JP2008090110A - 定着制御装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着手段の起動時に低温であっても、温度検出手段の断線の有無を正確に判断することができる定着制御装置。
【解決手段】ヒータの温度Tが低温環境温度Te以下であると判断されると、トランジスタ65がON動作し、中央サーミスタ39aへ印加される電圧が、システム電源Vs(=3.3V)から、高圧電源Vdから供給される電圧(Vd=24V)に切り替えられる。そして、A/Dコンバータ64の出力電圧V2のデジタル値が1以上であると判断されると、断線フラグが中央サーミスタ39aの非断線を示す「0」にセットされる。一方、出力電圧V2のデジタル値が0であると判断されると、断線フラグが中央サーミスタ39aの断線を示す「1」にセットされ、トランジスタ65がOFF動作し、中央サーミスタ39aへ印加される電圧が、電圧Vdから電圧Vsに切り替えられる。
【選択図】図5

Description

本発明は、被記録媒体上の画像を定着する定着手段の温度を検出する温度検出手段を備えた定着制御装置、および、この定着制御装置を備えたレーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
レーザプリンタ等の画像形成装置において、静電潜像により感光体上に形成されたトナー像を用紙等の被記録媒体に転写し、転写されたトナー像を被記録媒体に定着する技術が知られている。
前述したような、トナー像を被記録媒体に定着するための定着手段は、ハロゲンランプ等のヒータと、ヒータによって加熱される加熱ローラと、加熱ローラに圧接する加圧ローラと、を備えている。そして、定着手段は、加熱ローラと加圧ローラとによって、トナー像を転写された被記録媒体を加熱かつ加圧し、トナー像を被記録媒体に定着している。
そして、加熱ローラの表面には、加熱ローラの温度を検出するためのサーミスタが設けられており、加熱ローラの温度が適切な温度となるように、サーミスタの検出結果に基づきヒータがON/OFF制御されている。
ところで、このような定着手段の制御系において、故障の原因の一つであるサーミスタの断線を、A/Dコンバータによって監視されるサーミスタの抵抗値の変化によって判断する方法が知られている。この方法では、サーミスタの抵抗値が非常に大きければ断線と判断し、一方でサーミスタの抵抗値が一定値より小さければ、サーミスタに電流が流れていることを示しているので、断線していないと判断している。
但し、画像形成装置(定着手段)の起動時、即ち、画像形成装置の電源ON時や、画像形成動作前の待機状態であるいわゆるスリープモードからの復帰時において、定着手段は低温であり、加熱ローラに設けられたサーミスタも低温状態にある。そのため、定着手段が低温であるとき、サーミスタが断線していない場合であっても、サーミスタの抵抗値は非常に大きくなり、サーミスタが断線している場合と区別が付き難くなっていた。
そこで、サーミスタに直列接続された第1および第2の抵抗のうち、第2の抵抗をスイッチング素子によりオープンまたはショートして分圧比を変化させ、サーミスタと第1の抵抗との間の分圧電圧を検出したA/Dコンバータからの出力に基づきスイッチング素子をON/OFF制御する技術が開示されている(特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された技術を用いれば、温度によるサーミスタの抵抗変化にかかわらず、第1および第2の抵抗から分圧出力を取り出することができ、定着ローラ(即ち、加熱ローラ)が立ち上がる低温時であっても、サーミスタの断線/非断線を判断することができる。
特開平05−066691号公報
しかしながら、上記特許文献1においては、第2の抵抗をスイッチング素子によりオープンまたはショートする構成であるので、このスイッチング素子の特性によってスイッチング素子に入力される電流とスイッチング素子から出力される電流にばらつきが生じた結
果、第2の抵抗の抵抗値にもばらつきが生じ、A/Dコンバータによる分圧電圧の読値に誤差が生じてしまう、という問題があった。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みなされたものであって、定着手段の起動時に低温であっても、温度検出手段の断線の有無を正確に判断することができる定着制御装置、およびその定着制御装置備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の定着制御装置では、定着手段の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段に直列接続される第1抵抗と、温度検出手段と接続され、第1印加電圧を印加する第1印加手段と、温度検出手段と接続され、第1印加電圧より高い第2印加電圧を印加する第2印加手段と、温度検出手段と第2印加手段との間に設けられるスイッチ手段と、温度検出手段および第1抵抗により得られる分圧電圧のアナログ値をデジタル値に変換するA/Dコンバータと、定着手段の起動時における検出温度が所定温度以下のときに、スイッチ手段が導通され温度検出手段に第2印加電圧が印加される場合、A/Dコンバータによって変換されるデジタル値が所定値以下であるか否かを判断する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の定着制御装置では、第2印加手段は、温度検出手段へ電圧を印加するとともに、定着手段を駆動させる電圧を定着手段へ印加することを特徴とする。
請求項3に記載の定着制御装置では、定着手段の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段に直列接続される第1抵抗と、温度検出手段と接続され、第1印加電圧を印加する第1印加手段と、温度検出手段と接続され、第1印加電圧より高い第2印加電圧を印加する第2印加手段と、温度検出手段と第2印加手段との間に設けられるスイッチ手段と、温度検出手段および第1抵抗により得られる分圧電圧のアナログ値をデジタル値に変換するA/Dコンバータと、定着手段の起動時における検出温度が所定温度以下のときに、スイッチ手段が導通され温度検出手段に第2印加電圧が印加される場合、A/Dコンバータによって変換されるデジタル値が所定量変化するか否か判断する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の定着制御装置では、定着手段の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段に直列接続される第1抵抗と、温度検出手段に対し近接配置され、かつ温度検出手段の抵抗値よりも小さい抵抗値を有する第2抵抗と、温度検出手段と第2抵抗との間に接続され、第1印加電圧を印加する第1印加手段と、第2抵抗と接地との間に設けられるスイッチ手段と、温度検出手段および抵抗により得られる分圧電圧のアナログ値をデジタル値に変換するA/Dコンバータと、定着手段の起動時における検出温度が所定温度以下のときに、スイッチ手段が導通される場合、A/Dコンバータによって変換されるデジタル値が所定量変化するか否か判断する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の定着制御装置では、第2抵抗は、第2抵抗に電流が流れたときに第2抵抗が発する熱により、温度検出手段の温度を上昇させる位置に配置されることを特徴とする。
