JP2008106337A - マグネシウム合金の圧延材およびその製造方法 - Google Patents

マグネシウム合金の圧延材およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008106337A
JP2008106337A JP2006292483A JP2006292483A JP2008106337A JP 2008106337 A JP2008106337 A JP 2008106337A JP 2006292483 A JP2006292483 A JP 2006292483A JP 2006292483 A JP2006292483 A JP 2006292483A JP 2008106337 A JP2008106337 A JP 2008106337A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
insoluble
rolling
magnesium alloy
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006292483A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Azuma
健司 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHINGIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
SHINGIJUTSU KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHINGIJUTSU KENKYUSHO KK filed Critical SHINGIJUTSU KENKYUSHO KK
Priority to JP2006292483A priority Critical patent/JP2008106337A/ja
Publication of JP2008106337A publication Critical patent/JP2008106337A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

【課題】強度や耐熱性等の向上に有用な不溶性第2相を有し、圧延時に不溶性第2相を原因とする亀裂の発生がないマグネシウム合金の圧延材、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】Mgを主成分とするマトリックス相と粒状の不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延材は、金属組織観察される断面において、粒状の該不溶性第2相の大きさが3μm以下で、かつアスペクト比が2.0以下である。
また、Mgを主成分とするマトリックス相と不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延材の製造方法は、不溶性第2相を含む材料を用意する工程と、不溶性第2層を分断する分断工程と、分断された不溶性第2相を含む材料を加熱圧延する圧延工程とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウム合金の圧延材及びその製造方法に関し、特に、強度等の特性を向上させるために不溶性第2相を有するマグネシウム合金の圧延材およびその製造方法に関する。
マグネシウム合金は、軽量で比強度が高く、また、リサイクルが容易で環境への負荷も少ないため、構造材料として自動車、鉄道、航空機等の多くの分野で需要が伸びている。
マグネシウム合金では、強度を確保するためにAl(アルミニウム)、Zn(亜鉛)等を添加しているが、例えば、Alを添加し、強度を確保しているマグネシウム合金として、代表的なAZ31(Mg−3質量%Al−1質量%Zn)、AZ61(Mg−6質量%Al−1質量%Zn)、AZ91(Mg−9質量%Al−1質量%Zn)、AM60(Mg−6質量%Al−0.4質量%Mn)のうち、構造材として汎用性の高い圧延材を容易に得ることができるのは、AZ31のみであり、Alが5質量%を上回るAZ61合金、AZ91合金、AM60合金は、圧延材を得ることが困難なため、ダイキャスト、チクソモールディング等の鋳造材を中心に用いられている。
一方、Znを添加して強度を向上させているマグネシウム合金として代表的なZK60(Mg−6質量%Zn−0.5質量%Zr)も、圧延材を得ることは困難であり、鍛造材として用いられている。
Alが5質量%以上、またはZnが3質量%以上添加されると、例えばMg17Al12の金属間化合物等よりなる不溶性第2相(詳細は後述)が顕著に生成する。この不溶性第2相は、強度の向上に寄与する一方、圧延の加熱工程においてマトリックス相中に固溶せず、残存する。このため、圧延時に残存した不溶性第2相を起点として亀裂が発生し、良好な圧延材を得ることができない。
また、強度以外にもマグネシウム合金の各種特性を向上させるために、合金元素の添加が行われており、例えばCa(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)を添加することで結晶粒が微細化し、高温クリープ性能(耐熱性)が向上することが知られている(特許文献1参照)。また、Si(シリコン)や希土類元素(レアアース)を添加することで高温クリープ性能が向上することが知られている(特許文献2)。
特開2005−194605号公報 特開2006−70303号公報
しかし、これらの元素も例えばAlCaやMgCaのような金属間化合物(不溶性第2相)を生成するか、あるいは、マトリックス相中に固溶し、マトリックス相のAlやZnの固溶限を下げ、Alおよび/またはZnとマグネシウムとの金属間化合物(不溶性第2相)の生成量を増やす。このため、亀裂のない良好な圧延材を得ることができなかった。
そこで、本発明は、強度や耐熱性等の向上に有用な不溶性第2相を有し、圧延時に不溶性第2相を原因とする亀裂の発生がないマグネシウム合金の圧延材、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、Mgを主成分とするマトリックス相と粒状の不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延材であって、金属組織観察される断面において、粒状の不溶性第2相の大きさが3μm以下で、かつアスペクト比が2.0以下であることを特徴とするマグネシウム合金の圧延材である。
本発明は、また、Mgを主成分とするマトリックス相と粒状の不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延材であって、5.0質量%以上で20.0質量%以下のAlと、20.0質量%以下の範囲で任意的に含まれ、Zn、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Bi、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luよりなる群から選ばれた元素と、Mgおよび不可避的不純物よりなる残部とからなり、金属組織観察される断面において、粒状の不溶性第2相の大きさが3μm以下であることを特徴とするマグネシウム合金の圧延材である。
本発明は、さらに、Mgを主成分とするマトリックス相と粒状の不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延材であって、3.0質量%以上で12.0質量%以下のZnと、20.0質量%以下の範囲で任意的に含まれ、Al、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Bi、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luよりなる群から選ばれた元素と、Mgおよび不可避的不純物よりなる残部とからなり、金属組織観察される断面において、粒状の不溶性第2相の大きさが3μm以下であることを特徴とするマグネシウム合金の圧延材である。
本発明は、さらにまた、Mgを主成分とするマトリックス相と粒状の不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延用の中間材であって、金属組織観察される断面において、粒状の不溶性第2相の大きさが3μm以下で、かつアスペクト比が2.0以下であることを特徴とするマグネシウム合金の圧延用の中間材である。
本発明は、また、Mgを主成分とするマトリックス相と粒状の不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延用の中間材であって、5.0質量%以上で20.0質量%以下のAlと、20.0質量%以下の範囲で任意的に含まれ、Zn、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Bi、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luよりなる群から選ばれた元素と、Mgおよび不可避的不純物よりなる残部とからなり、金属組織観察される断面において、粒状の不溶性第2相の大きさが3μm以下であることを特徴とするマグネシウム合金の圧延用の中間材である。
