JP2007228526A - 音像定位装置 - Google Patents

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哲朗 和田
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Abstract

【課題】従来、音源の任意位置定位には、多くの頭部伝達関数のフィルタ係数が必要で、かつ定位する音源数に比例した演算量や回路規模を要し、また音源の音像移動には、連続的な頭部伝達関数の切り替えが必要で、頭部伝達関数のフィルタ係数を充分に用意できない場合はスムーズな移動を提示できない。
【解決手段】入力音源の信号から複数の仮想スピーカに対応するチャンネル信号を生成するマルチチャンネル信号生成部と、
生成された複数の仮想スピーカに対応するチャンネル信号を入力し、夫々チャンネル信号に対応付けられた特性を付与して定位処理し、再生音源を仮想的に任意の位置に定位する再生ユニット数の信号を生成する仮想音場生成部を備えることで省メモリ・低演算量で、かつスムーズな音源の移動提示ができる音像定位装置を提供する。
【選択図】図1

Description

この発明は、受聴者周囲の任意位置に再生音の音像を定位させる音像定位装置に関するものである。
従来、ヘッドホンまたは2スピーカ等の音響信号を出力する再生ユニットによって受聴者の周囲に音像を定位させる(以下、音像定位処理と呼ぶ)方法として、定位させたい音源位置から受聴者の両耳までの伝達特性(以下、頭部伝達関数と呼ぶ)を音源信号に付与し、あたかも所望の位置に音源があるかのように受聴者に錯覚させる方法がある。例えば、特開平9−233600号公報では、音源信号と仮想音源位置から受聴者の両耳までの頭部伝達関数を用いて音像定位処理を行い、2スピーカで受聴する場合の音像定位受聴方法が示されている。
なお、複数の音源を異なる位置に定位させる場合には、それぞれの異なる音源位置から受聴者の両耳までの頭部伝達関数を用意し、対応する音源信号毎に処理を施す。同一の音源を異なる音源位置に定位させる場合も同様である。また、音源を移動させる場合には、移動方向や距離の時間的変化に応じて、頭部伝達関数を連続的に切り替えることにより実現する。
特開平9−233600号公報
上記の様な従来の音像定位装置では、任意の位置に音源を定位させるためには、多くの頭部伝達関数のフィルタ係数を格納するためのメモリが必要となったり、定位させたい音源数が増加するのに比例して演算量及び回路規模が膨大になるといった課題があった。
また、音源の音像を移動させる場合には、連続的に頭部伝達関数のフィルタ係数を切り替える必要があり、頭部伝達関数のフィルタ係数を充分に用意できない場合にはスムーズな移動を受聴者に提示することができないという課題もあった。
この発明は、上記の様な課題を解決するためになされたものであり、省メモリ・低演算量で、かつスムーズな音源の移動を提示することができる音像定位装置を提供することを目的とする。
この発明に係る音像定位装置は、
入力音源の信号から複数の仮想スピーカに対応するチャンネル信号を生成するマルチチャンネル信号生成部と、
生成された複数の仮想スピーカに対応するチャンネル信号を入力し、夫々のチャンネル信号に対応付けられた特性を付与して定位処理し、再生音源を仮想的に任意の位置に定位する信号を再生ユニット数生成する仮想音場生成部を備える。
この発明の音像定位装置では、入力音源に対して、マルチチャンネル信号生成部で既定の位置に配置したN個の仮想スピーカを駆動するためのNチャネルのマルチチャンネル信号を生成し、仮想音場生成部でn番目のチャンネル信号に対してn番目の仮想スピーカから両耳への伝達特性を付与した後、特性を付与したN個のチャンネル信号を加算して出力することにより信号を生成するので、演算量及び回路規模の増大を抑えることができる。
以下に、この発明の音像定位装置を示す実施例について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である音像定位装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1a、1b、・・・、1jは受聴者の周囲に定位させる入力音源、2a、2b、・・・、2jは入力音源を元に複数のチャネル信号を生成するマルチチャンネル信号生成部、3a、3b、3c、・・・、3nは特定のチャンネル信号を加算する加算部、4は複数のチャンネル信号に対して信号処理を行い仮想的な再生音場を生成する仮想音場生成部、5a、5bは音響信号を出力する音響信号出力部である。
