JP2008106181A - エポキシ樹脂組成物と半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物と半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 パッケージの小型化、薄型化にともなう充填性の向上を図ると共に、封止材としての放熱性、高熱伝導性を実現することのできる、新しい樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 必須成分としての下記成分が組成物全体量の60重量%以上で含有されているエポキシ樹脂組成物とする。
(A)常温で液状のエポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)硬化助剤
(D)アルミナフィラー
(E)アルミナフィラーに対して0.05/100〜3/100重量倍の範囲内のアルミニウムキレート化合物およびチタニア系カップリング剤のうちの1種または2種以上。
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物とこれを用いて樹脂封止された半導体装置に関するものである。
近年、樹脂封止型半導体装置については、デバイスの高密度化、高集積化、動作の高速化等の傾向にあり、従来型のQFP等のパッケージよりさらに小型、薄型化することのできる半導体素子のパッケージが要求されている。これらの要求に対して、BGAやCSP、ベアチップ実装といった高密度実装が可能なパッケージやフリップチップ実装したパッケージが開発されてきている。
このような小型化、薄型化の傾向において、充填性を良好とすべく常温で液状のエポキシ樹脂を用い、耐熱衝撃性、耐湿性等の信頼性の高いパッケージや電子部品装置を実現するための組成物が検討されてきており、各種の配合成分の組合わせが試みられている(たとえば特許文献1参照)。
ただ、小型、薄型化にともなって、チップの高速演算化、多機能化、高密度化に対応するには、使用時の発熱性が大きくなることから、樹脂組成物には、封止材としての放熱性、つまり高熱伝導性が求められている。
従来より、封止用樹脂組成物に配合される無機質充填材とその表面処理技術とが、樹脂封止された半導体装置、そのパッケージの特性を大きく左右することが知られており、たとえばシリカやアルミナ等の無機質充填材とシラン系、チタニア系、アルミニウム系などのカップリング剤との組合わせが硬化剤、硬化助剤等との組合わせと共に検討されている(例えば特許文献2−4参照)。
しかしながら、封止材としての放熱性、高熱伝導性の実現のための技術手段については依然として確立されていないのが実情である。たとえば、高熱伝導性のためには、無機質充填材としてはシリカよりもアルミナフィラーの使用が好ましく考慮されるが、アルミナフィラーは樹脂との濡れ性が良好でなく、粘度上昇による作業性の低下が生じやすいという問題があった。
特開2006−219601号公報 特開平10−287796号公報 特開2004−51968号公報 特開2002−97254号公報
本発明は、上記のとおりの背景から、パッケージの小型化、薄型化にともなう充填性の向上を図ると共に、封止材としての放熱性、高熱伝導性を実現することのできる、新しい樹脂組成物と、これを用いた樹脂封止半導体装置を提供することを課題としている。
本発明の樹脂組成物は、上記課題を解決するものとして以下のことを特徴としている。
第1:必須成分としての下記成分が組成物全体量の50重量%以上で含有されている。
(A)常温で液状のエポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)硬化助剤
(D)アルミナフィラー
(E)アルミナフィラーに対して0.05/100〜3/100重量倍の範囲内のアルミニウムキレート化合物およびチタニア系カップリング剤のうちの1種または2種以上
第2:上記のエポキシ樹脂組成物において、(C)硬化助剤が、イミダゾールマイクロカプセル型硬化触媒である。
第3:上記いずれかの組成物において、シリカと共にシランカップリング剤が含有されている。
そして、本発明は上記いずれかのエポキシ樹脂組成物の硬化物により樹脂封止されている半導体装置も提供する。
上記第1の発明によれば、アルミナフィラーに対して特定割合のアルミニウムキレート化合物もしくはチタニア系カップリング剤、あるいはその両者を用いることで、アルミナフィラーの配合による封止材の高熱伝導性を実現するとともに、アルミナフィラーと樹脂との濡れ性を良好として粘度を低くし、高充填性のエポキシ樹脂組成物とすることが可能となる。
硬化助剤としてイミダゾールマイクロカプセル型硬化触媒を用いる上記第2の発明によれば、上記の効果はより確実に安定して実現されるとともに、一液性およびポットライフの点でより好ましい組成物とすることが可能となる。
第3の発明では、シリカとともにシランカップリング剤の併用によって、多機能性、多品種性が可能とされる。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、半導体素子パッケージの小型化、薄型化への対応として、常温で液状のエポキシ樹脂の配合を必須としている。ここで、「常温」とは、通常、5℃〜28℃の範囲として考慮される。もちろん上下に若干の温度幅が考慮されてよい。また、「液状」とは流動性を有していることを意味し、固体状とは区別される。
