JP7154491B2 - 根管拡大装置 - Google Patents

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Description

本発明は、歯牙の根管内から歯根膜腔に延びる側枝を検出するのに使用することができる側枝検出可能な根管拡大装置に関する。
従来、歯牙の根管から歯根膜腔に延びた側枝を検出する装置としては、特許文献1,2に記載された側枝検出装置が知られている。特許文献1,2に記載の側枝検出装置は、根管内に挿入される測定電極と、口腔内表面に配置される口腔電極と、測定電極に複数の測定用信号を印加する電源と、測定電極と口腔電極との間で検出される測定データに基づいて、根管から歯根膜腔に延びる側枝の有無を示す表示用データを出力するデータ処理部と、表示用データを表示する表示部と、から構成されている。
その側枝検出装置は、測定電極が根管内に挿入されるに従って変化する表示用データの推移の波形により、側枝の有無を表示部に表示する装置である。その側枝検出装置に使用される測定電極は、術者が手で持って歯牙の根管を切削するリーマ、または、ファイルから成る手用切削具が使用されている。測定電極は、測定電極を形成する導電性金属部と、この導電性金属部を覆った絶縁被膜と、導電性金属部の先端部近傍の位置ある絶縁被膜を隔離した状態の開口部と、術者が手で把時するハンドル部と、を備えている。
また、歯牙の神経を抜いた場合は、処理後に、根管内の開口端から先端の根尖までの間にある感染質や、象牙質をカナルクレンザー(抜髄針)で除去する必要がある。その場合は、根管長測定器を使用して、根管の開口端(測定基準点)から根尖までの距離(根管長)を測定している。そして、根管長を測定後は、いわゆる根管拡大モータによって、根管内の象牙質等を除去している。
特許第5058713号公報 特許第6035390号公報
しかし、特許文献1,2に記載の側枝検出装置は、リーマまたはファイルから成る手用切削具を測定電極として使用して、測定電極を手動で移動させているため、側枝の検出精度が低いという問題点があった。
そこで、本発明は、さらに高い精度で側枝を検出することができる側枝検出可能な根管拡大装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、被検者の身体の一部に電極端子を配置し、歯牙の根管から歯根膜腔に延びた側枝を検出する側枝検出用の切削具を装着して前記根管を拡大させる根管拡大装置であって、前記切削具は、当該切削具を形成する導電性金属と、当該導電性金属を覆う絶縁膜と、を備え、前記絶縁膜の一部に側枝方向検出用の開口部を設け、 前記切削具に設けられた前記開口部の前記切削具の軸径方向の位置と、前記切削具を装着するチャックを有する駆動体を保持するハンドピースヘッド部の位置と、の関係を確認可能な側枝開口位置確認手段を備え、前記側枝開口位置確認手段は、前記開口部の位置を確認可能にするために、前記切削具の前記開口部に対応した周方向の位置、または、前記切削具に固着した保持部材の前記開口部に対応した周方向の位置に設けられて目印の機能を有する被検出部材と、前記ハンドピースヘッド部に設けられて前記被検出部材を検出する検出部材と、を備え、前記被検出部材は、前記切削具を前記チャックに装着した場合に、前記チャックから露出して目視で視認可能な位置に設けられ、前記根管内の前記側枝の位置に配置した前記切削具を駆動体によって低速回転させて、前記切削具と電極端子との間に流れる測定電流が一番大きくなったときの前記被検出部材の方向を、前記側枝の方向として確認することができることを特徴とする。
本発明は、さらに高い精度で側枝を検出することができる側枝検出可能な根管拡大装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る側枝検出可能な根管拡大装置用の切削具及び根管拡大装置の一例を示す説明図である。 (a)は切削具の取り付け状態を示す根管拡大装置のハンドピースヘッド部の要部拡大側面図、(b)は(a)のA-A拡大断面図、(c)は(a)のB-B拡大断面図、(d)は(c)のC-C拡大断面図である。 側枝が無く根尖孔が有る被検査歯の各測定周波数別の測定データを示す折れ線グラフある。 側枝が有り根尖孔が有る被検査歯の各測定周波数別の測定データを示す折れ線グラフである。 側枝が有り根尖孔が無い被検査歯の各測定周波数別の測定データを示す折れ線グラフである。 測定用信号2KHzと500Hzを使用して得た測定信号の比の推移の波形を示す折れ線グラフである。 測定用信号2KHzと500Hzを使用して得た測定信号の差の推移の波形を示す折れ線グラフである。
まず、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る側枝検出可能な根管拡大装置を説明する。
なお、本実施形態では、図1に示す根管拡大装置1において、ハンドピース2のハンドピースヘッド部22側を前方向、接続部23側を後方向、被検査歯a側を下方向として説明する。
≪根管拡大装置≫
図1に示すように、根管拡大装置1は、歯牙(被検査歯a)の根管bから歯根膜腔hに延びた側枝eを検出する側枝検出用の切削具3を装着して根管bを拡大させる切削装置である。また、根管拡大装置1は、側枝方向検出用の開口部32a(図2(a)参照)に流れる電流値のピークを検出したときの開口部32aの位置から、歯根膜腔hに延びた側枝eの根管軸径方向の位置を検出可能である。根管拡大装置1は、電源7と、制御装置8と、ハンドピース2と、ハンドピース2に取り付けられた切削具3と、電極端子5と、接続具6と、側枝検出機能付き根管長測定器4(以下適宜「根管長測定器4」という)と、を主に備えて構成されている。
