JP2013502752A - 改善された音像でマルチチャネル音声を再生するためのラウドスピーカシステム - Google Patents

改善された音像でマルチチャネル音声を再生するためのラウドスピーカシステム Download PDF

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Abstract

リスニングゾーンにおいて改善された音像でマルチチャネル音声を再生するためのラウドスピーカシステムが開示される。ラウドスピーカシステムは、リスニングゾーンに対する第1の位置に設置されるための第1のスピーカアレイと、リスニングゾーンに対する第2の位置に設置されるための第2のスピーカアレイとを含む。第1のスピーカアレイは、マルチチャネル音声の第1の音声を放射するための第1の放射ローブと、第1の音声を遅延させたバージョンを放射するための少なくとも第2の放射ローブとを含む。第2のスピーカアレイは、マルチチャネル音声の第2の音声を放射するための第1の放射ローブと、第2の音声を遅延させたバージョンを放射するための少なくとも第2の放射ローブとを含む。ラウドスピーカシステムは、各々の放射ローブに関連付けられた放射パターンまたは極性パターンを変更するための手段をさらに含む。リスニングゾーン内の実質的に全ての位置で、第1および第2のアレイからの音声の放射を、実質的に等しい到着時間で受けるように、第1および第2のアレイから実質的に等距離にあるリスニングポジションでは、第2のローブ同士からの、または、第1のローブ同士からの放射を受けて、第1および第2のアレイから実質的に等距離にはないリスニングポジションでは、一方のアレイの第1のローブと、他方のアレイの第2のローブとの両方からの放射を受けるように、システムが構成される。

Description

発明の分野
本発明は、改善された音像でマルチチャネル音声を再生するためのラウドスピーカシステムに関する。いくつかの実施の形態において、本発明に従うラウドスピーカシステムは、ホームシアターとして機能するリスニングゾーンにおける使用に適し得る。さらなる実施の形態において、ラウドスピーカシステムは、商業劇場または映画館のような比較的大きなオーディトリアム(auditorium)における使用に適し得る。
発明の背景
マルチチャネル音声は、本明細書では、2より大きい音声チャネル、たとえば5以上の中高域の高周波チャネルとサブウーファチャネルとを含む、5.1チャネルまたは7.1チャネルから再生される音声として定義されるが、典型的には、リスニングゾーンの前、後ろ、および場合によっては両方の側に位置する複数のスピーカから再生される。マルチチャネル音声は、没入型の、またはサラウンド音声のリスニング体験を再現するためのさらなる自由を提供し得る。しかしながら、そのようなシステムは、特にホームシアターのような、より小さな設置環境の場合には、設置するのが高価であるのとともに複雑でありがちである。さらに、満足できるような、没入型またはサラウンド音声のリスニング体験は、典型的には、リスニングゾーンの中央付近に位置する比較的小さなリスニング領域に制限される。したがって、より少ないラウドスピーカを与えながらも、リスニングゾーンの実質的にすべての位置において、特に、模擬的なサラウンド音声を含むマルチチャネル音声において、満足できるサラウンド音声体験を提供するシステムが考案されうることが望ましいであろう。
マルチチャネル音声を2チャネルのフォーマットに混合するためのさまざまな技術が存在する。いくつかの技術は、すべての信号を、その混合された信号の相対的なゲインのみを調整しながら、2チャネルフォーマットへと結合する。他の技術は、混合する過程の間に、音声信号に、周波数成形、振幅調整、および/または位相シフトまたはこれらの組合せを適用することを含む。用いられる技術は、任意の最終的な2チャネルの混合の意図した使用だけでなく、音声信号のフォーマットおよび内容に依存し得る。
専門的な記録の利用分野において見出されるものを含み、従来技術において見出される技術は、制限された数の別々なチャネルを通じて現実的な音声再生を実現する2チャネルのフォーマットにおいて、マルチチャネル信号を再生するための効果的な方法を提供するものではない。その結果、音声の没入感覚を与えることに関与する多くの雰囲気の情報が失われ、あるいは隠され得る。従来技術が、制限された数のチャネルを通じて、リスニングゾーンにおける現実的な体験を実現するためのマルチチャネル音声の再生を試みているにも拘らず、多くの改善の余地が残っている。
本発明は、リスニングゾーンを通しての実質的にすべての位置で、各々のチャネルから到達する音声を、実質的に等しい到着時間で捉えるように、リスニングゾーンにおいて、マルチチャネル音声を、改善された音像で2チャネルフォーマットまたは他の制限されたチャネルフォーマットにおいて再生するためのラウドスピーカシステムを提供し得る。
発明の概要
本発明の1つの局面によれば、リスニングゾーン内で、改善された音像でマルチチャネル音声を再生するためのラウドスピーカシステムが提供され、前記ラウドスピーカシステムは、
前記リスニングゾーンに対する第1の位置に設置されるための第1のスピーカアレイと、
前記リスニングゾーンに対する第2の位置に設置されるための第2のスピーカアレイとを含み、
前記第1のスピーカアレイは、前記マルチチャネル音声の第1の音声を放射するための第1の放射ローブと、前記第1の音声を遅延させたバージョンを放射するための少なくとも第2の放射ローブとを含み、
前記第2のスピーカアレイは、前記マルチチャネル音声の第2の音声を放射するための第1の放射ローブと、前記第2の音声を遅延させたバージョンを放射するための少なくとも第2の放射ローブとを含み、
前記ラウドスピーカシステムは、
各々の放射ローブに関連付けられた放射または極性パターンを変更するための手段をさらに含み、
前記リスニングゾーン内の実質的に全ての位置で、前記第1および第2のアレイからの音声の放射を、実質的に等しい到着時間で受けるように、
前記第1および第2のアレイから実質的に等距離にあるリスニングポジションでは、前記第2のローブ同士からの、または、前記第1のローブ同士からの放射を受けて、前記第1および第2のアレイから実質的に等距離にはないリスニングポジションでは、一方のアレイの前記第1のローブと、他方のアレイの前記第2のローブとの両方からの放射を受けるように、前記システムが構成される。
第1のスピーカアレイはリスニングゾーンに対して左前の位置に設置され得て、第2のスピーカアレイはリスニングゾーンに対して右前の位置に設置され得る。
いくつかの実施の形態において、第1のスピーカアレイはリスニングゾーンに対して左下の位置に設置され得て、第2のスピーカアレイはリスニングゾーンに対して左上の位置に設置され得る。
いくつかの実施の形態において、第1のスピーカアレイはリスニングゾーンに対して右下の位置に設置され得て、第2のスピーカアレイはリスニングゾーンに対して右上の位置に設置され得る。
各々のスピーカアレイは、2チャネルまたはステレオ音声といった、プログラム源からの模擬されたサラウンド音声を生成するための手段に関連付けられ得る。代替的に、プログラム源は、任意の適切な方式または任意の適切な手段で、2チャネル音声へと混合され、あるいは行列化された(matrixed)、マルチチャネル音声を含み得る。模擬されたサラウンド音声を生成するための手段は、頭部伝達関数(HRTF)フィルタを通して再生された音声を含み得る。
HRTFフィルタを含むシステムの1つの例は、ベゴールト(Begault)に対して発行された米国特許第5,438,623号に開示される。ベゴールトにおいて、個々の音声信号は、2つの信号に分割され、それらの各々は、左耳および右耳のために、遅延させられて、頭部伝達関数(HRTF)に従ってフィルタリングされる。結果としての信号は、次に再結合されて、1組のヘッドホンを通じて再生することを意図とされた左出力信号および右出力信号を生成する。
