JPH09197243A - 変速装置、駆動装置、および光学装置 - Google Patents

変速装置、駆動装置、および光学装置

Info

Publication number
JPH09197243A
JPH09197243A JP8003063A JP306396A JPH09197243A JP H09197243 A JPH09197243 A JP H09197243A JP 8003063 A JP8003063 A JP 8003063A JP 306396 A JP306396 A JP 306396A JP H09197243 A JPH09197243 A JP H09197243A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
transmission
casing
output shaft
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8003063A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruhisa Yamamoto
晴久 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP8003063A priority Critical patent/JPH09197243A/ja
Priority to US08/774,880 priority patent/US5860887A/en
Priority to DE69707321T priority patent/DE69707321D1/de
Priority to EP97100344A priority patent/EP0789168B1/en
Publication of JPH09197243A publication Critical patent/JPH09197243A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/04Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H1/00Toothed gearings for conveying rotary motion
    • F16H1/28Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion
    • F16H1/32Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion in which the central axis of the gearing lies inside the periphery of an orbital gear
    • F16H1/321Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion in which the central axis of the gearing lies inside the periphery of an orbital gear the orbital gear being nutating

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1段で高い減速比平歯車に近い伝達効率で得
ることができ、起動時には出力軸のバックラッシュのな
い安定した回転が得られ、クラッチ機構、トルクリミッ
タ機構を有する変速装置を提供する。 【解決手段】 ケーシング1に支持された円環形状の第
1の歯車14と、出力軸6に例えばオルダム継ぎ手等の
継ぎ手手段を介して連結された第2の歯車10と、入力
軸2aと一体に回転しながら第2の歯車の一部を第2歯
車に噛合させる押圧手段と、該出力軸の回転を制御する
回転制御手段とを有し、第1の歯車と第2の歯車との噛
合位置の相対ズレを出力として該出力軸に伝達するよう
に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一段で高い減速比
を得ることができる変速装置、該変速装置を利用した駆
動装置及び該駆動装置を利用してレンズを例えばズーム
駆動する撮影レンズやこの撮影レンズを装着したカメラ
等の光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】撮影レンズは、複数のレンズ群から構成
され、これらのレンズ群を光軸方向に移動させてレンズ
のフォーカス、ズーム等の調整を行っている。特に、テ
レビカメラに装着される撮影レンズにおいて、レンズ群
の移動は、レンズの外装面に設けた操作リングを介して
行われ、カメラマンが撮影状況に応じて判断し、電動/
手動切り換えツマミでモードを選択し、電動あるいは手
動で操作リングを駆動する。
【0003】電動駆動は、レンズ鏡筒に取り付けられた
駆動ユニットにて行われる。駆動ユニットには、各種の
スイッチ、駆動モータ、動力伝達機構等が内蔵されてい
る。レンズを電動で駆動する場合、駆動ユニットに設け
られたスイッチレバー操作により行われ、また手動で駆
動する場合は、直接手で操作リングを操作して行う。
【0004】このような駆動源からの回転を負荷側に伝
達する機構において、負荷側に大きな力が加わった場
合、あるいは逆に負荷側から大きな力が加わった場合に
駆動源に影響を及ぼさないようにするためにスリップす
るトルクリミッタ機構が伝達系に設けられるのが一般的
である。
【0005】トルクリミッタ機構は動力伝達部に設けら
れ、特にレンズを動作端まで高速駆動したときに、停止
時に歯面にかかる衝撃力を吸収するという効果がある。
また、電動、手動の切り換えを行うクラッチ機構を備え
ており、図18および図19に撮影レンズ、特にズーム
の動力伝達機構を示す。
【0006】図18はレンズを伝動駆動する場合の動力
伝達経路を表し、図19は操作リングを手動で駆動する
場合を示す。
【0007】図18において、レンズ鏡筒、操作リング
以外は駆動ユニットの中に内蔵されている。
【0008】図において、55はレンズ操作リングで、
この操作リング55の外周面には噛み合い歯55aが円
周方向に形成されている。モータ66と一体の変速装置
56のケースから延びる出力軸57には段付形状のスリ
ーブ58が外装され、例えばピン59により出力軸57
にスリーブ58が固定され、出力軸57と一体にスリー
ブ58が回転するようになっている。
【0009】60は変速装置56の出力歯車で、スリー
ブ58に対して回転自在に外装されると共に、摺動ワッ
シャ61を介してバネ62によりモータ66側に常時押
し付けられている。この構成は、所定の負荷トルクの下
では、変速装置56の出力歯車60と変速装置56の出
力軸57は一体的に回転するが、負荷トルクが過大のと
きには、変速装置56のスリーブ58に対して滑り、歯
