JP2008091895A - プリント配線基板 - Google Patents

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宏明 栗原
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Abstract

【課題】ここのプリント配線基板における配線の電気抵抗を制御するだけではなく、隣接するプリント配線基板相互の電気抵抗の関係を訂正範囲に維持する。
【解決手段】プリント配線基板群は、プリント配線基板を複数個配置したプリント配線基板群であり、1個のプリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)と、(A)に隣接して配置されるプリント配線基板(B)に形成された配線の平均電気抵抗値(B-ave.)との差(ΔΩ-AB)が、基板(A)と基板(B)との平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±5%の範囲内にあり、プリント配線基板(A)の最外側に形成された配線と隣接するプリント配線基板(B)の最外側に形成された配線の電気抵抗値(b-3)との差(ΔΩ-ab)が、基板(A)と基板(B)の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±11.05%の範囲内、好ましくは±6.12%の範囲内、より好ましくは±6%の範囲内にある。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のプリント配線基板が配置されたプリント配線基板群に関する。さらに詳しくは本発明は、配線パターンの形態に拘らず電気抵抗値が一定に制御された複数のプリント配線基板からなるプリント配線基板群に関する。
電子部品の実装に使用されるプリント配線基板は、一般に、以下のように製造される。まず、ポリイミドフィルムなどの絶縁フィルム上に形成された導電性金属層の表面に感光性樹脂層を塗設する。次にこの感光性樹脂層を所望の形態に露光・現像してパターンを形成する。このパターンをマスキング材として、導電性金属層を選択的にエッチングして前記マスキング材と相似形の配線を絶縁フィルムの表面に形成することにより、前記プリント配線基板は製造されている。
このようなプリント配線基板を製造する際には、数十から数百メートルにも及ぶテープ状の絶縁フィルムに導電性金属層を形成して、多数のプリント配線基板が連続的に製造される。これら多数のプリント配線基板は同一の特性を有するものとして使用されている。
また、一のプリント配線基板に形成された多数の配線は、同一の特性を有するものとして取り扱われており、それぞれの配線について電気抵抗値の変動は非常に小さく、例えば液晶パネルに接続されるプリント配線に流れる電流はμAのオーダであり、この電気抵抗値に変動幅があることが問題とされることはなかった。
しかしながら、実際には例えば絶縁フィルム表面における配線の引き回しの長さが異なれば、個々の配線の電気抵抗も異なる。プリント配線基板に形成された配線の電気抵抗値は、配線パターンの厚さが同一であれば、配線の長さに比例して大きくなり、また配線の幅に反比例して小さくなる。
このため例えばICチップなどの電子部品を配線基板中央付近に実装するプリント配線基板においては中心線に近いほど配線の長さが短くなり電気抵抗値は小さくなるが、プリント配線基板の外側ほど配線の長さが長くなり電気抵抗値は大きくなる。
こうした点に着目して、特許第2769130号公報(特許文献1)、特許第2525996号公報(特許文献2)などには、配線の太さを変えて、各導電路の電気抵抗値を実質的に同一にしたフレキシブルプリント回路板の発明が開示されている。すなわち、これらの特許文献1,2には、フレキシブルプリント回路板の外側に位置する配線の太さを内側に位置する配線よりも太くすることによって、内側に形成された配線の電気抵抗と外側に形成された電気抵抗とが実質的に同一になるように配線の太さを調整したフレキシブルプリント回路板が開示されている。
このように一つのフレキシブルプリント回路基板において、配線の太さを変えて配線の引き回し長さとの調和を採ることにより、各配線の電気抵抗値を実質的に同一にすることができる。なお、特許文献1および特許文献2において電気抵抗値が実質的に同一とは、「各通電路のうち、電気抵抗値が最大のものと最小のものとの中間を基準とし、上下に10〜20%の範囲に含まれることをいう。」と定義されている(例えば、特許文献1段落〔0017〕参照)。
このように一のフレキシブルプリント回路基板に形成されている各配線の電気抵抗を実質的に同一にすることにより、入力電気信号が導通路の電気抵抗により変動する幅が一定になり、出力電気信号の強さと、入力電気信号の強さとが導通路の電気抵抗の影響を受けにくくなり、よりフレキシブルプリント回路基板を安定に駆動することができる。
ところで、電子部品を実装するためのプリント配線基板(フレキシブルプリント回路基板)は、コンピュータ、表示装置、各種制御装置など種々の分野に使用されている。また、電子部品を実装した半導体装置によって非常に多種多様の電子装置が制御されるに至っている。従来は、一つの電子部品で制御されていたが、制御システムの複雑化、多様化などに伴って、複数の電子部品を用いて制御する傾向が見られる。特に表示装置においては、複数のプリント配線基板を並列に多数配置して、表示画面が制御されており、また、同一のLSIを複数並列に配置して、演算速度を上げる試みもなされている。こうした回路に流れる電流値が微妙に変化すると誤作動の原因ともなりかねない。
また、表示装置などでは、電子の放出によって画素を発光させるタイプの表示素子も開発されている。こうした表示装置においては、電子の放出効率が低いために、流れる電流密度および印加電圧を高くする必要がある。
こうした精度の高い次世代型の電子機器においては、プリント配線基板は電子部品を単に搭載するという従来のプリント配線基板とは異なり、プリント配線基板に形成する配線の電気抵抗によって電子機器の特性も変動するといった事態が生ずる。例えば、表示装置において、配線の電気抵抗が異なり供給電流に差が生ずると、低電流のピクセルでは輝度が低くなりやすい。従って、プリント配線基板に形成された配線の電気抵抗のぶれ幅はできるだけ小さくすることが望まれている。
さらに、前述のようにプリント配線基板は、数十から数百メートルの絶縁フィルムの表面に導電性金属からなる配線を多数形成することにより製造される。そのため、配線基板を形成する際に使用されるエッチング液、導電性金属層を形成する金属(例えば銅層の状態)など種々の要因が絡み合って、同一の方法でも全く同一の特性を有するプリント配線基板を製造することが難しい。さらに、同一のロットでも、最初に製造されたプリント配線基板と最後に形成されたプリント配線基板との特性は完全に同一ではない。
従って、隣接するプリント配線基板の特性が異なれば、例えば支配するプリント配線基板の表示画面に濃淡などが生じやすいという問題を生ずる。特に隣接するプリント配線基板の最外側の配線と、これに隣接するプリント配線基板の最外側の配線との電気抵抗値の差が大きいと、表示装置に明確な区切り線のような輝度の差が生じてしまう。また、同一の電子部品を並列に複数配列する場合には、電子部品毎の出力電流値の僅かな差によって電子装置全体が誤作動をすることがある。
従来のプリント配線基板においては、一つのプリント配線基板中における配線の電気抵抗を均一にするだけである程度の効果を奏していた。しかし、電子機器がさらに高度に進化し続ける現状においては、単に個々のプリント配線基板における配線の電気抵抗を制御するだけではなく、隣接するプリント配線基板相互の電気抵抗の関係を適正範囲に維持する必要がある。
特許第2769130号公報 特許第2525996号公報
本発明は、複数のプリント配線基板が配置されたプリント配線基板群であって、個々のプリント配線基板に形成された配線に流れる電流の変動幅を小さくし、さらに複数のプリント配線基板を並列に配置したときに、各プリント配線基板の特性の変動によって生ずる電流値のバラツキを小さくしたプリント配線基板群を提供することを目的としている。
本発明のプリント配線基板群は、絶縁フィルムの表面に導電性金属からなる多数の配線から形成された配線パターンを有するプリント配線基板を複数個配置したプリント配線基板群であり、
該配置された1個のプリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)と、該プリント配線基板(A)に隣接して配置されるプリント配線基板(B)に形成された配線の平均電気抵抗値(B-ave.)との差(ΔΩ-AB)が、該プリント配線基板(A)およびプリント配線基板(B)における配線の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±5%の範囲内にあり、
かつ
該プリント配線基板(A)の、プリント配線基板(B)に直近の最外側に形成された配線のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(a-3)と、該プリント配線基板(B)の、プリント配線基板(A)に直近の最外側に形成された配線のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(b-3)との差(ΔΩ-ab)が、該プリント配線基板(A)およびプリント配線基板(B)における配線の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±11.05%、好ましくは±6.12%、特に好ましくは±6%の範囲内にあることを特徴としている。
また、本発明のプリント配線基板群は、絶縁フィルムの表面に導電性金属からなる多数の配線から形成された配線パターンを有するプリント配線基板を複数個配置したプリント配線基板群であり、
該配置された1個のプリント配線基板(A)に形成された多数の配線のうちの任意の配線(A-1)のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(a-1)と該配線(A-1)に隣接する配線(A-2)のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(a-2)との差(ΔΩ-a)が、該プリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)に対して±6%の範囲内にあると共に、該プリント配線基板(A)に形成された配線の最大電気抵抗値(a-max)と最低電気抵抗値(a-min)との差(ΔΩ-A)が、該プリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)に対して±8%の範囲内にあり、
該プリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)と、該プリント配線基板(A)に隣接して配置されるプリント配線基板(B)に形成された配線の平均電気抵抗値(B-ave.)との差(ΔΩ-AB)が、該プリント配線基板(A)およびプリント配線基板(B)における配線の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±5%の範囲内にあり、
かつ
該プリント配線基板(A)の、プリント配線基板(B)に直近の最外側に形成された配線のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(a-3)と、該プリント配線基板(B)の、プリント配線基板(A)に直近の最外側に形成された配線のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(b-3)との差(ΔΩ-ab)が、該プリント配線基板(A)およびプリント配線基板(B)における配線の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±11.05%、好ましくは±6.12%、特に好ましくは±6%の範囲内にあることを特徴としている。
本発明のプリント配線基板群は、少なくとも2個のプリント配線基板が配置、好ましくは並列に配置されたプリント配線基板の集合体である。そして、本発明のプリント配線基板群は、個々のプリント配線基板に形成されている配線の電気抵抗値の変動幅が小さい。しかも一のプリント配線基板の電気抵抗値と隣接して配置されるプリント配線基板の電気抵抗値の差が小さい。したがって、実装された電子部品が入力電流の変化によって誤作動を起こすことがない。また、電子部品を実装したプリント配線基板からの出力電流の変動が小さく、このプリント配線基板群が組み込まれた電子装置は非常に安定に駆動する。
本発明のプリント配線基板群は、個々のプリント配線基板に形成された配線の電気抵抗値が極めて狭い範囲で精密に調整されているだけではなく、このようなプリント配線基板を並列に多数配置したときに隣接するプリント配線基板の間に生ずる電気抵抗値も極めて狭い範囲で精密に調整されている。
上述のようにプリント配線基板は、長尺の絶縁フィルムに銅などの導電性金属からなる層を積層した長尺複合フィルムを用いて連続的に製造されることから、形成されるプリント配線基板は全て実質的に同一の特性を有していると考えられていた。同一の配線パターン形態を有するプリント配線基板であれば、個々のプリント配線基板における僅かな特性の相違は、無視できるものであるとされていた。しかしながら、一のプリント配線基板内においても配線の電気抵抗値は同一ではない。また、同時に製造されたプリント配線基板間においても、その特性は完全に同一ではないことがわかった。上記のような特性の僅かな相違は、電流値が低い場合、あるいは、プリント配線基板を単独で使用する場合にはほとんど問題にはならない。しかし、プリント配線基板を並列に多数配置する場合、あるいは、電流値が高い場合には、出力電流を大きく変動させる要因となることがわかった。従って、プリント配線基板を並列に多数配置する場合あるいは流れる電流値が高い場合には、本発明のプリント配線基板群を用いることにより、より安定に電子装置を駆動させることができる。
本発明のプリント配線基板群は、同一形状の配線パターンを有するプリント配線基板が複数個配置された構成を有し、個々のプリント配線基板内に形成されている配線の電気抵抗値の変動幅が小さい。従って、本発明のプリント配線基板群が実装されている電子部品への入力信号および電子部品からの出力信号は、配線の有する電気抵抗によって変動することがない。
しかも、本願発明のプリント配線基板群は、上記のように形成された配線の電気抵抗値が一定範囲に制御されたプリント配線基板が複数個並列に配列されている。こうして配列された個々のプリント配線基板間の電気抵抗値の差も一定範囲にあり、特に隣接するそれぞれのプリント配線基板の最外側にあって隣り合う配線間の電気抵抗値の差も一定範囲に調整されている。したがって、例えば表示装置などにおいて、ピクセルを制御するプリント配線基板の相違による輝度などの相違が生じにくい。また、複数の半導体チップ(例えばLSIあるいはICチップなど)を並列に配置した高速コンピュータなどにおいて、出力信号の電流値の差による誤作動などが生じにくい。
次に本発明のプリント配線基板群について具体的に説明する。
本発明のプリント配線基板群は、同一形状の配線パターンが形成されたプリント配線基板が2個以上並列に配置されてなる。
図1は本発明のプリント配線基板群の一例を模式的に示す図であり、プリント配線基板が4個配列された例が示されている。図1に示されたプリント配線基板群を構成する個々のプリント配線基板の平面図の例を図2に示し、その断面図の例を図3に示す。図2には、実装されている電子部品が省略されている。なお、本発明においては、特に必要のない限り、同一の部材には同一の付番を付してある。
本発明のプリント配線基板群は、図1に示すように、同一の配線パターンを有するプリント配線基板A,B,C,Dを複数有する。
図1に示すプリント配線基板群を構成するそれぞれのプリント配線基板A,B,C,Dには、図2、図3に示されるように、それぞれ独立に絶縁フィルム12上に、配線パターン14が形成されている。配線パターン14は、通常はデバイスホール18内に延設された端子部分16b,16cが形成されている。この配線パターン14の他の端部16a,16dはアウターリードである。配線パターン14の表面には、端子部分16a,16b,16c,16dが露出するように、被覆層20が形成されている。このプリント配線基板には、図3に示されるように、電子部品ICが実装される。
本発明のプリント配線基板群を構成するプリント配線基板A,B,C,Dについてさらに詳細に説明する。これらプリント配線基板は、それぞれ図2および図3に示すように、絶縁フィルム12の表面に形成された配線パターン14および通常はこの配線パターン14の端子部分16a、16b、16c、16dが露出するようにこの配線パターン14の表面を覆う被覆層20を有する。
図2に示すプリント配線基板10において絶縁フィルム12は、耐熱性および配線パターン14を形成する際のエッチング液あるいはアルカリ洗浄液などとの接触によっても侵食されないような耐酸性および耐アルカリ性を有している樹脂フィルムにより形成されていることが望ましい。このような耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性を有する樹脂フィルムの例としては、ポリイミドフィルム、ポリイミドアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムまたは液晶ポリマーフィルム等を挙げることできる。
これらの樹脂フィルムは、耐酸性、耐アルカリ性に優れるので、配線パターンを形成する際に酸性液あるいはアルカリ性液に接触しても変質することがない。また、これらの樹脂フィルムは耐熱性に優れるので、電子部品を実装する際のボンディング工程、または熱接着性の接着剤もしくは熱硬化性の樹脂などを硬化させるための加熱工程においても安定であり、さらにプリント配線基板に流れる電流密度が高い場合に生ずるジュール熱によっても熱変化することがない。特に本発明においては絶縁フィルム12を形成する樹脂フィルムとして、耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性などの特性に優れたポリイミドフィルムを使用することが好ましい。
このような絶縁フィルム12の平均厚さは、通常は25〜200μmであり、好ましくは38〜150μmであり、特に好ましくは50〜125μmである。特にプリント配線基板に流れる電流密度が高い場合には、発生するジュール熱によって絶縁フィルム12に熱変形が生じないように、あるいは、系全体の放熱を大きくするために、比較的厚い絶縁フィルムを使用することが望ましい。
上記のような絶縁フィルム12には、例えばパンチング装置、レーザー穴あけ装置のような穿設手段により、必要な透孔を穿設することができる。必要な透孔とは、スプロケットホール22、必要により電子部品を実装するためのデバイスホール18、このプリント配線基板を折り曲げて使用する場合には折り曲げスリット(図示なし)、位置合わせ用孔(図示なし)などである。
上記のような絶縁フィルム12の表面には配線パターン14が形成されている。この配線パターン14は、絶縁フィルム12の表面に配置された導電性金属を選択的にエッチングすることにより形成することができる。ここで配線パターン14を形成する導電性金属としては銅、銅合金あるいはアルミニウム、アルミニウム合金を使用することができる。特に本発明のプリント配線基板群を構成するプリント配線基板A,B,C,Dでは、エッチング特性がよく、かつ電気抵抗の低い銅を使用することが望ましい。銅は、エッチング効率のよい金属である。エッチングにより配線パターン14を形成する際に、導電性金属として銅を使用すると絶縁フィルム12上の残存金属量が少なく、エレクトロマイグレーション、イオンマイグレーションなどの発生を低減することができる。さらに銅は、熱伝導性がよいので通電時に発生するジュール熱の放出性も良好である。
本発明においては、導電性金属である銅は、銅箔として絶縁フィルム12表面に配置することができる。銅箔としては、電解銅箔、圧延銅箔が挙げられる。本発明においては、いずれの銅箔も使用することができる。このような銅箔は、絶縁フィルム12表面に耐熱性接着剤層を介して貼着することもできるし、絶縁フィルム12上に接着剤層を介さずに直接貼着することもできる。ここで銅箔の積層に使用される接着剤は耐熱性であることが好ましい。このような耐熱性接着剤としては、エポキシ系接着剤、ポリイミド系接着剤、熱硬化性アクリル系接着剤などが挙げられる。導電性金属は、これらの耐熱性接着剤を介して加熱圧着することにより貼着することができる。またここで使用する耐熱性接着剤は、熱硬化性の接着剤であることが好ましい。こうした熱硬化性の接着剤は、一旦硬化した後は、再度の加熱によっても可塑化しない。
また、上記のように絶縁フィルム12に銅箔を積層するのとは逆に、銅箔の表面に、絶縁フィルム12を形成する合成樹脂材料を直接キャスティングすることもできる。
本発明のプリント配線基板群では、個々のプリント配線基板A,B,C,Dに形成された配線パターンの電気抵抗値が低く、かつ一定していることが望ましい。従って、配線パターン14を形成する銅は、できるだけ電気抵抗値が低くなるように純度の高い銅であることが望ましい。
本発明において、上記のような導電性金属である銅の厚さは、形成しようとする配線パターン14の線幅および配線パターン14の厚さに対応して設定される。銅の厚さは、通常5〜150μmの範囲内であり、好ましくは8〜50μmの範囲内である。このような厚さの銅を用いて配線パターン14を形成することにより、形成される配線パターン14の断面積を大きくすることができる。このような断面積の大きな配線パターン14に大電流が流れた場合であっても、発生するジュール熱を小さくすることができる。特に本発明では、比較的厚手の電解銅箔を使用することにより、容易に電流抵抗値の低い配線パターン14を形成することができる。
