JP4584416B2 - 位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置及びその方法 - Google Patents

位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置及びその方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は3次元オーディオ再生装置に係り、特に、携帯用/個人多重−チャンネルオーディオプレーヤー(Portable/Personal Multi−channel Audio Player)、携帯用/個人デジタルオーディオ放送受信器(Portable/Personal Digital Audio Broadcasting Receiver)、マルチメディアパソコン(Multimedia PC)、高画質テレビ(HDTV:High Definition Television)、オーディオ/ビデオ家庭用劇場システム(A/V Home Theatre System)及び画像会議等に用いられる、位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ用オーディオ再生装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、聞き手がスピーカで音像を聞く際に、聞き手の音感の嗜好によってスピーカの音響等を調節しようとする場合、直接スピーカユニットの位置と角度を動かして音響等を調節する必要があった。ところが、技術の発展に伴って、スピーカユニットの位置や配列を動かすことなく、音像を仮想空間上に存在する仮想のスピーカ位置から出力させるように処理することが可能となった。
なお、ここでは「音像」とは、広がりをもった音源に対応してつくられた音場の空間的広がりを意味する.
【0003】
従来公知の3次元オーディオ再生方法においては、仮想音像の位置を移動させる場合に、仮想音像の位置に対応する伝達関数の係数をすべて備えることが要求されるため、該伝達関数の係数を求めるための演算処理で必要となるメモリー容量の大きさが増大して装置が複雑化するという複雑度の問題、及び該伝達関数の係数が変化する際に生じる仮想音像の位置を移動させる応答速度が遅くなるという遅延の問題といった問題点がある。
【0004】
このメモリー容量の大きさが増大することによる複雑度の問題を低減化するためには、一般に、前記仮想音像の位置に対応する伝達関数の近似式が利用される。該伝達関数の係数は該伝達関数の近似式を解くことによって角度毎に求められる。
しかしながら、この場合、3次元オーディオ再生方法に用いられる装置には該伝達関数の近似式を解くための高度な演算能力が必要とあり、また該伝達関数の係数を求めることによって遅延時間が生じるとともに、比較的簡単な制御器では該伝達関数の近似式を解く演算処理が困難であるため中央処理装置を用いる必要があるという問題がある。
【0005】
近年、DVD(Digital Video Disk)市場の拡大、デジタルTV(Digital Television)及びHDTV放送の実施に伴い、多チャンネルオーディオによるサービスが提供されるようになった。この多チャンネルオーディオを効果的に楽しむためにはチャンネル数に相当するスピーカとアンプが必要であり、既存の2チャンネル出力システムではこの多チャンネルオーディオの効果を充分に発揮させることができないという問題がある。このような問題を解決するために、多チャンネルオーディオを2チャンネルで再生する際、複数のスピーカを用いて再生する場合と類似した効果を提供する方法が要請されている。
【0006】
前記した多チャンネルオーディオを2チャンネルで再生する際に、複数のスピーカを用いて再生する場合と類似した効果を実現させる1つの方法としては、2つの出力ポートを利用して3次元空間上に複数の仮想音像を形成する方法が挙げられる。
従来の仮想音像を形成するための方法としては、1つの仮想音像を形成する際に、右側の耳と左側の耳に相当する1セットの伝達関数を用いる方法が挙げられる。仮想音像をN個形成する場合には、N個の右側の耳に対する伝達関数とN個の左側の耳に対する伝達関数とを用いることになる。したがって、形成しようとする仮想音像の数に比例して、演算処理の複雑度が増大するとともに、提供しようとする各位置の仮想音像に対応して各々の伝達関数を貯蔵するために必要なメモリーの容量の大きさも増加するという問題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フィルタ係数を変えることなく、仮想音像の位置を移動自在にする位置調節を可能にする仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記技術的課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、入力された少なくとも1つのオーディオ信号に対してスピーカの配置によって生じるクロストーク(cross−talk)現像を補償する処理を行い、3次元空間上の1点から両耳まで音を伝達させる伝達関数特性と類似した伝達関数処理効果を得ることができる伝達関数を求め、3次元空間上の1点から両耳まで音を伝達させる前記伝達関数を利用して3次元空間上に複数の第一仮想音像を形成する仮想音像形成部と、少なくとも1つの第二仮想音像が形成される位置を調節するための調節因子を生成する制御部と、前記仮想音像形成部で複数の第一仮想音像が形成された少なくとも1つのオーディオ信号を前記制御部により生成された調節因子で制御して、少なくとも1つの第二仮想音像が形成される位置を調節する出力位置調節部と、少なくとも1つの第二仮想音像が形成される位置が調節された少なくとも1つのオーディオ信号を各々加算して、少なくとも1つの第二仮想音像を形成させる左/右オーディオ信号を生成する加算器と、を含む位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記仮想音像形成部から生成される伝達関数が、スピーカの再生時に生じるクロストークを示すマトリックスHが下記(1)式で表され、前記スピーカの再生時に生じるクロストークを補償するマトリックスCが下記(2)式で表され、前記スピーカから人間の耳に伝えられる音の経路をモデリングした伝達関数Dが下記(3)式で表される位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0010】
【数1】
Figure 0004584416
前記(1)式中、添字の左側の数字はスピーカの位置を示し、添字の右側の数字は耳の位置を示し、1は左側の耳で、2は右側の耳を表す。
【0011】
【数2】
Figure 0004584416
前記(2)式中、添字の左側の数字はスピーカの位置を示し、添字の右側の数字は耳の位置を示し、1は左側の耳で、2は右側の耳を表す。
【0012】
【数3】
Figure 0004584416
前記(3)式中、最初添字の左側の数字はスピーカの位置を示し、添字の右側の数字は耳の位置を示し、1は左側の耳で、2は右側の耳を表す。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の(3)式において、前記伝達関数Dが、D11、D22を1、D12、D21を0とし、かつD11、D22、D12、D21の絶対値の和が2となるような最適の解を有する前記マトリックスCを求める位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1において、前記制御部から生成される調節因子が、少なくとも1つの加重値及び少なくとも1つの時間遅延のための因子を含む位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1において、前記出力位置調節部における位置調節が、前記仮想音像形成部で形成された第一仮想音像の位置の間で、前記制御部によって生成された調節因子を適用して成る位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0016】
請求項6に係る発明は、少なくとも1つの第二仮想音像が形成される位置を調節するための調節因子を生成する制御部と、入力された少なくとも1つのオーディオ信号を前記制御部により生成された調節因子で制御して、少なくとも1つの第二仮想音像が形成される位置を調節する出力位置調節部と、前記出力位置調節部から位置が調節された少なくとも1つのオーディオ信号に対してスピーカの配置により生じるクロストーク現像を補償する処理を行って、3次元空間上の1点から両耳まで音が伝えられる伝達関数を求め、前記伝達関数を利用して3次元空間上に複数の第一仮想音像を形成する仮想音像形成部と、前記仮想音像形成部から複数の1次の仮想音像が形成された、少なくとも1つの第二仮想音像が形成される位置が調節された、少なくとも1つのオーディオ信号を加算して、少なくとも1つの第二仮想音像を形成する左/右オーディオ信号を生成する加算器と、を含む位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項6において、前記制御部から生成される調節因子が、少なくとも1つの加重値及び少なくとも1つの時間遅延のための因子を含む位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項6において、前記出力位置調節部における位置調節が、前記仮想音像形成部で形成された第一仮想音像の位置の間で、前記制御部によって生成された調節因子を適用して成る位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0019】
請求項9に係る発明は、請求項6において、前記仮想音像形成部から生成される伝達関数が、スピーカ再生時生じるクロストークを示すマトリックスHが下記(1)式で表され、前記スピーカ再生時生じるクロストークを補償するマトリックスCが下記(2)式で表され、前記スピーカから人間の2耳に伝えられる音の経路をモデリングした伝達関数Dが下記(3)式で表される位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0020】
【数1】
Figure 0004584416
前記(1)式中、添字の左側の数字はスピーカの位置を示し、添字の右側の数字は耳の位置を示し、1は左側の耳で、2は右側の耳を表す。
【0021】
【数2】
Figure 0004584416
前記(2)式中、添字の左側の数字はスピーカの位置を示し、添字の右側の数字は耳の位置を示し、1は左側の耳で、2は右側の耳を表す。
【0022】
【数3】
Figure 0004584416
前記(3)式中、添字の左側の数字はスピーカの位置を示し、添字の右側の数字は耳の位置を示し、1は左側の耳で、2は右側の耳を表す。
【0023】
請求項10に係る発明は、請求項9において、前記伝達関数Dが、D11、D22を1とし、D12、D21を0とし、かつD11、D22、D12、D21の絶対値の和が2になるように最適の解を有する前記マトリックスCを求める位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0024】
