JP2008110141A - 歯科用診断器、これを用いた根管治療装置、根管治療装置用の表示装置及び歯科用診療台 - Google Patents

歯科用診断器、これを用いた根管治療装置、根管治療装置用の表示装置及び歯科用診療台 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、根管内を逸脱し歯の根尖を迂回する電気的漏洩経路が導電経路中に含まれるか否かを検出することが可能な歯科用診断器等を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る歯科用診断器は、測定電極5と、口腔電極6と、測定信号印加手段と、計測手段と、検出手段とを備えている。測定電極5は、診断対象である歯1の根管4に挿入する。口腔電極6は、口腔粘膜3に電気的に接触させる。測定信号印加手段は、測定電極5と口腔電極6との間に測定信号を印加する。計測手段は、測定信号に対する電気的応答の計測に基づいて、測定電極5と口腔電極6との間の導電経路のうちの少なくとも一部分の電気的特性に応じたデータを得る。検出手段は、データに対して所定の判定基準を適用することにより、歯1の根尖2を迂回する電気的漏洩経路が導電経路中に含まれるか否かを検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、歯科用診断器、根管治療装置、根管治療装置用の表示装置及び歯科用診療台に係る発明であって、特に、歯の根管の診断等に関するものである。
図20に示すように、人間の歯は、エナメル質101、象牙質102及びセメント質103で構成され、歯槽骨104及び歯肉105で支えられている。歯の内部には歯髄106が存在し、当該歯髄106から血管や神経が根管107を通って歯槽骨104下の血管等に繋がっている。根管107の歯槽骨104側の端が、根尖(APEX)108と呼ばれている。根尖108の歯槽骨104側における開口部が根尖孔と呼ばれる。また、この根尖108を含むセメント質103の歯根と歯槽骨104との境界には、歯根全体を覆う膜としての歯根膜109が存在する。
根管の長さ(根管長)を電気的に測定する従来の歯科用診断器としては、図21に示すような、根管のインピーダンスを測定する方式の電気的根管長測定器(根尖検出器)がある(以下、「電気的」を省略し、単に「根管長測定器」と言う)。この根管長測定器は、歯110の根管107に挿入された測定電極111と、口腔電極112との間のインピーダンス値を測定することができるように、2つの電極間111,112に測定信号を印加する信号印加部113と、検出抵抗114とが直列接続された内部構成となっている。
そして、測定信号を電極111,112間に印加しつつ、測定電極111の先端115を根尖108方向に移動させながら、電極111,112間のインピーダンスの変化を、電流値の変化として継続的に測定する。そして、このインピーダンスの測定結果に基づいて、測定電極111の先端115が歯根膜109を介して根尖孔に到達した状態を推定し、そのときの測定電極111の先端115の位置を「根尖」であるとしている。このようにして根尖108の位置が検出されたときの、根管107への測定電極111の挿入深さから根管長を特定できる。
このような根管長測定器の測定原理としては、2通りの代表的な原理が存在する。
その第1は、根管107内に挿入される測定電極111の先端115と、対になる口腔電極112が装着された口腔粘膜との間のインピーダンス値を、単一周波数の測定信号によって測定し、当該インピーダンス値そのものの値を用いて根尖位置(又は根管長)を検出するという原理である(例として特公昭62−25381号公報参照)。
その第2は、異なる周波数の測定信号を用いて、根管107内に挿入される測定電極111の先端115と、対になる口腔電極112が装着された口腔粘膜との間のインピーダンス値をそれぞれ測定して、それらのインピーダンス値の比あるいは差の変化から根尖位置(又は根管長)を検出するという原理である(例として特許第2873722号公報参照)。なお、第1の原理、第2の原理ともに、実際に根管長測定器として装置化する際は、一般的に、インピーダンス値に対応する電流値あるいは電圧値を測定し、それによってインピーダンス値を検出したものとする構成が採られる。以後、本明細書においてインピーダンス値の測定、検出、計測という場合は、インピーダンス値に対応する電流値あるいは電圧値を測定、検出、計測することを含む。
上記第1の測定原理は「口腔粘膜と根管内に挿入した測定電極の先端との間のインピーダンス値は、測定電極の先端が根尖孔を介して歯根膜に達したとき、年齢、歯種による差がなく、ほぼ一定の値(6.5kΩ)をとる」という経験則を利用している。つまり、この第1の測定原理では、歯根膜109と口腔粘膜との間のインピーダンス値を測定してゆき、その値がほぼ一定の値(6.5kΩ)となったときに、測定電極111の先端115が根尖108の位置に到達したと判断し、そのときにおける根管107への測定電極111の挿入深さから根管長を特定するのである。
ところが、この第1の測定原理の場合には、根管107内の湿潤/乾燥状態や外的要因などによりインピーダンスの測定値にばらつきが生じる場合がある。この事情に対応して、第2の測定原理では、血液や薬液など根管内に存在する強電解液のような擾乱因子による影響を相対的にキャンセルさせるべく、根管107内に挿入された測定電極111の先端115と、口腔粘膜との間のインピーダンス値を異なる2つの周波数で測定したときの、それぞれのインピーダンス値の比あるいは差に基づいて根尖108を検出している。これは、容量成分を含むインピーダンスは周波数依存性を持つことを利用したものであり、異なる周波数の測定信号を用いることによって、同じ対象物から得られる情報量が増大するため、根管107内の状態や外的要因に依存しない形で、根尖位置を特定しようとするものである。
ところで、従来の根管長測定器において根尖108の位置を正確に検出するためには、測定電極111の先端115からの測定電流が、ほぼ全て根尖孔を経由して口腔電極112に流れ込むことを前提条件としている。つまり、歯、特に象牙質102は完全な絶縁体ではないが、根管長測定時に要求される測定精度であれば象牙質102は、絶縁体として考えて問題ないため、根管107を通る以外の導電経路は実質的に存在しないということを暗黙の前提としているのである。
しかし、実際の根管長測定においては、図22に示すように根管107内からの出血や浸出液が根管口116から歯肉105まで漏れたり、電気的な良導体である根管内薬液が根管口116より歯肉105まで漏れたりする場合がある。出血、浸出液や根管内薬液等の強電解質溶液117が根管口116から歯肉105に存在すると、インピーダンス測定の前提条件である、「測定電極の先端からの測定電流が、根尖孔を通じて口腔電極にほぼ全て流れ込む」という条件が成立しなくなる。
すなわち、図22に示すような状態では、強電解質溶液117によって根管口116から歯101の表面を通じて歯肉115まで至る電流経路が存在し、この電流経路を流れる漏洩電流の影響が根尖検出精度に大きく影響を与える。なお、図22では、電流の流れを矢印で示しており、根管口116から歯肉105に至る漏洩電流の流れと、根管107から根尖108に至る経路が示されている(実際には交流測定であるから双方向であるが、図示の便宜上、1方向について示している)。この漏洩電流は、根尖108を経由しない電流であるため、歯根膜109と口腔電極112との間のインピーダンス測定に関与せず、誤差要因になる。
そこで、特許文献1に記載の従来の根管長測定器では、上記漏洩電流が存在する場合に、根管長測定結果を補償するという発想から、上記漏洩電流に起因する応答値の異常分を補償してその影響を除去する補償手段を設けている。
次に、強電解質溶液117が根管口116から歯肉105に存在する場合以外に、根管長測定器において、漏洩電流が生じる場合について説明する。まず、漏洩電流が生じる場合として、図23に示すような歯根破折(以下、単に破折とも言う)がある。但し、漏洩電流が生じる破折は、根管に及ぶ破折であり、歯の表層だけにクラック等が生じる程度で根管に至らない破折は除くものとする。
図23(a)では、破折を有する歯の垂直方向の断面図と、根管長測定器の一部とが図示され、図23(b)では、破折の位置での水平方向の歯の断面図が図示されている。一般的に、歯根部に破折が存在すると、破折発生部位の歯槽骨が吸収されたり、炎症が発生したりする。また、微小な破折であれば、接着などの治療も可能であるが、破折歯は保存不可能とされており通常は抜歯される場合が多い。
