JP2008111537A - 防振ブッシュの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外筒の肉厚が大きいものにおいても絞り加工しやすくして耐久性を向上することができる防振ブッシュの製造方法を提供する。
【解決手段】内筒12と、内筒の外側に間隔をおいて配置された外筒14と、内筒と外筒との間に介設されたゴム状弾性体16と、を備える防振ブッシュ10の製造方法であって、内周面15に軸方向Xに延びる複数の凹溝24が周方向Cに分散して設けられた外筒14を作製する工程と、内筒12の外周面13と外筒14の内周面15とにゴム状弾性体16を一体に加硫接着させるように、内筒と凹溝24が設けられた外筒14との間にゴム状弾性体16を加硫成形する工程と、ゴム状弾性体16の成形後に外筒14を絞り加工する工程と、を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車のサスペンション装置等に組み込まれて使用される防振ブッシュに関するものである。
従来より、自動車のサスペンション装置においては、車体とサスペンションとの連結部位等に、振動減衰、緩衝などを目的として防振ブッシュが使用されている。かかる防振ブッシュは、一般に、内筒等の軸部材と、該軸部材の外側に間隔をおいて配置された外筒と、前記軸部材と外筒との間に介設されて両者を弾性的に結合するゴム状弾性体とを備えてなる(例えば、下記特許文献1参照)。
このような防振ブッシュとして、軸直角方向におけるバネ定数を大きくしつつ、こじり方向におけるバネ定数を小さくするため、内筒の軸方向中央部に軸直角方向に膨出する膨出部を設けた、いわゆるバルジタイプの防振ブッシュが知られている(下記特許文献2〜6参照)。
ところで、この種の防振ブッシュを備えるサスペンション装置として、下記特許文献7には、図11及び図12に示すマルチリンク式リヤサスペンション装置が開示されている。このサスペンション装置は、車輪60を回転可能に支持するアクスル62と、一端部64a,66aがアクスル62に揺動可能に連結され、他端部64b,66bが車体側部材であるサスペンションメンバー68に揺動可能に連結された前後一対のアッパーリンク64,66と、一端部70a,72aがアクスル62に揺動可能に連結され、他端部70b,72bがサスペンションメンバー68に揺動可能に連結された前後一対のロアリンク70,72と、一端部74aがアクスル62に揺動可能に連結され、他端部74bがサスペンションメンバー68に揺動可能に連結されたトーコントロールリンク74とを備える。ここで、符号Fは車体前側を示し、符号Hは車体幅方向を示す。
そして、各リンク64,66,70,72,74の他端部64b,66b,70b,72b,74bとサスペンションメンバー68とは、それぞれ防振ブッシュ76,78,80,82,84を介して連結されており、各防振ブッシュの軸心p1,p2,p3,p4,p5が、平面視において、それぞれのリンクの長手方向r1,r2,r3,r4,r5と直交する方向に沿うように配置されている。
上記マルチリンク式サスペンション装置では、図12に示すように、各リンク64,66,70,72,74が平面視で傾斜姿勢に設定されている。詳細には、前側のロアリンク70が、平面視において、車体幅方向Hで内方側ほど車体前側Fに位置する傾斜姿勢に設定され、後側のロアリンク72が、平面視において、車体幅方向Hで外方側ほど車体前側Fに位置する傾斜姿勢に設定され、トーコントロールリンク74が、平面視において、車体幅方向Hで外方側ほど車体前側Fに位置する傾斜姿勢に設定されている。
そのため、車両の走行中において、主としてロアリンク70,72及びトーコントロールリンク74に結合された防振ブッシュ80,82,84には、種々の方向の力が入力する。例えば、車体に対してサスペンション装置が上下方向に変位すると、防振ブッシュ80,82,84には、ねじり方向N(図3参照)の力のみならずこじり方向Z(図1参照)の力も加わる。また、車体に対してサスペンション装置が左右方向に変位すると、防振ブッシュ80,82,84には、軸直角方向Y(図1参照)の力のみならず軸方向X(図1参照)の力も加わる。
このような入力に対し、従来の一般的な防振ブッシュでは、内筒と外筒がともに径が一定のストレート筒状であるため、こじり方向のバネ定数が大きく、その結果、サスペンション装置の上下方向におけるバネ定数が大きくなるので、乗り心地を向上することが難しい。また、この従来の防振ブッシュでは、軸方向のバネ定数があまり大きくなく、そのため、サスペンション装置の左右方向におけるバネ定数を大きくすることができないことから、車両の操縦安定性を向上することが難しい。