<電源>
電源7は、1つまたは複数の異なる周波数の測定用信号Pnを出力する。その一例を挙げると、電源7は、500Hzと、2KHzとの2つの周波数の測定用信号Pnを出力する。
<制御装置>
制御装置8は、側枝方向検出用の開口部32aに流れる電流値を検出して駆動体25(電動モータ)の回転数の制御が可能な装置である。制御装置8は、500Hzまたは2KHzの周波数を選択または切り換えて順次、測定電極用の切削具3に送る測定用信号を、安全な電圧に変換する。制御装置8は、被検査歯aの歯肉dに配置した電極端子5から得られる測定データ(測定電流)を測定電流に変換し増幅する増幅部と、測定電流を直流電圧に変換する変換部と、根管長測定器4の各要素を制御する制御部と、記憶部と、データ処理部と、報知手段駆動部等を備えて成る。
≪ハンドピース≫
図1に示すように、ハンドピース2は、歯科の治療に用いられる歯科用医療機器である。ハンドピース2は、グリップ部21と、ハンドピースヘッド部22と、接続部23と、チャック24と、駆動体25と、検出部材27を有する側枝開口位置確認手段26と、着脱操作部28と、を備えて構成されている。ハンドピース2は、接続部23を制御装置8に接続して、所望の切削具3をハンドピースヘッド部22に取り付けて使用される。
グリップ部21は、ハンドピース本体を形成する部材である。グリップ部21は、パイプまたは芯材を内設して合成樹脂材料等の絶縁性材料で成形したもの、また、金属材料等の導電性材料によって形成したものであってもよい。但し、導電性材料を用いて形成した場合には、絶縁皮膜等を施すことが重要である。これにより、口腔内等の組織に触れても、根管長測定、側枝eの検出等を支障無く行うことができるようになる。
ハンドピースヘッド部22は、グリップ部21の前端部に設けられて、切削具3が着脱可能に取り付けられる略円筒状の部位である。ハンドピースヘッド部22及び接続部23は、ステンレス鋼等の金属によって形成されている。ハンドピースヘッド部22には、下部側に形成された切削具3が着脱されるチャック24の開口穴(図示省略)と、切削具3を回転駆動させる駆動体25と、が設けられている。
接続部23は、グリップ部21の後端に設けられて、制御装置8、歯科用ユニット(図示省略)に接続されたリード線92等が接続する部位であり、その形状、構造等は、特に限定されない。
図2(a)に示すように、チャック24は、切削具3の上端部に設けられた保持部材33を着脱可能に取り付ける締付部である。チャック24は、ハンドピースヘッド部22の上端部に設けられた着脱操作部28を押圧操作することで、チャック24に保持部材33を固定させたり、離脱させたりすることができるように構成させている。
着脱操作部28は、押圧操作することで、チャック24の内径を拡径または縮径させて、保持部材33の着脱を可能にする操作するための押釦式スイッチから成る。
駆動体25は、切削具3を回転駆動させて被検査歯aを切削するモータ、または、切削具3を超音波振動させて被検査歯aを切削する超音波振動子から成る。以下、駆動体25は、モータである場合を例に挙げて説明する。
この場合、駆動体25は、切削具3を低速回転させたり、高速回転させることが可能な電動モータから成る。
なお、本説明では駆動体25はハンドピースヘッド部22に設けた説明をするがこれに限定されるものでなく、駆動体25はグリップ部21に設けてギア等の駆動連結機構を使ってハンドピースヘッド部22内部の切削具3を駆動してもよい。
<側枝開口位置確認手段>
側枝開口位置確認手段26は、側枝方向検出用の開口部32aの位置を自動で認識可能な手段である。側枝開口位置確認手段26は、切削具3の絶縁膜32に設けられた開口部32aの切削具3の軸径方向の位置と、切削具3を装着するチャック24を有する駆動体25を保持するハンドピースヘッド部22の位置と、の位置関係が確認可能な検出装置である。側枝開口位置確認手段26は、開口部32aの位置を確認可能にするために、切削具3、または、切削具3に固着された保持部材33に設けられた被検出部材34と、ハンドピースヘッド部22に設けられて被検出部材34を検出する検出部材27と、を備えて構成されている。
図2(a)に示すように、検出部材27は、被検出部材34を検出するものである。例えば、検出部材27は、被検出部材34が磁石の場合、磁石の磁気を検出可能なホール素子である。検出部材27は、被検出部材34が発光素子の場合、発光ダイオード等の発光素子からの光を受光してその光を検出するフォトダイオード等の受光素子である。また、検出部材27は、被検出部材34が発光素子の場合、光センサや光反射センサ等の光検出部でもよい。また、検出部材27は、被検出部材34がマーカの場合、マーカの有無を検出するカメラである。また、検出部材27は、被検出部材34が色を付けたマーカの場合、マーカの色を検出する色検出子であってもよい。
<被検出部材>
前記した被検出部材34は、切削具3に設けた開口部32aに対応した周方向の位置、または、切削具3に固着した保持部材33の開口部32aに対応した周方向の位置に設けられた目印となる磁石、電子素子、マーカ等である。
≪切削具≫
図1に示すように、切削具3は、歯牙(被検査歯a)の根管bを拡大させる根管拡大装置1に取り付けられて根管切削用工具として使用させると共に、側枝検出時及び根管長計測時に測定電極として使用される部材である。切削具3は、リーマあるいはファイルといわれているドリル形状に形成された部材から成る。