面に作用する力を緩和して歯の欠損を防止するトルクリ
ミッタの役割を果たしている。
【0010】このトルクリミッタ機構は、特にレンズを
動作端まで高速駆動した時に、停止時に歯面にかかる衝
撃力を吸収することに効果を発揮している。
【0011】63は変速装置56の出力歯車60と操作
リング55の中間に位置する中間歯車で、軸64に対し
て回転自在であると同時に、軸上をスライド可能な状態
にある。中間歯車63の外周面にある噛み合い歯63a
は変速装置56の出力歯車60と操作リング55の双方
に係合している。このような動力伝達機構のもとで、カ
メラマンが駆動ユニットに設けた所定の操作スイッチを
操作すると、モータ66から発生した回転動力は、変速
装置56の出力歯車60,中間歯車63を介して操作リ
ング55へと伝達され、レンズが電動駆動される。
【0012】図19は、操作リングを手動で駆動する場
合を示し、この場合カメラマンは不図示のクラッチレバ
ーを操作すると、クラッチ板65が回転する。一方、ク
ラッチ板65に植設された切換ピン66は中間歯車63
と係合しているので、該クラッチレバーの操作に伴い、
中間歯車63は軸64上をスライドし、変速装置の出力
歯車60の噛み合いから離脱する。レンズを手動操作す
る場合には、このように切換レバーを操作して駆動モー
タとの動力伝達経路を遮断し、手動で直接操作リングを
操作するか、もしくは操作リング上に付設したレバーを
操作してレンズを駆動している。
【0013】また、このように、電動駆動と手動駆動と
を選択的に切り換える際に、変速装置56の出力歯車6
0と操作リング55の中間に位置して双方に噛み合う中
間歯車の位置を変位させ、噛み合い歯を係合−離脱する
方式において、このときの噛み合い歯は、平歯車に代表
されるように、外周面に設けていることが一般的であ
る。
【0014】さらに、歯の噛み合いで動力を伝達する動
力伝達部材と、過負荷回転時に伝達トルクを制限して歯
面の欠損を防止するトルクリミッタ部材は、モータとレ
ンズの操作リングを連結する動力伝達機構の中で、夫々
別部材として独立的に設けられている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た変速装置において、以下のような問題が指摘されてい
る。
【0016】クラッチ機構においては、駆動側と従動側
との間に1軸、歯車列を追加して行っているため、その
ためのスペースを余分に必要とするばかりでなく、クラ
ッチ歯車と軸との間に、該クラッチ歯車を回転あるいは
摺動させるために必要とするクリアランスを設ける必要
があり、歯車列の追加と合わせてバックラッシュの増加
につながる。
【0017】一方、トルクリミッタ機構においては、駆
動源とするモータの回転軸の先端にストレートピン、ス
プリングピン等でスリーブが取り付けられているため、
軸との嵌合長やピンガタ等の条件次第では、モータ歯車
が振られやすいという欠点を有している。また軸と歯車
の関係で摩擦面の面積が十分にとれず、フリクションバ
ネの押圧を上げることにより、無理が加わり、摩擦トル
クが不安定になることがある。また、スペース的にも不
利である。
【0018】したがって、このような駆動装置を用いて
レンズ等を駆動する場合、安定したレンズ駆動ができな
いという問題がある。
【0019】本出願に係る第1の発明の目的は、1段で
高い減速比を平歯車に近い伝達効率で得ることができ、
起動時には出力軸のバックラッシュのない安定した回転
が得られ、シンプルな構造で耐久性に優れ、しかも安価
に製作でき、出力軸の回転を制御する回転制御手段(ク
ラッチ機構、トルクリミッタ機構等)を有する変速装置
を提供することにある。
【0020】本出願に係わる第2の発明の目的は、この
ような問題を解決した変速装置を用いた駆動装置を提供
することにある。
【0021】本出願に係る第3の発明の目的は、このよ
うな問題を解決した撮影レンズ、カメラ等の光学装置を
提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段および作用】本出願に係わ
る第1の発明の目的を実現する構成は、ケーシングに支
持された第1の部材と、出力軸に連結された第2の部材
と、入力軸と一体に回転しながら該第2の部材の一部を
該第1の部材に押圧して当接あるいは噛合させる押圧手
段と、該出力軸の回転を制御する回転制御手段とを有
し、該第1の部材に対する該第2の部材の当接あるいは
噛合位置の相対ズレを出力として該出力軸に伝達するこ
とを特徴とする。
【0023】この構成において、回転制御手段は、第1
の部材を自軸回りに回転可能に支持するとともに、該第
1の部材をケーシングに対する固定を選択的に行えるク
ラッチ機構であることを特徴とする。
【0024】上記のクラッチ機構は、第1の部材の外周
に対して接離可能な接離部材を有することを特徴とす
る。
【0025】このクラッチ機構の接離部材は、第1の部
材の外周に形成された歯車部に噛合する歯部を有するこ
とを特徴とする。
【0026】上記のクラッチ機構の接離部材の他の構成
は、第1の部材の外周に形成された歯車部に係合するボ
ール部材であることを特徴とする。
【0027】これらの接離部材は第1の部材に対する接
触位置と離隔位置との間を切り換え可能とする切り換え
手段により駆動されることを特徴とする。
【0028】この切り換え手段は、接離部材を弾性的に
第1の部材に押圧する押圧手段を有することを特徴とす
る。
【0029】上記した構成の回転制御手段は、第1の部
材を自軸回りに回転可能に支持する支持手段と、該第1
の部材をケーシングに対して回転トルクを制限するトル
ク制限手段とを有することを特徴とする。
【0030】上記したトルク制限手段の構成は、第1の
部材の外周部に形成された係合部と、該係合部に係合す
る係合部材と、該係合部材を該係合部に係合する方向に
付勢する付勢手段とを有することを特徴とする。
【0031】上記したトルク制限手段の他の構成は、第
1の部材とケーシングとの間に摩擦力を発生させる摩擦
力発生手段を有することを特徴とする。
【0032】上記したトルク制限手段の他の構成は、第
1の部材とケーシングとを磁力により結合する磁力結合
手段を有することを特徴とする。
【0033】一方、回転制御手段は、第1の部材を自軸
回りに回転させるための駆動手段を有することを特徴と
する。
【0034】上記の駆動手段は、モータ駆動される歯車
による伝達により第1の部材を回転させることを特徴と
する。
【0035】上記の各構成において、第1の部材と第2
の部材は歯車部材であることを特徴とする。
【0036】また、歯車構成の第1の変速差動操作部材
と第2の変速差動操作部材のいずれか一方の歯部の一部
には噛合する相手側の歯部と当接する弾性部材が設けら
れていることを特徴とする。
【0037】また、第1の部材と第2の部材の少なくと
も一方が弾性部材で形成されていることを特徴とする。