これに対し、上記特許文献2記載のバルジタイプの防振ブッシュであると、こじり方向におけるバネ定数を低減することができる。しかしながら、このバルジタイプのものでも、外筒の内周面がストレート状であるため、こじり方向における変位時、ゴム状弾性体の軸方向両端部においては内筒と外筒との間でゴム状弾性体が圧縮されることになり、こじり方向におけるバネ定数が必ずしも十分に低減されていなかった。そのため、サスペンション装置の上下方向におけるバネ定数を低減する効果も不十分であり、乗り心地性向上のため、更なる改善が求められる。また、同文献記載のバルジタイプの防振ブッシュでは、軸方向におけるバネ定数を大きくすることはできず、そのため、サスペンション装置の左右方向におけるバネ定数を高めて、車両の操縦安定性を向上することが困難であった。
一方、上記特許文献3,4に記載のバルジタイプの防振ブッシュでは、外筒の軸方向中央部を、内筒の球状をなす膨出部に対応させて外側に拡径させており、これによりこじり方向におけるバネ定数をより低減することができる。しかしながら、これらの防振ブッシュでは、外筒をリンクの筒状ホルダに圧入保持するために、外筒の軸方向中央部に一定径の大径部を設けているものの、その軸方向寸法が必ずしも十分でない場合もあり、抜け力の更なる向上が求められる。また、上記大径部を設けるために、外筒の内周面は断面略台形状に形成されており、そのため、球状をなす内筒側の膨出部の形状に十分に沿う形状とは言い難く、また、その間に介設されるゴム状弾性体も軸方向での肉厚変化が大きくなって、性能にも影響を与えることになる。
ところで、外筒を備える防振ブッシュにおいては、加硫成形後のゴム状弾性体の収縮を取り除いて耐久性を向上するために、加硫成形後に外筒を縮径方向に絞り加工することが通常行われる(例えば、下記特許文献4,8参照)。
特開2002−81479号公報 特開2004−144150号公報 特開平9−100859号公報 特開平9−203428号公報 特開2005−344764号公報 特開平9−100861号公報 特開2005−112258号公報 特開平11−230224号公報
上記のように防振ブッシュの加硫成形後に外筒を絞り加工する場合において、特に外筒の肉厚が大きいものについては、絞り加工しにくいという問題がある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、外筒の肉厚が大きいものにおいても絞り加工しやすくして耐久性を向上することができる防振ブッシュの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る製造方法は、軸部材と、該軸部材の外側に間隔をおいて配置された外筒と、前記軸部材と前記外筒との間に介設されたゴム状弾性体と、を備える防振ブッシュの製造方法であって、内周面に軸方向に延びる複数の凹溝が周方向に分散して設けられた外筒を作製する工程と、軸部材の外周面と前記外筒の内周面とにゴム状弾性体を一体に接着させるように、前記軸部材と前記凹溝が設けられた外筒との間にゴム状弾性体を成形する工程と、前記ゴム状弾性体の成形後に前記外筒を絞り加工する工程と、を含むものである。
この方法によれば、外筒の内周面に複数の凹溝を周方向に分散させて設けたことにより、外筒の肉厚が大の場合でも、ゴム状弾性体の成形後に外筒を絞り加工しやすく、耐久性を向上することができる。
このようにゴム状弾性体の成形後に外筒を絞り加工する場合、ゴム状弾性体と外筒内周面との界面に絞りによる歪みが極力生じないように、上記複数の凹溝が前記外筒の内周面において周方向に等間隔に配置されていることが好ましい。更には、上記複数の凹溝が、外筒の内周面において、周方向に6〜90°毎に、かつ溝幅よりも広い間隔をおいて配置されていることが好ましい。凹溝の配置が90°毎よりも疎に設定されていると、凹溝の数が少なすぎて、外筒との界面においてゴム状弾性体の歪みが集中してしまう。そこで、このように所定以上の数の凹溝を適切に配することにより、ゴム状弾性体の接着界面における歪みを分散して、接着面が破壊されない範囲内で好ましい絞り加工を行うことができ、もって、ゴム状弾性体と外筒との接着面における剥離を防止することができる。
