JP4924119B2 - アレイスピーカ装置 - Google Patents

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本発明は、フロントバーチャルサラウンド用のアレイスピーカ装置に関する。
近時、5.1chといった複数チャンネルの音声データを有したコンテンツが増えている。また、ステレオ(2ch)音声を5.1chの音声に拡張して再生するマトリクスデコード処理機能を持つ機器も増えている。一方、聴取者の前方に設置した(主に)2本のスピーカから、頭部伝達関数処理した音声信号を出力し、聴感的なサラウンド感が得られるフロントバーチャルサラウンドが普及しつつある(例えば、特許文献1参照。)。
フロントバーチャルサラウンドでは、音声の周波数特性の違いや、両耳間の位相差・音圧差を利用している。
人間は、音像定位(音声の到来方向)を、音声の周波数特性の違いや、音声の両耳間の位相差・音圧差により得ている。音声の周波数特性の違いは、音源からの音声が耳に届く直前の頭部(耳介や鼻等)での回折等の影響によるものであり、同じ音声でもその到来方向により周波数特性が異なるものとなる。この周波数特性の違いは、特に数kHz以上で顕著である。そのため、聴取者に対して、フィルタにより周波数特性を加工した音声を聞かせることで、音源の定位を錯覚させることが可能である。
また、音声の両耳間の位相差・音圧差は、音源と両耳との距離差によるものであり、1kHz以下で顕著である。そのため、聴取者に対して、ヘッドホンのように両耳へリークの無い状態で、両耳間の位相差・音圧差を設けた音声を提示できれば、特定の定位を錯覚させることが可能である。
図1は、クロストークを説明するための概念図である。フロントバーチャルサラウンドでは、図1に示すように、スピーカからの出力を聴取者の左右の耳に独立に提示できないので、スピーカから出力する音声の逆相の音声信号であるキャンセリング信号を別途出力してリーク分を抑制している(所謂、クロストークキャンセル処理)。
特開2003−230199号公報
フロントバーチャルサラウンドは、上記のようにクロストークが存在するため、ヘッドホンに比べてサラウンド効果を得にくいという問題があった。
一方、前記クロストークキャンセル処理は、元々空間座標が20cm程度の違いである左右の耳に異なる信号を与えなければならないため制御が難しかった。また、キャンセリングによる逆相感が強く、聴取者に不快感を与えてしまうこともあった。
また、部屋の反響により原信号と位相・周波数特性のずれた信号が耳に到達するため、信号の位相と周波数特性を利用するフロントバーチャルサラウンドの効果が阻害されるという問題があった。
さらに、視聴者が頭部を動かすことで、スピーカとの経路距離が変わるため、効果が変わってしまう。また、顔の水平角が変わった時に音源の定位が不自然な動きとなる等の問題があった。
そこで、本発明は、良好なサラウンド効果の得られるフロントバーチャルサラウンド用のアレイスピーカ装置を提供することを目的とする。
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
(1)1つの筐体に複数のスピーカユニットが配列されたアレイスピーカと、 左右チャンネルの音声信号に対して、聴取者の聴感上、左右の特定の位置に定位を感じる音声の特性を頭部伝達関数に基づいて付加する定位処理を行って出力する音源定位付与手段と、前記音源定位付与手段が出力した左音声信号を、前記アレイスピーカの全部または一部のスピーカユニットに分配し、各スピーカユニットが音声を放音するタイミングを制御して、前記アレイスピーカから聴取者の左耳に向けて狭指向性の音声ビームを出力させ、前記音源定位付与手段が出力した右音声信号を、前記アレイスピーカの全部または一部のスピーカユニットに分配し、各スピーカユニットが音声を放音するタイミングを制御して、前記アレイスピーカから聴取者の右耳に向けて狭指向性の音声ビームを出力させる放音方向制御手段と、 前記音声ビームの室内反響音をマスクする環境調整音声信号を出力する環境調整音声出力手段と、を備え、前記放音方向制御手段は、前記環境調整音声信号を、前記スピーカアレイの複数のスピーカユニットに対して分配し、これらのスピーカユニットから放音するタイミングを制御して、聴取位置の周囲に放音させることを特徴とする。