【0038】また、第1の部材と第2の部材の歯部の少
なくとも一方が弾性部材で形成されていることを特徴と
する。
【0039】本出願に係わる第2の発明の目的を実現す
る構成は、上記した各構成の変速装置の出力軸の駆動力
を伝達して被駆動物を駆動することを特徴とする。
【0040】本出願に係わる第3の発明の目的を実現す
る構成は、上記の駆動装置を用いて光学手段を駆動する
ことを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
(基本的構成)図1は本発明による変速装置の基本的構
成を示す。
【0042】1は変速装置のケーシングで、一端側がモ
ータ2にネジ止めされ、他端側からは出力軸6の先端部
が飛び出ている。このケーシング1の内部には、出力軸
6が第1のラジアル軸受け7aと第2のラジアル軸受け
7bとにより回転自在に軸支され、またこのケーシング
1には第1の歯車14がその歯部をモータ2側に向けて
設けられている。ここで、第1の歯車14はケーシング
1に対して固定あるいは回転自在に取付られているもの
とする。
【0043】出力軸6及び第1の歯車14の軸心は供に
モータ2の回転軸2aの軸心と一致するように取り付け
られ、また後述の第2の歯車10の揺動回転に伴う偏心
量を制限するための内周壁面で形成された規制部1aも
同様に同軸に形成されている。なお、出力軸6はガタ調
整用のスペーサ8を挟んで突出端部側に装着された抜け
止め用のE型リング9により抜け止めが施されている。
【0044】モータ本体2の回転軸(入力軸)2aはケ
ーシング1内に挿入され、回転軸2aの先端部にロータ
3がネジ止めにより固定されている。なお、ロータ3は
圧入法あるいは接着法等により、回転軸2aに固定され
るようにしても良い。このロータ3の径方向には、第1
の支持軸5aと第2の支持軸5bとが回転軸2aと直交
する方向に固定されている。
【0045】一方、第1の支持軸5aと第2の支持軸5
bとは、径方向において直線をなすが、軸方向(スラス
ト方向)において距離dのずれを有している。第1の支
持軸5aと第2の支持軸5bの先端部には、ラジアル軸
受けで構成された直径の等しい第1の押圧ローラ4aと
第2の押圧ローラ4bとが回転可能に取り付けられ、こ
れらロータ3、押圧ローラ4a、4b、支持軸5により
後述する第2の歯車10の一部を第1の歯車14に押し
付ける押圧機構を構成している。なお、このずれによっ
て押圧機構の回転にアンバランスが生じないように回転
バランス調整が行われている。
【0046】このずれ量dは、第2の歯車10の一部を
順次第1の歯車14の歯車部に噛み合わせるために要す
る傾きに合わせて設定されている。すなわち、第1の押
圧ローラ4aは、第2の押圧ローラ4bよりも第2の歯
車10側に位置しているので、第1の押圧ローラ4aと
第2の押圧ローラ4bに当接された状態で第2の歯車1
0は回転軸2aに対して傾いた状態となる。なお、上記
のずれ量dを零とし、第1の押圧ローラ4aと第2の押
圧ローラ4bとの直径に該ずれ量dの差を設けても良
い。
【0047】第2の歯車10は、押圧ローラ4a、4b
に対向する背面側に、押圧ローラ4a、4bが当接する
傾斜面が形成されたリング状突部10aが形成され、傾
斜状態でのこれら両押圧ローラ4a、4bとの良好な当
接が補償されている。
【0048】この第2の歯車10は、図2に示すよう
に、円環状の歯車本体の片面側に放射状の傘歯車、ある
いは三角歯等の傘歯車に近似した歯車部(歯数n1)が
形成され、金属、あるいは合成樹脂等の適切な材料で形
成されている。
【0049】また、第2の歯車10は、出力軸6に調心
機能を有する継ぎ手機構を介して取り付けられている。
この継ぎ手機構は、揺動回転する第2の歯車10の回転
を出力軸6に伝達できるようにしたもので、本実施形態
においては、バネ性を有する薄板で形成された円板形状
の伝達部材13と、該伝達部材13に揺動回転可能に連
結された一対の第1の連結ピン11及び一対の第2の連
結ピン12とにより構成され、伝達部材13の外周部に
は径方向に90度間隔でU字孔13a、13bが形成さ
れ、対向する一対のU字孔13aに第1の連結ピン11
が係合し、また他の対向する一対のU字孔13bに第2
の連結ピン12が係合しており、第1の連結ピン11及
び第2の連結ピン12の各該U字孔との係合部はテーパ
ー形状に形成され、該係合部のテーパー面の作用により
該伝達部材13は対向するU字孔の回りにガタなく揺動
できるようになっている。
【0050】すなわち、継ぎ手機構を構成する一対の第
1の連結ピン11は、第2の歯車10に固定され、また
一対の第2の連結ピン12は出力軸6に固定され、各対
の連結ピンの各テーパー部が該伝達部材13をその表裏
両面から押圧して弾性変形させるように構成することに
より、各連結ピンとU字孔との間の出力軸の回転方向の
ガタを除去することができる。したがって、揺動しなが
ら第2の歯車10が回転しても、その揺動による傾きは
伝達部材13の揺動による傾きにより許容され、伝達部
材13の有する回転方向の剛性により第2の歯車10の
回転が第1の連結ピン11及び第2の連結ピン12を介
して出力軸6に伝達される。なお、伝達部材13には、
連結ピン11、12のテーパー部に係合するU字孔を形
成しているが、長孔としても良い。
【0051】第1の歯車14は、円環形状に形成されて
いて、第2の歯車10の歯車部と歯数差を有する歯車部
(歯数n2)が形成され、上記の押圧機構により押圧さ
れた第2の歯車10の一部が噛み合うようになってい
る。
【0052】上記した構成においては、モータの回転軸
2aが回転すると、押圧ローラ4a、4b等で構成され
る押圧機構も回転軸2aと一体に回転する。そして、押
圧ローラ4a、4bが後方より第2の歯車10のリング
状突部10aを押圧する。第1の押圧ローラ4aは第2
の押圧ローラ4bよりも第2の歯車10側に位置するた
め、第2の歯車10は出力軸6の軸線を中心として揺動
することになり、第1の押圧ローラ4aに押された部分
の歯車部分が第1の歯車14の歯車部に噛み合う。その
際、第2の押圧ローラ4bも第2の歯車10の突部に当
接するので、第2の歯車10の振れが抑制され、騒音、
振動のない回転が得られる。
【0053】ここで、第1の歯車14がケーシング1に
固定されているものとした場合、この噛み合い位置は、
第1の押圧ローラ4aの回転に従って移動し、その際、
継ぎ手機構の伝達部材13の弾性変形、連結ピン11、
12の鍔部のテーパー面の作用により生じる調心動作で
揺動時の芯ズレ、傾きの吸収が図られて第2の歯車10
の正確な揺動回転が補償され、出力軸6に正確に回転が
伝達されると共に、バックラッシュの吸収が図られる。
【0054】そして、第2の歯車10の歯数n1を5
1、第1の歯車14の歯数n2を50とした場合、第2
の歯車10が揺動を1回転すると、第1の歯車14との
歯数差が1歯あるため、歯数差分だけ余計に噛合するこ
