JP2008098826A - 音響再生装置及び音響再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2組のスピーカを結ぶ直線上でも、2個の音源を異なった位置に定位させ、音響再生装置を中心とした極めて広い範囲で2個の音源を異なる位置に定位させることができる音響再生装置の提供。
【解決手段】2チャネルの信号がそれぞれ入力される2組の再生ユニット20,30は、それぞれ偶数個のスピーカ20a,20bと30a,30bとから成り、その一方の組の再生ユニットを構成する一部のスピーカに入力される信号を位相反転器50で反転させることで、その再生ユニットの指向特性を変形させ、2チャネルのそれぞれの音源を異なった位置に定位させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば電話会議などに利用され、2チャネルの可聴帯域信号を、複数のスピーカで拡声再生する音響再生装置と音響再生方法に関する。
電話会議システムやテレビ会議システムで用いられる2チャネルの可聴帯域信号を複数のスピーカで拡声再生する音響再生装置は、複数のスピーカから出す信号に違いを出すことにより、受聴者が聞き取れる音像の位置を変化させることができる。複数の再生音像を違った位置に定位させることで、それぞれの音源の了解性を上げることが可能となる。
このように音像を違った位置に定位させて受聴位置を拡大する方法の一つが非特許文献1に開示されている。その従来技術を図8を参照して説明する。2チャネルの入力信号Ch.1とCh.2がそれぞれ入力される左右のスピーカ位置には、それぞれ2個のスピーカSL1,SL2とSR1,SR2とが設置されている。それぞれの組のスピーカにおける外側に位置するスピーカSL1とSR1の指向性は正面方向に、内側に位置するスピーカSL2とSR2の指向性は、2組のスピーカの中央前方に位置する受聴者Bに向けられている。
左側のスピーカSL1の正面に位置する受聴者Aは、スピーカSL1とスピーカSR2の音を聞くことになる。受聴者Aと各スピーカSL1とSR2との距離はスピーカSR2の方が遠いので、スピーカSL1の入力側に遅延器70が直列に接続され、上記遠い分の距離を音が伝達する時間だけ、入力信号Ch.2が遅延器70により遅延される。また受聴者AにスピーカSL1とスピーカSR2の音が同じ大きさで聞こえるように、受聴者Aから遠いスピーカSR2の入力側にはその分の音圧低下を補うための増幅器72が直列に接続される。このようにすることで、左側のスピーカSL1の正面に位置する受聴者Aでも良好な音像定位を得ることが可能となる。2組のスピーカの中央に位置する受聴者Bは、お互いに遅延されないスピーカSL2とSR2の音を同時に聞くので従来通りの定位が得られる。スピーカSR1の入力側には、遅延器70と対応する遅延器70が直列に接続され、スピーカSL2の入力側には、増幅器72と対応する増幅器72が直列に接続されている。従って、右側のスピーカSR1の正面に位置する受聴者Cは、スピーカSR1とスピーカSL2の音を聞くことになり、受聴者A側と同じ原理で良好な音像定位を得ることができる。このようにスピーカの配列方向に並行する方向で受聴エリアを拡大することができる。
受聴位置を拡大する他の方法が非特許文献2に示されている。この他の従来技術を図9を参照して説明する。この方法は、スピーカLとスピーカRの間に音像を定位させるのではなく、入力されるCh.1の音信号をスピーカRから、Ch.2の音信号をスピーカLからそれぞれ再生する。そのために、両チャネルCh.1,Ch.2に信号が混ざっている場合に、それを取り除くためにクロストークキャンセラ80を用いる。したがって、この方式では入力されるCh.1とCh.2のそれぞれの音源は、スピーカL又はRのどちらかの位置に固定されて再生される。
これらの従来技術では、スピーカの配列する方向に並行な向きで受聴エリアを拡大することができる。
大賀寿郎、山崎芳男、金田豊著「音響システムとディジタル処理」1995年発行、232〜233頁 大山貴博、穂刈治英、島田正治「複数受聴者対応型拡声通信に用いる音源分離手法の比較」、電子情報通信学会誌(A),Vol.J86-ANo.7,2003
