JP6052834B1 - 見当制御の方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オペレータによるゲート信号の監視を不要にした見当制御の方法および装置を提供する。【解決手段】2個のレジスタマーク7C、7Dの内のレジスタマーク7Cの検出パルス7C1の前エッジのタイミングから後エッジのタイミングまでの時間経過に基づいてその検出パルス7C1の中心付近のタイミングを求め、有効期間T0の中心付近のタイミングが検出パルス7C1の中心付近のタイミングとなるように、新ゲート信号Vgate_D1の有効期間T0のタイミングを制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、多色グラビア印刷機や多色オフセット印刷機等の多色印刷機による印刷の色ズレ防止のための見当制御の方法および装置に関する。
多色グラビア印刷機を用いて、異なる色が割り当てられた複数の版胴により、紙やフィルム等のウェブに対して重ね刷りで絵柄を印刷する場合、版胴に回転ズレが生じたりウェブに伸びや縮みが生じたりすると、最終的に得られる絵柄に色ズレが生じる。
そこで、この色ズレの発生を防止するため、当該版胴によって特定の色の絵柄をウェブに印刷する際に、同時に、そのウェブの空白部に同色のレジスタマークを印刷することを各版胴において実施し、これによってウェブ上に複数のレジスタマークを並べる印刷を行なう。そして、それら複数のレジスタマークの相互間のピッチを検出することで色ズレの有無や程度を求め、得られた結果に基づいて、色ズレが発生すること防止するための見当制御が行われる。
この見当制御には、搬送方向に沿った方向の色ズレを修正する縦見当制御と、搬送方向と直交する方向の色ズレを修正する横見当制御がある。縦見当制御では、隣り合う2個の版胴で印刷された2個のレジスタマークを、ゲート信号の有効期間中に2個の光センサで検出し、検出した2個のレジスタマークの同じエッジ間のピッチが所定値となるように、隣り合う2個の版胴の内の下流側の版胴の回転位相を調整し、又は隣り合う2個の版胴の間のウェブのパス長を調整することで、搬送方向の色ズレを修正する。また、横見当制御では、検出した2個のレジスタマークの同じエッジ間のピッチが所定値となるように、隣り合う2個の版胴の内の下流側の版胴について回転軸方向のシフト調整を行って、搬送方向に直交する方向の色ズレを修正する。
図6を用いて、多色グラビア輪転印刷機によりウェブに多色印刷する場合を例にとり、縦見当制御について説明する。この図6の構成に類似の構成は特許文献1に記載がある。
図6に示すグラビア輪転印刷機は、給紙ロール1から繰り出されてガイドローラ2で給送され巻取ロール3に巻き取られる搬送中のウェブ4に対して、その搬送方向の上流から下流に向かって並ぶように、同一速度同一位相で回転する版胴5A、5B、5C、5Dが順次配置されている。そして、例えば、版胴5Aにより黄色の絵柄が、版胴5Bにより赤色の絵柄が、版胴5Cにより青色の絵柄が、版胴5Dにより黒色の絵柄が、それぞれ印刷されることで、ウェブ4に黄色、赤色、青色及び黒色の絵柄が重ね刷りされる。なお、ウェブ4には、版胴5A、5B、5C、5Dに対して、それぞれ圧胴6A、6B、6C、6Dが押し付けられるとき印刷が行われる。
各版胴5A〜5Dの周長は同一であり、それら版胴5A〜5Dが1回転することで1葉の絵柄の印刷が行われ、版胴5A〜5Dを通過し終わったウェブ4には、各版胴の周長を1単位とする同一絵柄の多色印刷部分が繰り返し現れる。
縦見当制御のために、ウェブ4の幅方向における端部の絵柄のない空白の領域に、印刷完了時点では、図7に示すような長方形状のレジスタマーク(見当調整マーク)7A、7B、7C、7Dが印刷される。レジスタマーク7Aは版胴5Aにより黄色で印刷され、レジスタマーク7Bは版胴5Bにより赤色で印刷され、レジスタマーク7Cは版胴5Cにより青色で印刷され、レジスタマーク5Dは版胴5Dにより黒色で印刷される。
各版胴5A〜5D自体には、本来の印刷目的である絵柄印刷部が形成されるとともに、その絵柄印刷部から離れた余白部分に、レジスタマーク7A〜7Dを印刷するためのレジスタマーク印刷部が形成されている。そして、そのレジスタマーク印刷部を非接触で検出して各版胴5A〜5D間の回転位相を初期設定するための検出ヘッド8A、8B、8C、8Dが、それぞれの版胴5A〜5Dに面して配置されている。
