JP2008091837A - Iii族窒化物半導体の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のHVPE装置の欠点を解決したIII族窒化物半導体の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】成長炉3内に原料となるIII族ガスg3とV族ガスg5を供給し、これらガスg3,g5で基板2上にIII族窒化物半導体結晶Cを成長させるIII族窒化物半導体の製造装置1において、成長炉3は、隔壁4で相互に分離されたIII族ガスg3が供給されるA室5aと、V族ガスg5が供給されるB室5bとの少なくとも2室を備え、A室5aおよびB室5bの両ガス出口7,9を隣接させ、これら両ガス出口7,9近傍に基板2を配置したものである。
【選択図】図1
【解決手段】成長炉3内に原料となるIII族ガスg3とV族ガスg5を供給し、これらガスg3,g5で基板2上にIII族窒化物半導体結晶Cを成長させるIII族窒化物半導体の製造装置1において、成長炉3は、隔壁4で相互に分離されたIII族ガスg3が供給されるA室5aと、V族ガスg5が供給されるB室5bとの少なくとも2室を備え、A室5aおよびB室5bの両ガス出口7,9を隣接させ、これら両ガス出口7,9近傍に基板2を配置したものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、成長炉内にIII族ガスとV族ガスを供給し、これらガスで基板上にIII族窒化物半導体結晶を成長させるIII族窒化物半導体の製造装置及び製造方法に関する。
III族窒化物半導体単結晶の成長方法としては、分子線エピタキシー(MBE)法、有機金属気相成長(MOVPE)法、ハイドライド気相成長(HVPE)法などが知られている。中でも、HVPE法は数100μm/時という高い成長速度を実現できるため、電子デバイスや光デバイスの高性能化に必須な高品質GaN厚膜の成長に広く用いられてきた。さらに、近年、III族窒化物半導体を用いたレーザーダイオード(LD)において下地結晶の転位密度が素子寿命に及ぼす影響が認識されるに至り、低転位なIII族窒化物半導体自立基板を製造可能なHVPE法に対する期待はより高まってきた。
HVPE成長を行う装置(HVPE装置)としては、図8に示すようなIII族窒化物半導体の製造装置(成長装置)(以下、製造装置)81がある。この製造装置81では、基板(下地基板)82にIII族塩化物(GaCl、AlClやInClなど)を含むIII族ガスg3とNH3 を含むV族ガスg5を同時に吹き付ける方法が一般的であり、この方法により数100μm/時の高速成長が実現できたとの報告がある。III族塩化物の生成方法としては、製造装置81内に800℃以上の領域を設けて、そこにIII族原料(金属状態のGaやAl、Inなど)を置き、ここにHClガスあるいはC12ガスを導入する方法が一般的である。また、III族塩化物生成場所から結晶成長領域までの経路も、III族塩化物の析出を抑制するため、通常800℃以上に保持されている。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
しかしながら、従来の製造装置81には克服しがたい幾つかの欠点が存在する。まず第1に、III族塩化物とNH3 の反応は極めて活発なため、III族塩化物とNH3 が出会う原料吹き出し口(図8中の最大析出点)m8で、原料の大部分が析出してしまうという点である。このため、原料が基板82上に単結晶として析出する原料効率は最大でも10%程度に抑えられてしまうのである。
第2の欠点としては、吹き出し口m8で大量のIII族窒化物半導体結晶が析出するため、吹き出し口m8の形状が成長中に変化し、基板82面内での原料濃度分布が成長中に変化し、成長速度の面内分布が安定しないという点である。さらに、III族窒化物半導体結晶と吹き出し口材料(石英やカーボンが一般的)の熱膨張係数差により、製造装置81冷却時に吹き出し口m8が破損することがあるという問題点もある。
第3には、製造装置81で成長させたIII族窒化物半導体結晶では、転位密度を10×106 /cm2 以下にすることが極めて困難であるという欠点がある。これは、III族窒化物半導体結晶中の転位が成長方向に伝播する性質を持つため、一度発生した転位がその後も成長表面(=素子を形成する面)に存在し続けるためである。
より詳細に言えば、従来の製造装置81では、基板82は吹き出し口m8に配置されておらず、基板82と吹き出し口m8が離れているため、基板82に供給されるガス濃度や純度が低くなる点、基板82の結晶成長面が吹き出し口m8に全面対向して配置されるため、基板82端面で結晶が成長しにくい点などの問題がある。このため、成長させた結晶中に転位が形成されやすい。
以上のように、既存のHVPE装置においては、装置構成、結晶成長方法に起因する種々の不都合を生じるが、現状これを回避する現実的な方法は見つかっていない。
そこで、本発明の目的は、従来のHVPE装置の欠点を解決したIII族窒化物半導体の製造装置及び製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、成長炉内に原料となるIII族ガスとV族ガスを供給し、これらガスで基板上にIII族窒化物半導体結晶を成長させるIII族窒化物半導体の製造装置において、上記成長炉は、隔壁で相互に分離された上記III族ガスが供給されるA室と、上記V族ガスが供給されるB室との少なくとも2室を備え、A室およびB室の両ガス出口を隣接させ、これら両ガス出口近傍に上記基板を配置したIII族窒化物半導体の製造装置である。
請求項2の発明は、上記隔壁は、上記成長炉内の上流側を少なくとも上下あるいは左右2段に仕切り、A室とB室に区画形成する第1隔壁からなり、上記第1隔壁の下流側に、上記基板をその結晶成長面が上記成長炉内の下流側に臨むように保持する基板保持機構を設けた請求項1記載のIII族窒化物半導体の製造装置である。
