JP2008091435A - フィルムキャリアテープ、及び電子部品実装フィルムの製造方法 - Google Patents

フィルムキャリアテープ、及び電子部品実装フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】配線パターンの短絡を防止する。
【解決手段】ポリイミドからなる長尺状のベース材151上に、離隔領域を挟みつつ長手方向に配列された複数の配線パターン52と、長手方向に配列された複数のスプロケット孔157とが形成されたフィルムキャリアテープ150からCOFを得る。複数のスプロケット孔157によって、配線パターン52を挟む2つの孔列157aが形成されており、同一の孔列157aに含まれる複数のスプロケット孔157は、ベース材151の長手方向に延在しており、銅からなる補強層153によって取り囲まれている。2つの補強層153における、ベース材151の長手方向に関して離隔領域に相当する同じ位置に、ベース材151の幅方向に沿う分断スリット154をそれぞれ形成する。切断工程において、分断スリット154を通過するようにフィルムキャリアテープ150を切断する。
【選択図】図10

Description

本発明は、電子部品が実装されるフィルムキャリアテープ、及び電子部品実装フィルムの製造方法に関する。
絶縁材からなる長尺のベース材上に導電材からなる複数の配線パターンが当該ベース材の長手方向に沿って形成されており、各配線パターンにそれぞれ接続されるようにIC(集積回路)、LSI(大規模集積回路)等の電子部品が実装されるフィルムキャリアテープが知られている。かかるテープにおける配線パターンが形成された外周をそれぞれ打ち抜くことによって、複数のプリント配線板を得ることができる。ここで、フィルムキャリアテープの幅方向両端部近傍には、長手方向に沿って複数のスプロケット孔が形成されている。これにより、スプロケット孔を用いてテープを長手方向に搬送しつつ、電子部品の実装、配線パターンを保護するためのソルダーレジストの塗布等を行うことができるようになっている。
特許文献1に開示されているフィルムキャリアテープには、導電材からなるダミー配線が、テープの幅方向両端部近傍において、テープの長手方向に沿って延びるように設けられている。すなわち、スプロケット孔の周囲にダミー配線が形成されている。これにより、スプロケット孔の周囲の強度が増すので、テープ搬送時にスプロケット孔が変形するのを防ぐことができる。
また、特許文献2に開示されているプリント配線板には、半硬化状態のソルダーレジストが、接合相手方の導電体と電気的に接続される複数の端子部に跨って塗布されている。そして、かかる半硬化状態のソルダーレジストの層を接合相手方の導電体によって貫通させ、配線パターンと接合相手方の導電体とを接続させる。これにより、複数の端子部を露出させるために、端子部近傍のソルダーレジストの層を高精度に開口させる工程が不要となるので、プリント配線板の製造コストを削減することができる。
特開平5−29394号公報(図1) 特開2005−305847号公報(図10)
ここで、特許文献2に開示されているような配線パターンと接合相手方との接合方法を採用する際には、プリント配線板における端子部が形成されている領域に塗布されるソルダーレジストが、その他の領域に塗布されるソルダーレジストよりも厚いことが好ましい。よって、端子部が形成されている領域に塗布されるソルダーレジストを半硬化状態となるまで乾燥させる際には、通常オーブンが用いられる。したがって、特許文献1に開示されているような長尺のフィルムキャリアテープを用いて、特許文献2に開示されているようなプリント配線板を作製する際には、フィルムキャリアテープを幅方向に沿って切断することによって、それぞれが1つの配線パターン及び電子部品を含む複数のテープ片とした後、各テープ片の端子部が形成されている領域にソルダーレジストを塗布し、半硬化状態まで乾燥させることとなる。
この場合、フィルムキャリアテープを幅方向に沿って切断する際に、テープの幅方向両端に設けられているダミー配線を切断することとなるので、導電性の切断屑が生じる。この導電性屑が、ソルダーレジストによって保護されていない微細な配線パターン上に付着することによって、短絡してしまうことがある。
そこで、本発明の目的は、配線パターンの短絡を防止することができるフィルムキャリアテープ、及び電子部品実装フィルムの製造方法を提供することである。
本発明のフィルムキャリアテープは、絶縁材からなる基材上に導電材からなる互いに同じ形状を有する複数の配線パターンが前記基材の長手方向に沿って互いに離隔領域を挟みつつ等間隔で配列されていると共に、前記複数の配線パターンが、前記長手方向に沿って複数の貫通孔が配列された2つの孔列の間に挟まれたフィルムキャリアテープである。そして、前記基材上には、同一の前記孔列に含まれる複数の前記貫通孔を取り囲み且つ前記複数の配線パターンとは絶縁されつつ、前記長手方向に延在した2つの導電層が形成されており、前記2つの導電層のそれぞれには、各導電層を分断する分断スリットが前記基材の幅方向に沿って形成されており、一方の前記導電層に形成された前記分断スリットと他方の前記導電層に形成された前記分断スリットとが、前記長手方向に関して前記離隔領域に相当する同じ位置にある。