請求項6に記載の定着制御装置では、第1印加手段は、温度検出手段へ電圧を印加するとともに、制御手段を動作させる電圧を制御手段へ印加することを特徴とする。
請求項7に記載の定着制御装置では、温度検出手段へ印加される電圧は、数式2を満たす値に設定されることを特徴とする。
c:温度検出手段へ印加される電圧
s:制御手段の動作電圧
1:温度検出手段に直列接続される第1抵抗の値
th:所定温度以下のときの温度検出手段の抵抗値
請求項8に記載の定着制御装置では、温度検出手段へ印加される電圧は、より大きい値に設定されることを特徴とする。
請求項9に記載の定着制御装置では、定着手段を加熱する加熱手段を備え、判断手段により温度検出手段が断線していると判断された場合、加熱手段による加熱動作を禁止する禁止手段を備えたことを特徴とする。
請求項10に記載の定着制御装置では、判断手段により温度検出手段が断線していると判断された場合、断線に基因する情報を報知する報知手段を備えたことを特徴とする。
請求項11に記載の画像形成装置では、請求項1乃至9のいずれかに記載の定着制御装置を備え、被記録媒体に画像を形成することを特徴とする。
請求項1の定着制御装置によれば、A/Dコンバータによって変換されるデジタル値の感度を大きくすることができるので、定着手段の起動時に低温であっても、デジタル値が所定値以下であるか否かを判断することで温度検出手段の断線の有無を正確に判断することができる。また、温度検出手段の断線/非断線を判断する場合だけ第2印加手段による印加電圧を温度検出手段に印加することができるので、断線検出時以外での印加電圧は第2印加電圧より低くすることができ、温度検出手段が自己発熱するのを抑制することができる。したがって、温度検出手段による検出誤差を少なくすることができる。尚、スイッチ手段が有するスイッチング素子は、リレーはコストがかかるので、トランジスタが望ましい。
尚、定着手段の起動時とは、例えば、被記録媒体に画像を形成する画像形成装置が定着手段を備えているとすれば、当該画像形成装置の電源ON時、または画像形成動作を行っていないスリープモード時である。また、制御手段は、ROMやROMに記憶されたプログラムを実行するCPU等を備える。
請求項2の定着制御装置によれば、温度検出手段へ電圧を印加する印加手段と、定着手段へ電圧を印加する印加手段とを1つにまとめることができるので、部品点数を減らすことができる。
請求項3の定着制御装置によれば、温度検出手段が断線していれば、デジタル値は変化せず、一方で温度検出手段が断線していなければ、温度検出手段に電流が流れて温度検出手段が自己発熱し、抵抗値が変化するので、デジタル値が変化する。
したがって、定着手段の起動時に低温であっても、温度検出手段の断線の有無を正確に判断することができる。
請求項4の定着制御装置によれば、第2抵抗が温度検出手段に近接配置されることによ
り、第2抵抗に電流が流れて第2抵抗が自己発熱すると、その熱により温度検出手段を加熱することができる。そのため、時間の経過とともに、温度検出手段の抵抗値は小さくなる。
したがって、温度検出手段が断線していれば、第1印加電圧が所定時間印加されてもA/Dコンバータによって変換されるデジタル値は変化せず、一方で温度検出手段が断線していなければ、時間の経過とともにデジタル値は大きくなる。
以上より、温度検出手段の抵抗値に関わりA/Dコンバータによって変換されるデジタル値の誤差をより小さくすることができるので、定着手段の起動時に低温であっても、温度検出手段の断線の有無を正確に判断することができる。
さらに、温度検出手段の特性や経年変化等に左右されず温度検出手段を加熱することができる。
請求項5の定着制御装置によれば、第2抵抗を温度検出手段にどの程度近接配置すればよいか、明確になる。
請求項6の定着制御装置によれば、温度検出手段へ電圧を印加する印加手段と、制御手段へ電圧を印加する印加手段とを1つにまとめることができるので、部品点数を減らすことができる。
請求項7の定着制御装置によれば、分圧電圧(即ち、数式1の左辺)が制御手段の動作電圧(即ち、数式1の右辺)より大きいと、制御手段の破損の虞がある。
したがって、分圧電圧が制御手段の動作電圧より小さくなるように印加電圧が設定されれば、制御手段の破損を防止することができる。
請求項8の定着制御装置によれば、温度検出手段が断線していないとき、温度検出手段の抵抗値(即ち、Rth)は、より大きい値に設定された印加電圧(即ち、Vc)による温
度検出手段の自己発熱によって、より小さい値となる。
したがって、A/Dコンバータによって変換されるデジタル値の感度を大きくでき、また、発熱前の温度検出手段の抵抗値と、発熱した温度検出手段の抵抗値との差分が、非断線時に明確になるので、さらに断線の有無を正確に判断することができる。
請求項9の定着制御装置によれば、加熱手段が暴走するのを防止することができる。
請求項10の定着制御装置によれば、ユーザは断線に基因する情報を知ることができる。断線に基因する情報とは、温度検出手段が断線している情報、定着手段に異常が発生した情報、或いは断線した温度検出手段を新しい温度検出手段と交換するように促す情報等が挙げられる。
請求項11の画像形成装置によれば、定着手段の起動時に低温であっても、温度検出手段の断線の有無を正確に判断することができる画像形成装置を提供することができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1を図1ないし図7によって説明する。
1.本実施形態の構成
図1は、レーザプリンタ1本体内部を示す要部側断面図である。同図において、レーザプリンタ1(「画像形成手段」の一例)は、本体ケーシング2内に、用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に所定の画像を形成するための画像形成部5などを備えている。また、本体ケーシング2の上面前方(図1の右を前方、上を上方とする)には、印刷条件等を設定する図示しない操作部や、各種情報を表示する表示部59(「報知手段」の一例)が設けられている。