請求項3の発明は、上記隔壁は、上記第1隔壁と、その第1隔壁の下流側に設けられて上記成長炉内を上流側と下流側に仕切り、上記成長炉内の下流側に上流側のA室及びB室と連通するガス排気室を区画形成する第2隔壁とからなる請求項2記載のIII族窒化物半導体の製造装置である。
請求項4の発明は、上記基板は略短冊状あるいは線状である請求項1〜3いずれかに記載のIII族窒化物半導体の製造装置である。
請求項5の発明は、上記基板の結晶成長面は、C面、A面、あるいはM面である請求項1〜4いずれかに記載のIII族窒化物半導体の製造装置である。
請求項6の発明は、上記第1隔壁の上流側に、その第1隔壁を上流側および下流側に移動する可動機構を接続した請求項2〜5いずれかに記載のIII族窒化物半導体の製造装置である。
請求項7の発明は、上記可動機構は、成長中の上記III族窒化物半導体結晶表面が概ね上記基板表面の成長開始位置となるように、上記III族窒化物半導体結晶の成長に応じて上記第1隔壁を上流側に移動させる移動速度に設定される請求項5記載のIII族窒化物半導体の製造装置である。
請求項8の発明は、上記III族ガス出口と上記V族ガス出口付近の温度を800〜1200℃とした請求項1〜7いずれかに記載のIII族窒化物半導体の製造装置である。
請求項9の発明は、上記III族ガス出口から放出された上記III族ガスと、上記V族ガス出口から放出された上記V族ガスとの一部を、A室に再度導入するガス再利用ラインを備えた請求項1〜8いずれかに記載のIII族窒化物半導体の製造装置である。
請求項10の発明は、上記成長炉内に上記第1隔壁を複数個設け、上記成長炉内に、A室とB室を上下あるいは左右1組としたガス供給部を複数個区画形成した請求項2〜9いずれかに記載のIII族窒化物半導体の製造装置である。
請求項11の発明は、成長炉内に原料となるIII族ガスとV族ガスを供給し、これらガスで基板上にIII族窒化物半導体結晶を成長させるIII族窒化物半導体の製造方法において、上記成長炉に、隔壁で相互に分離された上記III族ガスが供給されるA室と、上記V族ガスが供給されるB室との少なくとも2室を区画形成し、A室およびB室の両ガス出口を隣接させ、これら両ガス出口近傍に上記基板を配置するIII族窒化物半導体の製造方法である。
請求項12の発明は、上記III族ガスはIII族塩化物を含み、上記V族ガスはNH3 を含み、A室及び/又はB室に、上記III族ガス及び/又はV族ガスと共に水素、窒素、NH3 、HCl、あるいはこれらの混合ガスを供給する請求項11記載のIII族窒化物半導体の製造方法である。
請求項13の発明は、上記基板上に、予め上記基板と上記III族窒化物半導体結晶間の格子定数差や線膨張係数差を緩和する多孔質の緩和層を形成しておき、その緩和層上に上記III族窒化物半導体結晶を成長させ、その後、上記緩和層を境にして上記III族窒化物半導体結晶から上記基板を剥離し、III族窒化物半導体自立基板を得る請求項11または12記載のIII族窒化物半導体の製造方法である。
本発明によれば、従来のHVPE装置の欠点であった、低原料効率、装置寿命が短いといった問題を解決でき、高原料効率、装置寿命が長いIII族窒化物半導体の製造装置を実現できる。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、図8の製造装置81では吹き出し口m8近傍に原料の最大析出点があることに着目し、吹き出し口の近傍に種結晶となる基板を設置すればよいのではないかと考え、本発明を完成した。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面にしたがって説明する。
図1(a)は本発明の好適な第1の実施形態であるIII族窒化物半導体の製造装置の主要部を示す縦断面図、図1(b)はその1B−1B線断面図(排気側からみた図)である。
図1(a)および図1(b)に示すように、第1の実施形態に係るIII族窒化物半導体の製造装置(成長装置)(以下、製造装置)1は、III族ガスg3とV族ガスg5が供給され、基板(下地基板)2上にIII族窒化物半導体結晶Cを成長させる成長炉3を備え、端面成長型のHVPE装置として使用される。
基板2としては、例えば、単結晶サファイア基板、GaN自立基板、AlN自立基板、InN自立基板、AlGaN自立基板、InGaN自立基板、InAlGaN自立基板を用いる。III族窒化物半導体結晶としては、例えばGaN単結晶、AlN単結晶、InN単結晶、AlGaN単結晶、InGaN単結晶、InAlGaN単結晶がある。III族ガスg3はIII族塩化物(GaCl、AlClやInClなど)を含むガスであり、V族ガスg5は、NH3 を含むガスである。
さて、成長炉3は、内部温度を調整可能な真空容器であり、石英、カーボンなどの耐熱性かつ耐腐食性を有する材料で形成される。この成長炉3は、隔壁4で相互に上下分離されたIII族ガスg3が供給されるA室(III族ガス供給室)5aと、V族ガスg5が供給されるB室(V族ガス供給室)5bとの2室を備える。
A室5aは、上流(供給)側に、III族ガスg3が導入されるIII族ガス入口6が設けられ、下流(排気)側の下部に、III族ガスg3が放出される(吹き出される)III族ガス出口7が設けられる。III族ガス入口6には、図示しないIII族ガス供給ラインを介して液体原料が充填されたボンベなどのIII族ガス供給手段が接続される。
同様に、B室5bは、上流側に、V族ガスg5が導入されるV族ガス入口8が設けられ、下流側の上部に、V族ガスg5が放出されるV族ガス出口9が設けられる。V族ガス入口8には、図示しないV族ガス供給ラインを介して液体原料が充填されたボンベなどのV族ガス供給手段が接続される。
