以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1および図2は、それぞれ本発明の実施の形態1における自動販売機を簡略的に示すものであり、図1は正面図、図2は断面側面図である。ここに例示する自動販売機100は、缶入り飲料、瓶入り飲料、ペットボトル入り飲料等の商品を冷却、もしくは加熱した状態で販売するもので、自動販売機本体である本体キャビネット101を備えている。
本体キャビネット101は、前面が開口した直方状の形態を成しており、その内部は、大きく上中下の3つに区画されており、機械室102、商品保管室110および商品収容室120が設けてある。
機械室102は、最も下部に区画された室であり、種々の機械等が配設してある。特に本実施の形態1に関連するものとしては、図には明示しないが、圧縮機および凝縮器が配設してある。
商品保管室110は、最も上部に区画された室である。この商品保管室110の内部には、複数の商品保管コラム(商品収納コラム)111が上下段、左右列に配列して設けてある。商品保管コラム111は、それぞれ前後方向に沿って延在し、前方から後方に向けて漸次高さが低くなる態様で傾斜して設けてある。この商品保管コラム111は、それぞれ商品を起立姿勢で前後方向に沿って一列に並べて収納している。このような商品保管室110は、各商品保管コラム111に収納される商品を常温にて保管するものである。
また、商品保管コラム111のそれぞれの後端部には、収納商品を一つずつ搬出する搬出機構112が設けてある。ここに、搬出機構112は、駆動モータ、ソレノイド等の動力源から切り離した駆動部を有さないものであり、後述する第1搬送ユニットを構成する受容部が指定の商品保管コラム111にアクセスした場合に該第1搬送ユニットを構成する電動式駆動機構からの動力が伝達されて駆動するものである。
商品収容室120は、中部に区画された室、すなわち機械室102と商品保管室110との間に位置する室である。つまり、商品保管室110と商品収容室120とは、本体キャビネット101の内部において上下に並ぶ態様で区画されている。この商品収容室120は、所定個所に断熱板を配設することにより断熱構造を有している。より詳細に説明すると、商品収容室120は、上部断熱板120a、下側断熱板120b、後部断熱板120cおよび左右一対の側部断熱板(図示せず)を配設することにより形成された室である。
商品収容室120の下部には、上述した圧縮機および凝縮器と冷媒配管を通じて連結された蒸発器103が設けてある。かかる蒸発器103は、圧縮機および凝縮器とともに冷却ユニットを構成し、該商品収容室120に収容された商品を冷却するものである。尚、説明の便宜上図示の例では商品を冷却する場合について説明するが、かかる商品収容室120には商品を加熱するためのヒータが設けられており、該ヒータにより商品が加熱されても良い。
このような商品収容室120の内部には、複数の商品収容コラム(商品収納コラム)121が上下段、左右列に配列してある。より詳細に説明すると、商品収容コラム121は、それぞれ前後方向に沿って延在し、後方から前方に向けて高さが漸次低くなる態様で傾斜して設けてある。この商品収容コラム121は、それぞれ商品を起立姿勢で前後方向に沿って一列に並べて収納している。
商品収容コラム121のそれぞれの前端部には、収納商品を一つずつ搬出する搬出機構122が設けてある。ここに、搬出機構122は、駆動モータ、ソレノイド等の動力源から切り離した駆動部を有さないものであり、後述する第2搬送ユニットを構成する受部が指定の商品収容コラム121にアクセスした場合に該第2搬送ユニットを構成する電動式駆動機構からの動力が伝達されて駆動するものである。
一方、本体キャビネット101には、扉体104が設けてある。扉体104は、外扉104aおよび内扉104bを有して成るものである。外扉104aは、本体キャビネット101の前面開口を覆うためのもので、本体キャビネット101の一側縁部に開閉可能となる態様でヒンジ結合してある。この外扉104aの前面側には表示部105、商品取出口106が設けてある。表示部105は、商品サンプルイメージ107を表示する液晶表示部である。商品取出口106は、外扉104aの前面側中央位置に設けてあり、利用者が商品を取り出すための開口となる。また、図1には明示していないが、この外扉104aの前面には、商品を販売する際に必要となる商品選択ボタンB(図5参照)、紙幣挿入口、硬貨投入口、返却レバー、金額表示器、硬貨返却口が設けてある一方、後面側には貨幣処理部K(図5参照)が設けてある。
内扉104bは、上下に分割して形成してあり、上側の扉(以下、第1内扉ともいう)104b1は商品保管室110の前面を覆うためのものであり、下側の扉(以下、第2内扉ともいう)104b2は商品収容室120の前面を覆うためのもので、それぞれ外扉104aよりも内方となる位置において本体キャビネット101の一側縁部に開閉可能に配設してある。第2内扉104b2は断熱扉であって、商品取出口106に対応する部位に商品搬出口が設けてある。尚、本実施の形態においては、内扉104bが上下に分割した場合を示すが、本発明における構造はこれに限定されない。すなわち、商品保管室110と商品収容室120とが完全に区画されている場合には、少なくとも第1内扉104b1は不要である。
上記本体キャビネット101には、第1搬送ユニット(第1搬送手段)130および第2搬送ユニット(第2搬送手段)140が設けてある。第1搬送ユニット130は、商品保管室110および商品収容室120の後方側、すなわち商品保管室110および商品収容室120のそれぞれの後方側に設けてあり、商品保管室110に保管されている商品を商品収容室120に搬送するためのものである。この第1搬送ユニット130は、図3に示すように、X−Y搬送機構131および受容部132を備えて構成してある。
X−Y搬送機構131は、受容部132を搭載して、該受容部132を上下方向および左右方向に移動させるものである。このX−Y搬送機構131は、周知のものであり、詳細は説明しないが、左右方向に延在するX軸搬送部131a(図5参照)が、上下方向に延在し、かつ左右一対のY軸搬送部131b(図5参照)に連結されて構成してある。
X軸搬送部131aは、搭載する受容部132をX軸方向、すなわち左右方向に沿って移動可能に案内支持してある。このX軸搬送部131aの底部には、左右方向が長手方向となる第1長尺断熱板133が設けてある。この第1長尺断熱板133は、上述した上部断熱板120aと後部断熱板120cとにより形成される開口を閉塞するのに十分な大きさを有している。
Y軸搬送部131bは、X軸搬送部131aをY軸方向、すなわち上下方向に沿って移動可能に案内支持してある。つまり、Y軸搬送部131bは、X軸搬送部131aに搭載される受容部132が上下方向に沿って移動することを案内するものである。
また、このようなX−Y搬送機構131には、上記受容部132を指定した商品収納コラム(商品保管コラム111、商品収容コラム121)の位置に移動して停止させるために位置検知手段(図示せず)が備えてあり、与えられた商品補給指令により、指定された商品保管コラム111および商品収容コラム121の位置に移送するようにしてある。
