JP2008112958A - 加工装置、及び配線基板の製造装置 - Google Patents
加工装置、及び配線基板の製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008112958A JP2008112958A JP2007027056A JP2007027056A JP2008112958A JP 2008112958 A JP2008112958 A JP 2008112958A JP 2007027056 A JP2007027056 A JP 2007027056A JP 2007027056 A JP2007027056 A JP 2007027056A JP 2008112958 A JP2008112958 A JP 2008112958A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- local exhaust
- exhaust device
- processing apparatus
- local
- gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
Abstract
【解決手段】加工装置の構成を、局所排気装置4が、支持台2に対する浮上用ガスの噴射によって支持台2から相対的に浮上可能とされ、浮上用ガスの噴射が、局所排気装置4内に設けられた絞り通気手段13を介してなされる構成とする。
【選択図】図1
Description
例えば、集束エネルギーとしてレーザ光を用いるレーザCVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法は、支持台上に載置された加工対象物(例えば半導体基板)のうち、レーザ光が照射された特定の箇所で局所的に生じる熱エネルギーによって、雰囲気中の原料ガスを分解し、分解物をもとに薄膜を形成するCVD手法である。加工対象物上における、CVD法による薄膜形成(成膜)に最適な雰囲気圧力は、加工の対象物や目的に応じて変化するが、CVD法で実際に成膜を行う際には、最終的な最適圧力に関係なく(不純物除去等の目的で)、いったん大気を排気することが必要となる。このため、従来のレーザCVD用の加工装置は、排気に伴う極端な圧力低下に耐えうる所謂真空チャンバーを備える必要があったために、大型化が避けられなかった。
この加工装置では、レーザ光が照射される特定箇所の雰囲気(原料ガス等)が、その周囲で局所排気装置から支持台へ向けて噴射される圧縮ガス(所謂ガスカーテン)によって、外気と分離される。この構成によれば、排気時の極端な圧力低下の対策として大型チャンバーの具備を要することなく、この局所的な雰囲気に関する不純物除去等を図ることができる。したがって、局所排気装置を備えた加工装置によれば、装置の小型化が可能となる。
しかし、この特許文献1及び2に記載されている加工装置では、局所排気装置の位置が固定されてしまう。このため、この加工装置における局所排気装置は、その動作の際、加工対象物が有する歪み(厚みむら、反り、うねりなど)に柔軟に対応することができない。すなわち、厚みむらや反りなどに応じて局所排気装置の高さが適切に変動しない。このため、厚みむらや反りが局所排気装置と加工対象物との間における距離に直接反映されてしまい、局所排気装置の高さの増減によってガスの流れが変化してしまうため、均質な膜が得られなくなる。
また、成膜を行っている間、加工対象物の表面と局所排気装置の最下部との間隔を一定の距離に制御(維持)するという手法も提案されているが、ディスプレイ用のTFT基板のように加工対象物が比較的大面積である場合などには、歪みも大きくなる傾向にある。したがって、歪みの凹凸が必ずしも想定の範囲内で収まるとは限らず、加工対象物と局所排気装置とが互いに接触する(損傷する)おそれが残る。
図8Aに、この自己浮上型の従来の加工装置101の概略構成図と、局所排気装置の概略底面図とを示す。
この従来の加工装置101は、図8Aに示すように、加工対象物(例えば基板)103を支持する支持台102と、この支持台102上に支持された加工対象物103に対向して配置された、局所的な成膜を行うための局所排気装置104とを有する。局所排気装置104には、その透明窓119及び透過孔120を通じてレーザ光Lが導入される局所排気部106に向けて、成膜用の原料ガスを供給する原料供給手段105と、パージガス供給手段107とが、それぞれ原料ガス流路117とパージガス流路118とを通じて連結されている。局所排気装置104には、更に、例えば圧縮ガスを支持台102側に向けて噴射して局所排気装置104を静圧浮上させる圧縮ガス供給手段109が、この噴射における通気手段となる多孔質通気膜113及び圧縮ガス供給路114を介して連結されていることにより、局所排気装置104は静圧浮上パッド構成とされている。圧縮ガス供給手段109からの圧縮ガスと、局所排気部106に供給されるガスとは、図8Bに示すように、それぞれ、局所排気部106の周囲に同心円状に設けられた吸引溝(排気流路)115及び116を通じて、排気手段110及び111によって、適宜排気される。