A室5aのIII族ガス出口7とB室5bのV族ガス出口9は、互いに隣接されており、これらIII族ガス出口7とV族ガス出口9に基板2を近接させて配置、言い換えればIII族ガス出口7とV族ガス出口9の近傍に基板2を配置してある。図1では、III族ガス出口7とV族ガス出口9の近傍として、原料の最大析出点Mに基板2を配置した例を示した。
隔壁4は、第1隔壁10と第2隔壁11とからなる。第1隔壁10は、成長炉3内の上流側を上下2段に仕切る。第2隔壁11は、成長炉3内の下流側に設けられて成長炉3内を上流側と下流側(前後)に仕切り、第1隔壁10と共に成長炉3内の上流側をA室5aとB室5bに区画形成すると共に、成長炉3内の下流側にA室5aおよびB室5bと連通するガス排気室12を区画形成する。
第2隔壁11の中央部にはIII族ガスg3とV族ガスg5が合流する合流口13が形成される。合流口13は、基板2よりも若干大きい寸法に形成するとよい。
基板2は、図2に示すように略短冊状である。この略短冊状の基板2は、通常用いられる円板状基板21の両側部22を取り除いた中央部を使用したものである。基板2として単結晶サファイア基板やGaN基板を用いる場合、円板状基板21の上下面がC面であり、周面がM面であり、両側部22と接していた基板2の側面がA面である。
図1(a)および図1(b)に示すように、第1隔壁10の下流側の先端には、その第1隔壁10の延出方向(図1では左水平方向)に沿って、基板2をその結晶成長面Xが成長炉3内の下流側に臨むように保持する基板保持機構(基板ホルダ)31が設けられる。
基板保持機構31は、図3(a)に示すように、第1隔壁10の下流側の先端の上下に取り付けられ、第1隔壁10と基板2を上下から挟んで保持する結晶保持部材32,32と、これら結晶保持部材32,32と第1隔壁10を締結するネジ33とからなる。
結晶保持部材32,32としては、図3(a)では、基板2を全面で把持して保持する例を示したが、基板2の両端部のみを把持して保持するものを用いてもよい。この基板保持機構31は、基板2を保持したとき、結晶成長面Xが第1隔壁10の上下面と垂直になるように構成される。
基板2の結晶成長面Xは、C面、A面、あるいはM面のいずれでもよく、図3(a)では基板2の結晶成長面XをA面とし、主表面(素子形成面)であるC面を第1隔壁10の上下面と平行になるようにした例を、図3(b)では基板2の結晶成長面XをC面とし、主表面であるA面を第1隔壁10の上下面と平行になるようにした例を示した。
図1(a)および図1(b)に示すように、第1隔壁10の上流側の先端には、その第1隔壁10を前後に水平移動する可動機構14が接続される。可動機構14は、高精度な位置制御が可能なものであればよく、油圧シリンダを備えたものや、ボールネジ、カップリング、エンコーダ付きのサーボモータを備えたものなどがある。
可動機構14は、成長中のIII族窒化物半導体結晶表面が概ね基板2表面の成長開始位置となるように、III族窒化物半導体結晶の成長に応じて第1隔壁10を後退させる移動速度に設定される。
また、III族ガス出口7とV族ガス出口9付近の温度は、800〜1200℃となるように成長炉3の内部温度を調整する。これは、800℃未満であると得られる結晶が多結晶となり、1200℃を超えると得られる結晶にクラックが生じるからである。
A室5a及び/又はB室5bには、上述したIII族ガスg3及び/又はV族ガスg5と共に水素、窒素、NH3 、HCl、あるいはこれらの混合ガスを供給してもよい。
次に、製造装置1を用いたIII族窒化物半導体の製造方法を説明する。
まず、製造に先立ち、基板保持機構31で基板2を保持し、基板2の結晶成長面Xが合流口13位置となるように、可動機構14を調整して第1隔壁10を移動する。
この状態で、A室5aのIII族ガス入口6からIII族ガスg3を導入し、A室5a内にIII族ガスg3を供給する。これと同時に、B室5bのV族ガス入口8からV族ガスg5を導入し、B室5b内にV族ガスg5を供給する。
III族ガスg3はA室5aのIII族ガス出口7から放出され、V族ガスg5はB室5bのV族ガス出口9から放出され、第2隔壁11の合流口13近傍(図1では、原料の最大析出点M)において、III族ガスg3とV族ガスg5が合流する。III族ガスg3とV族ガスg5が反応することで、基板2の結晶成長面X上にIII族窒化物半導体結晶Cが成長する。
その後、可動機構14により、成長中のIII族窒化物半導体結晶Cが基板2の成長開始位置となるように、III族窒化物半導体結晶Cの成長に応じて第1隔壁10を徐々に上流側に移動(後退)させることで、所望厚さのIII族窒化物半導体結晶Cが得られる。反応に寄与しなかったIII族ガスg3とV族ガスg5はガス排気室12から排気される。
また、III族窒化物半導体自立基板を得る場合には、基板2上に、予め基板2とIII族窒化物半導体結晶C間の格子定数差や線膨張係数差を緩和する多孔質の緩和層(バッファ層)を形成しておく。この緩和層上に、上述と同様にしてIII族窒化物半導体結晶Cを成長させ、その後、緩和層を境にしてIII族窒化物半導体結晶Cから基板2を剥離すると、III族窒化物半導体自立基板が得られる。
基板2を剥離する方法としては、III族窒化物半導体結晶Cを成長後、熱処理して多孔質層のみを破壊する方法がある。
第1の実施形態の作用を説明する。
製造装置1は、第1隔壁10で互いに分離されたIII族ガスg3が供給されるA室5aと、V族ガスg5が供給されるB室5bとの2室を備え、A室5aおよびB室5bの両ガス出口7,9を隣接させ、これら両ガス出口7,9に基板2を近接させて配置、言い換えれば両ガス出口7,9の近傍に基板2を配置している。
製造装置1では、両ガス出口7,9(合流口13)近傍において、基板2上にIII族窒化物半導体結晶Cを成長させるので、単結晶として析出する原料効率を従来よりも大幅に向上できる。
