JP2005266241A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 画像濃度を適正な値にするためのプロセス制御による自動調整機能を備え、画像形成工程における主要な作像動作の駆動力を単一の駆動源によって与える画像形成装置1において、装置に電源が投入された時点での定着部9(加熱ローラ26)の温度を検知し、検知した温度が予め決められた値以下である場合、若しくは前回のプロセス制御を行ってから所定枚数経過している場合に、電源投入後の最初の作像作業終了時にプロセス制御を行う。
【選択図】 図1
Description
電子写真方式の画像形成装置には、一例として、静電潜像が形成された感光体表面に対して現像ローラを用いてトナーを付着させることで該感光体表面にトナー像を形成し、このトナー像を用紙等に転写した後、転写したトナー像を加熱ローラ等の加熱定着部材によって加熱溶融させて用紙に定着させる。このような画像形成装置には、プリンタエンジンに対する用紙の供給タイミングを調整するレジストローラ等のレジスト部材を備えているものがある。
上述した画像形成装置では、プリンタエンジンにおける感光体、感光体に接触配置された現像ローラや転写ローラ等の感光体に連動して動作すべき部材、加熱ローラ、レジストローラ等を、モータ等の単一の駆動源の駆動力によって駆動するようにしたものがある。これによって、画像形成装置の小型化を図り、消費電力や装置コストを低下させることができる。
ところで、電子写真方式の画像形成装置では、形成する画像濃度が適性値になるような調整(プロセス制御)を自動的に行うものがある。
このようなプロセス制御を行う画像形成装置としては、例えば、画像形成装置を長時間休止させた場合に、画像形成装置を長時間休止させた状態で感光体上に形成される画像濃度と、それ以外の場合に感光体上に形成される画像濃度とに基づいて、ケース中のトナー濃度を制御するための基準値を調整するようにした画像形成装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、電源がOFFになってから再度ONになるまでの経過時間や加熱ローラの温度変化に応じて、感光体上に形成される画像濃度の調整を行うようにした画像形成装置がある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、例えば、電源投入時の加熱ローラの温度が所定温度以下である場合、以降の所定枚数までの連続作像動作に際しては、ケース中のトナー濃度を制御するための基準値を所定の間隔で調整するようにした画像形成装置がある(例えば、特許文献3参照)。
また、加熱ローラは回転時よりも非回転時の方がより早く昇温するという立ち上がり特性を有しており、上述したように、プリンタエンジンにおける感光体、現像装置および転写装置と加熱ローラとレジストローラとを単一のモータによって駆動する画像形成装置において上述したようなプロセス制御をプリントジョブの実行前に行うと、加熱ローラの昇温が遅れてファーストプリント時間が低下してしまう。
この対策として、定着機構と駆動源との間にクラッチを設け、このクラッチによりモータの駆動力を必要時のみに加熱ローラに伝達することが考えられるが、部品数増加により構成が複雑化し、コストアップしてしまう。
別の対策として、加熱ローラの昇温を早めるために、加熱ローラを昇温させるヒータのパワーを上げることが考えられるが、消費電力を低下させるために単一のモータを用いているにも拘わらず、却って消費電力が増加してしまうことが考えられる。
また、別の対策として、プリントジョブの実行後にプロセス制御を行うようにすることが考えられるが、この場合にも、プロセス制御を行わないわけにはいかないという一方で、パフォーマンスが低下するためにプリントジョブを実行する毎にプロセス制御を行うわけにはいかないため、適正なタイミングでプロセス制御を行う必要がある。つまり、制御が複雑化する。
このような理由から、例えば、定着部の温度を検知して装置の使用状況を把握してプロセス制御を行うかどうかを判断するという制御方法が有効になると考えられる。しかし、懸念として周囲の温度が高い環境や、使用者が意図的に省エネモードに入る時間を遅らせるような場合が考えられる。このような場合に定着温度をモニタする制御しか持たないと、定着温度は常時高いことから、結果としてプロセス制御に入ることが非常に少なくなり、プロセス制御による効果が十分に得られなくなるという状況に陥ってしまう。
