JP2017099209A - 振動アクチュエータ、レンズ鏡筒及び電子機器 - Google Patents

振動アクチュエータ、レンズ鏡筒及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】より好適な振動アクチュエータ、レンズ鏡筒及び電子機器を提供する。【解決手段】本発明の振動アクチュエータ10は、振動を発生する振動子13と、前記振動子13に加圧接触され、前記振動によって前記振動子13に対して相対移動する相対移動部材15と、を備え、前記振動子13の前記相対移動部材15に対する接触面と、前記相対移動部材15の前記振動子13に対する接触面との少なくとも一方に、凹凸18a,18bが形成されていること、を特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、振動アクチュエータ、レンズ鏡筒及び電子機器に関するものである。
従来、電気機械変換素子と弾性体とが接合された振動子を有し、振動子(弾性体)に加圧接触した相対移動部材を摩擦駆動する振動アクチュエータが知られている(特許文献1参照)。
このような振動アクチュエータにおいて、振動子と相対移動部材との接触で異音が発生するという問題がある。
特許第31332012号
請求項1に記載の発明は、振動を発生する振動子と、前記振動子に加圧接触され、前記振動によって前記振動子に対して相対移動する相対移動部材と、を備え、前記振動子の前記相対移動部材に対する接触面と、前記相対移動部材の前記振動子に対する接触面との少なくとも一方に、凹凸が形成されていること、を特徴とする振動アクチュエータである。
第1実施形態のカメラを示す図である。 第1実施形態の超音波モータを示す図である。 第1実施形態の超音波モータの弾性体と移動体との摩擦接触面を拡大した図である。 型押しされた櫛歯部の例を示した図である。 第1実施形態の変形形態における、弾性体と移動体との摩擦接触面を拡大した図である。 第1実施形態の変形形態における、弾性体と移動体との摩擦接触面を拡大した図である。 第1実施形態の変形形態における、弾性体と移動体との摩擦接触面を拡大した図である。 第1実施形態の比較形態における、弾性体と移動体との摩擦接触面を拡大した図である。 第2実施形態の超音波モータを示す図である。
以下、実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るカメラ1の構成を示す図である。
本実施形態では、振動アクチュエータとして、超音波の振動域を利用する超音波モータ10を一例に挙げて説明する。また、本実施形態では、電子機器として、カメラを一例に挙げて説明する。
カメラ1は、撮像素子6を有するカメラボディ2と、レンズ鏡筒3と、を備える。レンズ鏡筒3は、カメラボディ2に着脱可能な交換レンズである。なお、本実施形態のカメラ1は、レンズ鏡筒3が交換レンズである例を示すが、これに限らず、例えば、カメラボディと一体型のレンズ鏡筒であってもよい。
レンズ鏡筒3は、レンズ4、カム筒5、超音波モータ10等を備える。本実施形態では、超音波モータ10は、略円環形状であり、その円環中心軸方向が光軸方向(図1中の矢印A方向)と略一致するようにレンズ鏡筒3内に配置されている。
この超音波モータ10は、カメラ1のフォーカス動作時にレンズ4を駆動する駆動源として用いられている。超音波モータ10から得られた駆動力は、カム筒5に伝えられる。レンズ4のレンズ枠4aは、カム筒5とカム係合しており、超音波モータ10の駆動力によってカム筒5が光軸回りに回転すると、レンズ4は、光軸方向へ移動して焦点調節が行なわれる。
図1において、レンズ鏡筒3内に設けられた不図示のレンズ群(レンズ4を含む)によって、撮像素子6の撮像面に被写体像が結像される。撮像素子6によって、結像された被写体像が電気信号に変換され、その信号をA/D変換することによって、画像データが得られる。
