JP2005179173A - アルミニウムを含有した窒化物半導体結晶の成長方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はAl含有窒化物単結晶の成長方法に関するものである。
【解決手段】本発明は、窒化物単結晶成長用基板上に窒化物シード層を形成する段階と、上記窒化物シード層上にストライプパターンを有する誘電体マスクを形成する段階と、Cl系ガスまたはBr系ガスを注入しながら、上記誘電体マスクが形成された窒化物シード層上にAlを含んだ窒化物半導体単結晶を成長させる段階を含む窒化物半導体単結晶の成長方法を提供する。本発明によると、横方向エピタキシャル過成長法(LEO)を利用してAlを含んだ窒化物結晶層を成長させる場合に、Cl系ガスまたはBr系ガスを注入することにより誘電体マスクの上面においてAl元素による結晶成長への悪影響(例えば、多結晶体の形成)を解消することができる。したがって、紫外線光素子に使用されるAlGaNのようなAl含有窒化物単結晶層をLEO法を利用して高品位な低欠陥単結晶層に成長させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は窒化物半導体結晶の成長方法に関するもので、より詳しくは横方向エピタキシャル過成長方法(lateral epitaxial overgrowth: LEO)を利用して低い結晶欠陥密度を有するアルミニウム(Al)含有窒化物半導体結晶の成長方法に関するものである。
一般に、III族窒化物半導体は可視光全領域ばかりでなく紫外線領域に至る広範囲の光を発する特性から、発光ダイオード(LED)またはレーザーダイオード(LD)形態の可視光及び紫外線LEDと青緑色光素子を製造する物質として脚光を浴びている。また、より高効率の光素子を製造するためには、III族窒化物半導体を高品位の単結晶薄膜に成長させる技術が必需的に要求される。
しかし、III族窒化物半導体はその格子定数及び熱膨張係数に適した基板が普遍化していないので、単結晶薄膜を成長すること自体に困難がある。大概、III族窒化物半導体は異種基板のサファイア(Al2O3)基板上に有機金属化学気相蒸着法(MOCVD)及び分子ビームエピタキシ法(MBE)などを利用したヘテロエピタキシ(heteroepitaxy)法により成長させる。しかし、サファイア基板を使用する場合にも格子定数及び熱膨張係数の不一致により高品質のIII族窒化物半導体単結晶を直接成長させがたいので、低温の核生成層と高温の単結晶成長を含んだ2段階成長法を採用するのが一般である。こうした2段階成長法を利用して、サファイア基板上に低温の核生成層を形成した後にIII族窒化物半導体単結体を成長させても、約109〜約1010cm-2の結晶欠陥を有することがわかる。
最近こうしたIII族窒化物半導体の結晶欠陥を縮減させるための方案として、横方向エピタキシャル過成長法(lateral epitaxial overgrowth:LEO)が活用されている。主に異種物質の界面間に発生した電位が成長方向に沿って進行するので、上記LEOにより成長させた結晶部分は高品位の単結晶を形成することになる。こうしたLEDを利用した窒化物半導体単結晶の成長方法は図3(a)ないし図3(d)に例示してある。
先ず、図3(a)のようにサファイア基板(11)上にGaNバッファ層(13)を成長させ、その上にストライプパターンを有する誘電体マスク(15)を形成する。こうした誘電体マスク(15)はSiO2及びSi3N4のような誘電体物質を蒸着し、次いでフォトリソグラフィー工程を利用して繰り返されたストライプ状にパターニングすることによって形成することができる。
次いで、上記誘電体マスク(15)が形成されたGaNバッファ層(13)上にLEOを利用して窒化物単結晶成長工程を開始すると、図3(b)のようにマスク(15)同士のウィンドウ領域(w)に限られ窒化物単結晶(17')が成長する。
上記窒化物単結晶(17')の高さが誘電体マスク(15)の高さを超過すると、図3(c)のように上記窒化物単結晶(17")は誘電体マスク(15)上への横方向成長が進行し、最後にこうした横方向成長によって図3(d)のように上記誘電体マスク(15)上まで窒化物単結晶(17)ができる。
