JP2008111808A - トルク検知センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルアッシーをケーシングに回り止め状に収容してトルク検知センサを構成する場合に、コイルアッシーの回り止めを簡単な構成で、かつ、確実に回り止めできるように構成する。
【解決手段】巻線13b、14bが巻装されたコイルボビン13a、14aをヨーク13c、14cに内装して第一、第二コイルアッシー13、14を形成し、これらをコイルアッシー13、14をカバー体14に収容する場合に、カバー体15の底片15aに、内径側縁部から一対の切り込み15fを形成し、これらの対向間を開口側に切り起こすことにより第一、第二コイルアッシー13、14を軸芯方向に付勢する切り起こし片15gを形成する構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、パワーステアリング装置等に設けられるトルク検知センサの技術分野に属するものである。
一般に、トルク検知センサのなかには、パワーステアリング装置の構成部材としたものがあり、この場合では、トルク検知センサを、一端がステアリングシャフトに固定され他端が電動モータ側の出力軸に固定されるトーションバーに外嵌させ、ステアリング操作に伴いトーションバーに生じるトルクを検知するように構成されている。このようなトルク検知センサは、巻線が巻装されたコイルボビンをコイルヨークに内装してなるコイルアッシーの一対が、有底筒状のケーシングに筒孔方向(トーションバーの伸長方向、軸芯方向)に積層した状態で内装したコイルユニットを用いて構成されている。そして、このものにおいて、前記コイルユニットを構成する何れか一方のコイルアッシーが予め設定される周回り方向位置から位置ズレする等して、コイルアッシー同士が相対的に変位した状態となると、正確なトルクを検出することができなくなるという問題がある。
この改善策として、一対のコイルアッシーをリング状の弾性部材(例えば皿バネ)とともにケーシングに収容して、これらコイルアッシーを筒孔方向(軸芯方向)に押圧することによりコイルアッシー同士の相対変位を規制するようにしたものや、特許文献1に示すように、各コイルアッシーに設けられる端子台の互いの突き合せ面に、それぞれ係合突部と、該係合突部に係合する係合凹部を形成し、コイルアッシー同士を係合突部と係合凹部が係合する状態で積層して、コイルアッシー同士の相対変位を規制するようにすることが提唱されている。
WO2004−018987
しかるに、前者の弾性部材を別途用いるものでは、部品点数が増加してその分組み込み作業が煩雑になり、コスト的にも不利になるという問題がある一方、後者の特許文献1のものでは、一対のコイルアッシーの各端子台の構成をそれぞれ異なる構成としなければならないため、二種類のコイルアッシーを用意しなけらばならず、構成が複雑になって組み込み作業が難しくなるという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、巻線が巻装されたコイルボビンをコイルヨークに内装してなるコイルアッシーを、有底筒状のケーシングに内装してトルク検知センサを構成するにあたり、ケーシングには、コイルアッシーを筒軸方向に付勢して回り止めする付勢部が一体形成されているトルク検知センサである。
請求項2の発明は、付勢部は、平板リング状に形成される筒底片の複数箇所を開口側に向けて切り起こした切り起こし片により構成されている請求項1に記載のトルク検知センサである。
請求項3の発明は、付勢部は、平板リング状に形成される筒底片の複数箇所を開口側に向けて打ち出すように変形させた打ち出し変形片により構成されている請求項1に記載のトルク検知センサである。
請求項4の発明は、トルク検知センサは、パワーステアリング装置の構成部材である請求項1乃至3の何れか1項に記載のトルク検知センサである。
請求項1、2、3の発明とすることにより、コイルアッシーの周回り方向の変位を規制できるものでありながら、部品点数の削減が図れて、構成の簡略化を図ることができる。
請求項4の発明とすることにより、信頼性の高いパワーステアリング装置とすることができる。
つぎに、本発明の第一の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図面において、1は、車体に回転自在に設けられるステアリングホイール(操作ハンドル)であって、該ステアリングホイール1には、ステアリングシャフト(回転軸)2の一端(先端)部が連結され、ステアリングシャフト2の他端(基端)部に本発明が実施されたパワーステアリング装置3が設けられるが、これらの構成は従来通りとなっている。
