磁石ホルダに保持される検出用磁石と、検出用磁石に対向配置される基板に実装される感磁素子とを備え、ハウジングは、回転軸の軸方向におけるハウジングの一端側の面を構成する端面部を備え、端面部には、回転軸の一端側が配置される貫通孔が形成され、磁石ホルダは、軸方向における一端側に配置され検出用磁石が固定される小径部と、軸方向における他端側に配置され小径部よりも外径の大きな大径部とを備え、ハウジングの端面部よりも軸方向における一端側に突出していることを特徴とする。
本発明のモータでは、回転軸の一端側に固定される磁石ホルダがハウジングの端面部よりも軸方向における一端側に突出している。また、本発明では、磁石ホルダは、軸方向における一端側に配置され検出用磁石が固定される小径部と、軸方向における他端側に配置され小径部よりも外径の大きな大径部とを備えており、軸方向において、ハウジングの端面部と大径部とを対向させることが可能になる。そのため、本発明では、ブレーキ用コイルに流れる電流によって形成される磁路が、磁性材料で形成される磁石ホルダの大径部から磁性材料で形成されるハウジングの端面部へ回り込みやすくなる。したがって、本発明では、ブレーキ用コイルに流れる電流が発生させる磁束の、基板を通過する部分の密度を低減することが可能になる。その結果、本発明では、ブレーキ用コイルを有するブレーキがモータに設けられていても、検出機構の検出精度の低下を抑制することが可能になる。
また、本発明では、回転軸の一端側に磁石ホルダが固定されるため、回転軸に対する磁石ホルダの固定位置を調整することで、磁石ホルダに保持される検出用磁石と基板との隙間を適切に設定することが可能になる。したがって、本発明では、検出機構の検出精度の低下を効果的に抑制することが可能になる。
本発明において、モータは、磁性材料によって略筒状に形成されるとともに基板を保持する基板ホルダを備え、磁石ホルダは、基板ホルダの内周側に配置され、回転軸の径方向における大径部と基板ホルダとの隙間は、回転軸の径方向における小径部と基板ホルダとの隙間よりも小さくなっていることが好ましい。このように構成すると、ブレーキ用コイルに流れる電流によって形成される磁路が、磁石ホルダの大径部から基板ホルダへ回り込みやすくなる。したがって、ブレーキ用コイルに流れる電流が発生させる磁束の、基板を通過する部分の密度を効果的に低減することが可能になる。
本発明において、たとえば、基板ホルダは、基板が固定される環状の基板固定部と、基板固定部の内周端から軸方向の他端側に向かって立ち上る筒状の内周壁部と、基板固定部の外周端から軸方向の他端側に向かって立ち上る筒状の外周壁部とを備え、軸方向における内周壁部の長さは、軸方向における外周壁部の長さよりも短くなっており、小径部の外径は、内周壁部の内径よりも小さくなっており、大径部の外径は、内周壁部の外径よりも大きく、かつ、外周壁部の内径よりも小さくなっており、小径部の一部は、内周壁部の内周側に配置され、大径部は、内周壁部よりも軸方向の他端側に配置されるとともに、大径部の少なくとも一部は、外周壁部の内周側に配置され、径方向における大径部の外周面と外周壁部の内周面との隙間が、径方向における小径部の外周面と内周壁部の内周面との隙間よりも小さくなっている。この場合には、基板ホルダの内周壁部に、感磁素子の電磁シールドの機能を持たせることが可能になる。
本発明において、基板ホルダは、軸方向における外周壁部の他端から径方向の外側に向かって広がる鍔部を備え、鍔部は、ハウジングの端面部に当接していることが好ましい。このように構成すると、ブレーキ用コイルに流れる電流によって形成される磁路が、磁石ホルダの大径部から、基板ホルダの外周壁部および鍔部を介して、ハウジングの端面部にさらに回り込みやすくなる。したがって、ブレーキ用コイルに流れる電流が発生させる磁束の、基板を通過する部分の密度をより効果的に低減することが可能になる。
本発明において、基板ホルダは、たとえば、金属板によって形成されている。この場合には、基板ホルダを容易に製造することが可能になるため、基板ホルダの製造コストを低減することが可能になる。
本発明において、小径部には、検出用磁石の外周側を囲む磁石保持壁部が軸方向の一端側へ立ち上るように形成されていることが好ましい。このように構成すると、小径部に対する検出用磁石の位置決めが容易になる。また、このように構成すると、磁石保持壁部によって、検出用磁石の外周面の損傷を防止することが可能になる。