HRTF伝達関数の他の例は、認識された方位角を達成するために用いられ得るが、J.Accoust.Soc.Am.,Vol.56,No.6(1974年12月)の「水平面における、自由場から鼓膜への音圧レベルの変換」("Transformation of Sound Pressure Level From the Free Field to the Eardrum in the Horizontal Plane")と題された、E.A.B.ショー(Show)による記載において開示されるとともに、J.Accoust.Soc.Am.,Vol.61,No.6(1977年6月)の「人の外耳の変換特性」("Transformation Characteristics of the External Human Ear ")と題された、S.メーガラット(Mehrgarat)およびV.メラート(Mellert)による記載において開示され、その開示は、参照による援用によって本明細書に取り入れられる。
各々の放射ローブに関連付けられた、放射または極性パターンを変更するための手段は、少なくとも1つの音響的不透明部材を含み得る。音響的不透明部材は、リスニングゾーンへと突き出る音声分離または反射フラップを含む。代替的に、あるいは加えて、放射または極性パターンを変更するための手段は、各々のスピーカアレイに関連付けられたエンクロージャを成形するための手段を含み得る。
第1のスピーカアレイは、第1の音声のより遅延させたバージョンを放射するための第3の放射ローブを含み得るとともに、第2のスピーカアレイは、第2の音声のより遅延させたバージョンを放射するための第3の放射ローブを含み得る。各々のアレイにおいて3以上の放射ローブを組み込むラウドスピーカシステムは、公共の劇場およびコンサートホールのようなより大きなオーディトリアムにおける使用に適し得る。ラウドスピーカシステムは、各々の放射ローブに関連付けられた音圧レベルを調整するための手段を含み得る。
本発明のさらなる局面によれば、ホームシアターのような部屋内のリスニングゾーンのためのラウドスピーカシステムが提供され、リスニングゾーンは、平面表現における、概念的な前端および後端と、概念的な右側および左側とを含み、ラウドスピーカシステムは、
第1および第2のスピーカのアレイを含み、各々のスピーカのアレイは、別々の、少なくとも第1および第2の音声放射ローブを含み、
第1のスピーカアレイの第1の音声放射ローブが、リスニングゾーンの前端および後端の間の実質的に中途にある、リスニングゾーンの概ね右側にある領域内の位置に向けられるように、かつ、第2の音声放射ローブが、リスニングゾーンの前端および後端の間の実質的に中途にある左側から、右側と左側との間の距離の概ね約1/4離れた領域内の位置に向けられるように、第1のスピーカのアレイは、部屋の左前の位置に設置可能であって、それによって、その位置から垂直な、前端または後端への線が、リスニングゾーンの概念的な左側を概ね規定し、
第2のスピーカアレイの第1の音声放射ローブが、リスニングゾーンの前端および後端の間の実質的に中途にある、リスニングゾーンの概ね左側にある領域内の位置に向けられるように、かつ、スピーカアレイの第2の音声放射ローブが、リスニングゾーンの前端および後端の間の実質的に中途にある右側から、右側と左側との間の距離の概ね約1/4離れた領域内の位置に向けられるように、第2のスピーカのアレイは、部屋の右前の位置に設置可能であって、それによって、その位置から垂直な、前端または後端への線が、リスニングゾーンの概念的な右側を概ね規定し、
第1のスピーカアレイの第1の音声放射ローブに関連付けられた放射または極性パターンは、それが、リスニングゾーン内のより低い音圧レベルで、リスニングゾーンの前端および後端の間の実質的に中途になる右側から、概ね、右側と左側との間の距離の約3/4にある位置を通る第1のスピーカアレイからの直線と、リスニングゾーンの右側との間に規定された領域内で受けられるように変更され、
第2のスピーカアレイの第1の放射ローブに関連付けられた放射または極性パターンは、それが、リスニングゾーン内のより低い音圧レベルで、リスニングゾーンの前端および後端の間の実質的に中途になる左側から、左側と右側との間の距離の概ね約3/4にある位置を通る第2のスピーカアレイからの直線と、リスニングゾーンの左側との間に規定された領域で受けられるように変更される。
本発明のさらなる局面によれば、リスニングゾーン内で、改善された音像でマルチチャネル音声を再生するためのラウドスピーカシステムが提供され、前記ラウドスピーカシステムは、
前記リスニングゾーンに対する左前の位置に設置されるための左スピーカクラスタを備え、前記左スピーカクラスタは、前記リスニングゾーンに対する左下の位置に配置された第1のスピーカアレイと、前記リスニングゾーンに対する左上の位置に配置された第2のスピーカアレイとを含み、
前記ラウドスピーカシステムは、
前記リスニングゾーンに対する右前の位置に設置されるための右スピーカクラスタをさらに備え、前記右スピーカクラスタは、前記リスニングゾーンに対する右下の位置に配置された第3のスピーカアレイと、前記リスニングゾーンに対する右上の位置に配置された第4のスピーカアレイとを含み、
各々の左スピーカアレイは、前記マルチチャネル音声の第1の音声を放射するための第1の放射ローブと、前記第1の音声を遅延させたバージョンを放射するための少なくとも第2の放射ローブとを含み、
各々の右スピーカアレイは、前記マルチチャネル音声の第2の音声を放射するための第1の放射ローブと、前記第2の音声を遅延させたバージョンを放射するための少なくとも第2の放射ローブとを含み、
前記ラウドスピーカシステムは、
各々の放射ローブに関連付けられた放射または極性パターンを変更するための手段をさらに備え、
前記リスニングゾーン内の実質的に全ての位置で、前記アレイからの音声の放射を、実質的に等しい到着時間で受けるように、
前記左クラスタおよび前記右クラスタから実質的に等距離にあるリスニングポジションでは、前記左クラスタまたは前記右クラスタに関連付けられた、遅延した放射ローブまたは遅延していない放射ローブからの音声放射を受けて、前記左クラスタおよび前記右クラスタから実質的に等距離にはないリスニングポジションでは、前記左クラスタまたは前記右クラスタに関連付けられた、遅延した放射ローブおよび遅延していない放射ローブの両方からの音声放射を受けるように、
前記下側のスピーカアレイまたは前記上側のスピーカアレイから実質的に等距離にあるリスニングポジションでは、前記上側のアレイまたは前記下側のアレイに関連付けられた、遅延した放射ローブまたは遅延していない放射ローブからの音声放射を受けて、前記下側のスピーカアレイまたは前記上側のスピーカアレイから実質的に等距離にはないリスニングポジションでは、前記上側のアレイおよび前記下側のアレイに関連付けられた、遅延した放射ローブおよび遅延していない放射ローブの両方からの音声放射を受けるように、前記システムが構成される。
各々のスピーカアレイの第1の音声放射ローブの放射または極性パターンは、各々のアレイに関連付けられた任意の適切な方式で、または任意の適切な手段によって変更され得る。放射または極性パターンを変更するための手段は、音声分離または反射部材のような少なくとも1つの音響的不透明部材を含む。1つの実施の形態において、音声分離または反射部材は、各々のスピーカアレイから部屋またはリスニングゾーンへと突き出るフラップを含む。代替的に、あるいは加えて、放射または極性パターンを変更するための手段は、各々のスピーカアレイに関連付けられたエンクロージャを成形するための手段を含み得る。