<フィーダ部>
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板7と、給紙トレイ6の一端部の上方に設けられる給紙ローラ8および分離パッド9と、給紙ローラ8に対し用紙3の搬送方向の下流側(以下、用紙3の搬送方向上流側または下流側を、単に、上流側または下流側という場合がある。)に設けられる搬送ローラ10,11と、これらの搬送ローラ10,11に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ12とを備えている。
分離パッド9は、その裏側に配設されるばね13によって、給紙ローラ8に向かって押圧されている。用紙押圧板7上の最上位にある用紙3は、用紙押圧板7の裏側から図示しないばねによって給紙ローラ8に向かって押圧され、その給紙ローラ8の回転によって給紙ローラ8と分離パッド9とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。給紙された用紙3は、搬送ローラ10,11によってレジストローラ12に送られる。レジストローラ12は、1対のローラから構成されており、用紙3を所定のレジスト後に、画像形成部5に送るようにしている。
フィーダ部4は、さらに、マルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス側給紙ローラ15およびマルチパーパス側分離パッド15aとを備えている。マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3は、マルチパーパス側給紙ローラ15の回転によってマルチパーパス側給紙ローラ15とマルチパーパス側分離パッド15aとで挟まれた後、1枚毎に給紙される。
<画像形成部>
画像形成部5は、スキャナユニット16、プロセスカートリッジ17、転写ローラ24および熱定着装置18などを備えている。
(a)スキャナユニット
スキャナユニット16は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず)、回転駆動されるポリゴンミラー19、レンズ20および21、反射鏡22などを備えており、レーザ発光部から発光される所定の画像データに基づくレーザビームを、鎖線で示すように、ポリゴンミラー19、レンズ20、反射鏡22、レンズ21の順に通過あるいは反射させて、後述するプロセスカートリッジ17の感光ドラム23の表面上に高速走査にて照射させている。
(b)プロセスカートリッジ
プロセスカートリッジ17は、スキャナユニット16の下方に配設され、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されるように構成されている。このプロセスカートリッジ17は、感光ドラム23を備えるとともに、図示しない、スコロトロン型帯電器、現像ローラ、トナー収容部などを備えている。
トナー収容部には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが充填されており、そのトナーが、現像ローラに一定厚さの薄層として担持される。一方、感光ドラム23は、現像ローラと対向状に回転可能に配設されており、ドラム本体が接地されるとともに、その表面がポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層により形成されている。
そして、感光ドラム23の表面は、感光ドラム23の回転に伴って、スコロトロン型帯電器により一様に正帯電された後、スキャナユニット16からのレーザビームの高速走査により露光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、現像ローラと対向した時に、現像ローラ上に担持されかつ正帯電されているトナーが、その感光ドラム23の表面に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム23の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによって現像が達成される。
(c)転写ローラ
転写ローラ24は、感光ドラム23の下方において、本体ケーシング2に回転可能に支持された状態で、感光ドラム23と対向するように配置されている。この転写ローラ24は、感光ドラム23に対して所定の転写バイアスが印加されている。そのため、感光ドラム23上に担持されたトナーからなる可視像は、用紙3が感光ドラム23と転写ローラ24との間を通る間に用紙3に転写される。可視像が転写された用紙3は、搬送ベルト25を介して、熱定着装置18に搬送される。
(d)熱定着装置
熱定着装置18(「定着手段」の一例)は、プロセスカートリッジ17の装着位置に対して下流側に配設され、後述するヒータ33(「加熱手段」の一例)を備える加熱ローラ26と、加熱ローラ26に圧接される加圧ローラ27とを備えている。熱定着装置18は、用紙3が加熱ローラ26と加圧ローラ27との間を通過する間に、2つのローラ26,27により用紙3を加圧しさらにヒータ33により用紙3を加熱することにより、プロセスカートリッジ17において用紙3上に転写されたトナーを熱定着させるようにしている。
その後、熱定着装置18において定着された用紙3は、熱定着装置18の下流側に設けられる搬送ローラ28,29によって排紙ローラ30に搬送される。搬送された用紙3は、その排紙ローラ30によって排紙トレイ31上に排紙される。
図2は、本発明の定着制御装置を構成する熱定着装置18のケーシング部材34を示す斜視図である。図2に示すように、熱定着装置18の加熱ローラ26は、金属製のローラ本体32と、そのローラ本体32の内部において軸方向に設けられるヒータ33とを備えており、本体ケーシング2のケーシング部材34に回転可能に支持されている。すなわち、図3にも示すように、本体ケーシング2における加熱ローラ26が配置される位置において、ケーシング部材34は、加熱ローラ26の軸方向に延び、下方が開放される断面略コ字状に形成されている。また、図2に示すように、ケーシング部材34の長手方向両端部には、ローラ本体32を支持するためのホルダ部35が形成されている。また、このケーシング部材34には、搬送ローラ28が回転可能に支持されている。
ローラ本体32は円筒形状をなしている。ローラ本体32の両側端部は、ケーシング部材34のホルダ部35において、ケーシング部材34内に収容される状態で回転可能に支持されている。また、ヒータ33は、ローラ本体32の内部の中心において、そのローラ本体32の軸方向に沿ってローラ本体32とほぼ同じ長さで設けられている。
2.ヒータ制御のための構成
(a)サーミスタ及び温度ヒューズ