図2(a)~(d)に示すように、切削具3は、導電性金属31と、絶縁膜32と、側枝方向検出用の開口部32aと、保持部材33と、被検出部材34(マーカ)と、ストッパー35と、を備えている。切削具3は、切削具3を回転駆動させて根管bを拡大させる際に、駆動体25に取り付けられて高速回転され、根管b及び側枝eを掲出する際に、低側回転で駆動される。
<導電性金属>
導電性金属31は、切削具本体を形成する金属である。導電性金属31は、ステンレス鋼、超硬鋼、ニッケル・チタン合金(NiTi)等から成る。なお、導電性金属31は、導電性の金属から成るものであればよく、特に限定されない。
<絶縁膜>
絶縁膜32は、少なくとも根管b内に挿入される部分の導電性金属31の表面を覆う絶縁性の絶縁材料の薄膜から成る。絶縁膜32は、根管bを拡大可能な切削硬度を有した絶縁材料によって形成されている。絶縁膜32の一部には、側枝方向検出用の開口部32aが設けられている。その絶縁材料は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、セラミックコーティング等から成る。絶縁材料は、具体例を挙げると、窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(TiCN)、窒化チタンアルミ(TiAIN)、窒化クロム(CrN)等の硬質皮膜のPVDコーティング(physical Vapor Deposition:物理的蒸着法)や、チタンコーティングが好ましい。なお、絶縁材料としては、窒化チタン(TiN)が最も適している。
<開口部>
開口部32aは、導電性金属31の一部を露出させて電気を通すための導電性部位である。開口部32aは、切削具3の先端部寄りの位置に、絶縁膜32を剥離した状態に設けられている。開口部32aは、絶縁膜32を剥離して形成された穴から成る。導電性金属31は、その開口部32aを介して、絶縁膜32の外部環境と電気的に連結可能である。絶縁膜32に設けた開口部32aは、小さい開口とすることにより、側枝eの開口方向を感度よく検出できるが、開口部32aを側枝位置に正確に合わせることが求められる。開口部32aを大きな開口とすれば、検出感度が低下するが、切削具3を側枝位置に合わせる精度を下げることができる。開口部32aの大きさは、例えば、直径0.5mm~1mmの円、あるいは、一辺が0.5mm~1mmの非円形とすることができる。
<保持部材>
保持部材33は、切削具3をチャック24に挿入して固定するための部位である。保持部材33は、切削具3の上端部に固定された柱形状の部材から成る。保持部材33は、円柱形状の外周部に被検出部材34が設けられている。被検出部材34は、保持部材33を上部から見て、開口部32aと同じ軸方向に配置される。
<ストッパー>
ストッパー35は、根管b内に挿入する切削具3の挿入量を規制するための部材である。ストッパー35は、切削具3に上端部寄りの位置に移動可能に固定されている。なお、ストッパー35は、必要に応じて適宜設ければよく、無くても構わない。
<電極端子及び接続具>
電極端子5は、歯肉dに掛けるようにして取り付けられる電気接続用端子である。電極端子5は、「対向電極クリップホルダ」ともいわれている。電極端子5は、歯肉dに掛ける使い方に限定されず、被検者が握りやすい形状にして被検者に握ってもらって使用してもよい。従って、電極端子5の接触位置は、口腔内表面の歯肉dに限定されず、被検者の身体の一部であればよい。電極端子5の接触位置を口腔以外にした場合は、口腔領域の治療スペースを広く確保することが可能となる。
接続具6は、電極端子5に電気的に接続される電気接続具である。接続具6は、リード線91を介して根管長測定器4内の基板(図示省略)に接続されている。
≪側枝検出機能付き根管長測定器≫
図1に示す側枝検出機能付き根管長測定器4は、歯牙(被検査歯a)の根管bを治療する際に、根管治療に先立って行われる根管長の測定と、側枝eの有無の検出と、側枝eの有る位置を示す表示と、を行う測定表示装置である。根管長測定器4は、側枝方向検出用の開口部32a(図2(a)参照)の位置を報知する報知手段40としても機能する。根管長測定器4(報知手段40)は、被検査歯aの根管b内に挿入した測定電極としての切削具3の先端位置を検出して、表示部41に表示するように構成されている。また、根管長測定器4は、切削具3の開口部32aが、側枝eの付近になると報知手段40のアイコンによって報知するように構成されている。
根管長測定器4は、電子部品等を搭載した基板(図示省略)と、基板に設けられたスイッチ部(図示省略)と、リード線91,92と、を備えている。リード線91は、一端が基板に接続され、他端が接続具6を介して電極端子5に接続されている。リード線92は、一端が基板に接続され、他端が制御装置8を介してハンドピース2に接続されている。
<表示部>
表示部41は、根管長測定器4の測定結果等の所定の情報を表示するモニタである。表示部41は、例えば、液晶パネルから成る。術者は、表示部41の表示を観察することにより、切削具3の先端の開口部32a(図2(d)参照)が根尖位置に近づいて行く状況を正確に把握することができる。例えば、術者は、側枝eを有する被検査歯aを検査することにより、表示部41の側枝あり表示部46の「LC(Lateral Canal)」表示により、被検査歯表示部42に側枝eが存在すること、及び、側枝距離表示部48の距離表示により、側枝eの位置を確認することができる。表示部41は、制御装置8の指示に従い、直流電圧Vdcに基づいた測定結果を表示し、及び/または警告音を発する。