しかしながら、この従来の加工装置101において、浮上用圧縮ガス噴き出し手段となっているアルミ多孔質(気孔率40%)の多孔質通気膜113に100L/minの浮上ガスを流すためには、大きな浮上面面積(具体的な例として、図9に示した加工装置においては、局所排気装置104の底面の直径が60mm以上あること)が必要となる。
この場合、加工対象物のうち、端から30mm(局所排気装置の半径に相当する距離)の位置よりも外側に相当する周辺領域(縁部)は、局所排気装置の浮上が不安定に(もしくは不可能に)なるために、加工が極端に難しい領域となる。したがって、従来の量産においては、加工対象物の周辺領域は加工を避け、余剰分として処分せざるを得ないことになるため、生産効率が低下してしまっていた。
なお、本実施形態においては、加工対象物が(例えばTFT基板などの)配線基板である配線基板の製造装置を例として、加工装置の実施の形態を説明する。
図1A及び図1Bに、本実施形態に係る加工装置の概略構成図を示す。本実施形態に係る加工装置1は、少なくとも、集束エネルギー源としてレーザ光を用いるレーザCVD法による成膜機能を備える。また、特に本実施形態においては、レーザエッチング機能をも備えた装置構成を有する。
本実施形態に係る加工装置1は、図1Aに示すように、加工対象物(基板)3を支持する支持台2と、この支持台2上に支持された加工対象物3に対向して配置された、局所的な成膜を行うための局所排気装置(本実施形態では成膜機能とエッチング機能を兼ね備えた局所成膜エッチングヘッド;局所加工ヘッド)4とを有する。
そして、局所排気装置4の底面には、支持台2側に向けて噴射された圧縮ガスと、加工対象物3に向けて供給されたガス(原料ガスやパージガス等)の余剰分とを、それぞれ、排気手段10及び11によって排気するためのリング状吸引溝(排気流路)15及び16が設けられている。そして、前述の局所的空間(局所排気部6)は、局所排気装置4の底面に臨んで、排気流路15及び16の端部を構成する吸引溝が形成する略同心環状の内側に、透明窓19や透過孔20から加工対象物3までの高さを占める略円筒状空間として、形成される。
本実施形態に係る加工装置1においては、加工装置1において、例えば図示しないレーザ光源装置からのレーザ光Lを、対物レンズ等によって集光し、透明窓19を有する透過孔20を通じて局所排気部6に導入することにより、局所排気部6内におけるレーザCVD法による薄膜形成やレーザエッチングによる薄膜除去などの加工が可能となる。
したがって、局所排気装置4の幅(底面面積)が従来に比べて小さくとも、従来の(例えば多孔質による)通気手段に比べて優れた浮上特性を、占有面積の小さい絞り通気手段によって得ることができることから、局所排気装置4の必要な浮上高さを、安定的に得ることができる。
最初に、加工対象物3に対して、レーザCVD法による薄膜形成を行う場合について、説明する。
まず、圧縮ガス供給手段(供給源)9から圧縮ガスを圧縮ガス供給路14に供給し、絞り通気手段13を通して加工対象物3側に噴射し、局所排気装置4を加工対象物3から所定間隔だけ浮上させ、動作を開始する。この際、図2に示すように、局所排気装置4の直下から離れた位置に、加工対象物3と略同程度の厚さを有しかつ加工対象物3に近接した浮上ステージ8を用意しておき、この浮上ステージ8に載置しておいた局所排気装置4を浮上させてから、この局所排気装置4を加工対象物3上に移動させる手順を経ると、加工対象物3上に移動させる際に接触を確実に回避できるので、好ましいと考えられる。
原料供給手段5から供給される成膜用の原料ガス、及びパージガス供給手段7から供給されるパージガス(キャリアガス)は、CVD膜の成膜に使用した後に、より内側の吸引溝による排気流路15から排気手段11により吸引される。また、絞り通気手段13より放出された圧縮ガスは、局所排気装置4の内部に向かっていくが、より外側の吸引溝による排気流路16から排気手段10により排気される。これにより、外気の遮断による局所排気部6の独立化が可能となる。