本発明は、さらに、Mgを主成分とするマトリックス相と粒状の不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延用の中間材であって、3.0質量%以上で12.0質量%以下のZnと、20.0質量%以下の範囲で任意的に含まれ、Al、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Bi、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luよりなる群から選ばれた元素と、Mgおよび不可避的不純物よりなる残部とからなり、金属組織観察される断面において、粒状の該不溶性第2相の大きさが3μm以下であることを特徴とするマグネシウム合金の圧延用の中間材である。
本発明は、さらにまた、Mgを主成分とするマトリックス相と不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延材の製造方法であって、不溶性第2相を含む材料を用意する工程と、不溶性第2相を分断する分断工程と、分断された不溶性第2相を含む材料を加熱圧延する圧延工程とを含むことを特徴とするマグネシウム合金の圧延材の製造方法である。
本発明により、材料強度、耐熱性等の特性の向上に有用な、不溶性第2相を有するマグネシウム合金の亀裂のない良好な圧延材の提供、および不溶性第2相を有するマグネシウム合金の亀裂のない良好な圧延材の製造方法の提供が可能となる。
〔1.鋳造材中の不溶性第2相〕
マグネシウム合金中の不溶性第2相とは、以下のいずれかを満足するものをいう。
・マグネシウムの融点(650℃)よりも高い融点を有する化合物。
・マグネシウム合金の共晶温度直上の温度(共晶温度〜共晶温度+50℃の範囲)で24時間保持しても消失しない化合物。
なお、共晶温度は、マグネシウムに添加される元素の種類によって異なり、例えばMg−Al合金は710K(437℃)、Mg−Zn合金では613K(340℃)である。
不溶性第2相を例示する。
図1(a)は不溶性第2相を有する金属組織写真である。代表的なマグネシウム合金AM60に、耐熱性他を改善するためにカルシウムを2質量%添加したMg−6Al−0.4Mn−2Ca合金(数値は質量%、以下「AMCa602合金」という)を溶解し、鋳塊鋳造し、Mg−Al合金の共晶点直上の450℃で24時間保持した後、金属組織観察を行って図1(a)を得た。
金属組織観察は、観察するサンプルを樹脂に埋め込んだ後、サンプルの観察する断面を#120、#320,#600、#1200のエメリー紙で順に研磨し、アルミナ(直径0.05μm)を用いたバフ研磨により鏡面研磨し、14.3mlの酢酸と、10gのピクリン酸と、100mlのエタノールと、14.3mlの水との混合液を用いてエッチングし、エッチングしたサンプルを得て、光学顕微鏡を用いて行った(以下、金属組織観察は全て同じ方法)。
観察の結果、デンドライト状のマグネシウム(固溶体)の結晶粒(マトリックス相)の間に、ラメラ組織が確認された。このラメラ組織(層状組織)のうち、黒く見える層状の部分が金属間化合物AlCa、白く見える層状の部分がマグネシウム(固溶体)であることが、X線回折によりわかった。AlCaからなる第2相は、上述したように、共晶温度直上で24時間保持されても消失していないことから、不溶性第2相であることがわかる。また、AlCaからなる不溶性第2相は、長さが概ね10μm〜60μm、幅が数μmであり、従って、不溶性第2層の大きさ(平均値)は10μmを超えている。AlCa以外にも、例えばAM60合金では、Mg17Al12からなる不溶性第2相が知られている。
図2は、共晶温度直上の温度723K(450℃)、753K(480℃)および共晶温度よりも低い温度686K(413℃)の3つの温度で、最大50時間サンプルを保持した時の、ラメラ組織の面積率の変化を、鋳塊鋳造後のラメラ組織の面積率を基準に表している。何れの保持温度においても、保持時間とともにラメラ組織は減少するが、24時間までに減少量が飽和し、以後はほとんど減少しないことを示している。
予備実験として、温度等を変えてAMCa602合金の鋳造材の圧延を試みた。しかし、圧延温度を475℃と高温に設定した場合も含め、全ての条件で亀裂が生じ、良好な圧延材を得ることができなかった。
〔2.不溶性第2相の大きさの圧延加工性への影響〕
不溶性第2相は、材料強度、耐熱性向上のために不可欠であるが、圧延時に不溶性第2相近傍のマトリクス相に応力集中が発生し、亀裂の基点として作用する。このような高温での応力集中は、不溶性第2相近傍のマトリクス相におけるマグネシウム原子等の格子拡散および粒界拡散により、緩和できる。
応力集中を拡散により緩和するためには、圧延温度等の圧延条件以外に、不溶性第2相の大きさ(平均値)を圧延可能な大きさ(臨界径)以下に制御することが必要である。そこで、図1(a)に示したように、幅が数μm程度に対し、長さが10〜60μmと細長く、アスペクト比が略5〜30と大きな値なっている不溶性第2相の形態に注目し、この細長い不溶性第2相を長手方向に分断して粒子状にすることで、不溶性第2相の大きさを臨界径以下にすることを検討した。
本明細書中では、金属組織観察される断面において観察される複数(100個以上)の不溶性第2相粒子の断面の直径の平均値を、その材料の不溶性第2相粒子の大きさとして用いる。またアスペクト比についても同様に、金属組織観察される断面において観察される複数(100個以上)の不溶性第2相粒子の断面のアスペクト比の平均値を、その材料の不溶性第2相粒子のアスペクト比として用いる。
拡散により応力集中が緩和され、不溶性第2相−マトリックス界面近傍のマトリクス相中で空洞(亀裂)の発生が抑制されるためには、ひずみ速度の増減により増減する応力集中の蓄積の速度よりも、拡散による応力緩和の速度の方が速くなければならない。
本発明者らは、応力集中が或る速度以上で緩和される、適切な拡散距離を規定するNeedleman−Rice(N−R)変数Λ(A. Needleman,J.R.Rice,Acta Metall.28(1980)1315−1332参照)が、不溶性第2相の臨界径を求めるのに使用できることを見出した。すなわち、Λは臨界径の整数倍程度の大きさを示すこととなり、臨界径dはd=K×Λと表すことができる。ところでΛには、粒界拡散支配型プロセスにおける拡散距離を与えるΛgbと、格子拡散支配型プロセスにおけるΛがあり、それぞれ以下の式(2)、式(3)で表される。
Figure 2008106337
Figure 2008106337
ここでΩは原子容積(2.33×10−28)、δは結晶粒界の幅であり、バーガスベクトルb(3.21×10−10m)の2倍、2b(6.42×10−10m)を用いた。σは流動応力(N/mm)、kはボルツマン定数(1.38066×10−23J/K)、Tは絶対温度で表された圧延温度(K)、ε’はひずみ速度(s−1)を示す。Dgbは、粒界拡散係数、Dは格子拡散係数を示し、それぞれ、式(4)、式(5)で与えられる。
Figure 2008106337
Figure 2008106337
0gbは、粒界拡散の指数前係数(5×10−12)、D0Lは格子拡散の指数前係数(1×10−4)を示す。Qgbは粒界拡散の活性化エネルギー(92,000J/mol)、Qは格子拡散の活性化エネルギー(135,000J/mol)である。
ひずみ速度ε’は、以下の式(6)により近似される(Metals Handbook Ninth Edition Vol.14 Forming and Forging ASM Int.,Metals Park Ohio 1988 P344参照)。
Figure 2008106337
ここで、ε’AVEは、平均ひずみ速度(s−1)、Hは、入口側の材料厚さ(mm)、Hは、出口側の材料厚さ(mm)、Vは、圧延ロール表面速度(m/分)、Rは、ロールの半径(mm)である。
Rに汎用的に用いられるロール径125mmを用い、Vに商業レベルの生産として下限の圧延速度1.0m/分を用い、HとHにマグネシウム合金の圧延として一般的な圧下率を用いて計算すると、ひずみ速度は概ね0.9〜1.5s−1と計算できる。
次に、圧延中の流動応力のひずみ速度依存性を求めるために、以下に詳細を示す引張り試験を行った。
AMCa602の熱間押出し材を作製し、400℃で30分焼鈍し、引張り試験用の試料を得た。300℃〜400℃の温度および1×10−3−1〜0.9s−1のひずみ速度で、押出方向を引張り軸とする、ひずみ速度一定の熱間引張り試験を行った。試験用試料全体が加熱されるように、引張り試験用の試料は、試験温度と同じ温度で30分加熱してから試験を行った。
図3は、ひずみ速度一定の熱間引張り試験の結果を示すグラフである。図3(a)は、伸びを、ひずみ速度の関数として示している。引張り伸びが、ひずみ速度の減少および試験温度の上昇とともに増加している。例えば温度300℃、ひずみ速度0.9s−1での伸び値eは78%となっている。
