JP2008099042A - マイクロメカニカル共振器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係るマイクロメカニカル共振器においては、共振ビーム52に対して各ギャップ部を介して作用する静電気力の変動幅が、共振ビーム52の中央部近傍のギャップ部で最も小さく且つ両端部近傍のギャップ部で最も大きくなる様に設定されている。
【選択図】図1
Description
そして、入力電極(94)には高周波電源(6)が接続されると共に、1つのアンカー(93)には主電圧電源(7)が接続されている。
そして、入力電極(106)には高周波電源(6)が接続されると共に、1つのアンカー(104)には主電圧電源(7)が接続されている。
2.共振ビーム(52)の両端部間に形成されている各ギャップ部のギャップ長が、共振ビーム(52)の中央部近傍のギャップ部で最も大きく且つ両端部近傍のギャップ部で最も小さくなる様に設定されている構成、
3.共振ビーム(52)の両端部間に形成されている各ギャップ部の幅が、共振ビーム(52)の中央部近傍のギャップ部で最も小さく且つ両端部近傍のギャップ部で最も大きくなる様に設定されている構成。
共振ビーム(52)の各領域に一定の静電気力を作用させることによって各領域に生じる静的変位量を求め、これらの領域における静的変位量が領域間で均等となる様、静電気力の領域間比率を決定する。そして、その静電気力の領域間比率と一致若しくは略一致する様に、共振ビーム(52)の各ギャップ部に面する領域に作用させるべき交番静電気力の領域間の比率を設定する。
該具体的構成によれば、共振ビーム(52)が高次共振モードで振動するとき、共振ビーム(52)は断面積の小さなくびれ部(54)にて容易に屈曲するので、共振ビーム(52)には理想的な波形の振動が発生し易くなる。
基本構成
図1は、本発明に係るマイクロメカニカル共振器の基本的な構成を表わしている。該マイクロメカニカル共振器においては、基板(9)上に共振ビーム(52)が配備され、該共振ビーム(52)の両端部はそれぞれアンカー(3)により基板(9)に固定されており、これによって、共振ビーム(52)は基板(9)の表面から僅かに浮上した位置に保持されている。
斯くして、共振ビーム(52)は、両アンカー(3)(3)が支持部(50)(50)となって、基板(9)の表面と平行な面内で振動が可能である。
図1の例は3次共振モードを得るための構成を示し、共振ビーム(52)における3次共振モードの腹の部分に対応して電極突出部(10)(10)(10)が配置され、節の部分に対応してくびれ部(54)〜(54)が形成される。
この場合、一方のアンカー(3)を介して共振ビーム(52)に直流電圧を印加した状態で、2つの電極に高周波信号を入力すると、共振ビーム(52)と両電極の間にギャップ部を介して交番静電気力が発生し、該静電気力によって共振ビーム(52)が基板(9)の表面と平行な面内で振動する。この共振ビーム(52)の振動により、共振ビーム(52)と両電極の間の静電容量が変化し、該静電容量の変化が他方のアンカー(3)から高周波信号として出力される。
この場合、一方のアンカー(3)を介して共振ビーム(52)に直流電圧を印加した状態で、一方の電極に高周波信号を入力すると、共振ビーム(52)と前記一方の電極との間にギャップ部を介して交番静電気力が発生し、該静電気力によって共振ビーム(52)が基板(9)の表面と平行な面内で振動する。この共振ビーム(52)の振動により、共振ビーム(52)と両電極の間の静電容量が変化し、該静電容量の変化が他方の電極から高周波信号として出力される。
即ち、図1の場合、共振ビーム(52)の中央の非くびれ部(53)と電極突出部(10)との間に作用する交番静電気力の変動幅のピーク値をFa、両側の非くびれ部(53)(53)と電極突出部(20)(20)との間に作用する交番静電気力の変動幅のピーク値をFbとすると、Fa<Fbの大小関係となる様に設定されている。
第1実施例
図7及び図8に示すマイクロメカニカル共振器においては、シリコン或いはガラスからなる基板(9)上に、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる共振子(5)が配備されると共に、該共振子(5)の両側には、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる一対の駆動電極(1)(2)が配備されている。
