JP2008089831A - 光学部品の駆動装置およびレンズ鏡筒 - Google Patents

光学部品の駆動装置およびレンズ鏡筒 Download PDF

Info

Publication number
JP2008089831A
JP2008089831A JP2006268989A JP2006268989A JP2008089831A JP 2008089831 A JP2008089831 A JP 2008089831A JP 2006268989 A JP2006268989 A JP 2006268989A JP 2006268989 A JP2006268989 A JP 2006268989A JP 2008089831 A JP2008089831 A JP 2008089831A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
drive
sliding surface
operation ring
planetary roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006268989A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008089831A5 (ja
Inventor
Mitsuteru Hino
光輝 日野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2006268989A priority Critical patent/JP2008089831A/ja
Priority to EP07253857A priority patent/EP1906222B1/en
Priority to US11/905,285 priority patent/US8094392B2/en
Publication of JP2008089831A publication Critical patent/JP2008089831A/ja
Publication of JP2008089831A5 publication Critical patent/JP2008089831A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/04Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification
    • G02B7/08Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification adapted to co-operate with a remote control mechanism

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)

Abstract

【課題】振動モータなどのアクチュエータにおいて用いる弾性体とロータとの間の非通電時保持トルクが低くなっても、弾性体とロータとの間が滑ることがない駆動装置と、それを用いたレンズ鏡筒を提供すること。
【解決手段】操作部材4からの駆動力が伝達される操作リング3と、アクチュエータ20からの駆動力が伝達される駆動リング9と、光学部品8aに駆動力を伝達する出力リング5と、操作リング3および駆動リング9のいずれか一方からの駆動力が出力リング5に選択的に伝達するように、出力リング5に回転可能に取り付けられ、操作リング3の一端面3aおよび駆動リング9の一端面9aを摺動する遊星コロ6とを有する駆動装置。操作リング3における遊星コロ6との摺動面3aが、操作リング本体よりも低摩擦な低摩擦部材で構成してある。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえばレンズなどの光学部品を駆動するための駆動装置と、その駆動装置を有するレンズ鏡筒に関する。
下記の特許文献1で公知のように、オートフォーカス一眼レフカメラに用いられる交換レンズなどのレンズ鏡筒において、2系統の入力に対して選択的にフォーカスレンズ群を駆動する駆動装置が存在する。2系統の入力のうちの一つは、オートフォーカス時に作用する振動モータ等の駆動源からの駆動力であり、他の一つは、マニュアルフォーカス時にユーザ操作により作用する駆動力である。
2系統の入力を選択的に伝達するために、従来の駆動装置では、ユーザ操作により作用する駆動力が伝達される操作リングと、振動モータ等の駆動源からの駆動力が伝達される駆動リングとの間に、遊星コロを介して出力リングを配置してある。出力リングには、フォークおよび係合ピンを介してレンズを保持するレンズ室が連結してあり、出力リングの回転により、レンズ室が光軸方向に移動可能になっている。