図3は、サーミスタ39周辺の要部側断面図である。図4は、本発明の定着制御装置を構成する、ヒータ33への通電のための回路を示す回路図である。上記ケーシング部材34内において、加熱ローラ26のローラ本体32近傍には、1対のサーミスタ39a,39b(「温度検出手段」の一例)と、温度ヒューズ40とが設けられている。各サーミスタ
39は、図3に示すように、ケーシング部材34のサーミスタ取付部36に取り付けられ
ており、その温度検出部42がローラ本体32の表面に接触するように設けられている。サーミスタ39a,39bのうち、一方のサーミスタ39aは、図4に示すように、ローラ
本体32の表面に対し、その軸方向における中央位置に接触するように設けられている。以下、この中央位置に配置されたサーミスタ39aを中央サーミスタ39aという。また
、もう一方のサーミスタ39bは、ローラ本体32の表面のうち、搬送される用紙3と接
触しない位置(非通紙部)、より具体的にはローラ本体32に対し、その軸方向における端部に接触するように設けられている。以下、この端部に配置されたサーミスタ39bを
端部サーミスタ39bという。
図1に示すように、温度ヒューズ40には、ローラ本体32との間において、ヒューズカバー44が取り付けられている。ヒューズカバー44は、電気絶縁性の樹脂材料からなり、温度ヒューズ40を覆うように配置されている。温度ヒューズ40は、一定値以上の電流が図4に示す回路を流れるとき、発生する熱で溶け、回路を遮断する器具である。温度ヒューズ40には、鉛、錫、アンチモン、ビスマス、カドミウムなどが用いられ、その融点は、220〜320℃程度となる。温度ヒューズ40は、後述するCPU61の故障などによって温度制御ができなくなった場合に、熱暴走による過度の加熱を防止する役割を果たす。
図4に示すように、ヒータ33に対して、上記温度ヒューズ40と、リレー回路50と、電源51と、投光素子(例えば発光ダイオード)52a及び受光素子(例えばフォトダ
イオードまたはフォトトランジスタ)52bからなるフォトカプラ52とが直列接続され
ている。ヒータ33へ通電可能な電源51は、レーザプリンタ1のフィーダ部4や画像形成部5などを駆動する図示しない駆動ローラを動作させたりするために電圧を印加する電源である。フォトカプラ52の投光素子52aは、スイッチング素子としてのトランジスタ53に連なっており、このトランジスタ53がオン動作したときに電源51からヒータ33への通電を許容する構成になっている。従って、トランジスタ53がオン動作し、かつ、リレー回路50が閉動作しているときに、電源51からヒータ33への通電がなされ、ヒータ33の加熱動作が実行される。
(b)ヒータ制御回路
図5は、本発明の定着制御装置を構成する、ヒータ33への通電制御やサーミスタ39の断線判断を行うヒータ制御回路60の回路図である。ここでは、2つのサーミスタ39のうち、中央サーミスタ39aを介してローラ本体32の中央付近の温度を検出すること
により行う通電制御のための回路、および、中央サーミスタ39aの断線を判断するため
の回路について、説明することにする。尚、端部サーミスタ39bを介してローラ本体3
2の端部付近の温度検出することにより行う通電制御、および、端部サーミスタ39bの
断線判断も、同様の方法であるので、図示および説明を省略することにする。
<通電制御のためのヒータ制御回路>
まず、中央サーミスタ39aを介してローラ本体32の中央付近の温度を検出すること
により行う通電制御のためのヒータ制御回路について、図5を参照しながら説明する。
図5に示すように、中央サーミスタ39aは、一端がシステム電源Vs(「第1印加手
段」の一例)に接続され他端がプルダウン抵抗R1(「第1抵抗」の一例)を介して接地
されている。また、中央サーミスタ39aおよびプルダウン抵抗R1の間のA点と、ヒータ33への通電、即ちヒータ33の温度を制御したりヒータ33の異常を検出したりするCPU61(「制御手段」、「禁止手段」の一例)とが、A/Dコンバータ64を介し、接続されている。さらに、CPU61は、図4にも示すトランジスタ53に接続されている。尚、本実施形態では、CPU61を動作させるために必要な電圧を印加するシステム電源が、図5に示すシステム電源Vsとして中央サーミスタ39aにも電圧を印加する役割を担っている。したがって、本実施形態では、システム電源Vsが中央サーミスタ39aに印
加する電圧は、Vs=3.3〔V〕に設定されている。
A/Dコンバータ64には、中央サーミスタ39aで検出される温度に応じた電圧V1
が与えられる。A/Dコンバータ64は、中央サーミスタ39aの抵抗Rthとプルダウン
抵抗R1との間のA点における分圧電圧である電圧V1のアナログ値を入力し、入力したアナログ値を10進法を用いてデジタル値に変換する。デジタル値に変換された電圧V1
、CPU61に出力される。
CPU61は、A/Dコンバータ64から出力された電圧V1のデジタル値に基づき、
ヒータ33の温度Tを算出する処理を行う。より具体的には、まず、中央サーミスタ39aの抵抗値Rthを算出する処理がCPU61により実行される。この算出処理は、プルダ
ウン抵抗R1、システム電源Vsの電圧、A/Dコンバータ64の入力電圧V1、および抵
抗値Rthの、次式で表される関係式を用いて行われる。
また、ヒータ33の温度変化に応じて、中央サーミスタ39aの抵抗値Rthも変化し、
当然の如く、電圧V1の値も変化する。ここで、温度T0〔K〕の時のサーミスタの抵抗値をR0とすると、温度T〔K〕の時のサーミスタRthは次式で表すことができる。
上記2つの関係式により、中央サーミスタ39aにより検出されたヒータ33の温度T
を算出することができる。尚、本実施形態では、サーミスタ39aに印加する電圧がVs=3.3〔V〕、プルダウン抵抗がR1=18〔kΩ〕であるとき、A/Dコンバータ64
から出力された電圧V1のデジタル値に対応するヒータ33の温度Tは、表1のようにな
る。
<断線判断のためのヒータ制御回路>
次に、中央サーミスタ39aの断線を判断するためのヒータ制御回路について、図5を
参照しながら説明する。まず、当該回路の説明の前に、この回路が必要となる理由を、表1を参照して述べることにする。
表1に示すように、A/Dコンバータ64から出力された電圧V1のデジタル値にヒー
タ33の温度Tが対応しており、画像形成動作(定着動作)や待機状態におけるヒータ3
3の加熱時や、環境温度が比較的高い状況等では(表1では、ヒータ33の温度Tが15℃以上)、電圧V1のデジタル値は1以上となる。
このような状況下で中央サーミスタ39aに断線が生じた場合、中央サーミスタ39aの抵抗Rthは限りなく大きくなり、電圧V1のデジタル値は0となる。したがって、CPU
61により、電圧V1のデジタル値が1以上なら中央サーミスタ39aは断線しておらず、電圧V1のデジタル値が0なら中央サーミスタ39aは断線している、と判断することができる。