受容部132は、前後一対のローラ132a間に無端状のベルトコンベア132bが張設されて構成してある。かかる一対のローラ132aは、その一方にモータ等のローラ駆動機構132cが連結してあり、当該ローラ132aが回転駆動する結果、ベルトコンベア132bは、上面が前方に向けて移動する態様で変位する。このような受容部132は、ガイドローラ(図示せず)を介してX−Y搬送機構131を構成するX軸搬送部131aに案内支持されている。
また、第1搬送ユニット130には、電動式駆動機構134が設けてある。電動式駆動機構134は、上述したように、商品保管コラム111の搬出機構112に駆動力を伝達して該搬出機構112を駆動させるものである。
そのような第1搬送ユニット130は、常態においては、受容部132が商品保管室110の底部後方位置、すなわち第1長尺断熱板133が上部断熱板120aと後部断熱板120cとにより形成される開口を閉塞する位置に待機している。
第2搬送ユニット140は、商品収容室120の前方側に設けてあり、商品収容室120に収容されている商品を商品取出口106に対応する位置に搬送するためのものである。この第2搬送ユニット140は、図4に示すように、X−Y搬送機構141および受部142を備えて構成してある。
X−Y搬送機構141は、受部142を搭載して、該受部142を上下方向および左右方向に移動させるものである。このX−Y搬送機構141は、周知のものであり、詳細は説明しないが、左右方向に延在するX軸搬送部141a(図5参照)が、上下方向に延在し、かつ左右一対のY軸搬送部141b(図5参照)に連結されて構成してある。
X軸搬送部141aは、搭載する受部142をX軸方向、すなわち左右方向に沿って移動可能に案内支持してある。このX軸搬送部141aの底部には、左右方向が長手方向となる第2長尺断熱板143が設けてある。この第2長尺断熱板143は、上述した上部断熱板120aと第2内扉104b2とにより形成される開口を閉塞するのに十分な大きさを有している。
Y軸搬送部141bは、X軸搬送部141aをY軸方向、すなわち上下方向に沿って移動可能に案内支持してある。つまり、Y軸搬送部141bは、X軸搬送部141aに搭載される受部142が上下方向に沿って移動することを案内するものである。
また、このようなX−Y搬送機構141には、上記受部142を指定した商品収納コラム(商品収容コラム121)の位置に移動して停止させるために位置検知手段(図示せず)が備えてあり、与えられた商品販売指令により、指定された商品収容コラム121の位置に移送するようにしてある。
受部142は、載置台142aを有して構成してあり、ガイドローラ(図示せず)を介してX−Y搬送機構141を構成するX軸搬送部141aに案内支持されている。
また、第2搬送ユニット140には、電動式駆動機構144が設けてある。電動式駆動機構144は、上述したように、商品収容コラム121の搬出機構122に駆動力を伝達して該搬出機構122を駆動させるものである。
そのような第2搬送ユニット140は、常態においては、受部142が商品取出口106に対応する位置、すなわち第2長尺断熱板143が上部断熱板120aと第2内扉104b2とにより形成される開口を閉塞する位置に待機している。これにより、第1搬送ユニット130および第2搬送ユニット140がともに待機状態にある場合には、商品収容室120は、断熱板により断熱空間が形成されることになる。
図5は、本発明の実施の形態1における自動販売機の制御系を簡略的に示すブロック図である。ここに例示するように、自動販売機は、リモコンR、自販機制御用メモリ150M、自販機制御部150、商品受けセンサ140S、商品販売制御用メモリ170M、商品販売制御部170、商品受容センサ130S、商品補給制御用メモリ160Mおよび商品補給制御部160を備えている。
リモコンRは、例えばサービス提供者が各種情報を入力するための入力手段である。本発明の実施の形態では、サービス提供者が商品保管コラム111および商品収容コラム121の割付を入力を行うのに用いられる。かかる商品保管コラム111および商品収容コラム121の割付について具体的に説明する。
図6に示すように、商品保管室110には、商品保管コラム111が左右方向に6列、上下方向に4段設けられており、商品収容室120には、商品収容コラム121が左右方向に6列、上下方向に3段設けられているとする。そして、商品保管コラム111および商品収容コラム121は、それぞれ最上段の右側から左側に向けてコラム番号が01、02、03、・・・の順に予め付されており、その後上から二段目の右側から左側に向けてコラム番号が付され、そのようにして最下段の左側のコラムまでコラム番号が付されている。尚、図6に示すのは一例であって、コラム番号の付し方、コラムの数等はこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
そして、サービス提供者が、リモコンRを用いて、例えば商品保管コラム111のコラム番号01,02と、商品収容コラム121のコラム番号01とには、同一の商品コードAを割り付け入力を行い、商品保管コラム111のコラム番号03と、商品収容コラム121のコラム番号02とには、同一の商品コードBを割り付け入力を行い、商品保管コラム111のコラム番号07,08,09と、商品収容コラム121のコラム番号03とには、同一の商品コードCを割付入力を行ったとする。ここで、商品コードは、商品を特定するための情報であり、一例を挙げると、商品コードAは、商品名「イロハ」の無糖コーヒー飲料を特定するための情報であり、商品コードBは、商品名「ロハニ」の微糖コーヒー飲料を特定するための情報であり、商品コードCは、商品名「ハニホ」の加糖コーヒー飲料を特定するための情報であるとする。これにより、商品保管室110の商品保管コラム111および商品収容室120の商品収容コラム121は、商品を特定するための情報である商品コード毎に収納する商品が割り付けられたことになる。
このように商品保管コラム111および商品収容コラム121のそれぞれのコラムに割り付けられた割付情報は、自販機制御部150により自販機制御用メモリ150Mに格納されるとともに、該自販機制御部150から商品販売制御部170および商品補給制御部160のそれぞれに出力されて商品販売制御用メモリ170Mおよび商品補給制御用メモリ160Mのそれぞれに格納されることになる。これにより、自販機制御部150、商品販売制御部170および商品補給制御部160は、共通の割付情報を有していることになる。
自販機制御用メモリ150Mは、自販機制御部150の処理に必要なプログラムやデータが格納されているとともに、上述した割付情報や、後述するコラム決定情報等の種々の情報が格納されている記憶手段である。
自販機制御部150は、自販機制御用メモリ150Mに格納されたプログラムやデータにしたがって自動販売機の動作を統括的に制御するものであり、特に本実施の形態1においては、基本動作制御部151と、切換動作制御部152とを備えている。