しかしながら従来の方法では、2組のスピーカを結ぶ線の延長線に近い位置に受聴者が位置すると、受聴者の位置から2組のスピーカの見込み角度が狭くなり、良好な音像定位を得ることが不可能になる。つまり、2組のスピーカを結ぶ線の延長線上の受聴者は、2個の音源からのチャネル信号の音が同一の方向から聞こえる。
この発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、2組のスピーカを結ぶ直線の延長線上の受聴者でも、2個の音源に対する音像を異なった位置に定位させることができる音響再生装置及び音響再生方法を提供することを目的とする。
この発明による音響再生装置は、2組の再生ユニットを離して備え、少なくとも一方の再生ユニットは、放音側を外側に向けた偶数個のスピーカからなる。この一方の偶数個のスピーカからなる各再生ユニットにおけるスピーカは、それぞれの組の中心を結ぶ直線に対して対称に配置される。更に上記一方の偶数個スピーカの再生ユニットを構成する一部のスピーカに入力される入力チャネル信号の位相を反転する位相反転器を備える。
この発明の音響再生装置によれば、2組のスピーカを結ぶ直線の延長線上において音響再生装置に対して両側に位置する受聴者には、チャネル信号が位相反転されることなく入力されるユニットから出た音の音像はその再生ユニットに定位されて聞こえ、チャネル信号が位相反転されて入力される再生ユニットから出た音の音像はその受聴者の左か右かに定位されて聞こえる。
このように従来では、2個の音源からのチャネル信号の音が同一の方向から聞こえてしまう位置の受聴者に対しても、2個の音源の音像を異なった位置に定位させ、いずれの音源からの再生音を聞いているかを容易に区別させることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。複数の図面中同一のものには同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
この発明の音響再生装置の実施例1の構成を図1に示す。この音響再生装置は、例えば長円形の会議テーブル10の上に配置されて使用される。実施例1の音響再生装置は、一方の入力チャネル信号Ch.1を再生する偶数個のスピーカが放音側を外側に向けて配置された一方の再生ユニット20と、一方の再生ユニットと離されて配置され他方の入力チャネル信号を再生する他方の再生ユニット30とを備える。この実施例1の場合、2組の再生ユニット20,30は同一構成であり、それぞれスピーカ20aと20b、スピーカ30aと30bの2個ずつで構成される例である。
2組の再生ユニット20,30のスピーカ20aと20b,30aと30bは、それぞれの組の中心を結ぶ直線40に対して対称に配置され、且つ、再生ユニット20と30は直線40の中点に対して対称の位置にそれぞれ配置されている。
更に上記2組の再生ユニット20と30のどちらか一つの再生ユニットを構成する一部のスピーカに入力される上記入力チャネル信号の位相を反転する位相反転器50を備える。この実施例1の場合は、再生ユニット20を構成するスピーカ20aに入力される入力チャネル信号Ch.1が位相反転器50で位相反転されている。以降、位相反転された信号が入力されるスピーカを図面中においてハッチングを施して示す。なお、位相反転器50は会議テーブル10上に配置する必要はない。
このように実施例1の音響再生装置が机上に配置された会議テーブル10の周囲の、上記直線40の両側に、例えば3人ずつの受聴者A,B,Cと受聴者E,F,Gが、上記直線40の延長方向の両端に1人ずつの受聴者DとHが位置している。
この実施例1において、入力チャネル信号Ch.1とCh.2に異なる音源の信号を入力した場合、再生ユニット30のスピーカ30aと30bから再生される入力チャネル信号Ch.2の音は、どの受聴者A〜Hからも再生ユニット30の位置に音像が定位して受聴される。一方の再生ユニット20から再生される入力チャネル信号Ch.1の音は、直線40の両側の位置にある受聴者A,B,Cと受聴者E,F,Gとからは、再生ユニット20の位置に音像が定位して受聴される。一方、原理については後述するが、直線40の延長線上に位置する受聴者DとHにおいては、入力チャネル信号Ch.2の音は受聴者D,Hの左右のどちらかの耳の方向に音像が定位して受聴される。