前記パワーステアリング装置3を構成するハウジングHは、ステアリングシャフト2の軸芯方向に二つ割り状に形成された第一、第二ハウジング4、5を一体化することにより構成されている。前記第一、第二ハウジング4、5には、ステアリングシャフト2の軸芯と同芯となる関係で貫通孔4a、5aが連通状に開設されており、これら貫通孔4a、5aには、ステアリングシャフト2の他端部に連動連結される出力軸6が、軸受け4b、5bにより軸承される状態で回転自在に支持されている。
尚、前記ステアリングシャフト2は、車体側に固定されるステアリングコラム2aに回転自在に遊嵌しており、該ステアリングコラム2aの他端部には、パワーステアリング装置3のハウジングH(第一、第二ハウジング4、5)を一体的に固定するための取り付けブラケット2bが外径側に向けて延出状に形成されている。
前記出力軸6は、第一、第二ハウジング貫通孔4a、5aに対して貫通状に支持されており、第一ハウジング4の貫通孔4aから突出する出力軸6の一端部6aに、前記ステアリングシャフト2の他端部2cが予め設定される回転範囲において相対回転が許容され、該回転範囲を超える回転では一体回転する状態で連動連結されている。そして、前記出力軸6は筒孔6bを備えた円筒状に形成されており、前記筒孔6b内には、トルク検知センサを構成するトーションバー7が遊嵌されている。そして、トーションバー7は、一端部7aがステアリングシャフト2の他端面に凹設された支持孔2dに圧入固定される一方、他端部7bが出力軸6の他端部6cに固定ピン7cを用いて一体的に固定されている。これによって、後述するように、ステアリングホイール1が操作されて、ステアリングシャフト2に回転操作力が作用することに伴い、トーションバー7に前記操作力(トルク)に対応した捩れが発生すると、ステアリングシャフト2と出力軸6とのあいだにおいて前記所定の回転範囲内において相対回転がなされるように設定されている。
さらに、前記第一、第二ハウジング4、5の突き当て部には、ウォームホイール収容室WRが形成されており、該ウォームホイール収容室WRには、出力軸6に一体的に外嵌されるウオームホイール8が回転自在に収容されている。また、第一ハウジング4には、出力軸6に対して直交方向に延出するウォーム軸収容室4cが形成されており、該ウォーム軸収容室4cに、電動モータMの駆動に伴い回転するウォーム軸9が収容されている。前記ウォーム軸9外周のウォーム9aとウォームホイール8とは、ウォーム軸収容室4cと前記ウォームホイール収容室WRの周回り方向所定の箇所との連通部位において噛合することにより連動連結するように設定されている。そして、後述するように、電動モータMが駆動した場合に、ウォーム軸9、ウォームホイール8、出力軸6が回転し、ステアリングシャフト2の回転作動をアシストするように設定されている。
尚、出力軸6の基端部は、図示しないステアリングギア(操舵装置)側の部材SGに連動連結され、出力軸6の回転に伴いステアリングギアを作動して、車両の操向操作を行うように設定されている。
一方、前記出力軸6の先端部6a近傍部位には、出力軸側検出用溝6dが周回り方向に複数形成されている一方、該出力軸側検出用溝6dの外周には円筒状のスリーブ10が相対回転自在に外嵌しており、該スリーブ10の先端部が、ステアリングシャフト2の基端部2cに一体固定手段(例えばカシメ)を介して固定されている。さらに、前記スリーブ10には、前記出力軸側検出用溝6dとは所定の対向状態でステアリングシャフト側検出用溝10aが筒部を貫通する状態で周回り方向に複数開設されている。そして、前述したように、ステアリングホイール1が任意の操作力に基づいて操作がなされた場合に、ステアリングシャフト2と出力軸6とのあいだに所定の回転範囲内での相対回転がなされると、ステアリングシャフト側検出用溝10aと出力軸側検出用溝6dとの対向状態に位置ズレが生じるように設定されている。
そして、前記スリーブ10の外周には、トルク検知センサ11が固定されており、該トルク検知センサ11により、前記ステアリングシャフト側検出用溝10aと出力軸側検出用溝6dとの対向状態に生じる位置ズレ(ステアリングシャフト2と出力軸6との相対回転)に基づいてトーションバー7に作用するトルクを電気的に検知するように設定されている。