図2は、第1実施形態の超音波モータ10を示す図である。
本実施形態の超音波モータ10は、圧電体11及び弾性体12を備える振動子13と、移動体15と、フレキシブルプリント基板14と、振動吸収材16と、支持体17等とを備えている。
圧電体11は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する機能を有する。本実施形態では、圧電体11として圧電素子を用いているが、電歪素子を用いてもよい。この圧電体11は、フェルト等の振動吸収材16を介して、レンズ鏡筒3に設けられた支持体17に固定されている。
圧電体11は、不図示の電極部が形成されている。圧電体11は、この電極部と電気的に接続されたフレキシブルプリント基板14から供給される駆動信号により伸縮し、弾性体12を励振する。
弾性体12は、圧電体11の励振により進行波を発生する部材である。弾性体12は、与えられた振動を効率よく相対移動部材へ伝えるために、高弾性材料、例えば、ステンレス鋼、インバー鋼等の鉄合金により形成される。本実施形態の弾性体12は、SUS303により形成されている。弾性体12は、略円環形状の部材であり、一方の面には導電性を有する接着剤等により圧電体11が接着され、従来他方の面には複数の溝部12dを切って形成された櫛歯部12aが設けられている。
この突起部分(溝がない箇所)の先端面12cが駆動面となり移動子に加圧接触される。溝部12dを設ける理由は、進行波の中立面をできる限り圧電体11側に近づけ、これにより駆動面の進行波の振幅を増幅させるためである。溝部12dが設けられていない部分を本実施形態ではベース部12bという。そのベース部12bの溝部12d側とは反対面に圧電体11は接合されている。
櫛歯部12aの先端面12cは、後述する移動体15と加圧接触する接触面であり、この面に発生する進行波によって移動体15が回転駆動される。
移動体15は、アルミニウム等の金属によって形成された略円環形状の部材である。移動体15は、アルミニウム合金により形成されている。移動体15は、振動子13(弾性体12)に加圧接触され、進行波により摩擦駆動される。この移動体15の振動子13に対する接触面15cには、陽極酸化処理により硬質アルマイト皮膜が形成されている。
フレキシブルプリント基板14は、圧電体11の所定の電極部と電気的に接続されており、圧電体11に駆動信号を供給する部材である。フレキシブルプリント基板14には、カメラ1の制御を行う制御装置101が接続されている。制御装置101には、温度センサ102が接続されており、温度センサ102の検知結果に応じて、超音波モータ10の回転数が一定となるように、圧電体11に供給する駆動信号の周波数を調整している。
図3は、第1実施形態の超音波モータ10の弾性体12と移動体15との接触部分を拡大した図である。なお、図3では、超音波モータ10の周方向の断面の一部を拡大して示している。
弾性体12の移動体15との接触面(櫛歯部12aの先端面12c)には、樹脂硬化膜18が設けられている。この樹脂硬化膜18の表面には、後述する凹凸が設けられている。
移動体15の弾性体12との接触面15cには、硬質アルマイト皮膜19が設けられている。従って、振動子13と移動体15とが摩擦接触する面は、樹脂硬化膜18と硬質アルマイト皮膜19とが接触する形態となっている。
次に、本実施形態の超音波モータ10の製造方法について説明する。
まず、ステンレス合金SUS304製の弾性体12における櫛歯部12aの先端面12cに、樹脂を含む塗料をスプレーにて塗布する。この塗料はポリアミドイミドとPTFEを含むものである。
次いで、塗料が櫛歯部12aの先端面12cに塗布された弾性体12を、80℃で仮焼成する。
この仮焼成により、樹脂硬化膜18はある程度硬化するが、完全に硬化した状態ではない。この状態で樹脂硬化膜18に金属製の型を押し当てて、表面を平滑化するとともに凹部18aを成形する。
