JP2008110376A - 鉛電解アノードの鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛電解精製で使用されるアノードの鋳造工程において、一定の重量で、かつ垂直性に優れた鉛電解アノードの鋳造方法を提供する。
【解決手段】鉛電解精製で使用されるアノード12の鋳造工程において、アノード鋳型4に鋳込まれた粗鉛10の熔湯11の湯面レベルをレーザー変位センサ5により測定することによって、熔湯11の鋳込み量を求め、アノード鋳型4に鋳込まれアノード12となる粗鉛10の鋳込み量を調整するとともに、鋳込み後の冷却工程終了後に、アノード鋳型4内のアノード12の表面温度を測定し、測定した表面温度の変化に応じて、アノード鋳型4内のアノード12およびアノード鋳型4に対する冷却水の水量を調節する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉛電解精製で使用されるアノードの鋳造方法に関する。
従来から行われているベッツ法による鉛電解精製工程の概略は、次のとおりである。精製前の粗鉛を熔解鋳造した厚板状のアノード、および純鉛からなる薄板状のカソードを所定の極間距離でケイフッ化電解浴(以下「電解浴」という。)中に整列させ、アノード−カソード間に通電して電解反応を起こし、アノード中の鉛をカソードに電析させる。通電終了後に、アノード(以下「アノードスクラップ」という。)および鉛が電析したカソード(以下「電析カソード」という。)は、電解浴から引き揚げられる。その後、アノードスクラップは、表面に付着したアノード不純物スライムを洗浄槽にて洗い落とされた後、再び熔解され、アノードとして鋳造される。一方、電析したカソードは、後工程へと送られる。
上記の電解反応の進行とともに電解浴に浸漬した部分のアノードは減肉するため、アノードの厚みとその表面積は減少していくが、この過程で、アノード減肉量が過剰になると、厚みの減少によって、アノードが切れて電解槽に落下する、あるいはアノード表面に付着していたアノード不純物スライムが表面積の減少によって剥離し、電解液中に浮遊して、電析カソードへの巻き込みによる品質悪化の原因となる、などの問題が惹起される。
アノード減肉量は、電解反応量に依存し、所定の電流密度・通電時間で電解反応を行った後のスクラップ残余率が過剰に低くならないように、アノード重量を決定すべきである。スクラップ残余率の過剰低下を防止して、操業の安定化を図るためには、所定の重量を有したアノードを、安定して鋳造することが求められる。
上記のアノードの鋳造においては、粗鉛を半球状の大鍋にて熔解し、粗鉛の熔湯をポンプによって鋳造用のレードルに汲み上げ、当該レードルを傾転させて、熔湯をアノード鋳型に鋳込む。重量が一定のアノードを安定して鋳造するためには、大鍋からのポンプ汲み上げ量を一定にすることが重要である。
現状のポンプ汲み上げ量の調整方法としては、大鍋に残存する熔湯保有量から割り出される大鍋中の熔湯レベルに応じて、ポンプ回転数を調整する方法を採っており、大鍋に残存する熔湯保有量は、鋳造回数が増えるごとに減少し、熔湯レベルが低下すると、ポンプ汲み上げ量が減少する。
これを防止するため、現状の方法では、2つの大鍋を利用して鋳造を行っており、1つめの大鍋から鋳造用のレードルに汲み上げた熔湯分を2つめの大鍋から補給することによって、1つめの大鍋の熔湯レベルを一定にしている。また、2つめの大鍋の熔湯保有量が減少して、1つめの大鍋への補給分がなくなると、熔湯レベルが低下して一定に維持できなくなるため、鋳造回数に応じてポンプ回転数を変更して、ポンプ汲み上げ量の調整を行っている。