請求項11に係る発明は、入力されたモノラルオーディオ信号に対して位置調節が可能な仮想音像を形成する装置において、前記入力されたモノラルオーディオ信号に対して第一仮想音像を形成する所定のA位置及び所定のB位置を基準に第二仮想音像が形成される位置Cを調節するための加重値及び位相遅延値を生成する制御部と、前記入力されたモノラルオーディオ信号を2つに分割して、分割されたモノラルオーディオ信号に対して各々前記加重値、及び前記位相遅延値を適用して第二仮想音像が形成される位置を調節する出力位置調節部と、前記所定のA位置を基準に位置調節されたモノラルオーディオ信号に対しては前記所定のA位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を各々掛けるA伝達関数処理部、及び前記所定のB位置を基準に位置調節されたモノラルオーディオ信号に対しては前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理するB伝達関数処理部を備える仮想音像形成部と、前記所定のA位置及び前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数が処理されたオーディオ信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号、及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分して加算し、第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する加算器と、を含む位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0025】
請求項12に係る発明は、入力されたステレオオーディオ信号L及びRに対して位置調節が可能な仮想音像を形成する装置において、前記入力されたステレオオーディオ信号中、左側信号Lと右側信号Rとに対して第一仮想音像を形成する所定のA位置及び所定のB位置を基準に第二仮想音像が形成される位置C−left及びC−rightを調節するための加重値及び位相遅延値を生成する制御部と、前記左側信号Lに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記右側信号Rに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、を合せてA位置基準信号に置き、かつ前記右側信号Rに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記左側信号Lに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、を合せてB位置基準信号に置いて第二仮想音像が形成される位置を調節する出力位置調節部と、前記A位置基準信号に対しては前記所定のA位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理するA伝達関数処理部、及び前記B位置基準信号に対しては前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理するB伝達関数処理部を備えた仮想音像形成部と、前記仮想音像形成部で伝達関数が処理された信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号、及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分して加算し、C−left及びC−rightにおける第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する加算器を含む位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0026】
請求項13に係る発明は、請求項12において、前記第一仮想音像を形成する所定のA位置及び所定のB位置を前方中央に対称に位置させる位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0027】
請求項14に係る発明は、請求項12において、前記出力位置調節部が、前記左側信号Lに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号をA位置基準信号に置き、前記右側信号Rに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号をB位置基準信号に置き、前記左側信号Lに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記右側信号Rに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、を合せて中央基準信号に置いて、第二仮想音像が形成される位置を調節し、前記仮想音像形成部が、前記中央基準信号に対して前記所定のA位置及び前記所定のB位置の中央に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理する中央伝達関数処理部をさらに備えて、前記加算器が、前記仮想音像形成部で伝達関数が処理された信号中、聞き手の左側の耳に対応する信号及び前記中央伝達関数処理部の出力信号を加算して左信号で出力し、聞き手の右側の耳に対応する信号及び前記中央伝達関数処理部の出力信号を加算して右信号を生成する位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0028】
請求項15に係る発明は、入力された5チャンネルオーディオ信号L、C、R、SL、SRの各々に対して位置調節が可能な仮想音像を形成する装置において、前記入力された5チャンネルオーディオ信号中、左側信号L、右側信号R、後方左側信号SL、後方右側信号SR、中央信号Cの各々に対して第一仮想音像を形成する所定のA位置及び所定のB位置を基準に第二仮想音像が形成される位置C−left及びC−rightを調節するための加重値及び位相遅延値を生成する制御部と、前記左側信号Lに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記右側信号Rに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、後方左側信号SL及び中央信号Cと、を合せてA位置基準信号に置き、前記右側信号Rに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記左側信号Lに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、後方右側信号SR及び中央信号Cと、を合せてB位置基準信号に置いて第二仮想音像が形成される位置を調節する出力位置調節部と、前記A位置基準信号に対しては前記所定のA位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理するA伝達関数処理部、及び前記B位置基準信号に対しては前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理するB伝達関数処理部を備えた仮想音像形成部と、前記仮想音像形成部から伝達関数が処理された信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分して加算し、中央信号C、後方左側信号SL、後方右側信号SR、第二仮想音像が形成される位置C−left及びC−rightにおける第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する加算器と、を含む位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0029】
請求項16に係る発明は、請求項15において、前記第一仮想音像を形成する所定のA位置及び所定のB位置を前方中央に対称で位置させる位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0030】
請求項17に係る発明は、請求項15において、前記出力位置調節部が、前記左側信号Lに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号及び後方左側信号SLを合せてA位置基準信号に置き、前記右側信号Rに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号及び後方右側信号SRを合せてB位置基準信号に置き、前記左側信号Lに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記右側信号Rに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、中央信号Cと、を合せて中央基準信号に置いて、第二仮想音像が形成される位置を調節し、前記仮想音像形成部は前記中央基準信号に対しては前記所定のA位置及び前記所定のB位置の中央に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理する中央伝達関数処理部をさらに備え、前記加算器は前記仮想音像形成部で伝達関数が処理された信号中、聞き手の左側の耳に対応する信号及び前記中央伝達関数処理部の出力信号を加算して左信号で出力し、聞き手の右側の耳に対応する信号及び前記中央伝達関数処理部の出力信号を加算して右信号を生成することによって3次元空間上の位置調節が可能である位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0031】
請求項18に係る発明は、請求項17において、前記出力位置調節部が、前記中央信号の重要度によって前記中央信号に加重値及び位相遅延値を処理する位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置である。
【0032】
請求項19に係る発明は、(a)入力されたオーディオ信号に対して、3次元空間で位置調節が可能な領域に複数の第一仮想音像を形成する段階と、(b)前記複数の第一仮想音像の重要度を調節して、複数の第一仮想音像が形成されたオーディオ信号に対して第二仮想音像の位置を調節する段階と、を含む位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生方法である。
【0033】
請求項20に係る発明は、入力されたモノラルオーディオ信号に対して位置調節が可能な仮想音像を形成する方法において、(c)前記入力されたオーディオ信号に対して、3次元空間上の所定のA位置に存在する仮想音像を形成するA位置の第一仮想音像形成信号、及び3次元空間上の所定のB位置に存在する仮想音像を形成するB位置の第一仮想音像形成信号を生成する段階と、(d)前記A位置の第一仮想音像形成信号及び前記B位置の第一仮想音像形成信号に対して各々加重値及び時間遅延を適用して空間上における位置及び位相差を調節する段階と、(e)前記空間上における位置及び位相差が調節された信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分しこれらの信号を加算して、第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する段階と、を含む位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生方法である。