また、製造装置1では、ほぼ基板2上のみにIII族窒化物半導体結晶Cが析出するため、両ガス出口7,9の形状が成長中に変化することがなく、基板2面内での原料のガス濃度分布も成長中に変化せず、成長速度の面内分布が安定する。
つまり、製造装置1は、基板2と両ガス出口7,9が非常に近いため、基板2に供給されるガス濃度や純度が高く、基板2の結晶成長面XがIII族ガスg3やV族ガスg5の流れ方向とほぼ並行になるため、基板2の結晶成長面Xの全面にIII族窒化物半導体結晶Cが均一に成長する。これにより、製造装置1で製造したIII族窒化物半導体結晶Cは、成長させた結晶中に転位が形成されにくい。
したがって、製造装置1によれば、従来のHVPE装置の欠点であった、低原料効率、装置寿命が短いといった問題を解決でき、高原料効率、装置寿命が長いIII族窒化物半導体の製造装置を実現できる。
また、製造装置1では、第1隔壁10の下流側の先端に、第1隔壁10の延出方向に沿って基板保持機構31を取り付けることで、基板2の結晶成長面Xが成長炉3内の下流側に臨むように簡単に保持できる。
さらに、製造装置1では、隔壁4を第1隔壁10と第2隔壁11で構成することで、成長炉3内にA室5aおよびB室5bを分離し、原料の最大析出点である両ガス出口7,9近傍(合流口13)までIII族ガスg3とV族ガスg5が反応するのを確実に防止できる。
短冊状の基板2を用いれば、成長の初期に用いる種結晶としての基板の使用量を極力少なくできる。成長させたいIII族窒化物半導体結晶Cによっては、基板2として概ね線状の基板を使用してもよい。
基板2の結晶成長面Xは、C面、A面、あるいはM面のいずれでもよいが、図3(a)のようにC面を主表面とする場合、主として成長するのは基板2のC軸に平行な面、例えばA面やM面となる。すなわち、この場合には成長方向がC面の法線方向と垂直(C軸と垂直)方向となる。先に述べたように、III族窒化物半導体結晶中の転位は成長方向に伝播する性質があるので、この場合、転位はC面の法線方向と垂直方向に伝播する。このため、転位はC面からなる主表面の下に言わば埋め込まれた状態で伝播するため、素子が形成される面であるC面からなる表面への転位の出現が格段に少なくなる。
より詳細に言えば、従来ではIII族窒化物半導体結晶表面の転位密度を1×106 /cm2 以下にすることは極めて困難であった。しかし、製造装置1および第1の実施形態に係る製造方法によれば、III族窒化物半導体結晶C表面の転位密度を1×105 /cm2 以下に低減することが可能である。
また、図3(b)のようにA面あるいはM面を主表面としてもよい。この場合、A面あるいはM面などの非極性面は、この上に例えばInGaN発光層を含む発光素子を形成した場合に、極性のあるC面などで生じるピエゾ電界が生じないため、高効率の発光素子が実現でき、実用上極めて重要な面である。
これらの面を持つIII族窒化物半導体は、従来、サファイアなどの異種基板上に成長されていた。これらの結晶の対称性はIII族窒化物半導体と同じ6回対称であるが、C軸の方向(Ga面、N面)に関する情報は持っておらず、その上に成長した結晶はC軸の向きが揃わないインバージョン・ドメインが多く混入した結晶であった。
唯一得られるシングル・ドメインのA面あるいはM面のIII族窒化物半導体結晶としては、従来法で製造したC面を主表面とするIII族窒化物半導体自立基板のへき開面を利用したものであったが、その大きさはIII族窒化物半導体自立基板の厚さに制限され、せいぜい数mmの幅しかなかった。
製造装置1および第1の実施形態に係る製造方法によって、図3(b)のようにA面あるいはM面を主表面とすれば、基板2のC面で主として成長が起きるので、C軸方向の揃わないインバージョン・ドメインは発生し得ない。C面上の成長に伴い、側面であるA面あるいはM面が拡大することで、実用に耐えるほど広い領域(例えば、φ2インチ、φ3インチ)のシングル・ドメインのA面あるいはM面を主表面とするIII族窒化物半導体自立基板の製造が可能となる。
また、製造装置1は、第1隔壁10の上流側の先端に可動機構14を接続しているため、成長中のIII族窒化物半導体結晶C表面が概ね基板2表面の成長開始位置となるように、III族窒化物半導体結晶Cの成長に応じて第1隔壁10を後退させることで、III族窒化物半導体結晶Cを常に最適の状態で成長できる。つまり、成長が生じる結晶端面を常に最大析出点Mに固定しておくことが可能となる。
従来の成長方法では、III族ガスが供給される部分にNH3 が存在しないため、成長炉内のIII族ガスが供給される部分の表面が、成長中に荒れてしまうという点がある。この点を解決するためには、III族ガスが供給される部分にNH3 を導入する必要があるが、この場合、III族ガスが供給される部分、例えば成長炉内の壁にIII族窒化物半導体結晶が析出すると原料効率が低下する。これを防ぐために、NH3 と同時にHClガスもIII族ガスが供給される部分に導入し、III族窒化物半導体結晶の析出反応(例えば、GaNの場合:GaCl+NH3 →GaN+HCl+H2 )を平衡状態に保つ方法が有効である。
そこで、製造装置1および第1の実施形態に係る製造方法では、A室5a及び/又はB室5bに、上述したIII族ガスg3及び/又はV族ガスg5と共に水素、窒素、NH3 、HCl、あるいはこれらの混合ガスを供給する。
第2の実施形態を説明する。
図4に示すように、製造装置41は、図1(a)および図1(b)の製造装置1の構成に加え、III族ガス出口7から放出されたIII族ガスg3と、V族ガス出口9から放出されたV族ガスg5との一部g4を、A室5aに再度導入するガス再利用ライン42を備える。
ガス再利用ライン42は、図4の例では、成長炉3の上部において、ガス排気室12の上流側の上部と、A室5aの上流側の上部とを連通するように形成される。