とになる。すなわち、モータ軸2aが1回転すると、第
2の歯車10が1/50回転される。なお、連結ピン
1、12にテーパー部を形成しているが、連結ピンをス
トレートに形成し、伝達部材13の長孔あるいはU字孔
側に内周がテーパー形状の係合部を形成する様にしても
良い。
【0055】一方、第1の歯車14がケーシング1に対
して回転自在の状態にある場合、第2の歯車10の揺動
に対して第1の歯車14も追従して回転するために歯数
差を吸収してしまい、第2の歯車10は単に揺動運動を
繰り返すのみであり、軸回りの回転がなされない。
【0056】したがって、ケーシング1に対して第1の
歯車14を固定あるいはフリーな状態にすることによ
り、出力軸6への出力のオン、オフを制御するクラッチ
機構を備えることが可能となる。
【0057】また、第1の歯車14を回転駆動させるこ
とにより、減速比を変えること、例えばより一層高める
ことが可能となる。
【0058】さらに、ケーシング1に対して第1の歯車
14を摩擦保持することにより、トルクリミッタとして
の機能も備えることが可能となり、このトルクリミッタ
にクラッチ機構を付加することも可能とするものであ
る。
【0059】なお、本基本構成においては、押圧機構の
押圧手段としてラジアル軸受けで構成される押圧ローラ
を用いているが、樹脂などで形成されたコロであっても
よく、図3の(a)に示すように、円板形状の回転体3
aに一対の半円筒状突部3bを形成してもよく、あるい
は半球形の突部を形成してもよく、これらの突部は摩擦
係数が小さく、また耐摩耗性の良好な材質を用いるのが
望ましい。
【0060】また、継ぎ手機構としては、図3の(b)
に示すように、回り両スライダ機構を用いても良い。
【0061】この回り両スライダ機構は、第2の歯車1
0に固定される入力ハブ71と、出力軸6に固定される
出力ハブ72と、入力ハブ71と出力ハブ72にそれぞ
れ係合するスペーサ73とにより構成され、入力ハブ7
1と出力ハブ72とは対向面側に回転軸Lと直交する方
向にI型形状の第1の突起71aと第2の突起72aが
突出し、また円板形状に形成されたスペーサ73は、回
転軸Lに対して直交するとともに、互いに直交する凹溝
に形成された第1の係合溝73aと第2の係合溝73b
とが背中合わせに形成されている。そして、第1の係合
溝73aには入力ハブ71の第1の突起71aが係合
し、第2の係合溝73bには出力ハブ72の第2の突起
72aが係合している。
【0062】この構成の継ぎ手機構において、入力ハブ
71とスペーサ3との間でA方向に相対的にスリップ
し、スペーサ73と出力ハブ72との間でB方向に相対
的にスリップする。そして、入力ハブ71は第2の歯車
10に固定されているが、x軸回りの揺動我とy軸回り
の揺動が許容されるので、第2の歯車10の回転が出力
軸6に安定して伝達されることになる。
【0063】第2の歯車10と第1の歯車14の歯形
は、特に高減速装置で第2の歯車10が高速回転する場
合、静粛な回転が必要な場合等では揺動角度を小さく
し、また、スラスト方向の振動を極力減らすため、例え
ば標準歯車の歯先円直径を、歯先円直径とピッチ円直径
との差の約1/3程度丸めることにより実現できる。ま
た、特に図示していないが、出力軸6をケーシング1に
取り付ける際、第2の歯車10の揺動による振動を極力
抑えるためには、軸受け7aと7bの間隔を広げること
が望ましく、例えば軸受け7aの片側をケーシング1
に、他側を減速機外に設け、さらに軸受け間に伝達手
段、例えば歯車等を設け、該伝達手段から出力を取り出
すように構成することによって実現できる。
【0064】(基本構成の第1変形例)図4は基本構成
の第1変形例を示す。
【0065】本構成は、第2の歯車10と噛み合う第1
の歯車16の歯部の一部にゴム、ポリウレタン等の弾性
体17を焼き付けあるいは接着剤等の方法で固定したも
のである。もちろん、逆に第2の歯車10の一部にゴ
ム、ポリウレタン等の弾性体を設けるようにしても良
い。
【0066】本構成において、押圧機構により第2の歯
車10を第1の歯車16に噛合させる際、第2の歯車1
0の歯部と第1の歯車16の歯部とが噛合する一方で、
第2の歯車10は弾性体17の当接部とも当接し、弾性
体17を弾性変形させているので、双方の歯車間のバッ
クラッシュを吸収すると供に、振動や騒音の発生の低減
も図ることができる。なお、弾性体17の歯車当接面
は、略傘歯車、三角歯、平面等の形状に形成されてい
る。
【0067】(基本構成の第2変形例)図5は基本構成
の第2変形例を示す。
【0068】本構成は、第1の歯車あるいは第2の歯車
のいずれかをゴム、ポリウレタン等の弾性体により形成
したもので、図5においては第1の歯車18を弾性体に
より形成している。
【0069】本実施形態において、押圧機構(図1に示
す第1の実施形態の押圧機構と同じ機構)により第2の
歯車10を第1の歯車10に噛合させる際、双方の歯車
間のバックラッシュを吸収するとともに、振動や騒音の
発生の低減も図れる。なお、第2の歯車側を弾性体で形
成するようにしてもよく、さらに弾性歯車の当接面は略
傘歯車、三角歯、簡易的には平面等の形状に形成するの
が望ましい。
【0070】(基本構成の第3変形例)図6は基本構成
の第3変形例を示す。
【0071】本構成は、第1の歯車18を弾性部材で形
成する一方、第2の歯車は、歯部19aをゴム、ポリウ
レタンなどの弾性部材により形成し、この歯部19aを
揺動部材19に焼き付けあるいは接着法により固定して
形成している。
【0072】本構成によれば、押圧機構(図1に示す第
1の実施形態の押圧機構と同じ機構)により第2の歯車
を第1の歯車18に噛合させる際、双方の歯車間のバッ
クラッシュを吸収するとともに、振動や騒音の発生の低
減も図れる。なお、弾性歯車の当接面は略傘歯車、三角
歯、簡易的には平面等の形状に形成するのが望ましい。
【0073】(第1の実施形態)図7は本発明の第1の
実施形態を示し、図8および図9はその動作状態を示
す。
【0074】本実施形態は前述した図1の変速装置の構
成と基本的に同一で、異なるところを以下に説明する。
【0075】本実施形態は、第1の歯車(第1の歯車1
4と同じ作用を行う)20をケーシング1に対して固定
および回動自在とするクラッチ機構を有するものであ
る。
【0076】本実施形態のクラッチ機構は、ケーシング
1に対して回動自在に取り付けられた第1の歯車20の
外周に形成した歯車部20aにクラッチ歯21の略歯車
形状に形成された係合歯21aを噛合させることによ
り、第1の歯車20をケーシング1に対して固定し、該
噛合を解除することにより第1の歯車20をケーシング
1に対して回転自在としている。
【0077】クラッチ歯21は、ケーシング1等の固定
部材に取付られたピン23を支点として回動自在なバネ
性を有する回動レバー22の先端部に固定されていて、
この回動レバー22を図8に示すように反時計方向に回
