JP2008093798A - マーク検出装置、これを用いた輪転印刷機およびマーク検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 印刷されて走行するウェブ13上のマーク69が通過する位置に配置されるマーク検出器43と、マーク検出器43によるマーク69の検出を、特定領域内で実施するようにゲート信号87を生成するゲート生成回路81と、を備えているマーク検出装置において、マーク69のウェブ走行方向14下流側に形成されたマーク下流余白部75と、マーク検出器43のマークセンサ信号67に基づいてマーク下流余白部75を検出判定する白紙部長判断回路85と、ゲート信号87の発生期間内のマーク69の検出およびマークの下流側におけるマーク下流余白部75の検出によってマーク69の検出と判断するマーク検出判断回路と、が備えられていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
これは、ウェブに印刷されたカットマーク(詳細には、カットレジスタマーク、以下、単に、マークともいう)を用いて断裁位置を制御するものである。
折機のカッタ胴(鋸胴)に同期して回転するロータリーエンコーダからの基準パルスに基づいて、鋸胴によりウェブが断裁されるタイミングと固定された位置に取り付けられたマーク検出器によりマークが検出されるタイミングとが一致又は所定差になるように、コンペンセータローラを上下方向に移動する。
このコンペンセータの上下移動により、ウェブの走行路長を微調整して、鋸胴の回転位相に対するウェブの位相を微調整することができるので、印刷物の断裁位置を一定の位置に保持できる。
すなわち、輪転印刷機では、印刷作業中にウェブ面に汚れが付く、また、予期せぬ裏写りが存在する等があり、これらがマークと誤認定される恐れがある。
また、マークを絵柄部分で選択する場合、マークとして選定した絵柄と類似した絵柄が存在すると、その類似した絵柄をマークとして検出する恐れがある。
このように、誤認定したマークによって断裁制御を行なうと、断裁位置が所定の位置からずれるため、印刷物は製品として出せない事態となる。
この場合、手動で調整し直すこととなるので、作業時間がかかり、その分損紙量が増加する。また、完全な自動化が行なえないこととなる。
また、印刷環境の変化やウェブに加わる張力変化によってウェブ上のマークが所定のタイミングで検知できず断裁制御が出来ないこともある。
すなわち、本発明にかかるマーク検出装置は、印刷されて走行するウェブ上のマークが通過する位置に配置されるマーク検出器と、該マーク検出器による前記マークの検出を特定領域内で実施するようにゲート信号を生成するゲート信号生成手段と、を備えているマーク検出装置において、前記マークのウェブ走行方向上流側および/または下流側に形成された特異条件部と、前記マーク検出器の検出信号に基づいて該特異条件部を検出判定する特異条件判定部と、前記ゲート信号の発生期間内の前記マークの検出および前記マークの上流側および/または下流側における前記特異条件部の検出によって前記マークの検出と判断するマーク検出判断手段と、が備えられていることを特徴とする。
このとき、マーク検出器とは別個に、特異条件判定部がマークのウェブ走行方向上流側および/または下流側に形成された特異条件部をマーク検出器の検出信号に基づいて検出判定する。マーク検出判断手段は、ゲート信号の発生期間内のマークの検出およびマークの上流側および/または下流側における特異条件部の検出が両方揃って検出された場合に、マークの検出と判断する。
このように、マーク検出判断手段は、マークの検出と、それとは別個に特異条件部の検出と、が揃って検出された場合に検出されたマークをマークとして判断するので、ウェブ面の汚れ、予期せぬ裏写り、あるいは、マークとして選定した絵柄と類似した絵柄等が有ったとしても、それらをマークと誤認定する恐れをなくすことができ、マークを確実に検出することができる。
これにより、マークの検出に基づいて行なわれる制御、例えば、断裁制御、見当調整等を略完全に自動制御とすることができる。
したがって、これらの制御が短時間で行なえるので、損紙量を低減することができる。
これにより、特異条件部の検出が確実に行うことができるので、マークの検出を一層確実に行うことができる。
なお、白紙部は、基本的には印刷が施されていない部分を指すものであるが、薄い印刷が施されている部分であってもよい。