一方、環境温度が比較的低い状況(表1では、ヒータ33の温度Tが10℃以下)で、レーザプリンタ1の電源がONされた時や、印刷処理動作を行っておらずヒータ33の加熱動作も行っていないスリープモードから復帰する時(以下、「コールドスタート時」と称す)、中央サーミスタ39aの抵抗Rthは極めて大きくなる。したがって、このような
状況下では、中央サーミスタ39aが断線していなくても、電圧V1のデジタル値は0となってしまう。そのため、中央サーミスタ39aが断線しているか否かを正確に判断するこ
とができなくなる。
そこで、コールドスタート時であっても中央サーミスタ39aが断線しているか否かを
判断できるように構成された回路が、図5に示す回路である。
図5に示す回路では、中央サーミスタ39aと高圧電源Vd(「第2印加手段」の一例
)とが接続され、その間には、トランジスタ65(「スイッチ手段」の一例)とダイオード66とが直列接続されている。トランジスタ65は、エミッタ側を高圧電源Vdに、コ
レクタ側をダイオード66に、そして、ベース側をCPU61へ接続する構成となっている。トランジスタ65は、CPU61からの制御信号により、ON/OFF動作を実行される。ダイオード66は、スイッチング素子としてのトランジスタ65に連なっており、このトランジスタ65がON動作したときに高圧電源Vdから中央サーミスタ39aへ電流を流す構成となっている。さらに、CPU61とトランジスタ65との間には抵抗R2
設けられ、図5に示すB点とC点とが抵抗R3によって結ばれる。CPU61は、コール
ドスタート時における断線判断処理を実行する際にトランジスタ65をON動作させ、高圧電源Vdの電圧が中央サーミスタ39aに印加されるように制御する。また、CPU61は、A/Dコンバータ64によって出力された電圧V1のデジタル値に基づき、中央サー
ミスタ39aの断線を判断する。
尚、本実施形態では、ヒータ33を加熱したり、レーザプリンタ1に画像形成動作を行わせる動力となる駆動モータ(図示せず)を駆動したりするために、必要な電圧を印加する電源51(図4参照)が、高圧電源Vdとして中央サーミスタ39aにも電圧を印加する役割を担っている。高圧電源Vdが中央サーミスタ39aに印加する電圧は、システム電源Vsより高く、本実施形態では、Vd=24〔V〕に設定されている。
コールドスタート時に、高圧電源Vdから中央サーミスタ39aに電圧が印加される場合、CPU61は、A/Dコンバータ64から出力された電圧V2のデジタル値に基づき、
中央サーミスタ39aが断線しているか否かを判断する処理を行う。高圧電源Vdから電圧を印加された際に中央サーミスタ39aおよびプルダウン抵抗R1により得られる分圧電圧であるA/Dコンバータ64の入力電圧V2は、中央サーミスタ39aの抵抗値Rth、プルダウン抵抗R1、および高圧電源Vdの電圧を用い、次式にて表される。
一方、システム電源Vsから電圧を印加された際の入力電圧V1は、上述した数式3と同様に表され、Vd(24〔V〕)>Vs(3.3〔V〕)であるから、V2>V1となる。
したがって、入力電圧V2のアナログ値の増加に対応して出力電圧V2のデジタル値も増加する。即ち、高圧電源Vdによって中央サーミスタ39aに印加する電圧が高いほど、A/Dコンバータ64の感度が上がり、出力電圧V2のデジタル値が大きくなる。尚、本実
施形態では、サーミスタ39aに印加する電圧がVd=24〔V〕、プルダウン抵抗がR1
=18〔kΩ〕であるとき、A/Dコンバータ64から出力された電圧V2のデジタル値
は、表2のようになる。
表2に示すように、環境温度が比較的低い状況(表2では、ヒータ33の温度Tが10℃以下)であるコールドスタート時であっても、電圧V1のデジタル値は0とならず、1
以上となるので、中央サーミスタ39aが断線しているか否か正確に判断することができ
る。
尚、高圧電源Vdによって中央サーミスタ39aに印加する電圧Vdは、レーザプリンタ
1が最低環境温度で使用されると想定される環境で、ヒータ33の温度Tが最低環境温度
であっても電圧V2のデジタル値が1以上となるような電圧に設定される。
但し、電圧Vdは上限なく高く設定されても良いというわけではない。何故ならば、C
PU61やA/Dコンバータ64等の制御系を動作させる制御電圧、即ち、システム電源Vsの電圧(Vs=3.3V)より高い電圧がCPU61やA/Dコンバータ64等の制御系に印加されると、これら制御系が故障してしまう虞があるためである。
したがって、コールドスタート時における中央サーミスタ39aの断線判断処理に印加
される電圧Vdは、次式を満たす値に設定される。逆に言えば、断線判断処理時に次式を
満たさなくなるような電圧Vdは、高過ぎる設定と言える。
3.定着制御のための処理
次に、上述したヒータ制御回路を用いて熱定着装置18の制御を行う動作について、図6〜図8のフローチャートを参照しながら説明する。尚、この制御動作は、CPU61により実行される。図6は、CPU61により実行される熱定着装置18の制御処理動作を示すフローチャートである。図7は、コールドスタート時においてCPU61により実行される中央サーミスタ39aの断線を判断する断線判断処理動作を示すフローチャートで
ある。図8は、CPU61により実行される、ヒータ33の温度や動作を制御するヒータ温度制御処理動作を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、レーザプリンタ1の電源がONされて熱定着装置18が起動され、システム電源VsがONされる(S100)。そして、中央サーミスタ39aにより検出された加熱ローラ26の表面温度(即ち、ヒータ33の温度)Tが、コールドスタート時の断線判断処理を行うべき温度である低温環境温度Te以下であるか否か判断される
(S110)。ヒータ33の温度Tが低温環境温度Te以下であると判断されると(S1
10:YES)、コールドスタート時における中央サーミスタ39aの断線を判断する断
線判断処理が実行される(S120)。
図7に示すように、図6のS120における断線判断処理では、図5に示すトランジスタ65がON動作し、中央サーミスタ39aへ印加される電圧が、システム電源Vsから供給される電圧(Vs=3.3V)から、高圧電源Vdから供給される電圧(Vd=24V)
に切り替えられる(S200)。高圧電源Vdから供給される電圧が中央サーミスタ39aに印加されると、A/Dコンバータ64の出力電圧V2のデジタル値が所定値以上か否か
判断される(S210)。尚、本実施形態では、判断基準となる所定値を1に設定している。
出力電圧V2のデジタル値が1以上であると判断されると(S210:YES)、CP
U61とともにレーザプリンタ1の制御系を構成するRAM(図示せず)に格納された断線フラグが、中央サーミスタ39aの非断線を示す「0」にセットされ(S220)、S
