JP3630923B2 - 光学装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学装置に関し、特にテレビジョン撮影等に用いられる撮影レンズ中のレンズ群をフォーカスやズームのために移動させる際の動力伝達機構に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりテレビジョン撮影等で用いられる撮影レンズ等の光学装置では、ズーム(変倍)、フォーカス、アイリス調整、フィルター挿脱等を行うため、所定の光学手段を駆動力により駆動している。
【0003】
テレビジョン撮影用の撮影レンズを例にとれば、一般にレンズ群の駆動は、レンズ群の外装面に設けた該レンズ群に連結している操作リングを回転駆動することにより行っている。操作リングは、カメラマンが撮影状況に応じて手動あるいは電動で駆動している。操作リングを電動駆動するために、レンズ鏡筒の一部には駆動ユニットを設けている。
【0004】
駆動ユニットには、各種スイッチ、電動モーター、並びに電動モーターをレンズ鏡筒の操作リングに連結する動力伝達機構が内蔵されている。カメラマンのスイッチ操作に伴い電動モーターが駆動し、動力伝達機構を介して操作リングが従動する仕組みとなっている。また所定のレンズ群を手動で駆動する場合には、カメラマンの手により直接操作リングを回動操作するか、もしくは操作リング上に付設したレバーを操作して回転駆動している。
【0005】
このように撮影レンズの操作リングは、手動と電動の2つの方法で駆動されるため、駆動ユニット内の動力伝達機構は、2つの操作モードに応じて選択に切り換え可能な構造となっている。
【0006】
図5は従来の撮影レンズの外観図である。図6,図7は図5の一部分の拡大説明図である。図中、30はレンズ本体、31は駆動ユニット、32はフォーカスリング、33はズームリング、34はアイリスリングである。
【0007】
次に図5〜図7に示す撮影レンズの動力伝達機構を説明する。図6は所定のレンズ群を駆動ユニット31を構成する電動モーターで駆動する場合の動力伝達経路を表している。レンズ鏡筒,操作リング以外の各要素は駆動ユニット31の中に内蔵されている。
【0008】
35はレンズ駆動用の操作リングであり、該操作リング35の外周面には噛み合い歯35aが円周方向に設けてある。46は電動モーターである。36は変速装置であり、電動モーター46と一体的に設けられている。変速装置36の出力軸37にはスリーブ38がピン39により固定され、変速装置36の出力軸37と共に回転する。40は変速装置36の出力歯車であり、スリーブ38に対して回転自在に取り付けられていると同時に、摺動ワッシャ41を介してバネ42により押圧されている。
【0009】
この構造は、所定の負荷トルクのもとでは変速装置36の出力歯車40と変速装置36の出力軸37は一体的に回転するが、負荷トルクが過大の時には、変速装置36の出力軸37に固定されたスリーブ38は出力歯車40に対して滑り、歯面に作用する力を緩和して歯の欠損を防止するトルクリミッタの役目を果たしている。このトルクリミッタ機構は、特にレンズ群を動作端まで高速駆動した時に、停止時に歯面にかかる衝撃力を吸収することに効果を発揮している。
【0010】
43は変速装置36の出力歯車40と操作リング35の中間に位置する中間歯車で、軸44に対して回転自在であると同時に、軸44上をスライド可能な状態にある。中間歯車43の外周面にある噛み合い歯43aは変速装置36の出力歯車40と操作リング35の噛み合い歯35aの双方に係合している。
【0011】
この様な動力伝達機構のもとでカメラマンが駆動ユニットに設けた所定の操作スイッチを操作すると、駆動モーター46から発生した回転動力は、変速装置36の出力歯車40、中間歯車43を介して操作リング35へと伝達され、それに連結しているレンズ群が電動駆動される。
【0012】
図7はレンズ操作リング35を手動で駆動する場合の機構図を表している。この場合、カメラマンはクラッチ(切り換え)レバー(不図示)を操作することにより、クラッチ板45を回動させる。クラッチ板45に付設した切り換えピン46は図6に示すように中間歯車43と係合しているので、クラッチレバーの操作に伴い、中間歯車43は軸44上を左方にスライドし、変速装置36の出力歯車40の噛み合いから離脱する。レンズ群を手動操作する場合には、このように切り換えレバーを操作して駆動モーター46との動力伝達経路を遮断し、手動で直接操作リング35を操作するか、もしくは操作リング35上に付設したレバーを操作してレンズ群を駆動している。