基本動作制御部151は、自動販売機の基本動作を制御するものであり、より具体的に説明すると、紙幣挿入口および硬貨投入口を通じて貨幣が投入された場合、貨幣処理部Kを通じてその正偽を判定し、正貨であった場合にさらに投入金額の認識を行う。商品販売に必要となる金額の貨幣が投入された場合、商品選択ボタンBを有効化し、さらに有効化した商品選択ボタンBが押下された場合に該商品選択ボタンBから出力された商品選択信号が入力されることにより、商品販売指令を商品販売制御部170に出力する一方、商品販売制御部170により商品の払い出しが行われると、商品補給制御部160に対して商品補給指令を出力するものである。
切換動作制御部152は、ある商品収容コラム121に収納された商品が無くなった場合に、該商品収容コラム121の割付を切り換える動作を統括的に制御するものであり、入力処理部153、売切判断部154、コラム決定部155および出力処理部156を有している。
入力処理部153は、各種情報の入力処理を行うものである。売切判断部154は、商品収容コラム121が売切状態にあるか否かを判断するものである。コラム決定部155は、自販機制御用メモリ150Mに予め格納されたコラム決定情報に基づき該当する商品収容コラム121の割付を決定するものである。出力処理部156は、各部に対して所定の信号を出力するためのものである。
商品受けセンサ140Sは、第2搬送ユニット140の所定個所に設けてあり、受部142に商品が収容されたか否かを検出するものであり、検出結果を検出信号として商品販売制御部170に出力するものである。
商品販売制御用メモリ170Mは、商品販売制御部170の処理に必要なプログラムやデータが格納されているとともに、上述した割付情報等の種々の情報が格納されている記憶手段である。
商品販売制御部170は、自販機制御部150から商品販売指令が与えられた場合、商品販売制御用メモリ170Mに格納されたプログラムやデータにしたがって第2搬送ユニット各部の制御を行うとともに、自販機制御部150に対して種々の情報を送出するものである。
商品受容センサ130Sは、第1搬送ユニット130の所定個所に設けてあり、受容部132に商品が収容されたか否かを検出するものであり、検出結果を検出信号として商品補給制御部160に出力するものである。
商品補給制御用メモリ160Mは、商品補給制御部160の処理に必要なプログラムやデータが格納されているとともに、上述した割付情報等の種々の情報が格納されている記憶手段である。
商品補給制御部160は、自販機制御部150から商品補給指令が与えられた場合、商品補給制御用メモリ160Mに格納されたプログラムやデータにしたがって第1搬送ユニット各部の制御を行うとともに、自販機制御部150に対して種々の情報を送出するものである。
以上のような構成を有する自動販売機の商品販売動作、並びに商品補給動作について、図7〜図12を適宜参照しながら説明する。図7は、自販機制御部、商品販売制御部および商品補給制御部の各動作を示すシーケンス図であり、図8〜図11は、それぞれ第1搬送ユニットおよび第2搬送ユニットの動作を示す説明図であり、図12は、自販機制御部を構成する切換動作制御部の処理内容を示すフローチャートである。
まず、補充作業について説明する。外部から自動販売機に商品を補充する場合には外扉104aおよび第1内扉104b1を開成する。これにより、商品保管室110は前面が開放した状態になる。かかる状態で商品を前方側から起立姿勢のままで投入して補充する結果、図2に示すように、各商品保管コラム111には、商品が前後方向に沿って一列に収納されることになる。その後、第1内扉104b1および外扉104aを閉成して、商品の補充作業を終了する。
図7に示すように、自販機制御部150(基本動作制御部151)は、商品選択ボタンBから商品選択信号が出力されると、商品販売制御部170に対して商品販売指令を与える(SQ101)。ここでは、商品名「イロハ」の無糖コーヒー飲料が選択されたとして以下の説明を行う。従って、商品販売指令には商品コードAが含まれている。
商品販売指令が与えられた商品販売制御部170は、第2搬送ユニット140を構成するX−Y搬送機構141を通じて、選択された商品が収納されたコラム番号01の商品収容コラム121に受部142をアクセスさせる。例えば、図8に示すように、受部142を下方向に向けて移動させ、最上段の商品収容コラム121の前方側に位置させる。受部142が指定された商品収容コラム121(コラム番号01の商品収容コラム121)にアクセスすると、商品販売制御部170は、図9に示すように、電動式駆動機構144を駆動させることにより該商品収容コラム121の搬出機構122を駆動させて最前側に収納された商品、すなわち商品収容コラム121において最も先に収納された商品を搬出させる。搬出された商品は、受部142に起立姿勢のまま収容される。
受部142に商品が収容されると、商品受けセンサ140Sがその旨を検出し、検出信号が商品販売制御部170に出力されることにより、該商品販売制御部170は、商品が受部142に収容されたことを認識する(SQ102)。このように受部142に商品が収容されたことを認識すると、商品販売制御部170は、自販機制御部150(基本動作制御部151)に対して演算可能応答を行う(SQ103)。
商品販売制御部170から演算可能応答が与えられた自販機制御部150は、コラム番号01の商品収容コラム121から商品が一つ搬出されたこと、すなわち商品コードAに係る商品が一つ搬出されたことを認識し、商品補給制御部160に対して、商品コードAの商品を補給する旨の商品補給指令を与える(SQ104)。
一方、自販機制御部150に対して演算可能応答を行った商品販売制御部170は、つまり、受部142に商品が収容されたことを認識した商品販売制御部170は、X−Y搬送機構141を通じて受部142を商品取出口106に対応する位置にアクセスさせて商品の払い出しを行い(SQ105)、商品販売動作を終了する。このとき、商品販売制御部170は、自販機制御部150に対して終了応答を行う(SQ106)。これにより、自販機制御部150は、商品販売制御部170による販売動作が終了したことを認識する。その後、第2搬送ユニット140は待機状態になると、図2に示すように、受部142が商品取出口106に対応する位置で待機する。
上記商品補給指令が与えられた商品補給制御部160は、第1搬送ユニット130を構成するX−Y搬送機構131を通じて受容部132を指定された商品保管コラム111にアクセスさせる。つまり、商品コードAに係る商品が収納されたコラム番号01の商品保管コラム111にアクセスさせる。ここで、コラム番号02の商品保管コラム111にも商品コードAに係る商品が収納されているが、商品補給制御部160は、コラム番号01の商品保管コラム111およびコラム番号02の商品保管コラム111から交互に商品の補給を行うものであるとし、今回はコラム番号01の商品保管コラム111から商品補給を行うものとして説明する。
例えば図10に示すように、受容部132を上方に向けて移動させた後、最上段にある商品保管コラム111の後方側に位置させる。受容部132が指定された商品保管コラム111(コラム番号01お商品保管コラム111)にアクセスすると、商品補給制御部160は、電動式駆動機構134を駆動させることにより該商品保管コラム111の搬出機構112を駆動させて最後側に保管された商品、すなわち該商品保管コラム111において最も先に投入された商品を搬出させる。搬出された商品は、受容部132に起立姿勢のまま収容される。