240へ進む。一方、出力電圧V2のデジタル値が1以上でない、即ち、0であると判断
されると(S210:NO)、断線フラグが、中央サーミスタ39aの断線を示す「1」
にセットされ(S230)、S240に進む。
S240では、トランジスタ65がOFF動作し、中央サーミスタ39aへ印加される
電圧が、高圧電源Vdから供給される電圧(Vd=24V)から、システム電源Vsから供
給される電圧(Vs=3.3V)に切り替えられる。
図6および図7に示すS120の断線判断処理が終了すると、図6に示すS130へ進み、断線フラグが0であるか否か、即ち、中央サーミスタ39aが非断線か否か判断され
る。中央サーミスタ39aが非断線(断線フラグ=0)であると判断された場合(S13
0:YES)、または、先のS110でヒータ33の温度Tが低温環境温度Teより高い
と判断されると(S110:NO)、レーザプリンタ1の各構成要素を駆動するエンジン(図示せず)の初期化処理が実行される(S140)。初期化処理が終了すると、ヒータ33への加熱動作が許可されて、図4および図5に示すトランジスタ53がON動作されてヒータ33への通電がONされ(S145)、後述するヒータ温度制御処理が実行される(S150)。一方、中央サーミスタ39aが断線(断線フラグ=1)していると判断
された場合(S130:NO)、ヒータ33への加熱動作を禁止し、中央サーミスタ39aを交換するように促す旨等のメッセージを表示部59(図1参照)に表示するエラー処
理が実行され(S160)、本処理が終了する。
図8に示すように、図6のS150におけるヒータ温度制御処理では、中央サーミスタ39aにより検出された加熱ローラ26の表面温度(即ち、ヒータ33の温度)Tが、加
熱上限温度Tmaxより低いか否か判断される(S300)。ヒータ33の温度Tが加熱上
限温度Tmax以上であると判断されると(S300:NO)、ヒータ33に異常が発生し
た旨のメッセージを表示部59(図1参照)に表示するエラー表示が実行されるとともに(S310)、ヒータ33への加熱動作やレーザプリンタ1の各構成要素を駆動するエンジンの動作が禁止される(S320)。尚、CPU61等のレーザプリンタ1の制御系が何らかの原因で故障し、ヒータ33の温度Tが加熱上限温度Tmaxに達しても加熱動作を
制御することができない場合は、上述した図4に示す温度ヒューズ40が所定温度以上になると溶融し、強制的に加熱動作がOFFされる。したがって、ヒータ33の加熱制御不能に陥っても、安全性を保持することが出来る。
先のS300にて、ヒータ33の温度Tが加熱上限温度Tmaxより小さいと判断される
と(S300:YES)、ヒータ33の温度Tが、用紙3上のトナー像を熱定着するための目標温度である定着目標温度Tpより高いか否か判断される(S330)。ヒータ33
の温度Tが定着目標温度Tpより高いと判断されると(S330:YES)、図4および
図5に示すトランジスタ53がOFF動作されてヒータ33への通電がOFFされ(S340)、S350へ進む。一方、ヒータ33の温度Tが定着目標温度Tpより低いと判断
されると(S330:NO)、温度Tが加熱下限温度Tminより高いか否か判断される(
S360)。温度Tが加熱下限温度Tminより高いと判断されると(S360:YES)
、温度Tを定着目標温度Tpに近づけるためにトランジスタ53がON動作されてヒータ
33への通電がONされ(S370)、S350へ進む。温度Tが加熱下限温度Tmin
下であると判断されると(S360:NO)、中央サーミスタ39aが断線しているとし
、その旨のメッセージを表示部59に表示するエラー表示が実行され(S310)、S320へ進む。
S350では、レーザプリンタ1の図示しない操作部による操作や、レーザプリンタ1と接続された図示しないPCによる操作などにより、印刷(画像形成)要求がなされていないか否か判断される。印刷要求がなされていないと判断されると(S350:YES)、ヒータ33の温度Tが加熱上限温度Tmax以上である場合(S380:NO)、S31
0のエラー表示に進み、ヒータ33の温度Tが加熱上限温度Tmaxより小さい場合(S3
80:YES)、ヒータ33の温度Tが、ヒータ33を加熱すればすぐに熱定着装置18による定着動作が可能となる状態で待機しておくための目標温度である待機時目標温度Trより高いか否か判断される(S390)。ヒータ33の温度Tが待機時目標温度Trより高いと判断されると(S390:YES)、ヒータ33への通電がOFFされ(S340
)、S410へ進む。一方、ヒータ33の温度Tが待機時目標温度Trより低いと判断さ
れると(S390:NO)、温度Tが加熱下限温度Tminより高いか否か判断される(S
420)。温度Tが加熱下限温度Tminより高いと判断されると(S420:YES)、
ヒータ33への通電がONされ(S430)、S410へ進む。温度Tが加熱下限温度Tmin以下であると判断されると(S420:NO)、S310のエラー表示へ進む。
S410では、印刷要求がない場合(S410:YES)、印刷要求がない状態が所定時間経過したか否か判断される(S440)。印刷要求がない状態が所定時間経過した場合(S440:YES)、節電のためにヒータ33への加熱動作が禁止(OFF)され(S320)、本処理が終了する。印刷要求がない状態が所定時間経過していない場合(S440:NO)、S380のヒータ33の温度Tが加熱上限温度Tmaxより低いか否か判
断する処理へ戻る。
先のS350およびS410にて印刷要求があると判断された場合(S350:NO,S410:NO)、S300のヒータ33の温度Tが加熱上限温度Tmaxより低いか否か
判断する処理へ戻る。
要するに、このヒータ温度制御処理では、印刷要求がある場合、熱定着装置18がいつでも定着動作を行えるように、ヒータ33の温度が定着目標温度Tpになるように制御さ
れる。一方、印刷要求がない場合、印刷要求がなされたときにすぐにヒータ33の温度を定着動作を行える温度まで加熱できるように、ヒータ33の温度が待機時目標温度Tr
なるように一定時間の間制御される(いわゆる、待機モード)。そして、一定時間印刷要求がない場合、ヒータ33への加熱動作やその他のエンジンの動作が節電のために禁止(OFF)される(いわゆる、スリープモード)。尚、本実施形態では、定着目標温度Tは200℃に設定され、待機時目標温度Trは160℃に設定される。
図6および図8に示すS150の断線判断処理が終了すると、図6に示すS170へ進み、レーザプリンタ1の図示しない操作部による操作や、レーザプリンタ1と接続された図示しないPCからの印刷要求などがなされたか否か判断される。操作部による操作やPCからの印刷要求などがなされた、即ち、レーザプリンタ1がスリープモードから復帰した場合(S170:YES)、S110にてヒータ33の温度Tが低温環境温度Te以下