まず、レーザCVD法におけるのと同様に、圧縮ガス供給手段9からの圧縮ガスを絞り通気手段13を通して加工対象物3側に噴射し、局所排気装置4を加工対象物3から所定間隔だけ浮上させる。この状態で、レーザ光Lを加工対象物3のエッチングすべき領域に照射し、形成されている薄膜パターンの一部を熱的に除去する。このとき、局所排気部6に対して独自の排気手段(図示せず)を設けることにより、エッチングにより発生したダスト(削りカス)を排出することができる。また、パージガスにより、エッチングによって生じた異物が透明窓19の内面に付着されるのが抑制される。
本実施形態に係る加工装置においては、従来のアルミ多孔質を浮上ガス吹き出し手段として用いた場合と同様、通常現場にて用いるガス源圧力範囲である0〜4kgf/cmの範囲で、0〜100μmの浮上特性が得られている。浮上時の剛性は、従来の多孔質通気手段による通気手段を備えた加工装置におけるよりも若干低くなっていたが、まだ充分高いことを確認することができた。すなわち、本実施形態に係る加工装置によれば、局所排気装置の剛性を充分高く維持しながらも、浮上に要する面積を大幅に縮小することができる。
これらの結果からも、本実施形態に係る加工装置においては、より幅狭の局所排気装置によっても、この局所排気装置と加工対象物との間隔を安定的に維持できるため、加工対象物に高品質な薄膜を形成できると考えられる。
図4に、本実施形態に係る加工装置の概略構成図を示す。本実施形態に係る加工装置21は、集束エネルギー源として集束イオンビームを用いる、集束イオンビームCVD法による成膜機能および集光イオンビームエッチング機能を備える。
本実施形態に係る加工装置21は、図4に示すように、加工対象物(基板)23を支持する支持台22と、この支持台22上に支持された加工対象物23に対向して配置された、局所的な成膜を行うための局所排気装置24とを有する。局所排気装置24は、中央に集束イオンビームBが導入される局所排気部26を有し、上部に略円錐形くぼみを有する略円筒形の装置形状とされている。
集束イオンビーム鏡筒41は、上方が円筒形、下方に向かう先端部が約60度の頂角を有する円錐形となる金属製の筒で、円錐形の先端は頭が切られてイオンビームBを局所排気装置24に向かって放射する開口を有する。
また、本実施形態に係る加工装置21においても、前述の第1の実施形態と同様に、局所排気装置24の安定的な浮上を、占有面積の小さい絞り通気手段33によって得ることができることから、局所排気装置24の浮上特性の改善が図られる。
本発明の実施例について説明する。
第1実施例として、図1A及び図1Bに示した加工装置の、配線基板の製造装置における具体的な動作(配線基板の移動手順、レーザCVD、及びレーザエッチング)の一例について説明する。
まず、局所排気装置4を、絞り通気手段13を通じたガス噴射によって浮上ステージ8上で浮上させておき、この浮上を維持した状態で、支持台2(X−Yステージ)上の加工対象物(本実施例では配線基板;例えばTFTアレイ基板)3を、支持台2の移動によって移動させる。本実施例では、圧縮ガス供給手段9から、0.4MPaの圧縮窒素が流量80L/minで供給されている。また、局所排気装置4の浮上ステージ8に対する浮上量(高さ)は約100μmとなっており、浮上ステージ8と配線基板3との間に例えば50μm程度の段差があったとしても、この段差を乗り越えることが可能となる。
その後、圧縮窒素の流量を10L/minに選定することによって局所排気装置4の配線基板3に対する浮上量を、10μmとする。続いて、配線基板3の中で加工(レーザCVD法など)を行いたい箇所が局所排気部6に位置するように、支持台2の移動によって配線基板3を移動させる。
この接触の回避は、本実施例に係る配線基板の製造装置における局所排気装置4の幅が絞り通気手段13の導入によって従来よりも小さくて済む(ことを許容されている)ため、接触しないための最低浮上高さが低められていることにより、より確実に図られる。
高速で行うことが可能となる第一の理由は、従来の配線基板の製造装置においては高速移動を(特に大きな移動距離で)行うと生じやすくなる支持台2自体の振動によっても、本実施例に係る配線基板の製造装置によれば接触が生じないことである。
高速で行うことが可能となる第二の理由は、本実施例に係る配線基板の製造装置によれば、浮上が安定的になされかつ局所排気装置の幅が従来よりも小さいために接触が生じ難く、従来のような移動前後における浮上量の変更を必要としないことである。従来の配線基板の製造装置では、加工箇所の変更つまり配線基板の移動のたびに、接触回避のために移動の開始前に浮上量をいったん大きくし、移動の終了後に浮上量を元に戻すということが求められていたが、本実施例に係る配線基板の製造装置によれば、それが不要となる。