ユーザは、操作リングに連結してある操作用摘みを回しすぎることがある。そこで、駆動装置では、レンズ室が移動可能領域の軸方向端部に移動し、それでもユーザが操作用摘みを回転させた場合、操作リングと遊星コロとの間、または駆動リングと遊星コロとの間が滑るように構成してある。そのように構成することで、レンズ室には過大な力が伝わらず、レンズ室や係合ピンなどの破損を防いでいる。ここで、遊星リングの外周が滑るのは、振動モータにおいて、弾性体とロータとの間の保持トルクがあるため、駆動リングが固定されているからである。
駆動リングを固定しようとする保持トルクは、振動モータにおける弾性体とロータとの摩擦係数と、加圧部材が発生する加圧力に依存している。したがって、ある程度の保持トルクを確保するために、振動モータにおける弾性体とロータとの材料選定、あるいは表面処理選定が重要である。
また、振動モータにおける弾性体とロータとの間は、振動モータの停止時には、大きく滑らないことが必要であり、また振動モータの駆動時には、弾性体の振動に応じてロータが相対的に回転する必要がある。すなわち、振動モータにおいては、弾性体とロータとの材料選定、あるいは表面処理選定が重要であり、その選定作業が難しい。
特開2005−148191号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、振動モータなどのアクチュエータにおいて用いる弾性体とロータとの間の非通電時保持トルクが低くなっても、弾性体とロータとの間が滑ることがない駆動装置と、それを用いたレンズ鏡筒を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る光学部品の駆動装置は、
操作部材からの駆動力が伝達される操作リングと、
アクチュエータからの駆動力が伝達される駆動リングと、
光学部品に駆動力を伝達する出力リングと、
前記操作リングおよび前記駆動リングのいずれか一方からの駆動力が前記出力リングに選択的に伝達するように、前記出力リングに回転可能に取り付けられ、前記操作リングの一端面および前記駆動リングの一端面を摺動する遊星コロとを有し、
前記操作リングにおける前記遊星コロとの摺動面が、操作リング本体よりも低摩擦な低摩擦部材で構成してあることを特徴とする。
好ましくは、前記アクチュエータは振動モータである。
本発明に係る光学部品の駆動装置では、操作リングにおける前記遊星コロとの摺動面が、操作リング本体よりも低摩擦な低摩擦部材で構成してある。このため、出力リングにより駆動される光学部品が移動可能領域の軸方向端部に移動し、それでもユーザが操作部材を回転させた場合、操作リングと遊星コロとの間が優先的に滑ることになる(空回り)。
また、光学部品が軸方向の移動可能領域にある場合には、本発明に係る光学部品の駆動装置では、操作部材がユーザからの回転操作を受けると、それに伴い、操作リングが軸芯回りに回転運動を行う。その回転運動により、操作リングの摺動面に接触している遊星コロを回転させる。このとき、振動モータの弾性体とロータとが圧接されているためによって発生する摩擦トルク、つまり非通電時保持トルクにより、駆動リングは静止している。そのため、遊星コロは遊星運動しながら、出力リングも軸芯X回りの回転運動を行い、操作リングの移動量に対して所定比率の移動量にて、出力リングも回転移動することになる。
また、駆動源である振動モータに交流電圧を印加しロータが運動すると駆動リングも軸芯回りの回転運動を行い、前述した操作リングの回転と同様にして遊星コロを遊星運動させる。このとき、たとえば加圧部材の加圧力が操作リングに力を与え、摩擦トルクが発生するため操作リングは静止している。そのため、前述した操作リングの回転と同様にして、駆動リングにより出力リングも回転移動することになる。
このように、出力リングは、ユーザの操作または駆動源からの駆動力の2系統の入力に対して、選択的に回転運動を行う。この回転運動は、出力リングに取り付けられたフォークおよび係合ピンなどを介して、光学部品に伝達され、最終的に所望の光学部品の駆動が実現される。
好ましくは、前記摺動面の低摩擦係部材はフッ素を含有する。
好ましくは、前記摺動面の低摩擦部材は潤滑塗装膜である。好ましくは、前記摺動面の低摩擦部材の潤滑塗装は焼付け塗装である。さらに好ましくは、前記摺動面の低摩擦部材の潤滑塗装厚みは2〜30μmである。
好ましくは、前記摺動面の摩擦係数は、前記駆動リングにおける前記遊星コロとの摺動面の摩擦係数よりも低い。
本発明の第2の観点に係る光学部品の駆動装置は、
操作部材からの駆動力が伝達される操作リングと、
アクチュエータからの駆動力が伝達される駆動リングと、
光学部品に駆動力を伝達する出力リングと、
前記操作リングおよび前記駆動リングのいずれか一方からの駆動力が前記出力リングに選択的に伝達するように、前記出力リングに回転可能に取り付けられ、前記操作リングの一端面および前記駆動リングの一端面を摺動する遊星コロとを有し、