電源7がON時の表示部41には、例えば、報知表示部41aと、電源マーク41bと、被検査歯表示部42と、根管表示部43と、距離表示目盛部44と、横じま表示部45と、側枝あり表示部46(LC)と、側枝の高さ表示部47と、側枝距離表示部48と、側枝角度表示部49と、が表示される。
報知表示部41aは、報知手段40を示すアイコンである。
電源マーク41bは、電源7の作動状態を示すアイコンである。
被検査歯表示部42は、検査する被検査歯aを概略的に描いたアイコンである。被検査歯表示部42には、根尖位置からの距離を表示するための距離表示目盛部44を表すスケールが描かれている。
根管表示部43は、一般的な根管bの形状を模式的に表示したアイコンである。根管bの部分には、横じま表示部45が描かれている。切削具3(測定電極)を根尖iの位置に向かって挿入して行くのに従って、横じま表示部45の最下部45aが下降して、切削具3の先端位置を表示する。図1に示す表示部41は、一例として、切削具3の先端が根尖位置の3mm手前に位置している場合を表示している。このように、根管長測定器4は、切削具3が根管b内に挿入されて行くときの切削具3の先端の位置を測定する機構を備えている。
根尖iの位置からの距離を示すための距離表示目盛部44は、計測した根尖iの位置からの距離をミリ(mm)単位で表すための目盛である。
横じま表示部45は、計測した根管bの計測した根尖iの位置からの距離を、所定間隔で表示するアイコンである。
側枝あり表示部46は、側枝eが有ることを示すアイコンである。側枝あり表示部46は、例えば、「LC」の文字によって側枝eがあったことを表示する。
側枝の高さ表示部47は、側枝eの上下方向の長さを概略的に示すアイコンである。側枝の高さ表示部47は、表示部41の右側の丸印(図1では6個)によって側枝eの高さを表示する。側枝の高さ表示部47は、根尖3mm手前に側枝eがあった場合、丸印(図1では6個)によって側枝eの位置を表示することができる。
側枝距離表示部48は、根尖iから側枝eまでの距離をデジタル表示するアイコンである。側枝距離表示部48の距離表示は、仮に根尖iの3mm手前に側枝eがあった場合、例えば、300と表示する。
側枝の高さ表示部47、及び、側枝距離表示部48による距離表示は、表示中央部の数値(3.0)と対応する。よって、切削具3は、根管b内に挿入して行き、横じま表示部45が数値3.0を指す位置まで切削具3を挿入することによって、切削具3の先端を側枝位置に配置することができる。
このため、術者は、側枝eの位置に配置した切削具3を駆動体25によって低速回転させて、切削具3と電極端子5との間に流れる測定電流Inが一番大きくなったときの被検出部材34の方向を、側枝eの方向として確認することができる。
側枝角度表示部49は、根管bから歯根膜腔hに向かって延びている側枝eの角度(検出された側枝eの開口方向)を表示するアイコンである。側枝角度表示部49は、分解能を、例えば、10度とすることができる。側枝角度表示部49は、表示部41の上部の円を形作っている10個のバーにより大凡の角度を表示する。
このように、根管長測定器4の切削具3の位置を測定する機構は、側枝eの有無だけでは無く、側枝eの位置までも測定し、表示することができるように構成されている。
前記した制御装置8のデータ処理部(図示省略)は、直流電圧Vdcに対して表示部41に送信する表示用データを作成する。
電源7から測定電極である切削具3に、例えば、500Hzまたは2KHzの各周波数の測定用信号Pnを印加すると、切削具3と電極端子5との間から各周波数毎の2種類の測定データ(In500HzとIn2KHz)が測定される。この2種類の測定データ(In500Hz,In2KHz)は、切削具3を根管b内で根尖孔cに向かって挿入して行く過程で、順次測定される。
切削具3(測定電極)を根管bの開口端から根尖iに向けて挿入して行く際に得られる測定データInの推移の波形は、被検査歯aに側枝eが有る場合と無い場合とでは、特有の変化を示すことを確認した。すなわち、測定データ(In,Vn,Vdc)は、側枝eの有無を示す表示用データとして根管長測定器4の表示部41に送られ、表示することができる。
図3及び図4のグラフの横軸は、切削具3の先端の位置を示す。この距離は、切削具3の先端と根尖iの位置までの距離である。縦軸は、500Hz及び2KHz等の周波数における測定データ(直流電圧Vdc500HzとVdc2KHz)の値を示している。
図3、図4及び図5には、切削具3を根尖iに向けて移動させて行き、切削具3に500Hz、1KHz、2KHz、4KHz、8KHzの各周波数の測定用信号を印加した際の、測定データの推移(推移の波形)が示されている。
図3は、被検査歯aに側枝eが無く、根尖孔cが有る場合の、各周波数の測定データの推移の波形を示している。同じく、図4は、被検査歯aに側枝eが根尖iから3mm付近の位置にあり、根尖孔cが有る場合の測定周波数別の各測定データの推移の波形を示している。
図5は、被検査歯aに側枝eがあり、根尖孔cが無い場合の、各周波数の測定データの推移の波形を示している。なお、被検査歯aに側枝eが無く、根尖孔cも無い場合、測定電極である切削具3と電極端子5との間に電流が流れに難いため、測定データが得難い。
図4において、各測定周波数の測定データ(直流電圧Vdc)は、側枝eの位置(3mm)付近において、周波数の程度の差が有るものの、直線的な増加推移の波形から、比較的フラットな推移の波形に変化することが確認される。被検査歯aに側枝eが無い図3の測定データでは、このような変化は見られない。