【0034】
請求項21に係る発明は、入力されたモノラルオーディオ信号に対して位置調節が可能な仮想音像を形成する方法において、(f)前記入力されたモノラルオーディオ信号に対して各々所定のA位置及び所定のB位置の加重値及び時間遅延を適用して空間上における第二仮想音像が形成される位置を調節する段階と、(g)前記所定のA位置を基準に位置調節されたオーディオ信号に対しては前記所定のA位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理し、前記所定のB位置を基準に位置調節されたオーディオ信号に対しては前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理する段階と、(h)前記所定のA及び前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数が処理されたオーディオ信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分しこれらの信号を加算して、第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する段階と、を含む位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生方法である。
【0035】
請求項22に係る発明は、入力されたステレオオーディオ信号L及びRに対して位置調節が可能な仮想音像を形成する方法において、(i)前記入力されたステレオオーディオ信号中、左側信号Lと右側信号Rに対して、前記左側信号Lに所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記右側信号Rに所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、を合せてA位置基準信号に置き、前記右側信号Rに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記左側信号Lに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、を合せてB位置基準信号に置いて第二仮想音像が形成される位置C−left、C−rightを調節する段階と、(j)前記A位置基準信号に対しては前記所定のA位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理して、前記B位置基準信号に対しては前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理する段階と、(k)前記(j)段階で伝達関数が処理された信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分して加算して、前記第二仮想音像が形成される位置C−left及びC−rightにおける第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する段階と、を含む位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生方法である。
【0036】
請求項23に係る発明は、入力された5チャンネルオーディオ信号L、C、R、SL、SRに対して位置調節が可能な仮想音像を形成する方法において、(l)前記入力された5チャンネルオーディオ信号中、左側信号L、右側信号R、後方左側信号SL、後方右側信号SR、中央信号Cに対して、前記左側信号Lに所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記右側信号Rに所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、後方左側信号SLと、中央信号Cとを合せてA位置基準信号に置き、かつ前記右側信号Rに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記左側信号Lに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、後方右側信号SRと、中央信号Cと、を合せてB位置基準信号に置いて第二仮想音像が形成される位置C−left及びC−rightを調節する段階と、(m)前記A位置基準信号に対しては前記所定のA位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理し、前記B位置基準信号に対しては前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理する段階と、(n)前記(m)段階で伝達関数が処理された信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分しこれらの信号を加算して、中央信号C、後方左側信号SL、後方右側信号SR、第二仮想音像が形成される位置C−left及びC−rightにおける第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する段階と、を含むことを特徴とする位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生方法である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく適宜に変形することが可能である。
まず、後記する伝達関数を利用した位置調節が可能な仮想音像形成方法について説明した後、スピーカを通した仮想音像再生時生じるクロストークの問題及びその解決方策を説明し、つぎに、2つのスピーカを利用して仮想音像の位置調節を可能にする方法を説明する。
【0038】
仮想音像を形成する方法として、頭部伝達関数(HRTF:Head Related Transfer Function)を利用することができる。該頭部伝達関数は、音源から耳の鼓膜に伝えられる経路を数学的にモデリングした伝達関数であって、音源と頭との相対的位置関係によって相異なる性質の関数特性を有するものである。該頭部伝達関数は、自由音場(free field)で音源から人間の耳に至るまでの音の伝播を示す周波数平面上における伝達関数で、人間の頭部、耳介(pinna)、及び胴(torso)で生じる周波数の歪曲を反映した特性関数である。ここでは、該頭部伝達関数を「伝達関数」という。
【0039】
人間が音を聞く過程を簡単に説明するとつぎのようになる。人間の耳は大別して外耳(external ear)と、中耳(middle ear)と、内耳(inner ear)とに区分することができ、この中で一般に耳介と呼ばれている外耳は音を集めるとともに、方向性の認識を行うために欠くべからざる重要な役割を演ずる。そして、この外耳に含まれる外耳道は、直径0.7cm、長さ2.5cm程度の形状を有する鼓膜(eardrum)まで音を誘導する部分であり、概略一方が詰まった管状の形態を有し、特定周波数帯域の音の共振現象を誘起して、微弱な周波数帯域の音を一層敏感に耳が知覚できるようになる。
【0040】
前記外耳道を通して鼓膜まで伝わった音は、その後中耳部に伝えられ、鼓膜を振動させて鼓膜の直後に位置する耳小骨(ossicle)に伝えられる。この耳小骨は、音圧(sound pressure)を増幅させる機能を備えており、前記音はこの耳小骨によって音圧が増幅された後、うずまき管(cochlea)に伝えられて、うずまき管中にある基底膜(basilar membrane)に分布する聴神経に到達し、この基底膜で音として認識される。
【0041】
耳の構造を側面から見ると、耳介に備わる軟骨から成る翼状突出物の不規則な模様によって、外耳道に音が入る前にあらかじめ聴神経で認識される音信号の周波数スペクトラムが歪曲される。このような歪曲は耳介に入る音信号の方向や距離等に対応してその様相が変化する。人間が音信号の方向を認知する際には、このような周波数スペクトラムの歪曲によって生じる周波数成分の変化が、大きい役割を演ずる。前記した伝達関数は、このような周波数歪曲の程度を的確に示すものである。
【0042】
前記伝達関数は音源の位置によって大きく変わる。すなわち、1つの音源から人間の耳に伝わる伝達関数は、右側の耳と左側の耳とで異なる場合がある。また、耳介や顔の形態には個人差があるため、前記伝達関数値にも個人差がある。そこで、本発明者等は複数の人に対する伝達関数の特性を調査し、その平均値をモデリングした値として用いた。
【0043】
前記伝達関数の測定は、基本的には所定のシステムに対するインパルス応答(impulse response)を測定する方法と同一の方法を用いた。すなわち、所定のシステムの入力部に所定の強度のインパルスを与えることによって出力された値の強度の周波数依存性の測定結果がインパルス応答であり、このインパルス応答を所定の周波数領域毎に変換したものが伝達関数である。
【0044】
前記伝達関数の測定方法は必要に応じて各種の方法が用いられるが、前記伝達関数の測定値は主に音源の方向と測定が行われる外耳道の位置等の相関関係によって決定される。外耳道の測定位置は、これまで多くの実験者によって種々の位置で行われてきているが、実際には外耳道の入口で測定された実験結果が多く、また外耳道の入口で測定を行う方が比較的多くの利点があると考えられてきたために、本発明者等は、多くの実験のうちの大部分を、外耳道の入口を基準として実験を行った。
【0045】
これまでに報告されている前記伝達関数の測定結果としては、例えば、1960年にRobinsonとWhittleが外耳道入口から外側の方に6mm〜9mmなる位置で行った測定結果や、1947年にWiener等が行った測定結果、1966年にShaw等が行った測定結果、1975年にBurkhardとSachsが行った測定結果、1980年にMorimotoとAndoが行った測定結果、1990年にLkabeとMiura等が外耳道入口で行った測定結果、1977年にMehrgardtとMellertが外耳道入口から内側に2mmなる位置で行った測定結果、1978年にPlattとLawsが行った測定結果、1979年にPlatte等が行った測定結果、1984年にGenuit等は外耳道入口から内側に4mmなる位置から内側に4mm〜5mmなる位置で行った測定結果、及び1974年にBlauert等は外耳道入口から内側に5mmなる位置で行った測定結果が挙げられる。
【0046】
このような測定結果の特徴は、外耳道全体を遮ることなく測定したことであるが、外耳道の一部を遮って測定をする場合もある。また、前記測定結果によれば外耳道の内部では、入力された音信号の方向については測定位置の依存性は見られないが、音圧については測定位置によって異なることが示されている。
【0047】