したがって、白紙部としては、絵柄と絵柄との間あるいは絵柄の両外側の印刷が施され手いない部分が好ましいが、絵柄の中であっても印刷されていない部分、あるいは、薄く印刷された部分であれば採用できる。
これにより、例えば、マークに濃淡の変動があったとしても確実にマークを検出することができる。
なお、特異条件部として白紙部を用いた場合には、特異条件部とマークとの信号レベルに相違が大きいので、一層マークの検出レベルを低くすることができ、マークを確実に検出することができる。
これにより、特異条件部の上流側および/または下流側に位置するマークがゲート信号の範囲に引き込まれるようになるので、マーク検出判断手段は確実にマークを検出することができる。
例えば、このマーク検出装置を断裁制御に用いる場合、例えば、印刷環境の変化やウェブに加わる張力変化によってウェブ上のマークがゲート信号の発生期間からずれていても、マーク検出判断手段がマークをゲート信号の範囲に入るように処理するので、マークを確実に検出できる。これにより、断裁制御が可能となるので、自動制御の幅を格段に増すことができる。
なお、マーク検出判断手段がマークをゲート信号の範囲に入るようにする処理としては、例えば、マーク検出装置を断裁制御に用いる場合には、ウェブの走行経路長を調整することを意味している。
したがって、これらの制御が短時間で行なえるので、損紙量を低減することができる。
このとき、マーク検出器とは別個に、マークのウェブ走行方向上流側および/または下流側に形成された特異条件部をマーク検出器の検出信号に基づいて検出判定し、ゲート信号の発生期間内のマークの検出およびマークの上流側および/または下流側における特異条件部の検出が両方揃って検出された場合に、マークの検出と判断する。
このように、このマーク検出方法では、マークの検出と、それとは別個に特異条件部の検出と、が揃って検出された場合に検出されたマークをマークとして判断するので、ウェブ面の汚れ、予期せぬ裏写り、あるいは、マークとして選定した絵柄と類似した絵柄等が有ったとしても、それらをマークと誤認定する恐れをなくすことができ、マークを確実に検出することができる。
これにより、マークの検出に基づいて行なわれる制御、例えば、断裁制御、見当調整等を略完全に自動制御とすることができる。
したがって、これらの制御が短時間で行なえるので、損紙量を低減することができる。
これにより、特異条件部の検出が確実に行うことができるので、マークの検出を一層確実に行うことができる。
なお、白紙部は、基本的には印刷が施されていない部分を指すものであるが、薄い印刷が施されている部分であってもよい。
したがって、白紙部としては、絵柄と絵柄との間あるいは絵柄の両外側の印刷が施され手いない部分が好ましいが、絵柄の中であっても印刷されていない部分、あるいは、薄く印刷された部分であれば採用できる。
これにより、例えば、マークに濃淡の変動があったとしても確実にマークを検出することができる。
なお、特異条件部として白紙部を用いた場合には、特異条件部とマークとの信号レベルに相違が大きいので、一層マークの検出レベルを低くすることができ、マークを確実に検出することができる。
これにより、特異条件部の上流側および/または下流側に位置するマークがゲート信号の範囲に引き込まれるようになるので、マーク検出判断手段は確実にマークを検出することができる。
例えば、このマーク検出装置を断裁制御に用いる場合、例えば、印刷環境の変化やウェブに加わる張力変化によってウェブ上のマークがゲート信号の発生期間からずれていても、マーク検出判断手段がマークをゲート信号の範囲に入るように処理するので、マークを確実に検出できる。これにより、断裁制御が可能となるので、自動制御の幅を格段に増すことができる。
これにより、マークの検出に基づいて行なわれる制御、例えば、断裁制御、見当調整等を略完全に自動制御とすることができる。
したがって、これらの制御が短時間で行なえるので、損紙量を低減することができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかるマーク検出装置を備えた新聞印刷用の輪転印刷機1の全体を模式的に示す概略構成図である。
輪転印刷機1には、複数の給紙装置3と、インフィード部5と、印刷ユニット7と、ターンバー列部9と、折機11と、が備えられている。
給紙位置に位置するアーム17aに取り付けられた巻取紙15からウェブ13が給紙されている場合に、紙継位置に位置するアーム17bでは、巻取紙15は紙継ぎ準備が施されて待機している。
繰り出されている巻取紙15のウェブ13が残り少なくなると、待機している巻取紙15のウェブ13に紙継ぎされる。