この構成においては、アレイスピーカ装置は、定位処理した左右音声を、聴取者の耳に向けて狭指向性の音声ビームとして出力させる。したがって、単一筐体でのシステム構成が可能となり、配線や配置が容易である。また、狭指向性の音声ビームを出力するので、音声の指向性が強くリークが減るので、ヘッドホンのように、サラウンド効果を得やすい。さらに、指向性が強いため、指向中心以外へ放出される音響エネルギーを低くできるので、壁からの反響といった環境要因を軽減できる。加えて、指向性の変更が容易であり、聴取する環境の変化に対応できる。また、この構成においては、環境調整音声信号を生成して、特定の指向性で放音させる。したがって、複数の音声信号の反響音が発生しても、環境調整音声信号によりマスクされるので、反響音による各音声信号の定位感の低下を防ぐことができる。
(2)前記音源定位付加手段は、前記アレイスピーカから聴取者の左耳に向けて放音した音声が前記聴取者の左耳のみに聞こえ、前記アレイスピーカから聴取者の右耳に向けて放音した音声が前記聴取者の右耳のみに聞こえるように、それぞれ反対側の耳に聞こえる音声を打ち消す音声信号を生成して出力するクロストーク補正手段を備えたことを特徴とする。
頭部伝達関数に基づいて仮想定位を付加された左右のチャンネルの音声信号は、ビーム化されており、セパレーションの良い信号である。この結果、左右の耳に提示する信号の、左右のセパレーションが良く、リーク分が小さい。この構成においては、クロストーク補正手段で、クロストークキャンセル処理を行うが、上記のように、ビーム化された音声のリーク分が減少する分、キャンセリング信号の音圧も減らすことができる。したがって、聴取者に逆相感・不快感を与えずに、サラウンド効果を改善することができる。
)聴取者の頭部または両耳の位置を検出する位置検出手段を備え、前記放音方向制御手段は、前記位置情報検出手段が出力した位置情報に基づいて、各スピーカユニットが音声を放音するタイミングを制御することを特徴とする。
この構成においては、聴取者の両耳の動き情報や位置情報を取得し、それに応じて、サウンドビームの放音タイミングを制御する。したがって、聴取者の頭部の動きに応じて、常にその耳に対してサウンドビームを出力することが可能となり、聴取者が頭部を動かした時に音像が消えたり、不自然に動いたりするのを改善できる。
本発明のアレイスピーカ装置は、単一筐体でのシステム構成が可能となり、配線や配置が容易である。また、狭指向性の音声ビームを出力するので、音声の指向性が強くリークが減るので、ヘッドホンのように、サラウンド効果を得やすい。さらに、指向性が強いため、指向中心以外へ放出される音響エネルギーを低くできるので、壁からの反響といった環境要因を軽減できる。加えて、指向性の変更が容易であり、聴取する環境の変化に対応できる。
まず、本発明の概略について説明する。本発明では、遅延アレイ方式のアレイスピーカにより狭指向性のサウンドビームを生成し、聴取者の耳の方向に出力する。また、このサウンドビームとして出力する音声に、頭部伝達関数に基づいて聴取者の聴感上、チャンネル毎に異なる特定の方向から聞こえる仮想定位を付加する。そして、左のフロント・リアチャンネルの音声によるサウンドビームを左耳の方向に出力し、右のフロント・リアチャンネルの音声によるサウンドビームを右耳の方向に出力する。これにより、従来問題であったクロストークが小さく、各チャンネルの音声の定位感を向上させることができる。
図2は、アレイスピーカを用いた遅延アレイ方式の原理説明図、及び遅延アレイ方式のアレイスピーカの指向性分布の一例を示す図である。
アレイスピーカ装置1は、遅延アレイ方式で音声を放音する。図2(A)に示すように、線状や面状に配した複数のスピーカユニットSPa〜SPeに、スピーカユニットSPa’〜SPe’から同時に音声を放音したように、同じ音響信号を少しずつ異なる遅延時間を与えて入力することで、音声が空間上のある一点Fを焦点として同時に到達し、また、焦点周辺の音響エネルギーが同相加算により強められて、焦点方向への強い指向性を有するサウンドビームを作り出すことができる。この技術を遅延アレイと称する。
図2(B)は、スピーカユニットを5cm間隔で直線状に21個配置(総幅100cm)し、Fを焦点としたアレイスピーカの2kHz正弦波の指向性分布である。
遅延アレイ方式によれば、各ユニットに与える遅延値を変更するだけで、任意の主指向角を実現できる。また、ユニット毎に、任意の遅延値を与えられた複数のチャンネルの信号を重畳(加算)することで、略独立した複数のサウンドビームを生成できる。これは空間やスピーカが略線形系であるためである。