配線パターン14は、例えば以下のように製造することができる。まず、上記のような導電性金属からなる層の上に感光性樹脂層を形成する。この感光性樹脂層を所望の形状に露光・現像して感光性樹脂からなるパターンを形成する。このパターンをマスキング材として使用して、導電性金属を選択的にエッチングすることにより配線パターン14を製造することができる。なお、エッチングの際に使用した感光性樹脂からなるマスキング材は、エッチング処理終了後に例えばアルカリ洗浄することにより除去することができる。
上記のようにしてプリント配線基板10の絶縁フィルム12表面に形成される配線パターン14は、図4に示すように、各断面形状が略台形である。この配線パターン14の高さh0は、配線パターン14を製造する際に使用した導電性金属の厚さと略同一であり、通常5〜150μmの範囲内であり、好ましくは8〜50μmの範囲内である。
また、この配線パターン14は、図4に示すようにその断面形状が略台形形状を有しており、その上面部の幅W1が下面部の幅W2よりも狭く形成されている。本発明において配線の線幅は、W1とW2との平均値とする。即ち具体的には図4に示すように、配線パターン14の断面の中間の値W0とする。本発明のプリント配線基板群を構成する各プリント配線基板A,B,C,Dに形成される配線パターン14において、W1/W2の値は、適宜設定することができるが、通常は、1/5〜1/1の範囲内にする。
本発明のプリント配線基板群は、任意のプリント配線基板、例えばプリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)と、このプリント配線基板(A)に隣接して配置されたプリント配線基板(B)に形成された配線の平均電気抵抗値(B-ave.)との差(ΔΩ-AB)が、このプリント配線基板(A)における配線およびプリント配線基板(B)における配線の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±5%の範囲内にあり、さらに±3.5%の範囲内にあることが好ましい。
本発明のプリント配線基板群を構成するプリント配線基板は、長尺の絶縁フィルム上に配置された導電性金属を、フォトリソグラフィー法を利用して選択的にエッチングすることにより形成されている。エッチング液の状態、導電性金属の状態、温度、マスキング材の状態、エッチングされる配線の位置、形成された配線パターンの幅および長さなどによってプリント配線基板の特性が異なり、全て同一の特性を有する訳ではない。例えば、エッチング液の組成は一定に管理されており、一工程で製造される数十乃至数百メートルにも及ぶプリント配線基板には、一般に2000〜25000個程度のプリント配線基板10が一度に形成される。このように一連の作業で連続的に形成された多数のプリント配線基板10は、1ロットとして取り扱われる。このようにして形成される1ロットのプリント配線基板10は、比較的製造条件の変動幅が少ないのが一般的である。従って、製造されるプリント配線基板10の特性も非常に近似していると思われがちである。
しかしながら、このように製造された1ロットのプリント配線基板10においても、ロット前半とロット中盤とロット後半とでは、平均電気抵抗値に相当の差が生ずる。下記に示した表1は、配線の抵抗値を180mΩに設定して製造した3つの異なるロットのプリント配線基板(一番ロット、二番ロット、三番ロット)の平均電気抵抗値の例を示す表である。表1には、各ロットの前半部で製造されたプリント配線基板における配線の平均電気抵抗値、各ロットの中盤で製造されたプリント配線基板における配線の平均電気抵抗値、各ロットの後半部で製造されたプリント配線基板における配線の平均電気抵抗値の例が示されている。
Figure 2008091895
上記表1に示されるように、同一条件で製造された同一ロットの中においてさえ、ロットの前半に製造されたプリント配線基板と、ロットの中盤あるいはロットの後半で製造されたプリント配線基板の平均電気抵抗値は同一ではない。さらに、ロットが異なれば、プリント配線基板の平均抵抗値は異なる。例えば上記のプリント配線基板の中から、記号:(2-中)のプリント配線基板と、このプリント配線基板(2-中)に隣接してプリント配線基板(3-中)を配置すると、プリント配線基板(2-中)とプリント配線基板(3-中)との平均電気抵抗値の差(ΔΩ-AB)は、5.66mΩになる。プリント配線基板(2-中)とプリント配線基板(3-中)との平均電気抵抗値(AB-ave.)は、180.5mΩである。上記平均電気抵抗値の差(ΔΩ-AB)5.66mΩは、平均電気抵抗値(AB-ave.)180.5mΩに対して3.3%となり比較的大きな値を示す。他方、例えば、プリント配線基板(1-後)とプリント配線基板(2-後)とを隣接して配置すると上記と同様の方法で算定した平均電気抵抗値の差(ΔΩ-AB)は0.67mΩであり、この値はプリント配線基板(1-後)とプリント配線基板(2-後)との平均電気抵抗値(AB-ave.)180.67mΩに対して0.37%となり非常に低い値に抑えることができる。
上記の組み合わせは、本発明のプリント配線基板群において隣接するプリント配線基板の例を示したものであり、本発明のプリント配線基板群では、任意のプリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)と、このプリント配線版(A)に隣接して配置されるプリント配線基板(B)に形成された配線の平均電気抵抗値(B-ave.)との差(ΔΩ-AB)が、このプリント配線基板(A)およびプリント配線基板(B)における配線の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して、±5%の範囲になるように、各プリント配線基板を選択して配置する。さらにΔΩ-ABの値が、上記AB-ave.の値に対して±3.5%の範囲内にすることが好ましく、±2.5%の範囲内にすることが特に好ましい。
このように隣接するプリント配線基板の平均電気抵抗値の差を上記範囲内にすることにより、個々の電子部品によって制御される出力信号の強度変化が許容範囲に収まる。従って、電子部品が組み込まれた電子装置は誤作動を生じない。特に表示装置の場合には、1個の電子部品(半導体チップ)によって制御される領域と、隣接する他の電子部品(半導体チップ)によって制御される領域との間に実質的な差が生じない。
さらに、本発明のプリント配線基板群においては、プリント配線基板群を構成する任意のプリント配線基板(A)と、このプリント配線基板(A)に隣接するプリント配線基板(B)との間において、プリント配線基板(A)の最もプリント配線基板(B)側に設けられた配線の出力側アウターリードとインナーリードとの間の絶縁抵抗値(a-3)と、プリント配線基板(B)の最もプリント配線基板(A)側に設けられた配線の出力側アウターリードとインナーリードとの間の絶縁抵抗値(b-3)の差(ΔΩ-ab)が、プリント配線基板(A)およびプリント配線基板(B)における配線の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±11.05%の範囲内にあることが必要であり、好ましくは±6.12%の範囲内、より好ましくは±6%の範囲内にある。すなわち、本発明のプリント配線基板群を構成する個々のプリント配線基板に形成された配線は、引き回し長さ、太さなどによって電気抵抗値が異なる。配線太さが同一である場合、引き回し長さが長くなる最外側に形成された配線の電気抵抗値が最も高くなり、最外側から内側に向かって順次電気抵抗が低くなり、引き回し長さの最も短い中心部の配線の電気抵抗値が最も低くなる。一つのプリント配線基板に形成された配線の電気抵抗値は、略配線の引き回し長さに比例して高くなる。したがって、プリント配線基板内では、個々の配線の電気抵抗値は略連続的に変化して、特別な場合を除いて隣接する配線の電気抵抗値が不連続に変化することはない。一番ロット、二番ロット、三番ロットとして連続して多数のプリント配線基板を連続的に製造したキャリアテープから、各ロットの前側で製造したプリント配線基板、中央部で製造したプリント配線基板、後側で製造したプリント配線基板を切り出して配線の抵抗値を測定した例を表2に示す。例えば二番ロットの中央部で製造したプリント配線基板2Lmにおいて、このプリント配線基板の左端部に形成された配線の電気抵抗値は182mΩであり、中央部に形成された配線の電気抵抗値は181mΩであり、右端部に形成された配線の電気抵抗値は187mΩである。このプリント配線基板に形成された配線の平均電気抵抗値は183.3mΩである。
Figure 2008091895
上記表2に示すように、通常の方法で配線の抵抗値、例えば180mΩになるように製造されたプリント配線基板であっても、ロットの違い(すなわち、製造条件の相違)やロットにおける製造位置の違いによって、形成された配線の電気抵抗値はバラツキが生ずる。また、同一プリント配線基板内においても、配線の位置によって電気抵抗値にバラツキが生ずる。
例えば、図5に示すように、上記に二番ロットのロット前側で製造されたプリント配線基板2Lfの右側に三番ロットのロット後側で製造したプリント配線基板3Lbを配置すると、プリント配線基板2Lfの右端部に形成されている配線35の電気抵抗値は188mΩであるのに対して、プリント配線基板3Lbの左端部に形成されている配線36の電気抵抗値は177mΩであり、配線35とこれに隣接する配線36との電気抵抗値の差(ΔΩ-ab)は11mΩになる。二番ロットのロット前側で製造されたプリント配線基板2Lfの平均電気抵抗値は183.0mΩであり、三番ロットのロット後側で製造されたプリント配線基板3Lbの平均電気抵抗値は176.3mΩであり、両者の値からプリント配線基板2Lfおよびプリント配線基板3Lbの平均電気抵抗値(AB-ave.)は179.65mΩであり、11mΩの電気抵抗値の差(ΔΩ-ab)は、平均電気抵抗値(AB-ave.)179.65mΩに対して6.12%に相当し、プリント配線基板2Lfと、プリント配線基板3Lbとの間には、プリント配線基板に形成された配線の電気抵抗値の平均値に対して比較的大きい6.12%の電気抵抗値のずれを生ずることになる。
他方、図5に示すように、三番ロットのロット後側で製造したプリント配線基板3Lbの右側に一番ロットのロット中央部で製造したプリント配線基板1Lmを配置する。プリント配線基板3Lbの右端部に形成された配線37の電気抵抗値は183mΩである。この配線37に隣接するプリント配線基板1Lmの左端部に形成された配線38の電気抵抗値は181mΩである。両者の電気抵抗値の差(ΔΩ-ab)は2mΩである。プリント配線基板3Lbの平均電気抵抗値176.3mΩと、プリント配線基板1Lmの平均電気抵抗値180.0mΩから求めたプリント配線基板3Lbとプリント配線基板1Lmとの平均電気抵抗値は178.15mΩである。電気抵抗値の差(ΔΩ-ab)2mΩは、平均電気抵抗値(AB-ave.) 178.15mΩに対して1.12%に相当する。すなわち、プリント配線基板3Lbとプリント配線基板1Lmとの間に生ずる電気抵抗値の差は、プリント配線基板の平均電気抵抗値に対して1.12%である。プリント配線基板3Lbとプリント配線基板1Lmと間の電気抵抗値の差は、同一のプリント配線基板内における隣接する配線相互の電気抵抗値の差と同等であり、プリント配線基板3Lbとプリント配線基板1Lmと間には電気抵抗値の差による境界は実質上存在しないことになる。