そこで、本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、所定のタイミングでプロセス制御を実行するように設定され、さらに、主要な作像動作の駆動力を単一の駆動源によって与えるように構成されている場合であっても、ファーストプリント時間を短縮することができるとともにプロセス制御による効果を十分に得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項2の発明は、静電潜像が形成された像担持体表面にトナーを供給してトナー像を形成し、該トナー像を記録媒体に転写し、転写されたトナーを加熱溶融させて前記記録媒体に定着させる画像形成部と、画像濃度を適正な値にするためのプロセス制御による自動調整機能を備えた制御部と、該画像形成工程における主要な作像動作の駆動力を与える単一の駆動源と、を備えた画像形成装置において、通常待機時よりも消費電力が低い省エネモードから復帰した時点での定着温度を検出する定着温度検出手段を備え、前記制御部は、定着温度検出手段が検知した定着温度が予め決められた値以下である場合、若しくは前回のプロセス制御を行ってから所定枚数経過している場合に、省エネモード復帰後の最初の作像作業終了時にプロセス制御を行うことを特徴とする。
また、トナー像を形成するトナーを、TetraHydroFran(以下THFと表記する)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下GPCと表記する)による分子量分布の値が1000から10000の間に少なくとも一つのピークを有し、該分子量分布の半値幅が分子量15000以下として、耐オフセット性および熱保存性が良好で、低温での定着性に優れたトナーを用いることで、従来と比較して、定着部が低温でも定着を可能とし、定着部の昇温を待機することによるファーストプリントの遅れを低減して、従来と比較してファーストプリント時間を短縮することができる。
なお、静電潜像が形成された像担持体表面にトナーを供給してトナー像を形成し、該トナー像を記録媒体に転写し、転写されたトナーを加熱溶融させて記録媒体に定着させる工程は、画像形成部が実施する。
図1は、本実施形態の画像形成装置1を示す縦断側面図である。画像形成装置1のハウジング2には、記録媒体としてのシート状の用紙3を積層状態で収納する手差しトレイ5と、画像形成装置1の電源のON/OFFを行う電源スイッチ6(図7参照)と、が設けられている。ハウジング2内には、用紙3を積層状態で収納する給紙カセット7が設けられている。手差しトレイ5および給紙カセット7には、普通紙等の用紙が収納されていてもよいし、OHPシート等が収納されていてもよい。
手差しトレイ5または給紙カセット7には、手差しトレイ5または給紙カセット7から電子写真方式のプリンタエンジン8や定着部9を経由して排紙トレイ10に至る用紙経路11が連通されている。この用紙経路11に対しては、ハウジング2内に設けられた手差し給紙ローラ12または給紙ローラ13によって、手差しトレイ5または給紙カセット7に収納された用紙3が一枚ずつ給送される。手差しトレイ5、給紙カセット7、手差し給紙ローラ12、給紙ローラ13によって給紙部が構成されている。
手差し給紙ローラ12および給紙ローラ13は、それぞれ、手差しトレイ5および給紙カセット7に収納された用紙3の最上位紙に当接するように付勢されており、後述するプリントジョブの実行に際しては、手差し給紙ローラ12または給紙ローラ13のいずれか一方が駆動される。
プリンタエンジン8は、円筒状に形成されて軸心周りに回転自在とされた像坦持体としての感光体14、感光体14の周囲に配設された帯電部15、書き込み部16、現像部17、転写部18を有している。
書き込み部16は、帯電部15によって一様に帯電された感光体14表面を画像データに基づいて露光走査することにより、感光体14表面に静電潜像を書き込む。公知の技術であるため詳細な図示および説明を省略するが、一例として、書き込み部16は光を発する光源と、光源で発した光を走査させるポリゴンミラー、ポリゴンミラーを回転させるモータ、および、ポリゴンミラーで走査された光をレンズを介して感光体へ向けて反射させるミラー等によって構成することができる。