又、共振子(5)の両支持ビーム(51)(51)の外側には、それぞれ支持ビーム(51)の中央部に対向して、一対のバイアス電極(4)(4)が配備されており、支持ビーム(51)とバイアス電極(4)の間には所定(例えば0.1〜0.5μm)のギャップが形成されている。
一方の駆動電極(1)の3つの電極突出部(10)(10)(10)と他方の駆動電極(2)の3つの電極突出部(20)(20)(20)はそれぞれ、基板(9)の表面と平行な面内で、共振ビーム(52)の非くびれ部と交互に対向して、共振ビーム(52)の非くびれ部との間に所定(例えば0.1〜0.5μm)のギャップ部Gを形成している。
斯くして、図7及び図8に示すマイクロメカニカル共振器は、高周波電源(6)から2つの駆動電極(1)(2)に高周波信号が入力されて、1つのアンカー(3)から高周波信号Ioが出力される1ポート型の共振器を構成している。
電極突出部(10)(20)と共振ビーム(52)の非くびれ部との間に発生させるべき静電気力は、上述の如く、共振ビーム(52)の中央部近傍のギャップ部で最も小さく且つ両端部近傍のギャップ部で最も大きくなる様に設定される。
従って、バイアス電圧電源(8)のバイアス電圧を調整することにより、共振ビーム(52)の共振周波数を変化させて、アンカー(3)から出力される高周波信号Ioの周波数を微調整することが出来る。
図9に示すマイクロメカニカル共振器においては、シリコン或いはガラスからなる基板(9)上に、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる共振子(5)が配備されると共に、該共振子(5)の両側には、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる入力電極(22)と出力電極(12)が配備されている。
入力電極(22)の3つの電極突出部(24)(24)(24)と出力電極(12)の3つの電極突出部(14)(14)(14)はそれぞれ、基板(9)の表面と平行な面内で、共振ビーム(52)の非くびれ部と交互に対向して、共振ビーム(52)の非くびれ部との間に所定(例えば0.1〜0.5μm)のギャップ部Gを形成している。
斯くして、図9に示すマイクロメカニカル共振器は、高周波電源(6)から入力電極(22)に高周波信号が入力されて、出力電極(12)から高周波信号Ioが出力される2ポート型の共振器を構成している。
電極突出部(10)と共振ビーム(52)の非くびれ部との間に発生させるべき静電気力は、上述の如く、共振ビーム(52)の中央部近傍のギャップ部で最も小さく且つ両端部近傍のギャップ部で最も大きくなる様に設定される。
従って、バイアス電圧電源(8)のバイアス電圧を調整することにより、共振ビーム(52)の共振周波数を変化させて、アンカー(3)から出力される高周波信号Ioの周波数を微調整することが出来る。
図10に示すマイクロメカニカル共振器においては、シリコン或いはガラスからなる基板(9)上に、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる共振子(5)が配備されると共に、該共振子(5)の両側には、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる一対の駆動電極(15)(25)が配備されている。
一方の駆動電極(15)の3つの電極突出部(16)(16)(16)と他方の駆動電極(25)の3つの電極突出部(26)(26)(26)はそれぞれ、基板(9)の表面と垂直な面内で、共振ビーム(52)の非くびれ部と交互に対向して、共振ビーム(52)の非くびれ部との間に所定(例えば0.1〜0.5μm)のギャップ部を形成している。
斯くして、図10に示すマイクロメカニカル共振器は、高周波電源(6)から2つの駆動電極(15)(25)に高周波信号が入力されて、1つのアンカー(3)から高周波信号Ioが出力される1ポート型の共振器を構成している。
電極突出部(16)(26)と共振ビーム(52)の非くびれ部との間に発生させるべき静電気力は、上述の如く、共振ビーム(52)の中央部近傍のギャップ部で最も小さく且つ両端部近傍のギャップ部で最も大きくなる様に設定される。
従って、バイアス電圧電源(8)のバイアス電圧を調整することにより、共振ビーム(52)の共振周波数を変化させて、アンカー(3)から出力される高周波信号Ioの周波数を微調整することが出来る。
図12に示すマイクロメカニカル共振器においては、シリコン或いはガラスからなる基板(9)上に、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる共振子(5)が配備されると共に、該共振子(5)の両側には、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる入力電極(27)と出力電極(17)が配備されている。