【0013】
このようにレンズ群を駆動するのに電動駆動と手動駆動とを選択的に切り換える際には、変速装置36の出力歯車37と操作リング35の中間に位置して双方に噛み合う中間歯車43の位置を変位させ、噛み合い歯を係合・離脱する方法がとられている。この時の噛み合い歯は、平歯車に代表されるように、外周面に設けていることが一般的である。
【0014】
さらに、歯の噛み合いで動力を伝達する動力伝達部材と、過負荷回転時に伝達トルクを制限して歯面の欠損を防止するトルクリミッタ部材は、駆動モーターとレンズ群の操作リングを連結する動力伝達機構の中で、それぞれ別部材として独立的に設けられている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図5〜図7に示す従来の動力伝達機構を有した光学装置においては次のような問題点があった。動力伝達機構を持つ撮影レンズ中の所定のレンズ群を電動で駆動する場合、モーターの出力歯車と操作リングの中間に位置する中間歯車は、モーターからの出力歯車と操作リングの2つの歯車と噛み合うことになる。
【0016】
一般に歯車の噛み合い部にはバックラッシュが存在するため、モーターを駆動し始めてから操作リングが従動するまでにタイムラグが発生する。モーターを高速駆動し、操作リングを瞬時に回転駆動する場合には、このときのタイムラグは実用上大きな問題とはならないが、モーターを低速で駆動するスローズーム、あるいは微小送りの時などでは、カメラマンがレンズ群を駆動する指令を出してからレンズ群が動作し始めるまでのタイムラグが大きな問題となり、カメラマンの意図した撮影画面が得られないという欠点があった。
【0017】
そのため、レンズ群を駆動する場合には、モーターから操作リングまでの歯車列がもつバックラッシュを極力抑えることが望まれている。又レンズ群の電動駆動と手動駆動とをクラッチレバーの操作により、選択的に切り換えている為、切り換え時間を要すると共に、操作性が必ずしも良くなかった。更に、過負荷回転時に伝達トルクを制限するトルクリミッタ部材と、歯車の噛み合いで動力を伝達する動力伝達部材とは、それぞれが別部材として独立的にレンズ鏡筒の周囲に構成されているため、多くの部品点数を要すると共に、駆動ユニット内の空間を多く占有し、駆動ユニットが複雑化してきて小型化・低価格化の障壁となっていた。
【0018】
本発明は、手動で操作リングを駆動させて筐体内に保持した光学手段を駆動させたり、又は電動モーターで発生した回転動力を光学手段に伝達するようにした動力伝達機構を用いて駆動させるのに際して、動力伝達機構を適切に構成することによりバックラッシュを低減し、光学手段が動作するまでのタイムラグを低減し、電動、手動駆動の切り換えの為の特別な操作を要さずに、光学手段を手動及び電動で駆動することができ、並びに過負荷回転時に伝達トルクを制限するトルクリミッタ機構を省略し、装置全体の小型化及び簡素化を図ったレンズ鏡筒ないし光学装置の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学装置は、筐体内に保持した光学手段を手動にて操作駆動させる為の手動操作手段、駆動手段からの駆動力を伝達力制限手段を介して、該手動操作手段に伝達させて該光学手段を駆動させる駆動系とを有し、伝達力制限手段は該駆動手段の一部に連結した磁性体の第1の薄板と、該手動操作手段の一部に連結し、該第1の薄板と対向配置した磁力を持った第2の薄板とを有し、該第1と第2の薄板が所定の吸引力で結合された構造の磁力結合手段を複数個、光軸方向に配列して構成しており、該手動操作手段を操作して該光学手段を駆動させるときには該第2の薄板が該第1の薄板に対して摺動又は応動しており、該駆動手段が駆動したときには該第1と第2の薄板が一体的に結合しあった状態で、該光学手段が駆動されることを特徴としている。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1記載の光学装置が撮影レンズを有することを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態1の要部断面図である。図2は図1の一部分の拡大説明図である。図中、1はレンズベース、2はベース鏡筒(固定鏡筒)であり、その内周にヘリコイドネジ2aが設けられていると共にレンズベース1に一体的にネジを用いて取り付けられている。3は光学手段であり、光軸Oを有するフォーカスレンズより成っている。4はフォーカス鏡筒(移動環)で、フォーカスレンズ3を保持すると共に、その外周にベース鏡筒2のヘリコイド2aと係合するヘリコイドネジ4aが設けられている。