このように、本実施例に係る配線基板の製造装置によれば、実際の加工において配線基板の移動をより高速で行うことができることから、生産(量産)においては、タクトタイム(工程にかかる時間;スループット)が短縮されることにより生産性の向上も図られ、成膜品質と生産性の両立が可能になる。
まず、前述した動作(配線基板の移動手順)によって、配線基板3の中で加工(本例ではレーザCVD法)を行いたい箇所が局所排気部6に位置するように、支持台2の移動によって配線基板3を移動させる。続いて、CVD時に雰囲気となる成膜用のガスとして、例えば原料ガス(タングステンカルボニル)とアルゴンガスとを、それぞれ0.1L/minと5L/minとの流量で局所排気部6に導入する。ただし、原料ガスの分圧は44Pa、汚れ防止のために透明窓19に向けられる窓パージガスは0.2L/minとした。
その後、QスイッチNd:YAG レーザの第3高調波光源(図示せず)から出射されるレーザ光Lを、照射観察ユニットを介して配線基板3上の所望の箇所(成膜を要する箇所;例えば配線の断線箇所など)に照射する。照射観察ユニットは、図示しないが、レーザ光Lをアパーチャにより整形し、配線基板3上の所望の箇所に所望の形状で照射パターンを形成すると同時にレーザ光照射部のパターンを観察する機能を有する。この照射観察ユニットの一例の構成としては、出射側に配置する対物レンズを倍率50倍、作動距離を15mm、加工時のレーザ光照射条件を例えば繰り返し2kHz ,パルス幅50ns,照射強度50kW/cm2,照射ビーム形状5μm角とする構成が挙げられる。
このように、局所排気部6において、所定の雰囲気下、レーザ光Lの導入を行い、配線基板3のうち所望の箇所にのみ熱を発生させることにより、レーザCVD法による薄膜形成を行うことができる。
まず、前述した動作(配線基板の移動手順)によって、配線基板3の中で加工(本例ではレーザエッチング)を行いたい箇所が局所排気部6に位置するように、支持台2の移動によって配線基板3を移動させる。続いて、レーザCVD法におけるのと同様にレーザ光Lを照射してレーザエッチングを行う。
なお、このプロセス時の実際のレーザ光照射の条件構成は、例えば、パルス幅50ns、パルス照射数1回、照射強度2J/cm2、照射ビーム形状5μm角とする構成が挙げられる。
次に、第2実施例として、図1A及び図1Bに示した加工装置の、具体的な変形例の検討結果について説明する。本実施例では、絞り通気手段の配置形状等を工夫した検討結果について説明する。
例えば、図5Aに示すように、絞り通気手段13が、予め局所排気装置4の底面に掘り込まれた浅いリング状溝(破線図示;例えば深さ数十μm)内に設けられた構成とすることもできる。この構成によれば、局所排気部6を外気とよりよく分離して、ガスカーテンによる密閉性を向上させることができる。以下の説明では、この図5Aに示した構成を、自成絞り溝給気方式とする。
また、例えば、図5Bに示すように、局所排気装置4の底面つまり浮上面が、角型(矩形,四角形)の外形を有する構成とすることもできる。この構成によれば、浮上面の面積増加によって、浮上剛性の向上を図ることができる。しかも、特に加工対象物が矩形(四角形)である場合には、加工可能な範囲は図1Bに示した(底面が丸型の外形を有する)局所排気装置4による場合と変わることなく、従来よりも広い範囲に対して加工を行うことができる。以下の説明では、この図5Bに示した構成を、自成絞り角型方式とする。
また、例えば、図5C及び図5Dに示すように、単純な絞りとは異なる、環状に連続した絞りが絞りと同様に作用する構成とすることもできる。以下の説明では、この図5C及び図5Dに示した構成を、スロット絞り方式とする。本発明に係る加工装置及び配線基板の製造装置においては、その絞り方式(絞り構造)について、単純な絞りに限られず、このスロット絞り型に例示されるように、様々な絞り方式を適用し得る。
次に、第3実施例として、絞り通気手段13を備えた局所排気装置4を有する加工装置(配線基板の製造装置)の、具体的な構成の検討結果について説明する。
従来の、多孔質通気手段を備えた局所排気装置を有する加工装置では、通常、工場で使用している窒素ガス供給圧力範囲である圧力4kgf/cm2以下で、100L/mの窒素消費量にて100μm浮上するという浮上特性を示す。本実施例では、本発明に係る加工装置(配線基板の製造装置)の中で、特に、絞り通気手段を備えた局所排気装置(図1B参照)を有し、かつ、局所排気装置が従来の装置におけるのと同等以上の浮上特性を示すための具体的な構成について、検討を行った。