また、2番目以降の版胴5B〜5Dの下流には、ウェブ4の余白に印刷されたレジスタマークの内の2個のレジスタマークを検出するためのスキャニングヘッド9B、9C、9Dが配置されている。スキャニングヘッド9Bは、版胴5Bの下流に配置されていて、版胴5Aと5Bで印刷されたレジスタマーク7A、7Bを検出し、その検出信号はそれら両レジスタマーク7A、7Bの相互間のピッチの検出に供される。スキャニングヘッド9Cは、版胴5Cの下流に配置されていて、版胴5Bと5Cで印刷されたレジスタマーク7B、7Cを検出し、その検出信号はそれら両レジスタマーク7B、7Cの相互間のピッチの検出に供される。スキャニングヘッド9Dは、版胴5Dの下流に配置されていて、版胴5Cと5Dで印刷されたレジスタマーク7C、7Dを検出し、その検出信号はそれら両レジスタマーク7C、7Dの相互間のピッチの検出に供される。
各スキャニングヘッド9B〜9Dは、ウェブ4に印刷された前記した2個のレジスタマークが到来するタイミングで有効となるゲート信号によって、その検出信号が取り込まれるようになっている。このようなゲート信号を用いるのは、ウェブ4に印刷されるレジスタマークが、そのウェブ4の端部の余白部分に一列に並んで最終的には4個印刷されることになるので、そのうちの目的とする2つのレジスタマークを正確に選択できるようにするためである。
各版胴5A〜5Dはサーボモータ10A、10B、10C、10Dにより独立して同一速度で所定の位相で駆動される。各サーボモータ10A〜10Dの回転軸にはエンコーダ11A、11B、11C、11Dが取り付けられており、それらエンコーダ11A〜11Dはそれぞれサーボモータ10A〜10Dの回転位相を検出する。
見当制御装置12は中央処理装置(CPU)を備えており、稼働用のプログラム、各版胴5A〜5Dの直径、各圧胴6A〜6Dの直径、各検出ヘッド8A〜8Dの取付位置、対応する版胴の印刷点間のパス長その他各種のデータが格納されている。そして、スキャニングヘッド9B〜9Dの検出結果に基づいて版胴5B〜5Dの位相を調整する他に、版胴2A〜2Dの相互間の位相差の設定及びゲート信号の発生タイミングの設定を行う。この見当制御装置12には、ラインS1を介して検出ヘッド8A〜8Dの出力が入力し、ラインS2を介して各スキャニングヘッド9B〜9Dの出力が入力し、ラインS3を介してエンコーダ11A〜11Dの出力が入力する。また、見当制御装置12は、ラインS4を介してサーボモータ10A〜10Dを制御する。
図7にウェブ4に印刷された縦見当制御用のレジスタマーク7A〜7Dを示す。(a)列に示す各レジスタマーク7A〜7Dは、ピッチH1が正規(例えば20mm)に印刷されている。これは、各色の絵柄がウェブ4に正常に印刷されていることを示す。これに対して、(b)列に示す各レジスタマーク7A〜7Dは、レジスタマーク7D(黒色)について、ウェブ4の搬送方向Xの方向に距離d1だけズレが発生している。これは、黒色の絵柄について、ウェブ4の搬送方向Xの方向に距離d1だけズレが発生していることを示している。
このような場合、レジスタマーク7Dのレジスタマーク7Cに対する相対的位置を監視することにより、黒色の絵柄のズレの距離d1を検出することができ、その距離d1が0となるようにサーボモータ10Dを制御して版胴5Dの回転位相を調整する縦見当制御が実行される。
上記したように、縦見当制御のためには、隣り合う版胴で印刷された2個のレジスタマークのピッチを検出する必要があり、この検出のためのスキャニングヘッド9B〜9Dには、それぞれが投受光器を備えた2個の光センサが用いられている。
スキャニングヘッド9Dを代表して図8に示す。スキャニングヘッド9Dには、ウェブ4の搬送方向Xの上流側に光センサ91が配置され、下流側に光センサ92が配置されている。光センサ91、92は、版胴5Cによって印刷されたレジスタマーク7Cと版胴5Dによって印刷されたレジスタマーク7Dとのピッチを検出するために、そのレジスタマーク7C、7Dにおけるスポット光のピッチが、レジスタマーク7C、7DのピッチH1の正規な値に合致するように配置されている。