上述したように、バッファ層(13)を使用しても、バッファ層(13)と窒化物単結晶(17)との間に発生した欠陥から始まる電位が成長方向に進む。しかし、LEOにより成長させた単結晶部分(17b)は電位伝播方向と異なる水平方向に成長させてあるので殆ど電位が伝播されない。したがって、上記誘電体マスクパターン上の単結晶部分(17b)はマスク(15)同士の単結晶部分(17a)に比して優れた単結晶に形成され、その結晶欠陥密度が<108cm-2(108cm-2未満)ほどに減少する効果を奏する。
しかし、上述したLEO方法を利用しても、AlGaNのようなAl含有窒化物単結晶を低欠陥、高品位単結晶に成長させがたい。これはAl元素がSiO2またはSi3N4のような誘電体マスク物質と高い反応性を示し、Al吸着原子(adatom)の表面移動度(surface mobility)が低く誘電体上にも結晶が成長するからである。したがって、図3(b)に示した領域(P)のように、Al含有窒化物は誘電体マスクパターンと接した部分(17b)において多結晶体に形成され、その結果高品位の結晶は成長しがたい。
このように、従来にはAlGaNのようなAl含有窒化物半導体を低欠陥、高品位の単結晶に成長させられる適合した方案が提示されなかった。
本発明は上述した従来技術の問題を解決するためのもので、その目的は所定のエッチングガスを反応チャンバー内に流入させ、持続的に誘電体マスクパターン上に生成する多結晶体を除去する横方向エピタキシ過成長法(LEO)を利用したAl含有窒化物単結晶の成長方法を提供することにある。
上記技術的課題を成し遂げるために、本発明は、窒化物単結晶成長用基板上に窒化物シード層を形成する段階と、上記窒化物シード層上にストライプパターンを有する誘電体マスクを形成する段階と、Cl系ガスまたはBr系ガスを注入しながら上記誘電体マスクが形成された窒化物シード層上にAl含有窒化物半導体単結晶を成長させる段階を含む窒化物半導体単結晶の成長方法を提供する。
上記窒化物シード層はバッファ層として使用できる低温核成長層であることができ、上記窒化物シード層はAlxInyGa(1-x-y)N組成式(ここで0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1である)を満足する結晶層であることができる。また、本発明に用いられる誘電体マスクはSiO2またはSi3N4から成ることができる。
本発明において誘電体マスク上に形成される多結晶体の除去に使用されるエッチングガスであるBr系ガスとCl系ガスは、Br2、Cl2、CBr4、CCl4、HBr及びHClから成る群から選択された少なくとも一種であることができる。
とりわけ、本発明は上記Al含有窒化物半導体単結晶は広いバンドギャップを有するAlGaNであることができる。また、本発明による低欠陥単結晶の成長方法はAlGaN発光ダイオードのように紫外線及び可視光線ソースに用いられるAl含有窒化物半導体発光素子の製造方法に採用することができる。
上述したように、本発明によると、横方向エピタキシャル過成長法(LEO)を利用してAl含有窒化物結晶層を成長させる際、Cl系ガスまたはBr系ガスを注入することにより誘電体マスク上面においてAl元素による結晶成長への悪影響(例えば、多結晶体の形成)を解消することができる。したがって、紫外線光素子に使用されるAlGaNのようなAl含有窒化物単結晶層をLEO法を利用して高品位低欠陥単結晶層に成長させることができる。
以下、添付の図を参照しながら本発明をより詳しく説明する。
図1は本発明の一実施例による窒化物半導体結晶の成長方法を示した工程フロー図である。
先ず、本発明による窒化物半導体結晶の成長方法はサファイア基板を用意する段階(S21)から始まる。サファイア基板の他にもSiC基板のような他窒化物単結晶成長用基板または同種の窒化物単結晶基板を使用することもできる。
次いで、段階(S23)において上記サファイア基板上にGaNバッファ層のような窒化物シード層を成長させる。上記窒化物シード層は高品質の窒化物結晶層を成長させるためのバッファの役目を果たす層のことをいう。例えば、GaNまたはAlNのような低温核成長層であることができ、AlxInyGa(1-x-y)N組成式(ここで0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1である)を満足する結晶層であることができる。