前記操作リングにおける前記遊星コロとの第1コロ摺動面の摩擦係数が、前記駆動リングにおける前記遊星コロとの第2コロ摺動面の摩擦係数よりも低くなるように、前記操作リングが低摩擦材料で構成してあることを特徴とする。
好ましくは、前記アクチュエータは振動モータである。
本発明の第2の観点に係る光学部品の駆動装置でも、上述した本発明の第1の観点に係る光学部品の駆動装置と同様な作用効果を奏する。
好ましくは、前記低摩擦材料が、フッ素を含有した材料である。また、好ましくは、前記フッ素を含有した材料がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
本発明に係るレンズ鏡筒は、上述したいずれかに記載の駆動装置を有するレンズ鏡筒である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る駆動装置を有するレンズ鏡筒の概略半断面図、
図2は図1に示す出力リングおよび遊星コロの斜視図、
図3(A)および図3(B)は遊星コロと操作リングおよび駆動リングとの相対移動関係を示す概略図である。
第1実施形態
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る駆動装置30を有するレンズ鏡筒32は、固定筒11を有し、この固定筒11に対して、光学部品としてのレンズ群8a〜8cの一部または全部が、光軸方向に移動自在に装着してある。本実施形態では、レンズ群8a〜8cのうちの中央部に配置されたレンズ群8aを、レンズ鏡筒32の固定筒11に対して光軸方向に移動させるための駆動装置30について説明する。
駆動装置30は、駆動装置筐体1を有し、この筺体1は、レンズ鏡筒本体の固定筒11にボルト1aなどを介して固定されており、駆動装置30を収容している。駆動装置30は、筒形状の駆動装置筐体1と、この筺体1に対して、低摩擦部材の摺動補助リング2を介して、筺体1に対して軸芯X回りに回転自在に装着された操作リング3とを有する。
操作リング3は、操作部材としての操作用摘み4に連結してあり、操作用摘み4を筒状カバー34に対して軸芯X回りに回転操作することで、操作リング3も同時に軸芯X回りに回転するようになっている。すなわち、操作リング3は操作用摘み4からの駆動トルクが入力されるリングであり、筐体1の外周でラジアル方向に位置決めされて回転自在となっていると共に、筺体1に対して補助摺動リング2によりスラスト方向に位置決めされている。なお、操作リング3には、操作リング3の回転の有無を検出するための操作リング回転検出板3aを取り付けても良い。ただし、その操作リング回転検出板3aは必ずしも設ける必要はない。
操作用摘み4は、ユーザが直接操作する部材であり、筒状カバー34に対して軸芯Xを中心に回転可能となっており、操作リング3と一体に回る。なお、軸芯Xは、レンズ8a,8b,8cの光軸でもある。
筒状カバー34は、ボルト34aなどにより、アタッチメントリング36および固定筒11に対して固定される。アタッチメントリング36は、レンズ鏡筒32を、カメラ本体に対して着脱自在に装着する部分である。駆動装置筺体1には、ユニット保持部材28が装着してあり、そのユニット保持部材28により、振動モータ20等からなる駆動装置を保持している。ユニット保持部材28は、振動モータ20および駆動装置30全体のスラスト方向の位置決めをするように、筺体1に取り付けられている。
次に駆動源の振動モータ20について説明する。
圧電素子21が弾性体22に接着されており、圧電素子21に交流電圧が印加されると弾性体22の接着面の反対側に進行波が発生する。弾性体22とロータ(移動子)23とは、加圧部材27から発生する力で圧接されており、弾性体22の進行波に対応してロータ23が軸芯X回りに回転する。ロータ23の回転力はゴムリング等の上部吸収材24を介して駆動リング9に伝達する。
なお、駆動リング9には、補強リング9aが埋め込んであるが、必ずしも設ける必要はない。また、圧電素子21と加圧部材27との間には、不織布などで構成してある下部吸収材25と、加圧力を調整する加圧力調整板26とが介在してある。
軸芯Xに沿って駆動リング9と操作リング3との間に配置された出力リング5は、操作リング3または駆動リング9からの駆動力が選択的に伝達される部材であり、筐体1の外周側で、筺体1に対して回転自在に装着してある。出力リング5の内径側には、フォーク7が固定してあり、出力リング5の回転と共に軸芯X回りに回転するようになっている。
フォーク7には、係合ピン10が連結してあり、出力リング5の回転と共に係合ピン10も軸芯X回りに回転するようになっている。係合ピン10の回転力は、レンズ室8に伝達され、カム機構などにより、レンズ8aの軸芯X方向の移動に変換される。