図9に検出の波形図を示す。図9において、7A1、7B1,7C1、7D1はレジスタマーク7A〜7Dを光センサ91、92で検出した検出信号V91,V92の検出パルスである。ウェブ4の上流側に配置された光センサ91がレジスタマーク7Dを検出した検出パルス7D1の前エッジのタイミングと、下流側に配置された光センサ92がレジスタマーク7Cを検出した検出パルス7C1の前エッジのタイミングとが一致すれば、両レジスタマーク7C、7DのピッチH1が正規な値であり、版胴5Dは版胴5Cに対して回転位相差が零となっていることを示す。
しかし、図9に示すように、光センサ91で検出したレジスタマーク7Dの検出パルス7D1の前エッジの検出タイミングが、光センサ92で検出したレジスタマーク7Cの検出パルス7C1の前エッジのタイミングよりも時間T1だけ進んでいれば、レジスタマーク7Cと7DのピッチH1が正規な値よりも小さく(図7の(b)ではd1だけ短い)、レジスタマーク7Dを印刷した版胴7Dの回転位相がT1だけ進んでいることを示す。この場合は、版胴5Dの回転位相をT1だけ遅らせるようサーボモータ10Dを制御する縦見当制御が行われる。
逆に、光センサ91が検出したレジスタマーク7Dの検出パルス7D1の前エッジのタイミングが、光センサ92が検出したレジスタマーク7Cの検出パルス7C1の前エッジの検出タイミングよりも遅れていれば、レジスタマーク7Cと7DのピッチH1が正規な値よりも大きく、レジスタマーク7Dを印刷した版胴5Dの回転位相がそれだけ遅れていることを示す。この場合は、版胴5Dの回転位相を進めるようサーボモータ10Dを制御する縦見当制御が行われる。レジスタマーク7Aと7Bの間のピッチ、レジスタマーク7Bと7Cの間のピッチについても、同様に検出され同様な縦見当制御が行われる。
ところで、スキャニングヘッド9Dの光センサ91、92からは、その検出出力をそのままとすると、図9に示したように、レジスタマーク7Cと7Dの検出パルス7C1、7D1のみでなく、レジスタマーク7A,7Bの検出パルス7A1、7B1も出力する。そこで、現在の縦見当制御に使用すべき検出パルス7C1、7D1を選択するために、ゲート信号Vgate_Dが使用される。
このゲート信号Vgate_Dは、レジスタマーク7C、7Dの検出パルス7C1、7D1のみが検出されるように、その検出できる有効期間T0が設定されている。このゲート信号Vgate_Dの有効期間T0は、通常、レジスタマーク7Cと7DのピッチH1の正規な値に対応する時間に設定される。
このゲート信号信号Vgate_Dのタイミングの設定は、多色グラビア印刷装置が本印刷に入る以前の縦見当制御を行う調整印刷の段階において、レジスタマーク7A〜7Dを検出して、自動的にあるいはオペレータがその検出波形を確認しながら、隣り合う版胴で印刷された2つのレジスタマークが有効期間T0内に入るように行われる。このようにして設定されたゲート信号Vgate_Dの有効期間T0のタイミングは、通常は、本印刷に入った後は変更されることはなかった。
特開平6−079863号公報
しかしながら、本印刷に入る前に縦見当制御を行う印刷調整は低速印刷で行われるが、本印刷に入って製品を印刷する際は高速印刷となるので、ゲート信号の設定した有効期間T0のタイミングについて、時としてズレが発生する。そして、このようにゲート信号の有効期間T0のタイミングにズレが発生したまま印刷を続行すると、図10に示すように、例えばレジスタマー7Dの検出パルス7D1がゲート信号Vgate_Dの有効期間内から外れて、制御不要になってしまう事態が発生する。
そこで、オペレータは、このような事態が発生することを未然に防ぐために、本印刷の稼働中は2個のレジスタマークが必ずゲート信号の有効期間T0のほぼ中央に入るように、モニタ画面において常時監視をしていなければならなかった。
