JP6589960B2 - 振動アクチュエータ、振動アクチュエータの制御装置、レンズ鏡筒及び電子機器 - Google Patents

振動アクチュエータ、振動アクチュエータの制御装置、レンズ鏡筒及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、振動アクチュエータ、振動アクチュエータの制御装置、レンズ鏡筒及び電子機器に関するものである。
従来、固定子に接続されたワイヤの引張力(予圧)を調節することによりトルク制御を行うものが開示されている(特許文献1参照)。
特許第4354342号公報
しかしながら、特許文献1に開示された振動アクチュエータでは、振動子と相対移動部材との摩擦接触面が振動アクチュエータの駆動の安定性や効率等に与える影響が大きく、摩擦接触面の材料の選定組合せによっては、モータ特性が安定しない。
以上のような事情に鑑み、本発明は、好適な出力制御が可能な振動アクチュエータ、振動アクチュエータの制御装置、レンズ鏡筒及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、振動を発生する振動子と、前記振動子に接、前記振動によって前記振動子に対して移動する移動部材と、前記振動子と移動部材とによって発生するトルクに基づいて、記移動部材の被駆動部への出力を制御する制御部と、を有する振動アクチュエータに関する。
本発明によれば、本発明は、好適な出力制御が可能な振動アクチュエータ、振動アクチュエータの制御装置、レンズ鏡筒及び電子機器を提供することができる。
第1実施形態のカメラ1を示す図である。 第1実施形態の超音波モータ10を示す図である。 第1実施形態の超音波モータ10の弾性体12と移動体15との摩擦接触面を拡大した図である。 連続駆動時間とトルク(相当数)の相関の一例である。 第2実施形態の超音波モータ20を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係るカメラ1の構成を示す図である。
本実施形態では、振動アクチュエータとして、超音波の振動域を利用する超音波モータを一例に挙げて説明する。また、本実施形態では、電子機器として、カメラを一例に挙げて説明する。
カメラ1は、撮像素子6及びカメラCPU7を有するカメラボディ2と、レンズ鏡筒3と、を備える。
レンズ鏡筒3は、カメラボディ2に着脱可能な交換レンズである。なお、本実施形態のカメラ1は、レンズ鏡筒3が交換レンズである例を示すが、これに限らず、例えば、カメラボディと一体型のレンズ鏡筒であってもよい。
レンズ鏡筒3は、レンズ4、カム筒5、超音波モータ10、及び超音波モータ10の制御装置108等を備える。
本実施形態で超音波モータ10は、略円環形状であり、その円環中心軸方向が光軸方向(図1中の矢印A方向)と略一致するようにレンズ鏡筒3内に配置されている。
この超音波モータ10は、カメラ1のフォーカス動作時にレンズ4を駆動する駆動源として用いられている。
本実施形態の超音波モータ10は、回転駆動力をカム筒5に伝える回転力伝達部10bと、超音波モータ10の出力部10cと回転力伝達部102とを連結する連結部10aとを備える。
連結部10aは、出力部10cと回転力伝達部10bとの連結のオンオフが可能である。連結のオンオフは、後述の制御装置108の指示に基づいて行われる。制御装置108はカメラCPU7からの指示に応じて連結部10aに指示を送る。
超音波モータ10から得られた駆動力は、連結部10aの連結がオンの状態で、連結部10a、回転力伝達部10bを介してカム筒5に伝えられる。
レンズ4のレンズ枠4aは、カム筒5とカム係合しており、超音波モータ10の駆動力によってカム筒5が光軸回りに回転すると、レンズ4は、光軸方向へ移動して焦点調節が行なわれる。
図1において、レンズ鏡筒3内に設けられた不図示のレンズ群(レンズ4を含む)によって、撮像素子6の撮像面に被写体像が結像される。撮像素子6によって、結像された被写体像が電気信号に変換され、その信号をA/D変換することによって、画像データが得られる。
図2は、第1実施形態の超音波モータ10を示す図である。
本実施形態の超音波モータ10は、圧電体11及び弾性体12を備える振動子13と、移動体15と、フレキシブルプリント基板14と、振動吸収材16と、支持体17等とを備えている。