まず動作の概略について説明する。本実施の形態の音像定位装置は、J個(J>0)の入力音源があり、それぞれの入力音源に対して、想定するN個(N>0)の仮想スピーカを駆動するN個のチャンネル信号から成るマルチチャンネル信号をマルチチャンネル信号生成部で生成する。生成されたN個のチャンネル信号を対応する仮想スピーカのチャンネル信号毎に加算部でJ個加算し、加算された個別のチャンネル信号に対して仮想スピーカから受聴者の両耳に届くまでの頭部伝達関数を用いて仮想音場生成部で定位処理を行い、さらに定位処理された信号を加算してヘッドホンまたは2スピーカで再生するための信号として出力するものである。
ここで、N個の仮想スピーカについて説明する。仮想スピーカの配置はあらかじめ定められており、図2は、N=5として仮想スピーカが受聴者100の周りに配置された一例である。この配置は、映画や放送の分野において5.1チャンネル再生のメインスピーカの配置として良く使われているものであり、これらのスピーカ配置を想定したマルチチャンネル(この場合は5チャンネル)音源を再生すると、受聴者の周囲360度にわたるサラウンド音場を得ることができる。
図2において、仮想スピーカ8aは受聴者正面方向から左側30度の左前方の位置(いわゆるLチャンネル)にある。仮想スピーカ8bは受聴者正面方向から右側30度の右前方(いわゆるRチャンネル)の位置にある。仮想スピーカ8cは受聴者正面方向の位置(いわゆるCチャンネル)にある。仮想スピーカ8dは受聴者正面から左側120度の左後方の位置(いわゆるLSチャンネル)にある。仮想スピーカ8eは受聴者正面から右120度の右後方の位置(いわゆるRSチャンネル)にある。なお、これらの仮想スピーカは、受聴者の位置を中心とした距離Dの同心円周上に配置されることが多い。
また、図1のマルチチャンネル信号生成部で生成するマルチチャンネル信号は、上記仮想スピーカを駆動する信号を指す。すなわち、図2の場合、マルチチャンネル信号生成部は、5個のチャンネル信号を生成するものであり、n番目(n=1〜N)のチャンネル信号がn番目の仮想スピーカを駆動するように対応付けている。マルチチャンネル信号の生成方法の詳細については後述する。
次に動作の詳細について説明する。なお、断りのない限り、入力音源の数J=3,仮想スピーカの個数N=5として考える。なお、入力音源の数J=3であるので以下j=cと置き換えて説明する。図1の1a、1b、1cの入力音源は、その信号源情報としてPCM(Pulse Code Modulation)の音響信号S(t)を有すると共に、この信号源情報が存在するサラウンド音場におけて定位される位置情報を有している。例えば、1a、1b、1cのそれぞれの入力音源は、図3の9a、9b、9cの位置にそれぞれ定位(再生音の音源位置)されるものとする。入力音源1aの定位位置9aは、仮想スピーカ8aの位置と同じであり、入力音源1bの定位位置9bは、仮想スピーカ8bと8eの間の方向にあり、かつ距離Dの円周内に位置している。入力音源1cの定位位置9cは、仮想スピーカ8dと8eの間の方向にあり、かつ距離Dの円周外に位置している。
2a、2b、2cのマルチチャンネル信号生成部は、入力音源から入力する信号源情報とその位置情報を元に、仮想スピーカ8a、・・・、8eを駆動する5個のチャンネル信号を生成する。図4はマルチチャンネル信号生成部2の構成例を示すものである。21は入力音源の信号源情報をN個(5個)のチャンネル信号に分配する分配部、22は入力音源の位置情報を基にN個のチャンネル信号のゲインを変化させるために個別にゲインを決定するゲイン制御部、23a、・・・、23eはゲイン制御部の結果に応じて仮想スピーカ8a、・・・、8eの対応チャンネル信号のゲインを変化させる可変ゲイン制御部である。
なお、可変ゲイン制御部23a、・・・、23eの出力は対応するアルファベット記号の仮想スピーカ8a、・・・、8eを駆動する。
ここで、マルチチャンネル信号の生成方法について述べる。マルチチャンネル信号生成部2のゲイン制御部22及び可変ゲイン制御部23a、・・・、23eは、図3の仮想スピーカ8a、・・・、8eを駆動するチャンネル信号のゲインを制御するものとする。以下、ゲインの制御方法について具体的に説明する。
