JP2008091602A - 抵抗変化型メモリ素子材料の製造方法 - Google Patents

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Yoshihiko Kanzawa
好彦 神澤
Takeshi Takagi
剛 高木
Takumi Mikawa
巧 三河
Koji Arita
浩二 有田
Yoshio Kawashima
良男 川島
Shikiyo Gi
志強 魏
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Abstract

【課題】鉄酸化物を使った抵抗変化型メモリの製造過程において、プロセス中に意図的でない熱処理によって鉄酸化物の抵抗値が変化するのを防ぐ方法を提供する。
【解決手段】本発明は、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に接続される可変抵抗薄膜から成る記憶素子の製造方法であって、可変抵抗薄膜として、第1の酸化鉄膜を形成する工程と、第1の酸化鉄膜を酸素が存在しない雰囲気で熱処理して、第2の酸化鉄膜へと変化させる工程とを含む事を特徴とする。第1の酸化鉄膜としては、マグヘマイト(γ−Fe)、ヘマタイト(α−Fe)、マグネタイト(Fe)とマグヘマイト(γ−Fe)とすることができる。マグヘマイトは、酸素のない雰囲気で熱処理をすることにより、ヘマタイトとなる。熱処理の温度は、300℃以上が好ましい。
【選択図】図4

Description

本発明は、与えられる電気的パルスに応じてその抵抗値が変化する鉄酸化膜からなる可変抵抗材料を用いたメモリ素子の製造方法に関する。
近年、インターネットの普及やパーソナルコンピュータの高性能化に伴ってデータ保存に使用される半導体メモリ素子への要望が非常に大きくなっている。また、家電製品のデジタル化によって、あらゆる機器に半導体メモリ素子が搭載されるようにもなってきており、さらなるメモリ素子の大容量化、低電力駆動化、長寿命化、低コスト化が要求されている。
一般に、メモリ素子は、揮発性メモリ素子と不揮発性メモリ素子に大別できる。前者の代表がDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。DRAMは、動作速度が速く、高集積も可能であるが、電源が切れると記録されたデータが消失してしまうという問題点がある。一方で後者の不揮発性メモリは、その名の通り電源が切れても記憶したデータは保持されるという非常に有用な特徴を持っている。この代表例がフラッシュメモリであるが、DRAMと比較して、動作速度が遅く、高集積化も困難という欠点がある。
このような背景から、現在、高集積化可能で、動作速度が速い不揮発性メモリの開発が盛んに行われている。例えば、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、MRAM(Magnetic Random Access Memory)、PRAM(Phase-change Random Access Memory)、そして、ReRAM(Resistive Random Access Memory)である。この中でも特に、ReRAMは、高集積化、低コスト化が可能であると考えられており、研究が盛んに行われている。
図7は、現在研究されているReRAMの抵抗変化型記憶素子部分の基本構成である。すなわち、下部電極101と上部電極103の間に可変抵抗材料102が挟まれたような非常に単純な構造である。そして、メモリ動作は、下部電極101と上部電極103の間に所定の電気的パルスを与えて、可変抵抗材料102の抵抗値を増大もしくは減少させる事によって行う(以下、このような動作の事をReRAM動作と呼ぶ)。つまり、電気パルスによって変化した抵抗値を異なる数値の記憶として用いることにより、メモリ素子として応用するのである。
研究当初は、特許文献1に開示されているように、ペロブスカイト系の材料(例えば、Pr(1−X)CaMnO(PCMO)、LaSrMnO(LSMO)、GdBaCoO(GBCO)など)がReRAMの可変抵抗材料として用いられてきた。しかし、最近になって、ニッケル、チタン、亜鉛等の酸化膜も可変抵抗材料になる事が見い出された(特許文献2)。さらに、鉄の酸化物でもReRAM動作が確認されている(特許文献3)。