図23(a)に示すような破折118が存在すると、破折118を介して漏洩電流が流れるので根尖検出精度に悪影響を与える。破折118からの漏洩電流がひどい場合には、正確な根尖検出が不可能となる場合が起こりうる。そのため、正確に根尖位置を検出する点から、破折118の存在を知ることは重要である。
漏洩電流が生じる別の場合としては、側枝と呼ばれるものがある。側枝とは、図24に示すように根管107(主根管)とは別に枝分かれしたような副根管(側枝119)である。通常、側枝は、破折と同様、検出が困難であり、積極的に側枝を治療することは困難である。
そして、図24に示すような側枝119が存在すると、側枝119を介して漏洩電流が流れるので根尖検出精度に悪影響を与える。側枝119からの漏洩電流がひどい場合には、正確な根尖検出が不可能となる場合が起こりうる。そのため、正確に根尖位置を検出する点から、側枝119の存在を知ることは重要である。
なお、側枝に類するものとして、主根管と異なる位置での突き抜けであるパーフォレーションがある。このパーフォレーションは、主として切削工具による根管拡大時に、誤って主根管を逸脱する方向へ掘り進んでしまった場合に形成されるものである。そのため、側枝と同様に、根管長測定において漏洩電流の原因となる。このようなパーフォレーション、特に根尖から離れた位置でのパーフォレーションの存在を知ることは、正確に根尖位置を検出する点から重要である。
特開2000−005201号公報
特許文献1では、根管長測定において漏洩電流がある場合に補償手段によって、漏洩状態を補償している。しかし、特許文献1では、漏洩状態を補償する前提である、漏洩電流が存在するか否かの検知を行っていない。
また、破折に対して行われていた従来の診断は、レントゲン写真による診断や顕微鏡による診断であった。しかし、レントゲン写真像であっても破折が明瞭に判断できる場合はまれであり、顕微鏡で観察できる部位は限定され、歯肉で覆われている部位や根尖部などは原理的に診断が不可能であった。そのため、治療を重ねても好転せず、やむを得ず抜歯すると破折が原因であることが判明したという症例は歯科医が多く経験するところであり、抜歯するまでもなく、破折の存在を示唆する診断機器が強く望まれている。
同様に、側枝やパーフォレーションに対して行われていた従来の診断も、レントゲン写真による診断であり、レントゲン写真像であっても側枝やパーフォレーションの存在を明瞭に判断できる場合はまれであった。そのため、側枝やパーフォレーションの存在を示唆する診断機器が強く望まれている。
そこで、本発明は、歯の根尖を迂回する、すなわち根尖孔を経由しない電気的漏洩経路(破折や側枝等の歯の形状異常を含む)が導電経路中に含まれるか否かを検出することが可能な歯科用診断器、これを用いた根管治療装置、根管治療装置用の表示装置及び歯科用診療台を提供することを目的とする。
本発明に係る解決手段は、以下に記載の歯科用診断器、根管治療装置、根管治療装置用の表示装置及び歯科用診療台のうちいずれかを採用することである。本発明に係る歯科用診断器は、測定対象である歯の根管に挿入する測定電極と、口腔粘膜に電気的に接触させる口腔電極と、測定電極と口腔電極との間に測定信号を印加する測定信号印加手段と、測定信号に対する電気的応答の計測に基づいて、測定電極と口腔電極との間の導電経路のうちの少なくとも一部分の電気的特性に応じたデータを得る計測手段とを備えていることを特徴とする。さらに、この歯科用診断器は、得られたデータに対して所定の判定基準を適用することにより、歯の根尖を迂回する電気的漏洩経路が導電経路中に含まれるか否かを検出する検出手段を備えている。
本発明に係る別の歯科用診断器は、歯の根管口から歯表面に沿って歯肉に至る液漏れによって生じた導電経路を、電気的漏洩経路として検出することを特徴とする。
本発明に係る別の歯科用診断器は、歯の形状異常に起因して歯の根管と歯肉との間に生じた導電経路を、電気的漏洩経路として検出することを特徴とする。
本発明に係る別の歯科用診断器は、歯の形状異常として、破折及び側枝のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
本発明に係る別の歯科用診断器は、検出手段が、得られたデータの値と所定の閾値とを比較し、当該比較結果に基づいて電気的漏洩経路の存在を検出することを特徴とする。
本発明に係る別の歯科用診断器は、計測手段で得るデータの値が、電気的特性を示すインピーダンス値であることを特徴とする。
本発明に係る別の歯科用診断器は、電気的応答が測定信号の周波数に依存する応答となっており、計測手段が、周波数の異なる複数の測定信号について測定電極と口腔電極との間のそれぞれの電気的応答を測定し、それぞれの電気的応答から得られる演算結果をデータとすることを特徴とする。
本発明に係る別の歯科用診断器は、演算結果が、周波数の異なる複数の測定信号について電気的応答として得られた2つのインピーダンス値の比であることを特徴とする。
本発明に係る別の歯科用診断器は、電気的応答が測定信号の周波数に依存する応答となっており、計測手段は、周波数の異なる複数の測定信号について測定電極と口腔電極との間の電気的応答を測定し、それぞれの電気的応答の測定結果を所定のテーブルに適用することによりデータを導くことを特徴とする。この構成により、予測される範囲で、電気的応答の測定結果と導電経路の電気的特性を示すデータとを関連付けたデータテーブルを作成し、そのテーブルを参照することで、測定結果から直ちに電気的特性を示すデータを得ることを可能とする。
本発明に係る別の歯科用診断器は、計測手段において、導電経路をモデル化した等価回路を想定し、その等価回路の所定部分の電気的特性値を求めることを特徴とする。その際、周波数の異なる複数の測定信号についての測定結果に基づいて、等価回路の所定部分の電気的特性値を求め、その所定部分の電気的特性値を診断用のデータとする。
本発明に係る別の歯科用診断器は、根管の外(根尖孔と口腔電極との間、あるいは液漏れや歯の形状異常に起因する根尖孔を経由しない経路)と根管の内(根管内に挿入された測定電極と根尖孔との間)とを別個の電気的構成要素として捉えることを特徴とする。この場合、等価回路は例えば、根管の外に対応する等価回路を抵抗要素と容量要素の並列回路とし、当該並列回路に根管の内の抵抗要素を直列接続した回路である。
また、前述の等価回路は、根管の外に対応する等価回路を容量要素とし、当該容量要素に根管の内の抵抗要素を直列接続した回路とすることもできる。
また、前述の等価回路は、根管の外と根管の内という区別ではなく、歯の根尖孔を経由する主導電経路と、主導電経路に対して並列的なバイパス経路との並列回路として表現することもできる。ここでいうバイパス経路が、検出されるべき漏洩電流経路に該当する。
さらに、この等価回路においては、漏洩電流の経路であるバイパス経路が、抵抗性成分と容量性成分との並列接続に相当する部分を含むものとして構成される。
本発明に係る別の歯科用診断器は、検出手段による判定結果を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする。
本発明に係る別の歯科用診断器は、表示部が、検出手段で得られる結果の程度を段階的に可視表示することを特徴とする。
本発明に係る別の歯科用診断器は、検出手段で得られる結果の程度を連続的に可視表示することを特徴とする。
本発明に係る別の歯科用診断器は、表示部が、検出手段で得られた結果に応じた聴覚的表示を行うことを特徴とする。
本発明に係る別の歯科用診断器は、測定対象である歯の根管に挿入する測定電極と、口腔粘膜に電気的に接触させる口腔電極と、測定電極と口腔電極との間に、所定の測定信号を印加する測定信号印加部と、記測定信号に対する測定電極と口腔電極との間の導電経路の電気的応答を計測する計測手段とを備えている。さらに、電気的応答から得られるデータの値が所定の正常範囲を逸脱し、あるいは逸脱しつつあることを検知する検知手段と、逸脱に関する情報を、検知手段からの検知信号に応じて表示する表示手段とを備えていることを特徴とする。
本発明に係る根管治療装置は、上記の本発明に係る歯科用診断器のうち、いずれか1つに記載の歯科用診断器の構成要素を備えることを特徴とする。すなわちこの根管治療装置は、根管治療の前段階、あるいは根管治療の最中に、上記の歯科用診断器を用いた診断と同様の診断を行うことできる。