まず、分配部21は入力された信号源情報をN個(5個)のチャンネル信号に分配する。ゲイン制御部22はこの分配された5個のチャンネル信号それぞれについてゲインを決定し、可変ゲイン制御部23a、・・・、23eは、ゲイン制御部22が決定したゲインに基づき、図3の仮想スピーカ8a、・・・、8eを駆動する分配された信号源情報のチャンネル信号ゲインを制御する。
ここで、図3の定位される位置9aにある入力音源1aを考える。定位される位置9aと仮想スピーカ8aの位置が一致するので、その出力が仮想スピーカ8aを駆動する可変ゲイン制御部23aに対してはゲイン係数を1とし、これ以外の仮想スピーカ8b、・・・、8eを駆動する信号のゲインを制御する23b、・・・、23eの可変ゲイン制御部に対して与えるゲイン係数を0とする。
次に、図3の9bの定位位置にある入力音源1bを考える。定位位置9bは、仮想スピーカ8bと仮想スピーカ8eとの成す角度を3分割し、仮想スピーカ8b側寄りに1刻み分の角度の方向にある。また、受聴者100から距離Dの円周上にある仮想スピーカの位置よりも内側に位置している。この場合、可変ゲイン制御部23bに対しては、角度の重み係数として0.67を決定し、距離の重み係数として1.2を決定し、これらを乗じた0.804をゲイン係数とする。可変ゲイン制御部23eに対しては、角度の重み係数として0.33を決定し、距離の重み係数として1.2を決定し、これらを乗じた0.396をゲイン係数とする。
次に、図3の位置に9cにある入力音源1cを考える。位置9cは、仮想スピーカ8dと仮想スピーカ8eとの成す角度を4分割し、仮想スピーカ8d側寄りに1刻み分の角度の方向にある。また、受聴者100から距離Dの円周上にある仮想スピーカの位置よりも外側に位置している。この場合、可変ゲイン制御部23dに対しては、角度の重み係数として0.75を決定し、距離の重み係数として0.8を決定し、これらを乗じた0.6をゲイン係数とする。可変ゲイン制御部23eに対しては、角度の重み係数として0.25を決定し、距離の重み係数として0.8を決定し、これらを乗じた0.2をゲイン係数とする。図5は、1a、1b、1cの入力音源それぞれを9a、9b、9cの位置に定位させる際に、可変ゲイン制御部23a、・・・、23eで用いるゲイン係数の組合せを示したものである。
上記の角度の重み係数の決定方法は、一般に2つのスピーカが存在する場合に音量のバランスをコントロールすることによって音像を定位させることができる考えに基づくものである。すなわち、円周上で隣り合う2つの仮想スピーカとその間に位置する入力音源との位置関係を基に角度の重み付け係数を決定する。また、距離の重み係数の決定方法も同様に、入力音源の位置が仮想スピーカよりも近い場合には大きな音量が必要であり、仮想スピーカよりも遠い場合は小さな音量で済むという音量のバランスをコントロールする考えに基づいている。すなわち、受聴者から入力音源までの距離と受聴者から仮想スピーカを配置した円周までの距離との関係を基に距離の重み付け係数を決定する。マルチチャンネル信号生成部4はこの様な考え方に基づいてゲイン制御を行ないマルチチャンネル信号を生成するものであれば良く、図5に示したゲイン係数の組合せに限られるものではない。
なお、上述のマルチチャンネル信号生成部2においてゲイン係数を時間的に連続して変化させれば、入力音源を移動させることが可能である。この時間的な変化の制御は、入力音源を移動させたい方向、距離、スピードなどに応じて任意に設定できる。
2a、2b、2cのマルチチャンネル信号生成部で生成された各1番目のチャンネル信号は、それぞれ1番目の加算部3aに入力されて加算され、各2番目のチャンネル信号は、それぞれ2番目の加算部3bに入力されて加算される。n番目の各チャンネル信号は、それぞれn番目の加算部3nに入力され加算される。加算部3nから出力される加算後の信号もまた、n番目の仮想スピーカを駆動するn番目のチャンネル信号である。なお、入力音源の数が1個でありマルチチャンネル信号が単数しか存在しない場合には、加算部3a、3b、3c、・・・、3nを全て省略することができる。
仮想音場生成部4は、N個のチャンネル信号を入力すると、N個の仮想スピーカの位置に実際にスピーカを配置して再生した時と同じ再生音場を仮想的に再現する信号を生成する。図6は仮想音場生成部4の構成例を示すものである。41a、41b、41c、・・・、41nの定位処理部はそれぞれ、n番目のチャンネル信号に対し、n番目の仮想スピーカの位置から受聴者100の両耳に届くまでの頭部伝達関数から得られるフィルタ特性を有するデジタルフィルタである。例えば、1番目のチャンネル信号に対し、1番目の仮想スピーカ8aの位置から受聴者100の両耳に届くまでの頭部伝達関数から得られるフィルタ特性を有するデジタルフィルタである。