本発明において、前記軸部材と外筒は次のように構成してもよい。すなわち、軸部材は、軸方向の中央部に軸直角方向に膨出する膨出部を有し、該膨出部の外周面が凸状球面をなすことが好ましい。また、外筒は、外周面の径が軸方向で一定のストレート筒状に形成されるとともに、前記凸状球面を取り囲む軸方向中央部の内周面部分が該凸状球面に対応する凹状球面に凹設されて、外筒の軸方向中央部における肉厚が軸方向両端部における肉厚よりも薄く形成されることが好ましい。
このように、外筒の内周面を軸部材の膨出部の凸状球面に対応する凹状球面としたことにより、こじり方向における変位時、凸状球面と凹状球面との間に介設されたゴム状弾性体は実質的に剪断変形を受けるのみとなり、軸部材と外筒との間でゴム状弾性体が圧縮されることを極力回避することができるので、こじり方向におけるバネ定数を効果的に低減することができる。また、軸方向における変位時には、凸状球面と凹状球面との間でゴム状弾性体が剪断変形だけでなく圧縮変形も受けるようになるので、軸方向におけるバネ定数を上げることができる。また、凸状球面と凹状球面との間に介設されたゴム状弾性体は軸方向で肉厚が一定であるため、こじり方向での変位時はもちろん、軸直角方向での変位時にも不均一な応力が作用するのを抑制して、防振性能及び耐久性を向上することができる。
また、外筒は軸方向中央部に凹状球面を構成する凹設部を設けたものでありながら、外周面の径を軸方向で一定のストレート筒状としたので、リンクの筒状ホルダとの間で圧入のための十分な軸方向寸法を確保することができ、筒状ホルダからの抜け力を向上することができる。しかも、このように外筒の中央部内周面を凹状球面とすると、外筒の両端部で肉厚が大きくなってしまうが、上記のように本発明では、外筒の内周面に設けた複数の凹溝により、この場合でも、外筒を絞り加工しやすく、また、そのため、凹状球面の深さを深く設定できるというメリットもある。
上記の場合、ゴム状弾性体を、前記凹状球面によって定められる仮想球面の軸方向外方側では前記軸部材と外筒との間に充填されないように前記凸状球面と前記凹状球面との間に介設することが好ましい。また、前記ゴム状弾性体の軸方向両端面を軸方向内方側に膨らむ湾曲面状に形成するとともに、前記軸部材の軸方向に沿う断面において、前記凹状球面によって定められる仮想球面が前記湾曲面状の軸方向端面と交差し、かつ、前記仮想球面と前記軸方向端面との交点(J)が、前記軸方向端面における最も軸方向内側の点(K)よりも前記外筒側に位置するように、前記ゴム状弾性体を成形することが好ましい。これにより、こじり方向における変位時にゴム状弾性体の軸方向端部で圧縮バネがかかることを確実に回避して、こじり方向でのバネ定数を一層低減することができる。
本発明の防振ブッシュの製造方法であると、外筒の肉厚が大の場合でも、ゴム状弾性体の成形後に外筒を絞り加工しやすく、防振ブッシュの耐久性を向上することができる。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
実施形態に係る防振ブッシュ10は、上述した図11及び図12に示すマルチリンク式サスペンション装置に用いられるものであり、より詳細には、前側のロアリンク70の他端部70bとサスペンションメンバー68とを連結する防振ブッシュ80、後側のロアリンク72の他端部72bとサスペンションメンバー68とを連結する防振ブッシュ82、及び、トーコントロールリンク74の他端部74bとサスペンションメンバー68とを連結する防振ブッシュ84として用いられる。サスペンション装置の全体構成としては、上記の通りであり、説明は省略する。なお、前側のアッパーリンク64の他端部64bとサスペンションメンバー68とを連結する防振ブッシュ76、及び後側のアッパーリンク66の他端部66bとサスペンションメンバー68とを連結する防振ブッシュ78については、この例では従来の防振ブッシュを用いているが、これらについても本実施形態に係る防振ブッシュ10を用いてもよい。
防振ブッシュ10は、図1に示すように、軸部材としての内筒12と、これを取り囲むように外側に間隔をおいて同軸状に配置された外筒14と、内筒12と外筒14との間に介設された筒状のゴム状弾性体16とを備えてなる。そして、図10に示すように、内筒12は、その両端面がサスペンションメンバーのブラケット1に挟まれた状態で、ボルトなどの不図示の締結部材で締め付けることによりブラケット1に固定され、また、外筒14は、ロアリンク70等の筒状のホルダ3内に圧入することにより固定され、これにより、防振ブッシュ10はロアリンク70等とサスペンションメンバー側のブラケット1とを防振的に連結する。