動することにより、クラッチ歯21を第1の歯車20の
係合歯20aに噛合させ、第1の歯車20がケーシング
1に対して固定される。また、回動レバー22が図9に
示すように、時計方向に回動すると、クラッチ歯21が
第1の歯車20の係合歯20aとの係合が解除され、第
1の歯車20はケーシング1に対して回転自在となる。
【0078】回動レバー22は、ケーシング1に植設さ
れるピン25と回動レバー22の他端側との間に配置さ
れたスプリング24のバネ力により常時時計方向に回動
力を受けており、回度レバー22に対する反時計方向へ
の押圧力を解除すると、このバネ力により回動レバー2
2が第1の歯車20のケーシング1に対する固定を解除
する時計方向に回動することになる。
【0079】回動レバー22に対する押圧力の付与と解
除は、偏心カム26の回転により行われ、偏心カム26
は1回転の間に、回動レバー22と当接して回動レバー
22を反時計方向に回動させてクラッチ歯21を第1の
歯車20の係合歯20aに係合させるロックカム面と、
該係合を解除するロック解除カム面とを有している。ま
た、偏心カム26と同軸にクリック円板27が設けら
れ、クリック円板27の外周部に形成された第1のクリ
ック穴27aにクリックバネ29により押圧されたクリ
ックボール28が嵌合する位置が図9に示す固定解除位
置であり、クリック円板27の外周部に形成された第2
のクリック穴27bにクリックボール28が嵌合する位
置が図8に示す固定位置である。
【0080】偏心カム26の回動は、不図示のクラッチ
切り換えツマミを回すことにより行われ、第1のクリッ
ク穴27aと第2のクリック穴27bにクリックボール
28が夫々嵌合する固定解除位置と固定位置で保持され
る。
【0081】(第2の実施形態)図10は第2の実施形
態を示し、図11および図12はその動作状態を示す。
なお、本実施形態の基本的構成は図1の変速装置と同一
であり、異なる箇所を以下に説明する。
【0082】本実施形態は、ケーシング1の壁面の一部
に形成された窓部1bにはまり込んだボール部材30を
第1の歯車20の歯車部20aに嵌合させることによ
り、第1の実施形態と同様に、第1の歯車20をケーシ
ング1に対して固定できるようにしており、第1の実施
形態と同様に偏心カム26により押圧されて回動する回
動レバー31によりボール部材30が押圧される。
【0083】また、回動レバー31に対してボール部材
30を固定しなくても、図12に示す押圧解除状態にお
いて、回動レバー31が押圧解除位置まで回動するとボ
ール部材30は該窓部1b内でフリーな状態となり、第
1の歯車20の歯車部20aに対する押圧力が付与され
ず、このため第1の歯車20がケーシング1に対して回
動自在となる。
【0084】なお、上記した第1の実施形態および第2
の実施形態において、モータ2の回転が停止している状
態で出力軸6側に回転力が付与されると、第1の歯車が
固定状態にある図8と図11の場合、第2の歯車10は
回転しないが、図9と図12に示す第1の歯車20がケ
ーシング1に対して回転自在な場合、第1の歯車20と
第2の歯車10とが一体に回転するだけで、押圧機構は
非回転状態が保持され、モータ2の回転軸2aが回転す
ることはない。
【0085】一方、本実施形態の構成において、第1の
歯車20に回転トルクが加わると、第1の歯車20の歯
車部20aは径方向外方に向けた作用力を嵌合するボー
ル部材30に対して生じさせることになる。このため、
回動レバー31がボール部材30を押し付ける力を越え
て該作用力が生じると、ボール部材30と第1の歯車2
0との係合が外れるというトルクリミッタとしての作用
も有することになる。すなわち、負荷側に大きな力が加
わった場合、あるいは、負荷側から大きな力が加わった
場合、第2の歯車10の回転は、一体的に連結されてい
る出力軸6の負荷が大きくなるため、回転し難くなり、
第1の歯車20を回転させようとする。その結果、第1
の歯車20はボール部材30を押し上げ、さらには回転
を始める。このときの回転トルク、すなわちトルクリミ
ッタの伝達最大トルクは、歯形、ボール部材の直径、回
動レバー31のバネ定数により決定される。
【0086】(第3の実施形態)図13は第3の実施形
態を示す。
【0087】本実施形態は、摩擦板と摩擦バネを用いて
第1の歯車20のケーシング1に対する回転を制限する
トルクリミッタ機構に関するもので、基本的構成は図1
に示す変速装置と同一であり、異なる箇所を以下に説明
する。
【0088】本実施形態において、第1の歯車20はケ
ーシング1に固定されたフリクション板32に当接して
ケーシング1内に収容され、バネガイド34が宛われた
状態でフリクションバネ33により押圧されており、フ
リクションバネ33の他端側はバネ押さえ35に当接
し、所定のバネ力が第1の歯車20とフリクション板3
2との間に付与されるようになっている。
【0089】したがって、出力軸側が高負荷になると、
フリクション板32と第1の歯車20との間で摩擦が生
じ、これを越えてモータ2が回転すると、第1の歯車2
0が回転することになる。
【0090】なお、本実施形態のトルクリミッタの伝達
最大トルクは、第1の歯車20とフリクション板32と
の摩擦係数、フリクションバネ33の押圧力により決定
される。
【0091】(第4の実施形態)図14は第4の実施形
態を示す。
【0092】本実施形態は、磁界発生手段により変速装
置のトルクリミッタ機構を構成するもので、変速装置の
基本的構成は図1に示す変速装置と同一であり、異なる
箇所を以下に説明する。
【0093】本実施形態において、第1の歯車20の片
面側に磁性体36がビスあるいは接着剤等により固定さ
れている。この磁性体36は、Fe−Cr−Co系半硬
質磁石の薄板(厚さ0.5ミリ程度)のものが使用され
ている。37はケーシング1側に取り付けられる樹脂マ
グネットで、フェライト系の磁性体とナイロンベースの
薄板(厚さ1.5ミリ程度)よりなっている。38はス
ペーサで、ナイロンをベースにして形成されていて、磁
性体36と対向するように樹脂マグネット37に接着さ
れている。このスペーサ38は、磁性体36と樹脂マグ
ネット36との間隔を一定に保持し、摺動によるフリク
ショントルクを発生させると共に、その厚さによりヒス
テリシストルクを規定するもので、例えば厚さ0.1ミ
リ程度に形成されている。
【0094】39はヨーク板で、SECC−C20(メ
ッキ鋼板、商品名:ジンコート)の薄板(厚さ0.5ミ
リ程度)で形成され、樹脂マグネット37に装着されて
磁気回路を形成するもので、樹脂マグネット37と供に
ケーシング1にビス、あるいは接着材で取付けられてい
る。
【0095】本実施形態におけるトルクリミッタ機構の
スリップトルクは、ヒステリシストルクとフリクション
トルクによって決まる。このとき、このヒステリシスト
ルクは、樹脂マグネット37の分極数、着磁強度、ある
いは間隔を調整して決定される。また、実施形態では磁