次に、アレイスピーカ装置1の構成について説明する、図3は、本発明の実施形態に係るアレイスピーカ装置の概略構成を示すブロック図である。以下の説明では、アレイスピーカ装置の一例として、5.1chサラウンドシステム用のものについて説明する。また、以下の説明では、5.1chサラウンドシステムにおいて、フロントの左チャンネルをL(Left)ch、フロントの右チャンネルをR(Right)ch、センタ(中央)チャンネルをC(Center)ch、リアの左チャンネルをSL(Surround Left)ch、リアの右チャンネルをSR(Surround Right)ch、サブウーハをLFE(Low Frequency Effects)chと称する。なお、5.1chサラウンドシステムにおいて、LFEchは、他の5chと帯域が異なり、処理が特殊であるため、以下の説明ではLFEchの音声信号の処理については説明を省略する。
アレイスピーカ装置1は、入力端子11、デコーダ13、頭部伝達関数処理部(以下、HRTFと称する。)15、環境調整信号生成部16、方向制御部(図3にはDirCと表記。)17A〜17C、方向制御部18、加算器19−1〜19−N、D/Aコンバータ21−1〜21−N、パワーアンプ23−1〜23−N、アレイスピーカ25を構成するスピーカユニット25−1〜25−N、操作部27、表示部29、記憶部31、撮影部35、及び制御部37を備えている。
入力端子11は、不図示の外部オーディオ機器と接続され、外部オーディオ機器が出力した(デジタル)オーディオ信号が入力される。
デコーダ13は、入力端子11から入力された(デジタル)オーディオ信号をデコードして、SLch、Lch、Rch、及びSRchのオーディオ信号をHRTF15に、Cchのオーディオ信号を方向制御部17Cに出力する。
HRTF15は、制御部37の設定に従い、各々のチャンネルのオーディオ信号に対して適した方向(例えば、ITU−R BS.775−1準拠)に定位を感じる聴感特性を、頭部伝達関数に基づいて付加する。
方向制御部17A〜17Cは、制御部37の設定に従い、各チャンネルのオーディオ信号を適切に遅延させた信号を生成し、スピーカユニット25−1〜25−Nの全部または一部に分配する。方向制御部17A〜17Cにより付加される遅延により、各々のチャンネルの音声信号のサウンドビーム化が可能である。
環境調整信号生成部16は、制御部37の設定に従い、マスキング信号を生成して、方向制御部18に出力する。
方向制御部18は、制御部37の設定に従い、マスキング信号を適切に遅延させた信号を生成し、スピーカユニット25−1〜25−Nの1つまた複数に分配する。方向制御部18により付加される遅延により、マスキング信号に特定の指向特性を付与できる。
加算器19−1〜19−Nは、それぞれ方向制御部17A〜17C及び18から出力されたオーディオ信号を加算して出力する。
D/Aコンバータ21−1〜21−Nは、加算器19−1〜19−Nが出力したデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換して出力する。
パワーアンプ23−1〜23−Nは、D/Aコンバータ21−1〜21−Nが出力したアナログオーディオ信号を増幅して出力する。
スピーカユニット25−1〜25−Nは、パワーアンプ23−1〜23−Nが増幅したオーディオ信号を音声に変換して放音する。
操作部27は、アレイスピーカ装置1に対するスピーカの設定操作等を受け付けて、その操作に応じた信号を制御部37に出力する。
表示部29は、制御部37から出力された制御信号に基づいてユーザに伝達する情報を表示する。
記憶部31は、スピーカの設定パターン等を記憶しており、操作部27で受け付けた操作に応じて、制御部37からデータが読み出される。
撮影部35は、聴取者を含む領域を撮影して、その映像データを制御部37に出力する。
制御部37は、アレイスピーカ装置1の各部を制御する。また、制御部37は、撮影部35が出力した映像データを解析して、聴取者の耳介の位置等を算出する。
図4は、HRTFの構成の一例を示すブロック図である。HRTF15は、定位付加部43A〜43D、加算器45A〜45B、クロストーク補正部47A〜47B、及び加算器49A〜49Bを備えている。
SLch定位付加部43Aは、FIRフィルタ43AL及びFIRフィルタ43ARを備えている。FIRフィルタ43ALには、聴取者左後方に定位する音像から聴取者の左耳までの伝達関数に基づいたフィルタ係数が設定され、FIRフィルタ43ARには、前記音像から聴取者の右耳までの伝達関数に基づいたフィルタ係数が設定される。聴取者の左耳にFIRフィルタ43ALの出力を、右耳にFIRフィルタ43ARの出力を提示することで、SLchのオーディオ信号に仮想定位を付加することができる。