本発明において、検出用磁石の、基板との対向面には、回転軸の周方向において、N極とS極とが1極ずつ着磁され、基板には、感磁素子として、軸方向において検出用磁石と重なる位置に配置される磁気抵抗素子が実装されていることが好ましい。このように構成すると、簡易な構成で、ロータの回転位置を検出することが可能になる。
以上のように、本発明のモータでは、ブレーキ用コイルを有するブレーキが設けられていても、ロータの回転位置を検出するための検出機構の検出精度の低下を抑制することが可能になる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(モータの構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるモータ1の側面図である。図2は、図1のE部の拡大断面図である。図3は、図1に示す検出機構4の概略構成を説明するための図である。図4は、図1に示す基板ホルダ18の図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のH−H断面の断面図である。図5は、図1に示す磁石ホルダ7の断面図である。
図1は、本発明の実施の形態にかかるモータ1の側面図である。図2は、図1のE部の拡大断面図である。図3は、図1に示す検出機構4の概略構成を説明するための図である。図4は、図1に示す基板ホルダ18の図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のH−H断面の断面図である。図5は、図1に示す磁石ホルダ7の断面図である。
本形態のモータ1は、インナーロータ型のモータである。このモータ1は、略円筒状に形成されるステータと、回転軸2を有しステータの内周側に配置されるロータとを備えている。ステータまたはロータの一方は、駆動用磁石を備え、ステータまたはロータの他方は、駆動用コイルを備えている。また、モータ1は、ロータを停止させる電磁式のブレーキ3と、ロータの回転位置を検出するための検出機構4とを備えている。ステータ、ロータおよびブレーキ3は、ハウジング5に収容されている。一方、検出機構4は、ハウジング5の外部に配置されている。ハウジング5の外部に配置される検出機構4は、カバー部材6によって覆われている。また、モータ1は、検出機構4を構成する後述の検出用磁石14を保持する磁石ホルダ7を備えている。なお、回転軸2の後端側部分は、ハウジング5の外部に配置されている。
以下の説明では、回転軸2の径方向(すなわち、ロータの径方向)を「径方向」、回転軸2の円周方向(すなわち、ロータの円周方向)を「円周方向」、回転軸2の軸方向(すなわち、ロータの軸方向)を「軸方向」とする。また、軸方向のうちの回転軸2の出力側(図1のZ1方向側)を「前」側とし、軸方向のうちの回転軸2の反出力側(図1のZ2方向側)を「後(後ろ)」側とする。なお、本形態では、後ろ側は、軸方向における一端側であり、前側は、軸方向における他端側である。
ブレーキ3は、いわゆる無励磁作動型のブレーキである。このブレーキ3は、ブレーキ用コイル9を備えている。ブレーキ用コイル9は、回転軸2の外周側を囲むように略円筒状に巻回されている。また、ブレーキ3は、ブレーキ用コイル9が収容されるケース体、ケース体に対して軸方向に移動可能に配置されるアマーチュア、および、回転軸2に固定されるブレーキディスク等を備えている。ブレーキ3では、ブレーキ用コイル9が通電状態となると、ブレーキディスクが解放されて、ブレーキ3によるロータのブレーキ状態が解除される。また、ブレーキ3では、ブレーキ用コイル9への通電が停止されると、アマーチュア等によってブレーキディスクがロックされて、ロータにブレーキがかかる。ブレーキ3は、ステータの後ろ側に配置されている。なお、ブレーキ用コイル9が通電状態になると、ブレーキ用コイル9に供給される電流によって、ブレーキ用コイル9の内周側を通過する磁路が形成される。
ハウジング5は、ロータが収容される本体ケース11と、ブレーキ3が収容されるブレーキケース12とを備えている。本体ケース11は、薄鋼板等の磁性材料で形成されている。この本体ケース11は、ハウジング5の前端側部分を構成している。ブレーキケース12は、薄鋼板等の磁性材料で形成されている。このブレーキケース12は、ハウジング5の後端側部分を構成している。また、ブレーキケース12は、全体として略円筒状に形成されるとともに、ハウジング5の後端面を構成する円板状の端面部12aを備えている。端面部12aには、回転軸2の後端側部分が配置される貫通孔12bが軸方向へ貫通するように形成されている。貫通孔12bの内径は、回転軸2の後端側部分の外径よりもわずかに大きくなっている。