この際、熔湯が大鍋やポンプ配管などと接触する部分で冷却されて凝固し付着した物(以下「ベコ」という。)の状態、あるいは熔湯粘度の変化などの現象がポンプ汲み上げ量のばらつきに影響を与える。ベコは、大鍋あるいはポンプの使用期間の経過にともなって大鍋やポンプ配管の内側に成長し、大鍋の形状が変化したり、配管が閉塞する場合もある。大鍋の内側形状の変化やポンプ配管閉塞によって、鋳造回数にともなう熔湯保有量の減少量と熔湯レベルの低下量の関係にずれが生じ、ポンプ汲み上げ量の補正にずれが生じる原因となり、アノードの重量を一定にする上での障害となっている。
また、熔湯には、CuやV族元素をはじめとする不純物が0.5〜1.0%程度含まれており、これらが熔湯の粘性に影響を与えて、ポンプ汲み上げ量のずれの原因となり、上記と同様にアノードの重量を一定にする上での障害となっている。
鋳型への熔湯鋳込み量を直接測定し、測定データに対応させてポンプ回転数を調整することによって、上記のポンプ汲み上げ量のずれの原因は解消できる。しかしながら、これまで鋳型への粗鉛の鋳込み量を直接測定する具体的な手段は、提案されていない。
一方、電解反応速度を決定する電流密度は、アノードとカソードの極間距離に依存する。垂直性の低いアノードで電解すると、アノードの曲がりによって極間距離にばらつきを生じて、電流密度の均一性が失われる。電流密度の高い場所では、カソードに電析した鉛がこぶ状に異常成長して、アノードへ物理的に接触して電気的にショートし、電流効率の低下による生産性の悪化を招く。電解反応におけるショートをできるだけ少なくして生産性を確保するためには、垂直性の高いアノードが求められる。
垂直性の高いアノードを製造するためには、鋳型に鋳込まれアノードとなる粗鉛および鋳型全体をできるだけ均等に冷却し、鋳型内の粗鉛での熱ひずみの局所的な集中を抑制することが重要である。現状では、鋳型に熔湯を注いで、自然冷却によって熔湯表面を凝固させた後、鋳型を挟むように、上からアノード用の冷却水を、下から鋳型用の冷却水をそれぞれ吹き付けて、アノードとなる粗鉛および鋳型全体の冷却を図っている。
この際、担当作業者が産出されたアノードの代表サンプルについて目視点検し、担当作業者の経験的な手法によりアノード用の冷却水量と鋳型用の冷却水量のバランスを調整していたが、目視点検のタイミングによっては、熱ひずみの局所的な集中した状況の発見が遅れる場合もあり、これが垂直性に優れたアノードを鋳造する上での障害となっている。
自然冷却工程終了後に、アノードの表面温度を測定することによって、当該アノードを均等に冷却できたか否かをある程度判定することができる。しかしながら、これまで自然冷却工程終了後に、アノードの表面温度を測定することにより、当該アノードを均等に冷却できているか否かを管理するような有効な手法は、まだ提案されていない。
上記のような従来から行われているベッツ法による鉛電解精製工程に係る先行技術として特許文献1、特許文献2、特許文献3などがある。しかし、いずれの文献にも、鉛電解精製用のアノードの鋳造工程において、鋳型への熔解状態の粗鉛の鋳込み量を直接測定し、粗鉛の鋳込み量を調整する具体的な手段や、鋳型内の粗鉛の自然冷却工程終了後に、鋳型内のアノードの表面温度を測定し、当該アノードを均等に冷却するような有効な手法は、開示されていない。
特許3099483号公報 特開平01−132725号公報 特開昭58−6994号公報
したがって、本発明の課題は、このような従来の状況に鑑み、鉛電解精製で使用されるアノードの鋳造工程において、一定の重量で、かつ垂直性に優れた鉛電解アノードの鋳造方法を提供することである。
上記の課題の解決のために、請求項1に係る鉛電解アノードの鋳造方法は、鉛電解精製で使用されるアノードの鋳造工程において、アノード鋳型に鋳込まれた粗鉛の熔湯の湯面レベルを測定することにより、粗鉛の鋳込み量を求め、アノード鋳型に鋳込まれてアノードとなる粗鉛の鋳込み量を調整するようにしている。