本発明の目的は、レジスタマークの検出信号が自動的にゲート信号の有効期間内に入るようにして、オペレータによるゲート信号の監視を不要にした見当制御の方法および装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明の見当制御方法は、搬送中のウェブに複数の版胴によって印刷される2以上のレジスタマークの内の、隣り合う2個の版胴で印刷された2個のレジスタマークをゲート信号の有効期間中に検出し、前記2個のレジスタマークの2個の検出パルスの同一エッジが同一タイミングとなるように、前記2個の版胴の内の下流側の版胴で印刷される絵柄の前記ウェブの搬送方向に沿った方向の位置を調整する縦見当制御又は前記搬送方向に直交する方向の位置を調整する横見当制御を行う多色印刷機における見当制御方法において、前記2個のレジスタマークの前記2個の検出パルスの内の一方の検出パルスの第1のエッジのタイミングから第2のエッジのタイミングまでの時間経過に基づいて前記一方の検出パルスの中心付近のタイミングを求め、前記ゲート信号の有効期間の中心付近のタイミングが前記一方の検出パルスの中心付近のタイミングになるように、前記ゲート信号の有効期間のタイミングを制御することを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の見当制御方法において、前記一方の検出パルスとして検出されるレジスタマークは、前記2個の版胴の内の上流側の版胴によって印刷されたレジスタマークであることを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の見当制御方法において、前記一方の検出パルスの前記第1および第2のエッジの一方は、前記レジスタマークの縦見当制御用エッジを検出したエッジであることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1又は2に記載の見当制御方法において、前記一方の検出パルスの前記第1のエッジは前記レジスタマークの縦見当制御用のエッジを検出したエッジであり、前記一方の検出パルスの前記第2のエッジは前記レジスタマークの横見当制御用のエッジを検出したエッジであることを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項1又は2に記載の見当制御方法において、前記一方の検出パルスの前記第1のエッジは前記レジスタマークの横見当制御用のエッジを検出したエッジであり、前記一方の検出パルスの前記第2のエッジは前記レジスタマークの縦見当制御用のエッジを検出したエッジであることを特徴とする。
請求項6にかかる発明の見当制御装置は、搬送中のウェブに複数の版胴によって印刷される2以上のレジスタマークの内の、隣り合う2個の版胴で印刷された2個のレジスタマークをゲート信号の有効期間中に検出するスキャニングヘッドと、該スキャニングヘッドで検出された前記2個のレジスタマークの2個の検出パルスの同一エッジが同一タイミングとなるように、前記2個の版胴の内の下流側の版胴で印刷される絵柄の前記ウェブの搬送方向に沿った方向の位置を調整する縦見当制御又は前記搬送方向に直交する方向の位置を調整する横見当制御を行う見当制御手段と、を備えた多色印刷機における見当制御装置において、前記見当制御手段は、前記2個のレジスタマークの前記2個の検出パルスの内の一方の検出パルスの第1のエッジのタイミングから第2のエッジのタイミングまでの時間経過に基づいて前記一方の検出パルスの中心付近のタイミングを求め、前記ゲート信号の有効期間の中心付近のタイミングが前記一方の検出パルスの中心付近のタイミングになるように、前記ゲート信号の有効期間のタイミングを制御することを特徴とする。
請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の見当制御装置において、前記一方の検出パルスとして検出されるレジスタマークは、前記2個の版胴の内の上流側の版胴によって印刷されたレジスタマークであることを特徴とする。
請求項8にかかる発明は、請求項6又は7に記載の見当制御装置において、前記一方の検出パルスの前記第1および第2のエッジの一方は、前記レジスタマークの縦見当制御用エッジを検出したエッジであることを特徴とする。
請求項9にかかる発明は、請求項6又は7に記載の見当制御装置において、前記一方の検出パルスの前記第1のエッジは前記レジスタマークの縦見当制御用のエッジを検出したエッジであり、前記一方の検出パルスの前記第2のエッジは前記レジスタマークの横見当制御用のエッジを検出したエッジであることを特徴とする。