圧電体11は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する機能を有する。本実施形態では、圧電体11として圧電素子を用いているが、電歪素子を用いてもよい。この圧電体11は、フェルト等の振動吸収材16を介して、レンズ鏡筒3に設けられた支持体17に固定されている。
圧電体11は、不図示の電極部が形成されている。圧電体11は、この電極部と電気的に接続されたフレキシブルプリント基板14から供給される駆動信号により伸縮し、弾性体12を励振する。
弾性体12は、圧電体11の励振により進行波を発生する部材である。弾性体は、与えられた振動を効率よく相対移動部材へ伝えるために、高弾性材料、例えば、ステンレス鋼、インバー鋼等の鉄合金により形成される。本実施形態の弾性体12は、SUS303により形成されている。弾性体12は、略円環形状の部材であり、一方の面には導電性を有する接着剤等により圧電体11が接着され、他方の面には複数の溝12bを切って形成された櫛歯部12aが設けられている。
櫛歯部12aの先端面は、後述する移動体15と加圧接触する接触面であり、この面に発生する進行波によって移動体15が回転駆動される。この櫛歯部12aの先端面には、DLC膜18(図3参照)が形成されている。DLC(diamond‐like carbon)とはダイヤモンド状の炭素−炭素結合を持った非晶質炭素膜の総称である。
移動体15は、アルミニウム等の金属によって形成された略円環形状の部材である。移動体15は、アルミニウム合金により形成されている。移動体15は、振動子13(弾性体12)に加圧接触され、進行波により摩擦駆動される。この移動体15の振動子13に対する接触面には、陽極酸化処理により硬質アルマイト皮膜が形成されている。
フレキシブルプリント基板14は、圧電体11の所定の電極部と電気的に接続されており、圧電体11に駆動信号を供給する部材である。フレキシブルプリント基板14には、制御装置108が接続されている。
また制御装置108は、前述のように図1に示す連結部10aにも連結されており、制御装置108は、カメラCPU7からの指示に応じて連結部10aに指示を送り、連結部10aは、制御装置108の指示に応じて出力部10cと回転力伝達部10bとの連結のオンオフを行う。
図3は、第1実施形態の超音波モータ10の弾性体12と移動体15との接触部分を拡大した図である。なお、図3では、超音波モータ10の周方向の断面の一部を拡大して示している。
弾性体12の移動体15との接触面(櫛歯部12aの先端面)には、DLC膜18が設けられている。移動体15の弾性体12との接触面には、硬質アルマイト皮膜19が設けられている。従って、振動子13と移動体15とが摩擦接触する面は、DLC膜18と硬質アルマイト皮膜19とが接触する形態となっている。
本実施形態のDLC膜18はアークイオンプレーティング法にて形成した。ステンレスの弾性体にDLC処理を行った後に圧電体を導電性接着剤にて接着する。もしくは、弾性体と圧電体を接着しフレキシブルプリント基板を接続してから弾性体の接触面を研磨し、弾性体のみにDLC膜を製膜してもよい。後者の方法により、例え接着等の組み立てで変形しても、弾性体の接触面を研磨しているのでDLC処理後の後加工無しでも平面度を確保することができる。
DLC膜は、他の表面処理膜に比べて、硬さ、耐塑性変形性、密着性や剥離強度、耐摩耗性、耐熱性等の点において優れている。そのため、DLC膜18を形成することにより、以下のような効果が期待できる。
(1)DLC膜18は、硬さが大きいため、移動体15(硬質アルマイト皮膜19)との接触面の耐摩耗性・耐塑性変形性を向上できる。
(2)DLC膜18の剥離強度や振動子13(弾性体12)に対する密着性が向上し、DLC膜18の耐久性が向上する。
(3)DLC膜18は耐熱温度が約400℃のため、超音波モータ10の駆動時に発生する一時的な摩擦熱によって、DLC膜18が変質することを防止できる。
(4)DLC膜18により耐化学反応性が向上し、空気中の水分によってDLC膜18が化学的に変質することを防止できる。また、硬質アルマイト皮膜19との接合(固着)も防ぐことができる。
(5)DLC膜18はメッキ処理のような薬剤の使用が無いため環境に優しい。
このDLC膜18は、ステンレス合金(SUS304)によって形成された弾性体12の表面にアークイオンプレーティングを施すことにより形成される。DLC処理前に、弾性体表面を番手#320〜#8000のGC(グリーンカーボランダム)またはWA(白色アルミナ)研磨紙等で研磨し、DLC膜18を所望の粗さとする。