これは、より小さい径の絞りを備える局所排気装置でも、絞り穴の数を増やすことによって100L/mの流量を得られるが、それだけ小さい穴を多く形成する加工はドリル加工が難しくなるために、穴径のバラツキが生じやすく(大きくなりやすく)なり、穴径にバラツキが生ずると、局所排気装置4が浮上時に斜めに傾く原因となるためである。
0.4mm径の絞り穴を有するテストピース(試験的に作製した局所排気装置)を製作し、4kgf/cm2の圧力条件にて窒素を流してみたところ、約7L/minの流量が確認された。そこで、目的とする100L/min以上の流量を得るため、絞り穴の数を15個以上(実際には16個)に選定した。
加工装置の使用現場からの要求により、加工対象物の端から12.5mmの位置まで加工が行えるよう、底面中心から外径(外形)までの距離は12.5mmとした。また、底面中心から吸引溝15までの距離は、局所排気部6を真空状態にするために必要な領域であり、そのためには少なくとも6mm必要であることが確認できた。
検討は、局所排気装置における底面中心から各絞り穴までの距離(絞りリング半径;各絞り穴は同心円状に配置されているので16個の穴までの距離は一定)を段階的に幾つか設定し、各設定に対応して作製したテストピースを4kgf/cm2の圧力にて窒素を流し浮上させる試験により行った。
この試験結果より、浮上力は、絞り通気手段(図1B)を備えた構成で、かつ絞りのリング半径が9mmのものと、スロット絞り(図5C及び図5D)を備えた構成で、かつ絞りのリング半径が9.5mmのもので、特に大きくとれることが確認できた。
検討は、各絞り方式による局所排気装置4の、浮上用窒素ガスを50L/minの流量で供給した時の浮上面と基板の隙間(浮上高さ)と、それぞれの浮上高さ(10μm〜50μm)における浮上力との関係を測定することによって行った。
なお、本検討では、図5Bに示したような角型の底面形状を有する構造についても測定を行うため、自成絞り角型(図5Bの角型構造)の局所排気装置4をテストピースとして試作し、測定を行った。なお、スロット絞り方式の角型構造については、数10μmのスロット溝加工を角型部材に施すことが困難であったため、生産性を考慮して自成絞り方式角型の検討を優先した。
実際に局所排気装置4を浮上させる場合は、窒素噴出しによる浮上力と局所排気部で真空が配線基板をひきつける力とが釣り合った状態で、一定の浮上高さに安定することになる。したがって、浮上力が大きいことは、浮上剛性が高いことを意味する。
図7の結果より、すべての浮上高さにおいて大きな浮上力が得られるのは、自成絞り角型であることが確認できた。
すなわち、本実施例に係る加工装置によれば、従来に比して、より多くの適切な修正が可能となる。
よって、本実施形態に係る加工装置や配線基板の製造装置によれば、従来に比べて少ない浮上面面積で局所排気装置の安定的な浮上を得ることができることから、従来は余剰分として処分せざるを得なかった加工対象物の周辺領域(縁部)に対しても成膜を行うことが可能となる。
したがって、加工対象物のより広い範囲に所定の加工を施して有効利用できることから、例えば、1つの加工対象物からより多くの部品を作製することも可能になると考えられる。
更に、本実施形態に係る加工装置や配線基板の製造装置によれば、従来の装置構成に比して、局所排気装置が幅狭とされているため、この局所排気装置が、加工対象物表面の細かい歪みにも柔軟に対応して上下することが可能となる。つまり、従来の装置に比べて、凹凸によって加工対象物と局所排気装置との距離が変動しにくいために、距離(すなわちCVD薄膜の膜質)の均一性を向上させることができる。
この浮上特性は、従来の加工装置において、その不安定さがコストの増大の要因となっていた。すなわち、従来の局所排気装置においては、多孔質通気手段の作製時に気孔率が(特に局所排気装置の幅方向;平面方向について)均一になりにくく、1つの多孔質通気手段内で気孔率の偏りが生じたり、別々の(例えばロットが異なる)多孔質通気手段において気孔率のバラツキが生じたりしていた。このために、浮上特性は、1つの局所排気装置内で、或いは別々の局所排気装置間で、異なることが多く、不安定であった。
本実施形態に係る加工装置や配線基板の製造装置においては、このような浮上特性の不安定さの低減、つまり浮上特性の安定化(改善)が図られる。