製造装置41によれば、製造装置1の作用効果に加え、両ガス出口7,9から放出されたガス(例えば、GaCl、水素、窒素、NH3 およびHClを既に含んだ平衡状態にあるガス)の一部g4をA室5aに再度導入することで、原料の再利用により原料効率を格段に向上できる。
上記実施形態では、成長炉3がA室5aとB室5bを備えた製造装置の例で説明したが、本実施形態に係る製造装置としては、A室5aとB室5bを少なくとも2室備えればよい。
例えば、図5に示す第3の実施形態に係る製造装置51は、図1(a)および図1(b)の製造装置1の変形例であり、成長炉3内に第1隔壁10と水平隔壁52をそれぞれ上下に複数個(図5では第1隔壁10を10個、水平隔壁52を9個)設け、成長炉3内に、A室5aとB室5bを上下1組としたガス供給部5を複数個(図5では10個)区画形成したものである。
この製造装置51によれば、多数枚の基板2上にIII族窒化物半導体結晶Cを同時に成長できる。
上記実施形態では、成長炉3内の上下にA室5aとB室5bを区画形成した例で説明したが、図6に示す第4の実施形態に係る製造装置61のように、成長炉内の上流側の左右に複数個のA室を区画形成すると共に、複数個のB室を区画形成(図6では、A室を10個、その間にB室を9個区画形成)してもよい。
図7に示す第5の実施形態に係る製造装置71のように、図5の製造装置51から第2隔壁11を省略してもよい。この場合、隔壁4は複数個の第1隔壁10のみからなる。
第1〜第4の実施形態では、各第1隔壁10に可動機構14をそれぞれ接続して第1隔壁10をそれぞれ個別に移動する例で説明した。製造装置71のように、全ての第1隔壁10に1つの可動機構14を接続し、第1隔壁10を一括移動してもよい。
図7の例では、製造装置71として、A室5aが10個、その間にB室5bが9個それぞれ上から区画形成される例で示した。図7中には、III族ガス供給ライン72とV族ガス供給ライン73とを示してあり、これらの矢印先端がそれぞれIII族ガス入口、V族ガス入口である。
(実施例1)
図1の製造装置1を用いて、GaN単結晶の成長実験の結果を述べる。
原料、流量条件としては、
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、H2 が1000ccm、N2 が1900ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、N2 が2000ccm
とし、基板2温度(すなわち、GaN結晶の先端部の温度)は1100℃とした。種結晶となる基板2には、従来法を繰り返して成長させた厚さ4mmのGaN自立基板を、a軸方向にへき開し、図2に示す長さ5cm、厚さ1cm、幅5mmの短冊状に形成した結晶を用いた。
図1の製造装置1を用いて、GaN単結晶の成長実験の結果を述べる。
原料、流量条件としては、
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、H2 が1000ccm、N2 が1900ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、N2 が2000ccm
とし、基板2温度(すなわち、GaN結晶の先端部の温度)は1100℃とした。種結晶となる基板2には、従来法を繰り返して成長させた厚さ4mmのGaN自立基板を、a軸方向にへき開し、図2に示す長さ5cm、厚さ1cm、幅5mmの短冊状に形成した結晶を用いた。
基板2は、基板保持機構31により、図3(a)に示すように、結晶成長面XがA面、C面が第1隔壁10の上下面と平行になるように保持し、成長は主としてA面で生じるように、A面を下流側に臨ませて成長炉3内に設置した。
この場合の成長速度は2mm/hrとなり、Gaの使用効率は32.6%に大幅に向上した。さらに、GaN結晶以外の場所へのGaN析出がほとんど見られなかった。この結果、長時間の連続成長が可能となり、100時間の連続成長を行った結果、幅約5cm、厚さ約1cm、長さ20cmの板状のGaN自立単結晶Cを得ることができた。ただし、得られた結晶CのA室5a側の表面には、若干の荒れが生じており、その表面粗さのrms値は約5nmであった。
得られた結晶Cの表面での転位密度を、透過電子顕微鏡(TEM)で調査したところ、8×104 /cm2 の極めて低転位な結晶が得られていること明らかとなった。
また、上記板状のGaN自立単結晶Cをスライス、外形加工、研磨して、厚400μm50mmφのGaN自立基板を80枚取得した。
(実施例2)
実施例1と同様の実験を、基板2温度を700℃〜1300℃として行った。その結果、基板温度が800℃〜1200℃の範囲で、実施例1と同様に板状のGaN自立単結晶Cが得られたが、基板2温度が800℃未満の場合には、GaNは多結晶状態となり、また基板2温度が1200℃よりも高い場合には、板状の結晶が得られはしたが、結晶には多くのクラックが生じてしまった。
実施例1と同様の実験を、基板2温度を700℃〜1300℃として行った。その結果、基板温度が800℃〜1200℃の範囲で、実施例1と同様に板状のGaN自立単結晶Cが得られたが、基板2温度が800℃未満の場合には、GaNは多結晶状態となり、また基板2温度が1200℃よりも高い場合には、板状の結晶が得られはしたが、結晶には多くのクラックが生じてしまった。
(実施例3)
実施例1と同様の実験を、原料ガスの組成を変えて行った。
実施例1と同様の実験を、原料ガスの組成を変えて行った。
条件31(実施例1と同じ)
条件32
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、N2 が1900ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、N2 が2000ccm