【0024】
5は駆動ユニットベースである。6はステーター、7はローターで、ステーター6と共に振動波モーターの回転力を発生させている。ステーター6とローター7は駆動手段の一要素を構成している。8は皿バネであり、ステーター6とローター7との間に適当な摩擦力を発生させている。9は緩衝用ゴムであり、ローター7の振動が駆動伝達系に伝わらないようにしている。
【0025】
10は出力筒、11は手動操作手段としてのフォーカス用のマニュアルリングで、ベース鏡筒2に嵌合部を持ち、自由に回転できるようになっている。そしてカメラマンが手動操作する際には、このマニュアルリング11を通して行っている。
【0026】
12は連結ピンであり、マニュアルリング11の回転力をフォーカス鏡筒4に伝えるためのものである。連結ピン12はフォーカス鏡筒4に取り付けられると共にマニュアルリング11に設けられたカム穴11aに嵌入している。フォーカス鏡筒4は手動又は電動によるマニュアルリング11の回転に応じ、ヘリコイドネジ2a,4aにより、光軸方向に対してスムーズな移動ができるようになっている。
【0027】
13は位置センサーとしてのエンコーダー、またはポットであり、ギア11bを介してマニュアルリング11に連結している。14はベアリングで、皿バネ8による押し力が伝達系に影響を与えないようにするためのもので、3ケ以上設けられている。15はベアリング軸でベアリング14を支え、駆動ユニットベース5に取り付けられている。
【0028】
16は磁性体(第1の薄板)で、例えばFe−Cr−Co系の薄板(t=0.5近傍)より成り、出力筒10にビスで取り付けられている。17は薄板16と対向し互いに吸着力を持つ樹脂マグネット(磁性体,第2の薄板)であり、例えばフェライト系とナイロンベースの薄板(t=1.5近傍)より成っている。
【0029】
18(18a,18b)はスペーサーであり、ナイロンをベースにしたもので樹脂マグネット17に接着している。スペーサー18は磁性体の薄板16と樹脂マグネット17の間隔、そしてヨーク板19と樹脂マグネット17の間隔を一定に保持し、摺動によるフリクショントルクを発生させると共に、ヒストルクを規定する薄板(t=0.1近傍)より成っている。19はヨーク板で、SECC−C20(メッキ鋼板、ジンコート)の薄板(t=0.5近傍)で磁気回路を形成するためのものである。
【0030】
尚、本実施形態においてスペーサー18を省略し、薄板16と樹脂マグネット17とを当接させても良い。
【0031】
図2においてヨーク板19を部材10aにビス止めし、部材10aと出力筒10が一体となるように取り付けている。一方、樹脂マグネット17は、その円周上に設けた突起17aとマニュアルリング11の内径に設けられた溝11cを嵌合することで、樹脂マグネット17とマニュアルリング11は一体として回転するようにしている。またスペーサー18a(18b)をヨーク板19と樹脂マグネット17の間と薄板16と樹脂マグネット17との間に設け、樹脂マグネット17に接着固定している。
【0032】
マニュアルリング11を回転させると、樹脂マグネット17が一体として回転する。樹脂マグネット17と薄板16の間には、フリクショントルクとヒストルクが発生する。
【0033】
更に本実施形態ではヨーク板19と樹脂マグネット17の間ではスペーサー18bを介して摺動するので、新たにフリクショントルクを発生する。これによりマニュアルリング11の操作トルクを大きくしている。
【0034】
ここで、ヨーク板19を磁石より成る薄板16に置き換えても良い。これによれば樹脂マグネット17と薄板16の間にヒストルクが発生するので、マニュアルリング11の操作トルクは更に大きくなる。
【0035】
本実施形態では、このようにして小径のマグネットで大きなトルクを得ている。
【0036】
また駆動系は、駆動ユニットベース5に取り付けられたステーター6,ローター7,摩擦発生用の皿バネ8,緩衝用ゴム9,出力筒10により構成され、振動波を利用している。
【0037】
本実施形態では駆動手段(ステーター6,ローター7)からの駆動力を伝達させるための薄板16、薄板16と樹脂マグネット17との間隔を規制する樹脂スペーサー18、樹脂マグネット17、そしてヨーク板19は磁力結合手段の一要素を構成している。薄板16と樹脂マグネット17とにより磁力を発生させる磁力発生手段を構成している。