このような常温で液状のエポキシ樹脂としては各種のものであってよく、たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、トリグリジルイソシアヌレート等が挙げられ、これらの中から1種のみまたは2種以上選んで使用できる。
これらの中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂が粘度と硬化物物性の点から特に好ましい。
多官能エポキシ樹脂は下記例に示すような化合物がある。官能基数は3もしくは4が、粘度や硬化性の面で好ましい。また、脂環型エポキシ樹脂やアミン型エポキシ樹脂の3官能、4官能タイプでも問題はない。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物の必須の配合成分としての硬化材としては通常エポキシ樹脂を硬化するものであれば問題はない。
たとえば、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン等のアミン系硬化材、無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物硬化材、フェノールノボラック系硬化材、アリール型フェノール硬化材などがあげられる。
そして、本発明では、配合されるエポキシ樹脂に対する硬化剤の、化学量論上の当量比は、0.6から1.4の範囲が好適である。当量比が0.6未満であると、硬化しにくくなったり、硬化物の耐熱性が低下したり、硬化物の強度が低下したりするので好ましくない。また、当量比が1.4よりも多くなると、硬化物の耐熱性が低下したり、硬化後の接着強度が低下したり、硬化物の吸湿率が高くなるなどの欠点が発現してくるので好ましくない。また、特に好ましいエポキシ樹脂に対する硬化剤の当量比は、0.75〜1.00の範囲である。
また、信頼性の点からNaイオンやClイオン、Brイオン等の不純物が出来るだけ少ないエポキシ樹脂及び硬化剤を使用する方が好ましい。
ここで、エポキシ樹脂と硬化剤との化学量論上の反応基のモル比、即ちエポキシ当量と硬化剤当量との比率(当量比)は、100:60〜100:120であることが好ましく、より好ましくは、100:75〜100:100である。この範囲を外れた場合、つまりエポキシ樹脂のエポキシ当量100に対して硬化剤の硬化剤当量が60未満であると、エポキシ樹脂組成物が硬化し難くなったり、硬化しても硬化物の耐熱性が低下したり、硬化物の強度が低下したりするおそれがある。また逆に、硬化剤当量が120を超えると、硬化物の耐熱性が低下したり、硬化後の接着強度が低下したり、硬化物の吸湿率が高くなったりするおそれがある。尚、本発明では硬化剤として酸無水物を使用しているため、硬化剤当量を酸無水物当量ともいう。
硬化促進剤も配合するが、このものは、アミン化合物、イミダゾール化合物、リン化合物として従来より知られている各種のものから選択されてよいが、エポキシ樹脂組成物としての一液性、ポットライフの点からは、アミン化合物、なかでも第三級アミン化合物やイミダゾール骨格を有する各種のイミダゾール化合物、さらにはイミダゾールマイクロカプセル型硬化触媒の使用が好適に考慮される。特に本発明においては、硬化助剤としては、微細球粒子(いわゆるマイクロカプセル)又はアミンアダクト粒子の少なくとも一方を用いることが好ましい。ここで、本発明における微細球粒子とは、イミダゾール骨格を有する化合物を核とするもの(特開2002−97254号公報参照)であって、更にこの核の周囲を熱硬化性樹脂による被膜で被覆して得られるものである。具体的にはこのような微細球粒子は、乳化重合等の一般的な方法により作製することができ、被膜としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂を好適に用いることができる。また微細球粒子のサイズ(粒径)は、50μm以下が好ましく、10μm以下が更に好ましく、特に好ましくは5μm以下である。このように微細球粒子のサイズが小さいほど、フリップチップ実装を行うにあたって、半導体チップと回路基板との間の隙間へエポキシ樹脂組成物が侵入し易くなるものであり、また微細球粒子がエポキシ樹脂組成物中に均一に分散され、得られる硬化物全体を均質とすることができるものである。なお、上記のイミダール系マイクロカプセル型の硬化促進剤としては、市販されているものを用いることもできる。
一方、アミンアダクト粒子とは、アミンやイミダゾール、アミノ酸、アミド等と各種エポキシ樹脂とから合成されるものをいい、このアミンアダクト粒子のサイズ(粒径)も上記の微細球粒子の場合と同様に、50μm以下が好ましく、10μm以下が更に好ましく、特に好ましくは5μm以下である。そしてサイズが小さいほど、エポキシ樹脂組成物の浸入性が良好になると共に硬化物全体を均質とすることができるものである。尚、アミンアダクト粒子の硬化促進剤としては、商品名「アミキュア」として(株)味の素から市販されているものを用いることができる。
そして、上記の微細球粒子やアミンアダクト粒子がエポキシ樹脂組成物中に含有されていると、エポキシ樹脂組成物を長期間にわたって貯蔵することができる上に、フリップチップ実装において好適な特性、即ち、浸透性やフィレット性を発現させることができるものである。