そして、前記トルク検知センサ11はコイルユニット12を備えて構成されており、該コイルユニット12は、スリーブ10の外周に一体的に外嵌し、前記出力軸側検出用溝6dとステアリングシャフト側検出用溝10aとの対向状態に位置ズレが生じることに基づいて磁束量が変化する第一、第二コイルアッシー13、14を用いて構成されている。これら第一、第二コイルアッシー13、14は、出力軸6の軸芯方向に隣接して積層する状態で配設されており、第一、第二何れか一方のコイルアッシー13または14は、出力軸6とステアリングシャフト2とのあいだのトルク検知用であり、他方のコイルアッシー14または13は、コイルユニット12の温度変化に伴う誤検知防止用であり、このようにすることで、トルク検知センサ11による正確な検知作動が保証されるようにしている。
さて、前記各第一、第二コイルアッシー13、14は、本実施の形態では同様に構成されており、それぞれスリーブ10に外嵌する同形状のコイルボビン13a、14aに、巻線13b、14bがそれぞれ巻装されたものを、磁性材で構成される有底筒状のヨーク(本発明のコイルヨークに相当する)13c、14cに内嵌せしめ、ヨークカバー13d、14dにより覆蓋されている。そして、これら第一、第二コイルアッシー13、14は、巻線13b、14bに所定の電流を印加することにより、ステアリングシャフト側検出用溝10aと出力軸側検出用溝6dとの対向状態に位置ズレが生じることに伴い、ヨーク13c、14cおよびヨークカバー13d、14dの磁気に変化(磁気変化)が生じ、巻線13b、14bを流れる電流のインピーダンスが変化するように構成されている。
そして、ヨーク13c、14cの外周部には支持部13f、14fがそれぞれ形成されており、これら支持部13f、14fには、各巻線13b、14bの巻き出し端部と巻き終り端部に接続される各一対のコイル側端子13e、14eがそれぞれ絶縁状に支持されるように構成されており、これら一対のコイル側端子13e、14eは、支持部13f、14fから外径側にそれぞれ突出配設されるように構成されている。
そして、これら第一、第二コイルアッシー13、14は、第一、第二コイルアッシー13、14のヨークカバー13d、14d同士を当接(対向)させて筒長方向(筒軸方向)に隣接状に積層させ(軸芯方向に隣接させ)た状態とし、かつ、コイル側端子13e、14eが周回り方向に隣接する状態としてカバー体(本発明のケーシングに相当する)15に内装されている。前記カバー体15は、平板リング状の底片(本発明の筒底片に相当する)15aと、筒部15bとを備えて構成されている。さらに、前記カバー体15は、筒部15bを切り欠いた切り欠き部15cが形成され、該切り欠き部15cからコイル側端子13e、14eが外径側に突出するように設定されている。また、前記カバー体15は、筒部15bの開口端縁部から外径側に延出するフランジ部15dが形成されており、該フランジ部15dの外周縁部の周回り方向に、複数(三個)形成された取り付け爪片15eが形成されている。
さらに、前記カバー体15は金属製材料を用いて形成されており、カバー体15の底片15aに、第一、第二コイルアッシー13、14を筒軸方向(軸芯方向)に付勢する付勢部が形成されている。本実施の形態の付勢部は、平板リング状の底片15aの周回り方向複数箇所(本実施の形態では三箇所)において、内径側縁部から外径方向に向けて一対の切り込み15fを形成し、これら切り込み15fにより挟持される部位を、カバー体筒部15bの開口側(筒開口側)に向けて押圧する(切り起こす)ことにより形成される切り起こし片15gにより構成されている。前記切り起こし片15gは、内径側部位が底片15aのプレート面よりも開口側に変位するように切り起こされており、これによって、切り起こし片15gの先端部に開口側から底片15a側を向く力が作用して、切り起こし片15gを底片15a側に強制的に変形(弾性変形)させたとき、切り起こし片15gが復帰しようとすることに基づく、開口側に向く力(付勢力)が蓄勢されるように設定されている。
ここで、コイルユニット12において、第一、第二コイルアッシー13、14のコイルボビン13a、14aの筒孔、ヨーク13c、14c、ヨークカバー13d、14d、カバー体底片15aにそれぞれ開設される貫通孔は、出力軸6の軸芯と同芯となる連通状貫通孔12aに構成されている。