また、本発明の電子部品実装フィルムの製造方法は、絶縁材からなる基材上に導電材からなる互いに同じ形状を有する複数の配線パターンが前記基材の長手方向に沿って互いに離隔領域を挟みつつ等間隔に配列されていると共に、前記複数の配線パターンが、前記長手方向に沿って複数の貫通孔が配列された2つの孔列の間に挟まれたフィルムキャリアテープを作製するテープ作製工程と、前記フィルムキャリアテープに、前記複数の配線パターンとそれぞれ接続された電子部品を実装する電子部品実装工程と、各配線パターンの一部を第1の絶縁層によって被覆する第1の被覆工程と、前記フィルムキャリアテープを前記離隔領域に相当する位置で前記基材の幅方向に沿って切断することによって、それぞれが1つの前記配線パターン及び前記電子部品を含む複数のテープ片を形成する切断工程と、前記切断工程後に、各テープ片に含まれる前記配線パターンの他の一部を第2の絶縁層によって被覆する第2の被覆工程と、前記第2の被覆工程後に、前記配線パターン及び前記電子部品を含む所定形状以外の部分を各テープ片から除去する除去工程とを備えている。そして、前記テープ作製工程において、同一の前記孔列に含まれる複数の前記貫通孔を取り囲み且つ前記複数の配線パターンとは絶縁されつつ、前記長手方向に延在した2つの導電層が前記基材上に形成されており、前記2つの導電層のそれぞれに、各導電層を分断する分断スリットが前記基材の幅方向に沿って形成されており、さらに、一方の前記導電層に形成された前記分断スリットと他方の前記導電層に形成された前記分断スリットとが、前記長手方向に関して前記離隔領域に相当する同じ位置にある前記フィルムキャリアテープを作製し、前記切断工程において、前記フィルムキャリアテープを、前記長手方向に関して同じ位置にある2つの前記分断スリットを通過するように前記基材の幅方向に沿って切断する。
第1の被覆工程と切断工程との順番は入れ替ってもよい。
これらの構成によると、フィルムキャリアテープを基材の幅方向に沿って切断することによって、それぞれが1つの配線パターンを含む複数のテープ片を形成する際に、導電層に設けられた分断スリットを通過するように切断することができる。よって、フィルムキャリアテープの切断により導電層の微細な切断屑が発生することが抑制され、導電層の切断屑に起因する配線パターンの短絡を防止できる。
本発明のフィルムキャリアテープは、前記分断スリットが、所定数の前記貫通孔ごとに形成されていることが好ましい。この構成によると、分断スリットの形成位置を等間隔とすることにより、分断スリットを通過するようにフィルムキャリアテープを切断することによって形成される複数のテープ片のサイズを揃えることができる。
本発明のフィルムキャリアテープでは、前記複数の配線パターンとそれぞれ接続された電子部品が実装されており、各配線パターンの一部が絶縁層によって被覆されている。この構成によると、配線パターンの一部を絶縁層によって保護することができるので、フィルムキャリアテープの切断までに配線パターンの当該部分に異物が付着し、配線パターンが短絡するのを防止することができる。
本発明の電子部品実装フィルムの製造方法では、前記第1の被覆工程後であって前記切断工程前に、前記第1の絶縁層を硬化させる硬化工程と、前記第2の被覆工程後であって前記除去工程前に、前記第2の絶縁層を半硬化させる半硬化工程とをさらに備えていてもよい。この構成によると、硬化工程によって第1の絶縁層が硬化されるので、第1の絶縁層によって覆われる配線パターンの一部の保護を確実なものとすることができる。さらに、半硬化工程によって第2の絶縁層が半硬化されるので、第2の絶縁層を接合相手方の導電体によって貫通させて、接合相手方と配線パターンと接合させることができる。
本発明の電子部品実装フィルムの製造方法では、第2の被覆工程前に、前記除去工程において除去される前記所定形状以外の部分と前記所定形状の部分との境界のうち、前記第2の被覆工程において前記第2の絶縁層によって被覆される箇所に除去スリットを形成する除去スリット形成工程をさらに備えていることが好ましい。この構成によると、除去工程において、半硬化状態の第2の絶縁層に覆われている箇所を切断する必要がない。したがって、除去工程において、テープ片を打ち抜くための金型等に第2の絶縁層を構成する材料が付着することによって、切断能力が低下するのを防止することができる。また、テープ片における半硬化状態の第2の絶縁層に覆われている箇所を金型等で打ち抜くことによって、第2の絶縁層の平面度が低下するのを防ぐことができる。よって、第2の絶縁層の平面度が低下し、接合相手方との接合に悪影響が生じるのを防ぐことができる。
本発明の電子部品実装フィルムの製造方法では、前記第2の被覆工程において、前記第1の絶縁層よりも厚い前記第2の絶縁層を形成してもよい。この構成によると、第2の絶縁層を接合相手方の導電体によって貫通させて、接合相手方と配線パターンと接合させる接合方法に一層適応させ易くなる。
本発明の電子部品実装フィルムの製造方法では、前記電子部品実装工程、前記第1の被覆工程、前記切断工程、前記第2の被覆工程及び前記除去工程において、前記貫通孔を位置合わせのために用いてもよい。この構成によると、貫通孔を効果的に用いることができ、位置合わせのための孔を別途設ける必要がない。
本発明の電子部品実装フィルムの製造方法では、前記第2の被覆工程及び前記除去工程において、互いに異なる前記貫通孔を用いて位置合わせを行ってもよい。この構成によると、各工程において同一の貫通孔を繰り返し用いて位置合わせを行うことによって、貫通孔が変形し、位置合わせの精度が低下するのを防ぐことができる。
以下、本発明の好適な一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、インクを吐出するインクジェットヘッドに用いられる電子部品実装フィルム(COF:Chip On Film)を得るためのフィルムキャリアテープ、及びCOFの製造方法に本発明を適用した一例である。