リスニングゾーンにおいて、音像を、そのゾーン内のすべての位置におけるリスナーが各々のアレイからの音声放射を実質的に等しい到着時間で受けるように生成することを得ようとする実施の形態において、各々のアレイは、増幅器および時間遅延回路に関連付けられ得る。増幅器は、たとえば左スピーカアレイのような第1のスピーカアレイから、リスニングポジション内の任意の位置におけるリスナーに届く音の音圧レベルが、たとえば右スピーカアレイのような第2のスピーカアレイから同じリスナーに届く音の音圧レベルに実質的に等しくなるようにゲインを与えるように調整可能であり得る。各々のアレイに関連付けられた時間遅延回路は、第1(たとえば左)および第2(たとえば右)のスピーカのアレイからリスニングゾーン内の任意の位置における前記リスナーに向けられた、一致する音が、実質的に等しい到着時間で前記リスナーに届くように、そのアレイの少なくとも1つの他の放射ローブに沿って伝達された音に対して時間遅延させられた、アレイの少なくとも1つの放射ローブに沿って伝達した音を与えるように調整可能であり得る。
等距離にないリスニングポジションに対する時間遅延(Td)は、Td=(Dn−Df)/vとの式によって得られ得るが、Dnは、等距離にないリスニングポジションから、より近いスピーカアレイへの距離であり、Dfは、等距離にないリスニングポジションから、より遠いスピーカアレイへの距離であり、vは音声の速度である。
各々のスピーカのアレイは少なくとも2つのスピーカを含み得て、それらのうちの一方は、第1の音声放射ローブを与え得るとともに、他方は、第2の音声放射ローブを与え得る。ホームシアターの場合のシステムにおいて、各々のスピーカのアレイは、3つのスピーカまたは3つのスピーカパネルを含み、各々のアレイの最も内側のスピーカまたはパネルは、第1の音声放射ローブを与え得るとともに、各々のアレイの最も外側の2つのスピーカまたはパネルは、組み合わさって第2の音声放射ローブを与え得る。各々のスピーカアレイは増幅器に関連付けられ得るとともに、最も外側の2つのスピーカは、信号遅延回路と関連付けられて、各々のアレイの最も外側の2つのスピーカまたはパネルからの音声の伝達における遅延を与える。
いくつかの実施の形態において、各々のアレイのスピーカまたはパネルは、中域から高域の周波数において相対的に狭い放射または極性パターンを含み得る。各々のアレイの最も内側のスピーカまたはパネルは、静電スピーカパネルを含み得る。いくつかの実施の形態において、各々のアレイのすべてのスピーカまたはパネルは、静電スピーカパネルを含み得る。
上記のラウドスピーカシステムは、ホームシアターのようなリスニングゾーンにおいて、満足できるサラウンド音声効果を提供し得る。システムは、コストが妥当であるならば、さらなる放射ローブを含み得る。さらなる放射ローブに関連付けられる極性または放射パターンは変更され得て、さらなる放射ローブは、その音声投影軸が、リスニングゾーン内の位置であって、第1および第2の放射ローブに関連付けられている中間的な位置に向けられるか、または、等距離のリスニングポジションおよび等距離にはないリスニングポジションの間が等間隔となるように、配置可能であり得る。さらなる放射ローブは、各々のスピーカアレイに関連付けられた第1および第2の放射ローブと同様に機能することができる。
好ましい実施形態の説明
本発明の好ましい実施の形態が、添付の図面を参照してここに説明される。
HAAS効果または先行音効果を示すための振幅差(dB)対遅延差(ms)のグラフを示す。 本発明の1つの実施形態に従うラウドスピーカシステムの概略的平面図を示す。 リスニングゾーンの左から右への方向または水平方向において改善された音像を与えるための特徴を含む、発明の実施形態に従うラウドスピーカシステムの概略的平面図を示す。 ラウドスピーカシステムを含む、段になった映画オーディトリアムの内部の立面図を示す。 リスニングゾーンの下から上への方向または縦方向において改善された音像を与えるための特徴を含む、発明の実施の形態に従うラウドスピーカシステムの概略的立面図を示す。 試験を受けるスピーカパネルおよび音響的不透明音声分離フラップを示す極線図またはプロットである。 1KHzで測定された、音声分離フラップを有する静電スピーカパネルの音声放射パターンの極線図またはプロットを示す。 2KHzで測定された、音声分離フラップを有する静電スピーカパネルの音声放射パターンの極線図またはプロットを示す。 5KHzで測定された、音声分離フラップを有する静電スピーカパネルの音声放射パターンの極線図またはプロットを示す。 音響的不透明音声分離フラップが取り付けられ、パネルの中心線に対してさまざまな角度で測定された、静電スピーカパネルの周波数応答の図を示す。 映画オーディトリアムの左から右への方向および下から上への方向において改善された音像を与えるための特徴を含む、ラウドスピーカシステムのスクリーンに面した図である。
一般論に反して、音の届く方向は、音の大きさだけでなく、到着時間と音の大きさとの両方に基づいて人間の耳によって認識される。これは「HAAS」効果または「先行音」効果として知られる音響心理学的現象であり、図1に示されるような曲線によって示される。1〜30ミリ秒の範囲内の到着時間差を有する波面、および最大12dbの音圧レベル差の場合、到着時間が、認識される音の方向の主な決定要因である。これは曲線の下の領域である。すなわち、第1の波面が音圧レベルにおいて後の波面よりも最大で12db低い可能性があったとしても、音声は、第1の波面の方向から来て、届いたと認識される。この効果は、時間補正された波面を各々のリスナーに向けることによって、リスニングゾーンにおいて実質的にすべての位置でステレオまたは模擬的なサラウンド音像を改善するために用いられ得る。この時間補正がなければ、左スピーカおよび右スピーカから等距離の位置のみが、集中したステレオまたは模擬的なサラウンド音像を受けることができる。
図2Aを参照して、部屋(たとえばホームシアター)内のリスニングゾーン12のためのラウドスピーカシステム10が、概ね四角形であり、概念的な前端14および後端16、および概念的な右側18および左側20によって境界が定められた平面的表現として示される。ラウドスピーカシステム10は、2つのスピーカのアレイ22,24を含み、各々のスピーカのアレイは、別々の、少なくとも第1の音声放射ローブ26および第2の音声放射ローブ28を有する。一方のスピーカのアレイ22は部屋の左前の位置に配置可能であり、それによって、そこから垂直な、前端14または後端16への直線が、リスニングゾーン12の概念的な左側20を概ね定義する。このアレイは、リスニングゾーン12の前端14および後端16の間の実質的に中途にある、リスニングゾーン12の概ね右側18にある、領域34内の位置に、第1の音声放射ローブ26が向けられるように位置する。そのように位置する場合、スピーカアレイ22は、リスニングゾーン12の前端14および後端16の間の実質的に中途にある、左側20から、左側20と右側18との間の距離の概ね約1/4にある領域36内の位置に、第2の音声放射ローブ28が向けられるように配置される。
別のスピーカのアレイ24が部屋の右前の位置に配置可能であり、それによって、そこから垂直な、前端14または後端16への直線が、リスニングゾーン12の概念的な右側18を概ね定義する。この位置において、スピーカアレイ24の第1の音声放射ローブ26は、リスニングゾーン12の前端14および後端16の間の実質的に中途にある、リスニングゾーン12の概ね左側20にある、領域30内の位置に向けられる。この位置付けはまた、リスニングゾーン12の前端14および後端16の間の実質的に中途にある、右側18から、右側18から左側20との間の距離の概ね約1/4の領域32内の位置に第2の音声放射ローブ28が向けられるような位置付けである。