次に、上記窒化物シード層上にストライプ状の誘電体マスクを形成する段階(S25)を行う。上記誘電体マスクはSiO2またはSi3N4のような通常の誘電体物質であることができ、上記窒化物シード層上に誘電体層を蒸着する工程とフォトリソグラフィー工程を利用して選択的にエッチングする工程を通して得ることができる。
段階(S27)においては、Cl系ガスまたはBr系ガスを注入しながら、上記誘電体マスクが形成された窒化物シード層上に横方向エピタキシャル過成長法(LEO)を利用してAl含有窒化物単結晶を成長させる。横方向成長条件において、上記誘電体マスク間の窒化物シード層上に成長していたAl含有窒化物単結晶層は上記誘電体マスクの高さまで成長すると、誘電体マスク上へ横方向成長が進み、この過程においてCl系ガスまたはBr系ガスにより誘電体マスク上面に発生するAl起因多結晶体を除去することができる。
したがって、本発明に用いられたエッチングガス注入工程によりAl元素による多結晶体が除去された誘電体マスクの上面に所望の横方向成長工程を行うことができるので、上記誘電体マスク上面に形成されたAl含有窒化物単結晶は横方向成長工程により欠陥密度が著しく低下した高品位の単結晶に成長することができる。
図2(a)ないし図2(d)は本発明の一実施例による窒化物半導体結晶の成長方法を説明するための工程断面図である。
先ず、図2(a)のように、サファイア基板(31)上に窒化物シード層(33)を成長させ、その上にストライプ状の誘電体マスク(35)を形成する。上記窒化物シード層(33)は高品質の窒化物結晶層を成長させるためのバッファの役目をする層のことをいう。例えば、低温核成長層であることができ、AlxInyGa(1-x-y)N組成式(ここで0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1である)を満足する結晶層であることができる。上記誘電体マスク(35)は上記窒化物シード層(33)上面に誘電体層を蒸着した後にフォトリソグラフィー工程を施し選択的にエッチングすることにより形成することができる。
続いて図2(b)及び図2(c)のように、Cl系ガスまたはBr系ガスを注入しながら、上記誘電体マスク(35)が形成された窒化物シード層(33)上に横方向エピタキシャル過成長法(LEO)を利用してAl含有窒化物単結晶(37'、37")を成長させる。先ず、図2(b)のように、上記誘電体マスク(35)間のウィンドウ領域(w)に限って上記窒化物単結晶(37')が成長し、次いで図2(c)のように上記誘電体マスク(35)の高さまで成長した窒化物単結晶(37")は誘電体マスク(35)上に横方向成長が進む。
本LEO成長過程においてAl元素が誘電体マスク物質と高い反応性を示し吸着原子の表面移動度が低いので、上記誘電体マスク(35)に残留しながら多結晶体を形成しかねない。こうした多結晶体のため誘電体マスク(35)上に高品位結晶を成長させられないので、本発明においてはCl系ガスまたはBr系ガスを注入して誘電体マスク(35)上面のAl起因多結晶体を除去した条件下において所望の高品位窒化物結晶を形成する。本発明に用いたCl系ガス及び/またはBr系ガスはBr2、Cl2、 CBr4、CCl4、HBr及びHClから成る群から選択された少なくとも一種であることができ、Al含有多結晶体に対して高エッチング率を有する。
また、本発明のCl系ガスまたはBr系ガスの注入工程は横方向エピタキシャル成長工程が完了するまで行うことが好ましいが、但し横方向成長する窒化物単結晶により誘電体マスクが完全に覆われるまでエッチングガスの注入工程を施せば十分である。
最後に、図2(d)には上記誘電体マスク(35)上面まで横方向成長が完了した窒化物単結晶(37)が示してある。上記誘電体マスク間の窒化物シード層領域上に形成されたAl含有窒化物単結晶層部分(37a)は格子不整合などにより界面に電位が多少発生するのに比して、上記誘電体マスク上に形成されたAl含有窒化物単結晶層部分(37b)においては横方向成長により電位がほぼ伝播されない同時に、エッチングガスを利用してAl起因多結晶体が除去された状態で成長工程が進行するので、所望の高品位結晶に成長させることができる。
Al含有窒化物半導体、とりわけAlxGa1-xNは広いバンドギャップを有する物質として、最近脚光を浴びている高出力UV発光ダイオードまたはレーザーダイオードの製造に主に用いられ、こうした光素子に製造される際結晶内の欠陥は光効率を低下させる原因となるので、本発明による結晶の成長方法は高出力UV光素子の製造に有用に採用できるはずである。