条件33
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm
条件34
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、H2 が2900ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、N2 が2000ccm
条件35
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、H2 が1000ccm、N2 が1900ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、H2 が1000ccm、N2 が1000ccm
以上全ての条件で、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
条件32
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、N2 が1900ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、N2 が2000ccm
条件33
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm
条件34
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、H2 が2900ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、N2 が2000ccm
条件35
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、H2 が1000ccm、N2 が1900ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、H2 が1000ccm、N2 が1000ccm
以上全ての条件で、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
(実施例4)
実施例1と同様の実験を、原料ガスの組成を以下のように変えて行った。
実施例1と同様の実験を、原料ガスの組成を以下のように変えて行った。
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、NH3 が200ccm、HClが7ccm、H2 が500ccm、N2 が2193ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、N2 が2000ccm
この場合、原料効率は実施例1より低下し25.8%となったが、従来法の10%よりは格段に高い値が得られた。特筆すべきことは、この場合には実施例1で見られた表面荒れは完全に抑制され、結晶のA室5a側の表面の粗さのrms値は約0.5nmとなった。
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、N2 が2000ccm
この場合、原料効率は実施例1より低下し25.8%となったが、従来法の10%よりは格段に高い値が得られた。特筆すべきことは、この場合には実施例1で見られた表面荒れは完全に抑制され、結晶のA室5a側の表面の粗さのrms値は約0.5nmとなった。
(実施例5)
図4の製造装置41を用いて流量条件を以下のようにして、実施例1と同様の実験を行った。
図4の製造装置41を用いて流量条件を以下のようにして、実施例1と同様の実験を行った。
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、NH3 が50ccm、HClが7ccm、H2 が500ccm、N2 が2193ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、N2 が2000ccm
また、実施例5では排気ガスのうち、A室5aに戻す割合を50%と設定した。この場合には、原料利用効率は実施例1よりも高く41.0%となった。また、得られた結晶Cの表面での転位密度は、実施例1と同等の7×104 /cm2 であり、また結晶CのA室5a側の表面の粗さのrms値は実施例4と同等の約0.5nmであった。
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、N2 が2000ccm
また、実施例5では排気ガスのうち、A室5aに戻す割合を50%と設定した。この場合には、原料利用効率は実施例1よりも高く41.0%となった。また、得られた結晶Cの表面での転位密度は、実施例1と同等の7×104 /cm2 であり、また結晶CのA室5a側の表面の粗さのrms値は実施例4と同等の約0.5nmであった。
(実施例6)
実施例5と同様の実験を、基板2温度(すなわち、GaN結晶の先端部の温度)を700℃〜1300℃としておこなった。その結果、基板2温度が800℃〜1200℃の範囲で、実施例5と同様に板状のGaN自立単結晶Cが得られたが、基板2温度が800℃未満の場合には、GaNは多結晶状態となり、また基板2温度が1200℃よりも高い場合には、板状の結晶が得られはしたが、結晶には多くのクラックが生じてしまった。
実施例5と同様の実験を、基板2温度(すなわち、GaN結晶の先端部の温度)を700℃〜1300℃としておこなった。その結果、基板2温度が800℃〜1200℃の範囲で、実施例5と同様に板状のGaN自立単結晶Cが得られたが、基板2温度が800℃未満の場合には、GaNは多結晶状態となり、また基板2温度が1200℃よりも高い場合には、板状の結晶が得られはしたが、結晶には多くのクラックが生じてしまった。
(実施例7)