図7に示すように、本発明のプリント配線基板群では、複数のプリント配線基板A〜Dを並列に配置している。それぞれのプリント配線基板A〜Dにおいて、例えば図6あるいは図7に示すように端部に形成された配線の電気抵抗値が高くなる傾向がある。また、この端部の配線はエッチングによる影響を最も受けやすいのでその電気抵抗値も変動しやすい。本発明では隣接するプリント配線基板に形成された配線14の平均電気抵抗値を一定の範囲内にし、かつ隣接するプリント配線基板の最外側に位置する配線の電気抵抗値の差AB(ΔΩ-ab)、BC(ΔΩ-ab)、CD(ΔΩ-ab)が隣接するプリント配線基板に形成された配線の平均電気抵抗値59AB(AB-ave.)、59BC(AB-ave.)、59CD(AB-ave.)に対して±11.05%の範囲内、好ましくは±6.12%の範囲内、より好ましくは±6%の範囲内にする。こうすることにより並列に配置したプリント配線基板A,B,C,Dの境界部における急激な電気抵抗値の変動がなくなり、本発明のプリント配線基板群を構成する個々のプリント配線基板の境界部分における特性の連続性を確保することができる。また、本発明のプリント配線基板群を組み込んだ電子装置を安定に駆動させることができる。なお、図7に記載した付番41および付番56は、図2に示したプリント配線基板を例にして最外側の出力側配線の電気抵抗値を示すものである。
さらに、本発明のプリント配線基板群において、各プリント配線基板の相互関係を上記のように構成すると共に、各プリント配線基板に形成される配線の電気抵抗値が均一になるように、配線パターンを形成する。
本発明のプリント配線基板群を構成する複数のプリント配線基板のうちの何れかをプリント配線基板(A)とすると、このプリント配線基板(A)に形成された配線のうちの任意の配線(A-1)の出力側アウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(a-1)と、この配線(A-1)に隣接する配線(A-2)の出力側アウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(a-2)との差(ΔΩ-a)が、このプリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗(A-ave.)に対して±6%の範囲内にあり、さらに±4%の範囲にあることが好ましく、±2.5%の範囲内にあることが特に好ましい。例えば、図6に示すように、同一のプリント配線基板内においても、配線の引き回し長さ、エッチングの状態などの種々の要因によって個々の配線14の電気抵抗値は異なる。通常の場合、配線パターンの中央部に形成された配線の電気抵抗値が最も低く、両端部に形成された配線14の電気抵抗値が最も高い値を示す。各プリント配線基板に形成された配線について電気抵抗値を測定してグラフにすると、中央部に形成された配線の抵抗値が最低抵抗値(a-min)となり、両端部の電気抵抗値が最大抵抗値(a-max)となり、V字型のグラフになる。そして、本発明で使用するプリント配線基板(A)に形成された配線の最大電気抵抗値(a-max)と最低電気抵抗値(a-min)との差(ΔΩ-A)が、このプリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)に対して±8%の範囲内にあり、さらに±7%の範囲にあることが好ましく、±6%の範囲内にあることが特に好ましい。
このようなプリント配線基板(A)には、例えば図2に示すように、先端部分がアウターリード16a,16d、インナーリード16b,16cである配線14が多数形成されている。こうしたアウターリードとインナーリードとの間のそれぞれの配線14の電気抵抗値(a-1)は、配線14の太さが同一であるとすると、配線長さが長いほど電気抵抗値(a-1)は大きくなる。従って、配線太さが同一であるとすると、配線48およびと配線49は、このプリント配線基板10に形成されている配線群14-1の中で最も配線長さの短い配線であり、電気抵抗値(a-1)は最も低い値を示す。他方、この配線群14-1で最も外側に形成された配線41および配線56は、このプリント配線基板10に形成されている配線群14-1の中で配線の引き回し長さが最も長くなり、電気抵抗値(a-1)は、最も高い値を示す。
図2は、本発明のプリント配線基板群で使用する一つのプリント配線基板の例である。
図6は、例えば図2に示すようなプリント配線基板10の配線41〜配線56の出力側インナーリード16bとアウターリード16aとの間の電気抵抗値の例を示すグラフである。図6に示すように、隣接する配線との差(ΔΩ-a)は、この配線の平均電気抵抗(A-ave.)に対して±6%の範囲にあり、さらに±4%の範囲にあることが好ましい。
また、図6に示されるように、このプリント配線基板(A)に形成された配線の最大電気抵抗値(a-1max)と最小電気抵抗値 (a-1min)との差が小さいことが好ましい。上述のように同一のプリント配線基板においては、中心付近に形成された配線の引き回し長さが最も短くなり、順次外側になるにつれて配線の引き回し長さが長くなる。配線の電気抵抗値は、配線の太さが同じであれば、長さに比例して大きくなる。したがって、一般には最端部の配線の電気抵抗値が最も高くなり、中心部の配線の電気抵抗値が最も低くなることが多い。このためにプリント配線基板(A)の最大電気抵抗値(a-1max)は、一般に両端部に形成された配線のうちの高い方の配線の電気抵抗値であり、最低電気抵抗値(a-1min)は、中心付近にある配線の電気抵抗値であることが多い。従って、プリント配線基板(A)に形成された配線の最大電気抵抗値(a-max)と最低電気抵抗(a-min)との差(ΔΩ-A)は、通常は最外側の配線の電気抵抗値と中心部に形成された配線の電気抵抗値との差であり、この最大電気抵抗値(a-max)と最低電気抵抗(a-min)との差(ΔΩ-A)が、このプリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)に対して、±8%の範囲内、好ましくは±7%の範囲内、特に好ましくは±6%の範囲内にある。平均電気抵抗値(A-ave.)に対する最大電気抵抗値(a-max)と最低電気抵抗(a-min)との差(ΔΩ-A)の比が小さいということは、例えば図6に示す配線41〜配線56で示される配線の隣接する配線との間の電気抵抗値の差(ΔΩ-a)が小さいことを意味し、各配線の電気抵抗値を結ぶグラフの線が平均電気抵抗値(A-ave.)を示す直線に近似したフラットな状態に近くなる。そして、例えば図6に示す41番配線と42番配線との差(ΔΩ-a)、46番配線と47番配線との差(ΔΩ-a)、50番配線と51番配線との差(ΔΩ-a)、51番配線と52番配線との差(ΔΩ-a)のように隣接する配線との間の電気抵抗値を±6%の範囲内、好ましくは±4%の範囲内、特に好ましくは±2.5%の範囲内にすることにより、各配線の電気抵抗を結ぶグラフが、このプリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値を示す線に近似したグラフになる。このようにプリント配線基板に形成された任意の配線の電気抵抗値と、これに隣接して形成された配線の電気抵抗値を上記のように小さくすることにより、実装される電子部品への入力信号あるいは電子部品からの出力信号が配線抵抗によって減衰することがなくなり、誤作動を防止できる。また、配線を流れる電流が大きい場合であっても、配線の有する電気抵抗によって生ずるジュール熱が小さくなる。このため電子部品の実装密度が高い場合であっても、電子装置からの発熱量が少なく、熱によって電子装置の駆動が悪影響を受けることがなく、長時間安定に電子装置を駆動することができる。
特に表示装置では、表示装置のピクセルをアクティブにする際に比較的大きな電流を流す場合がある。例えば最近注目されている表面伝導型電子放出素子ディスプレイを駆動させるSurface-Conduction Electron Emitterなどの電界放出ディスプレイ(Field Emission Display)、またはカーボンナノチューブを用いた放電素子のような電子を放出して輝度を発現させるタイプの表示装置では、電子を有効に放出させるための電流値が大きく、通電時における配線からの発熱量が従来のプリント配線基板よりも格段に大きくなることが予想される。また、高度に回路が集積された電子部品(LSIあるいはICチップ)などを並列に配置して高速に演算を行う場合にも、配線に流れる電流は相当大きくなることが予想される。
このように配線に流れる電流が大きい場合には、実装されている電子部品の発熱だけではなく、こうした電子部品が実装されたプリント配線基板に形成された配線の個々の電気抵抗値によるジュール量も相当な量になる。したがって、より安定に電子装置を駆動させるためには、上記のように隣接する配線の電気抵抗値が上記の範囲内になるように各配線を形成することが好ましい。本発明のプリント配線基板群を構成するプリント配線基板は、上述のように絶縁フィルム上に配置された導電性金属層上に所望のマスキングを形成してエッチングすることにより形成される。配線の電気抵抗値は、導電性金属層から形成された配線の断面積に反比例するので、導電性金属層の厚さが同一であれば、配線幅に反比例する。また、配線の電気抵抗値は、配線の断面積が同一であれば、配線長さに比例して大きくなる。また、配線をエッチング液との接触で形成する場合には、最端部に位置する配線は、中心部にある配線よりもエッチング液との接触頻度が高くなり、同一幅の配線を形成した場合であっても、最外側の配線は、中心部にある配線よりも僅かに細くなる傾向がある。さらに通常の場合最外側の配線の引き回し長さは、最も長くなることから、最外側の配線あるいはその近傍の配線の電気抵抗値がそのプリント配線基板(A)において最大電気抵抗値を示すことが多くなる。
従って、上記のような最外側の配線の電気抵抗値が高くなる要因を取り除いてゆけば、中心部にある配線の電気抵抗値との格差は小さくなる。
例えば、最外側の配線がエッチング液との接触頻度が高くなることに関しては、最外側の配線のさらに外側に、ダミーパターンを配置して、最外側の配線と接触するエッチング液の量を調整することにより、最外側の配線のやせ細りを防止することができる。