現像部17は、トナーボトル19から供給されるトナーおよびキャリアからなる二成分現像剤を保持するケース20と、ケース20内に保持されたトナーを感光体14表面に供給する現像ローラ21とを備えており、現像ローラ21の動作によって感光体14表面にトナーを供給することにより、書き込み部16による光走査によって感光体14表面に書き込まれた静電潜像を顕像化する。また、現像部17は、ケース20内の透磁率を検出することによりケース20内におけるトナー濃度を検出するセンサ22を備えている。ケース20内には、ケース20内のトナーおよびキャリアを攪拌する攪拌部材20aが設けられている。
公知の技術であるため説明を省略するが、トナーボトル19は、螺旋状に巻回された螺旋状突起を内周面に備え、螺旋軸心方向を中心として回転されることによりトナーボトルの螺旋軸心方向の一端側に設けられたトナー吐出口から現像部のケースにトナーを供給する。トナー吐出口からケースまでは、図示しないトナー経路によって連通されている。
本実施の形態の画像形成装置1で用いられるトナーは、トナーのTHF可溶分により求められるGPCによる分子量分布の値が1000〜10000の間に少なくとも一つのピークを有し、該分子量分布の半値幅が分子量15000以下に設定されている。なお、本実施形態の画像形成装置で用いられるトナーについては、特許文献4に記載されているトナーと同様であるため説明を省略するが、THF可溶分により求められるGPCによる分子量分布の値が1000〜10000の間に少なくとも一つのピークを有し、該分子量分布の半値幅が分子量15000以下に設定されているトナーを用いることにより、良好な耐ホットオフセット性および良好な熱保存性を得ることができる。
ここで、表1は本実施形態の画像形成装置で用いられるトナーの組成を示しており、表2および表3は該トナーの特性を示している。
転写部18は、感光体14との間に転写電圧を印加することにより、感光体14表面に付着するトナーを、用紙経路11中を搬送される用紙3に転写する。本実施形態の転写部18は、軸心を用紙搬送方向に直交する方向に沿って配列されて、外周面を感光体14の表面に接触させたローラ形状を有している。
感光体14の回転方向で現像部17より下流側には、後述するプロセス制御処理に際して、感光体14表面に形成された基準パターン画像の濃度を検出するセンサ23が設けられている。センサ23は、後述するプロセス制御処理に際して感光体14表面に形成される基準パターン画像に対する出力値Vspと、後述するプロセス制御処理に際して感光体14表面に形成される基準パターン画像以外の非画像領域に対する出力値Vsgとに基づいて、Vsp/Vsgで表わされるVpを出力する。
用紙経路11のプリンタエンジン8より用紙搬送方向上流側には、レジスト部としてのレジストローラ24が設けられている。レジストローラ24には、レジストローラ24方向に付勢されたピンチローラ25が当接されており、手差しトレイ5または給紙カセット7から給送された用紙3をこのピンチローラ25との間で狭持することで一旦停止させ、感光体14表面に形成されたトナー像が、感光体14と転写部18との対向位置である転写位置へ移動するタイミングに合わせて回転することで該用紙3を転写位置へ送りこむ。
また、定着部9は、図2および図3に示すように、加熱ローラ26の温度を検出するサーミスタ(定着温度検出手段)29およびサーモスイッチ30を備えている。公知の技術であるが、サーミスタ29は、温度によって電気抵抗が変化する半導体素子である。また、サーモスイッチ30は、検出した温度に応じた電流を、サーモスイッチ30に接続されたヒューズ31に流す。公知の技術であるが、ヒューズ31は、既知の抵抗値を有しており、流れた電流に応じて発熱し、過剰電流が流れると溶断する。すなわち、ヒューズ31は、加熱ローラ26の温度が所定温度以上に上昇した場合に飛ぶ(遮断する)ようになっている。
ここで、図4は、回転時と非回転時とにおける加熱ローラ26の温度の立ち上がり特性を示している。図4からも判るように、加熱ローラ26は、回転時よりも非回転時の方がより早く昇温するという立ち上がり特性を有している。