つまり、従来の技術では良好な音像定位を得ることが不可能であった直線40の延長方向に位置する受聴者DとHに対して、再生ユニット20から再生される入力チャネル信号Ch.1の音の音像を受聴者DとHの左右のどちらかの耳の一方向に定位させることができ、再生ユニット30から再生される入力チャネル信号Ch.2の音の音像を、再生ユニット30の位置に定位させることができる。また、両再生ユニット20と30を結ぶ直線40の両側に位置する受聴者からは、従来の音響再生装置と同様に再生ユニット20と30の位置は見込み角が広く離れて位置するため、入力チャネル信号Ch.1の音は再生ユニット20の位置に、入力チャネル信号Ch.2の音は再生ユニット30の位置に、それぞれ音像が定位して聞こえる。この実施例では、このように音響再生装置を中心とした全周辺に位置する受聴者に対し、2個の音源の音像を異なる位置に定位させることができ、これら両音源からの信号を容易に区別することができる。
〔直線40の延長線方向において音を定位させる原理〕
図2に実施例1の再生ユニット20を構成するスピーカ20aと20bの音の指向特性を示す。横軸は上記した再生ユニット20と30のそれぞれの中心を結ぶ直線40であり、スピーカ20a及び20bから発せられる音圧の水平面内指向特性41a,41bを模式的に表した図である。
入力チャネル信号Ch.1がそのまま入力されるスピーカ20bに対して、スピーカ20aには位相反転器50で位相反転された入力チャネル信号Ch.1が入力されるので、直線40の延長線の両端の方向である0度と180度の方向を中心にして等しい音圧同士が打ち消し合って音圧がゼロになる凡そ扇形状の無音領域42と無音領域43が発生する。
無音領域42,43内のある場所を点で捉えると、位相が逆転した音圧同士が打ち消しあっている。しかし、人間の頭はある程度の大きさを持ちその左右に離れて両耳が位置しているので、微妙な音圧差が発生し音を聞き取ることが出来る。例えば無音領域42内に位置する受聴者Dが、スピーカ20a又は20bのどちらかの方向に顔を向けるなり頭を傾斜させて傾聴する姿勢をとると、その傾聴した方向の片耳だけで音を聞く片耳受聴になる。片耳受聴になるとその方向からの音が大きく聞こえるので、その方向、つまり再生ユニット20の方向とは異なる方向から音が聞こえるように感じる。つまり顔が正面を向いていて例えば右耳で聴けば、右肩の方向から音が聞こえる。左耳で聞けば左肩の方向から音が聞こえて来るように感じる。したがって、無音領域内に位置する受聴者にとって、入力チャネル信号Ch.2が入力される再生ユニット30の音は、再生ユニット30の位置に音像が定位して聞こえ、入力チャネルCh.1が入力される再生ユニット20の音は左右どちらかの耳の方向に音像が定位して聞こえる。つまり聞いている音が、入力チャネル信号Ch.1かCh.2のいずれであるかを容易に区別できる。従って、2個のチャネル信号の発生音源を簡単に聞き分けることができる。
以上の説明から明らかなように、その無音領域を作り出す入力チャネル信号Ch.1の再生音の音像方向は、無音領域42,43内の受聴者の姿勢や位置によって簡単に変わるものであるが、再生ユニット20の方向ではない位置に音像を定位させることができる。一方、再生ユニット30の再生音の音像は、無音領域42,43内の受聴取者に対しては再生ユニットの位置又は方向に定位する。よって無音領域42,43内に位置する受聴者でも2個の音源の音像定位の位置の切り分けを容易に行うことができる。
この発明による音響再生装置は、少なくとも一方の再生ユニットは偶数個のスピーカで構成する必要がある。この点から音響再生装置を小型にするためには、スピーカの外径は小型である方が好ましい。しかし、小径のスピーカでは低域の音を十分に再生できない問題がある。また、低域の音は直進性が弱くスピーカの周囲全体に放射されるので、実施例1のように再生ユニット20のスピーカを逆位相で再生すると特に低域音が不足する。つまり、図2におけるスピーカ20aと20bから発した低音が、スピーカの裏側にも回り込むために、低音が打ち消し合ってしまう。