前記伝達関数の測定実験に用いられる「擬似頭(dummy―head)」としては、通常、KEMAR(Knowles Electronics社製のマネキン)が多く用いられる。なお、「擬似頭」とは、ここでは人間の頭の形状を摸倣した擬似頭を意味する。
前記伝達関数の測定は、反射音が全くない無響の環境下にある無響室で行われる。そして、該KEMARが左右方向に360゜回転自在の回転体上に備えられ、複数のスピーカがアーク状に配列されて上下方向に移動自在に動作できるように構成されている。前記インパルス応答は、パワーアンプの入力端に入力された電圧に対するマイクロホンに収集される音信号の強度値として測定される。
【0048】
このような伝達関数は、或る1つの音が空間上の或る1点(例えば、スピーカの位置)から出力される音のうちのいずれか1つの音が人間の耳に到達する際に生じる所定の周波数帯域毎の歪曲を示し、該歪曲がオーディオ信号に適用される場合に、人間はスピーカが配置された空間上のいずれか1つの位置から音が出力される場合と同じように感じるようになる。
【0049】
このようにして伝達関数を利用する3次元オーディオ再生方法は、いわゆる「両耳(Binaural)方式」と呼ばれており、人間の頭の形状を摸倣した擬似頭(dummy−head)の「両耳」で、録音された音をヘッドホンまたはイヤホンで再生することによって聞き手に対して前記音が録音された環境と同様の現場感を有する立体音場を感じさせるものである。
【0050】
前記両耳(Binaural)方式を備えるシステムにおいて、前記擬似頭モデル等を利用して録音された音をそのまま2個のスピーカを利用して再生すると、左側の耳にのみ聞こえなければならない音が右側の耳にも聞こえて、右側の耳にのみ聞こえる音が左側の耳にも聞こえるようになるクロストーク現像が生じる。このクロストーク現像はスピーカに入力される信号に、発生するクロストークを考慮して予めクロストーク成分を相殺できる逆フィルタ処理を施した信号を用いることによって、クロストーク現像を取り除くことができてより厳密に音場を再現することが可能となる。
【0051】
このようにクロストーク成分を相殺する逆フィルタ処理を施す方法は、いわゆる「transaural方式」と呼ばれているものである。図2に、前記両耳(Binaural)方式によって理想的な3次元音像再生信号をスピーカで再生する際に発生するクロストーク現象と、そのクロストーク現象を補償するためのtransaural方式で用いられる伝達関数を求めるための方法とを示す。図2において、音の再生系において鼓膜までの音の伝達特性を表す前記伝達関数を補償するための逆フィルタ処理を施した音を再生するように構成されて成るスピーカを用いることによって、transaural方式を具現化することが可能である。また、前記伝達関数を表す式を下記(4)式に示す。
【0052】
【数4】
Figure 0004584416
前記(7)式中、Cはクロストーク現象を補償するための処理部であり、Hはクロストークであり、Dは伝達関数を表す。また、添字の左側の数字はスピーカの位置を示し、添字の右側の数字は耳の位置を示し、1は左側の耳で、2は右側の耳を表す。
【0053】
前記(7)式において、スピーカによって再生する際に生じるクロストークH11、H12、H21、H22のうち、H11は左側のスピーカから左側の耳に伝えられる信号であり、H12は左側スピーカから右側の耳に伝えられる信号であり、H21は右側のスピーカから左側の耳に伝えられる信号であり、そしてH22は右側のスピーカから右側の耳に伝えられる信号である。そのクロストーク現象を補償するための処理部Cは、スピーカを再生する際に生じるクロストークHが2×2マトリックスであるので2×2の構造で計算する。その結果、得られる前記伝達関数Dは左側のスピーカ出力は左側の耳に、右側のスピーカ出力は右側の耳にのみ伝えられるべきなので、理想的な場合には、D11、D22は1で、D12、D21は0となる。
【0054】
また、前記(7)式中、D11とD22の値を各々1に近づけ、D12とD21の値を各々0に近づけるとともに、D11、D12、D21、D22の絶対値の和が2に近いような最適の解C11、C12、C21、C22を求める。前記クロストーク現象を処理するためのC11、C12、C21、C22の値を求め、スピーカから出力される前にこれらの値を用いて前記クロストーク現象の処理を施せば、所望の3次元音響に近い結果を得ることができる。
【0055】
以上、説明した両耳(Binaural)方式とtransaural方式による3次元音像形成方法を図1に示す。
図1(A)は左側の耳への伝達関数であるHRTF#Lと右側の耳への伝達関数であるHRTF_Rとを用いる両耳(Binaural)方式によって行われるる3次元音像形成方法を示し、図1(B)はスピーカで再現時生じるクロストークをC11、C12、C21、C22を利用して補償する3次元音像形成方法を示し、そして図1(C)は図1(B)における構造を単純化した3次元音像形成方法であって、L−Tr1は、C11×HRTF_L+C21×HRTF_R、の値を有し、R−Tr1は、C12×HRTF_L+C22×HRTF_R、の値を有する。
【0056】
映像会議やゲーム市場等の拡大に伴って、ビデオ・オブジェクトと関連した3次元オーディオの提供が要請されている。当該分野では、3次元オーディオの音像が1個所に固定されることなく、時々刻々、音像の位置が移動する。すなわち、音像の位置が移動すると、所望の3次元音響を得るために、音像の位置を適切に調節する能力が必要となる。既存の3次元オーディオ方式と同様にして伝達関数を利用すれば、仮想の位置に音像を形成させることが可能であるが、その仮想の位置を適宜に変えて他の位置からも音像が同様に出力されるように構成しようとすれば、変えようとすべき音像の位置に伝達関数を対応させて演算を行うことが必要となる。
【0057】
その理由として、3次元空間上で仮想音像の位置を移動させる場合に、3次元空間上の特定位置に仮想音像を形成する際、その仮想音像を形成するためにあらかじめ求めた所定の伝達関数を用いて処理を施す必要があることが挙げられる。そこで、仮想音像の位置を変更する必要がある場合には、変更すべき仮想音像の位置に対応する伝達関数を伝達関数のデータベースから読み込んできて処理を行うようにするのが好ましい。また、仮想音像の位置を移動させる際に提供すべき仮想音像の数が比較的多い場合には、各々所定の伝達関数を貯蔵する際に必要なメモリー容量が増大することに伴って装置が複雑化する複雑度の問題と、仮想音像の位置が移動することによって伝達関数を所望の伝達関数に変更させる必要性の問題とが生じる。このため、変更された所望の伝達関数によって所望の結果が出力されるまでの応答速度が遅くなるという問題が発生する。
【0058】
そこで、本発明に係る位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生方法を用いて、空間上の任意の2点に各々第一仮想音像A、Bを位置させた後、各空間上の位置によって第一仮想音像A、Bに適用する加重値を適宜に調節することによってその間に位置を移動させることが可能となる第一仮想音像を形成すれば、前記問題を解決することが可能となる。
【0059】
さらに、本発明に係る位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生方法によれば、第一仮想音像A、Bの位置を変更するごとに前記伝達関数を変える必要がなくなって3次元空間上の位置をより適切に制御することができる仮想音像を形成することが可能となる。
【0060】
また、3次元空間上に仮想の2つの音像を配置させたものの、その音像が1つに聞こえる場合の解決例を簡単に説明するとつぎのようになる。
モノラル信号を発生させる際に、該モノラル信号を右側と左側に配置されたスピーカの両方から全く同じように発生させる場合、すなわち該モノラル信号をデュアルモードで再生する場合に、該モノラル信号による音像は前記右側と左側に設置されたスピーカの中央部に音像がある場合と同じように感じられるという錯覚が引き起こされる。もし、前記右側と左側に配置されたスピーカのうちの1つを正面に配置し、他の1つを正面から右側に90゜の方向に向けて配置させて同じ音を再生させるようにすれば、音像は右側のスピーカの位置から出てくる場合と同じように感じられる。このような錯覚を具現化するために、該モノラル信号を3次元空間上の2つの位置に仮想音像を形成して、各仮想音像を形成するために用いる信号の加重値と位相差とを適宜に調節することによって、形成された2つの仮想音像の間で位置を移動させることができる第3の仮想音像を形成することが可能となる。
【0061】
図3(A)及び図3(B)に、仮想音像形成部310と、出力位置調節部320と、制御部330と、加算器340と、を含んで成る本発明に係る位置調節が可能な仮想音像形成装置を示す。
入力信号が仮想音像形成部310に入力されると、仮想音像形成部310と、制御部330とによって制御される出力位置調節部320を経た後、加算器340を通過してスピーカ用出力信号L、Rが形成される。
【0062】
図3(A)を参照すると、仮想音像形成部310は入力信号が入力されると3次元空間上の位置Aに存在する第一仮想音像を形成するとともに、3次元空間上の位置Bに存在する第一仮想音像を形成する。
出力位置調節部320は、仮想音像形成部310で形成された第一仮想音像Aと第一仮想音像Bに対する信号に、制御部330から送られ適用される加重値と時間遅延を利用して第一仮想音像Aと第一仮想音像Bの位相差を調節し、位置Cに存在する第二仮想音像を形成する。
このように図3(A)に示す構成では、まず入力信号を仮想音像形成部310を通過させた後、出力位置調節部320を経るようにしたものであるが、つぎに説明する図3(B)に示すような構成とすることもできる。
【0063】
図3(B)は、本発明に係る位置調節が可能な仮想音像形成装置を、入力信号がまず出力位置調節部320を通過した後、仮想音像形成部310を経るように構成したものであり、その作用はつぎの通りである。
【0064】
出力位置調節部320は、入力信号が入力されると制御部330から送られた第二仮想音像Cを形成するための第一仮想音像Aと第一仮想音像Bの各々に対応する加重値を前記入力信号と掛け、その後第一仮想音像Aと第一仮想音像Bの位相差を調節する。
仮想音像形成部310は、出力位置調節部320から出力された出力信号に仮想音像Aを形成するための伝達関数を掛けて第一仮想音像Aの信号を形成するとともに、第一仮想音像Bを形成するための伝達関数を掛けて第一仮想音像Bの信号を形成する。
【0065】
このようにして求められた第一仮想音像Aの信号と第一仮想音像Bの信号とを合成し、実際に聞き手が感じる第二仮想音像信号Cを形成する。
すなわち、多チャンネルオーディオ入力信号が本発明に係る位置調節が可能な仮想音像形成装置に入力されると、制御部330から送られた加重値を掛ける処理を行う出力位置調節部320と、スピーカ用の仮想音像を形成する仮想音像形成部310と、加算器340とを経て、多チャンネルオーディオ再生効果を2つのスピーカを利用して再生する際に感じることができるようにした左側のステレオオーディオ信号Lと右側のステレオオーディオ信号Rとを形成する。
出力位置調節部320は、入力された前記多チャンネルオーディオの信号の大きさと、前記多チャンネルオーディオの信号から形成された第一仮想音像Aと第一仮想音像Bの位相差を調節するとともに第一仮想音像Aと第一仮想音像Bを重畳する処理を行い、このようにして形成した信号をスピーカ用の仮想音像形成部310に伝達する。