Lch定位付加部43B、Rch定位付加部43C、及びSRch定位付加部43Dは、SLch定位付加部43Aと同様に、それぞれ、聴取者左前方、右前方、右後方に定位する音像から聴取者左右耳までの伝達関数に基づいたFIRフィルタを備えており、Lch、Rch、SRchのオーディオ信号に仮想定位を付加することかできる。
加算器45Aは、FIRフィルタ43AL、43BL、43CL、及び43DLが出力したオーディオ信号を加算する。
加算器45Bは、FIRフィルタ43AR、43BR、43CR、及び43DRが出力したオーディオ信号を加算する。
クロストーク補正部47Aには、左音声信号サウンドビームの聴取者の右耳への頭部伝達関数の逆関数に対応するフィルタ係数が設定される。
クロストーク補正部47Bには、右音声信号サウンドビームの聴取者の左耳への頭部伝達関数の逆関数に対応するフィルタ係数が設定される。
加算器49Aは、加算器45Aが出力する音声信号と、クロストーク補正部47Bが出力する音声信号と、を加算して方向制御部17Aに出力する。この操作により、加算器45Aからの出力の聴取者左耳へのクロストークをキャンセルする。
加算器49Bは、加算器45Bが出力する音声信号と、クロストーク補正部47Aが出力する音声信号と、を加算して方向制御部17Bに出力する。この操作により、加算器45Bからの出力の聴取者左耳へのクロストークをキャンセルする。
図5は、アレイスピーカ装置が出力するサウンドビームにより、マルチチャンネルサラウンドサウンドの各チャンネルの音源が聴取者の周囲に定位する様子を示すイメージ図、及びマスキング信号を出力した状態のイメージ図である。
アレイスピーカ装置1では、マルチチャンネルサラウンドサウンドのうち、Cchを除く全てのチャンネル(つまり、Lch,Rch,SLch,SRch)の音声について、HRTF15によりそれぞれ頭部伝達関数に基づいて仮想的に定位を付与し、LchとSLchの音声信号によるサウンドビームSb1を方向制御部17Aにより、RchとSRchの音声信号によるサウンドビームSb2を方向制御部17Bにより生成して、聴取者の左右の耳の方向に(例えば、左右の耳が焦点となるよう)出力する。また、Cchは方向制御部17Cにより、例えば点音源から放音したように音波面を合成させる。
これにより、図5(A)に示すように、アレイスピーカ25からサウンドビームSb1・Sb2が出力され、聴取者Hは、自分の周囲にLch,Rch,SLch,SRchの仮想音源が定位したように感じる。
頭部伝達関数に基づいて仮想定位を付加された左右のチャンネルの音声信号は、ビーム化されており、セパレーションの良い信号である。この結果、左右の耳に提示する信号の、左右のセパレーションが良く、リーク分が小さい。また、聴取者以外の方向へ向かうエネルギーを抑制できる。左右セパレーション向上によって、仮想音源定位効果が向上する。リーク分が減少する分、キャンセリングも減らすことができるので、逆相の音声信号による不快感を軽減できる。また、周囲へのエネルギー減少により、環境(反響)要因を軽減できる。
また、Cchの音声については、アレイスピーカ25から独立して出力(放音)される。5.1chコンテンツやマトリクスデコード実施時には、聴感上最も重要なチャンネルは、Cchである。アレイスピーカ装置1では、Cchを独立にすることにより、良好な定位と音質を実現できる。
次に、アレイスピーカ装置1は、マスキング信号を出力することによりサラウンド効果の阻害要因である反響音をマスキングすることができる。
制御部37の設定に従い、環境調整信号生成部16はマスキング信号を生成する。このときのマスキング信号の内容は、例えば、左右音声信号と無相関な白色や有色雑音であっても良いし、左右音声信号を元に生成する相関信号であっても良い。生成したマスキング信号は、方向制御部18に出力する。また、制御部37は、方向制御部18に制御信号を出力する。この制御信号に基づいて、方向制御部18は、マスキング信号に特定の指向性を付与する。例としては、図5(B)に示すように、聴取者Hの周囲には、サウンドビームSb3によるマスキング信号が出力されて反響音がマスクされるので、サウンドビームSb1・Sb2によるマルチチャンネルサラウンドサウンドの定位感がより向上する。
また、外来ノイズや反響音について予めわかっている音場においては、任意の空間座標にピンポイントでマスキング信号をサウンドビームとして出力することで、聴取者の聴感を改善できる。
図6は、聴取者の頭部の動きを認識し、サウンドビームの指向性を追随させる機構を説明するための図である。遅延アレイ方式によりアレイスピーカから狭指向性のサウンドビームを左右の耳に向けて出力する場合、ピンポイントとなり、必然的にスイートスポットが狭く、聴取者が頭部を動かすと、効果が半減してしまう可能性がある。そのため、アレイスピーカ装置1では、聴取者の頭部の動きを認識し、これに出力信号(サウンドビーム)の指向性を追随させる機構を備えている。