であるか否か判断する処理へ戻る。レーザプリンタ1がスリープモードのままである場合(S170:NO)、レーザプリンタ1の電源もONのままであれば(S180:NO)、レーザプリンタ1がスリープモードから復帰するかレーザプリンタの電源がOFFされるまで、スリープモードの状態が保持される(S170:NO,S180:NOの繰り返し)。レーザプリンタ1の電源がOFFされると(S180:YES)、本処理が終了する。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2を図9によって説明する。図9は、実施形態2において、コールドスタート時においてCPU61により実行される中央サーミスタ39aの断線を判断する
断線判断処理動作を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、図7に示す断線判断処理動作のうち、S210にて中央サーミスタ39aの断線を判断する処理内容が異
なるだけであるため、第1実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略し、これら構成の相違する部分を中心に説明する。
実施形態1では、高電圧電源Vdにより高電圧(Vd=24〔V〕)が中央サーミスタ39aに印加されることで感度の上がったA/Dコンバータ64から出力される電圧V2のデジタル値を利用して、デジタル値が所定値(=1)以上であるか否か判断され、中央サーミスタ39aの断線が判断されていた(図7のS210)が、本実施形態では、中央サー
ミスタ39aの自己発熱による抵抗値Rthの変化を利用して、中央サーミスタ39aの断線が判断される。
具体的に説明すると、周知のように、中央サーミスタ39aは、温度変化に対して 電
気抵抗の変化の大きい抵抗体である。そして、中央サーミスタ39aに電流が流れると、
中央サーミスタ39aが自己発熱する。即ち、中央サーミスタ39aに電圧が印加されることにより、中央サーミスタ39a自体の温度が上昇し、一方で抵抗値Rthが低下する。ま
た、中央サーミスタ39aに印加される電圧が高いほどより大きな電流が流れ、中央サー
ミスタ39aの自己発熱が促進されるので、抵抗値Rthの低下率が上がる。逆に、数式5
より、中央サーミスタ39aが自己発熱して抵抗値Rthが低下すると、A/Dコンバータ
64の入力電圧(アナログ値)や出力電圧(デジタル値)が上昇し、印加電圧が高いほどA/Dコンバータ64の入力電圧や出力電圧の上昇率が上がる。
一方、中央サーミスタ39aが断線していると、電流が殆ど流れないので、中央サーミ
スタ39aは自己発熱しない。したがって、抵抗値Rthは殆ど変化せず、A/Dコンバー
タ64の入力電圧や出力電圧も殆ど変化しない。
さて、図9に沿って、本実施形態の断線判断処理を説明すると、まず、図5に示す中央サーミスタ39aへ印加される電圧が、システム電源Vsから供給される電圧(Vs=3.
3V)から、高圧電源Vdから供給される電圧(Vs=24V)に切り替えられる(S200)。高圧電源Vdから供給される電圧が中央サーミスタ39aに印加されると、A/Dコンバータ64の出力電圧V2のデジタル値V0が、レーザプリンタ1の制御系の1つであるRAM(図示せず)に記憶される(S202)。その後、中央サーミスタ39aを自己発
熱させるために、所定時間tが経過するまで待機し(S204:NO)、所定時間が経過すると(S204:YES)、その時のA/Dコンバータ64の出力電圧V2のデジタル
値VtがRAMに記憶され(S206)、S208へ進む。
S208では、所定時間t経過後のA/Dコンバータ64の出力電圧V2のデジタル値
tと、所定時間t経過前のA/Dコンバータ64の出力電圧V2のデジタル値V0との差
分が、所定値aより大きいか否か判断される。但し、aは0以上である。
デジタル値Vtとデジタル値V0との差分が所定値aより大きいと判断されると(S20
8:YES)、断線フラグが、中央サーミスタ39aの非断線を示す「0」にセットされ
(S220)、S240へ進む。一方、デジタル値Vtとデジタル値V0との差分が所定値a以下であると判断されると(S208:NO)、断線フラグが、中央サーミスタ39aの断線を示す「1」にセットされ(S230)、S240に進む。
S240では、トランジスタ65がOFF動作し、中央サーミスタ39aへ印加される
電圧が、高圧電源Vdから供給される電圧(Vs=24V)から、システム電源Vsから供
給される電圧(Vs=3.3V)に切り替えられる。そして、本処理が終了する。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)図10は、本発明の他の実施形態におけるヒータ33への通電制御やサーミスタ39の断線判断を行うヒータ制御回路60の回路図である。上記実施形態1,2では、断線判断処理時に、中央サーミスタ39aに高圧電源Vdからの電圧を印加していたが、図10に示すように、中央サーミスタ39aの近傍に、中央サーミスタ39aの抵抗値Rthよりも小さい抵抗器R4(「第2抵抗」の一例)を、また、他の位置に抵抗器R5,R6を設け、断
線判断処理時にトランジスタ67(「スイッチ手段」の一例)をON動作させ、システム電源Vsの電圧を抵抗器R4に電流を流すようにしてもよい。このようにすれば、抵抗器R4が自己発熱して徐々に抵抗器R4の温度が上昇し、抵抗器R4の近傍に設けられた中央サ
ーミスタ39aが間接的に温められる。すると、中央サーミスタ39aが断線していなければ、中央サーミスタ39aの抵抗値Rthが徐々に下がり、A/Dコンバータ64を介して
検出される電圧のデジタル値は徐々に上がる。一方、中央サーミスタ39aが断線してい
れば、中央サーミスタ39aに殆ど電流が流れないので、A/Dコンバータ64を介して
検出される電圧のデジタル値は所定値(≒0)のままである。上記違いにより、中央サーミスタ39の断線を正確に判断することができる。さらには、中央サーミスタ39aの特
性や経年変化等に左右されず中央サーミスタ39aを温めることができる。尚、抵抗器R4は、中央サーミスタ39aに近接配置されるが、ここでいう「近接(近傍)」とは、抵抗
器R4の自己発熱によって中央サーミスタ39aが間接的に温められる距離のことである。(2)上記実施形態1,2では、高圧電源としてVdを用いたが、Vdは24Vでなくてもよく、クレーム8の式を満たしつつ断線判断処理ができる電圧であればよいし、別電源を使っても良い。このとき、できるだけVdを高電圧に設定すれば、よりA/Dコンバータ
64の感度が良くなり、かつ、中央サーミスタ39aが自己発熱しやすくなるので、より
断線を正確に判断することが出来る。