米国特許第6204139号明細書 特開2004−363604号公報 特開2004−80259号公報
図7にReRAMの基本構成要素を示したが、この構造だけでは、産業的に利用可能なメモリとはならない。すなわち、産業的に利用可能なメモリとするには、図7の基本構成要素を埋め込み、配線を施す必要がある。例えば、図8に示したように、第1の配線201上に第1のコンタクト202を形成し、その上に、図7のような基本構成要素である下部電極203、可変抵抗材料204、上部電極205を形成後に、層間絶縁膜208や第2のコンタクト206、第2の配線207等を形成する事が必要となる。このような構造を作るには、図7の基本構成要素を形成後、フォトリソグラフィー工程、ドライエッチング工程、層間絶縁膜堆積工程等の半導体プロセスを経る必要がある。このようなプロセス工程は、全てを室温で行う事は不可能であり、ある程度の高温処理が不可欠となるが、この場合、可変抵抗膜もプロセス中の熱にさらされる事になる。
一方で、ReRAMは、上でも述べたように、抵抗変化現象を利用するメモリであるため、可変抵抗膜の抵抗値の安定性は非常に重要である。もしこの抵抗値が上記のプロセス中の熱によって変化してしまえば、メモリとしての特性が大きく変化してしまう事になる。つまり、可変抵抗膜を形成した後のプロセス時の微妙な温度のふらつきによって、抵抗値が変化してしまえば、メモリ素子の特性のばらつきにつながり、好ましくない。実際、下記で詳しく述べるが、少なくとも鉄酸化物は、300℃以下程度の比較的低い温度域で抵抗値が大きく変化する事が明らかとなっており、この熱による抵抗値変化を除去するための手段が必要である。
本発明は上記課題に鑑み、可変抵抗膜としての鉄酸化物の抵抗値を熱的に安定させる方法を提供する事を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の抵抗変化型メモリ素子材料の製造方法は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に接続される可変抵抗薄膜から成る記憶素子の製造方法であって、前記可変抵抗薄膜として、第1の酸化鉄膜を形成する工程と、前記第1の酸化鉄膜を酸素が存在しない雰囲気で熱処理して、第2の酸化鉄膜へと変化させる工程とを含む事を特徴とする。
前記第1の酸化鉄膜にはマグヘマイト(γ−Fe)を含んで熱処理することが好ましい。この際の熱処理温度は、350℃以上である事が好ましい。
また、前記第1の酸化鉄膜にはヘマタイト(α−Fe)を含んで熱処理することが好ましい。この際の熱処理温度は、300℃以上である事が好ましい。
さらに、前記第1の酸化鉄膜にはマグネタイト(Fe)とマグヘマイト(γ−Fe)を含んで熱処理することが好ましい。この際の熱処理温度は、350℃以上である事が好ましい。
以上の方法により、本発明の製造方法を適用すれば、一旦、安定化させた鉄酸化膜は、プロセス過程に加えられる熱によっても抵抗値が変化しなくなり、メモリ素子製造時の歩留まり向上につながる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の記憶素子の製造方法は、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に接続される可変抵抗薄膜から成る、いわゆるReRAM記憶素子の製造方法であって、まず、可変抵抗薄膜として第1の酸化鉄膜を形成し、これによって形成された第1の酸化鉄膜を、酸素が存在しない雰囲気で熱処理して第2の酸化鉄膜へと変化させる工程を含むものである。
第1の酸化鉄膜としてはマグヘマイト(γ−Fe)を含んで熱処理することが好ましい。この際の熱処理温度は、350℃以上である事が好ましい。
また、第1の酸化鉄膜としてはヘマタイト(α−Fe)を含んで熱処理することが好ましい。この際の熱処理温度は、300℃以上である事が好ましい。
さらに、第1の酸化鉄膜としてはマグネタイト(Fe)とマグヘマイト(γ−Fe)を含んで熱処理することが好ましい。この際の熱処理温度は、350℃以上である事が好ましい。