(実施例)
本発明の製造方法により製造したAl含有窒化物単結晶の優れた結晶性を確認するために次のような条件で実験を行った。
先ず、サファイア基板上にMOCVD工程のための反応チャンバーに搭載し、圧力500mbar、温度1190℃とする条件において、トリメチルガリウムを50sccm、アンモニア(NH3)を7slmの流量に調節して、2μm厚さのGaN薄膜を成長させた。
次に、上記GaN薄膜上に0.2μm厚さのSiO2誘電体層を蒸着した後、マスク幅が9μmになり、その間のウィンドウ領域が3μmになるようパターニングして誘電体マスクを用意した。
次に、上記誘電体マスクが形成されたGaN薄膜上にMOCVD法を利用してAl含有窒化物単結晶であるAl0.1Ga0.9N結晶を形成した。
Al0.1Ga0.9N結晶のための成長条件は横方向エピタキシャル過成長条件を満足するよう同一温度において反応チャンバー内の圧力を200mbarとし、同じアンモニア流量条件においてトリメチルガリウムとトリメチルアルミニウムを夫々50sccmと10sccmに調節する同時に、誘電体マスク上のAl起因多結晶層を除去するためのエッチングガスとしてCBr4ガスを600sccmで上記反応チャンバー内に混入させた。
最終的に成長したAl0.1Ga0.9N結晶中誘電体マスク上の結晶状態を調査し、その結果、本実施例による結晶の欠陥密度が1.2×108cm-2であった。これはLEOでない通常の成長方法から得られる欠陥密度(約109〜約1010cm-2)よりずっと低いレベルであり、Al元素による多結晶体が除去されながらLEO成長を通して高品位の単結晶層が形成されることを確認させてくれる結果である。
このように、本発明は上述した実施形態及び添付した図により限定されるものではなく、添付の請求範囲により限定されるもので、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内において様々な形態の置換、変形及び変更が可能なことは当技術分野において通常の知識を有する者には自明であろう。
本発明の一実施例による窒化物半導体結晶の成長方法を示した工程フロー図である。 本発明の一実施例による窒化物半導体結晶の成長方法を説明するための工程断面図である。 従来の窒化物半導体結晶の成長方法を説明するための工程断面図である。
符号の説明
31 サファイア基板
32 窒化物シード層
35 誘電体マスク
37 窒化物単結晶

Claims (7)

  1. 窒化物単結晶成長用基板上に窒化物シード層を形成する段階と、
    上記窒化物シード層上にストライプパターンを有する誘電体マスクを形成する段階と、
    Cl系ガスまたはBr系ガスを注入しながら、上記誘電体マスクが形成された窒化物シード層上にAl含有窒化物半導体単結晶を成長させる段階と、
    を含む窒化物半導体単結晶の成長方法。
  2. 上記窒化物シード層は低温核成長層であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体単結晶の成長方法。
  3. 上記窒化物シード層はAlxInyGa(1-x-y)N組成式(ここで0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1である)を満足する結晶層であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体単結晶の成長方法。
  4. 上記誘電体マスクはSiO2またはSi3N4から成ることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体単結晶の成長方法。
  5. 上記Br系ガスまたは上記Cl系ガスは、Br2、Cl2、CBr4、CCl4、HBr及びHClから成るグループから選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体単結晶の成長方法。
  6. 上記Al含有窒化物半導体単結晶はAlGaNであることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体単結晶の成長方法。
  7. 請求項1ないし6中いずれかの方法を含む窒化物半導体発光素子の製造方法。
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