このようにして、ウェブ13は給紙装置3から印刷ユニット7へ連続的に繰り出される。
インフィードドラグ19は巻取紙15から連続的にウェブ13を引き出す部分であり、印刷機全体の運動とは無関係に駆動されるように構成されている。ここで、インフィードドラグ19は、ウェブ13をローラで挟持する構成を採用している。
ダンサローラ21はウェブ13の走行方向14に対し略直交し、ウェブ13と並行に配設されたローラである。ダンサローラ21は、図示しないエアシリンダによって上下方向(即ち,ウェブ13の走行面に離接する方向)に弾性的に支持されている。
ウェブ13の張力が弱ければエアシリンダによってダンサローラ21が降下してウェブ13の張力を高め、ウェブ13の張力が強ければエアシリンダに抗してダンサローラ21が上昇しウェブ13の張力を低下させるようになっている。
印刷部には、両面印刷可能なように、版胴23とブランケット胴25との組が、それぞれのブランケット胴25がウェブ13を挟んで対向して配置されており、相互に印圧を付与し合う機能を果たしている。
それぞれの版胴23の周面には、図示を省略した湿し装置およびインキ装置が設けられている。湿し装置は、版胴23の周囲に取り付けられた印版に湿し水を供給し、インキ装置は印版にインキを供給するものである。
なお、多色刷印刷ユニット7aおよび2色刷印刷ユニット7bは、これに限らず任意の数および配置とされる。
多色刷印刷ユニット7aおよび2色刷印刷ユニット7bは、新聞4頁を印刷できる幅を有し、通常は、4頁幅で印刷しているが、ウェブ13および印版の幅を変更することによって、1頁幅、2頁幅あるいは3頁幅等任意の幅で印刷することができる。
この自動見当センサにより各色の色ずれ量を検出し、検出した各色の色ずれ量に応じて各版胴23に備えられた図示しない天地見当モータを駆動して見当修正を行なうことにより、各色の色ずれ量をゼロに近づけるようになっている。
ターンバー部27には、スリッタ31と、複数組のターンバー装置33と、ガイドローラ群35と、複数のガイドローラ37とが備えられている。
スリッタ31は、ターンバー部27の入口部に上下方向に複数備えられ、多色刷印刷ユニット7aおよび2色刷印刷ユニット7bから送られてくるウェブ13を縦断するものである。
ガイドローラ群35は、複数のターンバー装置33の両側に(片側のみでもよい。)配置され、軸線が輪転印刷機1の長手方向に延在する間隔を空けて設けられた複数のガイドローラ39で構成されている。
複数のガイドローラ37は、軸線が輪転印刷機1に幅方向に延在するように適宜箇所に設けられ、各ウェブ13を所定の経路に案内するものである。
そして、一番上のターンバー装置33aに案内されたウェブ13は、走行方向14が輪転印刷機1の幅方向に変更され、ガイドローラ39aによって略直交方向(下方を向くように)走行方向を変換され、次いで、下方のガイドローラ39bを巻回してターンバー装置33bの方に向かうように方向転換をされ、ターンバー装置33bによって走行経路を幅方向にずらされるとともに他のウェブ13と重ねられている。
このように、一例を示したが、ウェブ13の重ね順序はターンバー装置33およびガイドローラ群35を用いて適宜調整されるように構成されている。
コンペンセータローラ41は、ウェブ13の進行方向に略直交する方向に延設され、図示しない、例えば、モータで回転されるネジ軸、流体駆動シリンダ等の適宜駆動手段によってウェブ13の走行経路に対して接離(図1の場合左右動)し、ウェブ13の走行経路長を変化させるように構成されている。
図1では、コンペンセータローラ41の制御方向を左右方向としたが、そのコンペンセータローラ41の配置、言い換えるとウェブ13の進行方向14によっては異なる方向(例えば上下方向)になる場合がある。
要はコンペンセータローラ41を移動させることによってウェブ13の走行経路長を調整できればよい。
マーク検出器43は、光を検出するフォトダイオード等で構成され、走行する各ウェブ13に光を放射し、ウェブから反射する光量(光度)を電圧に変換してマークセンサ信号67として出力するものである。
このようにして、ターンバー列部9で、縦断され、所定の順序に並べられたウェブ13は、折機11に送られる。
鋸胴51は一回転に一回ウェブ13を横断するように構成されている。
鋸胴51の軸部には、鋸胴51の一回転毎に、1個の基準パルス55およびクロックパルス57を出力するロータリーエンコーダ53が備えられている。