受容部132に商品が収容されると、商品受容センサ130Sがその旨を検出し、検出信号が商品補給制御部160に出力されることにより、該商品補給制御部160は、商品が受容部132に収容されたことを認識する(SQ107)。このように受容部132に商品が収容されたことを認識すると、商品補給制御部160は、自販機制御部150(基本動作制御部151)に対して演算可能応答を行う(SQ108)。
その後、商品補給制御部160は、X−Y搬送機構131を通じて受容部132を指定された商品収容コラム121にアクセスさせる。すなわち、コラム番号01の商品保管コラム111と同一の商品コードAが割り付けられているコラム番号01の商品収容コラム121にアクセスさせる。例えば図11に示すように、受容部132の最上段の商品収容コラム121の後方側に位置させる。
受容部132が指定された商品収容コラム121(コラム番号01の商品収容コラム121)にアクセスすると、商品補給制御部160は、ローラ駆動機構132cを駆動させて一対のローラ132aを回転駆動させてベルトコンベア132bを変位させる。これにより、ベルトコンベア132bの上面に起立姿勢で載置された商品は、その姿勢を保持したままで商品収容コラム121に後方側から収納され、商品補給を行い(SQ109)、商品補給動作を終了する。このとき、商品補給制御部160は、自販機制御部150に対して終了応答を行う(SQ110)。これにより、自販機制御部150は、商品補給制御部160による補給動作が終了したことを認識する。その後、第1搬送ユニット130は待機状態になると、図2に示すように、受容部132が商品収容室120を構成する上側断熱板よりも僅かに高い位置で待機する。
このように第1搬送ユニット130が、商品補給指令が与えられた場合に、商品保管室110の指定された商品保管コラム111の最後側の商品、すなわち該商品保管コラム111において最も先に保管された商品を取り出し、商品収容室120の指定された商品収容コラム121まで搬送し、第2搬送ユニット140が、商品販売指令に応じて、商品収容室120の指定された商品収容コラム121の最前側の商品、すなわち該商品収容コラム121において最も先に収納された商品を取り出し、商品取出口106まで搬送するので、商品を補充する際には商品保管室110の前方から商品を投入するだけでよく、商品の補充作業を容易にして、商品の先入れ先出しを良好に実現することができる。しかも、商品保管室110の商品保管コラム111および商品収容室120の商品収容コラム121は、商品コード毎に収納する商品が任意に割り付けられており、同一の商品コードを有するコラム間で商品補給を行うので、商品の補充ルートの自由度を確保することができる。
次に、商品収容コラム121の切換動作について説明する。当該切換動作の説明の前に、一般にある商品収容コラム121(例えばコラム番号01の商品収容コラム121)に商品が収納されていないこと、すなわち商品が売切状態にあることが検出される場合には、該商品収容コラム121と同一の商品コードAを有する商品保管コラム111(コラム番号01,02の商品保管コラム111)には既に商品が収納されていないことが明らかである。従って、自販機制御部150を構成する切換動作制御部152は、商品保管コラム111に商品が収納されていないことを契機として売切状態を判断し、商品収容コラム121の切換動作を行う。以下に、図12を適宜利用して説明する。尚、以下においては、コラム番号01の商品収容コラム121が売り切れた場合について説明する。
切換動作制御部152は、入力処理部153を通じて商品補給制御部160よりコラム番号01,02の商品保管コラム111について商品演算不可の旨の信号を入力した場合には(ステップS101)、コラム番号01の商品収容コラム121に収納されている商品の残存本数を自販機制御用メモリ150Mに格納する(ステップS102)。ここで、残存本数は、商品収容コラム121に収納可能な商品の本数の最大が4本であった場合には、残存本数は、「最大本数−1本」として3本になる。
その後、切換動作制御部152は、基本動作制御部151によるコラム番号01の商品収容コラム121に収納された商品、すなわち商品コードAの商品の商品販売指令回数が残存本数に達した場合には、売切判断部154を通じて売切状態にあると判断し(ステップS103)、コラム決定部155を通じて自販機制御用メモリ150Mからコラム決定情報を読み出し、該コラム決定情報に含まれるコラム決定の優先順位にしたがって切換コラムを決定する(ステップS104,ステップS105)。より詳細に説明すると次のようになる。ここで、コラム決定情報には、コラム決定の優先順位が含まれており、当該優先順位は商品保管コラム111のコラム番号の小さい順にコラム切換を行うことであるとする。切換動作制御部152は、読み出したコラム決定情報にしたがいコラム決定部155を通じて、コラム番号01の商品収容コラム121をコラム番号03の商品保管コラム111と同一の商品コードの商品を収納するものに切り換える。すなわち、コラム番号03の商品保管コラム111は、上述したようにコラム番号02の商品収容コラム121と同一の商品コードBを割り付けられており、これにより、切換動作制御部152は、コラム番号02の商品収容コラム121に関するデータをコラム番号01の商品収容コラム121のデータに上書きすることにより、該コラム番号01の商品収容コラム121に対してコラム番号03の商品保管コラム111およびコラム番号02の商品収容コラム121と同一の商品コードBを割り付け設定してコラム切換を行う。
このようにコラム切換を行った切換動作制御部152は、出力処理部156を通じて、商品選択ボタンBおよび表示部105の設定を切り換えるための指令出力を行うとともに、自販機制御用メモリ150Mにコラム番号01の商品収容コラム121のコラム切換の内容を格納し(ステップS106)、今回の処理を終了する。
このようにある商品収容コラム121に収容された商品が売り切れた場合に、当該商品収容コラム121の設定を変更してコラム切換を行うことにより、当該商品収容コラム121に他の商品コードを有する商品を収容して販売させることができる。
以上説明したように本発明の実施の形態1における自動販売機100によれば、第1搬送ユニット130が、商品補給指令が与えられた場合に、商品保管室110の指定された商品保管コラム111の最後側の商品、すなわち該商品保管コラム111において最も先に保管された商品を取り出し、商品収容室120の指定された商品収容コラム121まで搬送し、第2搬送ユニット140が、商品販売指令に応じて、商品収容室120の指定された商品収容コラム121の最前側の商品、すなわち該商品収容コラム121において最も先に収納された商品を取り出し、商品取出口106まで搬送するので、商品を補充する際には商品保管室110の前方から商品を投入するだけでよく、商品の補充作業を容易にして、商品の先入れ先出しを良好に実現することができる。しかも、商品保管室110の商品保管コラム111および商品収容室120の商品収容コラム121は、商品コード毎に収納する商品が任意に割り付けられており、同一の商品コードを有するコラム間で商品補給を行うので、商品の補充ルートの自由度を確保することができる。