本実施の形態のインクジェットヘッドは、記録用紙の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)の記録領域全体にインク吐出面が位置するように固定配置される、いわゆるライン式である。図1は、本実施の形態に係るインクジェットヘッドの副走査方向に沿う断面図である。図2は、ヘッド本体の平面図である。図1に示すように、本実施の形態のインクジェットヘッド1は、記録用紙に対してインクを吐出する複数のノズル8(図3参照)を備えたヘッド本体70と、ヘッド本体70の上方に配置されていると共に、ヘッド本体70に供給するインクが貯留されている2つのインク溜まり3が形成されたベースブロック71とを備えている。
ヘッド本体70の平面形状は、図2に示すように、主走査方向に沿う長辺を有する矩形形状である。そして、ヘッド本体70は、その内部に後述するように複数の圧力室10(図3参照)を含むインク流路が形成された流路ユニット4と、流路ユニット4の上面に接合されていると共に、略台形の平面形状を有しており、圧力室10の容積を変動させることによって、圧力室10に繋がっているノズル8(図3参照)からインクを吐出する複数のアクチュエータユニット21とを有している。なお、流路ユニット4におけるアクチュエータユニット21の接合領域とは反対側の下面は、多数のノズル8がマトリクス状に配列されたインク吐出領域となっている。すなわち、流路ユニット4の下面(インク吐出面)には、複数のインク吐出領域が形成されている。
また、図1に示すように、各アクチュエータユニット21の上面には、アクチュエータユニット21の駆動を制御するためのドライバIC80が実装されたCOF50がそれぞれ接合され、左右に引き出されている。そして、COF50のアクチュエータユニット21と接合されている側とは反対側の端部近傍に形成された端子部57は、装置全体の制御を司る制御装置と電気的に接続された中継基板75のコネクタ75aに接続されている。これにより、制御装置からの信号をドライバIC80に伝達することができる。
さらに、図1に示すように、ベースブロック71には、インク溜まり3に連通するインク供給路3bが下方に突出して設けられている。そして、ベースブロック71は、インク供給路3bが、図2に示すように、流路ユニット4の上面に形成されており、後述するように流路ユニット4の内部に形成されているマニホールド5(図3参照)に連通する開口4aに繋がるように配置されている。すなわち、ベースブロック71は、インク供給路3bの下端部においてのみ流路ユニット4と接触している。これにより、ベースブロック71の下面73におけるインク供給路3bの下端部以外の領域は、流路ユニット4から離隔しており、その間の空間にアクチュエータユニット21が配設されている。
次に、ヘッド本体70の内部構造について説明する。図3は、ヘッド本体70の部分断面図である。ヘッド本体70は、上から、アクチュエータユニット21、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26、27、28、カバープレート29、及びノズルプレート30の合計10枚プレートが積層された積層構造を有している。そして、これらのうち、アクチュエータユニット21を除いた9枚のプレート22〜30から流路ユニット4が構成されている。
流路ユニット4を構成する9枚のプレート22〜30は、いずれも金属プレートであり、後述する個別インク流路32が形成されるように、互いに位置合わせして積層されている。キャビティプレート22には、後述するように略菱形の平面形状を有する圧力室10を形成する開口が複数設けられており、アパーチャプレート24には、ハーフエッチングにより形成されたアパーチャ12が、1つの圧力室10につき1つずつ設けられている。マニホールドプレート26、27、28は、主走査方向に沿って延びており、複数の圧力室10に共通のマニホールド5が設けられており、ノズルプレート30には、1つの圧力室10につき1つずつノズル8が設けられている。そして、圧力室10の長手方向一端部(図3中右側端部)が、アパーチャ12を介してマニホールド5に連通するように、ベースプレート23及びサプライプレート25には、連通孔がそれぞれ形成されている。さらに、圧力室10とノズル8との間に位置する各プレート23〜29には、圧力室10のマニホールド5と連通している側とは反対側の端部(図3中左側端部)からノズル8への連通孔がそれぞれ形成されている。
これにより、流路ユニット4の内部には、マニホールド5から、アパーチャ12及び圧力室10を経てノズル8に至る個別インク流路32が複数の圧力室10ごとに形成されている。なお、かかる個別インク流路32は、流路ユニット4内におけるインク吐出領域に対応する箇所に多数形成されている。
次に、流路ユニット4の最上層のキャビティプレート22に積層された、アクチュエータユニット21の構成について説明する。図4(a)はアクチュエータユニット21と圧力室10との部分拡大断面図であり、図4(b)はアクチュエータユニット21の表面に形成された個別電極35の平面図である。
図4(a)に示すように、アクチュエータユニット21は、4枚の圧電シート41、42、43、44を有している。圧電シート41〜44は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミック材料からなるものであり、いずれも流路ユニット4内の1つのインク吐出領域に対応する箇所に形成された複数の圧力室10に跨って連続して配置されている。最上層の圧電シート41の表面には、個別電極35が形成されており、圧電シート41とその下側の圧電シート42との間には、シート全面に形成された共通電極34が介在している。個別電極35及び共通電極34は、いずれも例えばAg−Pd系などの金属材料からなる。なお、共通電極34は、グランド電位に保持されている。