【0038】
磁力結合手段は伝達力制限手段として作用し、所定の負荷トルクより大きな負荷トルクに対してヨーク板19とスペーサー18bとの間及び薄板16とスペーサー18aとの間でスリップするように構成されている。また磁力結合手段を構成する薄板16,マグネット17,スペーサー18,ヨーク板19等は筐体の周方向に延びたリング形状(環状)をしており、光軸を中心とした固定鏡筒1の周上に配置している。これにより空間の有効利用を図り、装置全体の小型化を達成している。また磁力結合手段の系を直結としてバックラッシュ等によるピク付き,遅れが発生しないようにしている。
【0039】
次に本実施形態の振動波を利用した超音波モーターの駆動原理について説明する。超音波モーターによる駆動伝達の基本構造は、圧電セラミックス(電圧をかけると一方向に伸び縮みする性質を備えている)が底面に接着され、上部は極めて規則正しい突起を備え、その断面は台形状となっているステーター6と、ステーター6との接触部がバネ性のあるフランジ形状を有するリングでステーター6にある力で押し付けられているローター7の2つのリング形状の部材で構成している。
【0040】
本実施形態では弾性体であるステーター6の表面に振動を発生させ、その振動エネルギーでステーター6に加圧接触させた移動体であるローター7を連続的に回転させている。この駆動手段の特徴としては構造がきわめてシンプルであり、起動,停止の応答性,制御性が高く、作動音が非常に静かであり、また保持トルク(停止時はブレーキがかかった状態になっている)が大きいことがある。
【0041】
皿バネ8によりステーター6にローター7を加圧接触させるための押し圧を発生しているが、この力をキャンセルするために図中ではベアリング14を円周方向に3ケ以上設け、これにより伝達系に影響が及ぼさないようにしている。支持方法はこの他にも、特に図示していないが、スラストベアリング,ボールレースを用いた構造も適用出来る。
【0042】
駆動手段でマニュアルリング11を駆動させるときは駆動源である振動波モーター(6,7)からの出力が出力筒10の回転力として磁力結合手段を介してマニュアルリング11へと伝達している。磁力結合手段は出力筒10に取り付けられている薄板16,マニュアルリング11に取り付けられた樹脂マグネット17,部材10aに取着されたヨーク板19、そして樹脂マグネット17に接着した樹脂スペーサー18等から構成されている。
【0043】
薄板16と樹脂マグネット17間の距離を調整して所定のヒステリシストルクを発生させている。この時、このヒステリシストルクは樹脂マグネット17の分極数、着磁強度、あるいはスペーサー18により間隔を調整し、決定している。また必要とするトルクに応じて薄板16と樹脂スペーサー18間でフリクショントルクを発生させ、前記ヒステリシストルクに加え、使用する。
【0044】
本実施形態では、樹脂スペーサー18を用い、間隔を一定に保つ働きに加え、フリクショントルクを発生させている。本実施形態では、出力筒10に薄板16,マニュアルリング11に樹脂マグネット17,部材10aにヨーク板19、そして樹脂マグネット17に接着して樹脂スペーサー18を取り付けているが、これらの各要素の取り付け関係を変更しても良い。
【0045】
また、マニュアルリング11の手動操作感を良くするため摺動部にグリス等を塗布するようにしても良い。そしてマニュアルリング11の回転が、カム穴11aと連結ピン12を介してフォーカス鏡筒4に伝えられる。その結果、ヘリコイドネジ2a,4aによりフォーカス鏡筒4は光軸方向に移動し、これによりピント調整を行っている。
【0046】
手動駆動の場合は手動で、マニュアルリング11を回動させる。このとき、ヨーク一19とスペーサー18b、薄板16とスペーサー18aとの間のスリップトルクによりマニュアルリング11から駆動手段(6,7)へ伝達される駆動力を制限している。即ち、振動波を利用した駆動手段(6,7)はバックドライブ出来ないため、磁力結合手段の樹脂マグネット17と薄板16及びヨーク19とがスリップし、即ち所定の間隔をもって応動し、手感の良いピント合わせ操作を行っている。
【0047】
また、電動駆動中12に外部から力が加わった場合も、磁力結合手段が所定の負荷トルクを越える負荷トルクを伝達しないため、機構系に無理が加わらない。これにより本実施形態では電動,手動駆動の切り換えの機構を必要としないで、機構の簡素化を図りつつ、レンズ群3を手動及び電動で駆動させている。