各々のスピーカアレイの第1の音声放射ローブ26に関連付けられた放射または極性パターンは、右側のスピーカアレイ24の第1の音声放射ローブ26に沿って射出された音声が、リスニングゾーン12内における、より低い音圧レベルで、領域内で受けられるように変更され、当該領域は、リスニングゾーン12の前端14および後端16の間の実質的に中途にある、右側18から、右側18と左側20との間の距離の概ね約3/4にある位置を通る、右側のスピーカアレイ24からの直線で規定される。さらに、上記の放射または極性パターンは、左側のスピーカアレイ22の第1の音声放射ローブ26に沿って射出された音声が、リスニングゾーン12内における、より低い音圧レベルで、領域内で受けられるように変更され、当該領域は、リスニングゾーン12の前端14および後端16の間の実質的に中途にある、左側20から、右側18と左側20との間の距離の概ね約3/4の位置を通る、左側のスピーカアレイ22からの直線で規定される。
各々のスピーカアレイ22,24は、3つの静電パネルを含み得るが、最も内側の静電パネル22A,24Aは、第1の音声放射ローブ26を与え、最も外側の静電パネル22B,22C,24B,24Cは、組み合わさって第2の音声放射ローブ28を与え、音声放射ローブ28は、最も外側の静電パネル22B,22C,24B,24Cに関連付けられた音声放射ローブ38,40(図2A参照)の組み合せの効果とみなすことができる。
各々のスピーカアレイ22,24の第1の音声放射ローブ26に関連付けられた放射または極性パターンは、音響分離部材、たとえばそれぞれのスピーカアレイ22および24から部屋に突き出た、音声分離または反射フラップ42を介して変更される。
図2Bは、さらなる実施の形態を示し、この実施の形態において、共通の参照符号は、図2Aにおける実施の形態と対応する要素および特徴を示すために用いられる。
図2Bを参照して、左スピーカアレイ(LSA)22と右スピーカアレイ(RSA)24とは、部屋の左前の位置および右前の位置にそれぞれ配置される。部屋は、リスニングゾーン12を含む。リスニングゾーン12におけるリスニングポジションの例がP1,P2およびP3によって示される。明確さのため、3つのポジションのみが参照されるが、他のリスニングポジションが、P1,P2およびP3の前または後ろにおいてリスニングゾーン12に配置され得る。LSA22は、アレイの内側のスピーカパネル22Aと外側のスピーカパネル22Bとにそれぞれ関連付けられた、別々な第1の音声放射ローブ(SPA1L)22と、第2の音声放射ローブ(SPA2L)28とを有する。RSA24は、アレイの内側のスピーカパネル24Aと外側のスピーカパネル24Bとにそれぞれ関連付けられた、別々な第1の音声放射ローブ(SPA1R)26と第2の音声放射ローブ(SPA2R)28とを有する。左チャネル音声入力信号LC44と右チャネル音声入力信号RC46とは増幅器48によって増幅されて、それぞれLSA22の内側のスピーカパネルおよび外側のスピーカパネルと、RSA24の内側のスピーカパネルおよび外側のスピーカパネルとに別々に与えられて、外側のスピーカパネル22B,24Bへの信号は時間遅延回路(TD)49によって遅延させられる。左チャネル44および右チャネル46は、HRTFフィルタ51を介してプログラム源50から取得され得る。
それぞれのアレイに対してリスニングゾーン12の反対側にあり、リスニングゾーン12の前端14と後端16との間のほぼ中途にある領域に、各々のスピーカアレイの第1の音声放射ローブ26が概ね向けられる。記述を容易にするために、これらの領域は、図2Bにおいては、LA1およびRA1と参照され、LA1は図2Aにおける領域34に対応し、RA1は図2Aにおける領域30に対応する。各々のスピーカアレイ22,24の第2の音声放射ローブ28は、それぞれのアレイとリスニングゾーン12の同じ側にある領域に概ね向けられ、その領域は、リスニングゾーンの側から、リスニングゾーンの幅のほぼ1/4に等しい距離だけ離れて、リスニングゾーン12の前端および後端の間のほぼ中途にある。記述を容易にするため、これらの領域は図2Bにおいて、LA2およびRA2として参照され、LA2は図2Aにおける領域36に対応し、RA2は図2Aにおける領域32に対応する。
左スピーカアレイ22と右スピーカアレイ24とには、アレイから部屋へと各々突き出た音声分離フラップ42(FLおよびFR)が取り付けられる。音声分離フラップの効果は、概ね低減された音圧レベルが音声放射ローブ26の「遮蔽された」側において受けられるように、第1の音声放射ローブ(SPA1L26およびSPA1R26)に関連付けられた放射または極性音声パターンを変更することである。この変更の効果は、SPA1L26に沿って射出された音声が、RA2(図2Aにおける領域32を参照)の左に位置するリスニングポジションに影響を与えなくすることができるということである。同様に、SPA1R26に沿って射出された音声は、LA2(図2Aにおける領域36を参照)の右に位置するリスニングポジションに影響を与えなくすることができる。
P2の近くに位置するリスナーは、各々のスピーカアレイの外側のパネル22B,24Bから射出された音を聞くことができ、その音は、音声放射ローブ(SPA2L28およびSPA2R28)に集中する。上記のように説明された理由によって、そのリスナーは、各々のスピーカアレイの内側のパネル22A,24Aからの音を聞かない可能性がある。外側のスピーカパネル22B,24Bの両方からの音は等しい量だけ時間遅延され得るので、P2の近くにいるリスナーは、強度および到着時間が実質的に等しい、左側のスピーカアレイおよび右側のスピーカアレイからの音を受けることにより、集中した音像を認識することができる。
P1の近くに位置するリスナーは、第2の音声放射ローブ(SPA2L)28に集中させられた、LSA22の外側のパネル22Bからの時間遅延させられた左チャネル音声を聞くことができるとともに、RSA24の内側のパネル24Aからの右チャネル音声を聞くことができる。RSA24の内側のパネル24Aからの音声信号は時間遅延していないので、その信号は、HAAS効果により、RSA24の外側のパネルからP1に到達する、残りの音声、すなわち時間遅延した音声を支配し得る。時間遅延させられた左チャネル音声と時間遅延していない右チャネル音声との間の関係は、その右チャネル音声が「仮想的な」右手パネル(VLSR)52から放射するようなものであり得るが、その右手パネル(VLSR)52は、音声が、時間遅延(TD)49に関連付けられた遅延時間分を伝達するのに等しい距離だけRSA24の内側のパネル24Aの前に位置する。その効果は、そのリスナーの認識から現れる音像が、P2の近くに位置するリスナーによって認識される音像と実質的に同じ位置にあるように、LSA22の外側のパネル22Bと仮想的パネル(VLSR)52との間のほぼ中間の方向56にリスナーP1が音像を認識することができるということである。同様の理由によって、P3の近くにいるリスナーは、そのリスナーの認識から現れる音像が、P2の近くに位置するリスナーによって認識される音像と実質的に同じ位置にあるように、RSA24の外側のパネル24Bと仮想的パネル(VLSL)54との間のほぼ中間の方向58に音像を認識することができる。
図2Aに示されたような、各々のアレイにおいて3つの静電パネルを含む本発明の実施の形態は、約4メートルの幅と約3メートルの深さとを有し、その前端がスピーカアレイから約1メートル離れているリスニングゾーンにおいて試験された。各々のアレイの静電パネルは、約860mmの高さと約130mmの幅とを有し、分離フラップ42は、各々のアレイの最も内側の静電パネルから90°に延び、約180mmの幅を有していた。