本発明に係る根管治療装置用の表示装置は、第1表示要素と第2表示要素とを備えることを特徴とする。ここでいう第1表示要素は、歯の根管に挿入された測定電極先端の根管内における位置情報を得る根管長測定手段からの根管長測定結果に応じた表示を行うものであり、第2表示要素は、測定電極と口腔粘膜に電気的に接触させた口腔電極との間に、根尖孔を通らない電気的な漏洩経路が存在することを示す検出信号に応じた表示を行う。
本発明に係る歯科用診療台は、上記の本発明に係る歯科用診断器のいずれか1つに記載の歯科用診断器、上記の本発明に係る根管治療装置、及び上記の本発明に係る根管治療装置用の表示装置のうち、少なくとも1つを備えることを特徴とする。
本発明に記載の歯科用診断器は、測定電極と口腔電極との間の導電経路のうちの少なくとも一部分の電気的特性に応じたデータに対して所定の判定基準を適用することにより、歯の根尖を迂回する(根尖孔を経由しない)電気的漏洩経路が導電経路中に含まれるか否かを検出でき、根管口からの液漏れや破折や側枝等の存在を示すことができる。
本発明に係る別の歯科用診断器は、電気的漏洩経路が、歯の根管口から歯表面に沿って歯肉に至る液漏れによって生じた経路である場合、漏洩電流の存在を検出できれば確信をもって根管口を洗浄したり、ぬぐったりして漏洩電流の影響を低減する処置を行え、当該処置後、再度、根管長測定を行うことで、より精度の高い根管長測定結果を得ることができる。
本発明に記載の別の歯科用診断器は、電気的漏洩経路が、歯の形状異常(破折や側枝等)に起因して歯の根管と歯肉との間に生じた経路である場合、洗浄等の処置により根管口からの漏洩電流の影響を低減しても漏洩電流を検出するので、歯の形状異常(破折や側枝等)の存在を意識して治療を進めることができる。
本発明に係る別の歯科用診断器は、電気的特性に応じたデータとして、測定電極と口腔電極間のインピーダンスに対応した値を用いるので、簡便で且つ正確に電気的漏洩経路を検出することができる。
本発明に係る別の歯科用診断器は、導電経路のうちの少なくとも一部分の電気的特性に応じたデータとして、インピーダンス値の比を用いるので、簡便に電気的漏洩経路を検出することができる。
本発明に係る別の歯科用診断器は、導電経路をモデル化した等価回路の所定部分の電気的特性値を、周波数の異なる複数の測定信号に基づいて求めるので、診断器の行う演算やテーブルを用いたデータの読み出しによって、簡便で且つ正確に電気的漏洩経路を検出することができる。
本発明に係る別の歯科用診断器は、検出手段による判定結果を表示する表示部をさらに備えるので、漏洩電流の有無を視覚的あるいは聴覚的に表示でき、根管口からの液漏れや歯の形状異常(破折や側枝等)の存在を示すことができ、治療方針が立てやすい。
本発明に係る別の歯科用診断器は、電気的応答から得られるデータの値が所定の正常範囲を逸脱し、または逸脱しつつあることを示唆する情報を、検知手段からの検知信号に応答して表示する表示手段を備えるので、漏洩電流が存在する可能性を表示でき、根管長測定時に漏洩による誤差が存在する可能性を確認できる。
本発明に係る根管治療装置は、本発明に記載の歯科用診断器の構成要素を備えるので、根管の診断を行いながら治療を進めることができ、効率的に治療が行える。つまり、根管治療の前段階、あるいは根管治療の最中に、上記の歯科用診断器を用いた診断と同様の診断を行うことできる。
本発明に係る根管治療装置用の表示装置は、歯の根管に挿入された測定電極先端の根管内における位置情報を示す第1表示要素と、根尖孔を通らない電気的な漏洩経路が存在することを示す第2表示要素とを備えるため、漏洩電流の有無を確認しながら根管長測定を行うことができる。
本発明に係る歯科用診療台(歯科診療用ユニット)では、患者を保持するための診療台、患者を診療するための種々の診療器具、診療器具の操作手段、うがい用のスピットン、表示装置といった通常の診療台(歯科診療用ユニット)が備える機器に加え、さらに本発明に記載の歯科用診断器等を備えるので、診断のために患者を移動させたり装置を持ち運んだりする手間が省け、さらに効率のよい診療を行うことができる。
(実施の形態1)
<概要>
本実施の形態に係る歯科用診断器では、根管内に挿入された測定電極と口腔粘膜に電気的に接触させた口腔電極との間に印加した測定信号に対する電気的応答の計測に基づいて、これらの電極の間の導電経路についての電気的特性として、所定部分のインピーダンスに対応するデータを求め、そのデータから、主導電経路である根管内導電経路を逸脱する電気的漏洩経路(但し、測定に影響を与えない微小な電気的漏洩をもたらす経路を除く。以下同じ)の有無を検出している。なお、電気的応答に基づくデータとは、電気的応答そのものであっても良いし、複数の電気的応答を組み合わせたものでも良い。
例えば、電気的応答から求められる電気的特性をインピーダンス値とした場合、当該データは、測定電極と口腔粘膜に電気的に接触させた口腔電極との間のインピーダンス値そのものであっても良いし、複数のインピーダンス値から演算して得られた値(比、差、対数演算によって得られた比あるいは差と実質的に同一の演算結果等)、あるいはインピーダンス値より読み出せるテーブル値等であっても良い。
また、電気的漏洩経路は、破折部、側枝あるいは液漏れによるリーク部分のような、根尖孔を経由しない電流経路である。そして、本実施の形態では、そのような電気的漏洩経路の有無を、視覚的あるいは聴覚的に表示する構成とされており、その好ましい例として、電気的漏洩経路の存在が検出されたときにそれを視覚的あるいは聴覚的に警告表示するようになっている。
測定対象となる電気的経路の特性値としては、後述する実施の形態2のような電気的経路の一部(たとえば容量成分のみ)の特定値のほか、実施の形態1の電気的経路全体のインピーダンス値でもよい。
<構成と動作例>
具体的に、複数の周波数で測定した、測定電極と口腔粘膜に電気的に接触させた口腔電極との間のインピーダンス値の比を用いて、電気的漏洩経路の有無を検出する歯科用診断器について、以下に詳しく説明する。まず、インピーダンス値の比を測定検出する根管長測定器(歯科用診断器)の測定原理を、図1の概略回路構成に基づいて説明する。
この構成では、根管4内の電流経路の抵抗を抵抗Rtとし、根尖2から口腔粘膜3に至る部分の電流経路を容量C2及び抵抗R2の並列回路(当該インピーダンス値は、年齢,歯種による差がなく、ほぼ一定の値(6.5kΩ))とする等価回路を仮定している。根管内の抵抗要素Rtはこの並列回路に対して直列接続された形となる。但し、上述した等価回路は一例であって、本発明に用いられる等価回路は、図1に示す等価回路に限定されないが、図1のRC並列形の等価回路は既に広く認められているものであり、この形を基礎とする等価回路を想定することが好ましい。
そして、図1に示す概略構成によって行う根管長測定において、根尖2の位置を正確に検出するためには、根管4に挿入された測定電極5からの測定電流が、ほぼ全て根管4内から根尖2を経由して口腔電極6に流れ込む必要がある。なお、本実施の形態では、測定電流を検出することで測定電極5と口腔電極6との間(以下「被測定部」)のインピーダンス値を測定しているが、検出回路内部の検出抵抗(図11参照)の両端電圧や、ある電流,電圧時に求められる抵抗値などを測定指標として被測定部のインピーダンス値を算出する方法であっても良い。
臨床においては、図2に示すように、出血、浸出液や良導体の根管内薬液等の強電解質溶液7により、根管口8から歯1の表面に沿って歯肉9に至る電気的漏洩経路が存在する場合がある。この電気的漏洩経路において、根管口8から歯肉9までの経路の抵抗を抵抗Rs1とし、歯肉9から口腔電極6までの経路のインピーダンスを容量Cgと抵抗Rgの並列回路とする等価回路がバイパス経路として、図1の等価回路に並列接続されたものと考えることができる。
すなわち、根管口8からの漏洩電流が存在する場合の等価回路は、図2に示すような根管4内から根尖2を通る主導電経路と、主導電経路に対して並列的なバイパス経路との並列回路になる。但し、当該等価回路は例示であり、本発明において用いられる等価回路は、図2に示す等価回路に限られない。
また、強電解質溶液7による電気的漏洩経路以外に、図3に示す破折10による電気的漏洩経路や図4に示す側枝11による電気的漏洩経路が存在する場合がある。図3に示す等価回路では、破折10の発生部から口腔電極6までを容量Cgと抵抗Rgの並列回路とする等価回路がバイパス経路として、図1の等価回路に並列接続されたものと考えることができる。同様に、図4に示す等価回路では、側枝11の発生部から口腔電極6までを容量Cgと抵抗Rgの並列回路とする等価回路がバイパス経路として、図1の等価回路に並列接続されたものと考えることができる。但し、当該等価回路は例示であり、本発明において用いられる等価回路は、図3及び図4に示す上述の等価回路に限られない。