しかし、本実施形態に係る加工装置や配線基板の製造装置によれば、装置の製造時にも、必要な径,個数の絞り通気手段を容易に形成できるため、製造コストの低減も図られると考えられる。
また、前述の実施形態では、局所排気装置に複数個の絞り通気手段が設けられる例を説明したが、局所排気装置の安定的な水平浮上を図るためには、これら複数個の絞り通気手段が、局所排気装置の底面において対称的となるように配置されることが好ましい。この対称的配置のためには、例えば絞り通気手段が偶数個設けられた構成などが考えられる。
また、例えば局所排気装置の底面(特に絞り通気手段の近傍)は、レーザCVD法による成膜をクリーンルーム内で行う場合に備えてSUSステンレスによって構成すると、錆び難いため好ましいが、局所排気装置の製造における加工容易性を優先する場合には銅によって構成しても良く、他の材料(鉄やアルミなど)で構成することも可能である。
この場合、集束イオンビームBは、加工対象物23に直接向かうことなく、まずターゲットに衝突し、そのエネルギーでターゲットから補填材料を飛び出させる役割を有する。飛び出した補填材料は、集束イオンビームBのターゲット上への走査照射に伴って飛散し、加工対象物に付着し、欠落部分が補填される。ターゲットは、加工対象物の欠落(不足)を補填できる材料が好ましく、例えば補填されるべき部材(欠落部材や不足部材)が基板表面の配線である場合、ITO、金、アルミニウム、クロム、モリブデン等の成分を含むものが好ましい。より一般的には、スパッタ用電極として知られている材料の中で、加工対象物の補填されるべき部材構成材料に近いものを選択して使用することができる。
また、本実施形態では、加工装置とは別にレーザ光源が設けられた場合を例として説明を行ったが、加工装置内にレーザ光源が備え付けられた構成を有していても良い。
また、例えば、原料供給手段と局所排気部との間に、必要に応じて原料供給手段と切り換えられる排気手段を特に設けた構成によれば、レーザエッチングを行う際に、局所排気部で生じたエッチング残渣物を効率的に系外へ排除できることから、レーザエッチングへの適性向上を図ることができるなど、本発明は、種々の変更及び変形をなされ得る。
Claims (7)
- 少なくとも、加工対象物を支持する支持台と、前記支持台上で局所的に圧力調整がなされる局所排気部へ向けて集束エネルギーを導入する局所排気装置と、を有する加工装置であって、
前記局所排気装置は、前記支持台に対する浮上用ガスの噴射によって、前記支持台から相対的に浮上可能とされ、
前記浮上用ガスの噴射が、前記局所排気装置内に設けられた絞り通気手段を介してなされる
ことを特徴とする加工装置。 - 前記集束エネルギーが、レーザ光である
ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。 - 前記集束エネルギーが、イオンビームである
ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。 - 前記局所排気部に対して、CVD法(化学気相成長法)の原料ガスを供給する、原料供給手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。 - 前記絞り通気手段が、偶数個設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。 - 前記絞り通気手段が、自成絞り、スロット絞り、オリフィス絞り、毛細管絞りのうち、少なくとも1種類に相当する
ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。 - 加工装置を備えた配線基板の製造装置であって、
前記加工装置は、
少なくとも、加工対象物を支持する支持台と、前記支持台上で局所的に圧力調整がなされる局所排気部へ向けて集束エネルギーを導入する局所排気装置と、を有する加工装置であって、
前記局所排気装置は、前記支持台に対する浮上用ガスの噴射によって、前記支持台から相対的に浮上可能とされ、
前記浮上用ガスの噴射が、前記局所排気装置内に設けられた絞り通気手段を介してなされる
ことを特徴とする配線基板の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007027056A JP5114960B2 (ja) | 2006-10-03 | 2007-02-06 | 加工装置、及び配線基板の製造装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006272208 | 2006-10-03 | ||