この実施の形態での実験は、リスニングゾーンにおいて直ちに認識される遷移領域がなく、リスナーの認識によるサラウンド音像の認識位置は、リスニングゾーンにおける実質的にすべての位置におけるリスナーにとって同じであるということを示した。すなわち、リスニングゾーン全体の実質的にすべての位置に対して、改善されたサラウンド音声効果が与えられ得る。
図3Aは、オーディトリアムに対して左前または右前の位置に配置されるための前スピーカクラスタを含む、段になった映画オーディトリアム60における側面図を示す。左スピーカクラスタが以下に説明されるが、右スピーカクラスタは実質的に同一であり得る。左スピーカクラスタは、オーディトリアムの前に、映画スクリーンに対して左下の位置において配置された第1のスピーカアレイ61と、映画スクリーンに対して左上の位置に配置された第2のスピーカアレイ62とを含む。
オーディトリアムの前の近くに位置するリスナーAにとって、下側のスピーカアレイ61からの音は、上側のスピーカアレイ62からの音よりも前に到着し、それによって、アレイ61が、リスニングポジションにおいて、アレイ62よりも最大で12dB低い音圧レベルを生成していても、映画スクリーンの下部により近づいた位置IAから、はっきりした音像を生じさせる。
オーディトリアムの後ろ近くに位置するリスナーBにとって、上側のスピーカアレイ61からの音は、下側のスピーカアレイ60からの音よりも前に到着し、それによって、映画スクリーンの中央よりも上側に移動した位置であり、映画スクリーンの中央から離れた位置であるIBから、はっきりした音像を発生させる。
上記の映画オーディトリアムにおいて、オーディトリアムの中央近くに位置するリスナーCのみが、映画スクリーンに対してほぼ中央の位置から発生するとみえる音像ICを体験するであろうことが見て取れる。このことは、下側のスピーカアレイ61からの音が、上側のスピーカアレイ62からの音と実質的に同じ時間で到着することを要求する。
図3Bは、図3Aに示された種類の映画オーディトリアムにおける実質的にすべての位置で、音像の配置を改善するのに適した、ラウドスピーカシステムの側面図を示す。以下の説明は、左スピーカクラスタに関するが、右スピーカクラスタ(図示せず)に等しく適用可能である。
左スピーカクラスタは、映画スクリーンに対して左下の位置に配置された第1のスピーカアレイ61と、映画スクリーンに対して左上の位置に配置された第2のスピーカアレイ62とを含む。第1のスピーカアレイ61は、オーディトリアムの前および後ろにそれぞれ向かうことを目的とする、別々な第1および第2の放射ローブを生成するための下側スピーカパネル63および上側スピーカパネル64を含む。第2のスピーカアレイ62は、オーディトリアムの前および後ろにそれぞれ向かうことを目的とする、別々な第1および第2の放射ローブを生成するための下側スピーカパネル65および上側スピーカパネル66を含む。
プログラム源70は、HRTFフィルタ71を介して左チャネル音声入力信号72を供給する。その信号は、増幅器73によって増幅されて、下側スピーカパネルおよび上側スピーカパネル63〜66に別々に供給される。スピーカアレイ61の下側パネル63への信号は、第1の時間遅延回路(TD1)74によって遅延させられる。スピーカアレイ62の上側パネル66への信号は、第2の時間遅延回路(TD2)75によって遅延させられる。
下側スピーカパネル63,65の放射ローブは、ほぼ中央の前に位置する、すなわち、オーディトリアムの前と中央との間の中途にある、オーディトリアムの領域に概ね向けられる。
上側スピーカパネル64,66の放射ローブは、ほぼ中央後ろに位置する、すなわち、オーディトリアムの中央と後ろとの間の中途にある、オーディトリアムの領域に概ね向けられる。
オーディトリアムの前近くに位置するリスナーにとって、下側のスピーカアレイ61の下側スピーカパネル63からの音声は、上側のスピーカアレイ62の下側スピーカパネル65からの音に対して、TD1(74)に関連付けられた時間T1だけ遅延させられる。時間遅延T1は、音声が遅延時間T1進むのに等しい距離分、スピーカパネル65の前に位置する仮想的なスピーカパネル65Aを生成する。これは、上側スピーカパネル65からの波面が、下側スピーカパネル63からの波面とほぼ同時にリスナーに到着することを可能にし、映画スクリーンの中央により近づいたリスナーに、はっきりした像を生成する。
オーディトリアムの後ろ近くに位置するリスナーにとって、上側のスピーカアレイ62の上側スピーカパネル66からの音声は、下側のスピーカアレイ61の上側スピーカパネル64からの音に対して、TD2(75)に関連付けられた時間T2だけ遅延させられる。時間遅延T2は、音が遅延時間T2だけ進むのに等しい距離分、スピーカパネル64の前に位置する仮想的なスピーカパネル64Aを生成する。これは、下側スピーカパネル64からの波面が、上側スピーカパネル66からの波面とほぼ同時にリスナーに到着することを可能にし、映画スクリーンの中央により近づいたリスナーに、はっきりした像を生成する。
映画スクリーンの中央に対して段になった席が非対称に配置されていることにより、時間遅延T1は、概ね、時間遅延T2よりも小さくあり得て、オーディトリアムの実質的にすべての位置におけるリスナーが、映画スクリーンに対してほぼ中央にある位置から発生したと思われるような音声を体験することができることを確保する。
図4は、試験を受ける、スピーカパネル80および、関連する、音響的に不透明な音声分離フラップ81のための極線図またはプロットを示す。スピーカパネル80に関連付けられた主音声放射ローブ82が、極線図の0°−180°軸に沿って位置するように、スピーカパネル80が方向付けられ、音声分離フラップ81がスピーカパネル80に対して90°に向けられている。図は、その極線図において30°と90°との間に延びる扇型83を含む。フラップ81の効果は、放射ローブ82に沿って射出される音声から、扇型83によって示される領域を実質的に遮蔽することである。
図5〜7は、図2Bにおけるローブ26のような、各々のスピーカアレイの第1の音声放射ローブに関連付けられた極線図またはプロットを示し、その放射ローブは、たとえば図4における扇型83と同様の領域を音声分離フラップが遮蔽した状態で、1KHz,2KHzおよび5KHzで測定された。極線図またはプロットの各々の区切りは音声レベルの5dBを表わす。0°軸上に中心が置かれた放射ローブは、たとえば図2Bにおける放射ローブ26を表わしたものであり得る。
図8は、図4におけるフラップ81のような音声分離フラップが取り付けられた静電スピーカパネルのための音声放射パターンに関連付けられた周波数応答のプロットを示す。これらのプロットには、1kHz,2kHzおよび5kHzのそれぞれの周波数において、0°の場合のプロットと、15°,30°および45°の場合のプロットとの間でのSPLの差(dB)で注釈が付されている。試験されるスピーカパネルの「遮蔽された」側における、殆どの周波数および殆どの角度において、「遮蔽されていない」側と比較して音圧レベルにおける変更があることが明らかであり得る。同様の遮蔽効果は、音声分離フラップが取り付けられた、従来のまたはコーンスピーカまたはアレイにおいて、特にそのアレイがラインソースとして構成される場合に得られ得る。