図1に示すような電気的漏洩経路が存在しない構成の場合、異なる周波数の測定信号に応じた測定電流を計測することにより求めたインピーダンス値の比は、測定電極5が根尖2に達するとほぼその装置に設定された所定閾値に達する。これについては、特許第2873722号公報に開示されている。
しかし、上記におけるインピーダンス値の比の変化が、測定電極5が根尖2に近づくにつれて値が大きくなる構成であって、測定環境が図2乃至図4に示すようなバイパス経路を有する状態の場合、測定電極5が根尖2に至る前に、上記所定閾値以上の値となることがある。場合によっては、測定電極5が根管4に挿入された瞬間に、上記所定閾値以上の値となることがある。なお、逆に、インピーダンス値の比を算出する式の分母と分子とを入れ替えれば、測定電極5が根尖2に近づくにつれてインピーダンス値の比の値は小さくなり、この場合、測定環境が図2乃至図4に示すようなバイパス経路を有する状態であれば、測定電極5が根尖2に至る前に、上記所定閾値以下の値となることがある。
以下においては、前者の「インピーダンス値の比の変化が、測定電極5が根尖2に近づくにつれて値が大きくなる構成」に基づいて記載するが、後者の「インピーダンス値の比の変化が、測定電極5が根尖2に近づくにつれて値が小さくなる構成」を採る場合は、以下の「所定閾値以上」「所定閾値より大きい」といった記載は「所定閾値以下」「所定閾値より小さい」と読み替えることになることは、言うまでもない。
図2乃至図4に示すようなバイパス経路を有する構成の場合、当該バイパス経路の等価回路の回路要素である容量Cgが非常に大きくなり、インピーダンス値の比は当該容量Cgの影響により測定電極5が根尖2に達する前に上記所定閾値以上になる。そのため、インピーダンス値の比が、根尖2を示す所定閾値より所定の量(判定マージン)以上に大きくなったか否かを測ることで、電気的漏洩経路の存在の有無を検出できる。設定する判定マージンは、機器の特性に応じて決定すればよく、例えば、根尖2を示す所定閾値の25%とすることができる。
判定マージン以上にインピーダンス値の比が所定閾値よりも大きくなった場合は、本実施の形態に係る歯科用診断器では、電気的漏洩経路が存在するとみなし、操作者(歯科医)に漏洩電流の存在を警告表示する。この警告表示は、根管長測定器の内部または外部にLEDなどの発光手段を設け、その点灯による警告表示で行うことができる。図5に示す警告表示の例は、根管長測定器とは別体に設けた警告表示装置を示しており、漏洩電流の存在がある場合にLED12が点灯する。
また、図6は、根管長測定のメータ表示13(具体的には、測定電極5の先端が根尖2に近づくにつれて、図6における上方のドットから順に点灯ドットを増やしていき、測定電極5の先端が根尖2に到達したと判断されるときに、APEX表示の位置にあるドットまでを点灯させる表示)の表示面に漏洩電流の有無を示すリーク表示14(具体的には漏洩電流があるときだけ点灯する表示)を追加した例である。従来、漏洩電流が存在するかどうかは歯科医にはわかりにくかったが、図5や図6のような表示であれば、漏洩電流が存在する可能性を表示でき、根管長測定時に漏洩による誤差が存在する可能性があることを歯科医が容易に認識できる。
図6に示す表示の別形態としては、例えば、図7乃至図9のような、歯牙模式図を用いた表示が可能である。図7のように、根管長測定のメータ表示13aを歯牙模式図上に設け、その上で図8のように、リーク表示14aによって、漏洩電流の有無を根管口から生じた液漏れとして模式的に表示することができる。また、漏洩電流が存在するとき、破折・側枝が存在する可能性があるとみなし、図9のように、リーク表示14bによって、歯牙模式図上に破折・側枝を模式的に重畳表示してもよい。
具体的に、漏洩電流の存在を、始めは根管口からの液漏れとみなし、図8のようにリーク表示14aを表示しておき、根管口の洗浄と払拭とで液漏れを解消したことを、術者が不図示の操作スイッチを押圧することにより歯科用診断器に記憶させる。さらに、その状態で再度漏洩電流が検出されたときには、今度は破折・側枝とみなし、図9のようにリーク表示14bを表示させる表示切り替え構成の例を採用することもできる。以上のような、歯牙模式図を用いて、根管長測定の結果や漏洩電流の有無を表示する構成とすることで、術者は視覚的に根管内の状況を把握することができ、便宜的である。
また、望ましくは図10に示すように、漏洩電流の有無だけでなくその大きさまでも感覚的に比較できるレベルメータ15を用いて、漏洩電流の大きさを複数段階に分けて段階的に視覚的に表示しても良い。従来の根管長測定器では、インピーダンス値の比が根尖を示す所定閾値以上になると、おおむね根管長測定のメータ表示13を振り切るような表示を行っていた。しかし、図10に示す表示部を有する歯科用診断器では、インピーダンス値の比が根尖を示す所定閾値以上になると、漏洩の大きさを示すレベルメータ15に漏洩の大きさを表示する。
なお、レベルメータ15は、図10に示すような段階的に漏洩電流の量を表示する構成でも、アナログメータのように連続して漏洩電流の量を表示する構成でも良い。また、本発明の漏洩電流の表示は、図10に示すように根管長測定のメータ表示13と分離したレベルメータ15で行っても、根管長測定のメータ表示13に一体化して行っても良い。また、図8、図9に示すリーク表示14a、14bを応用して、各リーク表示の濃淡、色、あるいはサイズを変えて表示することで、漏洩電流の量を模式的に表示する構成とすることもできる。さらに、本発明における電気的漏洩経路の存在(漏洩電流の有無)に対する警告表示は、視覚による表示に限らず、ブザーやスピーカーなどを使用した聴覚的な表示を単独又は併用する構成であっても良い。その場合、例えば漏洩が大きくなれば聴覚的な表示の音量を上げたり、あるいは、間欠的に音響報知することで聴覚的な表示を行う構成であれば、漏洩電流の量が大きくなれば音響の間隔を狭めたりすることで、漏洩電流の程度を歯科医が感覚的に把握することが容易となる。
また、従来の根管長測定器では、漏洩電流が存在する場合、測定電極が根尖に達していない場合でも根尖指示値を示す場合があった。特に、根管拡大装置が根管長測定器と連動している場合、根管拡大用ファイルの先端が根尖に達すると根管拡大作業を停止する、あるいは根管拡大のための出力を低下させるように制御されるため、従来の根管長測定器と連動する根管拡大装置では、漏洩電流が存在する場合、誤った位置で根管拡大作業が停止あるいは出力低下されてしまい、効率的な根管拡大が実施できなかった。本実施の形態では、漏洩電流による誤検出か、正確な根尖検出かが区別できるので、より的確に根管拡大装置を制御できる。本実施の形態に係る機能は、根管拡大装置と連動する根管長測定器には特に有用な機能となる。
この場合、漏洩電流によって、根尖に至る前に根管長測定結果が根尖位置であることを誤って示し、それに応じて根管拡大装置が停止あるいは出力を低下させたとしても、漏洩電流の存在を検知した表示信号によって、歯科医が漏洩電流の存在に気づくため、根管拡大装置の停止あるいは出力低下が、根尖到達によるものか漏洩電流の存在によるものかを歯科医が区別することができ、一層使い勝手がよいものとなる。なお、根管拡大作業の停止とは、駆動装置の停止のみならず、駆動装置がモータの場合、回転方向の反転も含む。また、根管拡大装置の出力の低下とは、例えば駆動装置がモータの場合、回転数を低下させたり、回転方向を正転と反転とで交互に繰り返したりすることを含む。
以上を実現するための装置構成は、後述する実施の形態2における回路構成(図13)を参照し、それとの相違部分を中心に説明することによって理解できる。すなわち、この実施の形態1では、図13の回路構成における3つの発振器20,21、22のうち、2つの発振器20,21だけを設ける。そして、図13の演算回路28に対応して実施の形態1で設けられる演算回路では、2つの周波数で測定したときのそれぞれの測定電流をA−D変換器27から順次に入力し、それに基づいてインピーダンス値の比を算出する。この演算回路におけるインピーダンス値の比の算出は、特許第2873722号公報に開示されている構成に基づいて行うことができる。このようにして特定されたインピーダンス値の比が、あらかじめ当該演算回路に登録されていた閾値と比較され、インピーダンス値の比が閾値よりも大きくなったときに表示部29に警告表示指令信号を出力する。ここにおいて、判定マージンを考慮するときにはその判定マージンの値も当該演算回路に登録されている。漏洩電流の段階的表示あるいは連続的表示の場合は、それに応じた表示指令信号が表示部29に出力され、それに応じた表示がなされる。