(3)また、中央サーミスタ39aが断線している旨をレーザプリンタ1の表示部59を
介して報知していたが、音声で報知してもよい。
レーザプリンタ1本体内部を示す要部側断面図 本発明の定着制御装置を構成する熱定着装置18のケーシング部材34を示す斜視図 サーミスタ39周辺の要部側断面図 本発明の定着制御装置を構成する、ヒータ33への通電のための回路を示す回路図 本発明の定着制御装置を構成する、ヒータ33への通電制御やサーミスタ39の断線判断を行うヒータ制御回路60の回路図 CPU61により実行される熱定着装置18の制御処理動作を示すフローチャート コールドスタート時においてCPU61により実行される中央サーミスタ39aの断線を判断する断線判断処理動作を示すフローチャート CPU61により実行される、ヒータ33の温度や動作を制御するヒータ温度制御処理動作を示すフローチャート 実施形態2において、コールドスタート時においてCPU61により実行される中央サーミスタ39aの断線を判断する断線判断処理動作を示すフローチャート 本発明の他の実施形態におけるヒータ33への通電制御やサーミスタ39の断線判断を行うヒータ制御回路60の回路図
符号の説明
1 レーザプリンタ
3 用紙
18 熱定着装置
33 ヒータ
39a,39b サーミスタ
51 電源
59 表示部
61 CPU
64 A/Dコンバータ
65,67 トランジスタ
1 プルダウン抵抗
4 抵抗器
th サーミスタ39の抵抗
s システム電源
d 高圧電源

Claims (11)

  1. 定着手段の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段に直列接続される第1抵抗と、
    前記温度検出手段と接続され、第1印加電圧を印加する第1印加手段と、
    前記温度検出手段と接続され、前記第1印加電圧より高い第2印加電圧を印加する第2印加手段と、
    前記温度検出手段と前記第2印加手段との間に設けられるスイッチ手段と、
    前記温度検出手段および前記第1抵抗により得られる分圧電圧のアナログ値をデジタル値に変換するA/Dコンバータと、
    前記定着手段の起動時における検出温度が所定温度以下のときに、前記スイッチ手段が導通され前記温度検出手段に前記第2印加電圧が印加される場合、前記A/Dコンバータによって変換されるデジタル値が所定値以下であるか否かを判断する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする定着制御装置。
  2. 前記第2印加手段は、前記温度検出手段へ電圧を印加するとともに、前記定着手段を駆動させる電圧を前記定着手段へ印加することを特徴とする請求項1に記載の定着制御装置。
  3. 定着手段の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段に直列接続される第1抵抗と、
    前記温度検出手段と接続され、第1印加電圧を印加する第1印加手段と、
    前記温度検出手段と接続され、前記第1印加電圧より高い第2印加電圧を印加する第2印加手段と、
    前記温度検出手段と前記第2印加手段との間に設けられるスイッチ手段と、
    前記温度検出手段および前記第1抵抗により得られる分圧電圧のアナログ値をデジタル値に変換するA/Dコンバータと、
    前記定着手段の起動時における検出温度が所定温度以下のときに、前記スイッチ手段が導通され前記温度検出手段に前記第2印加電圧が印加される場合、前記A/Dコンバータによって変換されるデジタル値が所定量変化するか否か判断する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする定着制御装置。
  4. 定着手段の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段に直列接続される第1抵抗と、
    前記温度検出手段に対し近接配置され、かつ前記温度検出手段の抵抗値よりも小さい抵抗値を有する第2抵抗と、
    前記温度検出手段と前記第2抵抗との間に接続され、第1印加電圧を印加する第1印加手段と、
    前記第2抵抗と接地との間に設けられるスイッチ手段と、
    前記温度検出手段および前記抵抗により得られる分圧電圧のアナログ値をデジタル値に変換するA/Dコンバータと、
    前記定着手段の起動時における検出温度が所定温度以下のときに、前記スイッチ手段が導通される場合、前記A/Dコンバータによって変換されるデジタル値が所定量変化するか否か判断する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする定着制御装置。
  5. 前記第2抵抗は、前記第2抵抗に電流が流れたときに前記第2抵抗が発する熱により、前記温度検出手段の温度を上昇させる位置に配置されることを特徴とする請求項4に記載の定着制御装置。
  6. 前記第1印加手段は、前記温度検出手段へ電圧を印加するとともに、前記制御手段を動作
    させる電圧を前記制御手段へ印加することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の定着制御装置。
  7. 前記温度検出手段へ印加される電圧は、数式1を満たす値に設定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の定着制御装置。
    c:前記温度検出手段へ印加される電圧
    s:前記制御手段の動作電圧
    1:前記温度検出手段に直列接続される前記第1抵抗の値
    th:前記所定温度以下のときの前記温度検出手段の抵抗値
  8. 前記温度検出手段へ印加される電圧は、より大きい値に設定されることを特徴とする請求項7に記載の定着制御装置。
  9. 前記定着手段を加熱する加熱手段を備え、
    前記判断手段により前記温度検出手段が断線していると判断された場合、前記加熱手段による加熱動作を禁止する禁止手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の定着制御装置。
  10. 前記判断手段により前記温度検出手段が断線していると判断された場合、前記断線に基因する情報を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の定着制御装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の定着制御装置を備え、被記録媒体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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