定着部9より用紙搬送方向下流側の排紙部には、ピンチローラ32aが当接された排紙ローラ32が設けられている。排紙ローラ32は、トナー像定着後の用紙を排紙トレイ上に排出する。排紙ローラ32の近傍には、排紙センサ33が設けられている。排紙センサ33は、用紙が通過することによって出力が変化する。
また、本実施形態の画像形成装置では、レジスト部(レジストローラ24)から定着部9までの動作に必要な駆動力は単一の駆動源としてのメインモータ34(図5および図6参照)から与えられる。ここで、図5は、メインモータ34の駆動力を、メインモータ34によって駆動される各部に伝達するギア構成を示す側面図であり、図6はメインモータ34から定着部9周辺に至るギア構成を示す斜視図である。
図5、図6に示すように、メインモータ34の駆動軸35には、ギア36を介して、現像部17の現像ローラ21を回転駆動するギア37が連結されている。このギア37には、ギア38、39、40、41を介して、ギア42が連結されている。ギア42は、回転中心が加熱ローラ26の軸心と同心円上に位置するように加熱ローラ26に固定されている。これにより、メインモータ34を駆動するとギア42が回転駆動され、ギア42とともに加熱ローラ26が回転駆動される。加圧ローラ27は、外周面が加熱ローラ26の外周面に圧接されているため、加熱ローラ26の回転に連動して回転する。
また、図5に示すように、メインモータ34の駆動軸35には、ギア43、44を介して、ギア45が連結されている。ギア45は、回転中心が感光体14の軸心と同心円上に位置するように感光体14に固定されている。これにより、メインモータ34を駆動するとギア45が回転駆動され、ギア45とともに感光体14が回転駆動される。
さらに、メインモータ34の駆動軸35には、2段ギア48が連結されており、この2段ギア48にはギア49を介してギア50が連結されている。ギア50は、レジストクラッチ51を介して、回転中心がレジストローラ24の軸心と同心円上に位置するようにレジストローラ24に連結されている。レジストクラッチ51は、ON状態にあるときにレジストローラ24に対してメインモータ34の駆動力を伝達し、OFF状態にあるときにレジストローラ24に対するメインモータ34からの駆動力の伝達を遮断する。これにより、メインモータ34が駆動するとともにレジストクラッチ51がON状態にある場合にのみ、レジストローラ24が回転駆動される。
ギア49には、ギア52、53、54を介して、ギア55が連結されている。ギア55は、手差用給紙クラッチ56を介して、回転中心が手差し給紙ローラ12の軸心と同心円上に位置するように手差し給紙ローラ12に連結されている。手差用給紙クラッチ56は、ON状態にあるときに手差し給紙ローラ12に対してメインモータ34の駆動力を伝達し、OFF状態にあるときに手差し給紙ローラ12に対するメインモータ34からの駆動力の伝達を遮断する。これにより、メインモータ34が駆動するとともに手差用給紙クラッチ56がON状態にある場合にのみ、手差し給紙ローラ12が回転駆動される。
なお、手差用給紙クラッチ56と給紙クラッチ57とは、いずれか一方がON状態にある場合、他方がOFF状態となるように制御される。これにより、メインモータ34からの駆動力は、手差用給紙クラッチ56および給紙クラッチ57により、手差し給紙ローラ12または給紙ローラ13のいずれか一方に伝達される。
加えて、ギア42には、ギア32b、32cを介して、排紙ローラ32を回転駆動するギア32dが連結されている。
本実施形態では、メインモータ34、ギア36〜46、トナーボトルクラッチ47、ギア48〜50、レジストクラッチ51、ギア52〜55、手差用給紙クラッチ56および給紙クラッチ57によって駆動機構59が実現されている。
このように、感光体14、現像部17、転写部18、レジスト部(レジストローラ24)、定着部9(加熱ローラ26)等を、単一のメインモータ34によって駆動することにより、複数のモータを用いる場合と比較して、消費電力の低減を図るとともに、画像形成装置1の小型化を図ることができる。