図3(b)は、流動応力を、ひずみ速度の関数として示す。流動応力は、真ひずみεが0.1の応力値より決定した。流動応力は、ひずみ速度の増加および温度の低下とともに増加している。ひずみ速度感受性指数mは、図3(b)に示す曲線の傾きより決定した。中間のひずみ速度範囲(10−2−1〜10−1−1)では0.12〜0.17となっている。得られたm値から、主変形機構が、転位の上昇運動により律速されていることがわかる(S.E.Hsu,G.R.Edwards and O.D.Sherby.Acta Metall.31(1983)763−772参照)。従って、高温変形の構成方程式は、式(7)のように単純に表現される(O.D.Sherby,R.H.Klundt and A.K.Miller,Metall.Trans.8A(1977)843−850参照)。
Figure 2008106337
ここで、Aは無次元の定数、Gは剛性率、nは応力指数(=1/m)、Dは拡散係数である。
転位の主要拡散プロセスが、温度により変化することは、いくつかのマグネシウム合金について、実験結果に実証されている(例えば、K.Hirai、H.Somekawa,Y.Takigawa and K.Higashi,Materi.Sci.Eng.A403(2005)276−280参照)。転位の上昇運動は、低温ではパイプ拡散により支配されており、また、高温では格子拡散により支配されている。RobinsonとSherby(S.L.Robinson and O.D.Sherby,Acta Metall.17(1969)109−125参照)は、格子拡散定数Dとパイプ拡散定数Dを含む転位の上昇運動に対し、有効拡散の概念を導入した。この概念に基づく有効拡散係数Deffは、下記の式(8)のように表せる。
Figure 2008106337
ここで、βは定数で、例えばAZ31マグネシウム合金やAZ61マグネシウム合金では、0.12と見積もられている。図4は、β=0.12を使用して、(ε’/Deff)bの変化を(σ/G)の関数として示したグラフである。DとDは、純マグネシウムの値を用いた。本解析において、パイプ拡散係数は、粒界拡散係数と同じであると仮定して取り扱った。図4に示す有効拡散係数で補正した規格化プロットにより、ここに示すマグネシウム合金の変形挙動が傾き5の単一直線によって表されることがわかる(すなわち(7)式におけるnが5であることがわかる)。この結果を用いると、構成方程式は、下記の式(9)のように表せる。
Figure 2008106337
式(9)の構成方程式は、少なくともσ/Gが1×10−2未満の応力域に適用できる。
式(9)により、応力とひずみ速度の関係が得られたので、不溶性第2相の大きさの臨界径dを求めることができる。ここで、圧延中の流動応力は変化するが、その変化の大きさは無視できると考えられる。図5に、工業上実用的に適用できる圧延の下限速度に相当するひずみ速度(ε’=1s−1)における流動応力を、式(9)により計算した結果を示す。ひずみ速度1s−1での流動応力は、温度573K(300℃)、623K(350℃)、673K(400℃)において、それぞれ146MPa、109MPa、82MPaであることがわかる。図5には、ひずみ速度ε’が3s−1と10s−1の場合の流動応力についても示した。ひずみ速度が増加すると、流動応力が増加する。
予備実験を行い、押出しにより不溶性第2相の分断を図ったところ、分断された不溶性第2相は、主に粒界部に存在することが判った。そこで、先ず粒界拡散型プロセスの場合を検討する。最初に粒界拡散型プロセスのK値(=d/Λgb)を決定する。
図6は、予備試験で得られたAMCa602合金押出材の不溶性第2相の大きさ1.5μmをdに用い、ひずみ速度が1s−1におけるK値の温度変化を、圧延温度の関数として示すグラフである。d=1.5μmにおいて、図6より求められる、空洞(亀裂)が発生しない温度の計算値は、K=2、3、5の場合、それぞれ645K(372℃)、588K(315℃)、533K(260℃)となる。これに対し、大きさ1.5μmの不溶性第2相を有する予備実験の押出材は、ひずみ速度1s−1において、623K(350℃)と673K(400℃)の間に亀裂の発生しない臨界温度を有することが判明しており、従って、K値は、1.7〜2.3の間に、すなわち略2.0であることがわかる。
なお、式K=d/Λgbと(2)式から、Kは、下記の式(10)で表され、式(10)から、dは、式(11)で表される。
Figure 2008106337
Figure 2008106337
式(11)の各パラメータに値を入れることにより、その条件で、亀裂が発生せずに圧延を行うことができる不溶性第2相粒子の臨界径を、求めることができる。式(11)を用い、上述の結果から、K=2とし、原子容積Ω、結晶粒界幅δ、粒界拡散係数Dgb、流動応力σも上述の値を用い、ひずみ速度ε’としては、量産性等を考慮した工業的な下限値1s−1、圧延温度Tは、酸化等の発生の問題から、工業的な上限値785K(512℃)を用いて計算した臨界径dは、3μmとなる。
なお、原子容積Ω、結晶粒界幅δ、粒界拡散係数Dgb、流動応力σについては、マグネシウム合金間での差は小さいと考えられることから、不溶性第2相を有するほとんど全てのマグネシウム合金において、式(11)は適用可能であり、不溶性第2相の大きさが3μm以下だと、ひずみ速度ε’を1s−1、圧延温度Tを785K(512℃)にすることで、圧延中に亀裂を生ずることなく圧延が可能なことを示している。
言い換えれば、不溶性第2相の大きさが3μmを超えると、その材料は、ひずみ速度を1s−1、圧延温度を785K(512℃)にしても圧延できないことを意味する。これは、鋳造材に存在する不溶性第2相が、上述したようにラメラ状で大きさが10μmを超えており、圧延できない事実と一致する。
また、式(10)を用い、dの値を、主に粒界上または粒界近傍に存在する不溶性第2相の大きさとし、流動応力σ、圧延温度T、ひずみ速度ε’を、適用しようとする圧延条件の値としてK値を計算し、K値が2.0以下であればその条件で圧延可能であると判定できる。
図7は、K=2.0、ひずみ速度ε’=1s−1における臨界径K×Λ(=d)を、温度の関数として示すグラフである。図7の2Λgbは、粒界拡散支配システムにおける臨界径を示す。一方、図7の2Λは、粒内拡散支配システムでの臨界径K×Λを示す。式(12)を用いK=2として求めた。
Figure 2008106337
図7より、粒内拡散支配システムの閾値K×Λは、粒界拡散支配システムの閾値K×Λgbと比べ、何れの温度においても1桁以上小さくなっており、不溶性第2相粒子を、このレベルの大きさにまで細かく分断することは、実用的なプロセスでは困難な場合が多い。従って、分断された不溶性第2相の多くが、粒界または粒界近傍に分布するような分断工程を用いることが好ましい。分断された不溶性第2相の50%以上が、粒界または粒界近傍に分布していることがより好ましい。
不溶性第2相を分断する望ましい工程は、熱間または温間の押出工程である。圧延工程の前に押出を行うことにより、ラメラ状の不溶性第2相を、大きさ数μm以下に分断できる。分断された不溶性第2相は、ラメラ状からアスペクト比が2以下の球状(粒子状)に形態が変わる。また、押出温度、押出速度、押出比等の押出条件を変えることで、分断後の不溶性第2相粒子の大きさを変えることができる。例えば、押出温度を下げることにより、不溶性第2相の大きさを小さくすることができる。
また、ここでいう押出工程には、ECAE(Equal Channel Angular Extrusion、ECAP(Equal Channel Angular Pressing)ともいう)等の特殊押出工程を含む。
不溶性第2相を分断する分断工程は、押出工程に限定する必要はなく、一定の温度以上で、材料断面全体に亘り一定の大きさ以上のせん断応力を付与できる工程であれば良い。このような工程として、例えば強加工鍛造、閉塞鍛造がある。
さらに、押出工程、強加工鍛造工程、閉塞鍛造工程等は、再結晶を伴い、再結晶時に結晶粒の成長が不溶性第2相粒子でピンニングされ、この結果、不溶性第2相粒子の多くを結晶粒界およびその近傍に分布させる効果がある。従って、押出工程、強加工鍛造工程、閉塞鍛造工程等を、不溶性第2相を所定の大きさまで分断する分断工程として用いることで、圧延用の中間材を得ることができる。そして、得られた中間材を圧延する圧延工程を経ることで、良好な圧延材を得ることができる。
〔3.マグネシウム合金の成分〕
次に、このような不溶性第2相を分断することで圧延が可能になる、マグネシウム合金の好ましい成分範囲について説明する。マグネシウム合金は、主にAlまたはZnを添加することにより、不溶性第2相を得て、強度の向上を図っている。また、第3元素を添加することにより、添加した元素とマグネシウム等との金属間化合物からなる不溶性第2相を生成するか、または第3元素がマトリックス相中に固溶することで、AlやZnのマトリックス相に対する固溶限が下がり、不溶性第2相の量が増加する等のメカニズムにより、強度を向上し、あるいは耐高温クリープ性等の耐熱性等の特性を向上させている。例えば、Caのように、添加することで難燃性が向上する元素もある。以下に、主にAlで強度を向上させている合金系(以下、「Mg−Al系マグネシウム合金」という。)、および主にZnで強度を向上させている合金系(以下、「Mg−Zn系マグネシウム合金」という。)の、それぞれの好ましい成分範囲を示す。