また、硬質アルマイト皮膜19は、表面を約2μm研磨して使用している。硬質アルマイトは、製造コストが安く、DLC膜18との摩擦摩耗特性が良好である。
硬質アルマイト皮膜19は、陽極酸化処理後に耐摩耗性を保ちつつ耐食性を確保するために半封孔処理をそる。その後、硬質アルマイト皮膜19の表面をGC研磨紙を用いて研磨して平坦にする。
また、硬質アルマイト皮膜19は、表面を約2μm研磨して使用している。硬質アルマイトは、製造コストが安く、DLC膜18との摩擦摩耗特性が良好である。
次に、DLC膜18が形成された弾性体12に圧電体11を接合し、振動子13を形成する。振動子13のDLC膜18と移動体15の硬質アルマイト皮膜19とが接触するように振動子13と移動体15とを配置し、各部材を組み立てる。これらの工程を経て、超音波モータ10が作製される。
図4は、DLC膜18と硬質アルマイト皮膜19における、連続駆動時間とトルクの関係を示した図である。
図示するように、DLC膜18と硬質アルマイト皮膜19で摩擦接触する超音波モータ10の出力であるトルクを測定すると、駆動による摩擦接触時間に応じてそのトルクが変化する。
駆動初期はトルクが大きく、連続駆動時間が長くなるほどトルクが小さくなり、安定状態となる。
一旦モータを停止し、駆動を始めると、また同様に連続駆動時間が長くなるほどトルクが小さくなり、安定状態となる。
本実施形態は、このDLC膜18と硬質アルマイト皮膜19における、連続駆動時間とトルクの関係を利用する。
例えば、運搬ロボットのように高トルクが要求される場合、超音波モータ10の駆動初期における高トルクである期間を利用する。
また、低トルクでソフトに動かすことが要求される場合、連続駆動時間が長くなってトルクが小さくなり、安定状態となった期間を利用する。
すなわち、カメラCPU7から、高トルクか低トルクのいずれが求められる状況かという情報が制御装置108に伝達される。
制御装置108は、このDLC膜18と硬質アルマイト皮膜19における、連続駆動時間とトルクの関係が記憶された記憶部108aを備えている。
そして、カメラCPU7から高トルクが指示されると、制御装置108は、高トルクを発生することができる期間を記憶部108aに記憶された情報から判断し、連結部10aに対して、高トルク発生期間のみ出力部10cと回転力伝達部10bとを連結するように指示する。
また、カメラCPU7から低トルクが指示されると、制御装置108は、低トルクを発生することができる期間を記憶部108aに記憶された情報から判断し、連結部10aに対して、低トルク発生期間のみ出力部10cと回転力伝達部10bとを連結するように指示する。
なお、これに限らず、制御装置108は、予め測定したトルクと連続駆動時間の関係がプログラミングされていてもよく、そのプログラミングにより所望のトルクに応じて連続駆動時間を制御することによりトルク制御するものであってもよい。
このように、連続駆動時間とトルクの関係を事前に取得しておけば、連続駆動時間を変えることにより狙い値通りのトルクを得ることができる。
尚、通常はトルクを変えるとモータ速度も変わるが、本方法を用いれば、速度一定のままトルクを可変とすることもできる。また用途によって加減速やトルク変化を行っていたギアを廃止することもできる。
このようにトルク制御を行うためには、事前に連続駆動時間とトルクの相関データを取り、所望のトルクに応じて駆動時間を規定するような制御とすればよい。
図4のように、駆動時間とトルクの関係が明らかになっており、一旦駆動を停止すると停止時間にかかわらず連続駆動時間とトルクはほぼ同じ軌跡を描くことがわかっている。従って、高トルクが、継続して必要な場合は一旦駆動を停止してから再駆動を行えばよい。
ここで、本実施形態の超音波モータを用意し、最小異音回転数や、最大トルク、最低起動電圧、摩耗特性等の超音波モータの駆動性能について調べた。
最大トルクとは、駆動可能な負荷トルクの最大値、すなわち、最大負荷トルクである。消費電力は、この値が小さいほど小電力で駆動が可能となる。
最低起動電圧とは、駆動可能な最低電圧であり、この値が小さいほど小電力で駆動が可能となる。
異音発生回転数とは、超音波モータを所定の駆動条件下で駆動した場合の異音が発生する最小の回転数を調べたものである。通常、超音波モータは、異音発生回転数以上の回転数で異音が発生するため、異音発生回転数がなるべく大きい(規定の異音発生回転数を1としたとき、1以上の回転数で異音が発生する)ものが好ましい。