カバー部材6は、薄鋼板等の磁性材料で形成されている。また、カバー部材6は、底部6aを有する底付きの円筒状に形成されている。カバー部材6の底部は、後ろ側に配置されており、モータ1の後端面を構成している。カバー部材6の前端は、端面部12aの後面に固定されている。
検出機構4は、磁気式のロータリーエンコーダであり、図3に示すように、磁石ホルダ7に固定される検出用磁石14と、検出用磁石14に対向配置される感磁素子としての磁気抵抗素子15および2個のホール素子16とを備えている。磁気抵抗素子15および2個のホール素子16は、平板状に形成される基板17の前面に実装されており、検出用磁石14の後面と基板17の前面とは、軸方向に所定の間隔をあけた状態で対向している。基板17は、基板ホルダ18に固定されている。
検出用磁石14は、円板状に形成された永久磁石である。検出用磁石14の、磁気抵抗素子15およびホール素子16との対向面(すなわち、基板17との対向面)には、周方向において、N極とS極とが1極ずつ着磁されている。磁気抵抗素子15は、軸方向において検出用磁石14と重なる位置に配置されている。具体的には、磁気抵抗素子15は、軸方向から見たときに検出用磁石14の中心と磁気抵抗素子15の中心とが略一致するように配置されている。磁気抵抗素子15には、互いに略直交する方向に配置される磁気抵抗パターンが形成されている。2個のホール素子16は、軸方向から見たときに、検出用磁石14の中心に対して互いに90°ずれた位置に配置されている。
基板ホルダ18は、薄鋼板等の磁性材料で形成されている。すなわち、基板ホルダ18は、金属板によって形成されている。また、基板ホルダ18は、全体として略円筒状に形成されている。この基板ホルダ18は、基板17が固定される円環状の基板固定部18aと、基板固定部18aの内周端から前側に向かって立ち上る円筒状の内周壁部18bと、基板固定部18aの外周端から前側に向かって立ち上る円筒状の外周壁部18cと、外周壁部18cの前端から径方向の外側に向かって広がる円環状の鍔部18dとを備えている。基板17は、基板固定部18aの後面に固定されている。軸方向における内周壁部18bの長さは、軸方向における外周壁部18cの長さよりも短くなっている。
鍔部18dの外周側には、図4(A)に示すように、鍔部18dよりもさらに外周側へ広がる3個の被固定部18eが形成されている。3個の被固定部18eは、周方向において、所定の間隔をあけた状態で形成されている。被固定部18eは、スペーサ19を介して、ブレーキケース12の端面部12aに固定されている。すなわち、基板ホルダ18は、被固定部18eと端面部12aとの間にスペーサ19を挟んだ状態で端面部12aに固定されている。
スペーサ19は、鋼板等の磁性材料で形成されている。また、スペーサ19は、円環状に形成されている。図2に示すように、スペーサ19の後面には、鍔部18dおよび被固定部18eの前面が当接し、スペーサ19の前面には、端面部12aの後面が当接している。
磁石ホルダ7は、鋼板等の磁性材料で形成されている。この磁石ホルダ7は、全体として、段付きの略円筒状に形成されており、磁石ホルダ7には、軸方向に貫通する貫通孔7aが形成されている。また、磁石ホルダ7は、磁石ホルダ7の後端側部分を構成する円筒状の小径部7bと、磁石ホルダ7の前端側部分を構成する円筒状の大径部7cとから構成されている。小径部7bの外径は、基板ホルダ18の内周壁部18bの内径よりも小さくなっている。大径部7cの外径は、小径部7bの外径よりも大きくなっている。具体的には、大径部7cの外径は、内周壁部18bの外径よりも大きく、かつ、外周壁部18cの内径よりも小さくなっている。
小径部7bの後端面には、検出用磁石14が固定される磁石固定凹部7dが前側に向かって窪むように形成されている。磁石固定凹部7dの外周側には、円環状の壁部7eが形成されている。すなわち、小径部7bの後端側には、後ろ側へ立ち上る円環状の壁部7eが形成されている。軸方向における壁部7eの高さは、軸方向における検出用磁石14の厚さと略等しくなっており、壁部7eは、磁石固定凹部7dに固定される検出用磁石14の外周側を囲んでいる。本形態の壁部7eは、検出用磁石14の外周側を囲む磁石保持壁部である。なお、軸方向における壁部7eの高さは、軸方向における検出用磁石14の厚さより高くても良いし、低くても良い。
磁石ホルダ7の貫通孔7aには、回転軸2の後端側部分が挿入されており、磁石ホルダ7は、回転軸2の後端側に固定されている。具体的には、磁石ホルダ7は、回転軸2の後端側部分であって、端面部12aよりも後ろ側に配置される部分(すなわち、ハウジング5の外部に配置される部分)に固定されている。そのため、磁石ホルダ7は、端面部12aよりも後ろ側へ突出している。
また、磁石ホルダ7は、基板ホルダ18の内周側に配置されている。具体的には、図2に示すように、小径部7bの後端側部分は、内周壁部18bの内周側に配置されている。また、大径部7cは、内周壁部18bよりも前側に配置されており、小径部7bの前端側部分および大径部7cの後端側部分は、外周壁部18cの内周側に配置されている。また、大径部7cの前端側部分は、スペーサ19の内周側に配置されている。
本形態では、図2に示すように、径方向における大径部7cの外周面と外周壁部18cの内周面との隙間G1は、径方向における小径部7bの外周面と内周壁部18bの内周面との隙間G2よりも小さくなっている。すなわち、本形態では、径方向における大径部7cと基板ホルダ18との隙間G1は、径方向における小径部7bと基板ホルダ18との隙間G2よりも小さくなっている。たとえば、隙間G1は、隙間G2の半分となっている。
また、上述のように、端面部12aに形成される貫通孔12bの内径は回転軸2の後端側部分の外径よりもわずかに大きくなっており、大径部7cの前端面と端面部12aの後面とは、隙間をあけた状態で対向している。本形態では、大径部7cの前端面と端面部12aの後面との隙間は、カバー部材6の底部6aの前面と小径部7bの後端面との隙間よりも小さくなっている。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、磁石ホルダ7は、その後端側部分を構成する小径部7bと、その前端側部分を構成する大径部7cとから構成されている。また、本形態では、径方向における大径部7cの外周面と外周壁部18cの内周面との隙間G1は、径方向における小径部7bの外周面と内周壁部18bの内周面との隙間G2よりも小さくなっている。さらに、本形態では、鍔部18dおよび被固定部18eの前面は、スペーサ19の後面に当接し、かつ、スペーサ19の前面は、端面部12aの後面に当接している。
以上説明したように、本形態では、磁石ホルダ7は、その後端側部分を構成する小径部7bと、その前端側部分を構成する大径部7cとから構成されている。また、本形態では、径方向における大径部7cの外周面と外周壁部18cの内周面との隙間G1は、径方向における小径部7bの外周面と内周壁部18bの内周面との隙間G2よりも小さくなっている。さらに、本形態では、鍔部18dおよび被固定部18eの前面は、スペーサ19の後面に当接し、かつ、スペーサ19の前面は、端面部12aの後面に当接している。
そのため、本形態では、ブレーキ用コイル9に供給される電流によって形成される磁路のうち、端面部12aに直接、回り込まなかった磁路は、図2の矢印F1で示すように、大径部7cから、基板ホルダ18の外周壁部18c、鍔部18dおよび被固定部18eとスペーサ19とを介して、端面部12aに回り込みやすくなる。したがって、本形態では、ブレーキ用コイル9に流れる電流が発生させる磁束の、基板17を通過する部分の密度を低減することが可能になる。その結果、本形態では、回転軸2の外周側を囲む筒状のブレーキ用コイル9が設けられていても、検出機構4の検出精度の低下を抑制することが可能になる。なお、図2では、ブレーキ用コイル9に供給される電流によって形成される磁路のうち、端面部12aに直接、回り込む磁路は、矢印F0で示されている。
本形態では、磁石ホルダ7に検出用磁石14が固定されている。そのため、本形態では、回転軸2に対する磁石ホルダ7の固定位置を調整することで、磁石ホルダ7に保持される検出用磁石14と基板17との隙間を適切に設定することが可能になる。したがって、本形態では、検出機構4の検出精度の低下を効果的に抑制することが可能になる。
本形態では、磁石固定凹部7dに固定される検出用磁石14の外周側を囲む壁部7eが小径部7bの後端側に形成されている。そのため、本形態では、小径部7bに対する検出用磁石14の位置決めが容易になる。また、本形態では、壁部7eによって、検出用磁石14の外周面の損傷を防止することが可能になる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、基板ホルダ18の被固定部18eは、スペーサ19を介して、ブレーキケース12の端面部12aに固定されている。この他にもたとえば、被固定部18eは、端面部12aに直接固定されても良い。この場合には、外周壁部18cの長さが上述した形態よりも長くなり、鍔部18dおよび被固定部18eの前面が端面部12aの後面に当接する。そのため、ブレーキ用コイル9に供給される電流によって形成される磁路のうち、端面部12aに直接、回り込まなかった磁路が、大径部7cから端面部12aにより回り込みやすくなる。したがって、ブレーキ用コイル9に流れる電流が発生させる磁束の、基板17を通過する部分の密度を効果的に低減することが可能になる。なお、この場合には、大径部7cの全体が外周壁部18cの内周側に配置される。