・Mg−Al系マグネシウム合金
(1)Al
Alの好ましい成分範囲は、5.0質量%〜20.0質量%である。5.0質量%未満では、不溶性第2相の生成量が十分でなく、強度の上昇効果が少ない。一方20.0質量%を超えると、不溶性第2相が過多となり、材料の靱性が低下する恐れがある。
(2)第3元素
Zn、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Biおよび希土類元素(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)よりなる群から選ばれた1以上の元素を、合計で20.0質量%以下を含み、残部はMgおよび不可避不純物よりなる。
第3元素が、合計で20質量%を超えると、靱性が低下するからである。また、0質量%、すなわち第3元素が添加されていない場合も含む。
また、耐クリープ性等の耐熱性を確実に有し、かつ、より優れた靱性を確保するためには、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Biおよび希土類元素(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)よりなる群から選ばれた1以上の元素を、0.3質量%以上、15.0質量%以下含み、必要に応じて8%以下(0質量%を含む)のZnを含み、かつZn、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Biおよび希土類元素(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の合計が、20質量%以下であることが、より好ましい。
なお、Caを添加する場合は、1.0質量%未満では結晶粒微細化が不十分な恐れがあり、3.5質量%を超えると靱性が劣化する恐れがあるため、その添加量は1.0質量%以上、3.5質量%以下であることが、より望ましい。この範囲内のCa添加により優れた高温クリープ性能と靱性の確保を確実に両立させることができる。また、Srを添加する場合は、同様に、0.1質量%未満では結晶粒微細化が不十分な恐れがあり、1.5質量%以上では靱性が劣化する恐れがあるため、その添加量は0.1質量%以上、1.5質量%以下であることが、より望ましい。この範囲内のSr添加により優れた高温クリープ性能と靱性の確保を確実に両立させることができる。
・Mg−Zn系マグネシウム合金
(1)Zn
Znの好ましい成分範囲は、3.0質量%〜12.0質量%である。3.0質量%未満では、不溶性第2相の生成量が十分でなく、強度の上昇が少ない。一方、Znが12.0質量%を超えると、不溶性第2相の生成量が多すぎ、材料の靱性が低下する。
(2)第3元素
Al、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Biおよび希土類元素(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)よりなる群から選ばれた1以上の元素を合計で20.0質量%以下含み残部はMgおよび不可避不純物よりなる。
第3元素が、合計で20質量%を超えると、靱性が低下するからである。また、0質量%、すなわち第3元素が添加されていない場合も含む。
また、耐クリープ性等の耐熱性を確実に有し、かつ、より優れた靱性を確保するためには、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Biおよび希土類元素(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)よりなる群から選ばれた1以上の元素を、0.3質量%以上、15.0質量%以下含み、必要に応じて10%以下のAl(0質量%を含む)を含み、かつAl、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Biおよび希土類元素(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の合計が、20質量%以下であることが、より好ましい。
なお、Caを添加する場合は、1.0質量%未満では結晶粒微細化が不十分な恐れがあり、3.5質量%を超えると靱性が劣化する恐れがあるため、その添加量は1.0質量%以上、3.5質量%以下であることが、より望ましい。この範囲内のCa添加により優れた高温クリープ性能と靱性の確保を確実に両立させることができる。また、Srを添加する場合は、同様に、0.1質量%未満では結晶粒微細化が不十分な恐れがあり、1.5質量%以上では靱性が劣化する恐れがあるため、その添加量は0.1質量%以上、1.5質量%以下であることが、より望ましい。この範囲内のSr添加により優れた高温クリープ性能と靱性の確保を確実に両立させることができる。
〔1.押出しによる不溶性第2相の分断〕
以下に、AMCa602合金を用いて、良好な圧延材を得た実施例を示す。
使用した材料は、図1(a)に示すラメラ状の不溶性第2相を含む金属組織を有し、均質化処理を行った後でも圧延できないことを、予備実験で確認した鋳造材である。この鋳造材を、723K(450℃)で24時間均質化処理を行った後、熱間押出加工を実施し、圧延用の中間材を得た。
押出時の材料の温度は、663K(390℃)で、円筒状のビレットから、厚さ1.5mmの板に押し出した。この押出加工の押出比は、1:39であった。
押出後の金属組織観察結果を、図1(b)に示す。図1(b)の左右方向は、押出方向に平行な方向である。研磨およびエッチングの条件は、上述した通りである。鋳造時にラメラ状であったAlCaよりなる不溶性第2相は、分断され、形状が球状(粒子状)となっており、大きさ(粒子径)は約1.5μmであった。アスペクト比は、1.5以下であった。
なお、不溶性第2相の大きさおよびアスペクト比の測定は、以下の方法により行った。
金属組織観察で、観察される断面内の15mm以上の視野を、倍率400倍で観察し、不溶性第2相の大きさ、分布が、その視野の中で平均的なエリア200μm×200μmを選択する。倍率400倍にて、このエリア内で観察することができる不溶性第2相粒子全てについて、レーザー顕微鏡を用い、倍率2500倍にて、断面の長径aと短径bを測定する。そして、以下の式(13)、式(14)により、粒子の直径dとアスペクト比Arを求める。
Figure 2008106337
Figure 2008106337
求めた全ての粒子の直径d、およびアスペクト比Arの平均値を、それぞれ不溶性第2相の大きさ、および不溶性第2相のアスペクト比とした。
なお、200μm×200μmのエリア内に観察される不溶性第2相粒子の数が、100個未満の場合は、同じ視野内の別のエリアを選択し、同様に倍率400倍にて、このエリア内で観察できる全ての粒子の直径d、およびアスペクト比Arを測定し、得られた測定値も加えて平均値を求める。このようにして、100個以上の不溶性第2相粒子の直径およびアスペクト比を測定し、平均値を求めるものとする。
観察された不溶性第2相粒子の50%以上が、結晶粒界上または結晶粒界の近傍に存在した。不溶性第2相粒子は、押出方向(図1(b)の左右方向)に平行に整列する傾向があった。押出後のマトリックス相は、等軸晶であり、結晶粒径は、平均で15μmであった。
〔2.加熱圧延の実施(圧延工程)〕
得られた押出材(圧延用中間材)について、直径250mmのロールを有する2段ロールミルを用い、圧延速度が1.0m/分、ひずみ速度ε’が1s−1で、加熱圧延を実施した。ロール表面により材料の温度が急激に低下するのを防止するために、ロール表面を383K(110℃)まで加熱した。
押出材は、圧延前に、673K(400℃)で30分焼鈍した。その後、試料を、523K(250℃)〜673K(400℃)の所定の圧延温度Tに到達させるために、最初に5分、圧延パス間で3分加熱した。圧延は、1パス毎の圧下率が15%、総圧下率は60%で、板厚が0.6mmまで圧延した。
〔3.圧延材の評価方法〕
得られた圧延材について、表面観察を行い、亀裂等の発生の有無を確認した。また圧延材の金属組織について観察を行うとともに、結晶粒径を測定した。Alの含有量が少なく、従って、不溶性第2相を生成しないため、従来の方法で圧延できるAZ31合金の圧延後の結晶粒径(文献値)との比較を行った。
圧延板より長手方向(引張り試験方向)が圧延方向と平行になるように、長さ18mm、幅6mmの平行部を有する試験片を採取し、引張り試験を行った。引張り試験は、5×10−4−1の初期ひずみ速度で行った。ひずみは、最大5%になるまでゲージ長さ12.5mmの伸び計によって測定した。降伏強さ(YS、0.2%耐力)、引張り強さ(UTS)および伸び(e)を求めた。
さらに、X線回折により、圧延後の集合組織を評価した。評価は、圧延板についてα角15°〜90°でSchultz reflection法によって行い、全ての材料について圧延材平面の板厚中央部で測定し、(0002)極点図と(1011)極点図を得た。
引張り試験は、5×10−4−1の初期ひずみ速度で行った。
外1