図4(b)に示すように、個別電極35は、圧力室10よりも一回り小さな略菱形の平面形状を有しており、平面視で圧力室10と重なる位置に形成されている主電極部35aと、平面形状が円形であり、略菱形の主電極部35aにおける鋭角部の一方から平面視で圧力室10と重ならない位置まで引き出されて形成されているランド部35bとを有する。ランド部35bは、例えばガラスフリットを含む金からなる。また、個別電極35のランド部35bの表面には、Agを含む金属材料からなり導電性を有するバンプ90が上方に突出して形成されている。そして、後述するように、バンプ90を介してCOF50の端子部53(図6参照)が、個別電極35に電気的に接続される。これにより、各個別電極35の電位をそれぞれ制御することができるようになっている。なお、本実施の形態においては、バンプ90は略半球状に形成されており、その高さは35μm程度となっている。
ここで、アクチュエータユニット21の作用について説明する。アクチュエータユニット21は、最上層の圧電シート41における共通電極34と個別電極35とに挟まれている箇所が活性層となっており、圧電シート42〜44が非活性層となっている。なお、圧電シート41は、その厚み方向に分極されている。複数の個別電極35に対して選択的に駆動電位を付与することによって、圧電シート41における当該個別電極35に対応する活性層に厚み方向の電界を印加すると、当該活性層は、分極方向である厚み方向と直交する水平方向に収縮する。このとき、圧電シート41の活性層の収縮に伴って圧電シート41〜44が非活性層側に凸となるように変形する。これにより、圧電シート41の活性層と対向している圧力室10の容積が減少して圧力室10内のインクに圧力が付与され、当該圧力室10に連通するノズル8(図3参照)からインクの液滴が吐出される。
次に、図5、6、7を参照しつつ、COF50について説明する。図5は、COF50の平面図であり、図6は、COF50におけるアクチュエータユニット21に接合される部分の断面図である。なお、図5、6に示すCOF50は、いずれもアクチュエータユニット21に接合される前の状態である。また、図7は、COF50がアクチュエータユニット21に接合された状態を示す図である。
COF50は、後述するフィルムキャリアテープ150(図9参照)から得られるものであり、図5に示すように、ベースブロック71とアクチュエータユニット21との間から引き出される引出部分50aと、アクチュエータユニット21に接合される略台形形状の接合部分50bとからなる。
また、COF50は、図6に示すように、ポリイミドからなるベース材51と、ベース材51上に導電性金属により形成された複数の導体部52aからなる配線パターン52と、配線パターン52を覆うようにベース材51上に塗布され、配線パターン52を保護する絶縁性の合成樹脂層55のカバーコートとからなっている。ここで、接合部分50bに形成されている導体部52aの末端部は、個別電極35に電気信号を供給する端子部53である。端子部53の表面は、半田メッキ54が施されている。図5に示すように、引出部分50aには、封止樹脂59で覆われたドライバIC80が実装されている。
図5に示すように、合成樹脂層55は、中継基板75のコネクタ75aに接続される端子部57が露出するように、引出部分50aを覆う第1の絶縁層55aと、接合部分50bを覆う第2の絶縁層55bとの2種類の層からなる。ここで、第2の絶縁層55bは、アクチュエータユニット21に接合される前は、半硬化状態に形成されている。第2の絶縁層55bの厚みは、5〜20μm程度であり、第1の絶縁層55aに比べて肉厚となっている。
上述のようなCOF50を、端子部53とバンプ90とを位置合わせしつつ、アクチュエータユニット21の個別電極35が形成されている側の面に押し付けることによって、バンプ90が未硬化の第2の絶縁層55bを貫通し、その後第2の絶縁層55bを硬化させることで、図7に示すように、半田メッキ54を介してバンプ90がCOF50に形成されている端子部53と電気的に接続される。
続いて、図8〜図14を参照しつつ、COF50の製造方法の一例について説明する。図8は、COF50の製造工程を示すフローチャートである。また、図9〜図14は、各製造工程における状態をそれぞれ示している。
まず、絶縁材であるポリイミドフィルムからなる長尺状のベース材151(図9参照:後にCOF50のベース材51となる)上の全面に銅を塗布することによって金属層を形成する(ステップS1)。次に、ベース材151の幅方向両端部近傍において長手方向に沿って等間隔に配列されるように複数のスプロケット孔157(図9参照)を形成する(ステップS2)。すなわち、ベース材151の幅方向両端部近傍には、複数のスプロケット孔157によって形成される孔列157a(図9参照)がそれぞれ設けられることとなる。
さらに、ステップS1において形成された金属層をエッチングにより選択的に除去することによって、図9に示すように、複数の配線パターン52、及びスプロケット孔157を補強するための補強層153を形成し、フィルムキャリアテープ150を作製する(ステップS3:テープ作製工程)。なお、配線パターン52と補強層153とは絶縁されている。
複数の配線パターン52は、ステップS2で形成された2つの孔列157aに挟まれており、いずれも同じ形状を有していると共に、ベース材151の長手方向に沿って互いに離隔領域152(図9において破線で囲まれた領域)を挟みつつ配列される。また、補強層153は、同一の孔列157aに含まれる複数のスプロケット孔157を取り囲んでいると共に、ベース材151の長手方向に沿って延在する。すなわち、補強層153は、ベース材151の幅方向両端部近傍にそれぞれ形成される。補強層153には、各補強層153を分断する複数の分断スリット154が、ベース材151の幅方向に沿ってそれぞれ形成されている。2つの補強層153に形成される分断スリット154は、ベース材151の長手方向に関して離隔領域152に相当する同じ位置にある。さらに、本実施の形態においては、分断スリット154は、8個のスプロケット孔157ごとに形成されている。