請求項2に係る鉛電解アノードの鋳造方法は、請求項1において、アノード鋳型の上部にレーザー変位センサを取り付け、レーザー変位センサのレベル測定用のレーザーを熔湯の湯面に対して垂直に照射し、湯面で反射するレーザーのレーザー変位センサへの到達時間から粗鉛の鋳込み量を求めるようにしている。
請求項3に係る鉛電解アノードの鋳造方法は、請求項1または請求項2において、アノード鋳型に対する粗鉛の鋳込み前後において、熔湯の湯面レベル差から熔湯厚みを求め、求めた熔湯厚みにアノード鋳型の断面積を乗じた計算結果を粗鉛の鋳込み量とし、この鋳込み量のデータを熔湯の汲み上げポンプにフィードバックして、汲み上げポンプの回転数を調整するようにしている。
請求項4に係る鉛電解アノードの鋳造方法は、鉛電解精製で使用されるアノードの鋳造工程において、アノード鋳型に鋳込まれた粗鉛の熔湯の湯面レベルを測定することにより、粗鉛の鋳込み量を求め、アノード鋳型に鋳込まれアノードとなる粗鉛の鋳込み量を調整するとともに、鋳込み後の冷却工程終了後に、アノード鋳型内のアノードの表面温度を測定し、測定した表面温度の変化に応じて、アノード鋳型内のアノードおよびアノード鋳型に対する冷却水の水量を調節するようにしている。
請求項5に係る鉛電解アノードの鋳造方法は、請求項4において、測定した表面温度の変化に応じて、アノード鋳型内のアノードに対する冷却水とアノード鋳型に対する冷却水との比率、およびそれぞれの冷却水の水量を決定するようにしている。
請求項1によれば、アノード鋳型に鋳込まれた粗鉛の熔湯の湯面レベルを測定し、測定した湯面レベルからアノードとなる粗鉛の鋳込み量を調整するため、従来の汲み上げ量の測定方式に比較して、一定の重量のアノードが正確に製造できる。
請求項2によれば、請求項1の効果に加えて、レーザー変位センサによって熔湯の湯面レベルが垂直方向から測定されるため、粗鉛の鋳込み量の精度のよい測定が可能となる。
請求項3によれば、請求項1および請求項2の効果のほかに、熔湯の湯面レベル差から熔湯厚みを求め、熔湯厚みにアノード鋳型の断面積を乗じた計算結果から粗鉛の鋳込み量を求めるため、実際の鋳込み量に応じて汲み上げポンプのオンオフ制御が可能となる。
請求項4によれば、アノード鋳型に鋳込まれた粗鉛の熔湯の湯面レベルを測定し、測定した湯面レベルからアノードとなる粗鉛の鋳込み量を調整するため、一定の重量のアノードが正確に製造でき、これと同時に、冷却工程終了後に、アノード鋳型内のアノードの表面温度に応じて、アノード鋳型内のアノードおよびアノード鋳型に対する冷却水の水量を調節するため、アノードの垂直性の向上が達成され、鉛電解精製でのアノードの落下防止、アノード不純物スライムの剥離防止、ショートの防止によって、鉛電解精製おいて操業の安定化を図ることができる。
請求項5によれば、請求項4の効果の加えて、測定した表面温度の変化に応じて、アノード鋳型内のアノードに対する冷却水とアノード鋳型に対する冷却水との比率、およびそれぞれの冷却水の水量を決定するため、冷却水による強制的な冷却過程で、熱応力の局所的な発生が有効に抑えられ、アノードの垂直性が確保できる。
図1は、本発明の鉛電解アノードの鋳造方法を実施するときの粗鉛熔解湯工程およびアノード鋳造工程のシステムを示している。図1の粗鉛熔解湯工程において、粗鉛10は、半球状の大鍋1に投入され、そこで熔解し、粗鉛10の熔湯11となる。熔湯11は、汲み上げポンプ2により汲み上げられ、その吐き出し口から鋳造用のレードル3に送り込まれる。なお、汲み上げポンプ2は、モータ7によって駆動され、モータ7は、鋳込み制御器6によって、オンオフ制御される。鋳込み制御器6は、鋳込み指令を受けて、鋳込み開始時にモータ7をオンとし、鋳込み終了時にモータ7をオフとする。
レードル3は、アノード鋳造機の鋳込み位置のアノード鋳型4に対向したときに傾転することによって、粗鉛10の熔湯11を対向のアノード鋳型4の内部に投入する。通常、レードル3は、ある程度の熔湯11を溜めているため、傾転の初期に、レードル3の内部の熔湯11が一度にアノード鋳型4に供給されるが、その後にアノード鋳型4への熔湯11の供給は、汲み上げポンプ2の汲み上げ量となって安定する。なお、多数のアノード鋳型4は、アノード鋳造機によって鋳込み位置に順次に移送され、基準の高さで水平な姿勢として鋳込み位置に設置される。