摺動音圧とは、異音発生状態ではない定常状態で所定の負荷トルク及び回転数(負荷トルク20N・mm、回転数60rpm)における、摺動部から発生する音圧で、測定例3の音圧を1としたときの比である。
異音発生回転数とは、超音波モータを所定の駆動条件下で駆動した場合の異音が発生する最小の回転数を調べたものである。通常、超音波モータは、異音発生回転数以上の回転数で異音が発生するため、異音発生回転数がなるべく大きい(規定の異音発生回転数を1としたとき、1以上の回転数で異音が発生する)ものが好ましい。
磨耗量とは、超音波モータを所定の負荷トルク及び回転数(負荷トルク20N・mm、回転数60rpm)で、50000回転させた場合、のこの場合は軟らかく摩耗しやすい方の移動体側の接触膜の磨耗量を、磨耗深さとして測定し、評価したものである。この磨耗深さとは、50000回転させる前の弾性体の厚みを基準としたときの回転駆動後の弾性体の厚みとの差である。この磨耗深さが小さい方が、駆動によって生じた磨耗量が小さく、耐久性が良好である。
本実施例の超音波モータを測定した結果、最大トルク、最低起動電圧、消費電力、異音発生回転数、摺動音圧、摩耗量は、全て良好であった。
これらのことから、連続駆動時間の制御によりトルクを制御し、接触面にDLCと硬質アルマイトを用いれば、トルクの制御が可能で、所望する最大トルクを満たし、所要電力を低減させ、起動性を向上し、摺動音・異音や摩耗を防止する観点から好ましいことが解る。
[第二実施形態]
図5は、本発明の第二実施形態に係る超音波モータ20を示す断面図である。
本発明の第二実施形態に係る超音波モータ20は、上記第一実施形態の超音波モータ10と同様のカメラ1のレンズ鏡筒3に設けられ、フォーカス動作を行なう際のレンズ4を駆動する駆動源として用いられている。この超音波モータ20の出力は、回転力伝達ギア列20bを介して駆動力をカム筒に伝え、このカム筒に保持されるレンズを駆動する形態となっている点が第一実施形態とは異なる。
超音波モータ20は、振動子23、移動体25、出力軸28、加圧部29等を備えている。振動子23は、弾性体22と、弾性体22に接合された圧電体21等を有する略円環形状の部材である。この振動子23は、圧電体21の伸縮により進行波が発生する。
弾性体22は、ステンレス鋼により形成された略円環形状の部材であり、一方の面には圧電体21が接合され、もう一方の面には周方向に複数の溝を切って形成された櫛歯部22aが設けられている。この櫛歯部22aの先端面は、移動体25に加圧接触される接触面であり、この面に接する移動体25を進行波によって駆動する。
振動子23の移動体25との接触面には、第一実施形態に示した振動子13と同様に、DLC膜31が形成されている。
弾性体22は、その内周側の径方向に伸ばして形成された鍔状のフランジ部22bを有し、このフランジ部22bにより支持体26に支持されている。
圧電体21は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する機能を有する。本実施形態では、第1実施形態と同様に、圧電体21として、圧電素子を用いているが、電歪素子を用いてもよい。この圧電体21は、圧電体21に形成された所定の電極部と電気的に接続されたフレキシブルプリント基板24から供給される駆動信号により伸縮し、弾性体22に振動を生じさせる。
フレキシブルプリント基板24には、超音波モータ20を備えられるカメラの制御を行う制御装置208が接続されている。また、制御装置208は、後述する連結部20aにも接続されている。
移動体25は、振動子23と加圧接触し、振動子23の接触面(櫛歯部22aの先端面)に生じた進行波による楕円運動によって回転駆動される。移動体25は、ステンレスにより形成された部材である。移動体25は、出力軸28に嵌合している。本実施形態の移動体25は、ステンレス合金によって形成され、移動体25の振動子23との接触面に硬質アルマイト皮膜層32が形成されている。従って、移動体25と振動子23とが摩擦接触する面は、硬質アルマイト皮膜層32とDLC膜31とが接する形態となっている。
出力軸28は、略円筒形状をしており、一方の端部はゴム部材30を介して移動体25と嵌合し、もう一方の端部は、ベアリング27を介して支持体26に回転自在に取り付けられている。この出力軸28は、移動体25と一体に回転して移動体25の回転運動を不図示のギア等の被駆動部材に伝達する。