なお、以下後述するステップS7の工程までは、スプロケット孔157に噛み合う複数のピンを有するスプロケットが設けられた搬送ローラ(図示せず)によって、フィルムキャリアテープ150を搬送しつつ行われる。
次に、配線パターン52における完成後のCOF50の引出部分50a(図5参照)に相当する部分を、端子部57を露出させつつ覆うように、熱硬化性の樹脂であるソルダーレジストを塗布することによって、第1の絶縁層155a(図10参照:後にCOF50の合成樹脂層55における第1の絶縁層55aとなる)を形成する(ステップS4:第1の被覆工程)。より詳細には、第1の絶縁層155aは、図示しないマスクを用いて、短辺がCOF50の第1の絶縁層55aの上下方向(図5中上下方向)に沿う長さと等しく、長辺がCOF50の第1の絶縁層55aの幅方向(図5中左右方向)に沿う長さよりも若干長い矩形形状の領域に形成される。続いて、図10に示すように、フィルムキャリアテープ150に、複数の配線パターン52とそれぞれ接続されるドライバIC80を実装する(ステップS5:電子部品実装工程)。このとき、ドライバIC80を封止樹脂59によって覆う。
その後、オーブンによって、第1の絶縁層155aを硬化させる(ステップS6:硬化工程)。さらに、フィルムキャリアテープ150を離隔領域152(図9参照)に相当する位置でベース材151の幅方向に沿って切断し、図11に示すように、それぞれが1つの配線パターン52及びドライバIC80を含む複数のテープ片160を形成する(ステップS7:切断工程)。ここで、図10において、ステップS7で切断される位置を破線で示す。図10に示すように、フィルムキャリアテープ150は、ベース材151の長手方向に関して同じ位置にある2つの分断スリット154を通過するように切断される。
なお、上述のステップS4における第1の被覆工程、ステップS5における電子部品実装工程、及びステップS7における切断工程を行う際には、スプロケット孔157に噛み合うピンを有するスプロケットが設けられている搬送ローラ(図示せず)の回転量を制御することによって、位置合わせが行われる。したがって、フィルムキャリアテープ150の所定の位置に高精度に処理を施すことができる。
ここで、上述のように、長尺のフィルムキャリアテープ150を搬送しつつ、ステップS4〜ステップS7の工程を行い、複数のテープ片160とした後は、一旦工程を停止させる。したがって、本実施の形態においては、ステップS7の後は待機状態とし、この間に、テープ片160を次の工程を行うための別の場所に移動し、次の工程の準備が整うまでは待機する(ステップS8)。
続いて、配線パターン52に含まれる端子部53(図6参照)の表面に、半田を塗布することにより、半田メッキ54の層(図6参照)を形成する(ステップS9:接合材層形成工程)。その後、図12に示すように、配線パターン52における完成後のCOF50の接合部分50b(図5参照)に相当する部分を覆うように、熱硬化性の樹脂であるソルダーレジストを塗布することによって、第2の絶縁層155b(後にCOF50の合成樹脂層55における第2の絶縁層55bとなる)を形成する(ステップS10:第2の被覆工程)。より詳細には、第2の絶縁層155bは、短辺がCOF50の第2の絶縁層55bの上下方向(図5中上下方向)に沿う長さと等しく、長辺がCOF50の第2の絶縁層55bの幅方向(図5中左右方向)に沿う長さよりも若干長い矩形形状の開口182が形成されたマスク180(図13参照)を用いて形成される。なお、このとき形成される第2の絶縁層155bは、ステップS4において形成される第1の絶縁層155aに比べて肉厚となっている。
ここで、上述のステップS9及びステップS10の工程は、図13に示すように、ステージ170の表面171にテープ片160を載置した状態で行われる。ステージ170は、図示しない駆動機構により、その表面171に平行であり、且つ互いに直交する2方向(図13中矢印で示すX、Y方向)に移動可能となっている。また、ステージ170の表面171には、上方に突出する2本の位置決めピン172が設けられている。よって、スプロケット孔157を位置決めピン172に挿通することで、ステージ170の表面171の所定位置にテープ片160を固定することができる。なお、本実施の形態においては、図13に示すように、孔列157aの伸延方向に関して同じ位置にある2つのスプロケット孔157が2本の位置決めピン172に挿通されている。さらに、図13に示すステージ170には、1つのテープ片160が載置されているが、ステージ170は複数のテープ片160を載置可能であってもよい。
さらに、ステージ170の上方には、図13に示すように、位置決めピン172に対応する箇所に位置決め孔181が形成されたマスク180が、表面171と対向するように配置されている。なお、図13に示すマスク180は、ステップS10において用いられるものであるが、ステップS9においても同様に位置決め孔が形成されたマスクを用いる。これにより、マスク180の位置決め孔181を位置決めピン172に挿通することで、テープ片160とマスク180との位置合わせを高精度に行う。位置合わせを行った後、公知のスキージ等の塗布方法(図示せず)を用いて、テープ片160上に第2の絶縁層155bを塗布する。