このように、例えば電話会議システムに使用される音響再生装置においては、音信号を再生する場合、ある帯域より低い帯域の音の音像は定位し難いものとなる。一方、人間は、先に聞こえた音の方向を認識する先行音効果を持つ。そこで、実施例2ではこれらの現象を利用することで、再生ユニット20と30とで定位させた音の不足した低音を補う構成にしている。
図3に示すように実施例2では、再生ユニット20と30との間に低域用スピーカ60を配置する。一方、入力チャネル信号Ch.1とCh.2の信号をミキサ62で合成して、その出力信号から低域通過フィルタ64で低域周波数信号を抽出し、さらに低域通過フィルタ64の出力信号を遅延器66で遅延させ、この遅延器66で遅延された低域周波数信号を低域用スピーカ60に入力する。
低域通過フィルタ64の遮断周波数については、例えば600Hzとした場合に、再生ユニット20又は30からの先行音によって決まる音像と同一音像の音として聞こえることが知られている。また、遅延時間の下限値は、先行音効果が得られる範囲から決められる。その遅延時間は、少なくとも約630μsから1ms程度であれば、低域用スピーカ60からの音の音像は先に放射されてくる音の音像位置に定位する。このように先行音効果が得られる遅延時間は比較的に短い時間である。一方、遅延時間が20msを超えると人間は低域用スピーカ60からの音をエコー音として認識してしまう、つまり別の音と認識してしまうので遅延時間の上限は20ms以下である必要がある。
この先行音と低域通過フィルタの遮断周波数の関係についての報告は、参考文献「植松尚他著、“センタースピーカの先行音効果を用いたステレオ音声の受聴位置拡大”、日本音響学会講演論文集2005年9月、565〜566頁」に記載されている。また先行音効果は、第一波面の法則とも呼ばれるもので、例えば参考文献「J.ブラウエルト他著、“空間音響”、鹿島出版会、昭和61年7月発行、142頁」に記載され、エコー音と感じる閾値についても、同文献の148頁の表4.2に記載されている。以上のことから低域通過フィルタ64のカットオフ周波数は、600Hz以下とし、遅延器の遅延時間を1〜20msの範囲内に設定すればよい。
このように構成することで、再生ユニット20と30とで定位させた音の低音を、その定位感に影響を与えることなく補うことが可能になる。
なお、低域用スピーカ60は、両再生ユニット20と30との間に配置すれば良く、配置する位置についての厳密性は要求されない。これは、確実に先行音効果が得られる最小の遅延時間が1msであることから説明できる。例えば音速を340m/秒と仮定して遅延時間1msを距離に換算すると34cmである。各受聴者と再生ユニット20,30との間の距離に対して、低域用スピーカ60の位置が34cm受聴者寄りに近い距離に在ると遅延時間の効果が無くなり、先行音効果を得られなくなる。つまり、受聴者と再生ユニットとの距離よりも、受聴者と低域用スピーカとの距離が34cm以上短くならなければよい。
これを図1を参照して説明する。図1に破線で示すように再生ユニット20と30の丁度真ん中の位置に低域用スピーカ60を配置した場合に、低域用スピーカ60の正面に位置する受聴者Bとの間の距離が最も短くなる。例えば、受聴者A,B,Cが60cmの間隔を空け、且つ再生ユニットの配列方向と直交する向きに1m離れて座っていると仮定する。この場合、再生ユニット20,30と受聴者Bとの距離は約1.2mである。この時、受聴者Bと低域用スピーカ60との距離は1.0mなので、受聴者Bと再生ユニット20,30との距離よりも20cm短いだけである。したがって、上記した条件を満たすので再生ユニット20と30から発せられた音が先に受聴者Bに到達する。この結果、定位感は再生ユニット20と30とから発せられた音で決定される。
このように最も条件の悪い低域用スピーカの位置でも、両再生ユニット20と30からの音による先行音効果が得られるので、低域用スピーカ60は再生ユニット20と30と同列に並べれば、その間のどこに配置しても良いことになる。もちろん、再生ユニット20と30がもっと離れて配置されると、低域用スピーカ60と受聴者との間の距離が、再生ユニットとの距離よりも34cm以上短くなることもある。その場合は、遅延器66の遅延時間を1〜20msの範囲内で増やせばよい。