JP2006272208 | 2006-10-03 | ||
JP2007027056A JP5114960B2 (ja) | 2006-10-03 | 2007-02-06 | 加工装置、及び配線基板の製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008112958A true JP2008112958A (ja) | 2008-05-15 |
JP5114960B2 JP5114960B2 (ja) | 2013-01-09 |
Family
ID=39445299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007027056A Expired - Fee Related JP5114960B2 (ja) | 2006-10-03 | 2007-02-06 | 加工装置、及び配線基板の製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5114960B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010090471A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Omron Corp | レーザ加工装置及び方法 |
JP2012159421A (ja) * | 2011-02-01 | 2012-08-23 | Ulvac Japan Ltd | パーティクル測定装置 |
WO2014112402A1 (ja) * | 2013-01-17 | 2014-07-24 | 株式会社ブイ・テクノロジー | 電子デバイスの製造方法 |
KR101765244B1 (ko) | 2015-12-14 | 2017-08-07 | 참엔지니어링(주) | 증착 장치 및 증착 방법 |
WO2022004230A1 (ja) * | 2020-06-29 | 2022-01-06 | 株式会社ブイ・テクノロジー | 加工装置 |
KR20230067628A (ko) | 2020-09-14 | 2023-05-16 | 브이 테크놀로지 씨오. 엘티디 | 집속 하전입자 빔 장치 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000306848A (ja) * | 1999-04-22 | 2000-11-02 | Sharp Corp | プラズマを用いた試料の表面処理方法及び表面処理装置 |
JP2005174972A (ja) * | 2003-12-08 | 2005-06-30 | Sony Corp | レーザcvd装置 |
-
2007
- 2007-02-06 JP JP2007027056A patent/JP5114960B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000306848A (ja) * | 1999-04-22 | 2000-11-02 | Sharp Corp | プラズマを用いた試料の表面処理方法及び表面処理装置 |
JP2005174972A (ja) * | 2003-12-08 | 2005-06-30 | Sony Corp | レーザcvd装置 |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010090471A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Omron Corp | レーザ加工装置及び方法 |
JP2012159421A (ja) * | 2011-02-01 | 2012-08-23 | Ulvac Japan Ltd | パーティクル測定装置 |
WO2014112402A1 (ja) * | 2013-01-17 | 2014-07-24 | 株式会社ブイ・テクノロジー | 電子デバイスの製造方法 |
JP2014138107A (ja) * | 2013-01-17 | 2014-07-28 | Yamagata Univ | 電子デバイスの製造方法 |
KR20150106414A (ko) * | 2013-01-17 | 2015-09-21 | 브이 테크놀로지 씨오. 엘티디 | 전자 디바이스의 제조 방법 |