次いで、図14に示すように、トレイ190上に複数のテープ片160を載置し、オーブンによって、第2の絶縁層155bを半硬化させる(ステップS11:半硬化工程)。最後に、COF50となる部分の外形(図12中一点鎖線で示す部分)を金型(図示せず)によって打ち抜き、COF50以外の部分を各テープ片160から除去する(ステップS12:除去工程)。ステップS12においても、ステップS9、10と同様に、ステージ170上にテープ片160を載置した状態で行う。したがって、テープ片160と打ち抜き用の金型との位置合わせを高精度に行うことができる。
なお、上述の製造工程は一例であり、その順番は適宜可能である。したがって、例えば、ステップS4における第1の被覆工程は、ステップS7における切断工程の後に行われてもよい。
以上のように、本実施の形態では、ポリイミドフィルムからなる長尺状であり、その幅方向両端部近傍に、その長手方向に沿って複数のスプロケット孔157が配列された孔列157aが形成されているベース材151上に、ベース材151の長手方向に沿って互いに離隔領域152を挟みつつ複数配列されており、銅からなる配線パターン52と、同一の孔列157aに含まれる複数のスプロケット孔157を取り囲んでいると共に、各配線パターン52と絶縁されつつ、ベース材151の長手方向に延在しており、銅からなる2つの補強層153とが形成されたフィルムキャリアテープ150からCOF50を得る。2つの補強層153には、各補強層153を分断する複数の分断スリット154がベース材151の幅方向に沿ってそれぞれ形成されており、一方の補強層153に形成された分断スリット154と、他方の補強層153に形成された分断スリット154とが、ベース材151の長手方向に関して離隔領域152に相当する同じ位置にある。そして、COF50の製造工程は、フィルムキャリアテープ150にドライバIC80を実装する電子部品実装工程(S5)と、配線パターン52におけるCOF50の引出部分50aに相当する部分を第1の絶縁層155aによって被覆する第1の被覆工程(S4)と、フィルムキャリアテープ150を、ベース材151の長手方向に関して同じ位置にある2つの分断スリット154を通過するように、ベース材151の幅方向に沿って切断することによって、複数のテープ片160を形成する切断工程(S7)と、切断工程後に配線パターン52におけるCOF50の接合部分50bに相当する部分を第2の絶縁層155bによって被覆する第2の被覆工程(S10)と、COF50となる部分の外形を打ち抜くことによって、COF50以外の部分をテープ片160から除去する除去工程(S12)とを含んでいる。したがって、切断工程において、銅からなる補強層153が形成された箇所を切断することがないので、銅の微細な切断屑が発生することがない。よって、銅の切断屑に起因する配線パターン52の短絡を防止できる。さらに、第1の絶縁層155aによって、配線パターン52におけるCOF50の引出部分50aに相当する部分を保護することができるので、切断工程までに配線パターン52の当該部分に異物が付着し、配線パターン52が短絡するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、フィルムキャリアテープ150の分断スリット154は、8個のスプロケット孔157ごとに形成されている。したがって、分断スリット154の形成位置を等間隔とすることができるので、分断スリット154を通過するようにフィルムキャリアテープ150を切断することによって形成される複数のテープ片160のサイズを揃えることができる。
さらに、本実施の形態では、COF50の製造工程は、第1の被覆工程(S4)の後であって切断工程(S7)の前に、第1の絶縁層155aを硬化させる硬化工程(S6)と、第2の被覆工程(S10)の後であって除去工程(S12)の前に、第2の絶縁層155bを半硬化させる半硬化工程(S11)とを含んでいる。したがって、硬化工程によって第1の絶縁層155aが硬化されるので、配線パターン52における第1の絶縁層155aによって覆われる部分の保護を確実なものとすることができる。さらに、完成後のCOF50の第2の絶縁層55bとなる第2の絶縁層155bが、半硬化工程によって半硬化されるので、COF50の第2の絶縁層55bをアクチュエータユニット21に形成される個別電極35のバンプ90によって貫通させて、個別電極35と配線パターン52と接合させる接合方法に適応させ易くなる。
加えて、本実施の形態では、第2の被覆工程(S10)において、第1の絶縁層155aよりも厚い第2の絶縁層155bを形成することによって、COF50の第2の絶縁層55bを個別電極35のバンプ90によって貫通させて、個別電極35と配線パターン52と接合させる接合方法に一層適応させ易くなる。
また、本実施の形態では、第1の被覆工程(S4)、電子部品実装工程(S5)、及び切断工程(S7)においては、スプロケット孔157に噛み合う複数のピンを有するスプロケットが設けられた搬送ローラの回転量を制御することによって位置合わせを行い、接合材層形成工程(S9)、第2の被覆工程(S10)、及び除去工程(S12)においては、スプロケット孔157に挿通される位置決めピン172が設けられており、その表面171に平行であり且つ互いに直交する2方向に移動可能なステージ170上にテープ片160を載置することによって位置合わせを行う。つまり、上述の各工程においては、スプロケット孔157を用いて位置合わせを行う。したがって、スプロケット孔157を効果的に用いることができるために製造効率が向上する。
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。まず、図15を参照しつつ、本実施の形態の第1の変形例について説明する。図15(a)は、本変形例における第2の被覆工程を行う際の状態を示す図であり、図15(b)は、本変形例における除去工程を行う際の状態を示す図である。