また、図7は41a、・・・、41nの定位処理部の構成例を示すものであり、各チャンネル信号から左耳の信号を生成するフィルタ処理部43aと、右耳の信号を生成するフィルタ処理部43bを有する。41nの定位処理部にn番目のチャンネル信号が入力されると、フィルタ処理部43aがn番目の仮想スピーカの位置から左耳に届く音の伝達特性(HL)を有するフィルタ係数を用いたフィルタ演算を行い、フィルタ処理部43bがn番目の仮想スピーカの位置から右耳に届く音の伝達特性(HR)を有するフィルタ係数を用いたフィルタ演算を行なう。例えば、定位処理部41aに1番目のチャンネル信号が入力されると、フィルタ処理部43aが1番目の仮想スピーカ8aの位置から左耳に届く音の伝達特性(HL)を有するフィルタ係数を用いたフィルタ演算を行い、フィルタ処理部43bが1番目の仮想スピーカ8aの位置から右耳に届く音の伝達特性(HR)を有するフィルタ係数を用いたフィルタ演算を行なう。この結果、n番目のチャンネル信号にn番目の仮想スピーカの位置から届く特性が付与される。
加算出力部42aは、定位処理部41a、・・・、41nにおいて仮想スピーカから左耳に届く特性を付与したフィルタ処理部43aの信号をN個加算して出力する。加算出力部42bは、定位処理部41a、・・・、41nにおいて仮想スピーカから右耳に届く特性を付与したフィルタ処理部43bの信号をN個加算して出力する。
仮想音場生成部4から出力される2つの出力信号は音響信号出力部5a、5bを経由してヘッドホンや2スピーカ等の音響信号を出力する再生ユニットによって受聴者に対して音として再生される。ヘッドホンで受聴する場合には、音響信号出力部5a、5bの後段に、D/A変換部、アンプ、ヘッドホンユニットを接続することにより受聴することが可能となる。また、スピーカで受聴する場合にも同様の構成を追加することにより受聴することができるが、スピーカで受聴する場合には実際に音を放射する実スピーカから両耳に音が届いてしまういわゆるクロストークの影響を受けるため、一般的にはこれを取り除くためのクロストークキャンセル部を、音響信号出力部5a、5bの後段に設ける場合が多い。
この様に、実施の形態1の音像定位装置では、J個の入力音源に対して、マルチチャンネル信号生成部で既定の位置に配置したN個の仮想スピーカを駆動するためのNチャネルのマルチチャンネル信号を夫々生成し、加算部でマルチチャンネル信号のn番目のチャンネル信号をJ個加算し、仮想音場生成部の定位処理部でn番目のチャンネル信号に対してn番目の仮想スピーカから両耳への伝達特性を付与し、仮想音場生成部の加算出力部では特性を付与したN個のチャンネル信号を加算して出力することにより信号を生成するので、入力音源の個数Jと仮想スピーカの個数Nの関係がJ>Nの場合でも、フィルタ演算とフィルタ係数を必要とする定位処理部の数Nを超えて増加せず、演算量及び回路規模の増大を抑えることができる。また、個々の定位処理で使用するフィルタ係数のテーブルは、特定の方向のフィルタ係数のみを格納しておけば良く、360度の周囲に渡って保有する必要が無く、メモリサイズを抑えることができる。
また、マルチチャンネル信号生成部では、入力音源の信号源情報と位置情報を用い、分配部でN個のチャンネル信号に分配し、ゲイン制御部でそれぞれのチャンネル信号のゲイン係数を決定し、決定されたゲイン係数を用いて可変ゲイン制御部でN個のチャネル信号のゲインを調整することにより、N個の仮想スピーカから再生した時にサラウンド音場を得ることができるマルチチャンネル信号を生成するので、360度の周囲に渡って音像の位置をスムーズに移動させることができ、かつ入力音源の信号サンプル毎にゲインを調整することにより時間的にもスムーズに移動させることができる。
なお、上記説明においては仮想スピーカを受聴者を中心とした二次元の水平面内に配置する例を示したが、もちろん受聴者を中心とする上下方向を含む三次元の立体空間内に配置するものであっても良い。この場合、マルチチャンネル信号生成部は、N個の仮想スピーカから再生した時に立体的なサラウンド音場を得ることができるマルチチャンネル信号を生成し、仮想音場生成部は立体空間内に配置した仮想スピーカから両耳への点立つ特性を付与する定位処理を行うので、受聴者の周囲の全方向に音像を定位させることができる。