そして本発明のエポキシ樹脂組成物においては、アルミナフィラーの配合を必須としている。この場合のアルミナフィラーとしては、最大粒径が0.5〜20μmの範囲内のものが好ましい。
ここで最大粒径とは、フルイにかけ、99質量%以上100質量%未満のものがフルイを通過した場合におけるフルイの網目の大きさとして定義されるのものであるが、目開きが40μm程度以下になるとフルイ効率が著しく低下し、更に10μm以下になるとフルイの入手も困難になるので、実際には粒度分布測定装置によって測定されたフルイした累積分布(その粒子径以下に全体の何%の粒子が存在するかを示す分布)から、99%点の粒子径(この粒子径以下に全体の99%の粒子が存在する)を特定することで示される。
最大粒径が0.5μm未満であると、充填材としては微細過ぎてエポキシ樹脂組成物の粘性が増加するものであり、半導体チップと回路基板との間の隙間への浸入性が低下するものである。逆に最大粒径が20μmを超えると、硬化時における加温によって樹脂が低粘度化し、比重の大きい充填材粒子が沈降して、鉛直方向について充填材含有率の不均一が生じる等の不都合が発生するものである。尚、アルミナの粒子形状は、板状や破砕状よりも球状あるいは球状に近い正多面体状のものが好適である。
また、アルミナの比表面積は、0.2〜30m2/gであることが好ましい。この比表面積が30m2/gを超えると、エポキシ樹脂組成物にチクソトロピックな性質が強く現れるようになり、流動性が著しく低下するおそれがある。比表面積の下限は0.2m2/gとしているが、理論的には幾何計算を行うことにより求められる。即ち、比重3.96、直径10μmの球とすると、0.15m2/gと求められる。しかしながら、実際上、比表面積を0.2m2/gを下回って上記の幾何計算値に近付けようとすると、フルイ分け等の分級操作で微粉を徹底して除去する工程が必要となり、著しいコストアップにつながり、現実的ではなくなるものである。
アルミナフィラーの配合量については、エポキシ樹脂組成物の全体重量において、40〜85重量%の範囲内とすることが好ましい。40重量%未満の場合には、封止材としての機能、そして本発明の所期目的である高熱伝導性(放熱性)を実現することが難しくなり、逆に85重量%を超えると流動性、充填性が低下し、封止材としての機能も失われることになる。
以上のようなアルミナフィラー配合の効果、すなわち高熱伝導性の実現とともに、樹脂との濡れを良好とするために、本発明においては、アルミニウムキレート化合物およびチタニア系カップリング剤のうちの1種もしくは2種以上の配合を必須としている。しかも、この配合は、アルミナフィラーに対して0.05/100〜3/100重量倍の範囲内であることを必須としてもいる。
配合割合が0.05/100未満の場合にはアルミナフィラーと樹脂との濡れが悪く、粘度が低減しない。一方、3/100を超える場合には熱伝導性の向上が阻害され、さらには耐熱性が劣化することになる。この配合割合についてはより好ましくは0.2/100〜3/100の範囲である。確実で、安定した効果の実現が可能とされる。
アルミニウムキレート化合物は各種のものであってよいが、好適には、アルミニウムアルコレートのRO基の一部または全部をアルキルアセト酢酸エステル、アセチルアセトンなどのキレート化剤で置換して作られるものである。具体的には、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート等が挙げられる。
またチタニア系カップリング剤も各種のものであってよく、たとえば好適には、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジイソプロピルビス(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等を用いることができる。
これらのアルミニウムキレート化合物やカップリング剤は、単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用することもできる。また、これらは、予め湿式法あるいは乾式法でアルミナフィラーを処理することによって使用してもよいし、樹脂に混合するインテグラルブレンド法を行うことによって使用してもよい。
なお、本発明の組成物では、上記のアルミナフィラー以外にも、これに併用して他の無機充填材を配合してもよい。たとえば溶融シリカ、結晶シリカ、微粉シリカ、マグネシア、窒化珪素等である。これらは、アルミナフィラーの配合量に対して、0.7重量倍以下とすることが好ましい。
なかでも、本発明ではシリカを配合するとともに、シランカップリング剤をも併用することができ、これによって、封止材の性質、機能の改変や調整が容易に行えることになる。シリカについては、その粒径や比表面積等は、アルミナフィラーの場合とほぼ同様に考慮することができる。シランカップリング剤も各種であってよく、たとえば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン、更に、エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タイプのシラン等を用いることができ、特に、エポキシシラン、アミノシラン、メルカプトシランが好適である。
これらのシランカップリング剤の使用量は、上記のアルミニウムキレート化合物やチタニア系カップリング剤の添加配合量に対して1.0重量倍以下とするのが好ましい。