所望の結果は、遅延させられていないスピーカパネルに関連付けられた、500Hzより上の音響レベルを低減することである。試験の結果は、部屋の共鳴効果およびマイクロフォンの配置によって生じる、200Hzと400Hzとの間のピークを示しているものの、フラップは、ほぼ100Hzより上において効果的である。図8におけるプロットから見られるように、その効果は、角度に従って増加する。図4におけるフラップ81のような音声分離フラップがない場合、遅延させられたスピーカパネルのレベルにおいて10db内であるならば、遅延させられていないスピーカパネルは、遅延させられたスピーカパネルからの音を支配し得る。音声分離フラップを有さない結果は、リスナーに、遅延させられた音源を聞かないことをもたらし得る。
図9は、映画オーディトリアムにおける、ラウドスピーカシステムのスクリーンに面した図を示し、ラウドスピーカシステムは、リスニングゾーン(図2B参照)の左から右への(水平)方向における改善された音像を与えるための特徴と、リスニングゾーン(図3B参照)の下から上への(縦)方向における改善された音像を与えるための特徴を含む。
ラウドスピーカシステムは、オーディトリアムに対して左前に配置された左スピーカクラスタ90と、オーディトリアムに対して右前に配置された右スピーカクラスタ91とを含む。
左スピーカクラスタ90は、オーディトリアムに対して左下の位置に配置された下側スピーカアレイ92と、オーディトリアムに対して左上の位置に配置された上側スピーカアレイ93とを含む。
右スピーカクラスタ91は、オーディトリアムに対して右下の位置に配置された下側スピーカアレイ94と、オーディトリアムに対して右上の位置に配置された上側スピーカアレイ95とを含む。
下側スピーカアレイ92は、静電パネルの下側の対92A/92Bと上側の対92C/92Dとを含む。下側の静電パネル92A/92Bは増幅器96とライン遅延回路(TD)97とに関連付けられる。上側の静電パネル92C/92Dは、増幅器96と時間遅延回路(TD)97とに関連付けられる。
下側スピーカアレイ94は、静電パネルの下側の対94A/94Bと上側の対94C/94Dとを含む。下側の静電パネル94A/94Bは、増幅器96と時間遅延回路(TD)97とに関連付けられる。上側の静電パネル94C/94Dは、増幅器96と時間遅延回路(TD)97とに関連付けられる。
上側スピーカアレイ93は、静電パネルの下側の対93A/93Bと上側の対93C/93Dとを含む。下側の静電パネル93A/93Bは、増幅器96と時間遅延回路(TD)97とに関連付けられる。上側の静電パネル93C/93Dは、増幅器96と時間遅延回路(TD)97とに関連付けられる。
上側スピーカアレイ95は、静電パネルの下側の対95A/95Bと上側の対95C/95Dとを含む。下側の静電パネル95A/95Bは、増幅器96と時間遅延回路(TD)97とに関連付けられる。上側の静電パネル95C/95Dは、増幅器96と時間遅延回路(TD)97とに関連付けられる。
静電パネル92A/92B,94A/94Bと、関連する増幅器96および時間遅延回路97との配置および機能は、図2Bを参照して記述されるように、増幅器98および時間遅延回路(TD)49に関連付けられた、スピーカパネル22A/22B,24A/24Bの配置および機能に類似する。
静電パネル92C/92D,94C/94Dと、関連する増幅器96および時間遅延回路97との配置および機能は、また、図2Bを参照して記述されるように、増幅器48および時間遅延回路(TD)49に関連付けられたスピーカパネル22A/22B,24A/24Bの配置および機能に類似する。
同様の説明が、静電パネル93A/93B,95A/95Bおよび、それらに関連する増幅器96および時間遅延回路97と、静電パネル93C/93D,95C/95Dおよびそれらに関連する増幅器96および時間遅延回路97とに適用されて、その配置および機能は、また、図2Bを参照して記述されるように、スピーカパネル22A/22B,24A/24Bと、関連する増幅器48と、時間遅延回路49との配置および機能に類似する。
本明細書で説明されるように、内側および外側のスピーカパネルと関連する増幅器48/96と、時間遅延回路TD49/97との配置および機能は、リスニングゾーン/オーディトリアムの左から右への(水平)方向における改善された音像を与える。
静電パネル92A/92Bは、さらに、時間遅延回路(TD1)98に関連付けられて、静電パネル93C/93Dは、さらに、時間遅延回路(TD2)99に関連付けられる。同様に静電パネル94A/94Bおよび95C/95Dは、さらに、時間遅延回路(TD1)98および(TD2)99に関連付けられる。
静電パネル92A/92C.93A/93Cと、関連する増幅器96と時間遅延回路(TD1)98および(TD2)99との配置および機能は、図3Bを参照して説明されるように、スピーカパネル63/64,65/66と、関連する増幅器73と、時間遅延回路(TD1)74および(TD2)75との配置および機能に類似する。
静電パネル92B/92D,93B/93Dと、関連する増幅器96と、時間遅延回路(TD1)98および(TD2)99との配置および機能は、また、図3Bを参照して説明されるように、スピーカパネル63/64,65/66と、関連する増幅器73と、時間遅延回路(TD1)74および(TD2)75との配置および機能に類似する。
同様の説明が、静電パネル94A/94C,95A/95Cおよび、それらに関連する増幅器97および時間遅延回路(TD1)98および(TD2)99と、静電パネル94B/94D,95B/95Dおよび、それらに関連する増幅器97および時間遅延回路(TD1)98および(TD2)99とに適用されて、その配置および機能は、また、図3Bを参照して説明されるように、スピーカパネル63/64,65/66と、関連する増幅器73と、時間遅延回路(TD1)74および(TD2)75との配置および機能に類似する。
本明細書において説明されるように、上側および下側のスピーカパネルと、関連する増幅器73/96と、時間遅延回路(TD1)74/98および(TD2)75/99の配置および機能は、リスニングゾーン/オーディトリアムの下から上への(縦)方向における改善された音像を与える。
図9に示されたスピーカクラスタの配置は、音声の別々な上下および左右のチャネルを与える音源に適している。クラスタは、また、音声の別々な左右のチャネルのみを与える音源にも適している。後者の場合、左上および左下のアレイ92,93は、左音源に並列に接続され得るとともに、右上および右下のアレイ94,95は、右音源に並列に接続され得る。
本明細書で説明された発明は、具体的に説明された以外の変形、変更および/または追加を許容できるとともに、発明は、上記の説明の精神および範囲内のすべてのそのような変形、変更および/または追加を含むことが理解されるべきである。
たとえば、本明細書で説明されたようなラウドスピーカシステムは、ラウドスピーカの任意の数の対(一般に2nチャネル)に適用されて、それぞれのラウドスピーカの対に関連付けられた音像の配置を改善し得るということが明らかであり得る。たとえば、本明細書で説明されたシステムは、4チャネル、5.1チャネルなどを含む2つの前スピーカアレイまたはクラスタ、および2つの後ろスピーカアレイまたはクラスタを含む構成に適用可能であるが、後ろの対のスピーカアレイまたはクラスタに関連付けられた音像の配置は、前の対のスピーカアレイまたはクラスタと同様の方式で改善され得る。いくつかの実施の形態において、ラウドスピーカシステムは、立方体または直方体のそれぞれの隅に配置された4対のスピーカアレイに適用され得て、4つのスピーカの上側および下側平面、すなわち前の4つのスピーカおよび後ろの4つのスピーカを定義する。上側のスピーカ平面は、下側のスピーカ平面に対してほぼ2〜3m、またはリスニングゾーンまたはオーディトリアムにおける利用可能な高さに依存した他の適切な距離で縦方向に分離され得る。

Claims (34)

  1. リスニングゾーン内で、改善された音像でマルチチャネル音声を再生するためのラウドスピーカシステムであって、前記ラウドスピーカシステムは、
