JP2009118281A - マイクロメカニカル共振器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係るマイクロメカニカル共振器においては、共振ビーム52に複数のくびれ部54が形成されており、これによって形成される複数の非くびれ部53は、両端寄りのくびれ部54よりも中央寄りのくびれ部54の方が断面一次モーメントの大きな断面形状を有している。
【選択図】図1
Description
そして、入力電極(94)には高周波電源(6)が接続されると共に、1つのアンカー(93)には主電圧電源(7)が接続されている。
そして、入力電極(106)には高周波電源(6)が接続されると共に、1つのアンカー(104)には主電圧電源(7)が接続されている。
本発明者らは、1次の共振モードの振動を抑えて高次の共振モードの振動を増大させることが可能なマイクロメカニカル共振器を提供するべく鋭気研究を重ねる過程で、図3に示す如きマイクロメカニカル共振器を発明した。
斯くして、共振ビーム(52)は、両アンカー(3)(3)が支持部(50)(50)となって、基板(9)の表面と平行な面内で振動が可能である。
図3の例は3次共振モードを得るための構成を示し、共振ビーム(52)における3次共振モードの腹の部分に対応して電極突出部(10)(20)(20)が配置され、節の部分に対応してくびれ部(54)〜(54)が形成される。
この場合、一方のアンカー(3)を介して共振ビーム(52)に直流電圧を印加した状態で、2つの電極に高周波信号を入力すると、共振ビーム(52)と両電極の間にギャップ部を介して交番静電気力が発生し、該静電気力によって共振ビーム(52)が基板(9)の表面と平行な面内で振動する。この共振ビーム(52)の振動により、共振ビーム(52)と両電極の間の静電容量が変化し、該静電容量の変化が他方のアンカー(3)から高周波信号として出力される。
即ち、図3の場合、共振ビーム(52)の中央の非くびれ部(53)と電極突出部(10)との間に作用する交番静電気力の変動幅のピーク値をFa、両側の非くびれ部(53)(53)と電極突出部(20)(20)との間に作用する交番静電気力の変動幅のピーク値をFbとすると、Fa<Fbの大小関係となる様に設定されている。
例えば、共振ビーム(52)に電極を対向させて形成されている複数のギャップ部のギャップ長を、共振ビーム(52)の中央部のギャップ部で最も大きく且つ両端部のギャップ部で最も小さくなる様に設定する構成や、共振ビーム(52)に対向する電極部の幅(ギャップ部の幅)を、共振ビーム(52)の中央部のギャップ部で最も小さく且つ両端部のギャップ部で最も大きくなる様に設定する構成を採用することが出来る。
図1は、本発明に係るマイクロメカニカル共振器の第1の実施形態を表わしている。該マイクロメカニカル共振器においては、基板(9)上に共振ビーム(52)が配備され、該共振ビーム(52)の両端部はそれぞれアンカー(3)により基板(9)に固定されており、これによって、共振ビーム(52)は基板(9)の表面から僅かに浮上した位置に保持されている。
斯くして、共振ビーム(52)は、両アンカー(3)(3)が支持部(50)(50)となって、基板(9)の表面と平行な面内で振動が可能である。
ここで、3つのギャップ部におけるギャップ幅及びギャップ長は同一に形成されている。
この場合、一方のアンカー(3)を介して共振ビーム(52)に直流電圧を印加した状態で、2つの電極に高周波信号を入力すると、共振ビーム(52)と両電極の間にギャップ部を介して交番静電気力が発生し、該静電気力によって共振ビーム(52)が基板(9)の表面と平行な面内で振動する。この共振ビーム(52)の振動により、共振ビーム(52)と両電極の間の静電容量が変化し、該静電容量の変化が他方のアンカー(3)から高周波信号として出力される。
この場合、一方のアンカー(3)を介して共振ビーム(52)に直流電圧を印加した状態で、一方の電極に高周波信号を入力すると、共振ビーム(52)と前記一方の電極との間にギャップ部を介して交番静電気力が発生し、該静電気力によって共振ビーム(52)が基板(9)の表面と平行な面内で振動する。この共振ビーム(52)の振動により、共振ビーム(52)と両電極の間の静電容量が変化し、該静電容量の変化が他方の電極から高周波信号として出力される。
第1構成例