出力リング5の外周には、図2に示すように、周方向に略等間隔で複数(図示では3つ)の遊星軸5aが、周方向と垂直なラジアル方向の外方に形成してあり、それぞれの遊星軸5aには、ローラ(遊星コロ)6が、遊星軸5aの回りに矢印B方向に回転可能に取り付けてある。ローラ6の外径は、出力リング5の軸方向幅よりも大きく、ローラ6の外周は、出力リング5の軸方向の両側から突出し、図1、図3(A)および図3(B)に示すように、操作リング3の一端面(以下、第1コロ摺動面)3bと、駆動リング9の一端面(以下、第2コロ摺動面)9bとの双方に接触するようになっている。
この駆動装置30では、操作用摘み4がユーザからの回転操作を受けると、それに伴い、操作リング3が軸芯X回りに回転運動を行う。その回転運動の方向を、たとえば図3(A)および図3(B)において矢印Aで示すと、操作リング3の第1コロ摺動面3bに接触している遊星コロ6を矢印B方向に回転させる。
このとき、図1に示す振動モータ20の弾性体22とロータ23とが圧接されているためによって発生する摩擦トルク、つまり非通電時保持トルクにより、駆動リング9は静止している。そのため、図3(B)に示すように、遊星コロ6は、矢印B方向に回転しながら、出力リング5も軸芯X回りの回転運動を行い、操作リング3の矢印A方向の移動量L1に対して所定比率の移動量L2にて、出力リング5も回転移動することになる。
また、駆動源である振動モータ20の圧電素子21に交流電圧を印加しロータ23が運動すると駆動リング9も軸芯X回りの回転運動を行い、前述した操作リング3の回転と同様にして遊星コロ6を回転させる。このとき加圧部材27の加圧力が摺動補助リング2と操作リング3の間に力を与え、摩擦トルクが発生するため操作リング3は静止している。そのため、前述した操作リング3の回転と同様にして、駆動リング9の回転により出力リング5も回転移動することになる。
このように、出力リング5は、ユーザの操作または駆動源からの駆動力の2系統の入力に対して、選択的に回転運動を行う。この回転運動は、出力リング5に取り付けられたフォーク7および係合ピン10を介して、レンズ室8に伝えられ、レンズ室8の軸芯X方向の直線運動に変換され、最終的に所望のレンズ駆動が実現される。
本実施形態では、たとえばガラスファイバー入りポリカーボネートなどの合成樹脂(母材樹脂)で構成してある操作リング3において、遊星コロ6との摺動部である第1コロ摺動面3bには、エアブラシを用いてフッ素を含有した潤滑塗料を塗布してある。その後に焼付けを行い、操作リング3の第1コロ摺動面3bには、母材樹脂に比較して、摩擦係数が低い低摩擦部材層が形成される。低摩擦部材層の厚み(潤滑塗装厚み)は、好ましくは2〜30μmである。
金属製の遊星コロ6に対しての第1コロ摺動面(低摩擦部材層の表面)3bの摩擦係数(静摩擦係数および動摩擦係数の双方)は、操作リング3の母材樹脂の表面に比較して低く、母材樹脂の摩擦係数を100%とした場合に、好ましくは90%以下、さらに好ましくは80%以下、特に好ましくは70%以下である。駆動リング9における第2コロ摺動面9bは、たとえば操作リング3の母材樹脂と同様な樹脂で構成してある。そのため、第2コロ摺動面9bの摩擦係数を100%とした場合に、第1コロ摺動面3bの摩擦係数は、好ましくは90%以下、さらに好ましくは80%以下、特に好ましくは70%以下である。ただし、第1コロ摺動面3bの摩擦係数が低すぎると、操作リング3の回転力が遊星コロ6に伝達しにくくなるので、第2コロ摺動面9bの摩擦係数に対して、30%以上の摩擦係数であることが好ましい。
遊星コロ6は、機械的強度と滑り特性を向上させるために、金属で構成される。遊星コロ6を構成する金属としては、特に限定されないが、たとえばステンレス、真鍮などの合金で構成される。真鍮の場合には、表面にNi−Pメッキ、Ni−Crメッキなどのメッキが成されることが好ましい。駆動リング9は、操作リング3の母材樹脂と同様な樹脂で構成してある。
本実施形態では、ユーザが操作用摘み4を回転させた場合、操作リング3を介して遊星コロ6が回転し、出力リング5が軸芯Xを中心に回転する。また、レンズ室8が移動可能領域の軸方向端部に移動し、それでもユーザがレンズ室8を軸方向端部より先の方向に移動させようと操作用摘み4を移動させようとした場合、確実に操作リング3の第1コロ摺動面3bと遊星コロ6との間が滑るようになる。そのため、出力リング5は回転せず、レンズ室8には過大な力が伝わらず、レンズ室8、係合ピン10等の破損を防ぐことができる。ここで、遊星リング6と操作リング3の第1コロ摺動面3bとが滑るのは、弾性体22とロータ23との間の保持トルクがあるため、駆動リング9が固定されているからである。
本実施形態では、その時に必要な弾性体22とロータ23の間で発生する保持トルクは従来よりも大幅に低減(たとえば50%程度)されることが確認された。そのため、弾性体22とロータ23の間への異物の混入による保持トルク低下の影響が低減されると共に、材料選択および表面処理選択の範囲が広がった。