図15(a)、(b)にそれぞれ示すように、本変形例においては、第2の被覆工程を行う際に、テープ片160が載置されるステージ170の位置決めピン172が挿通されるスプロケット孔157と、除去工程を行う際に、位置決めピン172が挿通されるスプロケット孔157とが異なっている。すなわち、第2の被覆工程においては、図15(a)中、上から3番目に位置するスプロケット孔157に位置決めピン172が挿通され、除去工程においては、図15(b)中、上から6番目に位置するスプロケット孔157に位置決めピン172が挿通される。したがって、本変形例においては、第2の被覆工程及び除去工程において同一のスプロケット孔157を繰り返し位置決めピン172に挿通することによって、スプロケット孔157が変形し、位置合わせの精度が低下するのを防ぐことができる。
続いて、図16を参照しつつ、本実施の形態の第2の変形例について説明する。図16は、本変形例における第2の被覆工程が行われる前のテープ片260を示す図である。図16に示すように、本変形例のテープ片260には、除去工程においてテープ片260から除去されるCOF50以外の部分とCOF50となる部分との境界のうち、第2の被覆工程において第2の絶縁層155bによって被覆される箇所、換言すると、COF50の接合部分50bとなる部分の外形(図中太線で示す)に沿って除去スリット266が形成されている。なお、除去スリット266の形成は、第2の被覆工程の前であれば、いつ行われてもよい。
本変形例においては、除去スリット266が形成されていることにより、除去工程において、COF50の引出部分50aとなる部分の外形のみを金型で打ち抜くこととなる。すなわち、半硬化状態の第2の絶縁層155bで被覆されている箇所を金型によって打ち抜く必要がない。したがって、除去工程において、金型に第2の絶縁層155bを構成する材料が付着することによって、切断能力が低下するのを防止することができる。また、テープ片260における半硬化状態の第2の絶縁層155bに覆われている箇所を打ち抜くことによって、第2の絶縁層155bの平面度が低下するのを防ぐことができる。よって、完成後のCOF50における第2の絶縁層55bの平面度が低下することによって、個別電極35と接合する際に、第2の絶縁層55aがアクチュエータユニット21の表面の圧電シート41に接触し、その後硬化する際に、圧電シート41〜44の変形を阻害するのを防ぐことができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、フィルムキャリアテープ150の分断スリット154が、8個のスプロケット孔157ごとに形成されている場合について説明したが、分断スリット154は、8個以外の所定数のスプロケット孔157ごとに形成されていてもよい。また、分断スリット154は、所定数のスプロケット孔157ごとに形成されていなくてもよい。
さらに、上述の実施の形態では、ステップS10における第2の被覆工程の後、一旦テープ片160をステージ170から外して、オーブン内にて半硬化させる半硬化工程を行い、再度ステージ170に装着してからステップS12の除去工程を行っているが、一連の工程にて第2の被覆工程、半硬化工程、及び除去工程を実施してもよい。これにより、テープ片160をステージ170から取り外して、半硬化工程後に再度装着する手間が省けるので、製造効率を向上させることができる。
加えて、上述の実施の形態では、第2の被覆工程(S10)において、第1の絶縁層155aよりも厚い第2の絶縁層155bを形成する場合について説明したが、第2の絶縁層155bは、第1の絶縁層155aよりも厚くなくてもよい。
また、上述の実施の形態では、第1の被覆工程(S4)、電子部品実装工程(S5)、切断工程(S7)、接合材層形成工程(S9)、第2の被覆工程(S10)、及び除去工程(S12)において、スプロケット孔157を用いて位置合わせを行う場合について説明したが、これには限られない。例えば、スプロケット孔157とは別に位置合わせ用の孔を設け、スプロケット孔157は、フィルムキャリアテープ150の搬送にのみ用いるようにしてもよい。
本発明の実施の形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。 図1に示すヘッド本体の平面図である。 図2に示すヘッド本体の部分断面図である。 図2に示すアクチュエータユニット表しており、(a)はアクチュエータユニットの断面図、(b)は個別電極の平面図である。 図1に示すCOFのアクチュエータユニットに接合される前の状態の平面図である。 図1に示すCOFのアクチュエータユニットに接合される前の状態の断面図である。 図1に示すCOFのアクチュエータユニットに接合された状態を示す断面図である。 図1に示すCOFの製造工程を示すフローチャートである。 図1に示すCOFの製造工程におけるテープ作製工程後の状態を示す図である。 図1に示すCOFの製造工程における電子部品実装工程後の状態を示す図である。 図1に示すCOFの製造工程における切断工程後の状態を示す図である。 図1に示すCOFの製造工程における第2の被覆工程後の状態を示す図である。 図1に示すCOFの製造工程において第2の被覆工程を行う際の状態を示す図である。 図1に示すCOFの製造工程において半硬化工程を行う際の状態を示す図である。 本発明の実施の形態の第1の変形例を示す図であり、(a)は第2の被覆工程を行う際の状態を示す図であり、(b)は除去工程を行う際の状態を示す図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例を示す図であり、第2の被覆工程が行われる前の状態を示す図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