アノード鋳造工程において、粗鉛10の熔湯11は、アノード鋳型4の内部に鋳込まれ、冷却工程を経て、鉛電解精製用のアノード12となる。アノード12は、アノード鋳型4の内部形状を輪郭形状となっており、鉛電解精製において使用される。なお、通常、冷却工程は、自然冷却となっている。
本発明の鉛電解アノードの鋳造方法は、アノード鋳造工程において、アノード鋳型4に鋳込まれた粗鉛10の熔湯11の湯面レベルを測定することにより、粗鉛10の鋳込み量を求め、アノード鋳型4に鋳込まれアノード12となる粗鉛10の鋳込み量を調整する。
具体的に記載すると、アノード鋳造工程において、熔湯11の湯面レベルは、アノード鋳型4に鋳込む過程で、レーザー変位センサ5によって測定される。レーザー変位センサ5は、アノード鋳型4の上部に取付けられ、熔湯11のレベル測定時に、レーザーをアノード鋳型4の底面または熔湯11の熔湯面に対して垂直に照射されるように配置される。
レーザー変位センサ5は、第1の測定態様として、鋳込み中に熔湯11の湯面レベルのみを測定するか、または第2の測定態様として、鋳込み前の空のアノード鋳型4の底面レベルと鋳込み中つまり熔湯11の供給過程で熔湯11の湯面レベルとを測定する。
第1の測定態様の場合に、レーザー変位センサ5は、鋳込み中に、アノード鋳型4の内部の熔湯11の湯面に向けてレーザーを照射し、照射時点から湯面での反射による到達時間から湯面レベルを検出し、その湯面レベルの信号を鋳込み制御器6に送っている。鋳込み制御器6は、湯面レベルの信号から目標湯面レベルを検出したときに、粗鉛10の目標鋳込み量と判断し、汲み上げポンプ2のモータ7をオフとし、汲み上げポンプ2を停止させる。この第1の測定態様では、レーザー変位センサ5とアノード鋳型4内での目標湯面レベルとの相対位置が正確に設定されている。なお、目標湯面レベルは、目標鋳込み量と対応させて予め鋳込み制御器6に入力されている。
第2の測定態様の場合に、レーザー変位センサ5は、鋳込み前の空のアノード鋳型4の底面レベルと、鋳込み中つまり熔湯11の供給過程で熔湯11の湯面レベルとを測定し、それらの信号を鋳込み制御器6に送っている。鋳込み制御器6は、空のアノード鋳型4の底面レベルの信号とアノード鋳型4での熔湯11の湯面レベルの信号とを入力として、両者のレベル差からアノード鋳型4の内での熔湯厚み(粗鉛10の厚み)を求め、この熔湯厚みにアノード鋳型4の水平方向の断面積を乗じた計算結果を粗鉛10の鋳込み量とし、この鋳込み量のデータと目標鋳込み量とを比較し、両者の一致時に、モータ7をオフとし、汲み上げポンプ2をを停止させる。この第2の測定態様では、レーザー変位センサ5とアノード鋳型4との相対位置は、任意となる。なお、目標鋳込み量は、鋳込み量の計算プログラムとともに、予め鋳込み制御器6に入力されている。
このようにして、粗鉛10の鋳込み量は、アノード鋳型4での熔湯11の湯面レベルの測定によって調整される。アノード鋳型4の内部の熔湯11は、次の冷却工程を経て、アノード鋳型4の内部形状を輪郭形状とする鉛電解用のアノード12となる。製造された鉛電解用のアノード12は、鋳込み量の均一化によって、一定のアノード重量のものとなっている。
さらに、本発明の鉛電解アノードの鋳造方法は、鉛電解用のアノード12となる粗鉛10の鋳込み量を調整するとともに、鋳込み後の冷却工程の終了後に、アノード鋳型4内のアノード12の表面温度を測定し、測定した表面温度の変化に応じて、アノード鋳型4内のアノード12に対する上からのアノード用の冷却水とアノード鋳型4に対する鋳型用の冷却水との比率、およびそれぞれの冷却水の水量を決定する。