請求項10にかかる発明は、請求項6又は7に記載の見当制御装置において、前記一方の検出パルスの前記第1のエッジは前記レジスタマークの横見当制御用のエッジを検出したエッジであり、前記一方の検出パルスの前記第2のエッジは前記レジスタマークの縦見当制御用のエッジを検出したエッジであることを特徴とする。
本発明によれば、ゲート信号の有効期間の中央付近にレジスタマークの検出パルスが位置するようにそのゲート信号のシフトが行われるので、事後的にゲート信号が移動した場合であってもそのシフト修正が行われ、オペレータがゲート信号とレジスタマークの関係を常時監視する必要がなくなる。
ゲート信号作成の説明図である。 本発明の実施例のゲート信号シフトの説明図である。 本発明の実施例のゲート信号シフト処理のフローチャートである。 縦見当制御と横見当制御を行うためのレジスタマークの説明図である。 縦見当制御と横見当制御を行うためのレジスタマークの説明図である。 多色グラビア印刷機の概略構成図である。 縦見当制御の説明図である。 スキャニングヘッドがレジスタマークを検出する説明図である。 スキャニングヘッドで検出した検出パルスとゲート信号の波形図である。 スキャニングヘッドで検出した検出パルスとゲート信号の波形図である。
図1に見当制御におけるスキャニングヘッド9D用のゲート信号作成の様子を例として示す。P1は版胴5Dを回転駆動するサーボモータ10Dの回転を検出するエンコーダ11Dで発生されるZ相パルスであり、版胴5Dの1回転当たり1個のパルスが発生する。P2はそのエンコーダ11Dで発生されるA相パルスであり、版胴5Dの1回転当たり1000個のパルスが発生する。
スキャニングヘッド8D用のゲート信号Vgate_Dの有効期間T0は、見当制御装置12に内蔵されあるいはCPUを利用して構成されたカウンタによって、Z相パルスP1からA相パルスP2をn1だけカウントした時刻を前エッジとし、その時刻からA相パルスP2をn2(>n1)だけカウントした時刻を後エッジとして、設定される。
版胴5Dの周長が500mmの場合は、A相パルスP2の1個当たりの距離は0.5mmであるので、レジスタマークのピッチH1が正規の20mmで印刷される場合では、有効期間T0のA相パルスP2のパルス数(n2−n1)は、40個となる。
本実施例では、スキャニングヘッド8D用のゲート信号Vgate_Dの有効期間T0の中のどの位置にスキャニングヘッド8Dの光センサ92で検出されたレジスタマーク7Cの検出パルス7C1があるかを検出して、ゲート信号Vgate_Dの有効期間T0をその検出パルス7C1が中央付近に位置するように時間シフトさせるものである。ここで下流の版胴5Dで印刷されたレジスタマーク7Dの検出パルス7D1ではなく、上流の版胴5Cで印刷されたレジスタマーク7Cの検出パルス7C1を使用するのは、レジスタマーク7Dのズレ量をレジスタマーク7Cを基準にして検出して、版胴5Dの位相を制御するからである。
図2、図3に示すように、エンコーダ11DのA相パルスP2の数を、ゲート信号Vgate_Dの前エッジのタイミングをn1として取得した後に、検出パルス7C1の前エッジのタイミングをn3として取得し(ST1)、検出パルス7C1の後エッジのタイミングをn4として取得する(ST2)。そして、(n4−n3)/2=n5の演算によって、ゲート信号Vgate_Dの中間点のA相パルスP2の数n5を算出する(ST3)。
次に、ゲート信号Vgate_Dの有効期間T0は「n2−n1」相当であるので、n5−(n2−n1)/2=n6によって、目的とするシフト後の新ゲート信号Vgate_D1の前エッジのA相パルスP2の数n6を算出する(ST4)。さらに、n5+(n2−n1)/2=n7によって、新ゲート信号Vgate_D1の後エッジのA相パルスP2の数n7を算出する(ST5)。
以上の処理を行うことにより、新ゲート信号Vgate_D1は、その有効期間T0の中央付近にレジスタマーク7Cの検出パルス7C1が自動的に位置するようになる。このため、上流の版胴5Cで印刷されたレジスタマーク7Cに対して、下流の版胴5Dで印刷されたレジスタマーク7Dが、上流方向あるいは下流方向のいずれの方向にズレが生じた場合でも、そのズレ量が所定の範囲内であれば、レジスタマーク7Dを新ゲート信号Vgate_D1の有効期間T0内に留まらせることができる。