17は、トルク検知センサ11を一体化するための長方形状のベースプレートであって、該ベースプレート17は、長方形状の金属製板材で形成されており、ベースプレート17の長手方向一半部には、コイルユニット12の連通状貫通孔12aと略同径か僅かに大径な貫通孔17aが開設され、さらに、貫通孔17aの外周縁部には周回り方向複数箇所(三箇所)にカシメ用取り付け孔17bが形成されている。そして、前記コイルユニット12は、カバー体15の開口側、即ち、第一コイルアッシー13をベースプレート17の他方側プレート面17cに対向せしめ、連通状貫通孔12aとベースプレート17の貫通孔17aとを同芯状とし、コイルユニット12をベースプレート貫通孔17aの外周縁部に突きあて、カバー体取り付け爪片15eをベースプレートカシメ用取り付け孔17bに挿し込んでカシメ付けることにより、ベースプレート17に一体的に組み込まれるように設定されている。
ここで、カバー体筒部15bにおいて、軸芯方向の長さ、即ち、底片15aからフランジ部15dまでの長さは、第一、第二コイルアッシー13、14を積層したときの軸芯方向の長さよりも僅かに短くなるように設定されている。そして、前記組み込みにおいて、カバー体底片15aをベースプレート17側に押し付けることにより第一、第二コイルアッシー13、14をベースプレート17に押し付けて、カバー体底片15aに形成された切り起こし片15gが底片15a側に弾性変形する状態とし、この押し付け状態において、コイルユニット12がカシメ固定されるように設定されている。これによって、第一、第二コイルアッシー13、14はカバー体底片15aとベースプレート17とのあいだに弾圧状に挟持されて、切り起こし片15gにより第一、第二コイルアッシー13、14がベースプレート17側に向けて付勢(軸芯方向に付勢)するように設定され、もって、第一、第二コイルアッシー13、14の周回り方向の相対的な変位(相対変位)が切り起こし片15gの付勢力により規制することができることになり、従来のように、第一、第二コイルアッシーの相対回転を規制するために皿バネ等の弾性部材を介装する必要がなくなり、部品点数の削減が図れて、構造の簡略化がなされるように構成されている。
さらに、前記ベースプレート17の他半部であって、コイルユニット12の隣接部位となる他方側プレート面17cには、樹脂材で形成された矩形枠状の基板支持体18が、該基板支持体18に収容されるセンサ回路基板19とともに、螺子18aを用いて固定されている。尚、基板支持体18は、螺子18aによる固定がなされるが、さらに、基板支持体18には一端側に突出する係止爪片18bが形成され、該係止爪片18bが、ベースプレート17に開設された爪取り付け孔17dに抜け止め状に止着されるように設定されている。
一方、前記センサ回路基板19は、ベースプレート17の他方側プレート面17cとは所定間隙を存する状態で配設されている。そして、センサ回路基板19には、第一、第二コイルアッシー13、14の巻線(巻き出し端部、巻き終り端部)13b、14bに導通する各一対のコイル側端子13e、14eの突出端部にそれぞれ電気的に接続する四枚の基板側端子19a、19bが設けられるが、これら基板側端子19a、19bは、それぞれU字形状に形成されており、一端がコイル側端子13e、14eに接続され、他端がセンサ回路基板19を一方側面19cから他方側面19dに向けて貫通支持されるように組み込まれている。そして、これら基板側端子19a、19b(巻線13b、14b)は、センサ回路基板19の他方側面19d上に設けられる電子部品19eにより構成されるセンサ回路に接続され、これによって、コイルユニット12(第一、第二コイルアッシー13、14のヨーク13c、14cおよびヨークカバー13d、14d)に生じる磁気変化が検知(センシング)されるように設定されている。
尚、20は、コイル側端子13e、14eの突出部とセンサ回路基板基19とを覆うフード体である。
このように構成されるトルク検知センサ11は、ハウジングH(第一ハウジング4)のウォームホイル室WRの一端側に形成されるアッシー取り付け部4dに対してセンサ回路基板19が対向する状態で、ハウジングHの一端側から組み込まれるように設定されている。そして、コイルユニット12に形成される連通状貫通孔12aおよびベースプレート貫通孔17aを、出力軸6外周に相対回転自在に外嵌するスリーブ10の外周に相対回転自在、かつ、同芯状となる状態で貫通させ、ベースプレート17の外縁部に開設された固定用取り付け孔17eから挿入した取り付け螺子17fを用いてアッシー取り付け部4dに螺合することにより、トルク検知センサ11がハウジングHに一体的に固定されている。そして、このように組み込むことにより、コイルユニット12とセンサ回路基板19とが一度の組み込み作業によってハウジングHに取り付けることが可能となり、しかも、コイルユニット12とセンサ回路基板19との接続がなされた状態で組み込むことができるように構成されている。さらに、このものでは、メンテナンス時に、トルク検知センサ11のみの交換についても容易に行えるように構成されている。