カットオフコントローラ59は、鋸胴51でのウェブ13の断裁位置65が所定の位置となるように制御するものである。
そのため、カットオフコントローラ59は、基準パルス55と、ウェブ13上のマーク69の検出信号のずれが所定の範囲に収まるように各コンペンセータローラ41の位置を調整してウェブ13の走行経路長を調整するものである。
マーク検出回路61は、マーク検出器43からのマークセンサ信号67等に基づいてマーク69を検出して、その基準パルス55と版マーク位置とで求められる目標との偏差を検出信号としてカットオフコントローラ59へ伝送するものである。
図3は、ウェブ13のマーク69、絵柄71および断裁位置65等の関係を示す模式図である。
ウェブ13には、絵柄71が印刷されている。隣り合う絵柄71において、ウェブ13の走行方向14における下流側に位置する天側絵柄71aと上流側に位置する地側絵柄71bとの間には、余白部73が備えられている。
余白部73の走行方向14における長さL1は、例えば24mmとされる。
余白部73の略中央位置に所定の断裁位置65が設定される。断裁位置65から天側絵柄71aまでの天側余白L2は、例えば、11mmとされる。また、断裁位置65から地側絵柄71bまでの地側余白L3は、例えば、13mmとされる。
したがって、黒色のマーク69は余白部73の略白色と際立った対照を示し、明確に区別できる。なお、余白部73の略白色は最も光の反射が多いので、印刷されたマーク69はいずれにしても明確に区別できるので、マーク69は適宜な色で印刷されてよい。
マーク69から天側絵柄71aまでの余白部73をマーク下流余白部(白紙部、特異条件部)75として設定している。
なお、特異条件部としてのマーク下流余白部75は、ウェブ13の走行方向14におけるマーク69の下流側に設定されているが、マーク69の上流側に設定しても、また、上流側および下流側の両方に設定してもよい。
余白部73の長さL1が長い場合には、白紙部長WLを確保できる範囲で間隔L4は大きくされる。すなわち、間隔L4は、長さL1と白紙部長WLとによって決定されるもので、通常は2〜8mmとされている。
ゲート生成回路81は、ロータリーエンコーダ53からの基準パルス55およびクロックパルス57を導入し、基準パルス55と版マーク位置とで求められるタイミングで立ち上がり、所定の期間だけ継続するゲート信号87を生成する。
これらのタインミングおよび発生期間は、一例を示しているのであり、各種条件に対応して適宜設定される。
したがって、マークロジック信号の高い部分は、マーク69の検出信号の候補となる。
なお、スレッシュ電圧出力MVP60は、ピーク電圧値MV pの60%としているが、これは例示であり、必要に応じ適宜割合に設定される。
設定電圧値VLは、マーク下流余白部75を検出するため、低い電圧レベルに設定されている。
すなわち、マークロジック信号MLの最初の立上り位置(ゲート信号87の立ち上げ期間における最初のスレッシュ電圧出力MVP60を超える位置)をマーク位置候補とする。
次いで、ゲート信号87の立ち上げ期間の始まりから、マーク候補の前まで設定電圧値VL以下のレベルの電圧が継続していることを判断する。
これらが全て「YES」であれば、マーク候補はマーク69の検出であると判断され、カットオフコントローラ59にその位置を伝送する。
このマーク検出装置は、カットオフコントローラ59による断裁位置制御に用いられるマーク69を検出するものである。
まず、印刷開始前に、必要に応じマーク検出器43をマーク69の幅方向位置に位置するように移動する。
また、カットオフコントローラ59はコンペンセータローラ41の仮の位置を設定する。これは、例えば、同じ紙通しで印刷したことがあれば、そのときに記録された最適のコンペンセータローラ41の位置に設定する。
また、マーク検出回路61におけるゲート信号87の発生期間、設定電圧値VLおよび白紙部長WLについて必要に応じて設定される。
輪転印刷機1を駆動すると、ウェブ13は、給紙部3からインフィード部5により引き出され、張力を調整されて印刷部7に搬送される。
最初は、必要に応じ、略一定の低い速度でウェブ13を搬送させ、インキの予備供給、紙通し作業等が行なわれる。
その後、ウェブ13を昇速する。その昇速される間に、各印刷ユニット7a,7bの印刷部で胴入れが行なわれ、印刷部7で走行するウェブ13の両面に絵柄71が印刷され、同時に所定位置にマーク69が印刷される。