(実施の形態2)
<概要>
本実施の形態に係る歯科用診断器では、測定電極と口腔粘膜(口腔電極)との間の電気的構造を、図11に示す抵抗Rs、抵抗Rp及び容量Cpよりなる等価回路とみなし、検出抵抗を用いて検出された測定電極と口腔粘膜との間のインピーダンス値から当該等価回路を構成する要素の電気的特性値を求め、当該要素の電気的特性値の大きさに基づいて漏洩電流の有無を検出する。なお、本実施の形態に係る歯科用診断器は、漏洩電流の有無を表示するが、根管口からの強電解質溶液の漏れのない事が保証されている状態で漏洩電流の有無を測定することで、破折や側枝等の歯の形状異常を検出することもできる。
また、図11に示す等価回路は一例であり、本発明では図11に示す等価回路に限定されるものでない。また、本発明では、等価回路の構成要素の電気的特性値の絶対測定を常に要求するものではなく、測定系に採用される回路構成により、そのような電気的特性値の大きさを示す数値や漏洩電流の有無を示す閾値は異なる。いずれにせよ、本発明では、測定電極と口腔電極との間の電気経路を何らかの等価回路に置き換え、等価回路の構成要素を測定対象とすることで、簡便に電気的漏洩の有無を検出することを主眼とする。
また、本実施の形態に係る歯科用診断器では、漏洩電流がある場合であっても、測定電極と口腔粘膜間との等価回路は図11に示す等価回路の形になっていると仮定する。すなわち、図2乃至図4におけるバイパス経路の等価回路に含まれる容量Cgや抵抗Rgが、図11に示す容量Cpや抵抗Rpに含まれると近似する。さらに詳しく説明すると、図2乃至図4の等価回路の回路図は、本来図12のように複数の抵抗あるいは容量を組み合わせたものと表すことができるが、本実施の形態では図12における抵抗Rs1,Rs2を図11における抵抗Rsに、図12における抵抗Rg,R2を図11における抵抗Rpに、図12における容量Cg,C2を図11における容量Cpに近似して、図11の等価回路を使用する(尚、本発明は、この等価回路に限定するものでない。)。
図11の等価回路は、漏洩電流が存在する場合における根管の電気的特性を示す等価回路としての精度はあまり高くはない。しかしながら、漏洩電流の有無を検出する目的においては、図11の等価回路を用いても良好な結果が得られる。特に本発明の属する技術分野においては、例えば根尖検出の精度としては、測定電極5の先端が根尖2の手前約1.5mmまでの範囲にあるときに根管長測定器が根尖位置表示を行うことができれば、臨床上問題のない根管長測定が為されたとみなされる場合もあり、ある程度の測定誤差が許容されるものである。特に本発明の目的の一つは、根尖検出精度に影響を与える程度の漏洩電流が存在しているかどうか、あるいは、破折、側枝による漏洩電流が存在するか、否かを検出することであり、漏洩電流の値を正確に求めるものでないので、図11の等価回路を採用しても、十分、良好な結果を得る事ができる。なお、本発明では、図11の等価回路に限定されず、臨床上あるいは実用上で問題を生じない等価回路を適宜選択しても良い。また、図11又は図12における「検出抵抗」は、等価回路の構成要素ではなく、等価回路のインピーダンスを検出するため検出回路内に設けられるものである。
以下、図11の等価回路を用いた本実施の形態に係る歯科用診断器について説明する。まず、図11の等価回路においては、構成される要素が抵抗Rs、抵抗Rp及び容量Cpの3つである。図11の等価回路において、漏洩電流が存在しない場合は、この等価回路の各要素は、抵抗Rsが測定電極と歯根膜との間の抵抗、抵抗Rpと容量Cpの並列回路が歯根膜と口腔粘膜との間のインピーダンスに対応することになる。
しかし、図11の等価回路において、漏洩電流が存在する場合は、抵抗Rpと容量Cpの並列回路は、歯根膜と口腔粘膜との間(主伝導経路)のインピーダンスと、漏洩電流の経路(バイパス経路)のインピーダンスの両方を含むことになる。但し、本発明は生体の診断に関するものであり、図11に示す等価回路は厳密な等価とならないが、漏洩電流の有無を検出する上では十分である。
本実施の形態に係る歯科用診断器では、等価回路の構成要素Rs、Rp、Cpの値の変化から電気的漏洩経路の存在を検出する。例えば、漏洩電流が存在しない場合の容量Cpと、漏洩電流が存在する場合の容量Cpとの差異を検出して、根管口からの漏洩電流の有無、あるいは破折や側枝など歯の形状異常の存在による漏洩電流の有無を検知することができる。また、本実施の形態に係る歯科用診断器においても、図10に示す表示等を採用することで、容量Cpの変化を漏洩電流の量の変化として表示することができる。当該表示により、漏洩電流の程度、あるいは漏洩電流を低減させるための洗浄払拭の効果が明らかになる。
<概略動作>
次に、本実施の形態に係る歯科用診断器の動作について説明する。まず、図13に、本実施の形態に係る歯科用診断器のブロック図を示す。図13に示す歯科用診断器では、容量成分を持つインピーダンスによる電気的応答が周波数依存性を持つことを利用して、周波数fの測定信号を出力する発振器20、周波数5f(fの5倍)の測定信号を出力する発振器21、周波数25f(fの25倍)の測定信号を出力する発振器22の3つの異なる周波数の測定信号を生成できる発振器を備えている。本実施の形態では、図11に示した等価回路の構成要素が3種であるので、後述する等価回路のインピーダンスを表す連立方程式を解くためには3種類の測定周波数が必要となる。なお、本実施の形態では、使用する複数の周波数として、基本周波数fの1倍,5倍,25倍(つまり基本周波数とその高調波)を用いているが、本発明はこれに限られず基本周波数fの1倍,10倍,100倍等であっても良い。
また、図13に示す歯科用診断器では、アナログ・マルチプレクサ23、バッファ24、タイミングコントローラ25を備えている。さらに、図13に示す歯科用診断器では、波形整形回路26、A−D変換器27、演算回路28、表示部29及び検出抵抗30を備えている。なお、タイミングコントローラ25は、各回路の動作のタイミングを制御するもので、当該制御に基づきアナログ・マルチプレクサ23が各発振器20,21,22の出力を例えば10msecごとに切り替える。そして、アナログ・マルチプレクサ23からの出力が、バッファ24を介して測定電極5に印加される。
本実施の形態では、背景技術でも説明したように、測定電流の変化を測定電極と口腔粘膜間のインピーダンス値の変化として検出する。そのため、測定信号の各周波数における測定電極と口腔粘膜間のインピーダンス値の変化は、検出抵抗30によって測定電流として検出される。この測定電流を波形整形回路26で整流して波形を整えた後、A−D変換器27でデジタルデータに変換する。
さらに、演算回路28では、A−D変換器27からのデジタルデータを逐次ラッチしながら、周波数f、5f、25fのそれぞれで順次に測定された測定電極と口腔粘膜間のインピーダンス値より、抵抗Rsの抵抗値に対応する値、抵抗Rpの抵抗値に対応する値及び容量Cpの容量値に対応する値を演算で求める。なお、インピーダンス値の測定においては、測定電極5がほぼ同一の根管内位置で、周波数f、5f、25fの測定を行う方が望ましいが、必ずしも測定電極5の位置が厳密に同一でなくとも、周波数f、5f、25fの切換速度は測定電極111の挿入速度よりは早いため、漏洩電流の検出には影響を与えない。
本実施の形態では、容量Cpの容量値に対応する値を根管の電気的特性に応じたデータとしており、当該データを漏洩電流の有無、特に漏洩電流の大小を表すパラメータとして使用している。演算回路28はその内部にコンパレータ(ないしはソフト的に比較機能を実現するプログラム)を備えており、あらかじめ記憶していた所定閾値とこのデータ値を比較し、そのデータ値が所定閾値を越える場合、すなわち容量Cpの容量値に対応する値(容量Cpの容量値そのものも含む)が、所定の閾値以上の場合に、漏洩電流が存在するとして図5又は図6乃至図9で示した表示部に表示される。また、図10に示す表示部のように、容量値に応じて警告表示を変化させることも可能である。もちろん、表示は、視覚に限られず、ブザーやスピーカーなどを使用して聴覚的な警告表示であっても良い。
漏洩電流の段階的表示を行うときには上記閾値として複数の閾値(最終的な閾値と途中段階の表示閾値)が設定されており、それぞれの閾値をデータ値が越えるごとに表示段階を上げてゆく。連続的表示の場合には閾値は単一でよい。この実施の形態2においても、判定のための閾値との比較にあたっては、判定マージンを用いることができる。