Figure 2008106337
〔4.評価結果〕
(1)表面観察結果
図8は、表面を観察した結果(写真)である。図中の温度は、圧延温度を示す。圧延温度が、523K(250℃)と573K(300℃)のサンプルには、多くの端部亀裂が観察された。623K(350℃)で圧延したサンプルでは、減少するものの、まだ端部亀裂が認められた。673K(400℃)圧延材では、端部亀裂は認められず、良好な圧延材を得ることができた。
623Kの圧延条件のK値(式(10))は、2.3であり、673Kの圧延条件のK値が、1.7であることから、K値が、略2.0以下で圧延が可能であることがわかる。
(2)金属組織観察結果
図1(c)は、673K圧延材、すなわち良好な圧延材の金属組織である。図1(c)の左右方向は、圧延方向に平行となっている。不溶性第2相の大きさは、圧延前(押出後)の図1(b)と同じ1.5μmであり、圧延によって不溶性第2相の大きさは変化しないことを示している。また、アスペクト比も1.5以下で、圧延工程前後で変化は認められなかった。一方、マトリックス相は、等軸晶となっており、圧延中に再結晶が起きたことを示している。なお、不溶性第2相の大きさが圧延により変わらないこと、およびマトリックス相の等軸晶については、他の圧延温度の試料においても認められた。
(3)結晶粒径測定結果
図9は、圧延温度と結晶粒径の関係を示すグラフである。比較材AZ31圧延材についても、図9に示した。AZ31の結晶粒径については、3つの文献Y.Chino,M.Mabuchi,R.Kishihara,H.Hosokawa,Y.Yamada,C.Wen,K.Shimojima and H.Iwasaki,Mater.Tran.43(2002)2554−2560(以下、「文献I」という)、H.Hosokawa,Y.Chino,K.Shimojima,Y.Yamada,C.Wenn,M.Mabuchi and H.Iwasaki,Mater.Trans.44(2003)484−489(以下、「文献II」という)、H.Watanabe and K.Ishikawa,Bulletin of Osaka Municipal Tech. Res.Inst.123(2004)38−54(以下、「文献III」という)から引用し、図9中にはそれぞれ〔I〕、〔II〕、〔III〕で示した。
図9より、AMCa602合金および比較材AZ31合金ともに、圧延温度の上昇とともに結晶粒径は大きくなっており、また、この二つの合金系間の差が小さいことから、合金組成の違いによる差は少ないことが判る。
(4)集合組織
図10は、623K(350℃)で圧延した材料の極点図である。図10(a)が(0002)極点図、図10(b)が(1011)極点図を示す。図10中の数値は、配向がない場合のX線回折強度を基準とした強度比を示す。圧延温度による差はなく、573K(300℃)および673K(400℃)圧延材も、同様な極点図を示した。図10(a)の(0002)極点図より、六方晶の底面(0001)の大部分が圧延方向に平行に配向した集合組織が認められる。
このような集合組織は、従来技術により圧延可能なマグネシウム合金AZ31の圧延材を含む、六方晶金属の圧延材に典型的に認められる一方、押出材や鋳造材には認められず、圧延材の特徴となっている。
一方、図10(b)に示す(1011)面の分布は、圧延板の法線まわりでランダムではなく、{0001}<1010>成分も推測されるが、従来から知られている程度の{0001}<1120>成分からのやや強い寄与が認められる。
図11は、圧延温度と機械的特性の関係を示す。図11(a)は、引張り強さを示す。図中のYSは降伏強度を示し、UTSは引張り強さを示す。比較のために、AZ31の引張り強さについて、文献Iおよび文献IIのデータから引用し、それぞれ〔I〕、〔II〕で示した。
AMCa602合金では、降伏応力および引張り強さとも、圧延温度623Kで最大値を示しており、Hall−Petchの関係に従って、結晶粒径(圧延温度が低い)が小さいと材料強度が高くなるAZ31とは異なる挙動を示している。
また、亀裂の発生がない良好な圧延材を得ることができる673K(400℃)を含む全ての圧延温度のAMCa602合金の圧延材は、いかなる圧延温度のAZ31材よりも、少なくとも50MPa以上高い引張り強さが得られている。これは、不溶性第2相が存在することに起因する。
伸びは、温度とともに上昇している。通常、比較材のAZ31のように、圧延温度が高い、すなわち結晶粒径が大きいほど、伸びは減少する傾向がある。AMCa602合金では、圧延温度が低い、すなわち、結晶粒径が小さい圧延条件において、降伏強度および引張り強さの上昇が認められず、また、伸びも大きくないのは、低い圧延温度(573K、623K)では、圧延中に不溶性第2相粒子を起点に空洞が発生しているためと推定される。
本実施例においては、圧延の対象として、最も一般的な板材について示した。しかし、本発明の圧延材を、板材に限定することを意図したものではない。圧延は、バー材(棒材)や線材の製造にも用いられており、本発明の圧延材は、バー材および線材を含み、また、本発明の圧延材の製造方法には、バー材および線材の製造方法を含む。
不溶性第2相を含むマグネシウム合金の金属組織写真であり、(a)鋳造後、(b)押出後、(c)圧延後を示す。 焼鈍時間と焼鈍後の不溶性第2相の残存率の関係を示すグラフである。 不溶性第2相を有するマグネシウム合金のひずみ速度一定の熱間引張り試験の結果を示すグラフであり(a)ひずみ速度と伸びの関係、(b)ひずみ速度と流動応力の関係を示す。 (ε’/Deff)bの変化を(σ/G)の関数として示すグラフである。 流動応力と温度の関係を示すグラフである。 K値の温度変化を圧延温度の関数として示すグラフである。 温度と臨界径K×Λの関係を示すグラフである。 本発明にかかる不溶性第2相を有するマグネシウム合金圧延材の表面状態を示す写真である。 本発明に係る不溶性第2相を有するマグネシウム合金圧延材の圧延温度と結晶粒度の関係を示すグラフである。 不溶性第2相を有するマグネシウム合金圧延材の集合組織を示す極点図である。 本発明に係る不溶性第2相を有するマグネシウム合金圧延材の機械的特性を示すグラフであり(a)圧延温度と強度の関係、(b)圧延温度と伸びの関係を示す。
符号の説明
1 X線回折比強度が1の領域、2 X線回折比強度が2の領域、3 X線回折比強度が3の領域、4 X線回折比強度が4の領域、5 X線回折比強度が5の領域