なお、以上では上流側の版胴5Cで印刷されたレジスタマーク7Cの検出パルス7C1を用いて、その検出パルス7C1が新ゲート信号Vgate_D1の中央付近に位置するように、その新ゲート信号Vgate_D1の有効期間T0のタイミングを調整した。しかし、通常の動作でレジスタマーク7Cと7Dのズレがあまり大きくないと判明している場合は、下流側の版胴5Dで印刷されたレジスタマーク7Dの検出パルス7D1を用いて、同様に下流側の新ゲート信号Vgate_D1の有効期間T0のタイミングを調整することもできる。
また、以上ではレジスタマーク7A〜7Dとして長方形の形状のものを使用したが、これはウェブ4の搬送方向Xに沿った方向(縦方向)の色ズレを修正すための縦見当制御用のレジスタマークである。
しかし、前述したように、多色グラビア印刷機では、縦見当制御が必要な縦方向の色ズレだけではなく、横見当制御が必要な搬送方向Xに直交する方向(幅方向)のズレに基づく色ズレも発生する。この横方向の色ズレに対する横見当制御では、そのズレ量に応じて当該の版胴自体をその軸方向にシフトする制御が行われる。
このような縦見当制御と横見当制御を同時に行う場合には、図4に示すような、三角形状のレジスタマーク7A’、7B’、7C’、7D’を、各版胴5A〜5Dによってウェブ4の余白に印刷する。このレジスタマーク7A’〜7D’は、ウェブ4の搬送方向Xに平行に2個の光センサが配置されたスキャニングヘッド8B〜8Dの走査ラインL1に対して直交した縦見当制御用エッジ7aと、傾斜した横見当制御用エッジ7bを有する。
このレジスタマーク7A’〜7D’を使用する場合は、各レジスタマーク7A’〜7D’の縦見当制御用エッジ7aのピッチH1が正規の値になるように制御することによって、ウェブ4の搬送方向Xの方向に沿った縦見当制御を行うことができる。また、各レジスタマーク7A’〜7D’はウェブ4の搬送方向Xに直交する方向にズレが発生していると横見当制御用エッジ7bのピッチH2に差が生じてくるので、そのピッチH2が正規の値になるように制御することによって、ウェブ4の搬送方向Xに直交する方向の横見当制御を行うことができる。
そこで、レジスタマーク7C’と7D’をスキャニングヘッド8Dで検出して縦見当制御と横見当制御を行うときは、そのレジスタマーク7C’の検出パルスの内の先端の縦見当制御用エッジ7aの検出タイミングから後端の横見当制御用エッジ7bの検出タイミングまでの時間経過から、そのレジスタマーク7C’の検出パルスの中央付近の検出タイミングを検出し、そのレジスタマーク7C’の検出パルスが新ゲート信号Vgate_D1の有効期間T0の中央付近に位置するように、その新ゲート信号Vgate_D1の有効期間T0のタイミングを調整する。
なお、レジスタマーク7A’〜7D’は、図5に示すように、ウェブ4の搬送方向Xに対して反転して印刷したレジスタマーク7A”〜7D”に代えることもできる。この場合では、縦見当制御用エッジ7aは検出パルスに後エッジとして、横見当制御用エッジ7bは検出パルスに前エッジとして現れるが、上記同様に見当制御を行うことができ、上記同様にゲート信号の有効期間をシフト調整することができる。
また、以上ではスキャニングヘッド8Dのゲート信号Vgate_Dの有効期間のタイミング調整についてもっぱら説明したが、スキャニングヘッド8B、8Cのゲート信号Vgate_B、Vgate_Cもスキャニングヘッド8Dのゲート信号Vgate_Dと同様に、エンコーダ11B、11Cを用いて設定されるので、ゲート信号Vgate_B、Vgate_Cの有効期間もゲート信号Vgate_Dと同様にタイミングが調整される。
1:給紙ロール
2:ガイドローラ
3:巻取ロール
4:ウェブ
5A〜5D:版胴
6A〜6D:圧胴
7A〜7D、7A’〜7D’、7A”〜7D”:レジスタマーク、7a:縦見当制御用エッジ、7b:横見当制御用エッジ
8A〜8D:検出ヘッド
9B〜9D:スキャニングヘッド
10A〜10D:サーボモータ
11A〜11D:エンコーダ
12:見当制御装置

Claims (10)

  1. 搬送中のウェブに複数の版胴によって印刷される2以上のレジスタマークの内の、隣り合う2個の版胴で印刷された2個のレジスタマークをゲート信号の有効期間中に検出し、前記2個のレジスタマークの2個の検出パルスの同一エッジが同一タイミングとなるように、前記2個の版胴の内の下流側の版胴で印刷される絵柄の前記ウェブの搬送方向に沿った方向の位置を調整する縦見当制御又は前記搬送方向に直交する方向の位置を調整する横見当制御を行う多色印刷機における見当制御方法において、