本実施の形態に係る歯科用診断器を用いて、歯科医が漏洩電流の存在を認識すれば、根管口から強電解質溶液の漏洩を防止する処置を行う。この処置を行っても、漏洩電流の存在を示唆する表示が消えない場合は、必然的に、破折や側枝等の存在を疑うことになる。すなわち、従来であれば、破折や側枝等の存在について漠然とした診断しか行えなかったが、本実施の形態に係る歯科用診断器を用いることで破折や側枝等の歯の形状異常の存在をある程度の確実性を持って診断することが可能となる。
<演算回路の詳細動作>
次に、本実施の形態に係る演算回路28の動作について詳細に説明する。まず、演算回路28には、測定電極と口腔粘膜との間の導電経路をモデル化した等価回路が予め設定されている。本実施の形態では、この等価回路を図11に示す等価回路としている。図11に示す等価回路では、インピーダンスをRs+Rp//Cpの数式で表すことができる。なお、数式中の「//」の記号は、並列接続の合成抵抗を表している。
そして、抵抗Rsの抵抗値をRsv、抵抗Rpの抵抗値をRpv、容量Cpの容量値をCpvとする。また、測定信号の周波数がf、5f、25fであるとき、容量Cpのそれぞれのインピーダンス値を、1/(2πfCpv),1/(10πfCpv),1/(50πfCpv)とする。なお、本実施の形態では、簡略化のためインピーダンス値を1/(jωCpv)=1/(ωCp)と近似している(角振動数ω=2π×周波数)。
そして、これらの値を用いて、周波数fのインピーダンス値を数1と計算できる。
Figure 2008110141
同様に、周波数5fのインピーダンス値は、数2と計算できる。
Figure 2008110141
同様に、周波数25fのインピーダンス値は、数3と計算できる。
Figure 2008110141
演算回路28では、上記の式に対して、周波数f,5f,25fで測定された測定電極と口腔粘膜との間のインピーダンス値を逐次入力して、数1から数3の連立方程式を解けば、抵抗値Rsv,抵抗値Rpv,容量値Cpvを求めることができる。
つまり、演算回路28では、測定電極の先端が存在する位置における等価回路の構成要素(抵抗Rs,抵抗Rp,容量Cp)の値を求めることができる。
より簡便な方法として、上記周波数f,周波数5f,周波数25fで測定された測定電極と口腔粘膜間のインピーダンス値の組み合わせで得られる構成要素Rs,Rp,Cpを予め計算で求めて演算回路28内のテーブルに記憶しておき、測定対象の歯1から得られた各々のインピーダンス値より構成要素(例えば容量Cp)の値を当該テーブルから導き出しても良い。なお、テーブルは、演算回路28内であっても、外部の記憶部に設けても良い。また、テーブルに記憶するデータ量を抑えるために、離散的にデータを記憶させておき補間処理を利用する形式でも良い。さらに、テーブルに格納するデータを構成要素Rs,Rp,Cpの値とするのでなく、表示部で表示する値又は警告表示の有無を格納しても良い。
以上のように、本実施の形態に係る歯科用診断器では、測定する各周波数での測定電極と口腔粘膜間のインピーダンス値を求め、所定の処理を行うことで等価回路の構成要素Rs,Rp,Cpの値の変化から電気的漏洩経路の存在を検出する。
<具体例>
図14に、本実施の形態に係る歯科用診断器で求めた各々の歯における構成要素Cpの容量値をプロットした図を示す。なお、図14の横軸は、測定電極5の先端の根尖からの距離(単位mm)を表し、図14の縦軸は、構成要素Cpの容量値を単位ナノファラッドで表している。なお、図14に示すグラフは、実験により測定電極と口腔粘膜との間のインピーダンス値をインピーダンスメータで求め、実測したインピーダンス値から容量値を演算して作成したものである。しかし、実際に本発明を実施する歯科用診断器においては、インピーダンス値を実測する代わりに、インピーダンス値と対応関係にある他の量を用い、それに応じて漏洩電流を検出するための閾値を設定することもできる。
図14に示すグラフでは、グラフA及びグラフBが破折の存在する歯であるので構成要素Cpの容量値が大きく、それ以外のグラフが破折の存在しない歯であるので構成要素Cpの容量値が小さい。図14に示すグラフから、破折の存在する歯と存在しない歯とでは構成要素Cpの容量値に対応する値が明らかに異なる。そのため、本実施の形態に係る歯科用診断器では、構成要素Cpの容量値に対応する値に対して所定の判定基準を適用することで破折の存在を検出できる。破折の存在(漏洩電流の有無)を検出する所定の判定基準としては、例えば構成要素Cpの容量値に対応する値を、閾値である基準値と直接大小比較する場合や、容量値に対応する値と基準値との比を取る場合、容量値に対応する値と基準値との差を取る場合、対数演算によって実質的に比や差を得るのと同様の演算を行う場合などが考えられる。また、単に構成要素Cpの容量値を基準値と比較するのでなく、変化の度合いを基準値として用いることで、根尖からの位置の変化に対する容量値Cpの変化の度合いを、予め記憶された標準的な変化の度合いと比較することでも、破折の存在(漏洩電流の有無)を検出することが可能である。
図14に示すグラフA,Bは、測定電極を根管に挿入した瞬間から構成要素Cpの容量値に対応する値が所定の閾値(例えば100)以上を示しているので、破折の存在することが分かる。なお、本実施の形態でも、構成要素Cpの容量値に対応する値に応じて異常状態の程度を図10に示すようなレベルメータ15によって表示しても良い。
同様に、図15に、破折が存在しない歯において構成要素Cpの容量値をプロットした図を示す。図15に示すグラフでは、グラフC及びグラフDが根管口から強電解質溶液の漏洩が存在する場合を、グラフC'及びグラフD'が同一の歯で根管口から強電解質溶液の漏洩が存在しない場合をそれぞれ示している。図15に示すグラフでは、強電解質溶液の漏洩の有無により、構成要素Cpの容量値に対応する値が明らかに異なる。そのため、本実施の形態に係る歯科用診断器では、構成要素Cpの容量値に対応する値に対して所定の判定基準を適用することで、強電解質溶液の漏洩の存在、つまり根管口からの漏洩電流の有無を検出することが可能となり、歯科医は根管口の洗浄・払拭といった適切な処置をとることができる。なお、上記の結果より明らかなように、歯に側枝が存在する場合も、本実施の形態に係る歯科用診断器で検出可能であることは明らかである。
(実施の形態3)
<概要>
実施の形態2では、バイパス経路を含む測定電極と口腔粘膜との間のインピーダンス値を図11に示す等価回路とみなしているが、本実施の形態では、図16に示す等価回路とみなす。図16に示す等価回路は、図11の抵抗Rpと容量Cpとよりなる並列回路部分を、容量Csに置き換えた構成である。図16に示す等価回路は、図12に示す等価回路を図11に比べてさらに近似したものであるが、この等価回路を使用しても実施の形態2と同様、電気的漏洩経路の存在(漏洩電流の有無)を検出することが可能である。
本実施の形態においてもインピーダンス値の測定には、検出回路内に設けた検出抵抗を用いて電流等を測定して行っている。なお、図16に示す等価回路はあくまで一例であり、本発明は図16に示す等価回路に限定されるものでない。また、図16に示す等価回路は、抵抗Rsが「測定電極の先端と歯根膜との間のインピーダンス」、容量Csが「歯根膜と口腔粘膜との間のインピーダンス」にそれぞれ対応している。本実施の形態では、主導電経路の容量成分及びバイパス経路のインピーダンスが容量Csに一体として近似されている。
さらに、本実施の形態において等価回路の構成要素を求める演算は、図16の等価回路の構成要素が抵抗1個と容量1個の計2個であるため、測定信号が周波数fと周波数5fの2種のみでも十分である。つまり、実施の形態2で用いた周波数25fの測定信号は、本実施の形態では不要である。そのため、本実施の形態に係る歯科用診断器は、測定回路の簡易化が図れる上、構成要素の計算も容易になる。なお、本実施の形態に係る歯科用診断器は、周波数25fの発信器22を設けない以外、図13に示すブロック図と同じ構成である。
<演算回路の詳細動作>
本実施の形態に係る演算回路28の動作についても、基本的には実施の形態2と同じであり、周波数fと周波数5fの測定信号に対応する測定電極と口腔粘膜間のインピーダンス値を測定する。そして、図16の等価回路に基づく連立方程式を立て、測定したインピーダンス値を用いて当該連立方程式を解くことで、各測定位置における等価回路の構成要素(抵抗Rs,容量Cs)の大きさを求める。Rs、Csは、各々数4、数5のように求められる。本実施の形態では、漏洩電流の有無を検出のために容量Csの値を利用し、その値は数5として求められる。なお、本実施の形態においても、容量Csの容量値そのものを必ずしも求める必要はなく、容量値に対応する値、あるいは抵抗Rsと容量Csとを組み合わせ演算した結果等を求めれば良い。