性体36とスペーサ38との間でフリクショントルクを
発生させ、上述したヒステリシストルクに加えて使用し
ているが、スペーサ38を用いずに、ヒステリシストル
クのみをスリップトルクとしても良い。。
【0096】なお、本実施形態において、ヒステリシス
トルクを発生する磁界発生手段としての樹脂マグネット
37をケーシング1に固定しているが、第1の歯車20
側に樹脂マグネット37およびヨーク39を設け、ケー
シング側に磁性体を設けるようにしてもよく、また摺動
部にグリース等のフリクション調整剤を塗布するように
しても良い。
【0097】ここで、上記のスリップトルクが出力軸の
伝達最大トルクとなる。
【0098】(第5の実施形態)図15は第5の実施形
態を示す。
【0099】本実施形態は、ケーシング1に対して回転
自在に取り付けられた第1の歯車40を外部回転源であ
るモータ42により回転させ、減速比をさらに高めるよ
うにしたものである。
【0100】ケーシング1または外部に設けたモータ4
2のモータ軸にはモータ歯車41が固定され、第1の歯
車40の外周部に形成された歯車部40aにモータ歯車
40aが噛合する。第1の歯車40はモータ歯車41と
歯車部40aとの噛合により減速されて第2の歯車10
の揺動回転方向と同じ方向に回転する。
【0101】第1の歯車40が非回転状態の場合、第1
の歯車40の歯数と第2の歯車10の歯数の差が減速比
となり、その回転が出力となるのは前述した通りであ
り、差動歯車の動作原理より明らかなように、第1の歯
車40が回転する場合、第2の歯車10の回転数に対す
る第1の歯車40の回転数差が出力軸6の回転となって
出力される。
【0102】したがって、さらに高い減速比が得られる
ことになる。
【0103】(第6の実施形態)図16は第6の実施形
態を示す。
【0104】本実施形態は、上記した各実施形態に示す
本発明による変速装置を光学装置である撮影用レンズの
フォーカス、ズーム等のレンズ駆動あるいはアイリス等
の駆動のための駆動機構に用いたもので、図17に示す
ようにテレビカメラCに装着される撮影レンズDを図1
6に示す。
【0105】図16において、50はレンズ本体、51
は駆動ユニット、52はフォーカスリング、53はズー
ムリング、54はアイリスリングであり、これらの各リ
ングの外周に形成された歯車部に不図示の駆動装置の出
力歯車が噛合して回転出力を伝達する。
【0106】変速装置からの出力は、図18、図19に
示す伝達機構を用いて被伝達体に伝達することができる
が、図18、図19において、スリーブ58、バネ62
等のトルクリミッタ機構は不要となり、出力軸6に直接
連結することができる。
【0107】また、出力軸6に設けた歯車により直接フ
ォーカスリング、ズームリング、あるいはアイリスリン
グ等を駆動するようにしても良い。
【0108】本実施形態において、本発明の変速装置を
用いることにより、バックラッシュのない回転出力を得
ることが可能となり、しかも音、振動に対する遮音、制
振効果も得られ、フォーカス、ズーム、アイリス等の操
作時の応答性が良好となり、しかも立ち上がりの際、ピ
ク付きのないスムーズな動きが得られる。
【0109】なお、上記の各実施形態において、第1の
歯車と第2の歯車とを変速差動部材として用いたが、変
速差動部材としては摩擦円板を用い、摩擦回転の当接位
置のズレを変速出力として取り出すようにしても良い。
【0110】
【発明の効果】請求項1に係わる発明によれば、第1の
部材と第2の部材との当接位置あるいは噛合位置の相対
ズレを出力とする構成であるため、第1の部材の回転を
制御することによって、出力軸への動力伝達をオン・オ
フするクラッチ機構としての機能、または所定のトルク
が加わるまでは非回転を維持するというトルクリミッタ
としての機能を有することになり、また、第1の部材を
回転させると、減速比を変化させる事が出きることとな
る。
【0111】このため、変速装置自体に、クラッチ機
構、トルクリミッタ機構、変速機構を持たせることが可
能となり、請求項18に係わる発明の如く、変速装置の
出力を被駆動体に伝達する場合、伝達系にこれらの機構
を個々に設ける必要がなくなり、伝達系全体の小型化、
簡素化とともに、それを用いる機器の小型化が可能とな
る。
【0112】しかも、部品点数が少なく、組立も容易で
あり、安価に製作することができる。
【0113】請求項2、3、4、5、6、7に係わる発
明によれば、変速装置にクラッチ機構を組み込むことが
できる。
【0114】請求項8、9、10、11に係わる発明に
よれば、変速装置にトルクリミッタ機構を組み込むこと
ができる。
【0115】請求項12、13に係わる発明によれば、
第1の部材の回転によって減速比を変化させることがで
きる。
【0116】請求項14、15、16、17に係わる発
明によれば、上述した効果を有する変速装置の第1の部
材と第2の部材を歯車により構成することができ、バッ
クラッシュの発生を防止することができる。
【0117】請求項19に係わる発明によれば、撮影レ
ンズやカメラ等の光学装置に適用することにより、撮影
レンズ、カメラの小型化が可能になる。しかも、部品点
数が少なく、組立も容易であり、安価に製作することが
できる。さらに、高精度に合焦レンズ、変倍レンズ、ア
イリス等の光学手段を駆動することができる。
【0118】また、バックラッシュのない回転出力を得
ることができ、しかも音、振動に対する遮音、制振効果
も得られるため、フォーカス、ズーム、アイリス等の操
作時に良好な応答性が得られ、立ち上がり時のピク付き
等のない動きが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の変速装置の基本的構成を示す断面図。
【図2】図1の分解斜視図。
【図3】図1の構成の変形例を示し、(a)は押圧機構
の斜視図、(b)は継ぎ手機構の分解斜視図。
【図4】図1の構成の変形例を示す断面図。
【図5】図1の構成の変形例を示す断面図。
【図6】図1の構成の変形例を示す断面図。
【図7】第1の実施形態を示す変速装置の断面図。
【図8】図7の変速装置のクラッチ機構がオンの状態を
示す断面図。
【図9】図7の変速装置のクラッチ機構がオフの状態を
示す断面図。
【図10】第2の実施形態を示す変速装置の断面図。
【図11】図10の変速装置のクラッチ機構がオンの状
態を示す断面図。
【図12】図10の変速装置のクラッチ機構がオフの状
態を示す断面図。
【図13】第3の実施形態を示す変速装置の断面図。
【図14】第4の実施形態を示す変速装置の断面図。
【図15】第5の実施形態を示す変速装置の断面図。
【図16】第6の実施形態を示す撮影レンズの側面図。
【図17】図16の撮影レンズを装着したテレビカメラ
の側面図。
【図18】従来の駆動装置の断面図で、クラッチがオン
の状態を示す。
【図19】図18の駆動装置のクラッチがオフの状態を