Claims (12)

  1. Mgを主成分とするマトリックス相と粒状の不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延材であって、
    金属組織観察される断面において、粒状の該不溶性第2相の大きさが3μm以下で、かつアスペクト比が2.0以下であることを特徴とするマグネシウム合金の圧延材。
  2. Mgを主成分とするマトリックス相と粒状の不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延材であって、
    5.0質量%以上で20.0質量%以下のAlと、
    20.0質量%以下の範囲で任意的に含まれ、Zn、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Bi、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luよりなる群から選ばれた元素と、
    Mgおよび不可避的不純物よりなる残部と、からなり、
    金属組織観察される断面において、粒状の該不溶性第2相の大きさが3μm以下であることを特徴とするマグネシウム合金の圧延材。
  3. Mgを主成分とするマトリックス相と粒状の不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延材であって、
    3.0質量%以上で12.0質量%以下のZnと、
    20.0質量%以下の範囲で任意的に含まれ、Al、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Bi、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luよりなる群から選ばれた元素と、
    Mgおよび不可避的不純物よりなる残部と、からなり、
    金属組織観察される断面において、粒状の該不溶性第2相の大きさが3μm以下であることを特徴とするマグネシウム合金の圧延材。
  4. 上記不溶性第2相粒子のアスペクト比が2.0以下であることを特徴とする請求項2または3に記載のマグネシウム合金の圧延材。
  5. Mgを主成分とするマトリックス相と粒状の不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延用の中間材であって、
    金属組織観察される断面において、粒状の該不溶性第2相の大きさが3μm以下で、かつアスペクト比が2.0以下であることを特徴とするマグネシウム合金の圧延用の中間材。
  6. Mgを主成分とするマトリックス相と粒状の不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延用の中間材であって、
    5.0質量%以上で20.0質量%以下のAlと、
    20.0質量%以下の範囲で任意的に含まれ、Zn、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Bi、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luよりなる群から選ばれた元素と、
    Mgおよび不可避的不純物よりなる残部と、からなり、
    金属組織観察される断面において、粒状の該不溶性第2相の大きさが3μm以下であることを特徴とするマグネシウム合金の圧延用の中間材。
  7. Mgを主成分とするマトリックス相と粒状の不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延用の中間材であって、
    3.0質量%以上で12.0質量%以下のZnと、
    20.0質量%以下の範囲で任意的に含まれ、Al、Ca、Si、Ti、V、Ge、Sr、Zr、Sb、Ba、Mn、Ag、Sn、Tl、Bi、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luよりなる群から選ばれた元素と、
    Mgおよび不可避的不純物よりなる残部と、からなり、
    金属組織観察される断面において、粒状の該不溶性第2相の大きさが3μm以下であることを特徴とするマグネシウム合金の圧延用の中間材。
  8. 上記不溶性第2相粒子のアスペクト比が2.0以下であることを特徴とする請求項6または7に記載のマグネシウム合金の圧延用中間材。
  9. Mgを主成分とするマトリックス相と不溶性第2相とを含むマグネシウム合金の圧延材の製造方法であって、
    不溶性第2相を含む材料を用意する工程と、
    該不溶性第2層を分断する分断工程と、
    分断された不溶性第2相を含む材料を加熱圧延する圧延工程とを含むことを特徴とするマグネシウム合金の圧延材の製造方法。
  10. 上記分断工程が、押出工程であることを特徴とする請求項9に記載のマグネシウム合金の圧延材の製造方法。
  11. 上記分断工程が、上記不溶性第2相を分断して、金属組織観察される断面において、該不溶性第2相の大きさが3μm以下となるようにする工程であることを特徴とする請求項9または10に記載のマグネシウム合金の製造方法。
  12. 上記圧延工程が、下記(1)式のKが2.0以下となるような圧延条件で加熱圧延することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のマグネシウム合金の圧延材の製造方法。
    Figure 2008106337
JP2006292483A 2006-10-27 2006-10-27 マグネシウム合金の圧延材およびその製造方法 Pending JP2008106337A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006292483A JP2008106337A (ja) 2006-10-27 2006-10-27 マグネシウム合金の圧延材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006292483A JP2008106337A (ja) 2006-10-27 2006-10-27 マグネシウム合金の圧延材およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008106337A true JP2008106337A (ja) 2008-05-08