Figure 2008110141
Figure 2008110141
より簡便な方法として、上記周波数f,周波数5fで測定された測定電極と口腔粘膜との間のインピーダンス値の組み合わせで得られる構成要素Rs,Csを予め計算で求めて演算回路28内のテーブルに記憶しておき、測定対象の歯1から得られた各々のインピーダンス値より構成要素(例えば容量Cs)の値を当該テーブルから導き出しても良い。なお、テーブルは、演算回路28内であっても、外部の記憶部に設けても良い。また、テーブルに記憶するデータ量を抑えるために、離散的にデータを記憶させておき補間処理を利用する形式でも良い。さらに、テーブルに格納するデータを構成要素Rs,Csの値とするのでなく、表示部で表示する値又は警告表示の有無を格納して良い。
<具体例>
図17に、本実施の形態に係る歯科用診断器を用いて、抜歯された破折の存在しない歯における構成要素Csの容量値をプロットした図を示す。なお、図17の横軸は、測定電極の根尖からの距離(単位mm)を表し、図17の縦軸は、構成要素Csの容量値をナノファラッドを単位として示しているが、相対的な大小関係を特定できればよいため、実際の装置構成での内部比較は他の任意単位で行うことができる。
図17に示すグラフE,F,Gは、根管口から強電解質溶液の漏洩が存在する場合であり、それ以外のグラフは、強電解質溶液の漏洩が存在しない場合である。そして、図17に示すグラフから、強電解質溶液の漏洩が存在し根管口からの漏洩電流がある場合と、漏洩電流が存在しない場合とでは、構成要素Csの容量値に対応する値が明らかに異なる。そのため、本実施の形態に係る歯科用診断器では、構成要素Csの容量値に対応する値に対して所定の判定基準を適用することで、電気的漏洩経路の存在(漏洩電流の有無)を検出することができる。なお、電気的漏洩経路の存在(漏洩電流の有無)を検出する所定の判定基準としては、例えば構成要素Csの容量値に対応する値を閾値である基準値と直接大小比較する場合や、容量値に対応する値と基準値との比を取る場合、容量値に対応する値と基準値との差を取る場合、対数演算によって実質的に比や差を得るのと同様の演算を行う場合などが考えられる。
図17に示すグラフE,F,Gは、測定電極を根管に挿入した瞬間から構成要素Csの容量値に対応する値が所定の閾値(例えば300)以上を示しているので、漏洩電流があることが分かる。なお、本実施の形態でも、求めた構成要素Csの容量値に応じて漏洩電流の程度を表示するようにしても良い。
具体的には、図10に示すような4つのLEDが一列に並んだレベルメータ15に漏洩電流の程度を表示しても良い。例えば、当該レベルメータは、構成要素Csの容量値に対応する値が200でレベル1、容量値に対応する値が400でレベル2、容量値に対応する値が600でレベル3、容量値に対応する値が800でレベル4のLEDが点灯するように設計する。この場合、図17のグラフE,F,Gで得られた検出値は、レベルメータにおいてレベル3あるいはレベル4として表示され、その他のグラフで得られた検出値は、レベルメータにおいて非点灯あるいはレベル1として表示される。なお、本実施の形態においても、臨床上、問題を引き起こす程度の漏洩電流が存在するか否かのみを示唆するものとして図5又は図6乃至図9の表示を行っても良い。もちろん、表示は、視覚に限られず、ブザーやスピーカーなどを使用して聴覚的な警告表示であっても良い。
なお、上記の結果より明らかなように、歯に破折や側枝等の形状異常があることで電気的漏洩経路が存在する場合も、本実施の形態に係る歯科用診断器で検出可能であることは明らかである。
また、実施の形態2及び実施の形態3では、等価回路における構成要素の容量値Cp,Csに対応する値をデータとして電気的漏洩経路の存在を検出しているが、本発明はこれに限られず、設計者がデータの内容を適宜選択して歯の根管に関する様々な情報を得ることができる。例えば、当該データを容量値と抵抗値との組み合わせとして、根管の異常を検知する歯科用診断器を構成することも可能である。
(実施の形態4)
実施の形態1乃至実施の形態3に示した歯科用診断器は、根管拡大用マイクロモータやスケーラなどの根管治療装置に組み込むことができる。当該根管治療装置の概略図を図18に示す。図18に示す根管治療装置では、ハンドピースHと、据置型の制御器本体Cとを備えており、ハンドピースHは、切削工具40が取り付けられたヘッド41、ハンドピース本体42、シャンク43で構成され、チューブ44を介して制御器本体Cに接続されている。また、ハンドピース本体42には、切削工具40の駆動用のモータとしてマイクロモータが内蔵されている。
制御器本体Cは、根管長測定回路と、実施の形態1乃至実施の形態3に示した歯科用診断器と、操作部45と、表示部46等を備えている。また、制御器本体Cには、測定電極5、口腔電極6を接続できるようになっている。図18に示す根管治療装置では、当該測定電極5及び口腔電極6を用いて、根管長及び電気的漏洩経路の存在を検出する。なお、図18に示す根管治療装置では、測定電極5をハンドピースHとは独立して設けているが、本発明ではこれに限られず測定電極5と切削工具40とを同一に構成しても良い。
また、実施の形態1乃至実施の形態3に示した歯科用診断器や、上記の根管治療装置を歯科診療台(歯科診療用ユニット)に組み込むことができる。図19に示す歯科診療台50は、患者を座位あるいは仰臥位に保持する診療台51と、診療に必要な表示を行うための表示部52と、診療のための操作入力を受けるための操作部53と、歯科用診断器又は根管治療装置を組み込んだモジュール部54と、患者がうがいなどをするためのスピットン部55と、診療に必要な機器やモジュール部54を載置した移動テーブル56とを備えている。
実施の形態1乃至実施の形態3に示した歯科用診断器や、上記の根管治療装置は、モジュール部54として歯科診療台(歯科診療用ユニット)50に組み込まれており、当該モジュール部54の情報は表示部52に表示される。なお、本発明は、図19に示す歯科診療台(歯科診療用ユニット)50に限られず、何らかの形で実施の形態1乃至実施の形態3に示した歯科用診断器や、上記の根管治療装置が歯科診療台に組み込まれていれば良い。
また、実施の形態1乃至実施の形態3に示した歯科用診断器では、図5乃至図10に示した表示部が一体として取り付けられているが、本発明ではこれに限られず、根管長測定結果を示す根管長測定のメータ表示と、漏洩電流の有無を示すリーク表示とを追加した表示装置を、歯科用診断器とは別に設けることも可能である。また、当該表示装置を歯科診療台(歯科診療用ユニット)に組み込んでも良い。
歯科診断(根管長測定)を行うための概略図である。 本発明の実施の形態1に係る歯科用診断器で液漏れが存在する場合の概略図である。 本発明の実施の形態1に係る歯科用診断器で破折が存在する場合の概略図である。 本発明の実施の形態1に係る歯科用診断器で側枝が存在する場合の概略図である。 本発明の実施の形態1に係る歯科用診断器の表示部の概略図である。 本発明の実施の形態1に係る歯科用診断器の表示部の概略図である。 本発明の実施の形態1に係る歯科用診断器の表示部の概略図である。 本発明の実施の形態1に係る歯科用診断器の表示部の概略図である。 本発明の実施の形態1に係る歯科用診断器の表示部の概略図である。 本発明の実施の形態1に係る歯科用診断器の表示部の概略図である。 本発明の実施の形態2に係る歯科用診断器の等価回路を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る歯科用診断器の等価回路を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る歯科用診断器のブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る歯科用診断器で破折が存在する場合の根尖からの距離と構成要素の容量との関係を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る歯科用診断器で液漏れが存在する場合の根尖からの距離と構成要素の容量との関係を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る歯科用診断器の等価回路を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る歯科用診断器で液漏れが存在する場合の根尖からの距離と構成要素の容量との関係を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る根管治療装置の概略図である。 本発明の実施の形態4に係る歯科診療台の概略図である。 歯の構造を説明するための断面図である。 従来の根管長測定器の概略図である。 従来の根管長測定器で液漏れが存在する場合の概略図である。 従来の根管長測定器で破折が存在する場合の概略図である。 従来の根管長測定器で側枝が存在する場合の概略図である。