以上の工程を経て作成されたメモリ素子は、鉄酸化膜が安定化され、プロセス過程に加えられる熱によっても、抵抗値がほとんど変化しなくなり、これにより、メモリ素子製造時の歩留まり向上につながることとなる。
以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照して説明する。なお、鉄酸化膜と呼ばれるものには、大きく分けて3つの形態がある。すなわち、マグネタイト(Fe)、マグへマイト(γ-Fe)、ヘマタイト(α-Fe)である。このうち、マグネタイトの抵抗値は熱的に比較的安定であるが、マグへマイトとヘマタイトの抵抗値は熱処理によって大きく変化する。以下では、マグへマイトとヘマタイトの抵抗値の安定化と、マグへマイトとマグネタイトの混合物の抵抗値の安定化方法について順に説明する。
(実施例1)
まず、マグへマイトの抵抗の熱処理依存性を調べるために次のような実験を行った。
Si基板の表面を熱酸化させてSiO層を200nm形成し、その上に、Ptターゲットをスパッタリングして、Pt層を200nm形成した。このようにして作製した基板上に、マグネタイトをターゲットとしてスパッタリングを行う事により、鉄酸化物を100nm堆積した。なお、この時、スパッタリングは、Arガス圧力を1.6Pa、Oガス圧力を0.4Paの雰囲気の下で、500Wの高周波パワーを印加して行った。また基板の温度は300℃に設定した。
以上のような方法で作製した鉄酸化物のas−depo.状態での赤外線の反射吸収測定を行った。その結果が、図1の一番下のスペクトルである。このスペクトルでは、600cm−1から800cm−1にブロードな吸収ピークが現れている。このようなスペクトルの特徴は、過去に報告されているマグヘマイトのスペクトルの特徴と一致しており、上記の条件で作製した鉄酸化物の主成分はマグヘマイトであると分かった。なお、この試料の抵抗率を測定した所、2.3×1010mΩcmであった。
次にこの試料に熱処理を行った。熱処理は、ランプアニール装置を用いて行った。熱処理中に試料が酸化されるのを防ぐため、試料をランプアニール装置に投入してから、ランプアニール内を、6l/minの流量のNガスで5分間置換した。その後、100℃/minの速度で所定温度まで試料を加熱し、所定温度で10分間保持した。その後、降温し、試料の温度が50℃以下になった所でランプアニール装置から取り出した。このような熱処理を200℃〜600℃の範囲で行った。
この時の試料の抵抗率の変化を図2に示す。この結果を見ると、抵抗率は、最初アニール温度の上昇に伴って、急激に低下しているがわかる。しかし、この急激な変化は、350℃以上の温度域でほぼ一定に落ち着いているのが分かる。一般的に、熱による物質の変化は、不可逆的であり、例えば、一旦、x℃で熱処理を行った試料をy(x>y)℃で熱処理を行っても物質の物理的特性は大きくは変化しない。実際、350℃〜600℃で熱処理した試料を、再度、200℃で熱処理しても、抵抗値はほとんど変化しなかった。以上の結果から、350℃以上の熱処理を一旦行っておけば、抵抗値は熱的にほぼ安定すると考えられる。
図1には、200℃から600℃の熱処理を加えたときの、試料の赤外吸収スペクトルを示している。この図を見ると、as−depo.状態では、600cm−1から800cm−1にあったブロードな吸収ピークが熱処理温度の上昇とともに、650cm−1の比較的シャープな吸収ピークに変化している。この650cm−1の吸収ピークは、ヘマタイトの吸収ピークに一致しており、熱アニールによって、マグヘマイトがヘマタイトに変化したと考えられる。但し、400℃程度までスペクトルの吸収ピークは750cm−1付近の高波数側に裾を引いた状態になっており、まだマグヘマイトが試料中に残存していると考えられる。
公知文献等によれば、ヘマタイトの抵抗値はマグヘマイトよりも高いとされているので、図2に示す抵抗率変化は矛盾している。この矛盾の原因は現時点では明らかではないが、一つの可能性として、鉄の析出が考えられる。つまり、酸素が存在しないような状況での熱処理によって試料中で若干の還元が起こったか、as−depo.の状態で若干の酸素欠損したマグヘマイトであったものが熱処理によって相分離して、鉄が析出した可能性が考えられる。そして、このFeが電気伝導の経路となって、抵抗率が下がった可能性がある。