尚、この組込み状態において、コイルユニット12の配設部位に対し、センサ回路基板19はコイルユニット12の外径方向に延出するように配設されているため、ステアリングシャフト2と出力軸6との連結部において、従来のセンサ回路基板を軸芯方向に長く設ける場合のように軸芯方向に長いスペースを確保する必要がなく、コイルユニット12を配設するのに必要なスペースだけを確保すれば両者を配設することができるように配慮されている。
そして、トルク検知センサ11は、ステアリングシャフト2が出力軸6に対して相対回転してトーションバー7に捻れが生じる状態となると、前述したように、出力軸側検出用溝6dとステアリングシャフト側検出用溝10aとの対向状態が変化し、該変化に伴うコイルユニット12(第一、第二コイルアッシー13、14)の磁束変化が、巻線13b、14bが接続されるセンサ回路基板19においてインピーダンスの変化として検知される。そして、前記検知値は、パワーステアリング装置3近傍部位に配される制御部21に出力され、制御部21では、前記検知値に基づいて演算等のデータ処理を行い、対応する駆動信号を電動モータMに出力することにより、電動モータMが駆動してウォーム軸9を回転せしめ、これによって、ウォームホイール8が出力軸6とともに回転し、もって、ステアリングシャフト2の回転操作をアシストするように設定されている。
ところで、トルク検知センサ11による精度の高いセンシングをするには、コイルユニット12(第一、第二コイルアッシー13、14)の軸芯と、出力軸6、ステアリングシャフト2、トーションバー7、スリーブ10の各軸芯との位置関係が正確に同芯状に保持されることが必要である。これに対し、本実施の形態のコイルユニット12は、直接ハウジングHに固定されるのではなく、ベースプレート17上に支持されたものをハウジングHに固定する構成であるので、コイルユニット12やベースプレート17に何らかの負荷が作用した場合に、コイルユニット12の軸芯ズレが生じやすいことが想定される。そこで、本実施の形態では、ベースプレート17のコイルユニット12支持部外周部位に、補強部として一方側プレート面17gから他端側に向けて突出するよう押し出し加工されたビード17hが所定間隙を存してリング状に形成されている。これによって、ベースプレート17に歪みや変形が生じるような不具合を抑制でき、コイルユニット12の軸芯と、出力軸7、スリーブ10の軸芯同士がずれてしまい、正確なトルク検知ができなくなるようなことがないように構成されている。
尚、ビード17hは、コイルユニット12のカバー体15がカシメ固定されるカシメ用取り付け孔17bの形成位置と略同芯円上に位置して形成されており、これによって、コイルユニット12をベースプレート17に組み込み固定する際のように、コイルユニット12をベースプレート17に押し付けた状態でコイルユニット12をベースプレート17にカシメ固定する際にあっても、ビード17hがベースプレート17の効果的な補強をするように設定されている。
叙述の如く構成された本形態において、パワーステアリング装置3は円滑なステアリングホイール1の操作を実現することができるが、ステアリングシャフト2とパワーステアリング装置3の出力軸6との相対回転を検知するトルク検知センサ11のコイルユニット12は、第一、第二コイルアッシー13、14が有底筒状のカバー体底片15aとベースプレート17とのあいだに弾圧状に組み込まれ、第一、第二コイルアッシー13、14の周回り方向の相対変位の規制がなされるため、信頼性の高いトルク検知を行うことができる。そして、この場合に、前記第一、第二コイルアッシー13、14の相対回転の規制は、従来のように、皿バネを設けたり、第一、第二コイルアッシーにそれぞれ係合部と係合受け部とを形成するのではなく、カバー体底片15cに一体形成した付勢手段である切り起こし片15gによりなされている。ので、皿バネを用いない分部品点数の削減を図れ、コイルアッシーにそれぞれ係合部と係合受け部とを形成しない分、構成の簡略化を図ることができる。