画像形成装置1は、画像形成装置1が備える各部を駆動制御する制御部58を備えている。特に図示しないが、制御部58は、画像形成装置1が備える各部を駆動制御するCPUや、ROMやRAM等によって構成されてCPUが実行する各種制御プログラムを記憶するプログラムファイルや、制御プログラムの実行に際して使用される各種データが設定されるテーブルおよびバッファ等を備える記憶装置を接続することにより構成されるマイクロコンピュータを主体として構成されている。また、特に図示しないが、制御部58は計時機能を有しており、この計時機能を利用して、プリントジョブを実行しない状態が予め設定された規定待機時間以上連続したことを判断することができる。画像形成装置1は、プリントジョブを実行しない状態が予め設定された規定待機時間以上連続した場合に、画像形成装置1の動作モードを、画像形成装置1が備える各部を休止状態とする省エネモードに設定する。ここに、モード設定手段としての機能が実現される。なお、画像形成装置1の動作モードを省エネモードに設定する技術については公知の技術であるため説明を省略する。
記憶装置には、例えば、後述するプロセス制御処理に際して参照される基準パターンのデータ等が記憶されている。
また、記憶装置には、図9に示すように、後述するプロセス制御選択実行処理に際して参照される温度判定テーブル61が設けられている。温度判定テーブル61に設定される判定温度値Tsは、例えば、トナーを溶融させ、用紙に定着させることが可能である温度に基づいて設定される値である。本実施の形態では、温度判定テーブル61に設定される判定温度値Tsに基づいて取得される温度を規定温度とする。
さらに、記憶装置には、図10に示すように、補正値ファイル62が格納されている。補正値ファイル62は、センサ23の出力値に基づき取得されるVpと、濃度補正値ΔVtrefとを対応付けて記憶するファイル構造を備えている。ここで、センサ23の出力値に基づき取得されるVpは、上述したように、Vp=Vsp/Vsgで表わされる。また、補正値ファイル62における濃度補正値ΔVtrefは、例えば、実験等により予め設定される。
加えて、記憶装置には、図11に示すように、後述するプロセス制御選択実行処理のプロセス制御に際して、センサ22の目標濃度値Vtrefが設定される目標値設定テーブル63が設けられている。目標値設定テーブル63に設定されるセンサ22の目標濃度値Vtrefは、Vtref=Vtp+ΔVtrefで表わされる。詳細は後述するが、トナーボトル19からケース20へ供給されるトナー量は、目標値設定テーブル63に設定された目標濃度値Vtrefに応じて決められる。
また、制御部58には、レジストクラッチ51、手差用給紙クラッチ56、給紙クラッチ57およびトナーボトルクラッチ47が接続されている。各クラッチ47、51、56、57は、制御部58によってそれぞれON/OFF駆動される。
さらに、制御部58には、排紙センサ33、サーミスタ29およびサーモスイッチ30が接続されている。制御部58は、排紙センサ33の出力変化に基づいて、排紙トレイ10に用紙3が排紙されたか否かを判断する。制御部58は、サーミスタ29における電気抵抗の変化に基づいて加熱ローラ26の温度を検出する。上述したように、サーモスイッチ30が検出する加熱ローラ26の温度が所定温度以上になるとヒューズ31が飛んで制御部58への信号出力が断たれるため、制御部58は、サーモスイッチ30からの検出信号の有無に応じて加熱ローラ26の昇温限界を判断し、サーモスイッチ30からの検出信号の出力が断たれた場合には加熱ローラ26の温度が所定温度以上になったと判断して、ヒータ28による加熱ローラ26の昇温を停止する。
また、制御部58には、電源スイッチ6が接続されている。電源スイッチ6は、画像形成装置1の電源のON/OFF状態を制御部に出力する。制御部58は、電源スイッチ6から出力される信号に基づいて画像形成装置1の状態を判断する。
加えて、特に図示しないが、制御部58には、例えば、パーソナルコンピュータ等の図示しない外部装置との間でデータ通信を行うインターフェイスが接続されている。インターフェイスを介して外部装置から受信するデータとしては、例えば、実プリントデータおよびこの実プリントデータのプリントコマンド等によって構成されるプリントデータがある。本実施の形態では、インターフェイスを介して外部装置からプリントデータを受信することにより、該プリントデータ中の実プリントデータに基づく作像動作の実行が宣言される。ここに、作像宣言手段としての機能が実現される。