21 アクチュエータユニット
35 個別電極
50 COF
52 配線パターン
80 ドライバIC(電子部品)
90 バンプ
150 フィルムキャリアテープ
151 ベース材(基材)
152 離隔領域
153 補強層(導電層)
154 分断スリット
155a 第1の絶縁層(絶縁層)
155b 第2の絶縁層
157 スプロケット孔(貫通孔)
157a 孔列
160、260 テープ片
170 ステージ
172 位置決めピン
266 除去スリット

Claims (9)

  1. 絶縁材からなる基材上に導電材からなる互いに同じ形状を有する複数の配線パターンが前記基材の長手方向に沿って互いに離隔領域を挟みつつ等間隔で配列されていると共に、前記複数の配線パターンが、前記長手方向に沿って複数の貫通孔が配列された2つの孔列の間に挟まれたフィルムキャリアテープであって、
    前記基材上には、同一の前記孔列に含まれる複数の前記貫通孔を取り囲み且つ前記複数の配線パターンとは絶縁されつつ、前記長手方向に延在した2つの導電層が形成されており、
    前記2つの導電層のそれぞれには、各導電層を分断する分断スリットが前記基材の幅方向に沿って形成されており、一方の前記導電層に形成された前記分断スリットと他方の前記導電層に形成された前記分断スリットとが、前記長手方向に関して前記離隔領域に相当する同じ位置にあることを特徴とするフィルムキャリアテープ。
  2. 前記分断スリットが、所定数の前記貫通孔ごとに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルムキャリアテープ。
  3. 前記複数の配線パターンとそれぞれ接続された電子部品が実装されていると共に、各配線パターンの一部が絶縁層によって被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルムキャリアテープ。
  4. 絶縁材からなる基材上に導電材からなる互いに同じ形状を有する複数の配線パターンが前記基材の長手方向に沿って互いに離隔領域を挟みつつ等間隔に配列されていると共に、前記複数の配線パターンが、前記長手方向に沿って複数の貫通孔が配列された2つの孔列の間に挟まれたフィルムキャリアテープを作製するテープ作製工程と、
    前記フィルムキャリアテープに、前記複数の配線パターンとそれぞれ接続された電子部品を実装する電子部品実装工程と、
    各配線パターンの一部を第1の絶縁層によって被覆する第1の被覆工程と、
    前記フィルムキャリアテープを前記離隔領域に相当する位置で前記基材の幅方向に沿って切断することによって、それぞれが1つの前記配線パターン及び前記電子部品を含む複数のテープ片を形成する切断工程と、
    前記切断工程後に、各テープ片に含まれる前記配線パターンの他の一部を第2の絶縁層によって被覆する第2の被覆工程と、
    前記第2の被覆工程後に、前記配線パターン及び前記電子部品を含む所定形状以外の部分を各テープ片から除去する除去工程とを備えており、
    前記テープ作製工程において、同一の前記孔列に含まれる複数の前記貫通孔を取り囲み且つ前記複数の配線パターンとは絶縁されつつ、前記長手方向に延在した2つの導電層が前記基材上に形成されており、前記2つの導電層のそれぞれに、各導電層を分断する分断スリットが前記基材の幅方向に沿って形成されており、さらに、一方の前記導電層に形成された前記分断スリットと他方の前記導電層に形成された前記分断スリットとが、前記長手方向に関して前記離隔領域に相当する同じ位置にある前記フィルムキャリアテープを作製し、
    前記切断工程において、前記フィルムキャリアテープを、前記長手方向に関して同じ位置にある2つの前記分断スリットを通過するように前記基材の幅方向に沿って切断することを特徴とする電子部品実装フィルムの製造方法。
  5. 前記第1の被覆工程後であって前記切断工程前に、前記第1の絶縁層を硬化させる硬化工程と、
    前記第2の被覆工程後であって前記除去工程前に、前記第2の絶縁層を半硬化させる半硬化工程とをさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の電子部品実装フィルムの製造方法。
  6. 第2の被覆工程前に、前記除去工程において除去される前記所定形状以外の部分と前記所定形状の部分との境界のうち、前記第2の被覆工程において前記第2の絶縁層によって被覆される箇所に除去スリットを形成する除去スリット形成工程をさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載の電子部品実装フィルムの製造方法。
  7. 前記第2の被覆工程において、前記第1の絶縁層よりも厚い前記第2の絶縁層を形成することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の電子部品実装フィルムの製造方法。
  8. 前記電子部品実装工程、前記第1の被覆工程、前記切断工程、前記第2の被覆工程及び前記除去工程において、前記貫通孔を位置合わせのために用いることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の電子部品実装フィルムの製造方法。
  9. 前記第2の被覆工程及び前記除去工程において、互いに異なる前記貫通孔を用いて位置合わせを行うことを特徴とする請求項8に記載の電子部品実装フィルムの製造方法。
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