    前記2個のレジスタマークの前記2個の検出パルスの内の一方の検出パルスの第1のエッジのタイミングから第2のエッジのタイミングまでの時間経過に基づいて前記一方の検出パルスの中心付近のタイミングを求め、前記ゲート信号の有効期間の中心付近のタイミングが前記一方の検出パルスの中心付近のタイミングになるように、前記ゲート信号の有効期間のタイミングを制御することを特徴とする見当制御方法。
  2. 請求項1に記載の見当制御方法において、
    前記一方の検出パルスとして検出されるレジスタマークは、前記2個の版胴の内の上流側の版胴によって印刷されたレジスタマークであることを特徴とする見当制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載の見当制御方法において、
    前記一方の検出パルスの前記第1および第2のエッジの一方は、前記レジスタマークの縦見当制御用エッジを検出したエッジであることを特徴とする見当制御方法。
  4. 請求項1又は2に記載の見当制御方法において、
    前記一方の検出パルスの前記第1のエッジは前記レジスタマークの縦見当制御用のエッジを検出したエッジであり、前記一方の検出パルスの前記第2のエッジは前記レジスタマークの横見当制御用のエッジを検出したエッジであることを特徴とする見当制御方法。
  5. 請求項1又は2に記載の見当制御方法において、
    前記一方の検出パルスの前記第1のエッジは前記レジスタマークの横見当制御用のエッジを検出したエッジであり、前記一方の検出パルスの前記第2のエッジは前記レジスタマークの縦見当制御用のエッジを検出したエッジであることを特徴とする見当制御方法。
  6. 搬送中のウェブに複数の版胴によって印刷される2以上のレジスタマークの内の、隣り合う2個の版胴で印刷された2個のレジスタマークをゲート信号の有効期間中に検出するスキャニングヘッドと、該スキャニングヘッドで検出された前記2個のレジスタマークの2個の検出パルスの同一エッジが同一タイミングとなるように、前記2個の版胴の内の下流側の版胴で印刷される絵柄の前記ウェブの搬送方向に沿った方向の位置を調整する縦見当制御又は前記搬送方向に直交する方向の位置を調整する横見当制御を行う見当制御手段と、を備えた多色印刷機における見当制御装置において、
    前記見当制御手段は、前記2個のレジスタマークの前記2個の検出パルスの内の一方の検出パルスの第1のエッジのタイミングから第2のエッジのタイミングまでの時間経過に基づいて前記一方の検出パルスの中心付近のタイミングを求め、前記ゲート信号の有効期間の中心付近のタイミングが前記一方の検出パルスの中心付近のタイミングになるように、前記ゲート信号の有効期間のタイミングを制御することを特徴とする見当制御装置。
  7. 請求項6に記載の見当制御装置において、
    前記一方の検出パルスとして検出されるレジスタマークは、前記2個の版胴の内の上流側の版胴によって印刷されたレジスタマークであることを特徴とする見当制御装置。
  8. 請求項6又は7に記載の見当制御装置において、
    前記一方の検出パルスの前記第1および第2のエッジの一方は、前記レジスタマークの縦見当制御用エッジを検出したエッジであることを特徴とする見当制御装置。
  9. 請求項6又は7に記載の見当制御装置において、
    前記一方の検出パルスの前記第1のエッジは前記レジスタマークの縦見当制御用のエッジを検出したエッジであり、前記一方の検出パルスの前記第2のエッジは前記レジスタマークの横見当制御用のエッジを検出したエッジであることを特徴とする見当制御装置。
  10. 請求項6又は7に記載の見当制御装置において、
    前記一方の検出パルスの前記第1のエッジは前記レジスタマークの横見当制御用のエッジを検出したエッジであり、前記一方の検出パルスの前記第2のエッジは前記レジスタマークの縦見当制御用のエッジを検出したエッジであることを特徴とする見当制御装置。


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