本発明の以上のような成分を配合するエポキシ樹脂組成物においては、必須の成分としての、
(A)常温で液状のエポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)硬化助剤
(D)アルミナフィラー
(E)アルミニウムキレート化合物およびチタニア系カップリング剤のうちの1種または2種以上、
の合計量が、組成物全体量の50重量%以上含有されているものとする。50重量%未満の場合には、封止材としての所期目的の実現は難しくなる。
もちろん、本発明においては必要に応じて他の樹脂や顔料、希釈剤、消泡剤等を用いても問題はない。カップリング剤などエポキシ樹脂の改質、基板等の密着性を向上させる等の目的で用いられるものが好ましい。
本発明において、均一な液状のエポキシ樹脂組成物を調製するにあたっては、一般的に前述した各成分を攪拌型の分散機で混合したり、ビーズミルで分散混合したり、3本のロールで分散混合したりすることによって行うことができるものであるが、これらの方法に限定されるものではない。
上記のようにして調製される液状のエポキシ樹脂組成物は、フリップチップ実装等における封止材として用いることができる。封止を行う半導体装置としては、たとえば、半導体チップの電極と回路基板の電極とが金属パンプにより電気的に接合されたものを用いることができる。このような半導体装置において金属パンプは、半田、金、銅などの金属で形成されており、この金属パンプを介して半導体チップと回路基板との間には隙間が形成されている。ここで回路基板としては、FR4やFR5などの繊維基材を含む有機基板、あるいは繊維基材を含まないビルドアップ型の有機基板、更にポリイミドやポリエステルなどの有機フィルム、アルミナやガラスなどの無機基板等を用いることができる。
もちろん、本発明では、上記に限られずに、従来同様の封止方法が適宜に採用されてよい。
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。但し、以下の例によって本発明が限定されることはない。
(1)組成物とその成分
以下の成分を用いて、実施例並びに比較例のエポキシ樹脂組成物を調製した。調製は、各成分の攪拌混合によって行った。ディスパーとボールミルとが用いられた。各成分の配合割合(重量部)は表1および表2に示した。
a)液状エポキシ樹脂
ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシレジン、エピコート828、エポキシ当量189)
b)硬化剤
メチルテトラヒドロ無水フタル酸
(新日本理化、MH−700、酸無水物当量166)
c)硬化助剤
・イミダゾールマイクロカプセル型潜在性触媒
(旭化成エポキシ、HX−3941HP)
・イミダゾール
(四国化成工業、1B2PZ)
・アミン変性触媒
(旭電化工業、EH3849S)
・リン触媒
(北興化学、TPP)
d)無機質充填材
・アルミナフィラー
(DAW10、電気化学工業、最大粒径75μm)
(DAW05、電気化学工業、最大粒径50μm)
・シリカ
(QS−9、MRCユニテック、最大粒径35μm)
e)アルミニウムキレート化合物
(川研ケミカル、ALCH)
チタニア系カップリング剤
(味の素、KR−TTS)
エポキシシランカップリング剤
(GE東芝シリコーン、A−187)
(2)評価
表1および表2の各組成物について、その粘度と半導体封止にともなうPCT試験の結果を以下の方法により評価した。評価結果は表1および表2に示した。本発明の実施例においては、いずれも良好であって、かつ比較例に比べて顕著であることがわかる。
<粘度>
BH型粘度計を用いて樹脂温度25℃、20rpmでの粘度を測定した。
粘度100Pa・s以下を○、100〜150Pa・s以下を△、150Pa・s以上を×と判定した。
<PCT試験>
エポキシ樹脂組成物を浸入させた半導体部品を、150℃の温度で2時間で硬化させた。硬化後の半導体部品の電気的動作確認結果が良品であったものについて、PCT試験を行った。121℃2atmの条件下において200hr後の素子の動作確認を行い、良否を判定する。
10個の供試サンプル中の不良数が、0〜3個を○、4〜6個を△、7〜10個を×と判定した。
Figure 2008106181
Figure 2008106181

Claims (4)

  1. 必須成分としての下記成分が組成物全体量の50重量%以上で含有されていることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    (A)常温で液状のエポキシ樹脂
    (B)硬化剤
    (C)硬化助剤
    (D)アルミナフィラー
    (E)アルミナフィラーに対して0.05/100〜3/100重量倍の範囲内のアルミニウムキレート化合物およびチタニア系カップリング剤のうちの1種または2種以上
  2. (C)硬化助剤が、イミダゾールマイクロカプセル型硬化触媒であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. シリカと共にシランカップリング剤が含有されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物により樹脂封止されていることを特徴とする半導体装置。
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