実施例5と同様の実験を、原料ガスの組成を変えて行った。
実施例5と同様の実験を、原料ガスの組成を変えて行った。
条件71(実施例5と同じ)
条件72
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm
条件73
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、H2 が50ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、H2 が2000ccm
条件74
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、N2 が50ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、N2 が2000ccm
条件75
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、H2 が50ccm、N2 が50ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、H2 が1000ccm、N2 が1000ccm
以上全ての条件で、実施例5とほぼ同様の結果が得られた。
条件72
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm
条件73
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、H2 が50ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、H2 が2000ccm
条件74
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、N2 が50ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、N2 が2000ccm
条件75
III族塩化物を含むガスg3:GaClが100ccm、H2 が50ccm、N2 が50ccm
NH3 を含むガスg5 :NH3 が1000ccm、H2 が1000ccm、N2 が1000ccm
以上全ての条件で、実施例5とほぼ同様の結果が得られた。
(実施例8)
図5の製造装置51により、上記実施例1〜4と同様の実験を多数枚の基板2に対して行ったところ、ほぼ実施例1〜4と同等の結果が得られた。
図5の製造装置51により、上記実施例1〜4と同様の実験を多数枚の基板2に対して行ったところ、ほぼ実施例1〜4と同等の結果が得られた。
(実施例9)
図6の製造装置61により、上記実施例1〜4と同様の実験を多数枚の基板2に対して行ったところ、ほぼ実施例1〜4と同等の結果が得られた。
図6の製造装置61により、上記実施例1〜4と同様の実験を多数枚の基板2に対して行ったところ、ほぼ実施例1〜4と同等の結果が得られた。
(実施例10)
図7の製造装置71により、上記実施例1〜4と同様の実験を多数枚の基板2に対して行ったところ、ほぼ実施例1〜4と同等の結果が得られた。
図7の製造装置71により、上記実施例1〜4と同様の実験を多数枚の基板2に対して行ったところ、ほぼ実施例1〜4と同等の結果が得られた。
(実施例11)
図4の製造装置41を基本構成とし、図5の製造装置51の構成も有する製造装置により、上記実施例5〜7と同様の実験を多数枚の基板2に対して行ったところ、ほぼ実施例5〜7と同等の結果が得られた。
図4の製造装置41を基本構成とし、図5の製造装置51の構成も有する製造装置により、上記実施例5〜7と同様の実験を多数枚の基板2に対して行ったところ、ほぼ実施例5〜7と同等の結果が得られた。
(実施例12)
図4の製造装置41を基本構成とし、図6の製造装置61の構成も有する製造装置により、上記実施例5〜7と同様の実験を多数枚の基板2に対して行ったところ、ほぼ実施例5〜7と同等の結果が得られた。
図4の製造装置41を基本構成とし、図6の製造装置61の構成も有する製造装置により、上記実施例5〜7と同様の実験を多数枚の基板2に対して行ったところ、ほぼ実施例5〜7と同等の結果が得られた。
(実施例13)
図4の製造装置41を基本構成とし、図7の製造装置71の構成も有する製造装置により、上記実施例5〜7と同様の実験を多数枚の基板2に対して行ったところ、ほぼ実施例5〜7と同等の結果が得られた。
図4の製造装置41を基本構成とし、図7の製造装置71の構成も有する製造装置により、上記実施例5〜7と同様の実験を多数枚の基板2に対して行ったところ、ほぼ実施例5〜7と同等の結果が得られた。
(実施例14)
基板2は、基板保持機構31により、図3(b)に示すように、結晶成長面XがC面、主表面であるA面あるいはM面が第1隔壁10の上下面と平行になるように保持し、成長は主としてC面で生じるように成長炉3内に設置し、実施例1〜15と同様の実験を行った。その結果、上記とほぼ同じ結果が得られ、低転位かつシングル・ドメインの単結晶A面およびM面GaN自立基板の製作に成功した。
基板2は、基板保持機構31により、図3(b)に示すように、結晶成長面XがC面、主表面であるA面あるいはM面が第1隔壁10の上下面と平行になるように保持し、成長は主としてC面で生じるように成長炉3内に設置し、実施例1〜15と同様の実験を行った。その結果、上記とほぼ同じ結果が得られ、低転位かつシングル・ドメインの単結晶A面およびM面GaN自立基板の製作に成功した。
(実施例15)
実施例1〜14と同様の実験を、III族塩化物の原料をAlClおよびInClとして行った。その結果、上記と同様に高効率に、低転位なAlN自立基板および低転位InN自立基板の成長に成功した。