又、本実施形態では磁力結合手段より移動レンズ群3までのマニュアルリング11を駆動するのに要するトルクをT、磁力結合手段(伝達力制限手段)が伝達できる限界トルクをT 、駆動手段を含む駆動系がその出力側からの駆動力に対して停止状態を維持できる限界トルクをT としたとき、
<T<T
を満足するように各要素を設定している。ここでTはヒステリシストルクとフリクショントルクとの合成トルクを意味し、伝達トルクを制限している。尚、トルクTに、このトルクTは含まれない。
【0048】
また、本実施形態のように駆動手段として超音波モータ(振動波駆動手段)を用いる場合には、前述した超音波モータの大きな保持トルクが限界トルクT に大きく寄与するように設定できるため、駆動手段を含む駆動系に特別な逆転規制手段(出力側から駆動系が回転されることを規制する手段)を付加する必要がないという利点がある。
【0049】
尚、トルクT が環境条件や手動操作手段の回転速度等の条件の変動により変動し、限界トルクT 及び限界トルクT が環境条件の変動により変動する場合には、これらの条件変動の所定範囲にわたって前記不等式が成立するように各要素を設定することが必要である。
【0050】
これによって手動及び電動での駆動操作を容易にしている。尚手動のときはT+Tの作動トルクによってマニュアルリング11を回動操作している。
【0051】
又超音波モータの他、DCモータ等の電磁モータを使用した場合でも良く、このとき逆転トルクT を大きく設定すれば良い。
【0052】
更に他の方法として、例えば遊星歯車、平歯車等を多段にして高減速比とした減速機、ギア同志に付勢力を与え、バックラッシュを零にするか或いは極力減らした減速機、或いは差動機構を有する減速機等、結果的に逆転トルクが非常に大きい減速機を用いることもできる。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、操作リングを電動駆動させる場合、駆動手段の回転トルクを従動側に確実に伝達することが出来、また、手動駆動させる場合、例えば駆動手段に振動波モーター等、バックドライブが不可能なものを用いる場合、操作リングの操作トルクは磁力結合手段により発生する回転トルク(ヒストルク、フリクショントルク)と、撮影レンズのレンズ移動に伴う作動トルクによって決定される。
【0054】
その結果、磁力結合手段の安定した回転トルクが得られるばかりでなく、スペーサーの板厚を変えることによって所望する回転トルクが得られる。また従動側の過負荷,逆駆動に対しても、駆動手段を守ることが出来る。構造においても、非常にシンプルで、スペースを多く必要としないため、操作リング近傍に配置でき、小型,低価格化に役立つ。また駆動手段としてリング状の振動波モーターを用いることにより、円筒の撮影レンズに合い、スペースを有効に使うことができる。また、構造上バックラッシュが発生せず、レスポンスも非常によい等の効果を得ている。
【0055】
図3は本発明に係る磁気結合手段の他の支持機構部の要部断面図である。図中、20は磁力結合手段後の出力筒で、出力筒10に嵌入し、自在に回転出来る様になっている。21は出力筒20の抜け止め環で、スラスト方向の規制をしている。22はフォーカス用のマニュアルリングである。22aはマニュアルリング22に設けられた嵌合長穴、23は出力筒20とマニュアルリング22を連結する連結ピンで、出力筒20にネジ込まれている。
【0056】
振動波を利用した駆動手段からの出力である出力筒10の回転に対して、磁力結合手段のスリップトルクに応じ、出力筒20が回転する。この回転は、連結ピン23を介してマニュアルリング22に伝えられる。他の構成については図1と同様である。
【0057】
図4は本発明に係る磁気結合手段を利用した動力伝達機構を搭載した撮影用レンズをカメラに搭載したときの外観図である。同図において47は撮影レンズ、48はグリップ、49は駆動ユニットであり、動力伝達機構が収納されている。50はカメラ本体であり、その内部には撮影レンズ47により形成した物体像を記録するための撮像手段が設けられている。
【0058】
図8は本発明に係る伝達力制限手段の他の実施形態の説明図である。図8は本発明に係る磁気結合手段を光軸方向に2つ設けた場合を示している。
【0059】
図中、ヨーク板19a(19b),樹脂マグネット17a(17b)、薄板16a(16b)は1つの磁力結合手段の各要素を示している。18a(18b)はスペーサであり、樹脂マグネット17a(17b)と薄板16a(16b)との間隔を調整している。