なお、低域用スピーカ60は1個の例を示したが、低域周波数帯の音は上記したように直進性が悪く、スピーカの裏側にも回りこむので1個でも十分である。また、低域用スピーカ60を無指向性スピーカにしても良いし、再生ユニット20,30と同じように放音側を外側に向けて2個設けてもよい。
図4に各再生ユニット20,30を構成するスピーカを4個で構成したこの発明の実施例3を示す。再生ユニット20´の4個のスピーカ20a,20b,20c,20dは、その音の放射方向が等角間隔の放射状になるように配され、スピーカ20a20bと、スピーカ20c,20dとが直線40に対して対称に配置されている。再生ユニット30´の4個のスピーカ30a,30b,30c,30dも再生ユニット20´と同様の配置構成とされている。一方の再生ユニット20´の直線40を挟んだ片側の全てのスピーカ、スピーカ20aと20bの2個のスピーカに、位相反転器50で位相反転された入力チャネル信号Ch.1が入力される。再生ユニット30´に対しては、全スピーカ30a〜30dに対し入力チャネル信号Ch.2を同位相で入力する。なお図4には低域用スピーカ60を使用した例を示したが、これを省略してもよい。
実施例3の再生ユニット20´の音の指向特性を図5に示す。実施例3の場合、直線40を挟んだ片側がそれぞれ2個ずつのスピーカで構成され、4個のスピーカは放音側を外側にして放射状に配置されているため、図2で説明した無音領域42,43の範囲は図2のそれより狭くなる。つまり、それだけ再生ユニットからの音の到達角度範囲が広がることになる。したがって、この実施例3は、会議テーブルが直線40の延長方向に長い場合に有効である。
更に、再生ユニット20´において隣接しないスピーカに位相反転器50の出力信号を供給してもよい。例えば再生ユニット20´において、例えばスピーカ20aと20cに、位相反転器50で位相を反転させた入力チャネル信号Ch.1を入力する。このようにすると、図5に示した指向特性に対して図6に示す指向特性となる。つまり再生ユニット20´の中心の位置で直線40に対して直交する方向、即ち90度と270度の方向にも無音領域44,45を生成することが出来る。この結果、無音領域42,43,44,45に位置する受聴者には、位相を反転させない他方の再生ユニット30´からの再生音の音像と明らかに異なる位置に再生ユニット20´からの音の音像を定位させることが出来る。
この場合、もともと無音領域44と45の方向に位置する受聴者にとっては、両再生ユニット20´と30´に対する見込み角度が大きいので、敢えて直線40に直交する方向に無音領域を生成する必要も無いように感じる。しかし、90°方向の無音領域44内に位置する受聴者Eが、向かって左側に位置するスピーカ20aからの音を傾聴する姿勢をとることで、再生ユニット20´の音の音像は受聴者Eの左肩方向に定位し、再生ユニット30´の音の音像は再生ユニット30´の位置に定位する。このように2チャネルの音の聞き分けをより明確にすることが可能である。
なお、ここまでの説明では各再生ユニット20,30を構成するスピーカの数を2個乃至4個で説明したが、6個以上の偶数個としても、上記した実施例1乃至3の構成とすることで同様の効果を奏することが可能である。
また、再生ユニット20と30を構成するスピーカの数を同数とした例を示して説明を行ったが、図7に示すように一方の再生ユニット30を1個のスピーカで構成してもよい。この場合の受聴者は、直線40に対して再生ユニット30のスピーカ30bの放音側に位置するA,B,Cと、直線40の両端に位置する受聴者D,Hの5人になる。なお、再生ユニット20と30の構成を逆にしても同様な効果が得られることは、言うまでもないことである。
以上述べたように、2組の再生ユニットのどちらか一つの再生ユニットを構成する一部のスピーカに入力する位相を反転する音響再生方法とすることで、2組のスピーカを結ぶ直線上でも、2個の音源を異なった位置に定位させることができ、音響再生装置を中心とした周辺の極めて広い範囲で2個の音源の音像を異なる位置に定位させ、いずれの音源からの再生音を聞いているかを容易に区別させることができる。