また、ある商品収容コラム121に収容された商品が売り切れた場合に、当該商品収容コラム121の設定を変更してコラム切換を行うことにより、当該商品収容コラム121に他の商品コードを有する商品を収容して販売させることができるので、収納商品が空となる商品収容コラム121の発生を防ぎ、無駄なスペースの発生を防止することができる。
上記自動販売機100によれば、商品を起立姿勢で商品取出口106に搬送するので、利用者は該商品を取り出しやすくなり、利便性を向上させることができる。特に、商品収容室120で商品を起立姿勢で収容し、第2搬送ユニット140が選択された商品を起立姿勢を保持して搬送するので、商品販売時間を必要最小限にすることができる。
また、自動販売機によれば、商品保管室110で常温状態で商品を保管し、販売に必要な数量だけの商品を商品収容室120で所望の温度状態に維持して収容するようにしたので、冷却、あるいは加熱に要するエネルギーの低減化を図ることができ、省エネルギー化を図ることができる。
<実施の形態2>
図13〜図18は、それぞれ本発明の実施の形態2における自動販売機を簡略的に示すものである。ここに例示する自動販売機200は、缶入り飲料、瓶入り飲料、ペットボトル入り飲料等の商品を冷却、もしくは加熱した状態で販売するもので、自動販売機本体である本体キャビネット201を備えている。
本体キャビネット201は、前面が開口した直方状の形態を成しており、その内部は、大きく3つに区画されており、機械室202、商品保管室210および商品収容室220が設けてある。
機械室202は、最も下部に区画された室であり、種々の機械等が配設してある。特に本実施の形態に関連するものとしては、図には明示しないが、圧縮機および凝縮器が配設してある。
商品保管室210は、機械室202の上方であって左方に区画された室である。この商品保管室210の内部には、複数の商品保管コラム(商品収納コラム)211が上下段、左右列に配列して設けてある。図には明示しないが、商品保管コラム211は、それぞれ前後方向に沿って延在し、前方から後方に向けて高さが漸次低くなる態様で傾斜して設けてある。この商品保管コラム211は、それぞれ商品を起立姿勢で前後方向に沿って一列に並べて収納している。このような商品保管室210は、各商品保管コラム211に収納される商品を常温にて保管するものである。
また、商品保管コラム211のそれぞれの後端部には、収納商品を一つずつ搬出する搬出機構212が設けてある。ここに、搬出機構212は、駆動モータ、ソレノイド等の動力源から切り離した駆動部を有さないものであり、後述する第3搬送ユニット230を構成する受容部232が指定の商品保管コラム211にアクセスした場合に該第3搬送ユニット230を構成する電動式駆動機構234からの動力が伝達されて駆動するものである。
商品収容室220は、機械室202の上方であって右方に区画された室である。つまり、商品保管室210と商品収容室220とは、本体キャビネット201の内部において左右に並ぶ態様で区画されている。この商品収容室220は、所定個所に断熱板および断熱扉を配設することにより断熱構造を有している。より詳細に説明すると、商品収容室220は、上部断熱板220a、底部断熱板220b、後部断熱板220cおよび左右一対の側部断熱板220dを配設することにより形成された室である。断熱扉220eは、左方の側部断熱板220dの後方側において、前後方向にスライド移動可能に配設してある。この断熱扉220eが後方に向けてスライド移動することにより、商品保管室210と商品収容室220とが閉塞されることになる。また、商品保管室210の前面側には着脱可能な前側断熱板220fが設けてあるとともに、本体キャビネット201の左側側板の前方側には上下方向が長手方向になる断熱ボード220gが貼着してあり、これにより、商品収容室220は、商品保管室210の前方側に連通した断熱構造を有している。
商品収容室220の下部には、上述した圧縮機および凝縮器と冷媒配管を通じて連結された蒸発器203が設けてある。かかる蒸発器203は、圧縮機および凝縮器とともに冷却ユニットを構成し、該商品収容室220に収容された商品を冷却するものである。尚、説明の便宜上図示の例では商品を冷却する場合について説明するが、かかる商品収容室220には商品を加熱するためのヒータが設けられており、該ヒータにより商品が加熱されても良い。
このような商品収容室220の内部には、複数の商品収容コラム(商品収納コラム)221が上下段、左右列に配列してある。より詳細に説明すると、商品収容コラム221は、それぞれ前後方向に沿って延在し、後方から前方に向けて高さが漸次低くなる態様で傾斜して設けてある。この商品収容コラム221は、それぞれ商品を起立姿勢で前後方向に沿って一列に並べて収納している。
商品収容コラム221のそれぞれの前端部には、収納商品を一つずつ搬出する搬出機構222が設けてある。ここに、搬出機構222は、駆動モータ、ソレノイド等の動力源から切り離した駆動部を有さないものであり、後述する第4搬送ユニット240を構成する受部242が指定の商品収容コラム221にアクセスした場合に該第4搬送ユニット240を構成する電動式駆動機構244からの動力が伝達されて駆動するものである。
一方、本体キャビネット201には、扉体203が設けてある。扉体203は、本体キャビネット201の前面開口を覆うためのもので、左右に分割して形成してある。右方側の扉(以下、第1扉体ともいう)203aは、断熱性のガラス扉であり、商品収容室220および機械室202の一部を覆うのに十分な大きさを有したものである。この第1扉体203aは、本体キャビネット201の右方側縁部に開閉可能となる態様でヒンジ結合してある。左方側の扉(以下、第2扉体ともいう)203bは、商品保管室210および機械室202の一部を覆うのに十分な大きさを有したものである。この第2扉体203bの前面側には商品取出口204が設けてある。商品取出口204は、利用者が商品を取り出すための開口となる。また、この第2扉体203bの前面には、商品を販売する際に必要となる商品選択ボタン205、紙幣挿入口206、硬貨投入口207、返却レバー208、硬貨返却口209が設けてある一方、後面側には貨幣処理部Kが設けてある。
上記本体キャビネット201には、商品取出室(図示せず)、第3搬送ユニット(第1搬送手段)230および第4搬送ユニット(第2搬送手段)240が設けてある。
第3搬送ユニット230は、商品保管室210および商品収容室220の後方側に設けてあり、商品保管室210に保管されている商品を商品収容室220に搬送するものである。この第3搬送ユニット230は、図19に示すように、X−Y搬送機構231および受容部232を備えて構成してある。
X−Y搬送機構231は、受容部232を搭載して、該受容部232を上下方向および左右方向に移動させるものである。このX−Y搬送機構231は、周知のものであり詳細は説明しないが、左右方向に延在するX軸搬送部231a(図21参照)が、上下方向に延在し、かつ左右一対のY軸搬送部231b(図21参照)に連結されて構成してある。