図7及び図8に示すマイクロメカニカル共振器においては、シリコン或いはガラスからなる基板(9)上に、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる共振子(5)が配備されると共に、該共振子(5)の両側には、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる一対の駆動電極(1)(2)が配備されている。
ここで、共振ビーム(52)に形成されている複数のくびれ部の断面形状は、振動面内での曲げ変形に関して、中央寄りのくびれ部の断面一次モーメントが両端寄りのくびれ部の断面一次モーメントよりも大きくなる様に形成されている。
一方の駆動電極(1)の3つの電極突出部(10)(10)(10)と他方の駆動電極(2)の3つの電極突出部(20)(20)(20)はそれぞれ、基板(9)の表面と平行な面内で、共振ビーム(52)の非くびれ部と交互に対向して、共振ビーム(52)の非くびれ部との間に所定(例えば0.1〜0.5μm)のギャップ部Gを形成している。
斯くして、図7及び図8に示すマイクロメカニカル共振器は、高周波電源(6)から2つの駆動電極(1)(2)に高周波信号が入力されて、1つのアンカー(3)から高周波信号Ioが出力される1ポート型の共振器を構成している。
尚、共振ビーム(52)に発生する高次共振モードの振動波形は、該波形に含まれる複数のピーク値が互いに等しくなる理想的なものに近づき、その結果、1次の共振モードの振動が抑えられて高次の共振モードの振動が増大することになる。
従って、バイアス電圧電源(8)のバイアス電圧を調整することにより、共振ビーム(52)の共振周波数を変化させて、アンカー(3)から出力される高周波信号Ioの周波数を微調整することが出来る。
図9に示すマイクロメカニカル共振器においては、シリコン或いはガラスからなる基板(9)上に、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる共振子(5)が配備されると共に、該共振子(5)の両側には、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる入力電極(22)と出力電極(12)が配備されている。
入力電極(22)の3つの電極突出部(24)(24)(24)と出力電極(12)の3つの電極突出部(14)(14)(14)はそれぞれ、基板(9)の表面と平行な面内で、共振ビーム(52)の非くびれ部と交互に対向して、共振ビーム(52)の非くびれ部との間に所定(例えば0.1〜0.5μm)のギャップ部Gを形成している。
斯くして、図9に示すマイクロメカニカル共振器は、高周波電源(6)から入力電極(22)に高周波信号が入力されて、出力電極(12)から高周波信号Ioが出力される2ポート型の共振器を構成している。
尚、共振ビーム(52)に発生する高次共振モードの振動波形は、該波形に含まれる複数のピーク値が互いに等しくなる理想的なものに近づき、その結果、1次の共振モードの振動が抑えられて高次の共振モードの振動が増大することになる。
従って、バイアス電圧電源(8)のバイアス電圧を調整することにより、共振ビーム(52)の共振周波数を変化させて、アンカー(3)から出力される高周波信号Ioの周波数を微調整することが出来る。
図10に示すマイクロメカニカル共振器においては、シリコン或いはガラスからなる基板(9)上に、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる共振子(5)が配備されると共に、該共振子(5)の両側には、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる一対の駆動電極(15)(25)が配備されている。
一方の駆動電極(15)の3つの電極突出部(16)(16)(16)と他方の駆動電極(25)の3つの電極突出部(26)(26)(26)はそれぞれ、基板(9)の表面と垂直な面内で、共振ビーム(52)の非くびれ部と交互に対向して、共振ビーム(52)の非くびれ部との間に所定(例えば0.1〜0.5μm)のギャップ部を形成している。
斯くして、図10に示すマイクロメカニカル共振器は、高周波電源(6)から2つの駆動電極(15)(25)に高周波信号が入力されて、1つのアンカー(3)から高周波信号Ioが出力される1ポート型の共振器を構成している。