実施例1〜14と同様の実験を、III族塩化物の原料をAlClおよびInClとして行った。その結果、上記と同様に高効率に、低転位なAlN自立基板および低転位InN自立基板の成長に成功した。
(実施例16)
実施例1〜14と同様の実験を、III族塩化物の原料をGaCl、AlClおよびInClの混合ガスとして行った。その結果、上記と同様に高効率に、低転位なAlx Ga1-xN(0<x<1)自立基板、低転位Iny Ga1-yN(0<y<1)自立基板および低転位Ina Alb Gac N(0<a<1,0<b<1,0<c<1,a+b+c=1)自立基板の成長に成功した。
実施例1〜14と同様の実験を、III族塩化物の原料をGaCl、AlClおよびInClの混合ガスとして行った。その結果、上記と同様に高効率に、低転位なAlx Ga1-xN(0<x<1)自立基板、低転位Iny Ga1-yN(0<y<1)自立基板および低転位Ina Alb Gac N(0<a<1,0<b<1,0<c<1,a+b+c=1)自立基板の成長に成功した。
(従来例)
比較のために、図8の従来の製造装置81で行ったGaNの成長実験の結果を述べる。基板温度は1100℃とした。基板は、φ2インチのC面サファイア基板上に500nmのGaN膜を形成したものを用いた。
比較のために、図8の従来の製造装置81で行ったGaNの成長実験の結果を述べる。基板温度は1100℃とした。基板は、φ2インチのC面サファイア基板上に500nmのGaN膜を形成したものを用いた。
この場合、成長速度が100μm/hr、Ga原料の使用効率としては6.6%であった。また、上で述べたように吹き出し口へGaNが大量に析出し、僅か40×3回の成長で吹き出し口が破損してしまった。
1 III族窒化物半導体の製造装置
2 基板
3 成長炉
4 隔壁
5a A室
5b B室
7 III族ガス出口
9 V族ガス出口
10 第1隔壁
11 第2隔壁
2 基板
3 成長炉
4 隔壁
5a A室
5b B室
7 III族ガス出口
9 V族ガス出口
10 第1隔壁
11 第2隔壁
Claims (13)
- 成長炉内に原料となるIII族ガスとV族ガスを供給し、これらガスで基板上にIII族窒化物半導体結晶を成長させるIII族窒化物半導体の製造装置において、上記成長炉は、隔壁で相互に分離された上記III族ガスが供給されるA室と、上記V族ガスが供給されるB室との少なくとも2室を備え、A室およびB室の両ガス出口を隣接させ、これら両ガス出口近傍に上記基板を配置したことを特徴とするIII族窒化物半導体の製造装置。
- 上記隔壁は、上記成長炉内の上流側を少なくとも上下あるいは左右2段に仕切り、A室とB室に区画形成する第1隔壁からなり、上記第1隔壁の下流側に、上記基板をその結晶成長面が上記成長炉内の下流側に臨むように保持する基板保持機構を設けた請求項1記載のIII族窒化物半導体の製造装置。
- 上記隔壁は、上記第1隔壁と、その第1隔壁の下流側に設けられて上記成長炉内を上流側と下流側に仕切り、上記成長炉内の下流側に上流側のA室及びB室と連通するガス排気室を区画形成する第2隔壁とからなる請求項2記載のIII族窒化物半導体の製造装置。
- 上記基板は略短冊状あるいは線状である請求項1〜3いずれかに記載のIII族窒化物半導体の製造装置。
- 上記基板の結晶成長面は、C面、A面、あるいはM面である請求項1〜4いずれかに記載のIII族窒化物半導体の製造装置。
- 上記第1隔壁の上流側に、その第1隔壁を上流側および下流側に移動する可動機構を接続した請求項2〜5いずれかに記載のIII族窒化物半導体の製造装置。
- 上記可動機構は、成長中の上記III族窒化物半導体結晶表面が概ね上記基板表面の成長開始位置となるように、上記III族窒化物半導体結晶の成長に応じて上記第1隔壁を上流側に移動させる移動速度に設定される請求項5記載のIII族窒化物半導体の製造装置。
- 上記III族ガス出口と上記V族ガス出口付近の温度を800〜1200℃とした請求項1〜7いずれかに記載のIII族窒化物半導体の製造装置。
- 上記III族ガス出口から放出された上記III族ガスと、上記V族ガス出口から放出された上記V族ガスとの一部を、A室に再度導入するガス再利用ラインを備えた請求項1〜8いずれかに記載のIII族窒化物半導体の製造装置。
- 上記成長炉内に上記第1隔壁を複数個設け、上記成長炉内に、A室とB室を上下あるいは左右1組としたガス供給部を複数個区画形成した請求項2〜9いずれかに記載のIII族窒化物半導体の製造装置。
- 成長炉内に原料となるIII族ガスとV族ガスを供給し、これらガスで基板上にIII族窒化物半導体結晶を成長させるIII族窒化物半導体の製造方法において、上記成長炉に、隔壁で相互に分離された上記III族ガスが供給されるA室と、上記V族ガスが供給されるB室との少なくとも2室を区画形成し、A室およびB室の両ガス出口を隣接させ、これら両ガス出口近傍に上記基板を配置することを特徴とするIII族窒化物半導体の製造方法。
- 上記III族ガスはIII族塩化物を含み、上記V族ガスはNH3 を含み、A室及び/又はB室に、上記III族ガス及び/又はV族ガスと共に水素、窒素、NH3 、HCl、あるいはこれらの混合ガスを供給する請求項11記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
- 上記基板上に、予め上記基板と上記III族窒化物半導体結晶間の格子定数差や線膨張係数差を緩和する多孔質の緩和層を形成しておき、その緩和層上に上記III族窒化物半導体結晶を成長させ、その後、上記緩和層を境にして上記III族窒化物半導体結晶から上記基板を剥離し、III族窒化物半導体自立基板を得る請求項11または12記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
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