X軸搬送部231aは、搭載する受容部232をX軸方向、すなわち左右方向に沿って移動可能に案内支持してある。Y軸搬送部231bは、X軸搬送部231aをY軸方向、すなわち上下方向に沿って移動可能に案内支持してある。つまり、Y軸搬送部231bは、X軸搬送部231aに搭載される受容部232が上下方向に沿って移動することを案内するものである。
また、このようなX−Y搬送機構231には、上記受容部232を指定したコラム(商品保管コラム211、商品収容コラム221)の位置に移動して停止させるために位置検知手段(図示せず)が備えてあり、与えられた商品補給指令により、指定された商品保管コラム211および商品収容コラム221の位置に移送するようにしてある。
受容部232は、前後一対のローラ232a間に無端状のベルトコンベア232bが張設されて構成してある。かかる一対のローラ232aは、その一方にモータ等のローラ駆動機構232cが連結してあり、当該ローラ232aが回転駆動する結果、ベルトコンベア232bは、上面が前方に移動する態様で変位する。このような受容部232は、ガイドローラ(図示せず)を介してX−Y搬送機構231を構成するX軸搬送部231aに案内支持されている。
そのような第3搬送ユニット230において、受容部232は、常態においては、商品保管室210の最下段の商品保管コラム211の後方位置に待機している。
第4搬送ユニット240は、商品収容室220の前方側に設けてあり、商品収容室220に収容されている商品を商品取出口(商品取出室)204に搬送するものである。この第4搬送ユニット240は、図20に示すように、X−Y搬送機構241および受部242を備えて構成してある。
X−Y搬送機構241は、図には明示していないが、受部242を搭載して、該受部242を上下方向および左右方向に移動させるものである。このX−Y搬送機構241は、周知のものであり詳細は説明しないが、左右方向に延在するX軸搬送部241a(図21参照)が、上下方向に延在し、かつ左右一対のY軸搬送部241b(図21参照)に連結されて構成してある。
X軸搬送部241aは、搭載する受部242をX軸方向、すなわち左右方向に沿って移動可能に案内支持してある。Y軸搬送部241bは、X軸搬送部241aをY軸方向、すなわち上下方向に沿って移動可能に案内支持してある。つまり、Y軸搬送部241bは、X軸搬送部241aに搭載される受部242が上下方向に沿って移動することを案内するものである。
また、このようなX−Y搬送機構241には、上記受部242を指定したコラム(商品収容コラム221、商品取出室)の位置に移動して停止させるために位置検知手段(図示せず)が備えてあり、与えられた商品販売指令により、指定された商品収容コラム221および商品取出室の位置に移送するようにしてある。
受部242は、載置台242aを有して構成してあり、ガイドローラ(図示せず)を介してX−Y搬送機構241を構成するX軸搬送部241aに案内支持されている。
また、第4搬送ユニット240には、電動式駆動機構244が設けてある。電動式駆動機構244は、上述したように、商品収容コラム221の搬出機構222に駆動力を伝達して該搬出機構222を駆動させるものである。
そのような第4搬送ユニット240において、受部242は、常態においては、商品収容室220の最下段の商品収容コラム221の前方位置に待機している。
図21は、本発明の実施の形態2における自動販売機の制御系を簡略的に示すブロック図である。ここに例示するように、自動販売機は、リモコンR、自販機制御用メモリ250M、自販機制御部250、商品受けセンサ240S、商品販売制御用メモリ270M、商品販売制御部270、商品受容センサ230S、商品補給制御用メモリ260Mおよび商品補給制御部260を備えている。
リモコンRは、例えばサービス提供者が各種情報を入力するための入力手段である。本発明の実施の形態では、サービス提供者が商品保管コラム211および商品収容コラム221の割付を入力を行うのに用いられる。かかる商品保管コラム211および商品収容コラム221の割付について具体的に説明する。
図22に示すように、商品保管室210には、商品保管コラム211が左右方向に2列、上下方向に8段設けられており、商品収容室220には、商品収容コラム221が左右方向に3列、上下方向に8段設けられているとする。そして、商品保管コラム211および商品収容コラム221は、それぞれ最上段の右側から左側に向けてコラム番号が01、02、03、・・・の順に予め付されており、その後上から二段目の右側から左側に向けてコラム番号が付され、そのようにして最下段の左側のコラムまでコラム番号が付されている。尚、図22に示すのは一例であって、コラム番号の付し方、コラムの数等はこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
そして、サービス提供者が、リモコンRを用いて、例えば商品保管コラム211のコラム番号01,02と、商品収容コラム221のコラム番号01とには、同一の商品グループAを割り付け入力を行い、商品保管コラム211のコラム番号03と、商品収容コラム221のコラム番号02とには、同一の商品グループBを割り付け入力を行ったとする。ここで、商品グループは、同類の商品の集まりを示す情報であり、一例を挙げると、商品グループAは、無糖コーヒー飲料、微糖コーヒー飲料および加糖コーヒー飲料を一括りにコーヒー飲料として示す情報であり、商品グループBは、緑茶飲料、ほうじ茶飲料等を一括りにお茶飲料として示す情報であるとする。これにより、商品保管室210の商品保管コラム211および商品収容室220の商品収容コラム221は、商品グループ毎に収納する商品が割り付けられたことになる。
このように商品保管コラム211および商品収容コラム221のそれぞれのコラムに割り付けられた割付情報は、自販機制御部250により自販機制御用メモリ250Mに格納されるとともに、該自販機制御部250から商品販売制御部270および商品補給制御部260のそれぞれに出力されて商品販売制御用メモリ270Mおよび商品補給制御用メモリ260Mのそれぞれに格納されることになる。これにより、自販機制御部250、商品販売制御部270および商品補給制御部260は、共通の割付情報を有していることになる。
自販機制御用メモリ250Mは、自販機制御部250の処理に必要なプログラムやデータが格納されているとともに、上述した割付情報や、後述するコラム決定情報等の種々の情報が格納されている記憶手段である。
自販機制御部250は、自販機制御用メモリ250Mに格納されたプログラムやデータにしたがって自動販売機の動作を統括的に制御するものであり、特に本実施の形態2においては、基本動作制御部251と、切換動作制御部252とを備えている。
基本動作制御部251は、自動販売機の基本動作を制御するものであり、より具体的に説明すると、紙幣挿入口206および硬貨投入口207を通じて貨幣が投入された場合、貨幣処理部Kを通じてその正偽を判定し、正貨であった場合にさらに投入金額の認識を行う。商品販売に必要となる金額の貨幣が投入された場合、商品選択ボタン205を有効化し、さらに有効化した商品選択ボタン205が押下された場合に該商品選択ボタン205から出力された商品選択信号が入力されることにより、商品販売指令を商品販売制御部270に出力する一方、商品販売制御部270により商品の払い出しが行われると、商品補給制御部260に対して商品補給指令を出力するものである。