示す。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 モータ 2a 回転軸 3 ロータ 4a、4b 押圧ローラ 5a、5b 支持軸 6 出力軸 7a、7b ラジアル軸受け 8 スペーサ 9E型リング 10 第2の歯車 11、12 連結ピン 13 伝達部材 14、20、40 第1の歯車 21 クラッチ歯 22 回動レバー 23、25 ピン 24 スプリング 26 偏心カム 27 クリック円板 28 クリックボール 29 クリックバネ 30 ボール部材 32 フリクション板 33 フリクションバネ 34 バネガイド 35 バネ押さえ 36 磁性体 37 樹脂マグネット 38 スペーサ 39 ヨーク板 41 歯車 42 モータ 57 出力軸 58 スリーブ 59 ピン 60 出力歯車 61 摺動ワッシャ

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングに支持された第1の部材と、
    出力軸に連結された第2の部材と、入力軸と一体に回転
    しながら該第2の部材の一部を該第1の部材に押圧して
    当接あるいは噛合させる押圧手段と、第1の部材の回転
    を制御することによって該出力軸の回転を制御する回転
    制御手段とを有し、該第1の部材に対する該第2の部材
    の当接あるいは噛合位置の相対ズレを出力として該出力
    軸に伝達することを特徴とする変速装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、回転制御手段は、第
    1の部材を自軸回りに回転可能に支持するとともに、該
    第1の部材をケーシングに対する固定を選択的に行える
    クラッチ機構であることを特徴とする変速装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、クラッチ機構は、第
    1の部材の外周に対して接離可能な接離部材を有するこ
    とを特徴とする変速装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、クラッチ機構の接離
    部材は、第1の部材の外周に形成された歯車部に噛合す
    る歯部を有することを特徴とする変速装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、クラッチ機構の接離
    部材は、第1の部材の外周に形成された歯車部に係合す
    るボール部材であることを特徴とする変速装置。
  6. 【請求項6】 請求項3、4または5において、接離部
    材は第1の部材に対する接触位置と離隔位置との間を切
    り換え可能とする切り換え手段により駆動されることを
    特徴とする変速装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、切り換え手段は、接
    離部材を弾性的に第1の部材に押圧する押圧手段を有す
    ることを特徴とする変速装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、回転制御手段は、第
    1の部材を自軸回りに回転可能に支持する支持手段と、
    該第1の部材をケーシングに対して回転トルクを制限す
    るトルク制限手段とを有することを特徴とする変速装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、トルク制限手段は、
    第1の部材の外周部に形成された係合部と、該係合部に
    係合する係合部材と、該係合部材を該係合部に係合する
    方向に付勢する付勢手段とを有することを特徴とする変
    速装置。
  10. 【請求項10】 請求項8において、トルク制限手段
    は、第1の部材とケーシングとの間に摩擦力を発生させ
    る摩擦力発生手段を有することを特徴とする変速装置。
  11. 【請求項11】 請求項8において、トルク制限手段
    は、第1の部材とケーシングとを磁力により結合する磁
    力結合手段を有することを特徴とする変速装置。
  12. 【請求項12】 請求項1において、回転制御手段は、
    第1の部材を自軸回りに回転させるための駆動手段を有
    することを特徴とする変速装置。
  13. 【請求項13】 請求項12において、駆動手段は、モ
    ータ駆動される歯車による伝達により第1の部材を回転
    させることを特徴とする変速装置。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれかにおい
    て、第1の部材と第2の部材は歯車部材であることを特
    徴とする変速装置。
  15. 【請求項15】 請求項14において、歯車構成の第1
    の変速差動操作部材と第2の変速差動操作部材のいずれ
    か一方の歯部の一部には噛合する相手側の歯部と当接す
    る弾性部材が設けられていることを特徴とする変速装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項14において、第1の部材と第
    2の部材の少なくとも一方が弾性部材で形成されている
    こを特徴とする変速装置。
  17. 【請求項17】 請求項14において、第1の部材と第
    2の部材の歯部の少なくとも一方が弾性部材で形成され
    ていることを特徴とする変速装置。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし17のいずれかに記載
    した変速装置の出力軸の駆動力を伝達して被駆動物を駆
    動することを特徴とする駆動装置。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載した駆動装置を用い
    て光学手段を駆動することを特徴とする光学装置。
JP8003063A 1996-01-11 1996-01-11 変速装置、駆動装置、および光学装置 Pending JPH09197243A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8003063A JPH09197243A (ja) 1996-01-11 1996-01-11 変速装置、駆動装置、および光学装置
US08/774,880 US5860887A (en) 1996-01-11 1996-12-27 Reduction gear apparatus
DE69707321T DE69707321D1 (de) 1996-01-11 1997-01-10 Taumelrad-Reduziergetriebe mit variabler Untersetzung und Drehmomentbegrenzung