符号の説明
1 歯、2 根尖、3 口腔粘膜、4 根管、5 測定電極、6 口腔電極、7 強電解質溶液、8 根管口、9 歯肉、10 破折、11 側枝、12 LED、13,13a 根管長測定のメータ表示、14,14a,14b リーク表示、15 レベルメータ 、20,21,22 発振器、23 アナログ・マルチプレクサ、24 バッファ、25 タイミングコントローラ、26 波形整形回路、27 A−D変換器、28 演算回路、29 表示部、30 検出抵抗、40 切削工具、41 ヘッド、42 ハンドピース本体、43 シャンク、44 チューブ、45 操作部、46 表示部、50 歯科診療台、51 診療台、52 表示部、53 操作部、54 モジュール接続部、55 スピットン部、56 移動テーブル、101 エナメル質、102 象牙質、103 セメント質、104 歯槽骨、105 歯肉、106 歯髄、107 根管、108 根尖、109 歯根膜、110 歯、111 測定電極、112 口腔電極、113 信号印加部、114 検出抵抗、115 測定電極の先端、116 根管口、117 強電解質溶液、118 破折、119 側枝。

Claims (22)

  1. 測定対象である歯の根管に挿入する測定電極と、
    口腔粘膜に電気的に接触させる口腔電極と、
    前記測定電極と前記口腔電極との間に測定信号を印加する測定信号印加手段と、
    前記測定信号に対する電気的応答の計測に基づいて、前記測定電極と前記口腔電極との間の導電経路のうちの少なくとも一部分の電気的特性に応じたデータを得る計測手段と、
    前記データに対して所定の判定基準を適用することにより、前記歯の根尖を迂回する電気的漏洩経路が前記導電経路中に含まれるか否かを検出する検出手段とを備える、
    歯科用診断器。
  2. 請求項1に記載の歯科用診断器であって、
    前記電気的漏洩経路が、前記歯の根管口から歯表面に沿って歯肉に至る液漏れによって生じた経路であることを特徴とする、歯科用診断器。
  3. 請求項1に記載の歯科用診断器であって、
    前記電気的漏洩経路が、前記歯の形状異常に起因して前記歯の根管と歯肉との間に生じた経路であることを特徴とする、歯科用診断器。
  4. 請求項3に記載の歯科用診断器であって、
    前記歯の形状異常として、破折及び側枝のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする、歯科用診断器。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の歯科用診断器であって、
    前記検出手段は、前記データの値と所定の閾値とを比較し、当該比較結果に基づいて前記電気的漏洩経路の存在を検出することを特徴とする、歯科用診断器。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の歯科用診断器であって、
    前記データの値が、前記電気的特性を示すインピーダンス値であることを特徴とする、歯科用診断器。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の歯科用診断器であって、
    前記電気的応答は前記測定信号の周波数に依存する応答となっており、
    前記計測手段は、周波数の異なる複数の測定信号について前記測定電極と前記口腔電極との間のそれぞれの電気的応答を測定し、前記それぞれの電気的応答から得られる演算結果を前記データとすることを特徴とする、歯科用診断器。
  8. 請求項7に記載の歯科用診断器であって、
    前記演算結果は、周波数の異なる複数の測定信号について前記電気的応答として得られた2つのインピーダンス値の比であることを特徴とする、歯科用診断器。
  9. 請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の歯科用診断器であって、
    前記電気的応答は前記測定信号の周波数に依存する応答となっており、
    前記計測手段は、周波数の異なる複数の測定信号について前記測定電極と前記口腔電極との間の電気的応答を測定し、それぞれの電気的応答の測定結果を所定のテーブルに適用することにより前記データを導くことを特徴とする、歯科用診断器。
  10. 請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の歯科用診断器であって、
    前記計測手段は、前記導電経路をモデル化した等価回路の所定部分の電気的特性値を、周波数の異なる複数の測定信号についての測定結果に基づいて求め、前記所定部分の電気的特性値を前記データとすることを特徴とする、歯科用診断器。
  11. 請求項10に記載の歯科用診断器であって、
    前記等価回路は、根管の外に対応する等価回路を抵抗要素と容量要素の並列回路とし、当該並列回路に根管の内の抵抗要素を直列接続した回路であることを特徴とする、歯科用診断器。
  12. 請求項10に記載の歯科用診断器であって、
    前記等価回路は、根管の外に対応する等価回路を容量要素とし、当該容量要素に根管の内の抵抗要素を直列接続した回路であることを特徴とする、歯科用診断器。
  13. 請求項10に記載の歯科用診断器であって、
    前記等価回路は、前記歯の根尖孔を経由する主導電経路と、前記主導電経路に対して並列的なバイパス経路との並列回路として表現されていることを特徴とする、歯科用診断器。
  14. 請求項13に記載の歯科用診断器であって、
    前記バイパス経路は、抵抗性成分と容量性成分との並列接続に相当する部分を含むことを特徴とする、歯科用診断器。
  15. 請求項1乃至請求項14のいずれか1つに記載の歯科用診断器であって、
    前記検出手段による判定結果を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする、歯科用診断器。
  16. 請求項15に記載の歯科用診断器であって、
    前記表示部は、前記検出手段で得られる結果の程度を段階的に可視表示することを特徴とする、歯科用診断器。
  17. 請求項15に記載の歯科用診断器であって、
    前記表示部は、前記検出手段で得られる結果の程度を連続的に可視表示することを特徴とする、歯科用診断器。
  18. 請求項15乃至請求項17のいずれか1つに記載の歯科用診断器であって、
    前記表示部は、前記検出手段で得られた結果に応じた聴覚的表示を行うことを特徴とする、歯科用診断器。
  19. 測定対象である歯の根管に挿入する測定電極と、
    口腔粘膜に電気的に接触させる口腔電極と、
    前記測定電極と前記口腔電極との間に、所定の測定信号を印加する測定信号印加部と、
    前記測定信号に対する前記測定電極と前記口腔電極との間の導電経路の電気的応答を計測する計測手段と、
    前記電気的応答から得られるデータの値が所定の正常範囲を逸脱し、あるいは逸脱しつつあることを検知する検知手段と、
    前記逸脱に関する情報を、前記検知手段からの検知信号に応じて表示する表示手段とを備える、歯科用診断器。
  20. 請求項1乃至請求項19のいずれか1つに記載の歯科用診断器の構成要素を備えたことを特徴とする、根管治療装置。
  21. 歯の根管に挿入された測定電極先端の根管内における位置情報を得る根管長測定手段と、
    前記根管長測定手段からの根管長測定結果に応じた表示を行う第1表示要素と、
    前記測定電極と口腔粘膜に電気的に接触させた口腔電極との間に、根尖孔を通らない電気的な漏洩経路が存在することを示す検出信号に応じた表示を行う第2表示要素を備えることを特徴とする、根管治療装置用の表示装置。
  22. 請求項1乃至請求項19のいずれか1つに記載の歯科用診断器、請求項20に記載の根管治療装置、及び請求項21に記載の根管治療装置用の表示装置のうち、少なくとも1つを備えたことを特徴とする、歯科用診療台。
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