スピーカ用の仮想音像形成部310は、出力位置調節部320で前記調節及び処理を施された信号を受けて3次元空間上の各信号を形成し、このようにして形成された信号は加算器340を経て左側のステレオオーディオ信号L、右側のステレオオーディオ信号R信号に形成される。
【0066】
図4(A)及び図4(B)は、本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法の一実施形態を具体化したものである。すなわち、図4(A)及び図4(B)に示す装置は、2つの仮想音像を形成させる方法を応用して位置調節が可能な新しい1つの仮想音像を形成させるものであり、仮想音像形成部410、出力位置調節部420、制御部430及び加算器440を含んで構成される。
【0067】
図4(A)は、仮想音像形成部410が出力位置調節部420の前に置かれた場合の構造を比較的詳細に示したものであり、図4(B)は出力位置調節部420が仮想音像形成部410の前に置かれた場合の構造を比較的詳細に示したものである。
図4(B)を具体例を用いて説明する。出力位置調節部420は、入力モノラル信号が入力されると、第二仮想音像Cを形成するために、制御部430から、第一仮想音像Aと第一仮想音像Bの各々に対応する加重値と、第一仮想音像Aと第一仮想音像Bの位相遅延に対する値と、を受けて前記入力モノラル信号の演算処理を行う。
【0068】
仮想音像形成部410は、出力位置調節部420から出力された各々の前記入力モノラル信号に対して第一仮想音像Aを形成するためにL_Tr1、R_Tr1を用いた伝達関数を掛けて第一仮想音像Aに対応する信号を求め、第一仮想音像Bの形成のためのL_Tr2、R_Tr2を用いた伝達関数を掛けて第一仮想音像B形成に対応する信号を求める。
このようにして求められた第一仮想音像Aに対応する信号と第一仮想音像Bに対応する信号は、実際に聞き手が感じるような第二仮想音像信号Cとしての出力値である左側のステレオオーディオ信号Lと左側のステレオオーディオ信号Rとを形成するために、左側のステレオオーディオ信号Lに関連した処理信号を加算器440で加えて左側のステレオオーディオ信号Lを形成し、R関連した信号は加算器440で加えてR信号を求める。
【0069】
本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法を前記のモノラル信号に対して適用した例としては、形成させようとする第一仮想音像中の1つを両スピーカの中央に位置させる場合に、L#Tr1とR#Tr1との演算またはL#Tr2とR#Tr2との演算中の1セットの演算を伝達関数を1として演算を行うことが可能である。その際、演算の回数を減らすことができる長所がある。
【0070】
伝達関数端の入力値と出力値は、通常同じ値を有するものであるが、さらに他の1つの第二仮想音像を形成する際に生じる音の位相のずれを修正して音の位相を合せるために、演算処理時に生じる位相遅延差を伝達関数のD1、D2値を利用して調節することができる(以下、このような位相遅延差を調節する際に用いる伝達関数の値を、「伝達関数のD値」という)。加重値W1、W2は制御部430を通してその値を調節することによって、伝達関数によって形成された仮想空間で形成される仮想音像の位置を、第一仮想音像Aと第一仮想音像Bとの間で調節可能にする。このようにして仮想音像の位置調節を行い、かつ1つの仮想音像を形成する際に用いられる加重値W1、W2をW1+W2=1とする。
【0071】
第一仮想音像AとBとが図5(A)のように形成された場合、第一仮想音像Aに加重値W1、第一仮想音像Bに加重値W2を適用するとき、第二仮想音像Cは、図5(B)に示すように、(1−W1)/(W1+W2)の距離で第一仮想音像Aから離れた位置に形成される。例えば、W1=0.5の場合には、W1=W2=0.5となって第二仮想音像Cは第一仮想音像Aと第一仮想音像Bとの丁度真ん中の部位に位置し、W1=0.25の場合には、W1=0.25、W2=0.75となって第二仮想音像Cは第一仮想音像B側により接近するものとなる。そして、W1=0.75の場合には、W2=0.25となって第二仮想音像Cは第一仮想音像A側により接近するものとなる。
【0072】
このような演算を行う際に生じる第一仮想音像Aと第一仮想音像Bの位相差を補正する方法はつぎの通りである。
図6(A)は、第一仮想音像Aと第一仮想音像Bの位相差がある場合に形成される第二仮想音像位置の一実施例であり、基準点から第一仮想音像Aまでの距離La1と基準点から第一仮想音像Bまでの距離Lb1とが同じ場合を示したものである。ここで、第一仮想音像Aに対して、その形成に用いる伝達関数のD値を適宜に調節し、該伝達関数のD値がより大きな値を有するようにして適度な遅延効果を与えるようにすれば、図6(B)に示すように、音があたかも第一仮想音像A'の位置に存在する場合と同じように第一仮想音像A'が形成され、最終的に第二仮想音像Cが第一仮想音像A'と第一仮想音像Bとを結ぶ直線上に存在するように形成される。
【0073】
音の速度を毎秒340mとし、1秒当たりのサンプル数(サンプリング周波数)をfsとすると、距離1m以内に存在するサンプルの数xは、340:fs=1:xの関係より、下記(8)式のようになる。
x=fs/340(単位:サンプル数/m) …(8)
【0074】
すなわち、図6(B)に示すように、前記した遅延効果によって第一仮想音像A’を形成する際に用いられる伝達関数のD値は前記(8)式から求められる距離の差に対するサンプル数となる。
図6(B)に示す距離La1と距離Lb1が同じ場合には、第一仮想音像A'と第一仮想音像Aとの距離(La2−La1)をmとし、これに距離1m以内に存在するサンプルの数xを掛けて遅延させるべきサンプル数を計算することによって伝達関数のD値を求め、クロストーク現像を補償する処理に用いる。この計算式を下記(9)式に示す。
【0075】
D=x×m
=(fs/340)×(La2−La1)(単位:サンプル数) …(9)
なお、前記(9)式中、第一仮想音像Aと第一仮想音像A'の位置が同一である場合には、(La2−La1)が0となって、伝達関数のD値が0となることが明らかである。
このようにして加重値Wと伝達関数のD値とを適宜に調節すれば、第一仮想音像Aに前記した遅延効果を与えて第一仮想音像A’を形成することができ、第二仮想音像Cを所望の位置に形成することができるようになる。
【0076】
以上、本発明に係る位置調節が可能な仮想音像形成装置及びその方法を、1つのモノラル信号に対して適用した例を示した。これをステレオまたは2つのモノラル信号に適用する場合には各々の仮想音像を形成するべきである。これは仮想音像の重畳の性質を利用して処理することができる。
【0077】
図7は、仮想音像C1形成部と仮想音像C2形成部を置くことによって、2つの仮想音像を形成することができる例を示したものである。仮想音像C1形成部では第一仮想音像A1と第一仮想音像B1を伝達関数を用いて形成した後、これらの第一仮想音像A1と第一仮想音像B1の各々に対応する加重値W11、W12を用いて第二仮想音像C1を形成する。仮想音像C2形成部では第一仮想音像A2と第一仮想音像B2を伝達関数を用いて形成した後、第一仮想音像A2と第一仮想音像B2の各々に対応する加重値W21、W22を用いて第二仮想音像C2を形成する。これらの仮想音像形成部で形成された第二仮想音像C1と第二仮想音像C2は重畳されて2つのスピーカから出力され、聞き手に感じられるように構成されている。図7に示す2つの仮想音像を形成するための方法を図8に示す。
【0078】
図8は、本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成装置の一実施例である。すなわち、位置調節が可能な2つの仮想音像を形成する装置において、位置調節が可能な1つの仮想音像形成部を2つ有するものと同じ構造を備えており、制御部840と接続されている出力位置調節部810と、仮想音像形成部820と、加算器830とを含んで成る。
【0079】
図8において、制御部840は、第一仮想音像の位置を考慮して第二仮想音像の位置を形成するために用いられる伝達関数のD値と加重値Wとを出力位置調節部810に送るものであり、出力位置調節部810と仮想音像形成部820は、第一入力に対する第一仮想音像A1と第一仮想音像B1とを形成し、このようにして形成された第一仮想音像A1と第一仮想音像B1は加算器830を通過しながら1つの第二仮想音像C1を形成するようになっている。出力位置調節部810と仮想音像形成部820とは第二入力に対する第一仮想音像A2と第一仮想音像B2とを形成し、このようにして形成された第一仮想音像A2と第一仮想音像B2は加算器830を通過しながら、1つの第二仮想音像C2を形成する。第二仮想音像C1と第二仮想音像C2は最終的に加算器で重畳される。そして、2つのスピーカLとスピーカRによって2つの仮想音像C1と仮想音像C2とが形成されるように構成されている。
【0080】
前記したように形成された複数の第一仮想音像のうちの1つが正面の中央部に位置する場合には、図8の伝達関数の一部を1として第二仮想音像を形成することができる。このようにして形成される第一仮想音像B1と第一仮想音像A2をスピーカLとスピーカRとの間の中央部に位置させれば、第一入力に対して仮想音像を形成する仮想音像形成部821でL−Tr12、R−Tr12と、第二入力に対して仮想音像を形成する仮想音像形成部823でL−Tr21とR−Tr21とは各々同じ値になり、最も簡単な同じ値を有する場合は伝達関数が1の場合である。L−Tr12とR−Tr12の伝達関数、及びL−Tr21とR−Tr21の伝達関数が各々1の場合を考慮すれば、図8は図9のように変形することが可能である。
【0081】
図9は、本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法の一実施例において、複数の第一仮想音像を1つずつ2スピーカの中央部に位置させて単純化された位置調節が可能な2つの仮想音像を形成する方法を示すブロック図である。図9に示すように、このブロック図は出力位置調整部910と、仮想音像形成部930と、加算器940とから成る。
【0082】
図9を参照すると、出力位置調節部910に第一入力と第二入力が各々入力されると、制御部920の制御によって送られた仮想音像の位置選定に用いられる加重値Wと伝達関数のD値とを受けて第一入力と第二入力が処理され、仮想音像形成部930ではその処理結果を受けて第一仮想音像を形成するための演算を行う。演算された結果は加算器940で合成されて、仮想音像C1と仮想音像C2との形成に用いられる左側のオーディオ信号Lと右側のオーディオ信号Rの出力値を各々求める。ここで、仮想音像形成部930で用いられるL#Tr1、R#Tr1には図2に示したスピーカ・クロストークを補償する処理をするために伝達関数を逆変換して求めた値を用いることができる。
【0083】
図10は本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法の一実施例で第一仮想音像を正面に対称に形成させて単純化された位置調節が可能な2つの仮想音像を形成する方法を示したブロック図である。図10に示すように、このブロック図は、制御部1020に接続されている出力位置調節部1010と、仮想音像形成部1030と、加算器1040とから成る。