上記の結果から、図7の構造を基本構成要素として含むReRAMを製造する場合、下部電極101と、マグヘマイトを主成分として含む可変抵抗膜102を形成後のどこかの段階で、350℃以上の熱処理を行う工程を加えれば可変抵抗膜の抵抗率を安定化させる事ができるのが分かる。この工程は、可変抵抗膜102の形成直後でも良いし、上部電極103の形成直後でも良い。今回の抵抗変化膜の抵抗値の熱的な安定化は、別の表現をすれば、熱処理によって抵抗値をある値に収束させる方法であるといえる。例えば、図7のReRAMの基本構成要素を形成後のどこかのプロセスで、200℃程度の熱が可変抵抗膜にかかってしまい、抵抗値が中途半端な値に変化したものを、ある値に収束させるために本発明の方法を用いても良い。すなわち、ReRAM製造の全ての工程が完了した後に、350℃以上の熱処理を加えて、抵抗値を既知の値に収束させるような使い方をしても良い。また、350℃以上の熱処理を加えるためだけの工程を加えずとも、図7のようなReRAMの基本構成要素を形成後の層間絶縁膜の堆積を350℃以上の温度で行い、この時の熱によって、可変抵抗膜の抵抗値を安定化させても良い。
なお、上記の実施の形態では、マグヘマイトを酸素を添加したような雰囲気中でスパッタリングする事により作製したが、これに限定されるものではない。例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)によって作製しても良いし、一旦マクネタイトを形成後、酸化を施して作製しても良い。また熱処理は、ランプアニール装置を用いて、N中、10分間という条件で行ったが、これもこの方法に限定されない。例えば、電気炉を用いてArガス中で行っても良い。つまり、マグヘマイトが酸化を起こさせないような雰囲気、言い換えれば、酸素ががマグヘマイトに到達しないような条件下で熱処理を行えばよい。
(実施例2)
次に鉄酸化物として、ヘマタイトを使った場合について説明する。
まず、ここでも、Si基板の表面を熱酸化させてSiO層を200nm形成し、その上に、Ptターゲットをスパッタリングして、Pt層を200nm形成した。このようにして作製した基板上に、マグネタイトをターゲットとしてスパッタリングを行う事により、鉄酸化物を100nm堆積した。なお、この時、スパッタリングは、Arガス圧力を2Paの雰囲気の下で、500Wの高周波パワーを印加して行った。また基板の温度は300℃に設定した。その後、ランプアニール装置内に基板を導入し、酸素を流した状態で、450℃で1分間酸化処理を行った。
以上のような方法で作製した鉄酸化物のas−depo.状態での赤外線の反射吸収測定を行った。その結果が、図3の一番下のスペクトルである。このスペクトルでは、650cm−1と、520cm−1付近にピークが現れている。このようなスペクトルの特徴は、過去に文献報告されているヘマタイトのスペクトルの特徴と一致しており、この試料の主成分はヘマタイトであると分かった。なお、この試料の抵抗率測定した所、3.0×1010mΩcmであった。
次にこの試料に熱処理を行った。熱処理は、ランプアニール装置を用いて行った。ここでも実施例1と同様の方法で、試料をRTA装置に投入してからNガスパージを行い、所定温度まで試料を加熱して10分間保持した。その後、降温して取り出した。このような熱処理を200℃〜600℃の範囲で行った。
この時の試料の抵抗率の変化を図4に示す。この場合も、抵抗率は、最初アニール温度の上昇に伴って、急激に低下しており、300℃以上の温度域でほぼ飽和しているのが分かる。ここでも、300℃〜600℃で熱処理した試料を、再度、200℃で熱処理したが抵抗値はほとんど変化しなかった。以上の結果から、300℃以上の熱処理を一旦行っておけば、抵抗値は熱的にほぼ安定すると考えられる。
図3には、200℃から600℃の熱処理を加えたときの、試料の赤外吸収スペクトルも示している。この図を見ると、今回のヘマタイトを主成分として含む試料の場合、熱処理によって、スペクトルは変化していない事が分かる。つまり、試料のマクロな構造は熱処理によって変化を起こさないという事である。それにもかかわらず、図4のように抵抗値が変化している。この原因も現時点では明らかではないが、ここでも、熱処理によって試料中で若干の還元が起こったか、as−depo.の状態で若干の酸素欠損したヘマタイトであったものが相分離して、鉄が析出した可能性が考えられる。そして、このFeが電気伝導の経路となって、抵抗率が下がった可能性がある。