また、図2には図示してないが、プリント配線基板には、配線パターン14の中央部分には、ダミーパターン形成部を形成することが多い。通常はプリント配線基板の熱変形などを防止するためにダミーパターンを形成する。しかし、このダミーパターン形成部にダミーパターンを形成せずに中心部に形成される配線をこのダミーパターン形成分空間を利用して屈曲させて長くすることもできる。このように内部配線の長さを調整することにより、配線全体の電気抵抗値を均一化することもできる。
さらに、配線パターンを形成する際に使用する感光性樹脂の硬化体からなるマスキング材の幅を中心から最外側に向かって順次太く形成する。このマスキング材を使用し、エッチングされて得られた配線の幅は外側に向かって順次太くなる。こうすることにより個々の配線の単位長さあたりの電気抵抗値は中心から最外側に向かって順次低くなり、配線パターン全体の電気抵抗値を均一化することができる。
またさらに、同一厚さの導電性金属層をエッチングにより形成した後、多段階でマスキングしながら配線の表面に厚さの異なる導電性金属層を形成する。このようにして配線の厚さを中央から最外側に向かって厚くなるように厚さ勾配を設けることができ、端子部分を除く個々の配線の電気抵抗を変えることもできる。
また、最大電気抵抗値を示す配線は、多くの場合配線パターンの端部にある配線である。したがって、配線パターンの端部近傍に高い導電性を有する金属を部分メッキして、配線を形成する導電性金属とメッキ金属とを相互に拡散させて端部の配線の電気抵抗値を低減することができる。このようにして最大電気抵抗値を引き下げて配線の最大電気抵抗値と最小電気抵抗値との差を小さくすることもできる。
プリント配線基板に形成される隣接する配線(A-1)と配線(A-2)との間の電気抵抗値の差(ΔΩ-a)を小さくすることにより、配線パターンを形成する配線の最大電気抵抗値(a-1max)と最低電気抵抗値(a-1min)との差(ΔΩ-A)が小さくなる。結果としてこのプリント配線基板を設計する際の設定した配線の電気抵抗値と、実際に製造されたプリント配線基板の電気抵抗値の実測値の平均値とを近似させることができる。
なお、上記のようなプリント配線基板を製造する際に使用するエッチング液の組成、温度などのエッチング条件などを厳しく管理することは勿論、使用する導電性金属などに関しても充分な品質管理を行う。
このように本発明のプリント配線基板群を構成する個々のプリント配線基板に形成されている配線の電気抵抗値を均一化することにより、個々のプリント配線基板固有の電気抵抗値のバラツキが少なくなる。結果として本発明のプリント配線基板群を構成する際に隣接する位置に配置するプリント配線基板の選択が容易になる。
このようにして形成される各プリント配線基板におけるアウターリードとインナーリードとの間の配線の電気抵抗値は、実装する電子部品の種類、駆動させる電子装置の種類などによって異なるが、通常は30mΩ〜300mΩ、好ましくは100mΩ〜200mΩの電気抵抗値を有している。
また、本発明のプリント配線基板群を構成するプリント配線基板の各配線には、通常0.1mA〜2.0A、好ましくは100mA〜1.7Aの電流を流すことができる。
本発明のプリント配線基板群を構成する個々のプリント配線基板に形成されている配線は、上述のように電気抵抗値のバラツキが少ない。したがって、電流密度が高い場合であっても、通電によるジュール熱量が少なく、しかも配線毎に発生するジュール熱の変動幅が小さいので、通電したときのプリント配線基板群中に熱が偏在せず、発生するジュール熱も効率よく放熱することができる。
このようにして得られたプリント配線基板の中から本発明のプリント配線基板群における特性を有するように複数のプリント配線基板を選択して配置することにより本発明のプリント配線基板群を形成することができる。なお、本発明のプリント配線基板群を構成する個々のプリント配線基板は上述のような特性を有しているが、これらのプリント配線基板には電子部品が実装されている。
本発明のプリント配線基板群を表示装置に配置する場合、表示装置の種類によっては、表示装置を駆動させるために0.5〜2.0A程度の大電流を流すことがある。このような大電流を流しても、本発明のプリント配線基板群を構成する個々のプリント配線基板に形成されている配線の単位長さあたりの電気抵抗値を、通常は0.016〜7.0Ω/cmの範囲内、好ましくは0.11〜2.1Ω/cmの範囲内にすることにより、ジュール熱による温度上昇を電子部品の駆動可能温度範囲に抑制することができる。通常電子部品の駆動可能温度の上限は120℃程度である。配線の単位長さあたりの電気抵抗値を上記範囲内にすると、電流密度が高くても、本発明のプリント配線基板群の温度を環境温度+35℃以下、好ましくは環境温度+15℃以下、具体的には100℃以下、好ましくは85℃以下に抑えることができる。
本発明のプリント配線基板群を構成する個々のプリント配線基板10においては、インナーリードの部分、特に出力側インナーリードの部分の配線パターン14が最も密になる。配線パターン14の最狭部における配線パターンの線幅W0を5〜70μm、好ましくは10〜30μmの範囲内にする。具体的には最狭部の配線パターン14の上面部の線幅W1を通常は5〜60μmの範囲内、好ましくは10〜30μmの範囲内にすると共に下面部の線幅W2を通常は5〜80μmの範囲内、好ましくは10〜60μmの範囲内にする。
さらに、本発明のプリント配線基板群を構成するプリント配線基板10においては、最も密に配線が形成されている部分において、隣接する配線との配線間距離S0を、通常は10〜60μm、好ましくは30〜60μmの範囲内にする。このように隣接する配線との距離S0を上記のようにすることにより、イオンマイグレーションの発生を防止することができる。さらに、このような密度で配線を形成することにより、本発明のプリント配線基板群に蓄積される熱量を少なくし、通電時における本発明のプリント配線基板群の最高到達温度を、環境温度+35℃以下、好ましくは環境温度+15℃以下に抑えることができる。
このような最高到達温度を測定する方法としては、図8において「・」で囲繞された部分の配線に0.5〜2.0Aの電流を流して発熱量を測定する方法が挙げられる。具体的には図8に示すように、例えばプリント配線基板群を構成するプリント配線基板の出力側アウターリードと、デバイスホール内に形成されている出力側インナーリードとが形成されたプリント配線基板の両端部を石英ガラスの上に載置する。次にこのプリント配線基板の出力側アウターリードおよび出力側インナーリードに電極を配置する。そして、断熱容器内で通電することによる配線パターンの発熱状態を調べることにより最高到達温度を測定することができる。なお、図8には3つのプリント配線基板が示されているが、本発明のプリント配線基板群では上記のようプリント配線基板を複数個有する。したがって、実際の測定に際しては、複数のプリント配線基板を載置して通電による発熱量を測定する。この値をプリント配線基板群を構成するプリント配線基板に対応させて積算してプリント配線基板群全体の発熱量とする。
上記のようにして形成された配線パターン14は、その両端部が端子部分16a、16b、16c、16dとなるように露出させて被覆層20で被覆されている。この被覆層20は、絶縁性樹脂を、例えばスクリーン印刷技術を利用して塗布したソルダーレジスト層であってもよいし、絶縁樹脂からなるフィルムを所望の形状に切り出して貼着したカバーレイであってもよい。このように配線パターン上にソルダージレスト層あるいはカバーレイなどの被覆層20を設けることにより、本発明のプリント配線基板の放熱性が向上する。
このような被覆層20の厚さは、通常は10〜70μm、好ましくは12〜50μmの範囲内にある。このように配線パターン14の表面を被覆することにより、配線パターン14からのエレクトロマイグレーションあるいはイオンマイグレーションの発生を防止することができる。なお、上記被覆層20は、全体に均一な厚さであってもよい。また、例えば図3に示すように、被覆層20の縁部に向かって被覆層の厚さが薄くなるように形成することもできる。また、本発明のプリント配線基板群を折り曲げて使用する場合などにおいては、それぞれのプリント配線基板の折り曲げ部分における被覆層の厚さを他の部分の厚さと変えて形成することもできる。
このような被覆層20は、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド、ウレタン樹脂、ウレタン変性ポリイミド樹脂などの樹脂で形成することができる。また、被覆層20がカバーレイである場合、絶縁樹脂として上記のような樹脂を使用することができる。このような絶縁樹脂からなるフィルムを貼着するために接着性樹脂を使用することができる。接着性樹脂の例としては、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤などを挙げることができる。
上記のようにして被覆層20から露出した配線パターン14が、端子部分16a、16b、16c、6dである。この端子部分16a、16b、16c、16dには、図3に示すように電子部品の電極31、あるいは、ガラス基板に形成された端子などと良好な電気的接続を確立するためにメッキ処理が施されている。図3には、端子部分として、デバイスホール18内に延設されたインナーリード16b、16cの表面にメッキ層24が形成された態様が示されている。また、電子部品(ICチップ)に形成されたバンプ電極31が、このメッキ層24を介してインナーリード16b、16cに電気的に接続された態様が示されている。
このような端子部分16a、16b、16c、16dに形成されるメッキ層の例としては、スズメッキ層、金メッキ層、ニッケルメッキ層、ニッケル-金メッキ層、ハンダメッキ層、鉛フリーハンダメッキ層を挙げることができる。このようなメッキ層24の厚さは、通常は0.2〜15μm、好ましくは0.3〜10μmの範囲内にある。なお、上記のようなメッキ層は単層である必要はなく、異なる金属からなるメッキ層の積層体であってもよいし、あるいは同一の金属からなるメッキ層の積層体であってもよい。例えば、配線パターン14を形成した後、形成された配線パターン14全体に薄いスズメッキ層(プレスズメッキ層:通常0.01〜0.1μm厚)を形成した後、被覆層20を形成し、次いで、端子部分に改めてメッキ層(本メッキ層:通常0.2〜0.5μm)を形成することもできる。
上記のようなプリント配線基板10を複数個、好適には並列に配置することにより本発明のプリント配線基板群が形成される。
また、本発明のプリント配線基板群は、電子装置を駆動させるために大電流を流しても、ジュール熱の発生量を低く抑えることができ、しかも発生したジュール熱を効率よく放出することができる。
本発明のプリント配線基板群は、表示装置のように電子部品を並列に多数配置する用途に使用することができる。また、デュアルプロセッサー内蔵パーソナルコンピュータなどに代表される同一の電子部品を並列に複数個配置して駆動させる用途などに大変有利に使用することができる。
[実施例]
次に本発明のプリント配線基板群について実施例を示して説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[一番ロットTABテープの製造]
表面に熱硬化性接着剤層が形成された厚さ75μm、幅70mm、長さ100mのポリイミドフィルムテープ(宇部興産(株)製、ユーピレックスS)の幅方向の両縁部に、パンチング装置を用いてスプロケットホールを形成すると共に、このテープの中央部に電子部品を実装するためのデバイスホールを形成した。
このポリイミドフィルムテープに、平均厚さ35μmの電解銅箔を配置して加熱圧着してポリイミドフィルムと電解銅箔との積層体を製造した。
次いで、この積層体の電解銅箔の表面に感光性樹脂を塗布すると共にデバイスホールの裏面側から電解銅箔を保護するためのレジストを塗布した。こうして形成された感光性樹脂層を露光・現像することにより感光性樹脂からなるパターンを形成した。なお、形成される配線パターンの端部の配線の外側に、この配線に沿って多数のダミーパターンを形成して最外側の配線が過度にエッチングされないようにした。また、感光性樹脂からなるパターンの線幅を中心部から最外側に向かって順次広くなるように形成した。
上記のようにして形成されたパターンをマスキング材として、常法に従って電解銅箔をエッチングすることにより、配線パターンを形成した。次いでアルカリ洗浄することにより、マスキング材である感光性樹脂からなるパターンおよびデバイスホールの裏面から塗布したレジスト層を除去した。
上記のようにして形成された配線パターンの両端部が露出するようにウレタン変性されたソルダーレジストインクをスクリーン印刷により塗布厚26μmの厚さで塗布して、加熱硬化させてソルダーレジスト層を形成した。
次いで、ソルダーレジスト層から露出している配線パターン(端子部分)に厚さ0.5μmのスズメッキ層を形成してプリント配線基板を製造した。
上記のようにして形成されたプリント配線基板を一番ロットのTABテープとする。
なお、この一番ロットのプリント配線基板を製造するに際しては、エッチング液管理のためのエッチング液のサンプリング回数を通常の2倍にして精密にエッチングを行った。
こうして得られた一番ロットのTABテープの先頭から5mの位置にあるプリント配線基板1Lfを切り出して、形成された配線の電気抵抗を測定した。左端部の配線の電気抵抗値は181mΩであり、中央の配線の電気抵抗は177mΩであり、右端部の配線の電気抵抗は180mΩであった。また、このプリント配線基板1Lfに形成された隣接する配線について電気抵抗値を測定した。最も電気抵抗値の差の大きい配線間電気抵抗値差は22.8mΩであり、最も電気抵抗値の差の小さい配線間電気抵抗値差は0mΩであった。このプリント配線基板1Lfに形成された配線の平均電気抵抗値は180.7mΩであるから、最も大きい配線間抵抗値差は、平均電気抵抗値の12.6%である。
次にこの一番ロットのTABテープの先端から50mの位置にあるプリント配線基板1Lmを切り出した。この一番ロットのTABテープの製造長さは100mであるから、このプリント配線基板1Lmは、この一番ロットの中央部に位置する。
このプリント配線基板1Lmに形成された配線の電気抵抗を上記と同様にして測定したところ、左端部の配線の電気抵抗値は181mΩであり、中央の配線の電気抵抗は173mΩであり、右端部の配線の電気抵抗は175mΩであった。また、このプリント配線基板1Lfに形成された隣接する配線について電気抵抗値を測定したところ、最も電気抵抗値の差の大きい配線間電気抵抗値差は21mΩであり、最も電気抵抗値の差の小さい配線間電気抵抗値差は0mΩであった。このプリント配線基板1Lmに形成された配線の平均抵抗値は180.0mΩであるから、最も大きい配線間抵抗値は、平均電気抵抗値の11.7%である。
さらにこの一番ロットのTABテープの先端から95mの位置、すなわち一番ロットのTABテープの後端部から5mの位置にあるプリント配線基板1Lbを切り出した。この一番ロットのTABテープの製造長さは100mであるから、このプリント配線基板1Lbは、この一番ロットの後側に位置する。
このプリント配線基板1Lbに形成された配線の電気抵抗を上記と同様にして測定したところ、左端部の配線の電気抵抗値は180mΩであり、中央の配線の電気抵抗は175mΩであり、右端部の配線の電気抵抗は186mΩであった。また、このプリント配線基板1Lbに形成された隣接する配線について電気抵抗値を測定したところ、最も電気抵抗値の差の大きい配線間電気抵抗値差は20mΩであり、最も電気抵抗値の差の小さい配線間電気抵抗値差は0mΩであった。このプリント配線基板1Lbに形成された配線の平均抵抗値は180.3mΩであるから、最も大きい配線間抵抗値差は、平均電気抵抗値の11.1%である。
これらのΔΩAは平均電気抵抗値A-ave.に対して±8%の範囲にあり、またΔΩ-aはA-ave.に対して±6%の範囲に収まっていた。
[二番ロットのTABテープの製造]
実施例1の一番ロットのTABテープの製造と同様にして長さ100mのTABテープを製造した。このTABテープに形成されているプリント配線基板は、上記一番ロットのTABテープに形成されているプリント配線基板と同一のパターン形状を有している。
上記のようにして形成されたプリント配線基板を二番ロットのTABテープとする。
こうして得られた二番ロットのTABテープの先頭から5mの位置にあるプリント配線基板2Lfを切り出して、形成された配線の電気抵抗を測定したところ、左端部の配線の電気抵抗値は181mΩであり、中央の配線の電気抵抗は180mΩであり、右端部の配線の電気抵抗は188mΩであった。また、このプリント配線基板2Lfに形成された隣接する配線について電気抵抗値を測定したところ、最も電気抵抗値の差の大きい配線間電気抵抗値差は19mΩであり、最も電気抵抗値の差の小さい配線間電気抵抗値差は0mΩであった。このプリント配線基板2Lfに形成された配線の平均電気抵抗値は183.0mΩであるから、最も大きい配線間抵抗値差は、平均電気抵抗値の10.4%である。
次にこの二番ロットのTABテープの先端から50mの位置にあるプリント配線基板2Lmを切り出した。この二番ロットのTABテープの製造長さは100mであるから、このプリント配線基板2Lmは、この二番ロットの中央部に位置する。
このプリント配線基板2Lmに形成された配線の電気抵抗を上記と同様にして測定したところ、左端部の配線の電気抵抗値は182mΩであり、中央の配線の電気抵抗は181mΩであり、右端部の配線の電気抵抗は187mΩであった。また、このプリント配線基板2Lmに形成された隣接する配線について電気抵抗値を測定したところ、最も電気抵抗値の差の大きい配線間電気抵抗値差は21mΩであり、最も電気抵抗値の差の小さい配線間電気抵抗値差は0mΩであった。このプリント配線基板2Lmに形成された配線の平均抵抗値は183.3mΩであるから、最も大きい配線間抵抗値差は、平均電気抵抗値の11.4%である。
さらにこの二番ロットのTABテープの先端から95mの位置、すなわち二番ロットのTABテープの後端部から5mの位置にあるプリント配線基板2Lbを切り出した。この二番ロットのTABテープの製造長さは100mであるから、このプリント配線基板2Lbは、この二番ロットの後側に位置する。
このプリント配線基板2Lbに形成された配線の電気抵抗を上記と同様にして測定したところ、左端部の配線の電気抵抗値は183mΩであり、中央の配線の電気抵抗は174mΩであり、右端部の配線の電気抵抗は186mΩであった。また、このプリント配線基板2Lbに形成された隣接する配線について電気抵抗値を測定したところ、最も電気抵抗値の差の大きい配線間電気抵抗値差は20mΩであり、最も電気抵抗値の差の小さい配線間電気抵抗値差は0mΩであった。このプリント配線基板2Lbに形成された配線の平均抵抗値は181.0mΩであるから、最も大きい配線間抵抗値差は、平均電気抵抗値の11.0%である。
これらのΔΩ-Aは平均電気抵抗値A-ave.に対して±8%の範囲にあり、またΔΩ-aはA-ave.対して±6%の範囲に収まっていた。
[三番ロットのTABテープの製造]
実施例1の一番ロットのTABテープの製造と同様にして長さ100mの三番ロットのTABテープを製造した。この三番ロットのTABテープに形成されているプリント配線基板は、上記一番ロットのTABテープに形成されているプリント配線基板と同一のパターン形状を有している。
上記のようにして形成されたプリント配線基板を三番ロットのTABテープとする。
こうして得られた三番ロットのTABテープの先頭から5mの位置にあるプリント配線基板3Lfを切り出して、形成された配線の電気抵抗を測定したところ、左端部の配線の電気抵抗値は178mΩであり、中央の配線の電気抵抗は172mΩであり、右端部の配線の電気抵抗は184mΩであった。また、このプリント配線基板3Lfに形成された隣接する配線について電気抵抗値を測定したところ、最も電気抵抗値の差の大きい配線間電気抵抗値差は19mΩであり、最も電気抵抗値の差の小さい配線間電気抵抗値差は0mΩであった。このプリント配線基板3Lfに形成された配線の平均電気抵抗値は173.0mΩであるから、最も大きい配線間抵抗値差は、平均電気抵抗値の11.0%である。
次にこの三番ロットのTABテープの先端から50mの位置にあるプリント配線基板3Lmを切り出した。この三番ロットのTABテープの製造長さは100mであるから、このプリント配線基板3Lmは、この三番ロットの中央部に位置する。
このプリント配線基板3Lmに形成された配線の電気抵抗を上記と同様にして測定したところ、左端部の配線の電気抵抗値は179mΩであり、中央の配線の電気抵抗は170mΩであり、右端部の配線の電気抵抗は184mΩであった。また、このプリント配線基板3Lmに形成された隣接する配線について電気抵抗値を測定したところ、最も電気抵抗値の差大きい配線間電気抵抗値差は20mΩであり、最も電気抵抗値の差の小さい配線間電気抵抗値差は0mΩであった。このプリント配線基板3Lmに形成された配線の平均抵抗値は177.7mΩであるから、最も大きい配線間抵抗値差は、平均電気抵抗値の11.3%である。
さらにこの三番ロットのTABテープの先端から95mの位置、すなわち三番ロットのTABテープの後端部から5mの位置にあるプリント配線基板3Lbを切り出した。この三番ロットのTABテープの製造長さは100mであるから、このプリント配線基板3Lbは、この三番ロットの後側に位置する。
このプリント配線基板3Lbに形成された配線の電気抵抗を上記と同様にして測定したところ、左端部の配線の電気抵抗値は177mΩであり、中央の配線の電気抵抗は169mΩであり、右端部の配線の電気抵抗は183mΩであった。また、このプリント配線基板3Lbに形成された隣接する配線について電気抵抗値を測定したところ、最も電気抵抗値の差の大きい配線間電気抵抗値差は21mΩであり、最も電気抵抗値の差の小さい配線間電気抵抗値差は0mΩであった。このプリント配線基板3Lbに形成された配線の平均抵抗値は176.3mΩであるから、最も大きい配線間抵抗値差は、平均電気抵抗値の11.9%である。
これらのΔΩ-Aは平均電気抵抗値A-ave.に対して±8%の範囲にあり、またΔΩ-aはA-ave.対して±6%の範囲に収まっていた。
[四番ロットのTABテープの製造]
実施例1の一番ロットのTABテープの製造と同様にして長さ100mの四番ロットのTABテープを製造した。この四番ロットのTABテープに形成されているプリント配線基板は、上記一番ロットのTABテープに形成されているプリント配線基板と同一のパターン形状を有している。ただし、エッチング液の管理および温度は、通常のプリント配線基板のエッチング工程と同様にした。また、感光性樹脂の硬化体からなるパターンは全て同じ幅にした。
上記のようにして形成されたプリント配線基板を四番ロットのTABテープとする。
こうして得られた四番ロットのTABテープの先頭から5mの位置にあるプリント配線基板4Lfを切り出して、形成された配線の電気抵抗を測定したところ、左端部の配線の電気抵抗値は180mΩであり、中央の配線の電気抵抗は160mΩであり、右端部の配線の電気抵抗は181mΩであった。また、このプリント配線基板4Lfに形成された隣接する配線について電気抵抗値を測定したところ、最も電気抵抗値の差の大きい配線間電気抵抗値差は31mΩであり、最も電気抵抗値の差の小さい配線間電気抵抗値差は0mΩであった。このプリント配線基板3Lfに形成された配線の平均電気抵抗値は173.7mΩであるから、最も大きい配線間抵抗値差は、平均電気抵抗値の17.8%である。
次にこの四番ロットのTABテープの先端から50mの位置にあるプリント配線基板4Lmを切り出した。この四番ロットのTABテープの製造長さは100mであるから、このプリント配線基板4Lmは、この四番ロットの中央部に位置する。
このプリント配線基板4Lmに形成された配線の電気抵抗を上記と同様にして測定したところ、左端部の配線の電気抵抗値は195mΩであり、中央の配線の電気抵抗は163mΩであり、右端部の配線の電気抵抗は188mΩであった。また、このプリント配線基板4Lmに形成された隣接する配線について電気抵抗値を測定したところ、最も電気抵抗値の差の大きい配線間電気抵抗値差は37mΩであり、最も電気抵抗値の差の小さい配線間電気抵抗値差は0mΩであった。このプリント配線基板4Lmに形成された配線の平均抵抗値は182.0mΩであるから、最も大きい配線間抵抗値差は、平均電気抵抗値の20.3%である。
さらにこの四番ロットのTABテープの先端から95mの位置、すなわち4番ロットのTABテープの後端部から5mの位置にあるプリント配線基板4Lbを切り出した。この四番ロットのTABテープの製造長さは100mであるから、このプリント配線基板4Lbは、この四番ロットの後側に位置する。
このプリント配線基板4Lbに形成された配線の電気抵抗を上記と同様にして測定したところ、左端部の配線の電気抵抗値は165mΩであり、中央の配線の電気抵抗は145mΩであり、右端部の配線の電気抵抗は162mΩであった。また、このプリント配線基板4Lbに形成された隣接する配線について電気抵抗値を測定したところ、最も電気抵抗値の差の大きい配線間電気抵抗値差は28mΩであり、最も電気抵抗値の差の小さい配線間電気抵抗値差は0mΩであった。このプリント配線基板4Lbに形成された配線の平均抵抗値は157.3mΩであるから、最も大きい配線間抵抗値差は、平均電気抵抗値の17.8%である。
これらのΔΩ-Aについては、A-ave.に対して±8%の範囲を外れていた。
Figure 2008091895
上記のようにして製造したプリント配線基板の中から4個のプリント配線基板を選択して本発明のプリント配線基板群を製造した。
<本発明の実施例に相当するプリント配線基板群1の製造>
上記のようにして得られた一番ロットからプリント配線基板1Lf、プリント配線基板1Lm、プリント配線基板1Lbを選択し、さらに二番ロットからプリント配線基板2Lfを選択して以下のように配列して本発明のプリント配線基板群1を製造した。
プリント配線基板の配列:1Lf/1Lm/1Lb/2Lf
このプリント配線基板群1におけるプリント配線版1Lfと1Lmとの平均電気抵抗値の差は、0.7mΩである。
この平均電気抵抗値の差=0.7mΩは、1Lfと1Lmとの平均電気抵抗値に対して0.39%に相当する。
プリント配線基板群1におけるプリント配線基板1Lfの右端部の配線と1Lmの左端部の配線との電気抵抗値の差は、1mΩである。
この電気抵抗値の差=1mΩは、1Lfと1Lmとの平均電気抵抗値に対して0.55%に相当する。
プリント配線基板群1におけるプリント配線基板1Lmと1Lbとの平均電気抵抗値の差は、0.3mΩである。
この平均電気抵抗値の差=0.3mΩは、1Lmと1Lbとの平均電気抵抗値に対して0.17%に相当する。
プリント配線基板群1におけるプリント配線基板1Lmの右端部の配線と1Lbの左端部の配線との電気抵抗値の差は、5mΩである。
この電気抵抗値の差=5mΩは、プリント配線基板1Lmと1Lbとの平均電気抵抗値に対して2.78%に相当する。
プリント配線基板群1におけるプリント配線基板1Lbと2Lfとの平均電気抵抗値の差は、2.7mΩである。
この平均電気抵抗値の差=2.7mΩは、1Lbと2Lfとの平均電気抵抗値に対して1.49%に相当する。
プリント配線基板群1におけるプリント配線基板1Lbの右端部の配線と2Lfの左端部の配線との電気抵抗値の差は、5mΩである。
この電気抵抗値の差=5mΩは、プリント配線基板1Lbと2Lfとの平均電気抵抗値に対して2.75%に相当する。
これらのΔΩ-ABは、AB-ave.に対して±5%の範囲内にあり、またΔΩ-abについてもAB-ave.に対して本発明で規定する範囲内にあった。
<本発明の実施例に相当するプリント配線基板群2の製造>
上記のようにして得られた二番ロットからプリント配線基板2Lf、プリント配線基板2Lbを選択し、さらに三番ロットからプリント配線基板3Lb、プリント配線基板3Lfを選択して以下のように配列して本発明のプリント配線基板群2を製造した。
プリント配線基板の配列:2Lf/3Lb/3Lf/2Lb
このプリント配線基板群2におけるプリント配線基板2Lfと3Lbとの平均電気抵抗値の差は、6.7mΩである。
この平均電気抵抗値の差=6.7mΩは、2Lfと3Lbとの平均電気抵抗値に対して3.73%に相当する。
このプリント配線基板群2におけるプリント配線基板2Lfの右端部の配線と3Lbの左端部の配線との電気抵抗値の差は、11mΩである。
この電気抵抗値の差=11mΩは、プリント配線基板2Lfと3Lbとの平均電気抵抗値に対して6.12%に相当する。
このプリント配線基板群2におけるプリント配線基板3Lbと3Lfとの平均電気抵抗値の差は、1.7mΩである。
この平均電気抵抗値の差=1.7mΩは、3Lbと3Lfとの平均電気抵抗値に対して0.96%に相当する。
プリント配線基板群2におけるプリント配線基板3Lbの右端部の配線と3Lfの左端部の配線との電気抵抗値の差は、5mΩである。
この電気抵抗値の差=5mΩは、プリント配線基板3Lbと3Lfとの平均電気抵抗値に対して2.82%に相当する。
プリント配線基板群2におけるプリント配線基板3Lfと2Lbとの平均電気抵抗値の差は、3.0mΩである。
この平均電気抵抗値の差=3.0mΩは、3Lfと2Lbとの平均電気抵抗値に対して1.67%に相当する。
プリント配線基板群2におけるプリント配線基板3Lfの右端部の配線と2Lbの左端部の配線との電気抵抗値の差は、1mΩである。
この電気抵抗値の差=1mΩは、プリント配線基板3Lfと2Lbとの平均電気抵抗値に対して0.56%に相当する。
これらのΔΩ-ABは、AB-ave.に対して±5%の範囲内にあり、またΔΩ-abについてもAB-ave.に対して本発明で規定する範囲内にあった。
<本発明の実施例に相当するプリント配線基板群3の製造>
上記のようにして得られた一番ロットからプリント配線基板1Lmを選択し、二番ロットからプリント配線基板2Lfを選択し、三番ロットからプリント配線基板3Lbを選択し、四番ロットからプリント配線基板4Lmを選択して以下のように配列して本発明のプリント配線基板群3を製造した。
プリント配線基板の配列:1Lm/4Lm/3Lm/2Lf
本発明のプリント配線基板群3におけるプリント配線基板1Lmと4Lmとの平均電気抵抗値の差は、2.0mΩである。
この平均電気抵抗値の差=2.0mΩは、1Lmと4Lmとの平均電気抵抗値に対して1.10%に相当する。
プリント配線基板群3におけるプリント配線基板1Lmの右端部の配線と4Lmの左端部の配線との電気抵抗値の差は、20mΩである。
この電気抵抗値の差=20mΩは、1Lmと4Lmとの平均電気抵抗値に対して11.05%に相当する。
プリント配線基板群3におけるプリント配線基板4Lmと3Lmとの平均電気抵抗値の差は、4.3mΩである。
この平均電気抵抗値の差=4.3mΩは、4Lmと3Lmとの平均電気抵抗値に対して2.39%に相当する。
プリント配線基板群3におけるプリント配線基板4Lmの右端部の配線と3Lbの左端部の配線との電気抵抗値の差は、9mΩである。
この電気抵抗値の差=9mΩは、4Lmと3Lbとの平均電気抵抗値に対して5.00%に相当する。
プリント配線基板群3におけるプリント配線基板3Lmと2Lfとの平均電気抵抗値の差は、5.3mΩである。
この平均電気抵抗値の差=5.3mΩは、3Lmと2Lfとの平均電気抵抗値に対して2.94%に相当する。
プリント配線基板群3におけるプリント配線基板3Lmの右端部の配線と2Lfの左端部の配線との電気抵抗値の差は、3mΩである。
この電気抵抗値の差=3mΩは、3Lmと2Lfとの平均電気抵抗値に対して1.66%に相当する。
これらのΔΩ-ABは、AB-ave.に対して±5%の範囲内にあり、またΔΩ-abについてもAB-ave.に対して本発明で規定する範囲内にあった。
<本発明の比較例に相当するプリント配線基板群4の製造>
上記のようにして得られた四番ロットからプリント配線基板4Lb、4Lm、4Lfを選択し、二番ロットからプリント配線基板2Lmを選択して以下のように配列してプリント配線基板群4を製造した。
プリント配線基板の配列:4Lb/4Lm/4Lf/2Lm
このプリント配線基板群4におけるプリント配線基板4Lbと4Lmとの平均電気抵抗値の差は、24.7mΩである。
この平均電気抵抗値の差=24.7mΩは、4Lbと4Lmとの平均電気抵抗値に対して14.6%に相当する。これは本発明で規定する±5%の範囲を外れている。
プリント配線基板群4におけるプリント配線基板4Lbの右端部の配線と4Lmの左端部の配線との電気抵抗値の差は、33mΩである。
この電気抵抗値の差=33mΩは、4Lbと4Lmとの平均電気抵抗値に対して19.5%に相当する。これは本発明で規定する範囲を外れている。
プリント配線基板群4におけるプリント配線基板4Lmと4Lfとの平均電気抵抗値の差は、8.3mΩである。
この平均電気抵抗値の差=8.3mΩは、4Lmと4Lfとの平均電気抵抗値に対して4.67%に相当する。
プリント配線基板群4におけるプリント配線基板4Lmの右端部の配線と4Lfの左端部の配線との電気抵抗値の差は、8mΩである。