図5は、側枝eが有るが、根尖孔cが無い被検査歯aの測定データである。この測定データ(直流電圧Vdc)は、側枝eの位置(3mm)付近において、増加から略フラットな推移の波形に変化している。このように側枝eが有る場合は、直流電圧Vdcが上がらず、一定になる。
これらの図に示された測定データの変化の理由は、図1において、切削具3を根尖iに向けて根管b内に挿入して行くときに、切削具3と電極端子5との間に流れる測定電流Inは、側枝eが有る位置までは、切削具3から、根尖iと側枝eを経由して流れる。すなわち、切削具3の開口部32aと側枝eとの間の距離に応じた電流が流れる。しかし、切削具3の開口部32aが、側枝eの位置を過ぎると、切削具3の本体表面と側枝eまでの距離は、一定となり、側枝eを経由する電流は、同距離に応じた略一定の値となる。
根管長測定器4は、各測定周波数に対応する複数の測定データIn500HzとIn2KHzに所定の処理を施して側枝eの有無を示す表示用データを生成してもよい。
前記と同様に、根管長測定器4は、測定電極としての切削具3を被検査歯aの根管b内に挿入し、根尖孔cに向けて移動させる。この際、電源7から複数の周波数(例えば、500Hzと2kHz)の測定用信号Pn500HzとPn2kHzを切替えて切削具3に順次印加する。この結果、切削具3の先端が下降して行く過程で、500Hzと2kHzの測定用信号Pn500HzとPn2kHzに対応する測定データIn500HzとIn2kHzが電極端子5から順次出力される。これらIn500HzとIn2kHzのデータの推移(推移の波形)は、図6及び図7に示されている。制御装置8のデータ処理部(図示省略)は、各測定用信号Pn500HzとPn2kHzに対応した測定データIn2kHz及びIn500Hzに基づいて変換した直流電圧Vdc2kHzとVdc500Hzとの相対値を求める。この相対値としては、両測定信号の差「Vdc2kHz-Vdc500Hz」や、比「Vdc2kHz/Vdc500Hz」等を採用することができる。相対値としては、測定データVdc2kHzとVdc500Hzを比較して、その変化点が明確なる値であればよく、いずれの演算値も採用することができる。
図6の横軸は、切削具3の先端から根尖位置までの距離を示し、縦軸は、Vdc2kHzとVdc500Hz比の相対値を示している。図7には、同じくVdc2kHzとVdc500Hzの「差」が示されている。これらの測定データは、図3~図5に示したデータの内、500Hzと2kHzの各測定用信号Pn500HzとPn2KHzに対応した測定データIn2kHzとIn500Hz、あるいは、これらを直流電圧値に変換したVdc2kHzとVdc500Hzを使用している。図6及び図7の推移の波形は、相対値をオシロスコープのようなデータの軌跡を表示する表示手段を使用して得ることができる。
図6に示された、根尖iまでの距離3mmの位置に側枝eを有する被検査歯aの比データ(…◇…及び…△…)は、横軸3mm付近の位置で凸状を示している。しかし、側枝eの無い被検査歯aの比データ(…x…)は、単調な増加カーブを示している。
従って、被検査歯aの比データの推移の波形を観察し、この凸状の推移の波形を検出することによって、側枝eを検出することができる。この検出により、図3~図5に示されたいずれか1種類の周波数の測定用信号Pnに対する測定電流Inの推移の波形に比して、側枝eの存在をより明確に確認すことができる。
図7に示された差のデータは、根尖孔cでの距離3mmの位置に側枝eを有する被検査歯aの比データ(…◇…及び…△…)は、横軸3mm付近の位置で凸状を示している。しかし、側枝eの無い被検査歯aの比データ(…x…)は単調な増加カーブを示している。
従って、被検査歯aの差のデータの推移の波形を観察し、この凸状の推移の波形を検出することによって、側枝eを検出することができる。この検出により、図3~図5に示されたいずれか1種類の周波数の測定用信号Pnに対する測定電流Inの推移の波形に比して、側枝eの存在をより明確に確認することができる。
ここで、複数の周波数(例えば、500Hzと2kHz)の各測定用信号Pnに対応した測定電流In500HzとIn2kHzの相対値として、「差」あるいは「比」を採用できることを説明したが、相対値はこれらに限らない。要するに、側枝eが存在することによる、測定電流Inの変化をより明確に検出できる相対値であればよく、いずれの値でもよい。
≪作用≫
次に、図1~図7を参照して本実施形態に係る側枝検出可能な根管拡大装置1の作用を説明する。
根管拡大装置1で側枝eの有無等を検出する場合は、まず、図1に示すように、被検者の口腔粘膜(口唇)等に電極端子5を引っ掛けるようにして取り付ける。或いは、被検者の身体の一部に電極端子5を接触させる。その電極端子5には、根管長測定器4にリード線91を介して接続されている接続具6を取り付ける。なお、接続具6と電極端子5は、分離せず一体にしてもよい。
次に、電源スイッチ(図示省略)、及び、根管長測定器4のスイッチ(図示省略)を操作して、電源7及び根管長測定器4をONさせる。これにより、電源7がONして、リード線92,91及び接続具6を介して電極端子5に電気が供給されると共に、ハンドピース2の駆動体25を回転駆動可能な状態になる。また、根管b内に挿入した切削具3の挿入深さから根管長の測定や、開口部32a(図2(a)参照)の挿入位置による側枝eの検出が可能な状態となる。