Family

ID=39439945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006292483A Pending JP2008106337A (ja) 2006-10-27 2006-10-27 マグネシウム合金の圧延材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008106337A (ja)

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010047045A1 (ja) * 2008-10-22 2010-04-29 住友電気工業株式会社 マグネシウム合金成形体及びマグネシウム合金板
JP2010134159A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Canon Electronics Inc シャッタ羽根及びシャッタ装置
JP2010242146A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Toyota Central R&D Labs Inc マグネシウム合金およびマグネシウム合金部材
WO2011096294A1 (ja) * 2010-02-08 2011-08-11 住友電気工業株式会社 マグネシウム合金板
CN102652180A (zh) * 2009-12-11 2012-08-29 住友电气工业株式会社 镁合金构件
CN102791894A (zh) * 2009-12-11 2012-11-21 住友电气工业株式会社 镁合金构件
WO2014021454A1 (ja) * 2012-08-03 2014-02-06 独立行政法人産業技術総合研究所 薄肉細管並びにこれを作製する引抜き加工装置および引抜き加工方法
JP2014187032A (ja) * 2011-04-18 2014-10-02 Tohoku Univ マグネシウム電池用負極材及びマグネシウム電池
CN104178672A (zh) * 2014-09-12 2014-12-03 杨攀 一种高强度镁合金及其制备方法
CN104805344A (zh) * 2015-04-01 2015-07-29 河南科技大学 一种耐高温镁合金的制备方法
KR20160047447A (ko) * 2016-04-15 2016-05-02 연세대학교 산학협력단 고강도 마그네슘 합금
CN105821269A (zh) * 2016-03-18 2016-08-03 中国科学院长春应用化学研究所 一种高强耐疲劳稀土镁合金及其制备方法
KR20160138829A (ko) * 2015-05-26 2016-12-06 현대제철 주식회사 마그네슘 합금재 및 이의 제조방법
CN106917021A (zh) * 2017-03-02 2017-07-04 东北大学 一种高塑耐热az系高铝镁合金挤压材及其制备方法
KR101787550B1 (ko) * 2015-12-24 2017-10-18 주식회사 포스코 마그네슘 합금 및 이의 제조방법
KR101797131B1 (ko) * 2015-12-24 2017-11-13 주식회사 포스코 주조용 마그네슘 합금 및 이의 제조방법
CN109750198A (zh) * 2019-03-07 2019-05-14 洛阳理工学院 一种含Eu镁合金阳极材料及其制备方法与应用
WO2019132497A1 (ko) * 2017-12-26 2019-07-04 주식회사 포스코 마그네슘 합금 판재 및 이의 제조방법
CN110129644A (zh) * 2019-05-23 2019-08-16 山东省科学院新材料研究所 一种耐热可溶解镁合金及其制备方法和应用
KR20210121541A (ko) * 2020-03-30 2021-10-08 경북대학교 산학협력단 고물성 마그네슘 합금 가공재 및 그 제조방법
WO2021215666A1 (ko) * 2020-04-22 2021-10-28 경북대학교 산학협력단 고물성 마그네슘 합금 가공재 및 그 제조방법
CN113649416A (zh) * 2021-07-22 2021-11-16 吉林大学 一种通过多向热轧制和退火处理促进镁合金第二相析出的方法
CN113718146A (zh) * 2021-09-03 2021-11-30 承德石油高等专科学校 一种Mg-Sn-Ce-Ag-Sc合金及其制备方法
KR102423774B1 (ko) * 2021-03-09 2022-07-21 경북대학교 산학협력단 온간 균질화 열처리를 통해 향상된 물성을 갖는 Mg-Bi계 마그네슘 압출재의 제조방법
CN115427597A (zh) * 2020-05-07 2022-12-02 株式会社吴羽 压裂塞及其制造方法以及坑井的密封方法
CN116043085A (zh) * 2021-10-28 2023-05-02 华为技术有限公司 镁基复合材料及其制备方法和电子设备

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0390530A (ja) * 1989-08-24 1991-04-16 Pechiney Electrometall 機械的強度の高いマグネシウム合金及び該合金の急速凝固による製造方法
JP2000109963A (ja) * 1998-10-05 2000-04-18 Agency Of Ind Science & Technol 高強度難燃性マグネシウム合金の製造方法
JP2006002184A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Toudai Tlo Ltd 高強靭性マグネシウム基合金およびそれを用いた駆動系部品並びに高強靭性マグネシウム基合金素材の製造方法
WO2008016150A1 (fr) * 2006-08-03 2008-02-07 National Institute For Materials Science Alliage de magnésium et son procédé de fabrication

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0390530A (ja) * 1989-08-24 1991-04-16 Pechiney Electrometall 機械的強度の高いマグネシウム合金及び該合金の急速凝固による製造方法
JP2000109963A (ja) * 1998-10-05 2000-04-18 Agency Of Ind Science & Technol 高強度難燃性マグネシウム合金の製造方法
JP2006002184A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Toudai Tlo Ltd 高強靭性マグネシウム基合金およびそれを用いた駆動系部品並びに高強靭性マグネシウム基合金素材の製造方法
WO2008016150A1 (fr) * 2006-08-03 2008-02-07 National Institute For Materials Science Alliage de magnésium et son procédé de fabrication