すなわち、アレイスピーカ装置1は、撮影部35であるカメラ35Aにより聴取者及び聴取者の周囲の空間を撮影する。制御部37は、カメラ35Aが撮影した映像解析により聴取者Hの頭部の動き、または左右の耳介の位置を検出する。そして、制御部37は、頭部や耳介の形・大きさ・向き等の情報に基づくカメラ35A(アレイスピーカ25)から聴取者の耳介までの距離情報を算出して、方向制御部17A〜17Bに制御信号を出力する。これにより、サウンドビームSb1・Sb2の出力方向や焦点の位置を変更して、図6(A),(B)に示すように、聴取者Hが頭部を動かしても、サウンドビームを常に耳の方向に出力できる。
アレイスピーカ装置1は、記憶部31に頭部伝達関数を複数保持しておき、聴取者の頭部の動きに応じて、制御部37がHRTF15の係数を変更することで、聴取者が頭部を動かした時に音像が消えたり、不自然に動いたりするのを改善できる。
また、アレイスピーカ装置1では、上記のようにカメラにより聴取者の動きを監視する方法の他に、例えば、聴取者の頭部に地磁気センサを取り付けたり、耳介とアレイスピーカに一対の発信器・受信器を取り付けたりする、等の方法でも位置情報検出は可能である。
いずれの方法を用いる場合でも、取得した聴取者頭部の動き情報や位置情報を制御部37が取得し、それに応じて方向制御部17A〜17Bを制御して、サウンドビームの軌跡(焦点位置)を調整すれば良い。
クロストークを説明するための概念図である。 アレイスピーカを用いた遅延アレイ方式の原理説明図、及び遅延アレイ方式のアレイスピーカの指向性分布の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るアレイスピーカ装置の概略構成を示すブロック図である。 HRTFの構成の一例を示すブロック図である。 アレイスピーカ装置が出力するサウンドビームにより、マルチチャンネルサラウンドサウンドの各チャンネルの音源が聴取者の周囲に定位する様子を示すイメージ図、及びマスキング信号を出力した状態のイメージ図である。 聴取者の頭部の動きを認識し、サウンドビームの指向性を追随させる機構を説明するための図である。
符号の説明
1…アレイスピーカ装置 3…モニタ
11…入力端子 13…デコーダ 15…HRTF 16…環境調整信号生成部
17A〜17C,18…方向制御部 19…加算器
21…D/Aコンバータ 23…パワーアンプ 25…アレイスピーカ
27…操作部 29…表示部 31…記憶部 35…撮影部 37…制御部

Claims (3)

  1. 左右チャンネルの音声信号に対して、聴取者の聴感上、左右の特定の位置に定位を感じる音声の特性を頭部伝達関数に基づいて付加する定位処理を行って出力する音源定位付与手段と、
    前記音源定位付与手段が出力した左音声信号を、前記アレイスピーカの全部または一部のスピーカユニットに分配し、各スピーカユニットが音声を放音するタイミングを制御して、前記アレイスピーカから聴取者の左耳に向けて狭指向性の音声ビームを出力させ、
    前記音源定位付与手段が出力した右音声信号を、前記アレイスピーカの全部または一部のスピーカユニットに分配し、各スピーカユニットが音声を放音するタイミングを制御して、前記アレイスピーカから聴取者の右耳に向けて狭指向性の音声ビームを出力させる放音方向制御手段と、
    前記音声ビームの室内反響音をマスクする環境調整音声信号を出力する環境調整音声出力手段と、
    を備え
    前記放音方向制御手段は、前記環境調整音声信号を、前記スピーカアレイの複数のスピーカユニットに対して分配し、これらのスピーカユニットから放音するタイミングを制御して、聴取位置の周囲に放音させるアレイスピーカ装置。
  2. 前記音源定位付加手段は、前記アレイスピーカから聴取者の左耳に向けて放音した音声が前記聴取者の左耳のみに聞こえ、前記アレイスピーカから聴取者の右耳に向けて放音した音声が前記聴取者の右耳のみに聞こえるように、それぞれ反対側の耳に聞こえる音声を打ち消す音声信号を生成して出力するクロストーク補正手段を備えた請求項1に記載のアレイスピーカ装置。
  3. 聴取者の頭部または両耳の位置を検出する位置検出手段を備え、
    前記放音方向制御手段は、前記位置情報検出手段が出力した位置情報に基づいて、各スピーカユニットが音声を放音するタイミングを制御する請求項1または2に記載のアレイスピーカ装置。
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