また、弾性体22とロータ23の間への異物の混入によって保持トルクが低下してしまう場合、弾性体22とロータ23の間が滑ることにより、振動モータの特性が劣化する問題が発生する可能性があるが、本実施形態によれば、保持トルクが低下しても弾性体22とロータ23の間が滑るのを防止できるので、振動モータの特性劣化の問題が生じない。
次に、振動モータ20が駆動した場合を考えると、遊星コロ6が操作リング3の第1コロ摺動面3b上を転がり、駆動リング9に伝わったトルクが出力リング5に伝わることにより、出力リング5が軸芯Xを中心に回転することによってレンズ室8が軸芯X方向に移動する。
仮に、第1コロ摺動面3bがフッ素樹脂などの焼き付け塗装ではなく、潤滑剤を塗布した場合、遊星コロ6に潤滑剤が転写され、遊星コロ6と駆動リング9の間の摩擦係数が下がってしまい、振動モータ20の駆動時に遊星コロ6と駆動リング9との間が滑ってしまい、レンズ室8を軸方向Xに移動させるために必要なトルクが取り出せなくなってしまう。
耐久性を確認したところ、潤滑塗装膜の厚みが2μm以下では潤滑塗装膜が完全に削れてしまうことが発生し、摩擦係数が増加するため使用に適さない。また、潤滑塗装膜の厚みが30μmを超えた場合、耐久時に部分的な削りカスが発生し他の部材に飛散することが確認された。よって、潤滑塗装膜の厚みは2〜30μmの間が最適であった。操作リング3の全表面にフッ素を含有した表面処理を施し摩擦係数を下げた場合も同様の効果が得られる。
第2実施形態
本実施形態に係る駆動装置およびレンズ鏡筒は、図1に示す操作リング3を、補強リング3aを有さないフッ素を含有した樹脂で構成した以外は、上述した第1実施形態と同様である。具体的には、操作リング3を、ポリカーボネート樹脂で構成してあり、強化材としてグラスファイバーを入れ、さらに摩擦係数を下げるためPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂を混入している。PTFEの混入量は、全体に対して5〜20重量%混入したものが摩擦係数の低下に効果的であった。
この操作リング3を用いることにより、ユーザが操作用摘み4を回転させた場合、操作リング3を介して遊星コロ6が回転し、出力リング5が軸芯X回りに回転するのは第1実施形態と同じである。また、レンズ室8が移動可能領域の軸方向端部に移動し、それでもユーザが操作用摘み4を回転移動させようとした場合、確実に操作リング3の第1コロ摺動面3bと遊星コロ6との間が滑るようになる。
その時に必要な弾性体22とロータ23の間で発生する保持トルクは従来よりも大幅に低減されることが確認された。そのため、弾性体22とロータ23との間への異物の混入による保持トルク低下の影響が低減されると共に、弾性体22とロータ23とにおける材料選定および表面処理選択の範囲が広がった。また、この実施形態では、弾性体22とロータ23との間への異物の混入の問題に関しては、第1実施形態と同様な作用効果を奏する。
次に、振動モータ20が駆動した場合を考えると、遊星コロ6が操作リング3の第1コロ摺動面3b上を転がり、駆動リング9に伝わったトルクが出力リング5に伝わることにより、出力リング5が軸芯(光軸)Xを中心に回転することによってレンズ室8が光軸方向に移動する。
また、操作リング3にPTFEを含有することにより、従来、摺動補助リング2と操作リング3との間に塗布していた潤滑剤の塗布を廃止することができた。
本発明の第1実施形態および第2実施形態によれば、操作リング3の第1コロ摺動面3bに低摩擦係数部剤層を設けることによって、あるいは操作リング3自体を低摩擦部材で構成することにより、弾性体22とロータ23の間に必要な保持トルクが減少した。そのため、弾性体22とロータ23の材料選定、および表面処理選定の幅が広がった。また、弾性体22とロータ23の間が滑ることによって発生するモータの性能劣化を防ぐことが可能になった。
なお、本実施形態のレンズ鏡筒は、一眼レフカメラなどに着脱自在に取り付けられるレンズ鏡筒であっても良いし、ビデオカメラを含むその他のカメラ、その他の光学機器に着脱自在に取り付けられるレンズ鏡筒、あるいは着脱不可に一体的に装着されたカメラ構造の一部であっても良い。
図1は本発明の一実施形態に係る駆動装置を有するレンズ鏡筒の概略半断面図である。 図2は図1に示す出力リングおよび遊星コロの斜視図である。 図3(A)および図3(B)は遊星コロと操作リングおよび駆動リングとの相対移動関係を示す概略図である。
符号の説明
1… ユニット筐体
2… 摺動補助リング
3… 操作リング
3b… 第1コロ摺動面
4… 操作用摘み
5… 出力リング
6… 遊星コロ
7… フォーク
8… レンズ室
9… 駆動リング
9b… 第2コロ摺動面
10… 係合ピン
11… 固定筒
20… 振動モータ
21… 圧電素子
22… 弾性体
23… 移動子(ロータ)
24… 上部吸収材
25… 下部吸収材
26… 加圧力調整版
27… 加圧部材
28… ユニット保持部材
30… 駆動装置
32… レンズ鏡筒