上記の結果から、図7の構造を基本構成要素として含むReRAMの製造工程において、下部電極101と、ヘマタイトを主成分として含む可変抵抗膜102を形成後のどこかの段階で、300℃以上の熱処理を行う工程を加えれば可変抵抗膜の抵抗率を安定化させる事ができるのである。この工程は、実施例1と同様に、可変抵抗膜102の形成後ならどの段階でも良い。また特別に熱処理を行うためだけの工程を加えなくとも、例えば、層間絶縁膜の堆積工程で、300℃以上の熱処理を加えても良い。
なお、上記の実施例では、スパッタリングによって、マグネタイトを一旦形成後に酸化してヘマタイトを作製したが、これに限定されるものではない。例えば、酸素を添加した雰囲気中でマグネタイトやヘマタイトのターゲットをスパッタリングして作製しても良いし、CVD(Chemical Vapor Deposition)によって作製しても良い。また熱処理は、RTA装置を用いて、N中、10分間という条件で行ったが、これもこの方法に限定されない。ヘマタイトが酸化されないような雰囲気下で熱処理を行えば良い。
(実施例3)
最後に鉄酸化物として、マグネタイトとマグヘマイト使った場合について説明する。
まず、ここでも、Si基板の表面を熱酸化させてSiO層を200nm形成し、その上に、Ptターゲットをスパッタリングして、Pt層を200nm形成した。このようにして作製した基板上に、マグネタイトをターゲットとしてスパッタリングを行う事により、鉄酸化物を100nm堆積した。なお、この時、Arガス圧力を2Paの雰囲気の下で、500Wの高周波パワーを印加してスパッタリング処理を行った。また基板の温度は300℃に設定した。その後、ランプアニール装置内に基板を導入し、酸素を流した状態で、300℃で1分間酸化処理を行った。
以上のような方法で作製した鉄酸化物のas−depo.状態での赤外線の反射吸収測定を行った。その結果が、図5の一番下のスペクトルである。このスペクトルでは、550cm−1に比較的シャープなピークと、600cm−1から800cm−1付近にブロードで微弱なピークが観測されている。過去の公知文献と比較すると、550cm−1のピークはマグネタイトと一致し、600cm−1から800cm−1付近のピークの特徴は、マグヘマイトのスペクトルの特徴と一致している。これらの事から、この試料は主成分としてマグネタイトとマグヘマイトを含んでいると考えられる。なお、このad−depo.状態の試料の抵抗率は、6.2×10mΩcmであった。
次にこの試料に熱処理を行った。熱処理は、ランプアニール装置を用いて行った。ここでも実施例1及び実施例2と同様の方法で、試料をRTA装置に投入してからNガスパージを行い、その後、所定温度まで試料を加熱して10分間保持した。その後、降温して取り出した。このような熱処理を200℃〜600℃の範囲で行った。
この時の試料の抵抗率の変化を図6に示す。抵抗率は、最初アニール温度の上昇に伴って、急激に低下しており、350℃付近を境にほぼ飽和しているのが分かる。ここでも、300℃〜600℃で熱処理した試料を、再度、200℃で熱処理したが抵抗値はほとんど変化しなかった。以上の結果から、350℃以上の熱処理を一旦行っておけば、抵抗値は熱的にほぼ安定すると考えられる。
図5には、200℃から600℃の熱処理を加えたときの、試料の赤外吸収スペクトルも示している。この図を見ると、550cm−1のピークはシャープに変化しているものの、それほど大きくは変化していない。一方、600cm−1から800cm−1付近にブロードの微弱なピークは300℃から350℃付近を境にして、650cm−1の比較的シャープなピークへと変化している。同時に520cm−1付近に新たなピークが出現している。これら二つのピークはヘマタイトのスペクトルの特徴と一致している。以上の事より、as−depo.から250℃アニール程度まではマグネタイトとマグヘマイトの混合物が主成分であった試料が、300℃から350℃付近を境にマグネタイトとヘマタイトの混合物へと変質している。