【0084】
図10では、2つの仮想音像において加重値Wと位相差遅延値Dとが各々同じ値の場合、すなわち第二仮想音像が正面に対称に生じる場合にはW1とD1が各々W4とD2と同じになって伝達関数が対称であるために、より簡単な構成を具現化することが可能なことを示す。
DVD(Digital Video Disk)やHDTV(High Definition Television)用多チャンネルオーディオを2個のスピーカを利用して再生を行うために、より簡単に構成して適用させる場合には、後記する図11と同様にして行うことができる。
【0085】
図11は本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法の一実施例として、2つのスピーカLとスピーカRを利用した5個の仮想音像を形成する方法を示したものである。図11に示すように、この仮想音像を形成する方法では、スピーカLとスピーカRが配置され、仮想音像として各々C00、C11、C22、C22、C33、C44、B11、B22、A11、A22が配置されている。その相対的な位置関係はつぎの通りである。
【0086】
図11に示すように、仮想音像C00はスピーカLとスピーカRの略中央部に位置し、仮想音像C33と仮想音像C44はスピーカLとスピーカRの左側と右側との端に位置し、仮想音像C11とC22はスピーカLとスピーカRの中央部と左側端部に位置するように構成されている。そしてスピーカLとスピーカRの略中央部と右側端部との間に仮想音像が位置するようにして、その位置は仮想音像を形成する際に用いられる加重値Wの適宜に調節を通して決定することができる。したがって、前記仮想音像を重畳することにより複数の仮想音像を形成させることによって、5個の仮想音像を2個のスピーカのみを利用して形成することができる。このような本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法を具現化するために、後記する図12及び図13のような構造とすることができる。
【0087】
図12は、本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法を利用した多チャンネルオーディオ再生方法の一実施例で第一仮想音像中1つをスピーカ中央に位置させる方法を示したブロック図である。このブロック図は、図12に示すように、制御部1220と接続している出力位置調整部1210と、仮想音像形成部1230と、加算器1240と、から成り、さらに、図示しない多チャンネルオーディオ信号はセンター信号Cと、前方左信号Lと、前方右側の信号Rと、後方左側信号SLと、後方右側の信号SRとを含む。
【0088】
出力位置調節部1210で5チャンネルの入力信号を受け、制御部1220から受けた加重値W0、W1、W2、W3、W4と遅延情報D1、D2とを利用して、各チャンネルの信号を調節したあとに、仮想音像形成部1230に送る値を求めるようになっている。仮想音像形成部1230では図2と同様にして求めたスピーカ・クロストークを補償する処理をした伝達関数を利用して、仮想音像を位置させるための値を求め、このようにして求めた値は加算器1240で重畳させて5個の仮想音像を形成する。このようにして形成された仮想音像形成信号はスピーカLとスピーカRとで重畳されて伝えられる。聞き手は、このようにして求められたスピーカL及びスピーカRからの各信号を2個のスピーカを利用して聴取することによって、5チャンネルによる再生効果を2チャンネルで再生する際に感じることができるようになる。
【0089】
図13は、本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法を利用した多チャンネルオーディオ再生方法の一実施例であり、第一仮想音像を正面に対称に形成して使用する方法を示したブロック図である。このブロック図は、図13に示すように、制御部1320と接続している出力位置調整部1310と、仮想音像形成部1330と、加算器1340と、から成る。
【0090】
図13において、前方信号を強調しながら多チャンネルオーディオ処理をする場合には、出力位置調節部1310から前方信号用成分と、左側音像成分と、右側音像成分とを求め、このように求められた成分は仮想音像形成部1330で3次元空間上の位置に仮想音像を形成するように処理される。このように処理された仮想音像を重畳する処理は加算器1340で行われる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば以下の効果を奏する。
(1)仮想音像の位置を調節する処理が可能になる。
(2)伝達関数を1セットを有して多くの位置に仮想音像を形成させることができる。
(3)複雑な演算器を用いることなく、仮想音像の位置を調節する処理が可能である。
(4)スピーカの数が比較的少ない場合にも多チャンネルオーディオ効果を再生することができる。
(5)仮想音像の位置を調節する処理を行う仮想音像の数の増加に伴って増大する位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置の複雑度が低減化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、従来の3次元空間上に仮想音像を形成させる方法のヘッドホンの構成を示す図面である。
図1(B)は、従来の3次元空間上に仮想音像を形成させる方法のスピーカの構成を示す図面である。
図1(C)は、図1(B)を一般化した方法の構成を示す図面である。
【図2】スピーカの再生時に生じるクロストーク(cross−talk)を取り除くためのフィルタ設計に用いる方法の構成を示す図面である。
【図3】図3(A)は、本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法を示すブロック図の一例である。
図3(B)は、本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法を示すブロック図の他の例である。
【図4】図4(A)は、本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法の一実施例であり、位置調節が可能な新しい1つの仮想音像を形成させる方法を示すブロック図である。
図4(B)は、本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法の他の実施例であり、位置調節が可能な新しい1つの仮想音像を形成させる方法を示すブロック図である。
【図5】図5(A)は2つのスピーカを利用して位置調節が可能な1つの仮想音像を形成した一実施例である。
図5(B)は2つのスピーカを利用して位置調節が可能な1つの仮想音像を形成した他の実施例である。
【図6】図6(A)は位相差がある場合に形成される第二仮想音像位置の一実施例である。
図6(B)は位相差がある場合に形成される第二仮想音像位置の他の実施例である。
【図7】加重値を調節して2つのスピーカを利用して位置調節が可能な2つの仮想音像を形成した一実施例である。
【図8】本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法の一実施例で位置調節が可能な2つの仮想音像を形成する方法を示すブロック図である。
【図9】本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法の一実施例で第一仮想音像中1つずつを2スピーカの中央に位置させて単純化された位置調節が可能な2つの仮想音像を形成する方法を示すブロック図である。
【図10】本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法の一実施例で第一仮想音像を正面に対称させて単純化された位置調節が可能な2つの仮想音像を形成する方法を示すブロック図である。
【図11】本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法の一実施例で2つのスピーカを利用した5個の仮想音像を形成する方法を示すものである。
【図12】本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法を利用した多チャンネルオーディオ再生方法の一実施例で第一仮想音像中1つをスピーカ中央に位置させる方法を示すブロック図である。
【図13】本発明に係るスピーカを利用した3次元空間で位置調節が可能な仮想音像形成方法を利用した多チャンネルオーディオ再生方法の一実施例で第一仮想音像を正面に対称に形成して使用する方法を示すブロック図である。
【符号の説明】
310:仮想音像形成部
320:出力位置調節部
330:制御部
340:加算器

Claims (19)

  1. 入力された少なくとも1つのオーディオ信号に対し、スピーカの配置によって生じるクロストーク(cross-talk)現象を補償する処理を行い、3次元空間上の1点から両耳まで音を伝達させる伝達関数特性と類似した伝達関数処理効果を得ることができる伝達関数を求め、3次元空間上の1点から両耳まで音を伝達させる前記伝達関数を利用して3次元空間上に複数の第一仮想音像を形成する仮想音像形成部と、
    少なくとも1つの第二仮想音像が形成される位置を調節するための調節因子を生成する制御部と、
    前記仮想音像形成部で複数の第一仮想音像が形成された少なくとも1つのオーディオ信号を前記制御部により生成された調節因子で制御して、少なくとも1つの第二仮想音像が形成される位置を調節する出力位置調節部と、
    少なくとも1つの第二仮想音像が形成される位置が調節された少なくとも1つのオーディオ信号を前記1次仮想音像の音声信号に各々加算して、少なくとも1つの第二仮想音像を形成させる左/右オーディオ信号を生成する加算器と、を含み、前記制御部で生成される調節因子は前記第1仮想音像に適用されその和が1である加重値と前記伝達関数の位相遅延値であり、前記複数の第一仮想音像の中の少なくとも1つの第一仮想音像をスピーカの配置の中央に位置させ、該少なくとも1つの第一仮想音像を形成するための伝達関数を1とすることを特徴とする位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
  2. 前記仮想音像形成部から生成される伝達関数は、
    スピーカの再生時に生じるクロストークを示すマトリックスHが下記(1)式で表され、
    前記スピーカの再生時に生じるクロストークを補償するマトリックスCが下記(2)式で表され、
    前記スピーカから人間の耳に伝えられる音の経路をモデリングした伝達関数Dが下記(3)式で表されることを特徴とする請求項1に記載の位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
    Figure 0004584416
    前記(1)式中、添字の左側の数字はスピーカの位置を示し、添字の右側の数字は耳の位置を示し、1は左側の耳で、2は右側の耳を表す。
    Figure 0004584416