Cited By (42)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010047045A1 (ja) * 2008-10-22 2010-04-29 住友電気工業株式会社 マグネシウム合金成形体及びマグネシウム合金板
JP2015034350A (ja) * 2008-10-22 2015-02-19 住友電気工業株式会社 マグネシウム合金成形体、マグネシウム合金板、マグネシウム合金成形体の製造方法、及びマグネシウム合金板の製造方法
JPWO2010047045A1 (ja) * 2008-10-22 2012-03-15 住友電気工業株式会社 マグネシウム合金成形体及びマグネシウム合金板
JP2010134159A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Canon Electronics Inc シャッタ羽根及びシャッタ装置
JP2010242146A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Toyota Central R&D Labs Inc マグネシウム合金およびマグネシウム合金部材
US9103010B2 (en) 2009-12-11 2015-08-11 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Magnesium alloy structural member
CN102652180A (zh) * 2009-12-11 2012-08-29 住友电气工业株式会社 镁合金构件
CN102791894A (zh) * 2009-12-11 2012-11-21 住友电气工业株式会社 镁合金构件
CN104250697A (zh) * 2009-12-11 2014-12-31 住友电气工业株式会社 镁合金材料
US8906294B2 (en) 2009-12-11 2014-12-09 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Magnesium alloy material
JP2011179112A (ja) * 2010-02-08 2011-09-15 Sumitomo Electric Ind Ltd マグネシウム合金板
WO2011096294A1 (ja) * 2010-02-08 2011-08-11 住友電気工業株式会社 マグネシウム合金板
US9181608B2 (en) 2010-02-08 2015-11-10 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Magnesium alloy sheet
JP2014187032A (ja) * 2011-04-18 2014-10-02 Tohoku Univ マグネシウム電池用負極材及びマグネシウム電池
WO2014021454A1 (ja) * 2012-08-03 2014-02-06 独立行政法人産業技術総合研究所 薄肉細管並びにこれを作製する引抜き加工装置および引抜き加工方法
US11065135B2 (en) 2012-08-03 2021-07-20 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Thin, narrow tube and drawing apparatus and drawing method for manufacturing the same
CN104619358A (zh) * 2012-08-03 2015-05-13 独立行政法人产业技术总合研究所 薄壁细管以及制作该薄壁细管的拉拔加工装置和拉拔加工方法
US10271971B2 (en) 2012-08-03 2019-04-30 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Thin, narrow tube and drawing apparatus and drawing method for manufacturing the same
CN104178672A (zh) * 2014-09-12 2014-12-03 杨攀 一种高强度镁合金及其制备方法
CN104805344A (zh) * 2015-04-01 2015-07-29 河南科技大学 一种耐高温镁合金的制备方法
KR20160138829A (ko) * 2015-05-26 2016-12-06 현대제철 주식회사 마그네슘 합금재 및 이의 제조방법
KR101685818B1 (ko) 2015-05-26 2016-12-12 현대제철 주식회사 마그네슘 합금재 및 이의 제조방법
KR101787550B1 (ko) * 2015-12-24 2017-10-18 주식회사 포스코 마그네슘 합금 및 이의 제조방법
KR101797131B1 (ko) * 2015-12-24 2017-11-13 주식회사 포스코 주조용 마그네슘 합금 및 이의 제조방법
CN105821269A (zh) * 2016-03-18 2016-08-03 中国科学院长春应用化学研究所 一种高强耐疲劳稀土镁合金及其制备方法
CN105821269B (zh) * 2016-03-18 2018-06-26 中国科学院长春应用化学研究所 一种高强耐疲劳稀土镁合金及其制备方法
KR20160047447A (ko) * 2016-04-15 2016-05-02 연세대학교 산학협력단 고강도 마그네슘 합금
KR102023802B1 (ko) * 2016-04-15 2019-11-05 연세대학교 산학협력단 고강도 마그네슘 합금
CN106917021A (zh) * 2017-03-02 2017-07-04 东北大学 一种高塑耐热az系高铝镁合金挤压材及其制备方法
WO2019132497A1 (ko) * 2017-12-26 2019-07-04 주식회사 포스코 마그네슘 합금 판재 및 이의 제조방법
CN109750198A (zh) * 2019-03-07 2019-05-14 洛阳理工学院 一种含Eu镁合金阳极材料及其制备方法与应用
CN110129644A (zh) * 2019-05-23 2019-08-16 山东省科学院新材料研究所 一种耐热可溶解镁合金及其制备方法和应用
US11795533B2 (en) 2019-05-23 2023-10-24 Qilu University Of Technology Heat-resistant and soluble magnesium alloy, preparation method and use thereof
KR102407828B1 (ko) * 2020-03-30 2022-06-10 경북대학교 산학협력단 고물성 마그네슘 합금 가공재 및 그 제조방법
KR20210121541A (ko) * 2020-03-30 2021-10-08 경북대학교 산학협력단 고물성 마그네슘 합금 가공재 및 그 제조방법
WO2021215666A1 (ko) * 2020-04-22 2021-10-28 경북대학교 산학협력단 고물성 마그네슘 합금 가공재 및 그 제조방법
CN115427597A (zh) * 2020-05-07 2022-12-02 株式会社吴羽 压裂塞及其制造方法以及坑井的密封方法
CN115427597B (zh) * 2020-05-07 2024-03-26 株式会社吴羽 压裂塞及其制造方法以及坑井的密封方法
KR102423774B1 (ko) * 2021-03-09 2022-07-21 경북대학교 산학협력단 온간 균질화 열처리를 통해 향상된 물성을 갖는 Mg-Bi계 마그네슘 압출재의 제조방법
CN113649416A (zh) * 2021-07-22 2021-11-16 吉林大学 一种通过多向热轧制和退火处理促进镁合金第二相析出的方法
CN113718146A (zh) * 2021-09-03 2021-11-30 承德石油高等专科学校 一种Mg-Sn-Ce-Ag-Sc合金及其制备方法
CN116043085A (zh) * 2021-10-28 2023-05-02 华为技术有限公司 镁基复合材料及其制备方法和电子设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008106337A (ja) マグネシウム合金の圧延材およびその製造方法
Homma et al. Fabrication of extraordinary high-strength magnesium alloy by hot extrusion
JP5540415B2 (ja) Mg基合金
JP5852580B2 (ja) 機械的特性に優れている難燃性マグネシウム合金及びその製造方法
JP4189687B2 (ja) マグネシウム合金材
JP6860235B2 (ja) マグネシウム基合金展伸材及びその製造方法
WO2006004072A1 (ja) 高強度・高延性マグネシウム合金及びその製造方法
JP5557121B2 (ja) マグネシウム合金
JP5586027B2 (ja) Mg基合金
JP2016138336A (ja) 展伸用途のマグネシウム系合金
JP6860236B2 (ja) マグネシウム基合金展伸材及びその製造方法
JP6803574B2 (ja) マグネシウム基合金伸展材及びその製造方法
CN102471838B (zh) 镁合金片
Kim et al. Formation of a nanocomposite-like microstructure in Mg–6Al–1Zn alloy
JP6489576B2 (ja) マグネシウム基合金伸展材の製造方法
Ebrahimi et al. Hot deformation behavior of AZ91 magnesium alloy in temperature ranging from 350 C to 425 C
JP2019060026A (ja) マグネシウム基合金伸展材及びその製造方法
JP2004124152A (ja) マグネシウム基合金の圧延線材及びその製造方法
Walke et al. Corrosion resistance of AZ31 alloy after plastic working in NaCl solutions
JP2010047777A (ja) Mg基合金
Noda et al. Texture, microstructure, and mechanical properties of calcium containing flame-resistant magnesium alloy sheets produced by twin-roll casting and sequential warm rolling
JP2004124154A (ja) マグネシウム基合金の圧延線材及びその製造方法
JP7468931B2 (ja) マグネシウム合金、マグネシウム合金板、マグネシウム合金棒およびこれらの製造方法、マグネシウム合金部材
Watanabe et al. Optimization of rolling conditions in Mg–Al–Ca alloy containing insoluble second phase particles
Száraz et al. Superplasticity of an AZ91 Magnesium Alloy

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110929

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20111018

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20111215

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120911

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121108

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121218