電源スイッチ6の操作によって画像形成装置1の電源が投入されたと判断する、または、パーソナルコンピュータ等の外部装置から転送されたプリントデータを受信することなどにより省エネモードから復帰したと判断するまで待機しており(S1のNo)、電源スイッチ6の操作によって画像形成装置1の電源が投入されたと判断する、または、パーソナルコンピュータ等の外部装置から転送されたプリントデータを受信することなどにより省エネモードから復帰したと判断した場合には(S1のYes)、サーミスタ29からの出力値に基づいて、定着部9における加熱ローラ26の温度を検出し(S2)、温度判定テーブル61を参照して、検出した加熱ローラ26の温度が判定温度値Tsに基づいて取得される温度以下であるか否かを判断する(S3)。ここに、ステップS2によって、温度検出手段としての機能が実行される。
検出した加熱ローラ26の温度が判定温度値Tsに基づいて取得される温度以下であると判断した場合(S3のYes)、プロセス制御フラグエリア60に1をセットする(S4)。
一方、検出した加熱ローラ26の温度が判定温度値Tsに基づいて取得される温度以下ではないと判断した場合(S3のNo)は、S5へ移り、前回のプロセス制御を行ってから規定枚数以上経過しているかを判断し、規定枚数以上であると判断した場合(S5のYes)、プロセス制御フラグエリア60に1をセットする(S6)。
一方、規定枚数以上経過していないと判断した場合(S5のNo)は、プロセス制御フラグエリア60のセット状態を維持したまま処理を終了する。
まず、受信したプリントデータに基づいて作像・印刷作業を行う(S11)。公知の技術であるため説明を省略するが、ステップS11では、受信したプリントデータに含まれる実プリントデータに基づいて書き込み部16を駆動制御して、帯電部15によって一様に帯電された感光体14表面に静電潜像を形成し、現像ローラ21によって静電潜像を顕像化したトナー像を、転写部18によって用紙3に転写する。そして、トナー像が転写された用紙3が定着部9を通過する際に、加熱ローラ26によって用紙3上のトナーを加熱溶融させるとともに、加圧ローラ27によって加圧することで、転写されたトナー像を用紙3に定着させ排紙トレイ10に排紙する。このとき、駆動機構59によって、感光体14、現像部17、転写部18、レジスト部(レジストローラ24)、定着部9(加熱ローラ26)等が、単一のメインモータ34の駆動力によって駆動されることにより用紙3上に対する作像動作が行われるため、ここに、作像手段としての機能が実行される。
作業が終了すると(S12)、S13へ移ってプロセス制御フラグエリア60をチェックする。そして、チェックしたプロセス制御フラグエリア60に1がセットされている場合(S14のYes)、以下に説明するプロセス制御処理を行い(S15)、チェックしたプロセス制御フラグエリア60に0がセットされている場合(S14のNo)、プロセス制御処理を行わずにステップS16に進む。ここに、ステップS15によって、プロセス制御手段としての機能が実現される。
続いて、センサ23からの出力値Vp、および、センサ22からの出力値Vtpに基づいて、補正値ファイル62より濃度補正値ΔVtrefを取得する。そして、センサ22からの出力値Vtpと濃度補正値ΔVtrefとを加算して目標濃度値Vtrefを取得し、取得した目標濃度値Vtrefを目標値設定テーブル63に設定する。その後、目標濃度値Vtrefを参照して、メインモータ34の駆動中にトナーボトルクラッチ47をONにしてトナーボトル19を回転させ、トナー吐出口およびトナー経路を介してケース20内にトナーを供給する。ここに、トナー供給手段としての機能が実現される。
そして、プロセス制御フラグエリア60に0をセットし(S16)、作像後処理を実行して(S17)、処理を終了する。なお、ステップS17で実行する作像後処理については公知の技術であるため説明を省略する。