内筒12は、鉄、鋼やアルミニウムなどの金属製の円筒状部材であり、図5,6に示すように、軸方向Xの中央部に軸直角方向Yに向けて全周にわたって膨出する膨出部18を備える。膨出部18の外周面は凸状球面20をなしている。凸状球面20は、軸心A上に中心Pを持つ球面の軸方向中央部を構成する球帯状に形成されており、内筒12の軸方向両端部における一般筒部(外径が一定のストレート筒状部)の外周面13からなだらかに連続して形成されている。
外筒14は、鉄、鋼やアルミニウムなどの金属製の円筒状部材であり、図7,8に示すように、外形が断面円形状をなし、外周面19の径が軸方向Xで一定のストレート筒状に形成されている。
図1に示すように、外筒14の内周面15は、上記凸状球面20を取り囲む軸方向Xの中央部が、該凸状球面20と同心状(即ち、共通の中心Pを持つ)の凹状球面22をなしている。すなわち、膨出部18を囲む外筒14の内周面部分が、凸状球面20に対応する凹状球面22に凹設されている。より詳細には、後述する絞り加工後の形状において、内筒12の凸状球面20に一定の間隔をおいて沿うように、外筒14の中央部における内周面15が、軸直角方向Yの外方側に凹んだ凹状球面22として形成されている。凹状球面22は、球面の中央部を構成する球帯状をなし、外筒12の軸方向両端部における一般筒部(内径が一定のストレート筒状部)の内周面15aからなだらかに連続して形成されている。
そして、かかる凹状球面22が設けられたことで、外筒14は、軸方向Xの中央部における肉厚T1が、軸方向Xの両端部における肉厚T2よりも薄く形成されている(図8参照)。なお、図8に示すように、絞り加工前の状態では、外筒14の内周面15の軸方向中央部は厳密な凹状球面22ではなく、中心Pが外筒14の軸心A上から軸直角方向Yにずれた位置にあり、縮径方向に絞り加工することで、図1に示すように中心Pが軸心A上に位置する球帯状に形成される。
図7,8に示すように、外筒14の内周面15には、軸方向Xに延びる複数の凹溝24が周方向Cに等間隔に分散して設けられ、これにより外筒14は凹溝24が設けられた周方向位置で薄肉に形成されている。詳細には、凹溝24は、外筒14の内周面15において、周方向に6〜90°毎に、かつ溝幅Wよりも広い間隔Dをおいて配置されており、図の例では、凹溝24は30°毎に計12個設けられ、隣接する凹溝24間の間隔Dは溝幅Wの2倍以上(具体的には約3倍)に設定されている。なお、凹溝24は、15〜45°毎に設けることがより好ましい。
凹溝24は、図7に示すように、絞り加工前の形状として、断面円弧状に陥没して形成されている。また、この例では、上記のように軸方向Xの中央部の内周面15に凹状球面22を設けたことから、凹溝24は、凹状球面22が設けられた部分を除くその他の軸方向部分の全体にわたって形成されている。
ゴム状弾性体16は、外筒14の内周面15と内筒12の外周面13とに一体に加硫接着されたものであって、内筒12の凸状球面20と外筒14の凹状球面22との間を充填するように介設されており、図1に示すように、絞り加工後の形状において、略一定の肉厚を持つ球帯状に形成されている。
また、図2に示すように、外筒14側の凹状球面22によって定められる仮想球面26の軸方向外方側X1では、内筒12と外筒14との間にゴム状弾性体16が充填されないように、軸方向内方側X2に向かって陥没する環状のすぐり部を備える。
より詳細には、ゴム状弾性体16は、内筒12と外筒14の軸方向両端部との間で露出したゴム状弾性体16の左右一対の軸方向両端面17が、軸方向内方側X2に膨らむ湾曲面状に形成されており、ここでは、図2に示す軸方向Xに沿う断面において円弧状に湾曲形成されている。そして、かかる軸方向に沿う断面において、凹状球面22によって定められる仮想球面26が上記湾曲面状の軸方向端面17と交点Jにて交差しており、この交点Jが、軸方向端面17における最も軸方向内側の点(即ち、軸方向端面17の最深部(底)に相当する点)Kよりも外筒14側に位置している。この例では、軸方向端面17の最も軸方向内側の点Kは、内筒12と外筒14との間隙を径方向に2等分する線27上にあり、この線27よりも径方向外方側に、上記交点Jが位置している。