切削具3(側枝方向検出用電極)は、図1に示すような被検査歯aに固定するためのストッパー35を、切削具3に備えている場合に、側枝位置検出用電極用の切削具3の先端からストッパー35までの距離を測定し、側枝位置を検出する。そして、検出された側枝位置に基づいて切削具3のストッパー35の位置を設定した後、切削具3を根管b内に挿入してストッパー35が被検査歯aの上部に接触する位置に切削具3を配置する。この手順により切削具3の先端を側枝位置に配置することができる。これにより、根管拡大装置1は、より高い精度で側枝eの開口方向を検出することができる。ここで、被検査歯aの上部とは、被検査歯aの測定基準点gである。
そして、切削具3を、被検査歯aの根管b内に挿入する。切削具3を、被検査歯aの根管b内に挿入して行くと、表示部41の横じま表示部45の最下部45aも、根尖位置に向かって下降して行くが、側枝eが有る位置で最下部45aは、上昇に反転する。根管拡大装置1は、この反転を確認して側枝eが有ることを検出することができる。さらに、この反転する位置を、側枝eが存在する位置として検出することができる。
図1または図2に示す切削具3の側枝方向検出用の開口部32aを、前記の手順で側枝位置に配置する。この位置で、電源7が、切削具3及び電極端子5の内の1つに、複数種類の測定用信号Pnを順次切替えて印加し、切削具3を根管b内で、駆動体25によって低速回転させる。不図示の検出部は、検出された側枝位置で切削具3を長軸回転方向に回転させて行く過程で、開口部32aと電極端子5との間で各測定用信号Pnに対応する各測定された電流を順次検出する。この位置で、切削具3を回転させると、絶縁膜32の開口部32aが、側枝eの開口と一致したときに、切削具3と電極端子5との間に流れる測定電流Inは大きくなる。
一方、切削具3を低速回転させ、絶縁膜32の開口部32aが、側枝eの開口から外れた状態では、切削具3と電極端子5との間に流れる測定電流Inは小さくなる。この理由は、測定電流Inが、根尖孔cと側枝eを介して流れることから、切削具3の開口部32aが側枝eの開口から外れると、開口部32aと側枝eの開口との間の距離が長くなり、側枝eを介して流れる電流が減少するからである。
このように、根管長測定器4の側枝方向検出機構(図示省略)は、検出された側枝位置で切削具3が回転されるに従って変化する各測定用信号に対応する各測定された電流の値が最大になった際の切削具3の開口部32aの方向を、側枝eの開口方向として検出することができる。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る側枝検出可能な根管拡大装置用の切削具3は、被検査歯a(歯牙)の根管bを拡大させる根管拡大装置1用の切削具3であって、切削具3は、この切削具3を形成する導電性金属31と、導電性金属31を覆う絶縁膜32と、を備え、絶縁膜32の一部に側枝方向検出用の開口部32aを設けている。
これにより、根管拡大装置用の切削具3は、切削具3を形成する導電性金属31を覆う絶縁膜32の一部に側枝方向検出用の開口部32aが有ることで、根管bの側枝eを検出する検出子としても、兼用することができる。このように、側枝eを検出する検出子を、根管拡大装置1用の切削具3としたことによって、切削具3は、根管拡大装置1のモータ等の駆動体25で所望の回転速度で適宜に回転駆動させることができる。このため、本発明の根管拡大装置用の切削具3は、従来の手用切削具よりも、さらに高い精度で側枝eを検出することができる。
また、絶縁膜32は、根管bを拡大可能な切削硬度を有した絶縁材料(絶縁性の薄膜)によって形成されている。
これにより、絶縁膜32は、切削具3の外周を、根管bを切削して拡大させる切削硬度を有した外周面にすることができる。また、絶縁膜32は、導電性金属31から成る切削具3の開口部32a以外の外周を絶縁状態にコーティングすることができる。
また、絶縁材料は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)である。
これにより、絶縁膜32は、硬質で非導電性のダイヤモンドライクカーボン(人工ダイヤモンド)で切削具3の外周を薄膜状に覆って、切削具3の開口部32a以外の外周を硬質な絶縁性のものにすることができる。
また、絶縁材料は、セラミックコーティングから成る材料である。
これにより、切削具3を覆う絶縁膜32は、絶縁材料から成る例えば窒化チタン(TiN)でセラミックコーティング(チタンコーティング)することができる。
また、切削具3は、この切削具3に設けた開口部32aに対応した周方向の位置、または、切削具3に固着した保持部材33の開口部32aに対応した周方向の位置に、マーカ(被検出部材34)を設けている。
これにより、術者は、マーカを目視することによって、切削具3の開口部32aの根管軸径方向の位置を目視で視認することができる。
また、本発明の実施形態に係る根管拡大装置1は、被検者の身体の一部に電極端子5を配置し、被検査歯a(歯牙)の根管bから歯根膜腔hに延びた側枝eを検出する側枝検出用の切削具3を装着して根管bを拡大させる根管拡大装置1であって、切削具3は、この切削具3を形成する導電性金属31と、導電性金属31を覆う絶縁膜32と、を備え、絶縁膜32の一部に側枝方向検出用の開口部32aを設け、切削具3に設けられた開口部32aの切削具3の軸径方向の位置と、切削具3を装着するチャック24を有する駆動体25を保持するハンドピースヘッド部22の位置と、の関係を確認可能な側枝開口位置確認手段26を備えている。ここで、「切削具3の軸径方向」とは、切削具3の中心軸からの半径方向をいう。