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2に係る仮想音場生成部における定位処理部41nの構成例を示すブロック図である。本実施の形態2は仮想音場生成部における定位処理部の構成が実施の形態1と異なるのみで、他の構成は実施の形態1と同様である。
本実施の形態2における仮想音場生成部の定位処理部41aは、フィルタ処理部44a、44bと信号検出部45から成る。信号検出部45は、加算部3からの入力信号レベルを算出し、その入力信号レベルが既定の閾値を超えている場合はフィルタ処理部44a、44bに対してフィルタ演算の実行を指示する制御信号を出力する。入力信号レベルが既定の閾値を超えていない場合は、フィルタ処理部44a、44bに対してフィルタ演算の実行を指示しない制御信号を出力する。
フィルタ処理部44a、44bは、信号検出部45からの制御信号を受け、フィルタ演算の実行を指示された場合は、フィルタ演算を実行すると共に実行結果を出力する。フィルタ演算の実行を指示されなかった場合は、フィルタ演算を実行せず、ミュート信号(無音信号)を出力する。
この様な実施の形態2によれば、n番目の仮想スピーカから入力音源を定位させる信号を出力する必要がない場合には、僅かな回路規模の増加で、演算量を大幅に抑えることができる。
実施の形態3.
図9は、あらかじめ定めておく仮想スピーカの配置の異なる例を示すものである。仮想スピーカの個数NはN=10である。受聴者100の位置から距離Dの円周上に配置する5個の仮想スピーカ8a、・・・、8eと、距離D1(D1>D)の円周上に配置する5個の仮想スピーカ8f、・・・、8jに大別して配置する。受聴者100から見た方向は同一方向に合わせる。
ところで、図9の仮想スピーカの配置を考えた場合、例えば、同一方向にある仮想スピーカ8aと8fとでは、受聴者の両耳に届くまでの伝達経路は異なる。受聴者からの距離が近い仮想スピーカ8aからの経路をTa、受聴者からの距離が遠い仮想スピーカ8fからの経路をTfとした場合の伝達経路を図10に示す。この2つの仮想スピーカを駆動するチャンネル信号を入力とする定位処理部では、この経路の違いがフィルタ特性に大きく表れている。すなわち、受聴者と仮想スピーカの位置関係に応じた遅延特性、高域信号成分の距離減衰特性、周囲の反射特性や残響特性等をそれぞれ持っている。それゆえ、例えば、入力音源の位置に近い仮想スピーカを選択可能な構成を設けることが望ましい。
例えば、マルチチャンネル信号生成部において、入力音源と受聴者の間の距離がDよりも小さい場合は、仮想スピーカ8aないし8eを駆動するチャンネル信号のゲイン制御を行い、入力音源と受聴者の間の距離がDよりも大きな場合は、仮想スピーカ8fないし8jを駆動するチャンネル信号のゲイン制御を行なうような構成にする。もちろん、仮想スピーカを選択する判定条件はこれに限るものではない。
ここで、入力音源1cについて考える。入力音源1cの定位位置9cは、受聴者の位置からD1>9c>Dの関係にある。この様な場合、マルチチャンネル信号生成部では、仮想スピーカ8i及び仮想スピーカ8jを駆動するチャンネル信号のゲイン制御を行なう。図11は、1a、1b、1cの入力音源それぞれを9a、9b、9cの位置に定位させる際に、可変ゲイン制御部で用いるゲイン係数の組合せを示したものである。図11中の可変ゲイン制御部23fないし23jは、仮想スピーカ8fないし8jを駆動するチャンネル信号のゲインを変化させるものである。
この様な実施の形態3によれば、あらかじめ定めておく仮想スピーカの位置を受聴者の位置から異なる2つの距離の円周上に分けて配置し、マルチチャンネル信号生成部では入力音源の位置情報を用いて、2つの距離のいずれかの円周上にある仮想スピーカを駆動するチャンネル信号から成るマルチチャンネル信号を生成し、加算部でn番目のチャンネル信号を加算し、定位処理部でn番目のチャンネル信号に対して対応するn番目の仮想スピーカから両耳への伝達特性を付与し、加算出力部では特定の耳への特性を付与したN個のチャンネル信号を換算して出力することにより信号を生成するので、受聴者からの入力音源までの距離感を精緻に表現することができ、受聴者は良好な定位感が得られる。
この発明は音響信号再生システムまたはこれを伴う映像システム、具体的には携帯電話でのメロディ再生や大型映像システムでの広告アナウンス、ゲームの効果音等の立体的な音響再生等への適用することで、省メモリ・低演算量で、かつスムーズな音源の移動提示が可能な製品を提供できる。