また、図2に示すように、上記内筒12側の膨出部18の最外径(膨出部18の頂点における外径)d1は、外筒14の一般筒部の内径d2よりも小さく設定されており、また、凸状球面20と凹状球面22間のゴム状弾性体16の厚みEが、内筒12の膨出部18の最大膨出高さGよりも大に設定されている。これにより、軸方向Xにおける過大なバネ定数を回避しながら、軸直角方向Y、こじり方向Z及びねじり方向Nでの好ましいバネ定数が得られるように構成されている。
なお、上記軸方向外方側X1において内筒12の外周面13と外筒14の内周面15には、ゴム状弾性体16から連なるゴム膜28が形成されている。
防振ブッシュ10の製造方法について説明する。製造に際しては、まず、図5,6に示すように凸状球面20を構成する膨出部18を備えた内筒12と、図7,8に示すようにストレート筒状の外周面19を持つとともに、内周面15に上記凸状球面20に対応する凹状球面22と軸方向に延びる凹溝24が設けられた外筒14を、それぞれ作製する。
次いで、上記の内筒12と外筒14を不図示の成形型に配置し、該成形型内にゴム材料を注入することで、内筒12と外筒14との間にゴム状弾性体16を加硫成形するとともに、内筒12の外周面13と外筒14の内周面15にゴム状弾性体16を一体に加硫接着させる。これにより、図3,4に示す絞り加工前の加硫成形体が得られる。該加硫成形体において、外筒14の凹溝24内にはゴム状弾性体16が入り込んでおり、該凹溝24内でもゴム状弾性体16が外筒14の内周面15に加硫接着され、接着強度が高められている。
その後、上記加硫成形体の外筒14に絞り加工が施される。絞り加工は、図9に示すように、放射状に複数に分割されたダイス片50を持つダイス52を用いて行われる。ダイス52は、この例では、外筒14の凹溝24と同数の12個に分割されており、各ダイス片50の周方向中央に上記凹溝24が位置するようにセットして、ダイス片50を径内方に移動させることにより、外筒14が縮径方向に絞り加工される。これにより、図1,2に示す防振ブッシュ10が得られる。なお、上記凹溝24は、絞り加工後も完全につぶれることはなく、凹溝24内にゴム状弾性体16が入り込んだ状態で残存している。
以上よりなる本実施形態であると、外筒14の中央部に凹状球面22を設けたことで外筒14の肉厚が大であるにもかかわらず、外筒14の内周面15に複数の凹溝24を均等配置したことにより、加硫成形後に外筒14を絞り加工しやすい。また、所要数の凹溝24を適切に配置したことにより、ゴム状弾性体16の外筒14との接着界面における絞りによる歪みを分散して、接着界面の破壊を回避することができ、ゴム状弾性体16と外筒14との剥離を防止することができる。
そして、得られた防振ブッシュ10は、外筒14の内周面15を内筒12の凸状球面20と同心状の凹状球面22としたことにより、こじり方向Zにおける変位時、ゴム状弾性体16が受ける力は剪断変形のみとなるので、こじり方向Zにおけるバネ定数を効果的に低減することができる。これにより、サスペンション装置の上下方向におけるバネ定数を小さくすることができるので、乗り心地性を向上することができる。
また、軸方向Xにおける変位時には、図2に示すように、凸状球面20と凹状球面22との間でゴム状弾性体16が剪断変形だけでなく圧縮変形も受けるようになるので、軸方向Xにおけるバネ定数を上げることができる。また、軸直角方向Yにおける変位時には、外筒14側の凹状球面22により軸方向Xへのゴムの逃げが規制されて、軸直角方向Yにおけるバネ定数を上げることができる。これにより、サスペンション装置の左右方向におけるバネ定数が大きくなり、操縦安定性を向上することができる。よって、乗り心地性と操縦安定性を両立することができる。
また、特に、上記仮想球面26とゴム状弾性体16の軸方向両端面17との交点Jを、軸方向端面17の最も軸方向内側の点Kよりも外筒14側に位置させたことにより、こじり方向Zにおける変位時にゴム状弾性体16の軸方向端部で圧縮バネがかかることを確実に回避して、こじり方向Zでのバネ定数を一層低減することができる。そのため、サスペンション装置の上下方向におけるバネ定数を一層小さくして、しなやかな足回りとすることができ、よって、乗員の目線高さを変えないように上下動を足回りで吸収するという、いわゆるフラット感を得ることができる。
また、凸状球面20と凹状球面22との間に介設されたゴム状弾性体16の軸方向Xでの肉厚が一定であるため、特に軸直角方向Yでの変位時に不均一な応力が作用するのを抑制して、防振性能及び耐久性を向上することができる。