ターンバー列部9へ送られた各ウェブ13はターンバー部27において、スリッタ31によって縦断される。縦断されたウェブ13の一方はターンバー装置33によってウェブ13の走行方向14が輪転印刷機1の幅方向に変更され、縦断された他方に重ねられる。
また、縦断されたウェブ13の一部は、ターンバー装置33およびガイドローラ群35を用いて重ね順序が調整される。
第一紙引装置45および第二紙引装置47によって張力を付与され、三角板49に搬送される。ウェブ13は、三角板49で縦に二つ折りされた後、リードインローラ、ニッピングローラ等を経て、鋸胴51によって幅方向に所定の位置で裁断される。その後、折り畳まれて目的とする折帖に形成され、外部へ搬出される。
この調整工程に入ったところで、カットオフコントローラ59は断裁制御を開始する。
この時、コンペンセータローラ41の位置は、同じ紙通しを行なった以前の作業における印刷速度時(中速速度よりも高速)に最適とされた位置とされている。
ウェブ13にかかる張力は、巻取紙の紙質や坪量や紙引装置の紙引き量によって変化する。すなわち、紙引量が低いほどウェブ13に作用する張力は小さくなる。
図3において実線で示した断裁位置65およびゲート信号87が目標となる状態(印刷速度時の設定)である。これに比べて速度が低い調整工程では、絵柄71の進行タイミングが遅くなるので、ウェブ13は、図3において二点鎖線で示した断裁位置65aあるいは断裁位置65bのように、天側絵柄71aの上流側で断裁されるようになる。
一方、断裁位置65bに対応するゲート信号87bは、マーク69の位置をカバーしているので、マーク検出を行なえ、カットオフコントローラ59による断裁制御が行える状態となる。
しかし、これ以上断裁位置65が地側絵柄71bに近づくと、ゲート信号87は、マーク69の位置をカバーしなくなるので、マーク検出が行えず、カットオフコントローラ59による断裁制御が行なえない状態となる。
図4は、ゲート信号87がマーク69の位置をカバーしている状態における絵柄と各信号の状態を示す模式図である。図5〜図10は、図4におけるゲート信号87のタイミングが変化したときの各信号の状態を示す模式図である。
マーク検出器43は、走行する各ウェブ13に光を放射し、ウェブ13から反射する光量(光度)を電圧に変換してマークセンサ信号67として出力する。このとき、反射光量の多いほど電圧は小さく変換されるので、マークセンサ信号67は、絵柄のない部分が低く、絵柄のある部分、特に、濃い部分ほど高くなる。
このマークセンサ信号67は、同じ絵柄が繰り返し印刷されているので、略一定の変動が繰り返される。ウェブ13の同じ部分を抽出すると、検出誤差があるとしても略一定の波形となる。
図5〜図10においても図4と略同じウェブ13部分のマークセンサ信号67を示している。
これにより、ゲート信号87の立ち上げ期間に対応するマークセンサ信号67の波形形状が図5〜図10に示されるように変動する。図5〜図10は、ウェブ13が進行方向14の上流側へずれている状態から下流側へずれていく過程を順に示している。
このスレッシュ電圧出力MVP60は、判断回路79において、前回のゲート信号87の立ち上げ期間におけるマークセンサ信号のピーク電圧値MVpの60%として算出したものを用いているので、マークロジック信号MLを生成するとき、直前のマークセンサ信号のピーク電圧に応じてスレッシュ電圧を変えることができる。
これにより、例えば、マーク69に濃淡の変動があったとしても確実にマーク69をマークロジック信号69の高い部分に振り分けることができる。
設定電圧値VLは、低い電圧レベルに設定されているので、余白部73に対応する位置に生成される。したがって、マーク下流余白部75に対応する位置に白紙部長WL以上の長さに亘りVLロジック信号が発生することになる。
この判断は、マークロジック信号MLの最初の立上り位置97をマーク位置候補とし(第一条件)、その前に、VLロジック信号が白紙部長WL以上継続しているか判断する(第二条件)。そして、ゲート信号87の立ち上げ期間の始まりから、マーク候補の前までVLロジック信号が継続していることを判断する(第三条件)。
これらが全て「YES」であれば、マーク候補はマーク69の検出であると判断され、カットオフコントローラ59にその位置を伝送する。
図5は、これらのケースの中では、ウェブ13が進行方向14の上流側へ最もずれている状態を示している。このゲート信号87の位置は、図3のゲート信号87aと略同じ位置に位置しており、マーク69の位置をカバーしていない。