    前記リスニングゾーンに対する第1の位置に設置されるための第1のスピーカアレイと、
    前記リスニングゾーンに対する第2の位置に設置されるための第2のスピーカアレイとを含み、
    前記第1のスピーカアレイは、前記マルチチャネル音声の第1の音声を放射するための第1の放射ローブと、前記第1の音声を遅延させたバージョンを放射するための少なくとも第2の放射ローブとを含み、
    前記第2のスピーカアレイは、前記マルチチャネル音声の第2の音声を放射するための第1の放射ローブと、前記第2の音声を遅延させたバージョンを放射するための少なくとも第2の放射ローブとを含み、
    前記ラウドスピーカシステムは、
    各々の放射ローブに関連付けられた放射または極性パターンを変更するための手段をさらに含み、
    前記リスニングゾーン内の実質的に全ての位置で、前記第1および第2のアレイからの音声の放射を、実質的に等しい到着時間で受けるように、
    前記第1および第2のアレイから実質的に等距離にあるリスニングポジションでは、前記第2のローブ同士からの、または、前記第1のローブ同士からの放射を受けて、前記第1および第2のアレイから実質的に等距離にはないリスニングポジションでは、一方のアレイの前記第1のローブと、他方のアレイの前記第2のローブとの両方からの放射を受けるように、
    前記システムが構成される、ラウドスピーカシステム。
  2. 前記第1のスピーカアレイは前記リスニングゾーンに対して左前の位置に設置され、前記第2のスピーカアレイは前記リスニングゾーンに対して右前の位置に設置される、請求項1に記載のラウドスピーカシステム。
  3. 前記第1のスピーカアレイは前記リスニングゾーンに対して左下の位置に設置され、前記第2のスピーカアレイは前記リスニングゾーンに対して左上の位置に設置される、請求項1に記載のラウドスピーカシステム。
  4. 前記第1のスピーカアレイは前記リスニングゾーンに対して右下の位置に設置され、前記第2のスピーカアレイは前記リスニングゾーンに対して右上の位置に設置される、請求項1に記載のラウドスピーカシステム。
  5. 前記模擬されたサラウンド音声は、頭部伝達関数(HRTF)フィルタを通して再生された音声を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載のラウドスピーカシステム。
  6. 前記第1のスピーカアレイは、前記第1の音声のより遅延させたバージョンを放射するための第3の放射ローブを含み、前記第2のスピーカアレイは、前記第2の音声のより遅延させたバージョンを放射するための第3の放射ローブを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載のラウドスピーカシステム。
  7. ホームシアターのような部屋内のリスニングゾーンのためのラウドスピーカシステムであって、前記リスニングゾーンは、平面表現における、概念的な前端および後端と、概念的な右側および左側とを含み、前記ラウドスピーカシステムは、
    第1および第2のスピーカのアレイを含み、各々のスピーカのアレイは、別々の、少なくとも第1および第2の音声放射ローブを含み、
    前記第1のスピーカアレイの前記第1の音声放射ローブが、前記リスニングゾーンの前記前端および前記後端の間の実質的に中途にある、前記リスニングゾーンの概ね前記右側にある領域内の位置に向けられるように、かつ、前記第2の音声放射ローブが、前記リスニングゾーンの前記前端および前記後端の間の実質的に中途にある、前記左側から、前記右側と前記左側との間の距離の概ね約1/4離れた領域内の位置に向けられるように、前記第1のスピーカのアレイは、前記部屋の左前の位置に設置可能であって、それによって、その位置から垂直な、前記前端または前記後端への線が、前記リスニングゾーンの前記概念的な左側を概ね規定し、
    前記第2のスピーカアレイの前記第1の音声放射ローブが、前記リスニングゾーンの前記前端および前記後端の間の実質的に中途にある、前記リスニングゾーンの概ね前記左側にある領域内の位置に向けられるように、かつ、前記スピーカアレイの前記第2の音声放射ローブが、前記リスニングゾーンの前記前端および前記後端の間の実質的に中途にある、前記右側から、前記右側と前記左側との間の距離の概ね約1/4離れた領域内の位置に向けられるように、前記第2のスピーカのアレイは、前記部屋の右前の位置に設置可能であって、それによって、その位置から垂直な、前記前端または前記後端への線が、前記リスニングゾーンの前記概念的な右側を概ね規定し、
    前記第1のスピーカアレイの前記第1の音声放射ローブに関連付けられた放射または極性パターンは、それが、リスニングゾーン内のより低い音圧レベルで、前記リスニングゾーンの前記前端および前記後端の間の実質的に中途にある、前記右側から、前記右側と前記左側との間の距離の概ね約3/4にある位置を通る前記第1のスピーカアレイからの直線と、前記リスニングゾーンの前記右側との間に規定された領域で受けられるように変更され、
    前記第2のスピーカアレイの前記第1の放射ローブに関連付けられた放射または極性パターンは、それが、リスニングゾーン内のより低い音圧レベルで、前記リスニングゾーンの前記前端および前記後端の間の実質的に中途にある、前記左側から、前記左側と前記右側との間の距離の概ね約3/4にある位置を通る前記第2のスピーカアレイからの直線と、前記リスニングゾーンの前記左側との間に規定された領域で受けられるように変更される、ラウドスピーカシステム。
  8. 各々のスピーカアレイは、前記第1の音声放射ローブに関連付けられた前記放射または極性パターンを変更するための手段を含む、請求項7に記載のラウドスピーカシステム。
  9. 各々のスピーカアレイは、増幅器および時間遅延回路に関連付けられ、
    前記増幅器は、第1のスピーカアレイから、前記リスニングゾーン内の任意の位置におけるリスナーに届く音の音圧レベルが、前記第2のスピーカアレイから前記同じリスナーに届く音の音圧レベルに実質的に等しくなるようにゲインを与えるように調整可能であり、
    各々のアレイに関連付けられた前記時間遅延回路は、前記第1および第2のスピーカのアレイから前記リスニングゾーン内の前記任意の位置における前記リスナーに向けられた、一致する音が、実質的に等しい到着時間で前記リスナーに届くように、そのアレイの少なくとも1つの他の放射ローブに沿って伝達された音に対して時間遅延させられた、アレイの少なくとも1つの放射ローブに沿って伝達した音を与えるように調整可能である、請求項7または請求項8に記載のラウドスピーカシステム。
  10. 各々のアレイの前記第2の放射ローブは、各々のアレイの前記第1の放射ローブに対して音声の伝達における遅延を与えるための信号遅延回路に関連付けられる、請求項9に記載のラウドスピーカシステム。
  11. 前記放射または極性パターンを変更するための前記手段は、少なくとも1つの音声分離または反射部材を含む、請求項1〜6および請求項8〜10のうちのいずれか1項に記載のラウドスピーカシステム。
  12. 前記音声分離または反射部材は、前記リスニングゾーンへと突き出るフラップを含む、請求項11に記載のラウドスピーカシステム。
  13. 前記放射または極性パターンを変更するための前記手段は、各々のスピーカアレイと関連付けられたエンクロージャを成形するための手段を含む、請求項1〜6および請求項8〜10のうちのいずれか1項に記載のラウドスピーカシステム。
  14. 各々の放射ローブに関連付けられた音圧レベルを調整するための手段を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載のラウドスピーカシステム。