KR102051699B1 (ko) * | 2013-01-17 | 2019-12-03 | 브이 테크놀로지 씨오. 엘티디 | 전자 디바이스의 제조 방법 |
KR101765244B1 (ko) | 2015-12-14 | 2017-08-07 | 참엔지니어링(주) | 증착 장치 및 증착 방법 |
WO2022004230A1 (ja) * | 2020-06-29 | 2022-01-06 | 株式会社ブイ・テクノロジー | 加工装置 |
JP7496601B2 (ja) | 2020-06-29 | 2024-06-07 | 株式会社ブイ・テクノロジー | 加工装置 |
KR20230067628A (ko) | 2020-09-14 | 2023-05-16 | 브이 테크놀로지 씨오. 엘티디 | 집속 하전입자 빔 장치 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5114960B2 (ja) | 2013-01-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5114960B2 (ja) | 加工装置、及び配線基板の製造装置 | |
US6926801B2 (en) | Laser machining method and apparatus | |
WO2016136495A1 (ja) | ガス浮上ワーク支持装置および非接触ワーク支持方法 | |
JP2010204650A (ja) | ステージクリーナ、描画装置及び基板処理装置 | |
EP0989595A2 (en) | Device for processing a surface of a substrate | |
JP4556618B2 (ja) | レーザ加工装置 | |
JP2005179705A (ja) | レーザcvd装置 | |
JP2012030249A (ja) | 集塵装置及びこれを用いたレーザ加工装置並びにソーラパネル製造方法 | |
JP4596118B2 (ja) | レーザcvd装置 | |
JP2001207267A (ja) | レーザリペア方法および装置 | |
JP2005171272A (ja) | レーザcvd装置 | |
JP5083708B2 (ja) | レーザアニール装置 | |
JP4292389B2 (ja) | 異物除去方法及び異物除去装置 | |
JP2016081948A (ja) | 局所ドライエッチング装置 | |
JP2005294625A (ja) | 成膜装置 | |
JP4285210B2 (ja) | レーザ加工装置 | |
JP2010201453A (ja) | レーザ加工装置とその制御方法 | |
JP7496601B2 (ja) | 加工装置 | |
JP6456904B2 (ja) | ガス浮上ワーク支持装置 | |
JP2008090083A (ja) | レンズ焦点位置決め装置及びレンズ焦点位置決め方法 | |
JP2004139126A (ja) | レーザリペア方法および装置 | |
JP2005023376A (ja) | レーザcvd装置 | |
US20230178335A1 (en) | Differential pumping apparatus and focused energy beam system | |
JP7473195B2 (ja) | 集束荷電粒子ビーム装置 | |
JP2005305341A (ja) | 成膜装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100127 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120719 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120724 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120829 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120918 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121001 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151026 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |