JP3859452B2 - メッキ装置及びメッキ方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICあるいはLSIなどの電子部品を実装する電子部品実装用フィルムキャリアテープ及びそのメッキ方法並びにメッキ装置に関し、特に、配線パターンと電子部品とをビームリードボンディングによって接合するタイプの電子部品実装用フィルムキャリアテープ及びそのメッキ方法並びにメッキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロニクス産業の発達に伴い、IC(集積回路)、LSI(大規模集積回路)等の電子部品を実装するプリント配線板の需要が急激に増加しているが、電子機器の小型化、軽量化、高機能化が要望され、これら電子部品の実装方法として、最近では電子部品実装用フィルムキャリアテープ(TAB(Tape Automated Bonding)テープ、T−BGA(Tape Ball Grid Array)テープ、テープCSP(Chip Size Package)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)テープなど)(以下、単に「電子部品実装用フィルムキャリアテープ」という)を用いた実装方式が採用されている。特に、パーソナルコンピュータなどのように、高精細化、薄型化、液晶画面の額縁面積の狭小化が要望されている液晶表示素子(LCD)を使用する電子産業においてその重要性が高まっている。
【0003】
このようなTABテープを製造するために用いられる基板には、例えば、連続した絶縁フィルム上に極めて薄い導電層を、金属箔を接着又は導電層をスパッタリングや真空蒸着法あるいは無電解メッキにより設け、この導電層を所定形状にパターニングしたものに電気メッキを施すことにより所定の厚みで配線パターンを形成した基板である。
【0004】
このような電子部品実装用フィルムキャリアテープの中で、小型の樹脂封止半導体装置を形成するために、各種のボール・グリッド・アレイ(BGA)テープ等のフィルムキャリアテープが提案され、また開発されている。
【0005】
このようなBGA用フィルムキャリアテープは、絶縁フィルムの表面に貼着された銅箔の表面に金メッキ層が形成された配線パターンを有し、この配線パターンにおけるメッキ層部分が半導体素子の電極と接合されるようになっている。また、絶縁フィルムには、配線パターンに連通する複数の接続端子孔がパンチング等によって形成され、この接続端子孔に外部端子となるハンダボールが充填されている。すなわち、BGA用フィルムキャリアテープは、接続端子孔にフラックスを塗布後、この接続端子孔にハンダボールを落とし込みリフロー炉に入れて加熱し、ハンダボールをボールパッドに融着させることにより、マザーボードとのハンダ接続が行われるようになる。
【0006】
また、このようなBGA用フィルムキャリアテープの配線パターンは、上述のように、半導体素子の電極と良好な接合強度を得るべく、金メッキ層を形成し、このメッキ層を介して半導体素子の電極といわゆるリードボンディングによって接合される。そして、メッキ層と電極間の接合強度としては、導通安定性を確保すべく、プルカット強度が7グラム以上であることが要求されている。
【0007】
ところで、配線パターンとなる導電層上にメッキ層を形成するメッキ装置としては、一般的に、メッキ液を保持するメッキ槽内に、導電層が形成された絶縁フィルムの搬送方向、すなわち、メッキ槽の長手方向に沿って絶縁フィルムの表面に対向するようにアノードが配置されたものが用いられる。そして、メッキ槽のメッキ液に絶縁フィルムを浸漬させた状態で、絶縁フィルムを連続的に搬送すると共に、メッキ層の搬送方向の前後側から導電層に電極を接触させ、カソードとなる導電層と、アノードとの間に所定電圧を印加することにより、電気メッキによってメッキ層が形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したメッキ装置では、メッキ槽の長手方向中央部での導電層の電気抵抗とメッキ槽の長手方向両端部近傍での配線パターンの電気抵抗との差が大きく、電流密度の分布を一定に確保することができない。このため、比較的低い電圧を印加することによってメッキを行わなければならず、製造にかかる時間が長くなってしまうという問題がある。
【0009】
また、このように形成したメッキ層は、各製品毎にプルカット強度にばらつきが生じ、ビームリードボンディングに必要な強度が得られなかったり、長期導通安定性が確保できない等、製品信頼性が低いという問題がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑み、比較的容易に形成でき、且つ信頼性を向上した電子部品用フィルムキャリアテープ及びそのメッキ方法並びにメッキ装置を提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、メッキ液を保持するメッキ槽と、このメッキ槽内の幅方向の少なくとも一方側に配置されるアノードとを有し、表面に導電層からなる配線パターンが設けられた連続する絶縁フィルムを前記メッキ槽に保持したメッキ液に浸漬させた状態で当該メッキ槽の長手方向に沿って搬送しながら前記導電層上にメッキを施して電子部品実装用フィルムキャリアテープとするメッキ装置において、前記メッキ槽内の長手方向両端部の前記絶縁フィルムが挿入される挿入口近傍に、挿入される絶縁フィルムと前記アノードとの間を遮る遮蔽板を有することを特徴とするメッキ装置にある。
【0020】
かかる第1の態様では、メッキ槽内に遮蔽板を設けることにより、アノードと導電層との間に電圧を印加した際に、メッキ槽の長手方向の端部の電流密度が低減され、長手方向に亘って電流密度の分布が略均一化される。
【0021】
本発明の第2の態様は、前記アノードの長手方向の長さが、当該メッキ槽の長手方向の長さの50〜80%であり、且つ当該前記アノードが前記メッキ槽の長手方向略中央部に配置されていることを特徴とする第1の態様のメッキ装置にある。
【0022】
かかる第2の態様では、アノードの長さが短いため、メッキ槽の長手方向両端部近傍での電流密度が過度に大きくならない。
【0023】
本発明の第3の態様は、前記遮蔽板が、前記アノードの長手方向外側に設けられていることを特徴とする第1の態様のメッキ装置にある。
【0024】
かかる第3の態様では、遮蔽板がアノードの長手方向外側に設けられているので、メッキ槽の長手方向両端部近傍の電流密度が過度に大きくなることがない。
本発明の第4の態様は、表面に導電層からなる配線パターンが設けられた連続する絶縁フィルムをメッキ槽に保持したメッキ液に浸漬させた状態で当該メッキ槽の長手方向に沿って搬送しながら前記導電層上にメッキを施して電子部品実装用フィルムキャリアテープとするメッキ方法において、前記絶縁フィルムを前記メッキ槽内に挿入する際に、当該メッキ槽内の長手方向両端部の前記絶縁フィルムが挿入される挿入口近傍で、前記絶縁フィルムと前記アノードとの間を遮蔽板で遮るようにしたことを特徴とするメッキ方法にある。
本発明の第5の態様は、メッキ液を保持するメッキ槽と、このメッキ槽内の幅方向の少なくとも一方側に配置されるアノードとを有すると共に、前記メッキ槽内の長手方向両端部の前記絶縁フィルムが挿入される挿入口近傍に、挿入される絶縁フィルムと前記アノードとの間を遮る遮蔽板を有するメッキ装置を用いて、表面に導電層からなる配線パターンが設けられた連続する絶縁フィルムを前記メッキ槽に保持したメッキ液に浸漬させた状態で当該メッキ槽の長手方向に沿って搬送しながら前記導電層上にメッキを施して電子部品実装用フィルムキャリアテープとすることを特徴とするメッキ方法にある。
本発明の第6の態様は、前記メッキ槽内に配置されたアノードと前記導電層との間に電圧を印加する際の電流密度が、前記メッキ槽の長手方向に亘って±50%以内で分布していることを特徴とする請求項4又は5に記載のメッキ方法にある。
かかる第6の態様では、電流密度の分布を長手方向に亘って略均一化することにより、メッキ層の厚さ方向の結晶粒径のばらつきが小さくなる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳しく説明する。勿論、本発明はこれに限定されるものでないことはいうまでもない。
【0026】
図1は実施形態1に係る電子部品実装用フィルムキャリアテープの断面図である。
【0027】
図1及び図2に示すように、本実施形態の電子部品実装用フィルムキャリアテープ10は、例えば、マイクロ・ボール・グリッド・アレイ(μBGA)用のフィルムキャリアーテープであり、テープ状の絶縁フィルム11の一方面側に、導電層12からなる複数の配線パターン13が連続的に形成されている。絶縁フィルム11は、幅方向両側に移送用のスプロケット孔14を一定間隔で有し、一般的には、移送されながら、IC等の電子部品15が実装され、電子部品15を実装後、各配線パターン13毎に切断される。
【0028】
なお、図1の絶縁フィルム11は、その幅方向に4つ配線パターン13が設けられている例である。また、絶縁フィルム11の幅方向両端部には、スプロケット孔14が設けられているが、このスプロケット孔14と共に位置合わせのための貫通孔、不良パッケージ表示、パッケージ外形などの種々の目的に合わせた貫通孔を形成することもできる。
【0029】
このような電子部品実装用フィルムキャリアテープを構成する絶縁フィルム11としては、可撓性を有すると共に、耐薬品性及び耐熱性を有する材料を用いることができる。かかる絶縁フィルム11の材料としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド等を挙げることができ、特に、ビフェニル骨格を有する全芳香族ポリイミド(例えば、商品名:ユーピレックス;宇部興産(株))が好ましい。なお、絶縁フィルム11の厚さは、一般的には、25〜125μm、好ましくは、25〜75μmである。
【0030】
また、絶縁フィルム11の表面に形成される配線パターン13を構成する導電層12は、一般的には、銅やアルミニウムからなる導電体箔をパターニングすることにより形成される。このような導電層12は、絶縁フィルム11上に直接積層しても、接着剤層を介して熱圧着等により形成してもよい。この導電層12の厚さは、例えば、6〜70μm、好ましくは、8〜35μmである。また、導電層12としては、銅箔、特に、エッチング特性、操作性などを考慮すると、電解銅箔が好ましい。
【0031】
なお、絶縁フィルム11上に導電層12を設けるのではなく、導電体箔に、例えば、ポリイミド前駆体を塗布し、焼成してポリイミドフィルムからなる絶縁フィルムとすることもできる。
【0032】
また、接着剤を用いて導電層12を設ける場合、接着剤層の厚さは、通常は8〜23μm、好ましくは10〜21μmである。但し、本実施形態の電子部品実装用フィルムキャリアテープ10では、絶縁フィルム11の外部接続端子孔部分の導電層12は、導電性金属ボールと電気的に接続する必要があるため、この部分の導電層の裏面には接着剤層が形成されない。なお、外部接続端子孔等については、詳しく後述する。
【0033】
また、この導電層12は、フォトリソグラフィ法により、配線パターン13としてパターニングする。すなわち、フォトレジスト層を塗布した後、フォトレジスト層をフォトマスクを介しての露光及び現像でパターニングし、パターニングされたフォトレジスト層をマスクとしてエッチング液で化学的に溶解(エッチング処理)して除去し、さらに、フォトレジストをアルカリ液等にて溶解除去することにより導電層12をパターニングして各配線パターン13とする。
【0034】
このような配線パターン13を構成する導電層12は、電子部品15との接続部である電子部品側接続端子(インナーリード)16を除く領域がソルダーレジスト層17によって覆われており、このソルダーレジスト層17上に接着剤層18を介して電子部品15が実装されている。
【0035】
ソルダーレジスト層17を形成する材料としては、例えば、フォトソルダーレジスト材料が用いられる。このフォトソルダーレジスト材料としては、ネガ型でもポジ型でもよく、一般的なフォトレジストの性質と、導電体箔の保護する性質とを備えたものであればよい。例えば、アクリレート系樹脂、特に、エポキシアクリレート樹脂などの感光性樹脂に光重合開始剤等を添加したものである。エポキシアクリレート樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂、ノボラック型エポキシアクリレート樹脂、ビスフェノールA型エポキシメタアクリレート樹脂、ノボラック型エポキシメタアクリレート樹脂等を挙げることができる。
【0036】
かかるフォトソルダーレジスト材料は、有機溶剤に溶解又は分散されて塗布液として塗布される。塗布液の中には、硬化促進剤、充填剤、添加剤、チキソ剤等を添加することもできる。また、ソルダーレジスト層の可撓性等の特性を向上させるために、ゴム微粒子のような弾性を有する微粒子を配合することもできる。
【0037】
フォトソルダーレジスト材料塗布液の配合の一例としては、アクリレート系樹脂35〜45%、アクリル酸エステルモノマー0.1〜5%、エポキシ硬化剤0.1〜5%、着色顔料0.1〜5%、体質顔料10〜20%、添加剤0.1〜5%、光重合開始剤1〜10%、及び有機溶剤30〜40%の混合物を挙げることができる。このようなフォトソルダーレジスト材料塗布液は、例えば、膜厚(20〜50)μm程度に塗布され、例えば、熱風、80℃程度で30分程度乾燥された後、露光・現像される。また、現像後、必要に応じて、例えば、150℃程度で60分程度熱処理され、熱硬化される。
【0038】
かかるソルダーレジスト材料塗布液は、硬化性樹脂を有機溶媒に溶解又は分散したものであり、硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、エポキシ系樹脂のエラストマー変性物、ウレタン樹脂、ウレタン樹脂のエラストマー変性物、ポリイミド樹脂、ポリイミド樹脂のエラストマー変性物、アクリル樹脂等を挙げることができる。塗布液の中には、硬化促進剤、充填剤、添加剤、チキソ剤等を添加することもできる。また、ソルダーレジスト層の可撓性等の特性を向上させるために、ゴム微粒子のような弾性を有する微粒子を配合することもできる。なお、このようなソルダーレジスト材料塗布液は、スクリーン印刷により、必要な領域のみに塗布され、熱硬化されてソルダーレジスト層17となる。
【0039】
一方、導電層12のソルダーレジスト層17によって覆われていない部分、すなわち、電子部品側接続端子16部分には、電気メッキによってメッキ層19が形成されている。
【0040】
このメッキ層19の材料としては、スズ、半田、金、ニッケル−金などを挙げることができ、電子部品20の実装方法等に応じて選択され、例えば、本実施形態では、金を用いている。
【0041】
ここで、このメッキ層19は、厚さ方向での結晶粒径のばらつきが、所定値の±50%以内となるようにするのが好ましい。これにより、配線パターン13の電子部品側接続端子16を電子部品15の電極15aに、いわゆるビームリードボンディングによって接合する際の接合強度が向上し、且つこれらの間の導通安定性を確保することができる。なお、このようなメッキ層19の形成方法については、詳しく後述する。
【0042】
また、絶縁フィルム11の各配線パターン13に対応する領域には、後述する導電性金属ボールを埋め込むための外部接続端子孔20が、例えば、パンチング、レーザ加工又はケミカルエッチング等によって、絶縁フィルム11を貫通して所定の配列で多数穿設されている。この外部接続端子孔20内では、導電層12が露出されており、露出された導電層12上にも電子部品側接続端子16部分と同様に、メッキ層19が形成されている。
【0043】
また、各外部接続端子孔20には、導電性金属ボール(ハンダボール)21が配置され、各導電性金属ボール21は、外部接続端子孔20の表面を塞ぐように形成されている導電層12とメッキ層19を介して電気的に接合されている。なお、この導電性金属ボール21の直径は、通常は、0.2〜1.0mm、好ましくは、0.2〜0.5mmである。
【0044】
また、このような外部接続端子孔20は、ハンダボールのような導電性金属ボール21を配置したときに、隣接して配置された導電性金属ボール21同士が接触しないように形成されており、外部接続端子孔20の形成ピッチは、使用する導電性金属ボール21の大きさによっても異なるが、通常は、0.3〜2.0mm、好ましくは0.3〜1.0mmである。
【0045】
さらに、この所定の配列で形成された外部接続端子孔20の外側で、各配線パターン13の電子部品側接続端子16に対応する領域にはスリット22が設けられている。そして、上述した配線パターン13は、このスリット22を跨ぐように形成されており、このスリット22を介して配線パターン13の電子部品側接続端子16部分を切断して変形させることにより、メッキ層19を介して電子部品15の電極15aに接合されている。すなわち、配線パターン13と電子部品15の電極15aとの接合が、いわゆるビームリードボンディングによって行われている。なお、このようなスリット22の幅は、通常は、0.4〜2.0mmであり、好ましくは0.6〜1.5mmである。
【0046】
上述したように、本実施形態では、メッキ層19の厚さ方向での結晶粒径のばらつきが、所定値の±50%以内となるようにしているため、配線パターン13の電子部品側接続端子16と電子部品15の電極15aとをビームリードボンディングによって接合する場合に、接合強度を特に効果的に向上することができ、且つ導通安定性も確保することができる。したがって、信頼性を向上した電子部品実装用フィルムキャリアテープを実現することができる。
【0047】
以下に、このようなメッキ層19の形成方法について説明する。
【0048】
まず、本実施形態に係るメッキ装置30としては、図3及び図4に示すように、金メッキ液、例えば、シアン化金カリウム溶液(KAu(CN)2)が保持されるメッキ槽31を具備し、このメッキ槽31には、図示しない循環装置によって常に新しい金メッキ液が供給されるようになっている。
【0049】
また、このメッキ槽31は、上述した電子部品実装用フィルムキャリアテープ10となる連続する絶縁フィルム11、すなわち、表面に導電層12からなる配線パターン13が設けられた連続する絶縁フィルム11が、その内部で起立した状態で金メッキ液中を浸漬されながら、図示しない搬送手段によって連続的に搬送されるように、略矩形断面形状で長手方向に延びる樋形状に構成されている。すなわち、メッキ槽31の長手方向両側の壁31a,31bに、それぞれスリット部32A,32Bが設けられており、絶縁フィルム11は、このメッキ槽31の長手方向一方の壁31aに設けられたスリット部32Aからメッキ槽31内の幅方向ほぼ中央部を長手方向に亘って搬送され、他方の壁31bに設けられたスリット部32Bを介してメッキ槽31の外側に搬送されるようになっている。
【0050】
また、メッキ槽31内には、絶縁フィルム11の両側に、絶縁フィルム11の表面に対峙するように所定の距離離間して、陽極(アノード)を構成する電極33が、それぞれメッキ槽31の長手方向に沿って配設されている。ここで、この電極33の長手方向の長さは、メッキ槽31の長手方向の長さよりも短く、電極33はメッキ槽31の長手方向略中央部に配置されている。なお、電極33の長さは、具体的には、メッキ槽31の長さの50〜80%であることが好ましく、特に60〜70%が好適である。
【0051】
なお、これらのアノードを構成する各電極33は、Ptなどの不活性電極から構成されている。また、各電極33は、別途図示しない電源に接続されている。
【0052】
このようなメッキ装置30では、陰極(カソード)は、絶縁フィルム11上に設けられる配線パターン13を構成する導電層12であり、この導電層12は、例えば、メッキ槽31の外側に設けられるロール状の接触部材34を介して図示しない電源にそれぞれ接続されている。
【0053】
ここで、本実施形態のメッキ装置30には、メッキ槽31の長手方向両側の壁31a,31bに、各スリット部32A,32Bを挟む一対の遮蔽板35がそれぞれ設けられている。これらの遮蔽板35は、各電極33と導電層12との間を遮るためのものであり、各スリット部32A,32Bに近接してメッキ槽31の長手方向に沿って延設されている。本実施形態では、各遮蔽板35は、それぞれ、各電極33の長手方向の端部近傍まで延設されている。
【0054】
このようなメッキ装置30では、図示しない搬送手段によって絶縁フィルム11を常に移動させながら、アノードを構成する電極33とカソードである導電層12との間に電圧を印加することにより、導電層12上のソルダーレジスト層17が形成されていない領域、すなわち、電子部品側接続端子16部分にメッキ層19が形成されると共に、外部接続端子孔20内で露出された導電層12の表面にメッキ層19が形成される。
【0055】
このようなメッキ装置30によってメッキ層19を形成することができるが、本実施形態のメッキ装置30では、アノードを構成する各電極33がメッキ槽31の長手方向の長さより短く、且つメッキ槽31の長手方向両端部近傍の領域では、各電極33と導電層12との間が遮蔽板35によって遮られているため、各電極33とメッキ槽31の長手方向両端部近傍の導電層12との間に流れる電流の量が低く抑えられる。すなわち、メッキ槽31の長手方向両端部近傍での電流密度が低く抑えられる。
【0056】
また、メッキ層19を形成する際、メッキ槽31の長手方向の各部分での電流密度は、アノードを構成する各電極33の長さ及び遮蔽板35の長さによって変化する。このため、これら各電極33の長さ及び遮蔽板35の長さは、メッキ槽31の長さ等を考慮して適宜決定する必要があり、導電層12と電極33との間に電圧を印加した際の電流密度がメッキ槽31の長手方向に亘って±50%以内で分布する長さとするのが好ましい。
【0057】
例えば、長手方向の長さが1.5mであるメッキ槽に、長さが0.86mの電極(アノード)を設け、且つメッキ槽の長手方向両端部に、それぞれ長さが0.4mの遮蔽板を設けたメッキ装置を用いて、絶縁フィルムを停止させた状態で、厚さ1μmのメッキ層を形成したところ、図5(a)に示すように、メッキ層の厚さは、最も薄い部分で0.7μm程度であり、最も厚い部分でも1.4μm程度であった。すなわち、メッキ層の厚さのばらつきは、メッキ層の長手方向で所定値の±50%以内となっている。
【0058】
ここで、絶縁フィルムを停止させた状態で形成されるメッキ層の厚さは、電流密度の大きさに比例する。したがって、図5(a)示す結果から、本実施形態に係るメッキ装置でメッキ層を形成する場合、電流密度がメッキ槽の長手方向に亘って±50%以内で分布していることが分かる。
【0059】
一方、従来のように、長さが1.5mのメッキ槽内に、その長手方向に亘って、例えば、1.4mの電極(アノード)を設け、且つ遮蔽板は設けられていないメッキ装置を用いて、同様にメッキ層を形成したところ、図5(b)に示すように、メッキ層の厚さは、最も薄い部分では0.7μm程度であるが、最も厚い部分では2.9μmであった。このように、従来のメッキ装置では、メッキ層の厚さのばらつきが、メッキ槽の長手方向で所定値の±50%以内とはならなかった。すなわち、従来のメッキ装置では、電流密度がメッキ槽の長手方向に亘って±50%以上で分布していることが分かる。
【0060】
そして、このように各電極33と導電層12との間に電圧を印加してメッキ層19を形成する際に、電流密度をメッキ槽31の長手方向に亘って略均一化に分布させることにより、メッキ層19の厚さ方向の結晶粒径は、略均一化される。また、メッキ層19の結晶粒径は、電流密度の大きさに比例するため、電流密度をメッキ槽の長手方向に亘って±50%以内で分布させれば、メッキ層19の厚さ方向での結晶粒径のばらつきを所定値の±50%以内に抑えることができる。
【0061】
以上のように、本実施形態のメッキ装置によってメッキ層を形成することにより、メッキ層19の厚さ方向の結晶粒径を略均一化することができる。これにより、配線パターン13を構成する導電層12の電子部品15の電極15aとの接合部分(電子部品側接続端子16)に、十分な厚さのメッキ層19を形成でき、電子部品15の電極15aと電子部品側接続端子16との間で高い接合強度が得られ、且つこれらの間の導通安定性も確保することができる。
【0062】
また、電流密度がメッキ槽の長手方向に亘って略均一に分布しているため、メッキ層19を形成する際に、比較的高い電圧を印加しても、焼きメッキとなる虞が無く、メッキ層19を比較的短時間で形成することができ、製造効率を向上することができる。
【0063】
なお、本実施形態では、電流密度の分布を略均一化するために、電極の長さをメッキ槽の長さよりも短くするようにしたが、これに限定されず、例えば、電極の長さは、従来の装置と同様に、メッキ槽の長さと略同等であってもよく、この場合には、遮蔽板の電極に対向する領域の面積を広くすることによっても、電流密度の分布を略均一化することができる。
【0064】
また、上述の実施形態では、μBGA用フィルムキャリアテープを例示して説明したが、勿論これに限定されるものではなく、TABテープ等の他のフィルムキャリアテープにも適用することができ、特に、ビームリードボンディングを用いるタイプのフィルムキャリアテープに有効に適用することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、メッキ層を形成する際に、電流密度の分布を±50%以内となるようにし、配線パターンを構成する導電層に設けられるメッキ層の厚さ方向での結晶粒径のばらつきが、所定値の±50%以内となるようにしている。したがって、配線パターンの電子部品の電極との接合に必要な部分に、十分な厚さのメッキ層を容易に形成することができる。また、電子部品の電極と配線パターンとの間では、高い接合強度が得られ、且つ導通安定性を確保することができ、製品信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子部品実装用フィルムキャリアテープの概略構成を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電子部品実装用フィルムキャリアテープの断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るメッキ装置の概略を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るメッキ装置の概略を示す平面図である。
【図5】一実施形態に係るメッキ装置及び従来のメッキ装置で形成したメッキ層の厚さを示すグラフである。
【符号の説明】
10 電子部品実装用フィルムキャリアテープ
11 絶縁フィルム
12 導電層
13 配線パターン
14 スプロケット孔
15 電子部品
15a 電極
16 電子部品側接続端子
17 ソルダーレジスト層
18 接着剤層
19 メッキ層
20 外部接続端子孔
21 導電性金属ボール
22 スリット
Claims (6)
- メッキ液を保持するメッキ槽と、このメッキ槽内の幅方向の少なくとも一方側に配置されるアノードとを有し、表面に導電層からなる配線パターンが設けられた連続する絶縁フィルムを前記メッキ槽に保持したメッキ液に浸漬させた状態で当該メッキ槽の長手方向に沿って搬送しながら前記導電層上にメッキを施して電子部品実装用フィルムキャリアテープとするメッキ装置において、
前記メッキ槽内の長手方向両端部の前記絶縁フィルムが挿入される挿入口近傍に、挿入される絶縁フィルムと前記アノードとの間を遮る遮蔽板を有することを特徴とするメッキ装置。 - 前記アノードの長手方向の長さが、当該メッキ槽の長手方向の長さの50〜80%であり、且つ当該アノードが前記メッキ槽の長手方向略中央部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のメッキ装置。
- 前記遮蔽板が、前記アノードの長手方向外側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のメッキ装置。
- 表面に導電層からなる配線パターンが設けられた連続する絶縁フィルムをメッキ槽に保持したメッキ液に浸漬させた状態で当該メッキ槽の長手方向に沿って搬送しながら前記導電層上にメッキを施して電子部品実装用フィルムキャリアテープとするメッキ方法において、
前記絶縁フィルムを前記メッキ槽内に挿入する際に、当該メッキ槽内の長手方向両端部の前記絶縁フィルムが挿入される挿入口近傍で、前記絶縁フィルムと前記アノードとの間を遮蔽板で遮るようにしたことを特徴とするメッキ方法。 - メッキ液を保持するメッキ槽と、このメッキ槽内の幅方向の少なくとも一方側に配置されるアノードとを有すると共に、前記メッキ槽内の長手方向両端部の前記絶縁フィルムが挿入される挿入口近傍に、挿入される絶縁フィルムと前記アノードとの間を遮る遮蔽板を有するメッキ装置を用いて、表面に導電層からなる配線パターンが設けられた連続する絶縁フィルムを前記メッキ槽に保持したメッキ液に浸漬させた状態で当該メッキ槽の長手方向に沿って搬送しながら前記導電層上にメッキを施して電子部品実装用フィルムキャリアテープとすることを特徴とするメッキ方法。
- 前記メッキ槽内に配置されたアノードと前記導電層との間に電圧を印加する際の電流密度が、前記メッキ槽の長手方向に亘って±50%以内で分布していることを特徴とする請求項4又は5に記載のメッキ方法。
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