この発明の音響再生装置の実施例1の構成を示す図。 実施例1の再生ユニット20を構成するスピーカ20aと20bの音の指向特性を示す図。 この発明の音響再生装置の実施例2の構成を示す図。 この発明の音響再生装置の実施例3の構成を示す図。 実施例3の再生ユニット20の音の指向特性を示す図。 再生ユニットを構成する隣接したスピーカに位相反転器50の出力信号を供給しないようにした場合のスピーカの指向特性を示す図。 この発明の音響再生装置の一方の再生ユニットを1個のスピーカで構成した例を示す図。 非特許文献1に開示された従来技術を示す図。 非特許文献2に開示された従来技術を示す図。

Claims (10)

  1. 一方の入力チャネル信号を再生する偶数個のスピーカが放音側を外側に向けて配置された一方の再生ユニットと、
    上記一方の再生ユニットと離されて配置され、他方の入力チャネル信号を再生する他方の再生ユニットと、を具備し、
    上記一方の再生ユニットのスピーカは、それぞれの組の中心を結ぶ直線に対して対称に配置され、
    更に上記一方の再生ユニットを構成する一部のスピーカに入力される上記一方の入力チャネル信号の位相を反転する位相反転器を備えることを特徴とする音響再生装置。
  2. 請求項1に記載された音響再生装置において、
    上記位相反転器は、上記直線を挟んだ片側の全てのスピーカに出力信号を供給するものであることを特徴とする音響再生装置。
  3. 請求項1に記載された音響再生装置において、
    上記偶数個は4個以上であり、
    上記位相反転器は、上記一方の再生ユニットを構成するスピーカ中の少なくとも1つ置きに出力信号を供給するものであることを特徴とする音響再生装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の音響再生装置において、
    上記一方の再生ユニットと他方の再生ユニットは同一構成であり、そのスピーカが2個以上の偶数個であり、且つ、各スピーカが放音側を外側にして放射状に配置され、両再生ユニットは上記直線の中点に対して対称であることを特徴とする音響再生装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載された音響再生装置において、
    上記2組の再生ユニットの間に配置される低域用スピーカと、
    上記一方と他方の入力チャネル信号を合成するミキサと、
    上記ミキサの出力端子に接続される低域通過フィルタと、
    上記低域通過フィルタの出力端子に接続され、出力信号を上記低域用スピーカに供給する遅延器と、を具備したことを特徴とする音響再生装置。
  6. 請求項5に記載の音響再生装置において、
    上記低域通過フィルタの遮断周波数は600Hz以下であり、上記遅延器の遅延時間は1〜20msの範囲内であることを特徴とする音響再生装置。
  7. 放音側を外側に向けて配され、少なくとも一方は偶数個のスピーカよりなる2組の再生ユニットが離されて設けられ、
    上記偶数個のスピーカの再生ユニットの他方が、一方の入力チャネル信号を、上記直線に対して一方側に配置された少なくとも1個のスピーカと、他方側に配置された少なくとも1個のスピーカとで互いに逆位相で再生し、
    上記再生ユニットの一方が他方の入力チャネル信号を再生することを特徴とする音響再生方法。
  8. 請求項7に記載された音響再生方法において、
    上記再生ユニットの他方が上記一方側に配置された全てのスピーカと、他方側に配置された全てのスピーカとを互いに逆位相で再生することを特徴とする音響再生方法。
  9. 請求項7に記載された音響再生方法において、
    上記他方の再生ユニットが、その構成する偶数個のスピーカの1個置きに逆位相で再生されることを特徴とする音響再生方法。
  10. 請求項7乃至9の何れかに記載された音響再生方法において、
    ミキサが上記一方と他方の入力チャネル信号を合成し、
    低域通過フィルタが上記ミキサの出力信号の低域周波数成分を抽出し、
    遅延器が上記低域通過フィルタの出力信号を遅延させ、
    上記2組の再生ユニットの間に配置された低域用スピーカが上記遅延器の出力信号を再生することを特徴とする音響再生方法。
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