この発明の実施の形態1である音像定位装置の構成を示すブロック図である。 受聴者の周りに5個の仮想スピーカを配置した例の説明図である。 受聴者の周りに配置した5個の仮想スピーカと入力音源との定位位置関係の説明図である。 マルチチャンネル信号生成部の構成を示すブロック図である。 実施の形態1における入力音源をそれぞれ所望の位置に定位させるためのゲイン係数の組合せ例の説明図である。 仮想音場生成部の構成例を示すブロック図である。 仮想音場生成部における定位処理部の構成例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2の仮想音場生成部における定位処理部の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3における仮想スピーカと入力音源の定位位置関係の説明図である。 受聴者との距離が異なる2つの仮想スピーカからの伝達経路の説明図である。 実施の形態2における入力音源をそれぞれ所望の位置に定位させるためのゲイン係数の組合せを例の説明図である。
符号の説明
1a、・・・、1j:入力音源、2a、・・・、2j:マルチチャンネル信号生成部、21:分配部、22:ゲイン制御部、23a、・・・、23e:可変ゲイン制御部、3a、・・・、3n:加算部、4:仮想音場生成部、41a、・・・、41n:定位処理部、42a、42b:加算出力部、43a、43b、44a、44b:フィルタ処理部、45:信号検出部、5a、5b:音響信号出力部、8a〜8e:仮想スピーカ、9a、9b、9c:定位位置。

Claims (6)

  1. 入力音源の信号から複数の仮想スピーカに対応するチャンネル信号を生成するマルチチャンネル信号生成部と、
    生成された複数の仮想スピーカに対応するチャンネル信号を入力し、夫々のチャンネル信号に対応付けられた特性を付与して定位処理し、再生音の音源を任意の位置に仮想的に定位する信号を再生ユニット数生成する仮想音場生成部を備えたことを特徴とする音像定位装置。
  2. 仮想音場生成部は
    生成された複数の仮想スピーカに対応するチャンネル信号を夫々仮想スピーカの位置に応じた所定の特性を有するフィルタを用いて再生ユニット毎の信号を生成する信号処理を行なう仮想スピーカと同数の定位処理部と
    定位処理部による仮想スピーカ数と同数の出力を再生ユニット毎に加算して出力する加算出力部を備えたことを特徴とする請求項1記載の音像定位装置。
  3. 入力音源を複数備え、
    マルチチャンネル信号生成部は入力音源数分備え、入力音源毎に複数の仮想スピーカに対応するチャンネル信号を生成し、
    生成された複数の対応仮想スピーカのチャンネル信号毎に加算し、仮想スピーカに対応する複数のチャンネル信号を仮想音場生成部に出力する複数の加算部を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の音像定位装置。
  4. 入力音源は信号源情報とこの信号源情報が定位される位置情報を有し、
    上記マルチチャンネル信号生成部は、
    入力音源の信号源情報を仮想スピーカ数のチャンネル信号に分配する分配部と、
    分配されたそれぞれのチャンネル信号のゲインを入力音源の位置情報に基づき決定するゲイン制御部と、
    それぞれのチャンネル信号をゲイン制御部により決定されたゲインで制御する可変ゲイン制御部を備えたことを特徴とする前記請求項1ないし請求項3の何れかに記載の音像定位装置。
  5. 上記定位処理部は、入力された各チャンネル信号のレベルが予め定められた閾値より低い時は、信号処理を行なわずミュート信号を出力する構成にされたことを特徴とする請求項1ないし請求4の何れかに記載の音像定位装置。
  6. 仮想スピーカは受聴者との距離が異なる2つの同心円上で、かつ、受聴者と円を結ぶ直線上と、この直線との成す角が異なる複数の直線上に夫々仮想的に配置され、
    マルチチャンネル信号生成部は、仮想的に定位する再生音の音源位置が、小さい円の円周上および受聴者と小さい円との間にある時は小さい円の円周上に配置された仮想スピーカに対応するチャンネル信号のゲインを制御し、小さい円より外側にあるときは大きい円の円周上に配置された仮想スピーカに対応するチャンネル信号のゲインを制御する構成にされたことを特徴とする請求項1ないし請求5の何れかに記載の音像定位装置。
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