EP97100344A EP0789168B1 (en) 1996-01-11 1997-01-10 Reduction gear apparatus with nutating gear, variable reduction ratio and torque limiter

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8003063A JPH09197243A (ja) 1996-01-11 1996-01-11 変速装置、駆動装置、および光学装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09197243A true JPH09197243A (ja) 1997-07-31

Family

ID=11546880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8003063A Pending JPH09197243A (ja) 1996-01-11 1996-01-11 変速装置、駆動装置、および光学装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5860887A (ja)
EP (1) EP0789168B1 (ja)
JP (1) JPH09197243A (ja)
DE (1) DE69707321D1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010116983A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Jtekt Corp 揺動型歯車装置

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5959786A (en) * 1997-03-26 1999-09-28 Canon Kabushiki Kaisha Optical apparatus with power transmission mechanism
JP2002308125A (ja) * 2001-04-18 2002-10-23 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置
JP4749207B2 (ja) * 2006-04-10 2011-08-17 セイコープレシジョン株式会社 運動変換装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1616369A (en) * 1926-01-07 1927-02-01 Hartmann Ludwig Carl Motion-transmission mechanism
US2919587A (en) * 1955-11-16 1960-01-05 Edward V Sundt Multiple speed driving mechanism for windshield wipers and the like
US2785590A (en) * 1956-02-17 1957-03-19 Edward V Sundt Multiple speed reducer
US3935750A (en) * 1973-10-23 1976-02-03 Maroth Arthur M Counterbalanced mechanical speed-change mechanism
GB2011016A (en) * 1977-12-22 1979-07-04 Skf Nova Ab Toothed Gearing
JPS61160650A (ja) * 1984-12-31 1986-07-21 Masaaki Yamashita 無段変速装置
JPS63180754A (ja) * 1987-01-20 1988-07-25 Masaaki Yamashita 無段変速装置
US5029991A (en) * 1989-04-13 1991-07-09 Canon Kabushiki Kaisha Lens barrel
KR100189281B1 (ko) 1994-12-27 1999-06-01 미따라이 하지메 감속기

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010116983A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Jtekt Corp 揺動型歯車装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE69707321D1 (de) 2001-11-22
US5860887A (en) 1999-01-19
EP0789168A1 (en) 1997-08-13
EP0789168B1 (en) 2001-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5893813A (en) Speed reducer
JP2597707B2 (ja) レンズ鏡筒
US6288848B1 (en) Lens barrel and optical equipment
JPH01251007A (ja) レンズ鏡筒
JPH09197243A (ja) 変速装置、駆動装置、および光学装置
US6879445B2 (en) Power/manual lens barrel having a manual operating ring
JPH06160690A (ja) レンズ鏡筒
US5731919A (en) Optical apparatus
JP3630922B2 (ja) 光学装置
JP2721408B2 (ja) レンズ鏡筒
JP3429644B2 (ja) レンズ鏡筒
JPH09151999A (ja) 変速装置、駆動装置、および光学装置
JPH0753053Y2 (ja) レンズ鏡筒
JP3630923B2 (ja) 光学装置
JP4588862B2 (ja) カメラレンズの焦点調節モード切換装置
JP3787416B2 (ja) レンズ装置
JPH09101445A (ja) 撮影レンズおよびカメラ
JP2003121726A (ja) レンズ鏡筒
JPH10221588A (ja) 光学装置
JPH06313450A (ja) トルクリミッタ
JPH10268177A (ja) 光学装置
JP2002318339A (ja) カメラレンズの焦点調節モード切換装置
JPH10127011A (ja) モータ駆動装置
JPH01287615A (ja) 回転制御機構
JPH10319295A (ja) 光学装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040406

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040907