このように、コイルユニット12は、第一、第二コイルアッシー13、14の相対回転が規制されて、信頼性の高いトルク検知センサ11を構成することができるので、トルク検知センサ11をパワーステアリング装置3の構成部材とした場合に、トーションバー7のトルク検知を精度良く、しかも、長期にわたって実施できることになって、信頼性の高いパワーステアリング装置提供することができる。
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、図7(A)、(B)に示す第二の実施の形態のように構成することができる。
前記第二の実施の形態において、ケーシング(カバー体)22の底片22aには、径方向中間部の周回り方向三箇所に位置して、矩形状の三方を切り込み22bにより切り離し形成して、該切り離された先端部22cを開口側に向けて切り起こすことにより切り起こし片22dが形成されている。そして、この場合でも、切り起こし片22bの先端部が底片22aよりも開口側に変位しており、該切り起こし片22bの先端部が、コイルアッシーをケーシング底片22aとベースプレートとのあいだに弾圧状に収容することにより、底片22a側に押しやられ、これによって付勢力を発揮して、コイルアッシーを軸芯方向に付勢するように設定され、部品点数の削減、構成の簡略化等、前記第一の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、図7(C)に示す第三の実施の形態のように構成することもできる。
第三の実施の形態のケーシング(カバー体)23は、底片23aの周回り方向三箇所において内径縁部側に円弧状の切り込み23bを形成し、該切り込み23bの内径側部位を、開口方向に向けて押し出すように変形させることにより押し出し片23cが形成されている。そして、この場合に、開口側に変位する押し出し片23cの周回り方向中間部が、コイルアッシーをケーシング底片23aとベースプレートとのあいだに弾圧状に収容することにより、底片23a側に押しやられ、これによって付勢力を発揮して、コイルアッシーを軸芯方向に付勢するように設定され、この場合でも、部品点数の削減、構成の簡略化等、前記第一、第二の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
パワーステアリング装置の取り付け状態を説明する概略斜視図である。 パワーステアリング装置の断面図である。 図3(A)、(B)はそれぞれトルク検知センサの側面図、図3(A)のX−X断面図である。 図4(A)、(B)はそれぞれコイルアッシーの側面図、図4(A)のX−X断面図である。 図5(A)、(B)、(C)、(D)、(E)はそれぞれカバー体の平面図、側面図、図5(B)のX−X断面図、他側面図、底面図である。 図6(A)、(B)、(C)はそれぞれベースプレートの側面図、図6(A)のX−X断面図、他側面図である。 図7(A)、(B)、(C)はそれぞれ第二の実施の形態のケーシングの平面図、斜視図、第三の実施の形態のケーシングの斜視図である。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 パワーステアリング装置
4 第一ハウジング
6 出力軸
7 トーションバー
8 ウオームホイール
9 ウォーム軸
10 スリーブ
11 トルク検知センサ
12 コイルユニット
13 第一コイル
14 第二コイル
15 カバー体
15a 底片
15f 切り込み
15g 切り起こし片
17 ベースプレート

Claims (4)

  1. 巻線が巻装されたコイルボビンをコイルヨークに内装してなるコイルアッシーを、有底筒状のケーシングに内装してトルク検知センサを構成するにあたり、ケーシングには、コイルアッシーを筒軸方向に付勢して回り止めする付勢部が一体形成されているトルク検知センサ。
  2. 付勢部は、平板リング状に形成される筒底片の複数箇所を開口側に向けて切り起こした切り起こし片により構成されている請求項1に記載のトルク検知センサ。
  3. 付勢部は、平板リング状に形成される筒底片の複数箇所を開口側に向けて打ち出すように変形させた打ち出し変形片により構成されている請求項1に記載のトルク検知センサ。
  4. トルク検知センサは、パワーステアリング装置の構成部材である請求項1乃至3の何れか1項に記載のトルク検知センサ。
JP2006296475A 2006-10-31 2006-10-31 トルク検知センサ Pending JP2008111808A (ja)

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