JP2010154710A - レゾルバ付モータ - Google Patents

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宗宏 神谷
Yoshiyuki Hisamatsu
義幸 久松
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順洋 河瀬
Tadashi Yamaguchi
忠 山口
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Abstract

【課題】レゾルバ付モータにおいて、モータ本体から漏洩する磁束によりレゾルバが受ける影響をより少なくする。
【解決手段】レゾルバ付モータ10は、モータロータ22を含むモータ本体14とレゾルバ16とを有する。そして、レゾルバ付モータ10は、レゾルバ16と所定の間隔を空けてモータロータ22側に配置され、モータ本体14から漏洩する磁束を誘導するリテーナ34を有する。この構成により、リテーナ34に誘導された磁束がリテーナ34からレゾルバ16へ入ることを防止することができる。よって、磁束からレゾルバ16が受ける影響をより少なくすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、モータロータの回転角を検出するレゾルバを内蔵したレゾルバ付モータに関し、特にモータ本体から漏洩する磁束によりレゾルバが影響を受けないようにする構造の改良に関する。
従来からモータロータの回転角を検出する手段としてレゾルバが用いられている。モータを小型化することにより、モータとレゾルバが近接すると、モータ本体から漏洩する磁束によりレゾルバが影響を受けてしまい、モータロータの回転角の検出精度が低下してしまうという問題があった。そこで、モータ本体から漏洩する磁束によりレゾルバが影響を受けないようにする技術が提案されている。例えば、下記特許文献1には、モータ本体とレゾルバとの間にシールドカバーを取り付けたレゾルバ付モータが開示されている。
以下、下記特許文献1のレゾルバ付モータについて図1,2を用いて説明する。図1は、レゾルバ付モータを示す断面図であり、図2は、図1の要部の作用を示す図である。
レゾルバ付モータ110は、ケース112内にモータ本体114とレゾルバ116とを有する。モータ本体114は、ケース112に軸受118を介して回転可能に支持される回転軸120と、回転軸120に固定され一体に回転するモータロータ122と、モータロータ122の周囲に配置されるモータステータ124とを有する。モータステータ124には、モータコイル126が巻回されている。このモータコイル126の通電により、モータステータ124に回転磁界が発生し、この回転磁界に吸引される力がモータロータ122に発生して、モータロータ122が回転する。このとき、モータコイル126とモータロータ122の間において、図1の破線に示すような漏れ磁束が発生する。
レゾルバ116は、モータロータ122と間隔をおいて、回転軸120の軸方向端部に固定されるレゾルバロータ128と、レゾルバロータ128の周囲に配置されるレゾルバステータ130とを有する。レゾルバステータ130には、レゾルバコイル132が巻回されている。レゾルバステータ130のモータロータ122側の端面には、レゾルバコイル132の露出部分を覆うようにシールドカバー134が設けられている。シールドカバー134は、磁性体で構成される。このため、図2で示すように、モータ本体114で発生する漏れ磁束136は、シールドカバー134に集中し、レゾルバ116に到達する磁束が少なくなる。よって、漏れ磁束136の影響を受けずにレゾルバ116はモータロータ122の回転角を検出することができる。
特開平9−65617号公報
一般的に、自動車などにモータが搭載される場合においては、モータの設置スペースに余裕がないなどの理由から、モータの小型化が図られている。レゾルバ付モータにおいては、例えばモータ本体とレゾルバとの間隔を小さくすることにより軸方向の小型化が図られる。そうすると、上記特許文献1のようなレゾルバステータの端面にシールドカバーを設けた構成であっても、漏れ磁束によりレゾルバは少なからず影響を受けてしまう。
本発明の目的は、モータ本体から漏洩する磁束によりレゾルバが受ける影響をより少なくすることができるレゾルバ付モータを提供することにある。
本発明は、回転軸に固定され、回転軸と一体に回転するモータロータと、モータロータの周囲に配置されるモータステータと、モータステータに巻回されたモータコイルとを有するモータ本体と、モータロータと間隔をおいて、回転軸の軸方向端部に固定されるレゾルバロータと、レゾルバロータの周囲に配置されるレゾルバステータとを有するレゾルバと、を備えるレゾルバ付モータにおいて、レゾルバステータを固定するリテーナを有し、そのリテーナが、レゾルバと所定の間隔を空けてモータロータ側に配置され、モータ本体から漏洩する磁束を誘導することを特徴とする。
また、リテーナは、レゾルバステータと所定の間隔を空けてレゾルバステータの外周を覆う円筒部を有することができる。
また、リテーナの円筒部には、周方向に所定の間隔を空けて空隙が設けられていることを特徴とする。
また、レゾルバとリテーナとの間に、磁界をシールドするシールド部材が設けられることを特徴とする。
また、シールド部材は、非磁性体であることを特徴とする。
また、リテーナは、磁性体であることを特徴とする。
本発明のレゾルバ付モータによれば、モータ本体から漏洩する磁束によりレゾルバが受ける影響をより少なくすることができる。
以下、本発明に係るレゾルバ付モータの実施形態について、図を用いて説明する。図3は、本実施形態のレゾルバ付モータの構成を示す断面図である。
レゾルバ付モータ10は、ケース12内にモータ本体14とレゾルバ16とを有する。モータ本体14は、ケース12に軸受18を介して回転可能に支持される回転軸20と、回転軸20に固定され一体に回転するモータロータ22と、モータロータ22の周囲に配置されるモータステータ24とを有する。モータステータ24には、モータコイル26が巻回されている。このモータコイル26の通電により、モータステータ24に回転磁界が発生し、この回転磁界に吸引される力がモータロータ22に発生して、モータロータ22が回転する。このとき、モータコイル26とモータロータ22の間において、図3の破線に示すような漏れ磁束が発生する。
レゾルバ16は、モータコイル26の軸方向端部に対し軸方向内側に配置される。レゾルバ16は、モータロータ22と間隔をおいて、回転軸20の軸方向端部に固定されるレゾルバロータ28と、レゾルバロータ28の周囲に配置されるレゾルバステータ30とを有する。レゾルバステータ30にはレゾルバステータコイル30aが巻回されている。レゾルバ16は、レゾルバロータ28が回転することにより、磁気抵抗差が生じて出力される電圧の変化からモータロータ22の回転角を検出する。
本発明に係るレゾルバ付モータ10は、レゾルバ16と所定の間隔を空けてモータロータ22側に配置され、モータ本体14から漏洩する磁束を誘導するリテーナ34を有することを特徴とする。
図4に、レゾルバ16とリテーナ34の構成を示す。リテーナ34は、レゾルバ16より軸方向内側に位置し、ケース12にボルト36を介して固定されている。リテーナ34とケース12との間には、非磁性体からなり、磁界をシールドするシールド部材38が挟まれている。リテーナ34は、レゾルバステータ30の側面の径方向外側を覆うように設けられている。リテーナ34は、円板状であり、その中心には円形の孔が形成されている。リテーナ34は、磁性体からなる。このため、モータ本体14から漏洩する磁束がリテーナ34に誘導されて集まるので、磁束がレゾルバ16に入りにくくなる。よって、磁束からレゾルバ16が受ける影響を少なくすることができる。また、リテーナ34とケース12との間にシールド部材38を挟むことにより、モータ本体14から漏洩する磁束がシールド部材38によりシールドされてレゾルバ16に入りにくくなり、磁束からレゾルバ16が受ける影響をより一層少なくすることができる。
また、リテーナ34とレゾルバ16と間の所定の間隔tは、1mm以上空いている。すなわち、リテーナ34とレゾルバ16との間には、非磁性の空気層が設けられる。このようにレゾルバ16と接することなく、レゾルバ16に対して空気層を介してリテーナ34を配置することにより、リテーナ34に誘導された磁束がリテーナ34からレゾルバ16へ入ることを防止することができる。よって、磁束からレゾルバ16が受ける影響をより少なくすることができる。
リテーナ34の別の態様について図5を用いて説明する。リテーナ34は、レゾルバステータ30と所定の間隔を空けてレゾルバステータ30の外周を覆う円筒部34aを有する。この構成より、モータ本体14から漏洩しレゾルバステータ30の外周に向かう磁束が円筒部34aに誘導されて集まるので、磁束がレゾルバ16に一層入りにくくなる。
また、レゾルバステータ30と円筒部34aとの間には、所定の間隔の隙間、すなわち非磁性の空気層が設けられる。このようにレゾルバステータ30と接することなく、レゾルバステータ30に対して空気層を介して円筒部34aを配置することにより、円筒部34aに誘導された磁束が円筒部34aからレゾルバステータ30へ入ることを防止することができる。よって、磁束からレゾルバ16が受ける影響をさらに少なくすることができる。
また、円筒部34aにおいては、周方向に所定の間隔を空けて空隙を設けることができる。円筒部34aに空隙を設けることにより、磁束がレゾルバステータ30の外周に入るのを防ぎつつ、リテーナ34の軽量化を図ることができる。
シールド部材38の別の態様について図6を用いて説明する。シールド部材38は、レゾルバステータ30とリテーナ34とに挟まるように設けられている。この構成により、リテーナ34から漏れてレゾルバステータ30に向かい磁束がシールド部材38でシールドされ、レゾルバステータ30へ入ることを確実に防止することができる。よって、図5の態様のときより、磁束からレゾルバ16が受ける影響をさらに少なくすることができる。
次に、モータ本体14から漏洩する磁束によりレゾルバ16が受ける影響について図を用いて説明する。図7(a)はリテーナ34がない場合におけるレゾルバ16の磁束密度を示す図であり、図7(b)は、図4の態様のリテーナ34を設けた場合におけるレゾルバ16の磁束密度を示す図であり、図7(c)は、図5の態様のリテーナ34を設けた場合におけるレゾルバ16の磁束密度を示す図である。
これらの図にそれぞれ示される2つの曲線のうち、一方の曲線Brはレゾルバ16の周方向における磁束密度を示し、他方の曲線Btはレゾルバ16の径方向における磁束密度を示す。図7(a)と図7(b)とを比較すると、図7(a)より図7(b)に示される曲線Br,Btのほうが振幅の変化が小さいことがわかる。すなわち、リテーナ34がない場合より図4の態様のリテーナ34を設けた場合のほうが磁束によるレゾルバ16の影響が小さいことがわかる。また、図7(b)と図7(c)とを比較すると、図7(b)より図7(c)に示される曲線Br,Btのほうが振幅の変化が小さいことがわかる。すなわち、図4の態様のリテーナ34を設けた場合より図5の態様のリテーナ34を設けた場合のほうが磁束によるレゾルバ16の影響が小さいことがわかる。
このように、本実施形態のレゾルバ付モータ10によれば、レゾルバ16に空気層を介してリテーナ34を配置することにより、モータ本体14から漏洩する磁束がリテーナ34に誘導されるので、磁束によりレゾルバ16が受ける影響をより少なくすることができる。また、レゾルバステータ30の外周を、空気層を介してリテーナ34の円筒部34aが覆うことにより、モータ本体14から漏洩しレゾルバステータ30の外周に向かう磁束が円筒部34aに誘導されるので、磁束によりレゾルバ16が受ける影響をより一層少なくすることができる。
本実施形態では、レゾルバ16より軸方向内側に、レゾルバステータ30の側面の径方向外側を覆うようにリテーナ34を設けた場合について説明したが、この構成に限定されない。レゾルバステータ30の側面を全て覆うようにリテーナ34を設けることができ、さらにレゾルバロータ28の側面を覆うようにリテーナ34を設けることもできる。
従来のレゾルバ付モータの一例を示す断面図である。 図1の要部の作用を示す図である。 本実施形態のレゾルバ付モータの構成を示す断面図である。 図3のレゾルバを示す図である。 別の態様のリテーナを示す図である。 別の態様のシールド部材を示す図である・ (a)は、リテーナがない場合におけるレゾルバの磁束密度を示す図であり、(b)は、図4の態様のリテーナを設けた場合におけるレゾルバの磁束密度を示す図であり、(c)は、図5の態様のリテーナを設けた場合におけるレゾルバの磁束密度を示す図である。
符号の説明
10 レゾルバ付モータ、12 ケース、14 モータ本体、16 レゾルバ、20 回転軸、22 モータロータ、24 モータステータ、26 モータコイル、34 リテーナ。

Claims (6)

  1. 回転軸に固定され、回転軸と一体に回転するモータロータと、モータロータの周囲に配置されるモータステータと、モータステータに巻回されたモータコイルとを有するモータ本体と、
    モータロータと間隔をおいて、回転軸の軸方向端部に固定されるレゾルバロータと、レゾルバロータの周囲に配置されるレゾルバステータとを有するレゾルバと、
    を備えるレゾルバ付モータにおいて、
    レゾルバと所定の間隔を空けてモータロータ側に配置され、モータ本体から漏洩する磁束を誘導するリテーナを有する、
    ことを特徴とするレゾルバ付モータ。
  2. 請求項1に記載のレゾルバ付モータにおいて、
    リテーナは、レゾルバステータと所定の間隔を空けてレゾルバステータの外周を覆う円筒部を有する、
    ことを特徴とするレゾルバ付モータ。
  3. 請求項2に記載のレゾルバ付モータにおいて、
    リテーナの円筒部には、周方向に所定の間隔を空けて空隙が設けられている、
    ことを特徴とするレゾルバ付モータ。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載のレゾルバ付モータにおいて、
    レゾルバとリテーナとの間に、磁界をシールドするシールド部材が設けられる、
    ことを特徴とするレゾルバ付モータ。
  5. 請求項4に記載のレゾルバ付モータにおいて、
    シールド部材は、非磁性体であることを特徴とするレゾルバ付モータ。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載のレゾルバ付モータにおいて、
    リテーナは、磁性体であることを特徴とするレゾルバ付モータ。
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