切換動作制御部252は、ある商品収容コラム221に収納された商品が無くなった場合に、該商品収容コラム221の割付を切り換える動作を統括的に制御するものであり、入力処理部253、売切判断部254、コラム決定部255および出力処理部256を有している。
入力処理部253は、各種情報の入力処理を行うものである。売切判断部254は、商品収容コラム221が売切状態にあるか否かを判断するものである。コラム決定部255は、自販機制御用メモリ250Mに予め格納されたコラム決定情報に基づき該当する商品収容コラム221の割付を決定するものである。出力処理部256は、各部に対して所定の信号を出力するためのものである。
商品受けセンサ240Sは、第4搬送ユニット240の所定個所に設けてあり、受部242に商品が収容されたか否かを検出するものであり、検出結果を検出信号として商品販売制御部270に出力するものである。
商品販売制御用メモリ270Mは、商品販売制御部270の処理に必要なプログラムやデータが格納されているとともに、上述した割付情報等の種々の情報が格納されている記憶手段である。
商品販売制御部270は、自販機制御部250から商品販売指令が与えられた場合、商品販売制御用メモリ270Mに格納されたプログラムやデータにしたがって第4搬送ユニット240各部の制御を行うとともに、自販機制御部250に対して種々の情報を送出するものである。
商品受容センサ230Sは、第3搬送ユニット230の所定個所に設けてあり、受容部232に商品が収容されたか否かを検出するものであり、検出結果を検出信号として商品補給制御部260に出力するものである。
商品補給制御用メモリ260Mは、商品補給制御部260の処理に必要なプログラムやデータが格納されているとともに、上述した割付情報等の種々の情報が格納されている記憶手段である。
商品補給制御部260は、自販機制御部250から商品補給指令が与えられた場合、商品補給制御用メモリ260Mに格納されたプログラムやデータにしたがって第3搬送ユニット230各部の制御を行うとともに、自販機制御部250に対して種々の情報を送出するものである。
以上のような構成を有する自動販売機の商品販売動作、並びに商品補給動作について、図23および図24を適宜参照しながら説明する。図23は、自販機制御部、商品販売制御部および商品補給制御部の各動作を示すシーケンス図であり、図24は、自販機制御部を構成する切換動作制御部の処理内容を示すフローチャートである。
まず、補充作業について説明する。外部から自動販売機に商品を補充する場合には第2の扉体203bを開成する。これにより、商品保管室210は前面が開放した状態になる。かかる状態で商品を前方側から起立姿勢のままで投入して補充する結果、図17に示すように、各商品保管コラム211には、商品が前後方向に沿って一列に収納されることになる。その後、第1扉体203bを閉成して、商品の補充作業を終了する。
図23に示すように、自販機制御部250(基本動作制御部251)は、商品選択ボタン205から商品選択信号が出力されると、商品販売制御部270に対して商品販売指令を与える(SQ201)。
商品販売指令が与えられた商品販売制御部270は、第4搬送ユニット240を構成するX−Y搬送機構241を通じて、選択された商品が収納されたコラム番号01の商品収容コラム221に受部242をアクセスさせる。受部242が指定された商品収容コラム221にアクセスすると、商品販売制御部270は、電動式駆動機構244を駆動させることにより該商品収容コラム221の搬出機構222を駆動させて最前側に収納された商品、すなわち商品収容コラム221において最も先に収納された商品を搬出させる。搬出された商品は、受部242に起立姿勢のまま収容される。
受部242に商品が収容されると、商品受けセンサ240Sがその旨を検出し、検出信号が商品販売制御部270に出力されることにより、該商品販売制御部270は、商品が受部242に収容されたことを認識する(SQ202)。このように受部242に商品が収容されたことを認識すると、商品販売制御部270は、自販機制御部250(基本動作制御部251)に対して演算可能応答を行う(SQ203)。
商品販売制御部270から演算可能応答が与えられた自販機制御部250は、コラム番号01の商品収容コラム221から商品が一つ搬出されたこと、すなわち商品グループAに係る商品が一つ搬出されたことを認識し、商品補給制御部260に対して、商品グループAの商品を補給する旨の商品補給指令を与える(SQ204)。
一方、自販機制御部250に対して演算可能応答を行った商品販売制御部270は、つまり、受部242に商品が収容されたことを認識した商品販売制御部270は、X−Y搬送機構241を通じて受部242を商品取出口204に対応する位置にアクセスさせて商品の払い出しを行い(SQ205)、商品販売動作を終了する。このとき、商品販売制御部270は、自販機制御部250に対して終了応答を行う(SQ206)。これにより、自販機制御部250は、商品販売制御部270による販売動作が終了したことを認識する。その後、第4搬送ユニット240は待機状態になる。
上記商品補給指令が与えられた商品補給制御部260は、第3搬送ユニット230を構成するX−Y搬送機構231を通じて受容部232を指定された商品保管コラム211にアクセスさせる。つまり、商品グループAに係る商品が収納されたコラム番号01の商品保管コラム211にアクセスさせる。ここで、コラム番号02の商品保管コラム211にも商品グループAに係る商品が収納されているが、商品補給制御部260は、コラム番号01の商品保管コラム211およびコラム番号02の商品保管コラム211から交互に商品の補給を行うものであるとし、今回はコラム番号01の商品保管コラム211から商品補給を行うものとして説明する。
受容部232が指定された商品保管コラム211(コラム番号01お商品保管コラム211)にアクセスすると、商品補給制御部260は、電動式駆動機構234を駆動させることにより該商品保管コラム211の搬出機構212を駆動させて最後側に保管された商品、すなわち該商品保管コラム211において最も先に投入された商品を搬出させる。搬出された商品は、受容部232に起立姿勢のまま収容される。
受容部232に商品が収容されると、商品受容センサ230Sがその旨を検出し、検出信号が商品補給制御部260に出力されることにより、該商品補給制御部260は、商品が受容部232に収容されたことを認識する(SQ207)。このように受容部232に商品が収容されたことを認識すると、商品補給制御部260は、自販機制御部250(基本動作制御部251)に対して演算可能応答を行う(SQ208)。
その後、商品補給制御部260は、X−Y搬送機構231を通じて受容部232を指定された商品収容コラム221にアクセスさせる。すなわち、コラム番号01の商品保管コラム211と同一の商品グループAが割り付けられているコラム番号01の商品収容コラム221にアクセスさせる。