尚、共振ビーム(52)に発生する高次共振モードの振動波形は、該波形に含まれる複数のピーク値が互いに等しくなる理想的なものに近づき、その結果、1次の共振モードの振動が抑えられて高次の共振モードの振動が増大することになる。
従って、バイアス電圧電源(8)のバイアス電圧を調整することにより、共振ビーム(52)の共振周波数を変化させて、アンカー(3)から出力される高周波信号Ioの周波数を微調整することが出来る。
図12に示すマイクロメカニカル共振器においては、シリコン或いはガラスからなる基板(9)上に、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる共振子(5)が配備されると共に、該共振子(5)の両側には、シリコン、アルミニウム等の導電材料からなる入力電極(27)と出力電極(17)が配備されている。
斯くして、図12に示すマイクロメカニカル共振器は、高周波電源(6)から入力電極(27)に高周波信号が入力されて、出力電極(17)から高周波信号Ioが出力される2ポート型の共振器を構成している。
尚、共振ビーム(52)に発生する高次共振モードの振動波形は、該波形に含まれる複数のピーク値が互いに等しくなる理想的なものに近づき、その結果、1次の共振モードの振動が抑えられて高次の共振モードの振動が増大することになる。
従って、バイアス電圧電源(8)のバイアス電圧を調整することにより、共振ビーム(52)の共振周波数を変化させて、アンカー(3)から出力される高周波信号Ioの周波数を微調整することが出来る。
図2は、本発明に係るマイクロメカニカル共振器の第2実施形態を表わしている。該マイクロメカニカル共振器においては、基板(9)上に共振ビーム(52)が配備され、該共振ビーム(52)の両端部はそれぞれアンカー(3)により基板(9)に固定されており、これによって、共振ビーム(52)は基板(9)の表面から僅かに浮上した位置に保持されている。
斯くして、共振ビーム(52)は、両アンカー(3)(3)が支持部(50)(50)となって、基板(9)の表面と平行な面内で振動が可能である。
又、共振ビーム(52)の中央の非くびれ部(53)を挟んで、第1電極(1)の電極突出部(10)と反対側には、外力調整用電極パッド(41)が形成されている。
又、外力調整用電極パッド(41)には、減衰器(42)を介して高周波電源(6)が接続されている。
ここで、外力調整用電極パッド(41)には、高周波電源(6)からの高周波信号を減衰器(42)により減衰させた高周波信号が印加されているので、中央の非くびれ部(53)に作用する静電気力の一部が、外力調整用電極パッド(41)から作用する静電気力によって打ち消される。
この共振ビーム(52)の振動により、共振ビーム(52)と両電極の間の静電容量が変化し、該静電容量の変化が他方のアンカー(3)から高周波信号として出力される。
そこで、この3次共振モードを利用することによって、従来よりも高い周波数帯域で動作する高周波無線通信機器を容易に構成することが出来る。
また、第2実施形態においては、外力調整用電極パッドから作用する静電気力を調整することによって、くびれ部を形成しなくても高次共振モードを得ることが出来る。
又、本発明に係るマイクロメカニカル共振器の第1の実施形態と第2の実施形態を同時に採用して、第2実施形態の外力調整用電極パッド(41)により中央の非くびれ部(53)に作用する静電気力を微調整する構成とすることも可能である。
(10) 電極突出部
(2) 駆動電極
(20) 電極突出部
(3) アンカー
(4) バイアス電極
(41) 外力調整用電極パッド
(5) 共振子
(50) 支持部
(51) 支持ビーム
(52) 共振ビーム
(53) 非くびれ部
(54) くびれ部
(6) 高周波電源
(7) 主電圧電源
(9) 基板
Claims (4)
- 基板(9)上に両端部が支持された共振ビーム(52)と、該共振ビーム(52)の両端部間の軸部に対向して配置された2つの電極(1)(2)とを具え、共振ビーム(52)の両端部間にて、一方の電極(1)と共振ビーム(52)とが互いに対向して、1或いは複数のギャップ部が形成されると共に、他方の電極(2)と共振ビーム(52)とが互いに対向して、1或いは複数のギャップ部が形成され、高周波信号の入力により何れか一方若しくは両方の電極(1)(2)と共振ビーム(52)との間に交番静電気力を発生させて共振ビーム(52)に振動を与え、何れか一方若しくは両方の電極(1)(2)と共振ビーム(52)との間の静電容量の変化を高周波信号として出力するマイクロメカニカル共振器において、