    前記(2)式中、添字の左側の数字はスピーカの位置を示し、添字の右側の数字は耳の位置を示し、1は左側の耳で、2は右側の耳を表す。
    Figure 0004584416
    前記(3)式中、最初添字の左側の数字はスピーカの位置を示し、添字の右側の数字は耳の位置を示し、1は左側の耳で、2は右側の耳を表す。
  3. 前記伝達関数Dは、
    請求項2に記載の(3)式において、D11、D22を1とし、D12、D21を0とし、かつD11、D22、D12、D21の絶対値の和が2となるような最適の解を有する前記マトリックスCを求めることを特徴とする位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
  4. 前記出力位置調節部における位置調節は、
    前記仮想音像形成部で形成された第一仮想音像の位置の間で、前記制御部によって生成された調節因子を適用して成ることを特徴とする請求項1に記載の位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
  5. 少なくとも1つの第二仮想音像が形成される位置を調節するための調節因子を生成する制御部と、
    入力された少なくとも1つのオーディオ信号を前記制御部により生成された調節因子で制御して、少なくとも1つの第二仮想音像が形成される位置を調節する出力位置調節部と、
    前記出力位置調節部から位置が調節された少なくとも1つのオーディオ信号に対してスピーカの配置により生じるクロストーク現象を補償する処理を行って、3次元空間上の1点から両耳まで音が伝えられる伝達関数を求め、前記伝達関数を利用して3次元空間上に複数の第一仮想音像を形成する仮想音像形成部と、
    前記仮想音像形成部から複数の1次の仮想音像が形成された、少なくとも1つの第二仮想音像が形成される位置が調節された、少なくとも1つのオーディオ信号を前記1次仮想音像の音声信号に加算して、少なくとも1つの第二仮想音像を形成する左/右オーディオ信号を生成する加算器と、を含み、前記制御部で生成される調節因子は前記第1仮想音像に適用されその和が1である加重値と前記伝達関数の位相遅延値であり、前記複数の第一仮想音像の中の少なくとも1つの第一仮想音像をスピーカの配置の中央に位置させ、該少なくとも1つの第一仮想音像を形成するための伝達関数を1とすることを特徴とする位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
  6. 前記出力位置調節部における位置調節は、
    前記仮想音像形成部で形成された第一仮想音像の位置の間で、前記制御部によって生成された調節因子を適用して成ることを特徴とする請求項5に記載の位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
  7. 前記仮想音像形成部から生成される伝達関数は、
    スピーカ再生時生じるクロストークを示すマトリックスHが下記(1)式で表され、
    前記スピーカ再生時生じるクロストークを補償するマトリックスCが下記(2)式で表され、
    前記スピーカから人間の2耳に伝えられる音の経路をモデリングした伝達関数Dが下記(3)式で表されることを特徴とする請求項5に記載の位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
    Figure 0004584416
    前記(1)式中、添字の左側の数字はスピーカの位置を示し、添字の右側の数字は耳の位置
    を示し、1は左側の耳で、2は右側の耳を表す。
    Figure 0004584416
    前記(2)式中、添字の左側の数字はスピーカの位置を示し、添字の右側の数字は耳の位置
    を示し、1は左側の耳で、2は右側の耳を表す。
    Figure 0004584416
    前記(3)式中、添字の左側の数字はスピーカの位置を示し、添字の右側の数字は耳の位置を示し、1は左側の耳で、2は右側の耳を表す。
  8. 前記伝達関数Dは、
    D11、D22を1とし、D12、D21を0とし、かつD11、D22、D12、D21の絶対値の和が2になるように最適の解を有する前記マトリックスCを求めることを特徴とする請求項7に記載の位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
  9. 入力されたモノラルオーディオ信号に対して位置調節が可能な仮想音像を形成する装置において、
    前記入力されたモノラルオーディオ信号に対して第一仮想音像を形成する所定のA位置及び所定のB位置を基準に第二仮想音像が形成される位置Cを調節するための加重値及び位相遅延値を生成する制御部と、
    前記入力されたモノラルオーディオ信号を2つに分割して、分割されたモノラルオーディオ信号に対して各々前記加重値、及び前記位相遅延値を適用して第二仮想音像が形成される位置を調節する出力位置調節部と、
    前記所定のA位置を基準に位置調節されたモノラルオーディオ信号に対しては前記所定のA位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を各々掛けるA伝達関数処理部、及び前記所定のB位置を基準に位置調節されたモノラルオーディオ信号に対しては前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理するB伝達関数処理部を備える仮想音像形成部と、
    前記所定のA位置及び前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数が処理されたオーディオ信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号、及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分して加算し、第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する加算器と、を含み、前記制御部で生成される加重値はその和が1であり、前記位相遅延値は前記各伝達関数に対する位相遅延差であり、前記A伝達関数処理部及びB伝達関数処理部のいずれか一方は、当該伝達関数処理部により形成される仮想音像の位置をスピーカの配置の中央とし、該仮想音像を形成するための伝達関数を1とすることを特徴とする位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
  10. 入力されたステレオオーディオ信号L及びRに対して位置調節が可能な仮想音像を形成する装置において、
    前記入力されたステレオオーディオ信号中、左側の信号Lと右側信号Rとに対して第一仮想音像を形成する所定のA位置及び所定のB位置を基準に第二仮想音像が形成される位置C-left及びC-rightを調節するための加重値及び位相遅延値を生成する制御部と、
    前記左側の信号Lに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記右側信号Rに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、を合せてA位置基準信号に置き、かつ前記右側信号Rに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記左側の信号Lに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、を合せてB位置基準信号に置いて第二仮想音像が形成される位置を調節する出力位置調節部と、
    前記A位置基準信号に対しては前記所定のA位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理するA伝達関数処理部、及び前記B位置基準信号に対しては前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理するB伝達関数処理部を備えた仮想音像形成部と、
    前記仮想音像形成部で伝達関数が処理された信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号、及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分して加算し、C-left及びC-rightにおける第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する加算器を含み、前記制御部で生成される加重値はその和が1であり、前記各伝達関数に対する位相差であり、前記A伝達関数処理部及びB伝達関数処理部のいずれか一方は、当該伝達関数処理部により形成される仮想音像の位置をスピーカの配置の中央とし、該仮想音像を形成するための伝達関数を1とすることを特徴とする位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
  11. 前記出力位置調節部は、
    前記左側の信号Lに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号をA位置基準信号に置き、前記右側信号Rに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号をB位置基準信号に置き、前記左側の信号Lに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記右側信号Rに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、を合せて中央基準信号に置いて、第二仮想音像が形成される位置を調節し、
    前記仮想音像形成部は、
    前記中央基準信号に対して前記所定のA位置及び前記所定のB位置の中央に存在する仮想音像を形成する伝達関数をさらに処理し、
    前記加算器は、
    前記仮想音像形成部で伝達関数が処理された信号中、聞き手の左側の耳に対応する信号及び前記中央伝達関数処理部の出力信号を加算して左信号で出力し、聞き手の右側の耳に対応する信号及び前記仮想音像形成部でさらに処理された信号を加算して右信号を生成することを特徴とする請求項10に記載の位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
  12. 入力された5チャンネルオーディオ信号L、C、R、SL、SRの各々に対して位置調節が可能な仮想音像を形成する装置において、
    前記入力された5チャンネルオーディオ信号中、左側の信号L、右側信号R、後方左側の信号SL、後方右側信号SR、中央信号Cの各々に対して第一仮想音像を形成する所定のA位置及び所定のB位置を基準に第二仮想音像が形成される位置C-left及びC-rightを調節するための加重値及び位相遅延値を生成する制御部と、