受容部232が指定された商品収容コラム221(コラム番号01の商品収容コラム221)にアクセスすると、商品補給制御部260は、ローラ駆動機構232cを駆動させて一対のローラ232aを回転駆動させてベルトコンベア232bを変位させる。これにより、ベルトコンベア232bの上面に起立姿勢で載置された商品は、その姿勢を保持したままで商品収容コラム221に後方側から収納され、商品補給を行い(SQ209)、商品補給動作を終了する。このとき、商品補給制御部260は、自販機制御部250に対して終了応答を行う(SQ210)。これにより、自販機制御部250は、商品補給制御部260による補給動作が終了したことを認識する。その後、第3搬送ユニット230は待機状態になる。
このように第3搬送ユニット230が、商品補給指令が与えられた場合に、商品保管室210の指定された商品保管コラム211の最後側の商品、すなわち該商品保管コラム211において最も先に保管された商品を取り出し、商品収容室220の指定された商品収容コラム221まで搬送し、第4搬送ユニット240が、商品販売指令に応じて、商品収容室220の指定された商品収容コラム221の最前側の商品、すなわち該商品収容コラム221において最も先に収納された商品を取り出し、商品取出口204まで搬送するので、商品を補充する際には商品保管室210の前方から商品を投入するだけでよく、商品の補充作業を容易にして、商品の先入れ先出しを良好に実現することができる。しかも、商品保管室210の商品保管コラム211および商品収容室220の商品収容コラム221は、商品グループ毎に収納する商品が任意に割り付けられており、同一の商品グループを有するコラム間で商品補給を行うので、商品の補充ルートの自由度を確保することができる。
次に、商品収容コラム221の切換動作について説明する。当該切換動作の説明の前に、一般にある商品収容コラム221(例えばコラム番号01の商品収容コラム221)に商品が収納されていないこと、すなわち商品が売切状態にあることが検出される場合には、該商品収容コラム221と同一の商品グループAを有する商品保管コラム211(コラム番号01,02の商品保管コラム211)には既に商品が収納されていないことが明らかである。従って、自販機制御部250を構成する切換動作制御部252は、商品保管コラム211に商品が収納されていないことを契機として売切状態を判断し、商品収容コラム221の切換動作を行う。以下に、図24を適宜利用して説明する。尚、以下においては、コラム番号01の商品収容コラム221が売り切れた場合について説明する。
切換動作制御部252は、入力処理部253を通じて商品補給制御部260よりコラム番号01,02の商品保管コラム211について商品演算不可の旨の信号を入力した場合には(ステップS201)、コラム番号01の商品収容コラム221に収納されている商品の残存本数を自販機制御用メモリ250Mに格納する(ステップS202)。ここで、残存本数は、商品収容コラム221に収納可能な商品の本数の最大が4本であった場合には、残存本数は、「最大本数−1本」として3本になる。
その後、切換動作制御部252は、基本動作制御部251によるコラム番号01の商品収容コラム221に収納された商品、すなわち商品グループAの商品の商品販売指令回数が残存本数に達した場合には、売切判断部254を通じて売切状態にあると判断し(ステップS203)、コラム決定部255を通じて自販機制御用メモリ250Mからコラム決定情報を読み出し、該コラム決定情報に含まれるコラム決定の優先順位にしたがって切換コラムを決定する(ステップS204,ステップS205)。より詳細に説明すると次のようになる。ここで、コラム決定情報には、コラム決定の優先順位が含まれており、当該優先順位は商品保管コラム211のコラム番号の小さい順にコラム切換を行うことであるとする。切換動作制御部252は、読み出したコラム決定情報にしたがいコラム決定部255を通じて、コラム番号01の商品収容コラム221をコラム番号03の商品保管コラム211と同一の商品グループの商品を収納するものに切り換える。すなわち、コラム番号03の商品保管コラム211は、上述したようにコラム番号02の商品収容コラム221と同一の商品グループBを割り付けられており、これにより、切換動作制御部252は、コラム番号02の商品収容コラム221に関するデータをコラム番号01の商品収容コラム221のデータに上書きすることにより、該コラム番号01の商品収容コラム221に対してコラム番号03の商品保管コラム211およびコラム番号02の商品収容コラム221と同一の商品グループBを割り付け設定してコラム切換を行う。
このようにコラム切換を行った切換動作制御部252は、出力処理部256を通じて、商品選択ボタン205の設定を切り換えるための指令出力を行うとともに、自販機制御用メモリ250Mにコラム番号01の商品収容コラム221のコラム切換の内容を格納し(ステップS206)、今回の処理を終了する。
このようにある商品収容コラム221に収容された商品が売り切れた場合に、当該商品収容コラム221の設定を変更してコラム切換を行うことにより、当該商品収容コラム221に他の商品グループを有する商品を収容して販売させることができる。
以上説明したように本発明の実施の形態2における自動販売機によれば、第3搬送ユニット230が、商品補給指令が与えられた場合に、商品保管室210の指定された商品保管コラム211の最後側の商品、すなわち該商品保管コラム211において最も先に保管された商品を取り出し、商品収容室220の指定された商品収容コラム221まで搬送し、第4搬送ユニット240が、商品販売指令に応じて、商品収容室220の指定された商品収容コラム221の最前側の商品、すなわち該商品収容コラム221において最も先に収納された商品を取り出し、商品取出口204まで搬送するので、商品を補充する際には商品保管室210の前方から商品を投入するだけでよく、商品の補充作業を容易にして、商品の先入れ先出しを良好に実現することができる。しかも、商品保管室210の商品保管コラム211および商品収容室220の商品収容コラム221は、商品グループ毎に収納する商品が任意に割り付けられており、同一の商品グループを有するコラム間で商品補給を行うので、商品の補充ルートの自由度を確保することができる。
また、ある商品収容コラム221に収容された商品が売り切れた場合に、当該商品収容コラム221の設定を変更してコラム切換を行うことにより、当該商品収容コラム221に他の商品グループを有する商品を収容して販売させることができるので、収納商品が空となる商品収容コラム221の発生を防ぎ、陳列効果の低下を招来する虞れがない。
上記自動販売機によれば、商品を起立姿勢で商品取出口204に搬送するので、利用者は該商品を取り出しやすくなり、利便性を向上させることができる。特に、商品収容室220で商品を起立姿勢で収容し、第4搬送ユニット240が選択された商品を起立姿勢を保持して搬送するので、商品販売時間を必要最小限にすることができる。
また、自動販売機によれば、商品保管室210で常温状態で商品を保管し、販売に必要な数量だけの商品を商品収容室220で所望の温度状態に維持して収容するようにしたので、冷却、あるいは加熱に要するエネルギーの低減化を図ることができ、省エネルギー化を図ることができる。