Claims (11)

  1. 操作部材からの駆動力が伝達される操作リングと、
    アクチュエータからの駆動力が伝達される駆動リングと、
    光学部品に駆動力を伝達する出力リングと、
    前記操作リングおよび前記駆動リングのいずれか一方からの駆動力が前記出力リングに選択的に伝達するように、前記出力リングに回転可能に取り付けられ、前記操作リングの一端面および前記駆動リングの一端面を摺動する遊星コロとを有し、
    前記操作リングにおける前記遊星コロとの摺動面が、操作リング本体よりも低摩擦な低摩擦部材で構成してあることを特徴とする光学部品の駆動装置。
  2. 前記摺動面の低摩擦係部材はフッ素を含有することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記摺動面の低摩擦部材は潤滑塗装膜であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駆動装置。
  4. 前記摺動面の低摩擦部材の潤滑塗装は焼付け塗装であることを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
  5. 前記摺動面の低摩擦部材の潤滑塗装厚みは2〜30μmであることを特徴とする請求項3または4に記載の駆動装置。
  6. 前記摺動面の摩擦係数は、前記駆動リングにおける前記遊星コロとの摺動面の摩擦係数よりも低いことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の駆動装置。
  7. 操作部材からの駆動力が伝達される操作リングと、
    アクチュエータからの駆動力が伝達される駆動リングと、
    光学部品に駆動力を伝達する出力リングと、
    前記操作リングおよび前記駆動リングのいずれか一方からの駆動力が前記出力リングに選択的に伝達するように、前記出力リングに回転可能に取り付けられ、前記操作リングの一端面および前記駆動リングの一端面を摺動する遊星コロとを有し、
    前記操作リングにおける前記遊星コロとの第1コロ摺動面の摩擦係数が、前記駆動リングにおける前記遊星コロとの第2コロ摺動面の摩擦係数よりも低くなるように、前記操作リングが低摩擦材料で構成してあることを特徴とする光学部品の駆動装置。
  8. 前記低摩擦材料が、フッ素を含有した材料である請求項7に記載の駆動装置。
  9. 前記フッ素を含有した材料がポリテトラフルオロエチレンである請求項8に記載の駆動装置。
  10. 前記アクチュエータは振動モータであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の駆動装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の駆動装置を有するレンズ鏡筒。
JP2006268989A 2006-09-29 2006-09-29 光学部品の駆動装置およびレンズ鏡筒 Pending JP2008089831A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006268989A JP2008089831A (ja) 2006-09-29 2006-09-29 光学部品の駆動装置およびレンズ鏡筒
EP07253857A EP1906222B1 (en) 2006-09-29 2007-09-28 Driving device for optical component and lens barrel
US11/905,285 US8094392B2 (en) 2006-09-29 2007-09-28 Driving device for optical component and lens barrel