冷却工程は、既述のように、一般に自然冷却であり、自然冷却によって熔湯11の表面が凝固した後に、冷却水は、アノード鋳型4内のアノード12に対する電磁開閉弁付きの噴霧ノズル13、ノード鋳型4に対する電磁開閉弁付きの噴霧ノズル14によって上下から霧状として吹き付けられる。電磁開閉弁付きの噴霧ノズル13、14のオンオフ制御は、冷却制御器9により行われる。
アノード12の表面温度の測定は、アノード12の上で、非接触式温度計、例えば熱放射式の表面温度計8によって測定され、アノード12の冷却状態を定量的に把握する。表面温度計8は、1または2以上のアノード表面の測定点に対応させて配置されており、測定した表面温度の出力信号を冷却制御器9に送る。冷却制御器9は、冷却用の制御プログラムのほかに、過去の実験データにもとづいて、過去の多数の表面温度に対応する冷却水の比率および冷却水の水量のデータテーブルを内蔵している。
冷却制御器9は、1または2以上の表面温度の出力信号を受け取ったときに、1つの測定温度または2以上の表面温度の平均値にもとづいて、アノード12の表面温度に対応する冷却水の比率および冷却水の水量のデータを取り出し、そのデータに従って電磁開閉弁付きの噴霧ノズル13、14のオンオフ制御を行う。電磁開閉弁付きの噴霧ノズル13は、オンの期間に、アノード用の冷却水をアノード12の表面に霧状として吹きつけることにより、アノード12を上表面から直接に冷却する。これと同時に、電磁開閉弁付きの噴霧ノズル14は、オンの期間に、鋳型用の冷却水をアノード鋳型4の下面に霧状として吹きつけることにより、アノード鋳型4を冷却し、このアノード鋳型4の低い熱をアノード12に伝達することによって、アノード12を間接的に冷却する。
通常、2つの噴霧ノズル13、14の単位時間当たりの噴霧量は、同じで、一定に設定されているため、冷却水の比率およびその水量は、それぞれのオンの期間つまり噴霧時間として制御される。
このように、冷却制御は、アノード12の表面温度に応じて、アノード12およびアノード鋳型4への冷却水量のバランスを調整して、アノード12の冷却の均一化、すなわちアノード12の垂直性を確保する。
レーザー変位センサ5による鋳込み量の測定、表面温度計8によるアノード表面温度の測定は、産出すべきアノード12の全数に対して実施するため、アノード重量およびアノード12の垂直性に対するより厳しい管理が可能となる。
表1は、本発明に係る鉛電解アノードの鋳造方法にもとづいて、鋳型番号1〜15のアノード鋳型4を用いて、1回の鋳造作業で合計15枚の鉛電解用のアノード12を鋳造する鋳造作業を3回繰り返し、各回ごとに、レーザー変位センサ5の第2の測定態様によって鋳込み前の空のアノード鋳型4の底面レベルと鋳込み中つまり粗鉛10の熔湯11の供給過程で熔湯11の湯面レベルとを測定し、それらのレベルの差をアノード12の厚みとして算出するとともに、比較のために、従来のノギスによって測定したアノード厚みを測定した結果を示している。
Figure 2008110376
表1から、本発明に係る鉛電解アノードの鋳造方法でのレーザー変位センサ5によるアノード厚みの測定値は、どの鋳型番号のアノード鋳型4でも偏差σ<1.0以下で安定しており、従来のアノード厚み測定方法であるノギスによる測定値と比較しても偏差σの値が小さく、高精度の厚み測定方法であることがわかる。
また、表面温度計8によるアノード表面温度の測定データを、上方から吹き付けるアノード用の冷却水と、下方から吹きつける鋳型用の冷却水とのバランス取るように、冷却水量に反映させることによって、アノード12を冷却した。本実施例に係る合計45枚のアノード12については、電解工程におけるショートが発生しなかったことから、アノード12の水冷却において均等に冷却されており、熱ひずみの局所的な集中がなく、従って、垂直性に優れたアノード12を安定的に鋳造できていることがわかる。