この電気抵抗値の差=8mΩは、4Lmと4Lfとの平均電気抵抗値に対して4.52%に相当する。
プリント配線基板群4におけるプリント配線基板4Lfと2Lmとの平均電気抵抗値の差は、9.6mΩである。
この平均電気抵抗値の差=9.6mΩは、プリント配線基板4Lfと2Lmとの平均電気抵抗値に対して5.38%に相当する。これは本発明で規定する±5%の範囲を外れている。
プリント配線基板群4におけるプリント配線基板4Lfの右端部の配線と2Lmの左端部の配線との電気抵抗値の差は、1mΩである。
この電気抵抗値の差=1mΩは、プリント配線基板4Lfと2Lmとの平均電気抵抗値に対して0.55%に相当する。これらのΔΩ-ABおよびΔΩ-abは本発明で規定する範囲を外れていた。
このようにプリント配線基板群4のプリント配線基板の配置では、プリント配線基板間に大きな電気抵抗値の差が生じているため、一定の入力信号を流してもプリント配線基板によって出力が15%以上相違することがある。このプリント配線基板群4を例えば表示装置に使用した場合、プリント配線基板毎に輝度に差が生ずることがある。また、例えば複数のICチップを並列に配置するコンピュータに使用した場合、出力電流値のバラツキにより、駆動エラーが発生する虞がある。
このプリント配線基板群について図8に示すように電極を配置したプリント配線基板の端部が石英ガラスに載るように配置し、このプリント配線基板を石英ガラスと共に熱電対を有する断熱測定容器に入れた。次いで、電極から0.5〜2.0Aの電流を30分間流して、温度を安定化させた。さらに同様の条件で電流を流して、通電領域の温度を熱電対で測定した。その結果、図8に楕円で示す領域の温度が最も高くなったが最高到達温度は、環境温度85℃+15℃以下であった。
上記のようにして各種測定を行った後、使用したプリント配線基板群を詳細に観察したが、このプリント配線基板に、ジュール熱による配線パターンの溶断、絶縁フィルムの変質、ICチップの破損、配線パターンの剥離、熱応力によりプリント配線基板の変形、組織変化、配線パターンの抵抗値の変化、エレクトロマイグレーションの発生、イオンマイグレーションの発生、リーク電流による絶縁破壊などは認められなかった。
本発明のプリント配線基板群は、複数のプリント配線基板が並列に配置された構成を有すると共に、隣接するプリント配線基板が特定の電気的特性を有している。したがって、本発明のプリント配線基板群を構成するプリント配線基板の特性値の相違による出力信号の変動が少なく、電子装置を安定に駆動させることができる。また、本発明のプリント配線基板群は、個々の配線の電気抵抗値の変動幅が小さい。従って、通電した際に特定の配線のジュール熱量が大きくなることがなく、プリント配線基板群全体に発熱が分散するので、放熱を効率よく行うことができる。このため、本発明のプリント配線基板群は、同一の電子部品を並列に多数配置する際に好適に使用することができ、安定に電子装置を長時間駆動させることができる。
図1は、本発明のプリント配線基板群の例を示す模式図である。 図2は、本発明のプリント配線基板群を構成する個々のプリント配線基板の例を示す模式的に示す図である。 図3は、図2に示す本発明のプリント配線基板群を構成するプリント配線基板の断面の例を示す断面図である。 図4は、本発明のプリント配線基板群を構成するプリント配線基板に形成されている配線の断面の例を示す断面図である。 図5は、本発明のプリント配線基板群に配置されるプリント配線基板において隣接する配線基板の最外側の配線の関係の例を示す図である。 図6は、本発明のプリント配線基板群を構成する個々のプリント配線基板に形成されている配線の位置と電気抵抗値との関係の例を示すグラフである。 図7は、本発明のプリント配線基板群を構成する個々のプリント配線基板における配線の電気抵抗値と、このプリント配線基板に隣接する他のプリント配線基板における配線の電気抵抗値との関係を示すグラフである。 図8は、本発明のプリント配線基板群に通電したときの発熱量を測定する際の回路を模式的に示す図である。
符号の説明
10・・・プリント配線基板
12・・・絶縁フィルム
14・・・配線パターン
16a,16b,16c,16d・・・端子部分
18・・・デバイスホール
20・・・被覆層(ソルダーレジスト層あるいはカバーレイ)
22・・・スプロケットホール
23・・・破線
24・・・メッキ層
31・・・バンプ電極

Claims (8)

  1. 絶縁フィルムの表面に導電性金属からなる多数の配線から形成された配線パターンを有するプリント配線基板が複数個配置されたプリント配線基板群であり、
    該配置された1個のプリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)と、該プリント配線基板(A)に隣接して配置されたプリント配線基板(B)に形成された配線の平均電気抵抗値(B-ave.)との差(ΔΩ-AB)が、該プリント配線基板(A)およびプリント配線基板(B)における配線の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±5%の範囲内にあり、かつ該プリント配線基板(A)の、プリント配線基板(B)に直近の最外側に形成された配線のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(a-3)と、該プリント配線基板(B)の、プリント配線基板(A)に直近の最外側に形成された配線のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(b-3)との差(ΔΩ-ab)が、該プリント配線基板(A)およびプリント配線基板(B)における配線の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±11.05%の範囲内にあることを特徴とするプリント配線基板群。
  2. 絶縁フィルムの表面に導電性金属からなる多数の配線から形成された配線パターンを有するプリント配線基板が複数個配置されたプリント配線基板群であり、
    該配置された1個のプリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)と、該プリント配線基板(A)に隣接して配置されたプリント配線基板(B)に形成された配線の平均電気抵抗値(B-ave.)との差(ΔΩ-AB)が、該プリント配線基板(A)およびプリント配線基板(B)における配線の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±5%の範囲内にあり、かつ該プリント配線基板(A)の、プリント配線基板(B)に直近の最外側に形成された配線のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(a-3)と、該プリント配線基板(B)の、プリント配線基板(A)に直近の最外側に形成された配線のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(b-3)との差(ΔΩ-ab)が、該プリント配線基板(A)およびプリント配線基板(B)における配線の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±6.12%の範囲内にあることを特徴とするプリント配線基板群。
  3. 絶縁フィルムの表面に導電性金属からなる多数の配線から形成された配線パターンを有するプリント配線基板が複数個配置されたプリント配線基板群であり、
    該配置された1個のプリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)と、該プリント配線基板(A)に隣接して配置されたプリント配線基板(B)に形成された配線の平均電気抵抗値(B-ave.)との差(ΔΩ-AB)が、該プリント配線基板(A)およびプリント配線基板(B)における配線の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±5%の範囲内にあり、かつ該プリント配線基板(A)の、プリント配線基板(B)に直近の最外側に形成された配線のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(a-3)と、該プリント配線基板(B)の、プリント配線基板(A)に直近の最外側に形成された配線のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(b-3)との差(ΔΩ-ab)が、該プリント配線基板(A)およびプリント配線基板(B)における配線の平均電気抵抗値(AB-ave.)に対して±6%の範囲内にあることを特徴とするプリント配線基板群。
  4. 上記絶縁フィルムの表面に導電性金属からなる多数の配線から形成された配線パターンを有するプリント配線基板を複数個配置したプリント配線基板群を構成する任意のプリント配線基板(A)に形成された多数の配線のうちの任意の配線(A-1)のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(a-1)と該配線(A-1)に隣接する配線(A-2)のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値(a-2)との差(ΔΩ-a)が、該プリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)に対して±6%の範囲内にあり、かつ該プリント配線基板(A)に形成された配線の最大電気抵抗値(a-max)と最低電気抵抗値(a-min)との差(ΔΩ-A)が、該プリント配線基板(A)に形成された配線の平均電気抵抗値(A-ave.)に対して±8%の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプリント配線基板群。
  5. 上記プリント配線基板群を構成する各プリント配線基板に、それぞれ電子部品が実装されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線基板群。
  6. 上記プリント配線基板群を構成する各プリント配線基板に流れる電流が、0.1mA〜2.0Aの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線基板群。
  7. 上記プリント配線基板群を構成する各プリント配線基板に形成された個々の配線のアウターリードとインナーリードとの間の電気抵抗値の差が、30mΩ〜300mΩの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線基板群。
  8. 上記プリント配線基板群が、同一の配線パターンが形成された少なくとも3個のプリント配線基板が並列に配置されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線基板群。
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