この場合、マークロジック信号MLの最初の立上り位置97は、天側絵柄71aの上流部に位置する部分に存在するので、第一の条件は満たしている。しかし、この立上り位置97の直前にVLロジック信号が存在せず、かつ、ゲート信号87の開始位置から立上り位置97の近傍までVLロジック信号が存在しない。したがって、第二および第三の条件を満たしていないので、マーク検出判断回路93はこの立上り位置97をマーク69の検出とは判断しない。
この場合、マーク69部分よりもスレッシュ電圧出力MVP60は低くなる。
すなわち、マーク検出判断回路93は、カットオフコントローラ59に対してコンペンセータローラ41を、この場合ウェブ13の走行経路長さが短くなる方向へ移動させる信号を発信し、コンペンセータローラ41を移動させ、白紙部長WLの後端位置がゲート信号87の範囲に入るようにする。
これにより、運転の進行によって徐々にウェブ13の張力が高まりウェブ13が進行方向14の下流側へ相対的に移動する傾向を促進することができるので、マーク69がゲート信号87の範囲に入る時期を早くすることができる。
このため、カットオフコントローラ59による断裁制御の開始を促進することができる。
この場合、マークロジック信号MLの最初の立上り位置97は、図5と同様に天側絵柄71bの上流部に位置する部分に存在するので、第一の条件は満たしている。しかし、この立上り位置97の直前にVLロジック信号が存在せず、かつ、ゲート信号87の開始位置から立上り位置97の近傍までVLロジック信号が存在しない。したがって、第二および第三の条件を満たしていないので、マーク検出判断回路93はこの立上り位置97をマーク69の検出とは判断しない。
すなわち、マーク検出判断回路93は、カットオフコントローラ59に対してコンペンセータローラ41を、この場合ウェブ13の走行経路長さが短くなる方向へ移動させる信号を発信し、コンペンセータローラ41を移動させ、白紙部長WLの後端位置がゲート信号87の範囲に入るようにする。
この場合、マークロジック信号MLの最初の立上り位置97は、マーク69の部分に存在するので、第一の条件は満たしている。また、この立上り位置97の直前に白紙部長WL以上継続しているVLロジック信号が存在しているので、第二の条件も満たしている。しかし、ゲート信号87の開始位置にVLロジック信号が存在しないので、第三の条件を満たしていない。このため、マーク検出判断回路93はこの立上り位置97をマーク69の検出とは判断しない。
すなわち、マーク検出判断回路93は、カットオフコントローラ59に対してコンペンセータローラ41を、この場合ウェブ13の走行経路長さが短くなる方向へ移動させる信号を発信し、コンペンセータローラ41を移動させ、白紙部長WLの後端位置がゲート信号87の範囲に入るようにする。
この場合、マークロジック信号MLの最初の立上り位置97は、マーク69の部分に存在するので、第一の条件は満たしている。また、この立上り位置97の直前に白紙部長WL以上継続しているVLロジック信号が存在しているので、第二の条件を満たしている。さらに、ゲート信号87の開始位置から立上り位置97の近傍までVLロジック信号が存在するので、第三の条件を満たしている。したがって、マーク検出判断回路93はこの立上り位置97をマーク69の検出と判断し、カットオフコントローラ59にその位置を伝送する。
これにより、カットオフコントロール59は断裁制御を行なうことができる。
この場合、カットオフコントローラ59はコンペンセータローラ41をウェブ13の走行経路長が短くなる方向に移動させる。
これにより、図8の状態よりもウェブ13は相対的に進行方向14の下流側へ移動する。
この場合、マークロジック信号MLの最初の立上り位置97は、マーク69の部分に存在するので、第一の条件は満たしている。また、この立上り位置97の直前に白紙部長WL以上継続しているVLロジック信号が存在しているので、第二の条件を満たしている。さらに、ゲート信号87の開始位置から立上り位置97の近傍までVLロジック信号が存在するので、第三の条件を満たしている。
したがって、マーク検出判断回路93はこの立上り位置97をマーク69の検出と判断し、カットオフコントローラ59にその位置を伝送する。
この場合、マークロジック信号MLの最初の立上り位置97は、マーク69の部分に存在するので、第一の条件は満たしている。また、この立上り位置97の直前に白紙部長WL以上継続しているVLロジック信号が存在しているので、第二の条件も満たしている。しかし、ゲート信号87の開始位置にVLロジック信号が存在しないので、第三の条件を満たしていない。このため、マーク検出判断回路93はこの立上り位置97をマーク69の検出とは判断しない。