  15. 各々のスピーカのアレイは少なくとも2つのスピーカパネルを含み、それらのうちの一方は、前記第1の音声放射ローブを与え、他方は、前記第2の音声放射ローブを与える、先行する請求項のいずれか1項に記載のラウドスピーカシステム。
  16. 各々のスピーカのアレイは3つのスピーカパネルを含み、各々のアレイの最も内側のスピーカパネルは、前記第1の音声放射ローブを与え、各々のアレイの最も外側の2つのスピーカパネルは、組み合わさって、前記第2の音声放射ローブを与える、請求項1〜6のいずれか1項に記載のラウドスピーカシステム。
  17. 各々のアレイの前記スピーカパネルは、中域から高域の周波数において相対的に狭い放射または極性パターンを含む、請求項15または請求項16に記載のラウドスピーカシステム。
  18. 各々のアレイの前記最も内側のスピーカパネルは、静電スピーカパネルを含む、請求項15、16、17のいずれか1項に記載のラウドスピーカシステム。
  19. 各々のアレイのすべてのスピーカパネルは、静電スピーカパネルを含む、請求項15〜18のいずれか1項に記載のラウドスピーカシステム。
  20. 等距離にないリスニングポジションに対する前記時間遅延(Td)は、Td=(Dn−Df)/vとの式によって得られ、Dnは、前記等距離にないリスニングポジションから、より近いスピーカアレイへの距離であり、Dfは、前記等距離にないリスニングポジションから、より遠いスピーカアレイへの距離であり、vは音声の速度である、請求項1〜6および請求項9〜10のうちのいずれか1項に記載のラウドスピーカシステム。
  21. 2つのさらなるスピーカアレイを備え、各々のさらなるアレイは、別々な第1および第2の音声放射ローブを有し、一方の前記さらなるスピーカアレイは、前記リスニングゾーンの右後ろの位置に配置可能であり、他方の前記さらなるスピーカアレイは、前記リスニングゾーンの左後ろの位置に配置可能であり、各々のさらなるスピーカアレイの前記第1の音声放射ローブに関連付けられた放射または極性パターンが変更され、前記さらなるスピーカアレイは、それらの音声放射ローブが、前記リスニングゾーンに向けられ、前記変更された放射または極性パターンが、同様に適宜変更されて前スピーカアレイへと向けられるように、前記リスニングゾーンの後ろの位置に配置可能である、先行する請求項のいずれか1項に記載のラウドスピーカシステム。
  22. 先行する請求項のいずれか1項に記載のラウドスピーカシステムのためのラウドスピーカアレイであって、
    一方のスピーカパネルが第1の音声放射ローブを与え、他方のスピーカパネルが第2の音声放射ローブを与えるように、隣り合って配置された2つのスピーカパネルを含む、ラウドスピーカアレイ。
  23. 隣り合って配置された3つのスピーカパネルを含み、各々のアレイの最も内側のスピーカパネルは第1の音声放射ローブを与え、各々のアレイの最も外側の2つのスピーカパネルは、組み合わさって、第2の音声放射ローブを与える、請求項22に記載のラウドスピーカアレイ。
  24. 前記第1の音声放射ローブに関連付けられた前記放射または極性パターンを変更するための手段を含む、請求項22または請求項23に記載のラウドスピーカアレイ。
  25. 前記放射または極性パターンを変更するための前記手段は、音響的不透明部材を含む、請求項24に記載のラウドスピーカアレイ。
  26. 前記音響的不透明部材は、前記アレイから前記リスニングゾーンに突き出る音声分離フラップを含む、請求項25に記載のラウドスピーカアレイ。
  27. 前記第1の音声放射ローブに関連付けられた前記放射または極性パターンは、各々のスピーカパネルに関連付けられたエンクロージャを成形することによって変更される、請求項22または請求項23に記載のラウドスピーカアレイ。
  28. 各々のスピーカパネルは、中域から高域の周波数において相対的に狭い放射または極性パターンを含む、請求項22〜27のいずれか1項に記載のラウドスピーカアレイ。
  29. 各々のアレイの前記最も内側のスピーカパネルは、静電スピーカパネルを含む、請求項22〜28のいずれか1項に記載のラウドスピーカアレイ。
  30. 前記アレイの全てのスピーカパネルは、静電スピーカパネルを含む、請求項22〜29のいずれか1項に記載のラウドスピーカアレイ。
  31. 前記アレイのスピーカパネルに関連付けられた増幅器と、前記第2の音声放射ローブに関連付けられたスピーカパネルのための信号遅延回路であって、そのローブに関連付けられた音声伝達における遅延を与えるための前記信号遅延回路とを含む、請求項22〜30のいずれか1項に記載のラウドスピーカアレイ。
  32. リスニングゾーン内で、改善された音像でマルチチャネル音声を再生するためのラウドスピーカシステムであって、前記ラウドスピーカシステムは、
    前記リスニングゾーンに対する左前の位置に設置されるための左スピーカクラスタを備え、前記左スピーカクラスタは、前記リスニングゾーンに対する左下の位置に配置された第1のスピーカアレイと、前記リスニングゾーンに対する左上の位置に配置された第2のスピーカアレイとを含み、
    前記ラウドスピーカシステムは、
    前記リスニングゾーンに対する右前の位置に設置されるための右スピーカクラスタをさらに備え、前記右スピーカクラスタは、前記リスニングゾーンに対する右下の位置に配置された第3のスピーカアレイと、前記リスニングゾーンに対する右上の位置に配置された第4のスピーカアレイとを含み、
    各々の左スピーカアレイは、前記マルチチャネル音声の第1の音声を放射するための第1の放射ローブと、前記第1の音声を遅延させたバージョンを放射するための少なくとも第2の放射ローブとを含み、
    各々の右スピーカアレイは、前記マルチチャネル音声の第2の音声を放射するための第1の放射ローブと、前記第2の音声を遅延させたバージョンを放射するための少なくとも第2の放射ローブとを含み、
    前記ラウドスピーカシステムは、
    各々の放射ローブに関連付けられた放射または極性パターンを変更するための手段をさらに備え、
    前記リスニングゾーン内の実質的に全ての位置で、前記アレイからの音声の放射を、実質的に等しい到着時間で受けるように、
    前記左クラスタおよび前記右クラスタから実質的に等距離にあるリスニングポジションでは、前記左クラスタまたは前記右クラスタに関連付けられた、遅延した放射ローブまたは遅延していない放射ローブからの音声放射を受けて、前記左クラスタおよび前記右クラスタから実質的に等距離にはないリスニングポジションでは、前記左クラスタまたは前記右クラスタに関連付けられた、遅延した放射ローブおよび遅延していない放射ローブの両方からの音声放射を受けるように、
    前記下側のスピーカアレイまたは前記上側のスピーカアレイから実質的に等距離にあるリスニングポジションでは、前記上側のアレイまたは前記下側のアレイに関連付けられた、遅延した放射ローブまたは遅延していない放射ローブからの音声放射を受けて、前記下側のスピーカアレイまたは前記上側のスピーカアレイから実質的に等距離にはないリスニングポジションでは、前記上側のアレイおよび前記下側のアレイに関連付けられた、遅延した放射ローブおよび遅延していない放射ローブの両方からの音声放射を受けるように、
    前記システムが構成される、ラウドスピーカシステム。
  33. 添付の図面を参照してここに実質的に記載される、模擬されたサラウンド音声を再生するためのラウドスピーカシステム。
  34. 添付の図面を参照してここに実質的に記載されるラウドスピーカシステムのためのラウドスピーカアレイ。
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