これにより、根管拡大装置1は、術者が側枝開口位置確認手段26を目視することで、開口部32aの切削具3の軸径方向の位置と、チャック24を有する駆動体25を保持するハンドピースヘッド部22の位置と、の位置関係を確認することができる。また、根管拡大装置1は、側枝開口位置確認手段26によって切削具3の開口部32aが、切削具3の外周面の360度のどの方向に有るかを表示させることができる。
また、側枝開口位置確認手段26は、開口部32aの位置を確認可能にするために、切削具3、または、切削具3に固着した保持部材33に被検出部材34と、ハンドピースヘッド部22に設けられて被検出部材34を検出する検出部材27と、を備えて、側枝方向検出用の開口部32aの位置を自動で認識可能な手段である。
これにより、側枝開口位置確認手段26は、被検出部材34と、検出部材27と、を備えていることによって、被検出部材34の位置を検出部材27で検出することができる。このため、側枝方向検出用の開口部32aがある開口方向の位置を自動で認識することができる。
また、側枝方向検出用の開口部32aの位置(側枝eの根管軸径方向の位置)を報知する報知手段40を備えている。ここで、「根管軸径方向」とは、根管bの中心軸からの半径方向をいう。
これにより、根管拡大装置1は、切削具3を根管bに挿入して側枝eの検出したときに、側枝方向検出用の開口部32aの位置(側枝eの根管軸径方向の位置)を、報知手段40による表示、音、音声等で術者に知らせることができる。
また、側枝方向検出用の開口部32aに流れる電流値を検出してモータ(駆動体25)の回転数の制御を可能にしている。
これにより、根管拡大装置1は、制御装置8が側枝方向検出用の開口部32aに流れる電流値を検出してモータの回転数を減速させることで、側枝eの根管軸径方向の位置を検出し易くすることが可能である。
また、切削具3は、この切削具3を超音波振動させて根管bを拡大させる超音波振動子(駆動体25)、または、切削具3を回転駆動させて根管bを拡大させるモータ(駆動体25)に取り付けて駆動される。
これにより、根管拡大装置1は、切削具3を、超音波振動子で振動させて根管bを切削して拡大させたり、または、モータを回転駆動させて根管bを切削して拡大させたりすることができる。
また、側枝方向検出用の開口部32aに流れる電流値のピークを検出したときの開口部32aの位置から、歯根膜腔hに延びた側枝eの根管軸径方向の位置を検出可能にしている。
これにより、根管拡大装置1は、切削具3を駆動させる駆動体25を使用していることで、側枝eの根管軸径方向の位置の検出と、根管bを切削して拡大させる拡大作業と、の両方を行うことができる。
以上のように、本発明の側枝検出可能な根管拡大装置用の切削具3及び根管拡大装置1は、図1に示す側枝検出用の切削具3を根尖iまで挿入するだけで、開口部32aの位置に対応した複数の側枝eの状況を検出できる。これにより、切削具3及び根管拡大装置1は、ハンドピース2に設けられたモータ等の駆動体25で回転駆動される根管拡大用の切削具3を根管bに挿入して側枝eの状況を検出するための側枝検出用の測定端子として使用することができる。このため、本発明は、リーマまたはファイルから成る手動式切削具を測定電極として使用している従来のものと比較して、さらに高い精度で側枝eを検出することができる。
また、側枝検出時及び根管長計測時に測定電極として使用される切削具3は、被検査歯aの根管bを切削して拡大させる根管拡大装置1に取り付けられる根管切削用工具として使用することができる。このため、切削具3は、感染象牙質の除去、根管内容物の除去、薬剤浸透性の向上、排膿路の形成のために使用することができる。
また、切削具3は、モータ、超音波振動子等から成る駆動体25で駆動されるため、手動式のリーマまたはファイルと比較して、薬剤の到達性の向上、根管形態の改善、及び、細菌の栄養源の除去する機能の点で、手動式よりも優れている。
[変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものでは無く、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
≪側枝方向の確認の自動化≫
例えば、側枝eの方向を確認する手順は、手動的に行うことに限定されるものでは無く、自動化することも可能である。この自動化は、例えば、測定電極である切削具3の保持部材33内に、切削具3を回転させる不図示の回転機構、測定電流の検出機構、及び、測定電流が最も大きな値を示す回転角を検出する検出機構を設けることにより、実現可能である。
切削具3を自動的に挿入する自動挿入装置を採用した場合の、根管b内での切削具3の先端の位置を測定する機構としては、その自動挿入装置に切削具3を自動挿入した距離を検出する仕組みを組み込むことができる。
≪ストッパーの変形例≫
図1に示すストッパー35は、切削具3を被検査歯aに固定できる大きさであればよく、被検査歯aよりも小さくてよい。また、切削具3のストッパー35の位置を設定するために、切削具3には、目盛を付けてもよいし、目盛の代わりに切削具3を色分けしてもよい。
また、制御装置8のデータ処理部(図示省略)は、ストッパー35を自動的に動かし、検出された側枝位置に基づいて切削具3のストッパー35の位置を設定する設定機構を備えることも可能である。データ処理部(図示省略)は、さらに、側枝方向検出用の切削具3を自動的に動かし、切削具3を根管b内に挿入してストッパー35が被検査歯aの上部に接触する位置に切削具3を配置する配置機構を備えることも可能である。
≪切削具の変形例≫
また、切削具3の一例として、図2に示すように、開口部32aを導電性金属31の先端部分の一箇所のみに形成した場合を説明したが、開口部32aは、開口部32aを介して絶縁膜32の外部環境と電気的に連結可能なものであればよく、複数設けてもよい。例えば、開口部32aは、切削具3の軸方向に沿って複数設けてもよい。