前記のように、鋳込み制御器6は、鋳込み過程で汲み上げポンプ2のモータ7のオンオフ制御を実行するが、必要に応じて、鋳込み量が目標鋳込み量に近づいたときに、その状態をレーザー変位センサ5の出力信号から判断し、モータ7の回転数(回転速度)を滑らかに低下させるように調整し、汲み上げポンプ2の汲み上げ量を減少させておき、鋳込み量が目標鋳込み量に達した時点で、モータ7を停止させるという速度制御を行うこともできる。このような速度制御によると、停止動作の制御系の遅れや、回転部分の慣性の影響を最小とできることから、鋳込み量はより正確に制御できる。
既述のように、水冷却の過程で、2つの噴霧ノズル13、14の単位時間当たりの噴霧量は、同じで、一定に設定されている。このため、冷却水の比率およびその水量は、それぞれのオンの期間つまり噴霧時間として制御されるが、各噴霧ノズル13、14について単位時間当たりの噴霧量を手動または電動操作によって変更できるようにすれば、単位時間当たりの噴霧量および噴霧時間の何れか、またはそれらの双方を同時に調整することによっても制御できる。また、噴霧ノズル13、14は、上下に1つに限らず、水噴射の均一化のために、2以上配置することもできる。
本発明の鉛電解アノードの鋳造方法を実施するときの粗鉛熔解湯工程およびアノード鋳造工程のシステムの概念図である。
符号の説明
1 大釜
2 汲み上げポンプ
3 レードル
4 アノード鋳型
5 レーザー変位センサ
6 鋳込み制御器
7 モータ
8 表面温度計
9 冷却制御器
10 粗鉛
11 熔湯
12 アノード
13 噴霧ノズル
14 噴霧ノズル

Claims (5)

  1. 鉛電解精製で使用されるアノード(12)の鋳造工程において、アノード鋳型(4)に鋳込まれた粗鉛(10)の熔湯(11)の湯面レベルを測定することにより、粗鉛(10)の鋳込み量を求め、アノード鋳型(4)に鋳込まれアノード(12)となる粗鉛(10)の鋳込み量を調整することを特徴とする、鉛電解アノードの鋳造方法。
  2. アノード鋳型(4)の上部にレーザー変位センサ(5)を取り付け、レーザー変位センサ(5)のレベル測定用のレーザーを熔湯(11)の湯面に対して垂直に照射し、湯面で反射するレーザーのレーザー変位センサ(5)への到達時間から粗鉛(10)の鋳込み量を求めることを特徴とする、請求項1に記載の鉛電解アノードの鋳造方法。
  3. アノード鋳型(4)に対する粗鉛(10)の鋳込み前後において、熔湯(11)の湯面レベル差から熔湯厚みを求め、求めた熔湯厚みにアノード鋳型(4)の断面積を乗じた計算結果を粗鉛(10)の鋳込み量とし、この鋳込み量のデータを熔湯(11)の汲み上げポンプ(2)にフィードバックして、ポンプ回転数を調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鉛電解アノードの鋳造方法。
  4. 鉛電解精製で使用されるアノード(12)の鋳造工程において、アノード鋳型(4)に鋳込まれた粗鉛(10)の熔湯(11)の湯面レベルを測定することにより、粗鉛(10)の鋳込み量を求め、アノード鋳型(4)に鋳込まれアノード(12)となる粗鉛(10)の鋳込み量を調整するとともに、鋳込み後の冷却工程終了後に、アノード鋳型(4)内のアノード(12)の表面温度を測定し、測定した表面温度の変化に応じて、アノード鋳型(4)内のアノード(12)およびアノード鋳型(4)に対する冷却水の水量を調節することを特徴とする鉛電解アノードの鋳造方法。
  5. 測定した表面温度の変化に応じて、アノード鋳型(4)内のアノード(12)に対する冷却水とアノード鋳型(4)に対する冷却水との比率、およびそれぞれの冷却水の水量を決定することを特徴とする請求項4に記載の鉛電解アノードの鋳造方法。
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