【0060】
薄板16aは連結部材24を介して出力筒10に固定され、薄板16bは出力筒10に固定されている。これにより薄板16aと薄板16bを一体的に構成している。
【0061】
一方、樹脂マグネット16bはヨーク板19b,スペーサ18bと共に連結部材25を介してマニュアルリング11に固定され、樹脂マグネット17aはヨーク板19a,スペーサ18aと共にマニュアルリング11に固定している。これにより樹脂マグネット17aと17bを一体的に構成している。マニュアルリング11の端部は薄板16aの摺動面16cで当接し、連結部材25の端部は薄板16bの摺動面16dに当接している。
【0062】
本実施形態においてマニュアルリング11を回動操作すると2つの薄板16a,16bが結合された出力筒10がモータの保持トルクにより固定されているので、2ヶ所の摺動面16c,16dで摺動する。このような摺動面16c,16dを有する磁気結合手段を2つ設けることによって大きな摺動トルクを装置全体の大型化を防止しつつ得ている。
【0063】
即ち、複数の磁気結合手段を光軸方向に設けることによってレンズ外径(レンズ鏡筒外径)を小さくしつつ、所定の摺動トルクを得ている。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、以上のように、手動で操作リングを駆動させて筐体内に保持した光学手段を駆動させたり、又は電動モーターで発生した回転動力を光学手段に伝達するようにした動力伝達機構を用いて駆動させるのに際して、動力伝達機構を適切に構成することによりバックラッシュを低減し、光学手段が動作するまでのタイムラグを低減し、電動、手動駆動の切り換えの為の特別な操作を要さずに、光学手段を手動及び電動で駆動することができ、並びに過負荷回転時に伝達トルクを制限するトルクリミッタ機構を省略し、装置全体の小型化及び簡素化を図った光学装置を達成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の要部断面図
【図2】図1の一部分の拡大説明図
【図3】本発明の実施形態2の要部断面図
【図4】本発明の光学装置の外観図
【図5】従来の撮影レンズの外観図
【図6】従来のレンズ鏡筒の要部概略図
【図7】従来のレンズ鏡筒の要部概略図
【図8】図1の一部分の他の実施形態の説明図
【符号の説明】
1 レンズベース
2 ベース鏡筒
3 レンズ
4 フォーカス鏡筒
5 駆動ユニットベース
6 ステーター
7 ローター
8 皿バネ
9 ゴム
10 出力筒
11 フォーカスマニュアルリング
12 連結ピン
13 エンコーダー
14 ベアリング
15 軸
16 薄板
17 樹脂マグネット
18 樹脂スペーサー
19 ヨーク板
20 磁気クラッチ後の出力筒
21 抜け止め環
22 マニュアルリング
23 連結ピン
30 レンズ本体
31 駆動ユニット
32 フォーカスリング
33 ズームリング
34 アイリスリング
35 レンズ操作リング
36 変速装置
37 変速装置の出力軸
38 スリーブ
39 ピン
40 変速装置の出力歯車
41 摺動ワッシャ
42 バネ
43 中間歯車
44 軸
45 クラッチ板
46 切り換えピン
47 撮影レンズ
48 グリップ
49 駆動ユニット
50 カメラ本体

Claims (2)

  1. 筐体内に保持した光学手段を手動にて操作駆動させる為の手動操作手段、駆動手段からの駆動力を伝達力制限手段を介して、該手動操作手段に伝達させて該光学手段を駆動させる駆動系とを有し、伝達力制限手段は該駆動手段の一部に連結した磁性体の第1の薄板と、該手動操作手段の一部に連結し、該第1の薄板と対向配置した磁力を持った第2の薄板とを有し、該第1と第2の薄板が所定の吸引力で結合された構造の磁力結合手段を複数個、光軸方向に配列して構成しており、該手動操作手段を操作して該光学手段を駆動させるときには該第2の薄板が該第1の薄板に対して摺動又は応動しており、該駆動手段が駆動したときには該第1と第2の薄板が一体的に結合しあった状態で、該光学手段が駆動されることを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1記載の光学装置が撮影レンズを有することを特徴とする光学装置。
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