また、本実施の形態の画像形成装置1によれば、プロセス制御処理を行うタイミングをプリントジョブ実行後とするため、電源ON時における画像形成装置1の起動処理に際してメインモータ34を駆動させる必要がない。上述したように、加熱ローラ26は回転時よりも非回転時の方がより早く昇温するという立ち上がり特性を有しているため、電源ON時における画像形成装置1の起動処理をメインモータ34を駆動することなく行うことで加熱ローラ26の昇温を早めることができ、画像形成装置1の電源ONとされてから、または、省エネモードから復帰してから一回目の作像動作までの時間(ファーストプリント時間)を早くすることができるとともに、プロセス制御を実行する条件として定着温度の確認と併用して前回のプロセス制御後の作像枚数の確認を行うように設定しているので、周囲の温度環境や使用者の使い方(例えば、使用者が意図的に省エネモードに入る時間を遅らせるような場合)によって定着温度が比較的高い状態が続いてもプロセス制御の実行回数が少なくなるという状態を回避することができ、プロセス制御による効果を十分に得ることができる。
さらに、本実施の形態の画像形成装置1によれば、低温での定着性が良好なトナーを用いているため、従来の定着温度と比較して、定着温度を低く設定することができ、加熱ローラ26の昇温を待機することによるファーストプリントの遅れを低減し、従来の装置と比較してファーストプリント時間を早くすることができる。
なお、本実施の形態では、感光体14を像担持体として、感光体14表面に形成した基準パターン画像の濃度を検出するようにしたが、これに限るものではなく、例えば、感光体14表面に形成したトナー像を図示しない中間転写ベルト等の中間転写媒体を介して用紙に転写する中間転写方式の画像形成装置における中間転写ベルトを像担持体とし、中間転写ベルト上の基準パターン画像の濃度を検出するようにしてもよい。
Claims (3)
- 静電潜像が形成された像担持体表面にトナーを供給してトナー像を形成し、該トナー像を記録媒体に転写し、転写されたトナーを加熱溶融させて前記記録媒体に定着させる画像形成部と、画像濃度を適正な値にするためのプロセス制御による自動調整機能を備えた制御部と、該画像形成部における主要な作像動作の駆動力を付与する単一の駆動源と、を備えた画像形成装置において、
装置に電源が投入された時点での定着温度を検出する定着温度検出手段を備え、
前記制御部は、定着温度検出手段が検出した定着温度が予め決められた値以下である場合、若しくは前回のプロセス制御を行ってから所定枚数経過している場合に、電源投入後の最初の作像作業終了時にプロセス制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 静電潜像が形成された像担持体表面にトナーを供給してトナー像を形成し、該トナー像を記録媒体に転写し、転写されたトナーを加熱溶融させて前記記録媒体に定着させる画像形成部と、画像濃度を適正な値にするためのプロセス制御による自動調整機能を備えた制御部と、該画像形成工程における主要な作像動作の駆動力を与える単一の駆動源と、を備えた画像形成装置において、
通常待機時よりも消費電力が低い省エネモードから復帰した時点での定着温度を検出する定着温度検出手段を備え、
前記制御部は、定着温度検出手段が検知した定着温度が予め決められた値以下である場合、若しくは前回のプロセス制御を行ってから所定枚数経過している場合に、省エネモード復帰後の最初の作像作業終了時にプロセス制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
トナー像を形成するトナーは、トナーのTHF可溶分により求められたゲルパーミエーションクロマトグラフィによる分子量分布の値が1000から10000の間に少なくとも一つのピークを有し、該分子量分布の半値幅が分子量15000以下の静電荷現像トナーであることを特徴とする画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 2004-03-18 JP JP2004077921A patent/JP2005266241A/ja active Pending
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JP2007178908A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
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