また、開口部32aの形状は、感度よく検出できれば円形に限定されず、非円形でもよい。切削具3は、複数の測定された電流の波形を得るために先端が絶縁されている必要があるが、例えば、先端から1mm~5mm(2mmがより好ましい)を絶縁コーティングし、その絶縁コーティングの上2mm~5mm(3mmがより好ましい)を開口にすることができる。また、3mmよりも上まで開口にしてもよい。また、切削具3は、絶縁膜32でコーティングした後、一部を切り取って開口部32aを形成したものを使用することもできる。また、絶縁膜32は、導電性金属31の表面を酸化させて酸化膜にすることで形成してもよい。
また、開口部32aは、形状を横幅を狭くし、上下に長い長方形とすることによって、側枝eの開口方向の検出感度を下げずに、開口部32aを側枝位置に合わせ易くすることができる。また、開口部32aは、外部表面を平坦にし、凹凸が無い面とすることによって、切削具3を根管b内に挿入し回転させる際に、開口部32aが根管bの内壁に引掛り難くすることができる。
≪側枝検出機能付き根管長測定器の変形例≫
図1に示す根管長測定器4の表示部41は、オシロスコープのように表示して、測定データの変化する推移の波形を表示させてもよい。その場合、制御装置8のデータ処理部が出力する測定データ(直流電圧Vdc)の推移の波形を、その縦軸方向の変化(高低変化)を拡大して表示するように処理する。この拡大表示により、特に、図6に示された側枝eがありの場合も、根尖孔cが無い被検査歯aの場合でも、術者は、表示部41に示される測定値の推移の波形から、側枝eの存在をより明確に把握することができる。このような拡大表示のための処理は、表示部41でも実施することができる。
根管長測定器4は、測定データの変化を自動的に監視し、側枝eが有ることを自動的に検出して報知手段40によって報知する。この報知手段40は、側枝eを検出したことを音、振動または表示部41での文字表示、色彩表示等によって術者に報知してもよい。
測定値の推移の波形の変化を自動的に監視する機構としては、測定中の測定データの推移の波形を監視し、その推移の波形の増加割合が減少したこと、または、略フラットになったことを検知した場合、表示部41にその旨を表示する機構としてもよい。
≪駆動体の変形例≫
切削具3を回転駆動させて被検査歯aを切削するモータから成る駆動体25は、一般的な電動モータに限定されるものでは無く、振動モータでもよい。また、切削具3を超音波振動させて被検査歯aを切削する超音波振動子も同様に、振動モータでもよい。
1 根管拡大装置
3 切削具
4 側枝検出機能付き根管長測定器(根管長測定器)
5 電極端子
22 ハンドピースヘッド部
25 駆動体(モータ、超音波振動子)
26 側枝開口位置確認手段(検出部材)
31 導電性金属
32 絶縁膜
32a 開口部
33 保持部材
34 被検出部材(マーカ)
40 報知手段
a 歯牙(被検査歯)
b 根管
c 根尖孔
e 側枝
h 歯根膜腔
i 根尖

Claims (5)

  1. 被検者の身体の一部に電極端子を配置し、
    歯牙の根管から歯根膜腔に延びた側枝を検出する側枝検出用の切削具を装着して前記根管を拡大させる根管拡大装置であって、
    前記切削具は、当該切削具を形成する導電性金属と、
    当該導電性金属を覆う絶縁膜と、を備え、
    前記絶縁膜の一部に側枝方向検出用の開口部を設け、
    前記切削具に設けられた前記開口部の前記切削具の軸径方向の位置と、前記切削具を装着するチャックを有する駆動体を保持するハンドピースヘッド部の位置と、の関係を確認可能な側枝開口位置確認手段を備え、
    前記側枝開口位置確認手段は、前記開口部の位置を確認可能にするために、
    前記切削具の前記開口部に対応した周方向の位置、または、前記切削具に固着した保持部材の前記開口部に対応した周方向の位置に設けられて目印の機能を有する被検出部材と、
    前記ハンドピースヘッド部に設けられて前記被検出部材を検出する検出部材と、を備え、
    前記被検出部材は、前記切削具を前記チャックに装着した場合に、前記チャックから露出して目視で視認可能な位置に設けられ
    前記根管内の前記側枝の位置に配置した前記切削具を駆動体によって低速回転させて、前記切削具と電極端子との間に流れる測定電流が一番大きくなったときの前記被検出部材の方向を、前記側枝の方向として確認することができること
    を特徴とする根管拡大装置。
  2. 側枝方向検出用の前記開口部の位置を報知する報知手段を備えていること
    を特徴とする請求項に記載の根管拡大装置。
  3. 側枝方向検出用の前記開口部に流れる電流値を検出してモータの回転数の制御を可能にしたこと
    を特徴とする請求項1または請求項に記載の根管拡大装置。
  4. 前記切削具は、当該切削具を超音波振動させて前記根管を拡大させる超音波振動子、または、当該切削具を回転駆動させて前記根管を拡大させるモータに取り付けて駆動されること
    を特徴とする請求項1または請求項に記載の根管拡大装置。
  5. 側枝方向検出用の前記開口部に流れる電流値のピークを検出したときの前記開口部の位置から、前記歯根膜腔に延びた前記側枝の根管軸径方向の位置を検出可能にしたこと
    を特徴とする請求項1または請求項に記載の根管拡大装置。
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