加圧部29は、振動子23と移動体25とを加圧する機構である。加圧部29は、加圧力を発生するバネ29aと、ベアリング27に接して配置され、バネ29aの一端を押さえる押さえリング29bと、バネ29aの他端を押さえる押さえリング29cと、出力軸28に形成された溝に挿入され、押さえリング29cの位置を規制するEリング29dとを備えている。
本実施形態の超音波モータ20も、回転駆動力をカムに伝える回転力伝達ギア列20bと、超音波モータ20の出力ギア20cと回転力伝達ギア列20bとを連結する連結部20aとを備える。
連結部20aは、制御装置208に連結されている。そして制御部208は、予め測定したトルクと連続駆動時間の関係がプログラミングされている。
そして、カメラCPUから高トルクが指示されると、制御装置208は、高トルクを発生することができる期間を判断し、連結部20bに対して、高トルク発生期間のみ出力ギア20cと回転力伝達ギア列20bとを連結するように指示する。
また、カメラCPUから低トルクが指示されると、制御装置208は、低トルクを発生することができる期間を判断し、連結部20bに対して、低トルク発生期間のみ出力ギア20cと回転力伝達ギア列20bとを連結するように指示する。
超音波モータ20から得られた駆動力は、連結部20aの連結がオンの状態で、連結部20a、回転力伝達ギア列20bを介してカム筒に伝えられる。
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)本発明の態様によれば、出力(トルク)制御が容易であり、製造が容易かつ環境に優しく、異音の発生が低減され駆動性能の良好な振動アクチュエータ、振動アクチュエータの制御装置、レンズ鏡筒及び電子機器を提供することができる。
(2)本発明は、速度を変えることなく出力(トルク)制御が容易であり、余分な電圧投入や周波数制御を必要とせず、製造方法も容易で、異音が発生せず駆動性能が安定している。
(3)本実施形態に示すような超音波モータにおいても、DLC膜を振動子の摩擦接触面に形成することにより、磨耗量の低減、異音の低減、耐久性の向上、駆動性能の安定化、起動特性の向上等を図ることができる。
(4)さらに、第2実施形態に示した超音波モータは、第1実施形態に示した超音波モータに比べて径が小さい小型の超音波モータとして作製される場合が多いため、熱の発生が問題となる。しかし、本実施形態によれば、DLC膜31は熱伝導性が良好で、硬質アルマイト皮膜32も熱伝導性に優れる。
(変形形態)
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
トルク相当数については、超音波モータのトルク値だけでなく、超音波モータまたはそれをモデル化した材料の摩擦係数を使用してもよい。
上記各実施形態では、DLC膜としてイオンプレーティングで製作する例を示したが、これに限らずイオンプレーティング以外のPVD法(真空蒸着・スパッタなど)・CVD法・溶射法等他の製作方法であってもよい。
DLC膜・硬質アルマイト皮膜以外でも、トルクまたはそれと比例関係にある摩擦係数と連続駆動時間の関係が明らかで再現性がある材料を用いても構わない。
上記各実施形態では、振動子13,23の接触面(櫛歯部12a,22aの先端面)にDLC膜18,31を形成する例を示したが、これに限らず、移動体15,25の接触面にDLC膜を形成してもよい。移動体側接触面がDLC膜、振動子側の接触面が硬質アルマイト皮膜 と入れ替わってもよい。さらに、弾性体を使用せずに、圧電体と移動体とが摩擦接触する形態の振動アクチュエータに適用してもよい。
上記各実施形態では、弾性体12,22を形成する材料として、ステンレス鋼を用いたが、その他の鉄系材料を用いてもよい。例えば、S15C、S55C、SCr445、SNCM630等の各種鉄鋼材料を用いてもよいし、リン青銅、銅合金、アルミニウム系合金を用いてもよい。
上記各実施形態では、移動体15,25は、アルミニウム合金によって形成される例を示したが、これに限らず、鉄系材料(含合金)・アルミニウム合金・銅合金・リン青銅等を用いてもよい。例えば、S15C、S55C、SCr445、SNCM630等の各種鉄鋼材料を用いてもよい。またアルミナやその他のセラミックスやプラスチックで形成してもよい。
上記各実施形態では、硬質アルマイトを用いる例を示したが、これに限らず、アルミナ等の組成が類似した材料を適宜選択して使用してよい。アルミナを使用する際は移動体すべてにアルミナを使用してもよいし、摩擦接触部のみをアルミナ部材にて構成(移動体に接着)してもよい。