斯くして、図12に示すマイクロメカニカル共振器は、高周波電源(6)から入力電極(27)に高周波信号が入力されて、出力電極(17)から高周波信号Ioが出力される2ポート型の共振器を構成している。
電極突出部(28)と共振ビーム(52)の非くびれ部との間に発生させるべき静電気力は、上述の如く、共振ビーム(52)の中央部近傍のギャップ部で最も小さく且つ両端部近傍のギャップ部で最も大きくなる様に設定される。
従って、バイアス電圧電源(8)のバイアス電圧を調整することにより、共振ビーム(52)の共振周波数を変化させて、アンカー(3)から出力される高周波信号Ioの周波数を微調整することが出来る。
(10) 電極突出部
(2) 駆動電極
(20) 電極突出部
(3) アンカー
(4) バイアス電極
(5) 共振子
(50) 支持部
(51) 支持ビーム
(52) 共振ビーム
(53) 非くびれ部
(54) くびれ部
(6) 高周波電源
(7) 主電圧電源
(8) バイアス電圧電源
(9) 基板
Claims (6)
- 基板(9)上に両端部が支持された共振ビーム(52)と、該共振ビーム(52)の両端部間の軸部に対向して配置された2つの電極(1)(2)とを具え、共振ビーム(52)の両端部間にて、一方の電極(1)と共振ビーム(52)とが互いに対向して、1或いは複数のギャップ部が形成されると共に、他方の電極(2)と共振ビーム(52)とが互いに対向して、1或いは複数のギャップ部が形成され、高周波信号の入力により何れか一方若しくは両方の電極(1)(2)と共振ビーム(52)との間に交番静電気力を発生させて共振ビーム(52)に振動を与え、何れか一方若しくは両方の電極(1)(2)と共振ビーム(52)との間の静電容量の変化を高周波信号として出力するマイクロメカニカル共振器において、共振ビーム(52)に対して各ギャップ部を介して作用する静電気力の変動幅が、共振ビーム(52)の中央部近傍のギャップ部で最も小さく且つ両端部近傍のギャップ部で最も大きくなる様に設定されており、これによって1次の共振モードの振動を抑えて高次の共振モードの振動を増大させたことを特徴とするマイクロメカニカル共振器。
- 一方の電極(1)は共振ビーム(52)の中央部近傍にギャップ部を形成すると共に、他方の電極(2)は共振ビーム(52)の両端部近傍にギャップ部を形成するものであって、前記他方の電極(2)には、該電極(2)に一定のバイアス電圧を印加するためのバイアス電圧源が接続されている請求項1に記載のマイクロメカニカル共振器。
- 共振ビーム(52)の両端部間に形成されている各ギャップ部のギャップ長が、共振ビーム(52)の中央部近傍のギャップ部で最も大きく且つ両端部近傍のギャップ部で最も小さくなる様に設定されている請求項1に記載のマイクロメカニカル共振器。
- 共振ビーム(52)の両端部間に形成されている各ギャップ部の幅が、共振ビーム(52)の中央部近傍のギャップ部で最も小さく且つ両端部近傍のギャップ部で最も大きくなる様に設定されている請求項1に記載のマイクロメカニカル共振器。
- 基板(9)上に両端部が支持された共振ビーム(52)と、該共振ビーム(52)の両端部間の軸部に対向して配置された2つの電極(1)(2)とを具え、共振ビーム(52)の両端部間にて、一方の電極(1)と共振ビーム(52)とが互いに対向して、1或いは複数のギャップ部が形成されると共に、他方の電極(2)と共振ビーム(52)とが互いに対向して、1或いは複数のギャップ部が形成され、高周波信号の入力により何れか一方若しくは両方の電極(1)(2)と共振ビーム(52)との間に交番静電気力を発生させて共振ビーム(52)に振動を与え、何れか一方若しくは両方の電極(1)(2)と共振ビーム(52)との間の静電容量の変化を高周波信号として出力するマイクロメカニカル共振器において、共振ビーム(52)の各ギャップ部に面する領域に作用させるべき交番静電気力の領域間の比率は、各領域に一定の静電気力を作用させた場合において各領域の静的変位量が均等となるときの静電気力の領域間比率と同一、若しくは略同一となる様、調整されていることを特徴とするマイクロメカニカル共振器。
- 共振ビーム(52)には、振動の節となる複数の領域にそれぞれ、他の領域よりも断面積の小さなくびれ部(54)が凹設されている請求項1乃至請求項5の何れかに記載のマイクロメカニカル共振器。
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