図6の抵抗率変化の原因であるが、これは、マグネタイト成分の結晶性の向上に関連があると考えられる。上記で述べたように、赤外吸収スペクトルでは、550cm−1マグネタイトのピークがシャープ変化している。一般に赤外吸収スペクトルのピークのシャープ化は、結晶性の向上によるものと解釈される。この事から、熱処理によって、試料中のマグネタイトの結晶性が向上し、電気が流れやすくなって、抵抗が下がったと考えられる。さらに実施例1と実施例2で述べた時と同じように、鉄の析出が抵抗率の低下に関連している可能性もある。
上記の結果から、図7の様な構造を基本構成要素として含むReRAMの製造工程において、下部電極101と、マグネタイトとマグヘマイトを主成分として含む可変抵抗膜102を形成後のどこかの段階で、350℃以上の熱処理を行う工程を加えれば可変抵抗膜の抵抗率を安定化させる事ができるのである。この工程は、実施例1及び実施例2と同様に、可変抵抗膜102の形成後ならどの段階でも良い。また特別に熱処理を行うためだけの工程を加えなくとも、他の、例えば、層間絶縁膜の堆積工程で、350℃以上の熱処理を加えても良い。
なお、上記の実施例では、スパッタリングによって、マグネタイトを一旦形成後に酸化して、マグネタイトとマグヘマイトの混合物へと変化させたが、マグネタイトとマグヘマイトの混合物の作製方法はこれに限定されるものではない。例えば、酸素を添加した雰囲気中でマグネタイトやヘマタイトのターゲットをスパッタリングして作製しても良いし、CVD(Chemical Vapor Deposition)によって作製しても良い。また熱処理は、RTA装置を用いて、N中、10分間という条件で行ったが、これもこの方法に限定されず、酸化がおこらないような雰囲気下で熱処理を行えばよい。
本発明の抵抗変化型メモリ素子材料の製造方法に従えば、プロセスのばらつきによる抵抗値の不安定性が除去されるため、量産時の歩留まりの向上に役立つ。
本発明の第1の実施形態において、マグヘマイトを主成分として含む試料の赤外吸収スペクトルのアニール温度依存性を示すグラフ 本発明の第1の実施形態において、マグヘマイトを主成分として含む試料の抵抗率のアニール温度依存性を示すグラフ 本発明の第2の実施形態において、ヘマタイトを主成分として含む試料の赤外吸収スペクトルのアニール温度依存性を示すグラフ 本発明の第2の実施形態において、ヘマタイトを主成分として含む試料の抵抗率のアニール温度依存性を示すグラフ 本発明の第3の実施形態において、マグネタイトとマグヘマイトを主成分として含む試料の赤外吸収スペクトルのアニール温度依存性を示すグラフ 本発明の第3の実施形態において、マグネタイトとマグヘマイトを主成分として含む試料の抵抗率のアニール温度依存性を示すグラフ 従来のReRAMの抵抗変化型記憶素子部分の基本構成を示す図 従来のReRAMの基本構造を示す図
符号の説明
101 下部電極
102 可変抵抗薄膜
103 上部電極
201 第1の配線
202 第1のコンタクト
203 下部電極
204 可変抵抗膜
205 上部電極
206 第2のコンタクト
207 第2の配線
208 層間絶縁膜

Claims (6)

  1. 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に接続される可変抵抗薄膜から成る記憶素子の製造方法であって、前記可変抵抗薄膜として、第1の酸化鉄膜を形成する工程と、前記第1の酸化鉄膜を酸素が存在しない雰囲気で熱処理して、第2の酸化鉄膜へと変化させる工程とを含む事を特徴とする抵抗変化型メモリ素子材料の製造方法。
  2. 前記第1の酸化鉄膜にはマグヘマイト(γ−Fe)が含まれる事を特徴とする請求項1に記載の抵抗変化型メモリ素子材料の製造方法。
  3. 前記第1の酸化鉄膜にはヘマタイト(α−Fe)が含まれる事を特徴とする請求項1に記載の抵抗変化型メモリ素子材料の製造方法。
  4. 前記第1の酸化鉄膜にはマグネタイト(Fe)とマグヘマイト(γ−Fe)が含まれる事を特徴とする請求項1に記載の抵抗変化型メモリ素子材料の製造方法。
  5. 前記熱処理温度は、300℃以上である事を特徴とする請求項3に記載の抵抗変化型メモリ素子材料の製造方法。
  6. 前記熱処理温度は、350℃以上である事を特徴とする請求項2または4に記載の抵抗変化型メモリ素子材料の製造方法。
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