上記各実施形態では、移動体15,25が回転駆動される超音波モータを示したが、これに限らず、移動体が直線方向に駆動されるリニア駆動型の振動アクチュエータとしてもよい。なお、各実施形態では、移動体15,25が回転駆動される回転型(円環型)の超音波モータを例としてあげたが、これは、この型の超音波モータでは固着が問題になることが多く、本発明を適用することにより大きな効果が得られるからである。
上記各実施形態では、超音波領域の振動を用いる超音波モータを例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、超音波領域以外の振動を用いる振動アクチュエータに適用してもよい。
上記各実施形態では、超音波モータ10,20は、カメラのレンズ鏡筒のフォーカス動作を行う駆動源として用いられる例を示したが、これに限らず、例えば、レンズ鏡筒のズーム動作を行う駆動源に用いてもよい。また、超音波モータ10,20を、複写機等の駆動源や、自動車のハンドルチルト装置やヘッドレストの駆動部等に用いてもよい。
実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
1:カメラ、2:カメラボディ、3:レンズ鏡筒、5:カム筒、7:カメラCPU、10:超音波モータ、10a:連結部、10b:回転力伝達部、10c:出力部、13:振動子、15:移動体、19:硬質アルマイト皮膜、20:超音波モータ、20a:連結部、20b:回転力伝達ギア列、20b:連結部、20c:出力ギア、23:振動子、25:移動体、26:支持体、32:硬質アルマイト皮膜、102:回転力伝達部、108:制御装置、108a:記憶部、208:制御装置

Claims (9)

  1. 振動を発生する振動子と、
    前記振動子に接、前記振動によって前記振動子に対して移動する移動部材と、
    前記振動子と移動部材とによって発生するトルクに基づいて、記移動部材の被駆動部への出力を制御する制御部と、を有する振動アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の振動アクチュエータであって、
    前記制御部は、前記被駆動部への出力の大きさに対応して、前記移動部材の連続駆動時間におけるどの期間において前記被駆動部へ出力するかを制御する振動アクチュエータ。
  3. 請求項1又は2に記載の振動アクチュエータであって、
    制御部は、前記移動部材の連続駆動時間に対する出力トルクの関係に基づいて、前記連続駆動時間におけるどの期間において前記被駆動部へ出力するかを制御する振動アクチュエータ。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータであって、
    前記振動子の前記移動部材に対する第一接触面、及び、前記移動部材の前記振動子に対する第二接触面、の一方は、DLC膜で形成されている振動アクチュエータ。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータであって、
    前記振動子の前記移動部材に対する第一接触面、及び、前記移動部材の前記振動子に対する第二接触面の一方は、アルミナ及び陽極酸化皮膜のいずれか一方で形成されている振動アクチュエータ。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータであって、
    第1出力が必要な際は、前記第1出力より低出力が必要な際よりも前記振動子の前記移動部材に対する接触時間を短くする振動アクチュエータ。
  7. 振動を発生する振動子と、前記振動子に接触し、前記振動によって前記振動子に対して移動する移動部材と、を備える振動アクチュエータにおいて、前記振動子と移動部材とによって発生するトルクに基づいて、前記移動部材の被駆動部への出力を制御する振動アクチュエータの制御装置。
  8. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータを備えるレンズ鏡筒。
  9. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータを備える電子機器。
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