    前記左側の信号Lに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記右側信号Rに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、後方左側の信号SL及び中央信号Cと、を合せてA位置基準信号に置き、前記右側信号Rに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記左側の信号Lに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、後方右側信号SR及び中央信号Cと、を合せてB位置基準信号に置いて第二仮想音像が形成される位置を調節する出力位置調節部と、
    前記A位置基準信号に対しては前記所定のA位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理するA伝達関数処理部、及び前記B位置基準信号に対しては前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理するB伝達関数処理部を備えた仮想音像形成部と、
    前記仮想音像形成部から伝達関数が処理された信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分して加算し、中央信号C、後方左側信号SL、後方右側信号SR、第二仮想音像が形成される位置C-left及びC-rightにおける第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する加算器と、を含み、前記制御部で生成される加重値はその和が1であり、前記各伝達関数に対する位相差であり、前記A伝達関数処理部及びB伝達関数処理部のいずれか一方は、当該伝達関数処理部により形成される仮想音像の位置をスピーカの配置の中央とし、該仮想音像を形成するための伝達関数を1とすることを特徴とする位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
  13. 前記出力位置調節部は、
    前記左側信号Lに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号及び後方左側信号SLを合せてA位置基準信号に置き、前記右側信号Rに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号及び後方右側信号SRを合せてB位置基準信号に置き、前記左側信号Lに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記右側信号Rに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、中央信号Cと、を合せて中央基準信号に置いて、第二仮想音像が形成される位置を調節し、
    前記仮想音像形成部は前記中央基準信号に対しては前記所定のA位置及び前記所定のB位置の中央に存在する仮想音像を形成する伝達関数をさらに処理し、前記加算器は前記仮想音像形成部で伝達関数が処理された信号中、聞き手の左側の耳に対応する信号及び前記仮想音像形成部でさらに処理される信号を加算して左信号で出力し、聞き手の右側の耳に対応する信号及び前記仮想音像形成部でさらに処理される信号を加算して右信号を生成することによって3次元空間上の位置調節が可能であることを特徴とする請求項12に記載の位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
  14. 前記出力位置調節部は、
    前記中央信号に加重値及び位相遅延値を処理することを特徴とする請求項13に記載の位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生装置。
  15. (a)入力されたオーディオ信号に対して、3次元空間で位置調節が可能な領域に複数の第一仮想音像を形成する段階と、
    (b)和が1である前記複数の第1仮想音像の加重値と伝達関数の位相差を調節して複数の第一仮想音像が形成されたオーディオ信号に対して第二仮想音像の位置を調節する段階と、を含み、前記複数の第一仮想音像の中の少なくとも1つの第一仮想音像をスピーカの配置の中央に位置させ、該少なくとも1つの第一仮想音像を形成するための伝達関数を1とすることを特徴とする位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生方法。
  16. 入力されたモノラルオーディオ信号に対して位置調節が可能な仮想音像を形成する方法において、
    (c)前記入力されたオーディオ信号に対して、3次元空間上の所定のA位置に存在する仮想音像を形成するA位置の第一仮想音像形成信号、及び3次元空間上の所定のB位置に存在する仮想音像を形成するB位置の第一仮想音像形成信号を生成する段階と、
    (d)前記A位置の第一仮想音像形成信号及び前記B位置の第一仮想音像形成信号に対して和が1である各加重値及び時間遅延を適用して空間上における位置及び位相差を調節する段階と、
    (e)前記空間上における位置及び位相差が調節された信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分しこれらの信号を加算して、第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する段階と、を含み、前記A位置又は前記B位置をスピーカの配置の中央とし、該A位置又はB位置の第一仮想音像を形成するための伝達関数を1とすることを特徴とする位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生方法。
  17. 入力されたモノラルオーディオ信号に対して位置調節が可能な仮想音像を形成する方法において、
    (f)前記入力されたモノラルオーディオ信号に対して各々所定のA位置及び所定のB位置によって和が1である各加重値及び時間遅延を適用して空間上における第二仮想音像が形成される位置を調節する段階と、
    (g)前記所定のA位置を基準に位置調節されたオーディオ信号に対しては前記所定のA位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理し、前記所定のB位置を基準に位置調節されたオーディオ信号に対しては前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理する段階と、
    (h)前記所定のA及び前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数が処理されたオーディオ信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分しこれらの信号を加算して、第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する段階と、を含み、前記A位置又は前記B位置をスピーカの配置の中央とし、該A位置又はB位置の第一仮想音像を形成するための伝達関数を1とすることを特徴とする位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生方法。
  18. 入力されたステレオオーディオ信号L及びRに対して位置調節が可能な仮想音像を形成する方法において、
    (i)前記入力されたステレオオーディオ信号中、左側信号Lと右側信号Rに対して、前記左側信号Lに所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記右側信号Rに所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、を合せてA位置基準信号に置き、前記右側信号Rに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記左側信号Lに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、を合せてB位置基準信号に置いて第二仮想音像が形成される位置C-left、C-rightを調節する際前記加重値の和を1に合せる段階と、
    (j)前記A位置基準信号に対しては前記所定のA位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理して、前記B位置基準信号に対しては前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理する際前記各伝達関数の位相遅延差を調節する段階と、
    (k)前記(j)段階で伝達関数が処理された信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分して加算して、前記第二仮想音像が形成される位置C-left及びC-rightにおける第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する段階と、を含み、前記A位置又は前記B位置をスピーカの配置の中央とし、該A位置又はB位置の第一仮想音像を形成するための伝達関数を1とすることを特徴とする位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生方法。
  19. 入力された5チャンネルオーディオ信号L、C、R、SL、SRに対して位置調節が可能な仮想音像を形成する方法において、
    (l)前記入力された5チャンネルオーディオ信号中、左側信号L、右側信号R、後方左側信号SL、後方右側信号SR、中央信号Cに対して、前記左側信号Lに所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記右側信号Rに所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、後方左側信号SLと、中央信号Cとを合せてA位置基準信号に置き、かつ前記右側信号Rに前記所定のA位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、前記左側信号Lに前記所定のB位置に対する加重値及び位相遅延値を処理した信号と、後方右側信号SRと、中央信号Cと、を合せてB位置基準信号に置いて第二仮想音像が形成される位置C-left及びC-rightを調節する際前記加重値の和を1に合せる段階と、
    (m)前記A位置基準信号に対しては前記所定のA位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理し、前記B位置基準信号に対しては前記所定のB位置に存在する仮想音像を形成する伝達関数を処理する段階と、
    (n)前記(m)段階で伝達関数が処理された信号を各々聞き手の右側の耳に対応する信号及び聞き手の左側の耳に対応する信号に区分しこれらの信号を加算して、中央信号C、後方左側信号SL、後方右側信号SR、第二仮想音像が形成される位置C-left及びC-rightにおける第二仮想音像を提供する左/右信号を生成する段階と、を含み、前記A位置又は前記B位置をスピーカの配置の中央とし、該A位置又はB位置の第一仮想音像を形成するための伝達関数を1とすることを特徴とする位置調節が可能な仮想音像を利用したスピーカ再生用多チャンネルオーディオ再生方法。
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