前記共振ビーム(52)には、所望の高次振動の節となる複数の領域にそれぞれ、他の領域よりも軸垂直方向における断面積の小さなくびれ部(54)が形成されており、隣接する2つのくびれ部(54)(54)間に形成された非くびれ部(53)に面して前記ギャップ部が形成されており、これらの複数のくびれ部(54)は、共振ビーム(52)の両端部寄りのくびれ部(54)よりも共振ビーム(52)の中央部寄りのくびれ部(54)の方が断面一次モーメントの大きな断面形状を有しており、これによって1次の共振モードの振動を抑えて高次の共振モードの振動を増大させたことを特徴とするマイクロメカニカル共振器。 - 前記共振ビーム(52)の中央に位置する非くびれ部(53)を挟んで両側に、前記何れか一方の電極と、該電極に印加される高周波信号と同一の位相を有する高周波バイアス電圧が印加されるべき外力調整用電極パッド(41)を配備することにより、該外力調整用電極パッド(41)が対向する非くびれ部(53)に作用する静電気力の変動幅を調節することが可能な請求項1に記載のマイクロメカニカル共振器。
- 基板(9)上に両端部が支持された共振ビーム(52)と、該共振ビーム(52)の両端部間の軸部に対向して配置された2つの電極(1)(2)とを具え、共振ビーム(52)の両端部間にて、一方の電極(1)と共振ビーム(52)とが互いに対向して、1或いは複数のギャップ部が形成されると共に、他方の電極(2)と共振ビーム(52)とが互いに対向して、1或いは複数のギャップ部が形成され、高周波信号の入力により何れか一方若しくは両方の電極(1)(2)と共振ビーム(52)との間に交番静電気力を発生させて共振ビーム(52)に振動を与え、何れか一方若しくは両方の電極(1)(2)と共振ビーム(52)との間の静電容量の変化を高周波信号として出力するマイクロメカニカル共振器において、
前記共振ビーム(52)には、所望の高次振動の節となる複数の領域にそれぞれ、他の領域よりも軸垂直方向における断面積の小さなくびれ部(54)が形成されており、隣接する2つのくびれ部(54)(54)間に形成された非くびれ部(53)に面して前記ギャップ部が形成されており、共振ビーム(52)の中央に位置する非くびれ部(53)を挟んで両側に、前記何れか一方の電極と、該電極に印加される高周波信号と同一の位相を有する高周波バイアス電圧が印加されるべき外力調整用電極パッド(41)を配備することにより、該外力調整用電極パッド(41)が対向する非くびれ部(53)に作用する静電気力の変動幅が、共振ビーム(52)の両端部に位置する非くびれ部(53)に作用する静電気力の変動幅よりも小さくなる様に設定されており、これによって1次の共振モードの振動を抑えて高次の共振モードの振動を増大させたことを特徴とするマイクロメカニカル共振器。 - 基板(9)上に両端部が支持された共振ビーム(52)と、該共振ビーム(52)の両端部間の軸部に対向して配置された2つの電極(1)(2)とを具え、共振ビーム(52)の両端部間にて、一方の電極(1)と共振ビーム(52)とが互いに対向して、1或いは複数のギャップ部が形成されると共に、他方の電極(2)と共振ビーム(52)とが互いに対向して、1或いは複数のギャップ部が形成され、高周波信号の入力により何れか一方若しくは両方の電極(1)(2)と共振ビーム(52)との間に交番静電気力を発生させて共振ビーム(52)に振動を与え、何れか一方若しくは両方の電極(1)(2)と共振ビーム(52)との間の静電容量の変化を高周波信号として出力するマイクロメカニカル共振器において、
前記共振ビーム(52)には、所望の高次振動の腹となる複数の領域に面して前記ギャップ部が形成されており、前記共振ビーム(52)の中央部に位置する振動の腹部分を挟んで両側に、前記何れか一方の電極と、該電極に印加される高周波信号と同一の位相を有する高周波バイアス電圧が印加されるべき外力調整用電極パッド(41)を配備することにより、該外力調整用電極パッド(41)が対向する前記振動の腹部分に作用する静電気力の変動幅が、共振ビーム(52)の両端部に位置する振動の腹部分に作用する静電気力の変動幅よりも小さくなる様に設定されており、これによって1次の共振モードの振動を抑えて高次の共振モードの振動を増大させたことを特徴とするマイクロメカニカル共振器。
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