すなわち、マーク検出判断回路93は、カットオフコントローラ59に対してコンペンセータローラ41を、この場合ウェブ13の走行経路長さが長くなる方向へ移動させる信号を発信し、コンペンセータローラ41を移動させ、白紙部長WLの後端位置がゲート信号87の範囲に入るようにする。
これにより、マーク69の検出に基づいて行なわれるカットオフコントローラ59による断裁制御を略完全に自動制御とすることができる。
したがって、断裁制御が手動操作を含むものに比べて短時間で行なえるので、その分損紙量を低減することができる。
例えば、上記実施形態では、絵柄71部ではない欄外に印刷した専用のカットレジスタマークをマーク69として用いたが、絵柄のエッジ部など、カットマークと看做す絵柄の特定の部分であるマーク相当箇所を、マーク69として用いてもよい。
13 ウェブ
43 マーク検出器
69 マーク
75 マーク下流余白部
81 ゲート生成回路
85 白紙部長判断回路
93 マーク検出判断回路
MVP60 スレッシュ電圧出力
Claims (9)
- 印刷されて走行するウェブ上のマークが通過する位置に配置されるマーク検出器と、
該マーク検出器による前記マークの検出を、特定領域内で実施するようにゲート信号を生成するゲート信号生成手段と、
を備えているマーク検出装置において、
前記マークのウェブ走行方向上流側および/または下流側に形成された特異条件部と、
前記マーク検出器の検出信号に基づいて該特異条件部を検出判定する特異条件判定部と、
前記ゲート信号の発生期間内の前記マークの検出および前記マークの上流側および/または下流側における前記特異条件部の検出によって前記マークの検出と判断するマーク検出判断手段と、が備えられていることを特徴とするマーク検出装置。 - 前記特異条件部は、前記マークのウェブ走行方向に隣り合い所定距離に亘り設けられた白紙部であることを特徴とする請求項1に記載されたマーク検出装置。
- 前記マーク検出判断手段は、前回のゲート信号の発生期間内における前記検出信号の内、最も前記マークと判断される側にある前記検出信号の値に対して所定量反対側にある値を前記マーク検出の閾値とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたマーク検出装置。
- 前記マーク検出判断手段は、前記ゲート信号の発生期間内において前記マークが検出されない場合、前記特異条件判定部で検出判定された前記特異条件部の前記マーク側端部が前記ゲート信号の範囲に入るような処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載されたマーク検出装置。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載されたマーク検出装置を備えていることを特徴とする輪転印刷機。
- 印刷されて走行するウェブ上のマークが通過する位置に配置されるマーク検出器と、
該マーク検出器による前記マークの検出を、特定領域内で実施するようにゲート信号を生成するゲート信号生成手段と、
を備えているマーク検出装置のマーク検出方法において、
前記マークのウェブ走行方向上流側および/または下流側に特異条件部を形成し、
前記マーク検出器の検出信号に基づいて該特異条件部を検出判定し、
前記ゲート信号の発生期間内に、前記マークの検出および前記特異条件部の検出によって前記マークの検出と判断することを特徴とするマーク検出方法。 - 前記特異条件部は、前記マークのウェブ走行方向下流側に所定距離に亘り設けられた白紙部であることを特徴とする請求項6に記載されたマーク検出方法。
- 前記マーク検出判断手段は、前回のゲート信号の発生期間内における前記検出信号の内、最も前記マークと判断される側にある前記検出信号の値に対して所定量反対側にある値を前記マーク検出の閾値とすることを特徴とする請求項6または請求項7に記載されたマーク検出方法。
- 前記マーク検出判断手段は、前記ゲート信号の発生期間内において前記マークが検出されない場合、前記特異条件判定部で検出判定された前記特異条件部の前記マーク側端部が前記ゲート信号の範囲に入るような処理を行うことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載されたマーク検出方法。
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