また、外筒14は軸方向中央部に凹状球面22を構成する凹設部を設けたものでありながら、外周面19の径を軸方向で一定のストレート筒状としたので、筒状ホルダ3との間で圧入のための十分な軸方向寸法を確保することができ、筒状ホルダ3からの抜け力を向上することができる。
なお、上記実施形態では、バルジタイプのブッシュを例に挙げて説明したが、本発明は、バルジタイプでない防振ブッシュにも適用することができ、その場合、外筒内周面の凹溝を軸方向の全体に延びるように形成すればよい。また、上記実施形態では、バルジタイプのブッシュとするために、内筒12に設ける膨出部18を金属材料により一体に形成したが、内筒の外周面に樹脂製の環状被覆体を設けるなどして膨出部を形成してもよい。
本発明は、自動車のサスペンション装置に組み込まれて使用される防振ブッシュや、エンジンマウントとしての筒形の防振ブッシュなど、各種防振ブッシュに利用できる。
本発明の一実施形態に係る防振ブッシュの断面図である。 同防振ブッシュの要部拡大断面図である。 同防振ブッシュの絞り加工前の側面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 内筒の側面図である。 図5のVI−VI線断面図である。 外筒の側面図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 同防振ブッシュの絞り加工工程を示す図である。 同防振ブッシュの組み付け状態を示す断面図である。 サスペンション装置の斜視図である。 サスペンション装置の平面図である。
符号の説明
10…防振ブッシュ、12…内筒(軸部材)、13…内筒の外周面、14…外筒、15…外筒の内周面、16…ゴム状弾性体、17…ゴム状弾性体の軸方向端面、18…膨出部、19…外筒の外周面、20…凸状球面、22…凹状球面、24…凹溝、26…仮想球面、J…仮想球面と軸方向端面の交点、K…軸方向端面における最も軸方向内側の点、T1…外筒の軸方向中央部における肉厚、T2…外筒の軸方向両端部における肉厚、X…軸方向、X1…軸方向外方側、X2…軸方向内方側、Y…軸直角方向、Z…こじり方向

Claims (6)

  1. 軸部材と、該軸部材の外側に間隔をおいて配置された外筒と、前記軸部材と前記外筒との間に介設されたゴム状弾性体と、を備える防振ブッシュの製造方法であって、
    内周面に軸方向に延びる複数の凹溝が周方向に分散して設けられた外筒を作製する工程と、
    軸部材の外周面と前記外筒の内周面とにゴム状弾性体を一体に接着させるように、前記軸部材と前記凹溝が設けられた外筒との間にゴム状弾性体を成形する工程と、
    前記ゴム状弾性体の成形後に前記外筒を絞り加工する工程と、
    を含む防振ブッシュの製造方法。
  2. 前記複数の凹溝が前記外筒の内周面において周方向に等間隔に配置された、
    請求項1記載の防振ブッシュの製造方法。
  3. 前記複数の凹溝が、前記外筒の内周面において、周方向に6°〜90°毎に、かつ溝幅よりも広い間隔をおいて配置された、
    請求項3記載の防振ブッシュの製造方法。
  4. 前記軸部材は、軸方向の中央部に軸直角方向に膨出する膨出部を有し、該膨出部の外周面が凸状球面をなし、
    前記外筒は、外周面の径が軸方向で一定のストレート筒状に形成されるとともに、前記凸状球面を取り囲む軸方向中央部の内周面部分が前記凸状球面に対応する凹状球面に凹設されて、前記外筒の軸方向中央部における肉厚が軸方向両端部における肉厚よりも薄く形成された、
    請求項1記載の防振ブッシュの製造方法。
  5. 前記ゴム状弾性体を、前記凹状球面によって定められる仮想球面の軸方向外方側では前記軸部材と前記外筒との間に充填されないように前記凸状球面と前記凹状球面との間に介設する、
    請求項4記載の防振ブッシュの製造方法。
  6. 前記ゴム状弾性体の軸方向両端面を軸方向内方側に膨らむ湾曲面状に形成するとともに、前記軸部材の軸方向に沿う断面において、前記凹状球面によって定められる仮想球面が前記湾曲面状の軸方向端面と交差し、かつ、前記仮想球面と前記軸方向端面との交点(J)が、前記軸方向端面における最も軸方向内側の点(K)よりも前記外筒側に位置するように、前記ゴム状弾性体を成形する、
    請求項5記載の防振ブッシュの製造方法。
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