上述した形態では、径方向における大径部7cの外周面と外周壁部18cの内周面との隙間G1は、径方向における小径部7bの外周面と内周壁部18bの内周面との隙間G2よりも小さくなっている。この他にもたとえば、隙間G1と隙間G2とは等しくても良いし、隙間G1は、隙間G2よりも大きくても良い。また、上述した形態では、基板ホルダ18は磁性材料で形成されているが、基板ホルダ18は非磁性材料で形成されても良い。この場合であっても、大径部7cの前端面と端面部12aの後面との隙間が、カバー部材6の底部6aの前面と小径部7bの後端面との隙間よりも小さくなっているため、ブレーキ用コイル9に供給される電流によって形成される磁路のうち、端面部12aに直接、回り込まなかった磁路は、大径部7cから端面部12aに回り込みやすくなる。したがって、ブレーキ用コイル9に流れる電流が発生させる磁束の、基板17を通過する部分の密度を低減することが可能になる。
上述した形態では、磁石ホルダ7は、小径部7bと大径部7cとから構成されており、磁石ホルダ7は、2段の段付きの略円筒状に形成されている。この他にもたとえば、磁石ホルダ7は、小径部7bよりも外径が大きく、かつ、大径部7cよりも外径が小さな中径部を有する3段の段付きの略円筒状に形成されても良い。また、磁石ホルダ7は、4段以上の段付きの略円筒状に形成されても良い。また、上述した形態では、磁気抵抗素子15とホール素子16とが基板17に実装されているが、磁気抵抗素子15のみが基板17に実装されても良い。
1 モータ
2 回転軸
3 ブレーキ
4 検出機構
5 ハウジング
7 磁石ホルダ
7b 小径部
7c 大径部
7e 壁部(磁石保持壁部)
9 ブレーキ用コイル
12a 端面部
12b 貫通孔
14 検出用磁石
15 磁気抵抗素子(感磁素子)
16 ホール素子(感磁素子)
17 基板
18 基板ホルダ
18a 基板固定部
18b 内周壁部
18c 外周壁部
18d 鍔部
G1 径方向における大径部の外周面と外周壁部の内周面との隙間
G2 径方向における小径部の外周面と内周壁部の内周面との隙間
2 回転軸
3 ブレーキ
4 検出機構
5 ハウジング
7 磁石ホルダ
7b 小径部
7c 大径部
7e 壁部(磁石保持壁部)
9 ブレーキ用コイル
12a 端面部
12b 貫通孔
14 検出用磁石
15 磁気抵抗素子(感磁素子)
16 ホール素子(感磁素子)
17 基板
18 基板ホルダ
18a 基板固定部
18b 内周壁部
18c 外周壁部
18d 鍔部
G1 径方向における大径部の外周面と外周壁部の内周面との隙間
G2 径方向における小径部の外周面と内周壁部の内周面との隙間
Claims (7)
- 略筒状に形成されるステータと、回転軸を有し前記ステータの内周側に配置されるロータと、ブレーキ用コイルを有し前記ロータを停止させる電磁式のブレーキと、磁性材料で形成され前記ステータ、前記ロータおよび前記ブレーキが収容されるハウジングと、磁性材料で形成され前記回転軸の一端側に固定される磁石ホルダと、前記ロータの回転位置を検出するための検出機構とを備え、
前記検出機構は、前記磁石ホルダに保持される検出用磁石と、前記検出用磁石に対向配置される基板に実装される感磁素子とを備え、
前記ハウジングは、前記回転軸の軸方向における前記ハウジングの一端側の面を構成する端面部を備え、
前記端面部には、前記回転軸の一端側が配置される貫通孔が形成され、
前記磁石ホルダは、前記軸方向における一端側に配置され前記検出用磁石が固定される小径部と、前記軸方向における他端側に配置され前記小径部よりも外径の大きな大径部とを備え、前記端面部よりも前記軸方向における一端側に突出していることを特徴とするモータ。 - 磁性材料によって略筒状に形成されるとともに前記基板を保持する基板ホルダを備え、
前記磁石ホルダは、前記基板ホルダの内周側に配置され、