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006268989A JP2008089831A (ja) 2006-09-29 2006-09-29 光学部品の駆動装置およびレンズ鏡筒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008089831A true JP2008089831A (ja) 2008-04-17
JP2008089831A5 JP2008089831A5 (ja) 2010-11-25

Family

ID=38983599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006268989A Pending JP2008089831A (ja) 2006-09-29 2006-09-29 光学部品の駆動装置およびレンズ鏡筒

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8094392B2 (ja)
EP (1) EP1906222B1 (ja)
JP (1) JP2008089831A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010281971A (ja) * 2009-06-03 2010-12-16 Sony Corp 交換レンズ及び撮像装置
TWI536063B (zh) * 2012-06-29 2016-06-01 鴻海精密工業股份有限公司 鏡頭模組
TWI591395B (zh) * 2016-09-14 2017-07-11 Three-ring filter set

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07248443A (ja) * 1994-01-20 1995-09-26 Nikon Corp レンズ鏡筒
JPH09318861A (ja) * 1996-05-30 1997-12-12 Canon Inc 駆動装置およびレンズ鏡筒
JPH10142470A (ja) * 1996-11-11 1998-05-29 Canon Inc 光学機器
JPH10170796A (ja) * 1996-12-11 1998-06-26 Nikon Corp レンズ鏡筒
JP2002250638A (ja) * 2000-12-21 2002-09-06 Nikon Corp 変位検出装置
JP2004323913A (ja) * 2003-04-24 2004-11-18 Nippon Parkerizing Co Ltd 金属の潤滑表面処理方法、および該潤滑表面処理方法により得られた潤滑表面を有する潤滑性金属部材
JP2005148191A (ja) * 2003-11-12 2005-06-09 Nikon Corp レンズ駆動ユニット

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5335115A (en) 1989-02-23 1994-08-02 Canon Kabushiki Kaisha Lens barrel
JP2535079B2 (ja) 1989-11-16 1996-09-18 キヤノン株式会社 振動装置
US5216314A (en) 1989-11-16 1993-06-01 Canon Kabushiki Kaisha Pressure force adjusting mechanism for a vibration wave driven motor
JPH05328754A (ja) 1992-05-20 1993-12-10 Nec Corp 振動波モータおよびその製造方法
US6002886A (en) 1992-10-01 1999-12-14 Canon Kabushiki Kaisha Lens barrel
US5483384A (en) * 1993-02-25 1996-01-09 Asahi Kogaku Kogyo Kabushiki Kaisha Lens accessory attaching mechanism
US6288848B1 (en) 1996-01-08 2001-09-11 Canon Kabushiki Kaisha Lens barrel and optical equipment
US6008958A (en) 1996-11-11 1999-12-28 Canon Kabushiki Kaisha Driving device for optical member and optical apparatus
US6025964A (en) 1997-05-16 2000-02-15 Canon Kabushiki Kaisha Optical apparatus
JP4345297B2 (ja) 2002-12-24 2009-10-14 株式会社ニコン 振動波モータ
JP4654007B2 (ja) * 2004-11-18 2011-03-16 Hoya株式会社 シームレスレンズ駆動切換機構を備えたカメラシステム
JP2006280047A (ja) 2005-03-28 2006-10-12 Nikon Corp 振動アクチュエータ装置及びレンズ鏡筒

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07248443A (ja) * 1994-01-20 1995-09-26 Nikon Corp レンズ鏡筒
JPH09318861A (ja) * 1996-05-30 1997-12-12 Canon Inc 駆動装置およびレンズ鏡筒
JPH10142470A (ja) * 1996-11-11 1998-05-29 Canon Inc 光学機器
JPH10170796A (ja) * 1996-12-11 1998-06-26 Nikon Corp レンズ鏡筒
JP2002250638A (ja) * 2000-12-21 2002-09-06 Nikon Corp 変位検出装置
JP2004323913A (ja) * 2003-04-24 2004-11-18 Nippon Parkerizing Co Ltd 金属の潤滑表面処理方法、および該潤滑表面処理方法により得られた潤滑表面を有する潤滑性金属部材
JP2005148191A (ja) * 2003-11-12 2005-06-09 Nikon Corp レンズ駆動ユニット

Also Published As

Publication number Publication date
US20080084621A1 (en) 2008-04-10
US8094392B2 (en) 2012-01-10
EP1906222B1 (en) 2012-06-27
EP1906222A1 (en) 2008-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4934107B2 (ja) トラクション動力伝達装置及びこれを搭載した画像形成装置
JP2008089831A (ja) 光学部品の駆動装置およびレンズ鏡筒
JPWO2009034885A1 (ja) 振動アクチュエータおよび撮像装置
WO2011096574A1 (ja) 振動アクチュエータ、これを備えるレンズ鏡筒及びカメラ
JP2008089831A5 (ja)
CN102158124B (zh) 振动波马达、透镜镜筒及相机
JP2011128568A (ja) レンズ鏡筒
JP6668394B2 (ja) プーリ装置
JP4444395B2 (ja) 振動波駆動装置
JP2009151157A (ja) レンズ鏡筒
JP3269260B2 (ja) 操作力調節装置
JP2008180909A (ja) 動力伝達機構、レンズ鏡筒、光学機器
JP4924726B2 (ja) 振動波モータ、レンズ鏡筒及びカメラ
JP2010057362A (ja) 振動波駆動装置
JP3949244B2 (ja) レンズ鏡筒
JP4345297B2 (ja) 振動波モータ
JP2006280047A (ja) 振動アクチュエータ装置及びレンズ鏡筒
JPH10142470A (ja) 光学機器
JP4710527B2 (ja) 駆動機構及び駆動機構を備えた装置
JP2004153935A (ja) 振動波モータユニット
JP6589960B2 (ja) 振動アクチュエータ、振動アクチュエータの制御装置、レンズ鏡筒及び電子機器
JP3630923B2 (ja) 光学装置
JP2017055554A (ja) 振動アクチュエータ、レンズユニットおよび撮像装置
JPH06113569A (ja) 棒状超音波モータ
JP2003121726A (ja) レンズ鏡筒

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090924

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111114

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120117