前記回転軸の径方向における前記大径部と前記基板ホルダとの隙間は、前記径方向における前記小径部と前記基板ホルダとの隙間よりも小さくなっていることを特徴とする請求項1記載のモータ。 - 前記基板ホルダは、前記基板が固定される環状の基板固定部と、前記基板固定部の内周端から前記軸方向の他端側に向かって立ち上る筒状の内周壁部と、前記基板固定部の外周端から前記軸方向の他端側に向かって立ち上る筒状の外周壁部とを備え、
前記軸方向における前記内周壁部の長さは、前記軸方向における前記外周壁部の長さよりも短くなっており、
前記小径部の外径は、前記内周壁部の内径よりも小さくなっており、
前記大径部の外径は、前記内周壁部の外径よりも大きく、かつ、前記外周壁部の内径よりも小さくなっており、
前記小径部の一部は、前記内周壁部の内周側に配置され、
前記大径部は、前記内周壁部よりも前記軸方向の他端側に配置されるとともに、前記大径部の少なくとも一部は、前記外周壁部の内周側に配置され、
前記径方向における前記大径部の外周面と前記外周壁部の内周面との隙間が、前記径方向における前記小径部の外周面と前記内周壁部の内周面との隙間よりも小さくなっていることを特徴とする請求項2記載のモータ。 - 前記基板ホルダは、前記軸方向における前記外周壁部の他端から前記径方向の外側に向かって広がる鍔部を備え、
前記鍔部は、前記端面部に当接していることを特徴とする請求項3記載のモータ。 - 前記基板ホルダは、金属板によって形成されていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のモータ。
- 前記小径部には、前記検出用磁石の外周側を囲む磁石保持壁部が前記軸方向の一端側へ立ち上るように形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモータ。
- 前記検出用磁石の、前記基板との対向面には、前記回転軸の周方向において、N極とS極とが1極ずつ着磁され、
前記基板には、前記感磁素子として、前記軸方向において前記検出用磁石と重なる位置に配置される磁気抵抗素子が実装されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012257769A JP2014107903A (ja) | 2012-11-26 | 2012-11-26 | モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012257769A JP2014107903A (ja) | 2012-11-26 | 2012-11-26 | モータ |
Publications (1)
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JP2014107903A true JP2014107903A (ja) | 2014-06-09 |
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ID=51028977
Family Applications (1)
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JP2012257769A Pending JP2014107903A (ja) | 2012-11-26 | 2012-11-26 | モータ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2014107903A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016006393A (ja) * | 2014-06-20 | 2016-01-14 | 日本電産サンキョー株式会社 | モータ |
JP2016169966A (ja) * | 2015-03-11 | 2016-09-23 | 日本電産サンキョー株式会社 | 磁気センサおよびモータ |
WO2017134827A1 (ja) * | 2016-02-05 | 2017-08-10 | 三菱電機株式会社 | 回転角検出装置および電動機 |
-
2012
- 2012-11-26 JP JP2012257769A patent/JP2014107903A/ja active Pending
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JPWO2017135440A1 (ja) * | 2016-02-05 | 2018-05-31 | 三菱電機株式会社 | 回転角検出装置および電動機 |
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