金属製の型の形状は特に限定されない。例えば、矩形、×印、円形等である。図4(a)は、樹脂硬化膜18に矩形の型を押し付けた例で、矩形の凹部18aが複数形成されている。図4(b)は、×印の型を押し付けた例で、×印の凹部18aが複数形成されている。図4(c)は、円形の小さな型を押し付けた例で、円形の凹部18aが複数形成されている。なお、型の形状はこれらに限定されず、別の形状であってもよい。
その後、弾性体12を230〜250℃で本焼成する。これにより、樹脂硬化膜18が完全に硬化される。
次いで、圧電体11を導電性接着剤にて弾性体12に接着する。ここで、凹部18aを成形する際に、樹脂硬化膜18の平面度は整えられているため、硬化処理後の研磨処理工程を省くことができる。
なお、硬質アルマイト皮膜19は、陽極酸化処理後に耐摩耗性を保ちつつ耐食性を確保するために半封孔処理を行う。その後、硬質アルマイト皮膜19の表面をGC(グリーンカーボランダム)研磨紙を用いて研磨して平坦にする。
次に、樹脂硬化膜18が形成された弾性体12に圧電体11を接合し、振動子13を形成する。振動子13の樹脂硬化膜18と移動体15の硬質アルマイト皮膜19とが接触するように振動子13と移動体15とを配置し、各部材を組み立てる。これらの工程を経て、超音波モータ10が作製される。
型押し加工されて凹部18aが形成された樹脂硬化膜18は、他の表面処理膜に比べて、硬さ、耐塑性変形性、密着性や剥離強度、耐摩耗性、耐熱性等の点において優れている。そのため、本実施形態によると、以下のような効果が得られる。
(1)樹脂硬化膜18に凹部18aを設ける型押し加工を行うことにより、樹脂硬化膜18の密度が高く、硬くなるため、移動体15(硬質アルマイト皮膜19)との接触面の耐摩耗性・耐塑性変形性を向上できる。また硬質アルマイト被膜19との摩擦摺動により摩耗粉が発生しても型押しによる隙間に摩耗粉が逃げることができ、異音(突発音及びモータ駆動時の定常音)の発生を防ぐことができる。
(2)樹脂硬化膜18の剥離強度や振動子13(弾性体12)に対する密着性が向上し、樹脂硬化膜18の耐久性が向上する。
(3)樹脂硬化膜18は耐熱温度が約250℃のため、超音波モータ10の駆動時に発生する一時的な摩擦熱によって、樹脂硬化膜18が変質することを防止できる。
(4)樹脂硬化膜18に凹部18aを設ける型押し加工を行うことにより、接触する硬質アルマイト皮膜19との接触面積が減る。このため、樹脂硬化膜18と硬質アルマイト被膜19とがくっつきにくくなる。また硬質アルマイト被膜19との摩擦摺動により摩耗粉が発生しても型押しによる隙間に摩耗粉が逃げることができ、摩擦摩耗特性が向上し、超音波モータ10の耐久寿命が向上する。
(5)樹脂硬化膜18に凹部18aを設ける型押し加工を行うことにより、硬質アルマイト皮膜19との隙間が増えるため、移動体が高速で回転する際に発生する風切り音が減少する。
(6)樹脂硬化膜18に凹部18aを設ける型押し加工を行うことにより、塗装時の表面張力に起因する塗膜の変形を抑え、塗膜の平面度を所望の値にすることができる。なお、研磨により平面度を所望の値にする場合と比べ、研磨工程が不要であるので、製造コストを下げることができる。
(7)樹脂硬化膜18を塗布する際、図6のように弾性体12のベース部12bに塗布し、マスキングの実施により非塗装部を設けることにより、弾性体12金属の歯切り工程を省くことができる。また図7のような型押し加工で、摺動面につけるエンボスだけでなく歯切り部を形成することもできる。
[変形形態]
図5、図6及び図7は第1実施形態の変形形態を示した図である。
第1実施形態の弾性体12は、ベース部12bと櫛歯部12aとを有し、櫛歯部12aの先端面12cに樹脂硬化膜18を形成する形態を説明した。しかし、本実施形態はこれに限定されない。
例えば、図5に示す変形形態1の弾性体12は、ベース部12bのみの構成とし、櫛歯部12aは樹脂硬化膜18で製造し、その先端面12cに凹部18aを形成してもよい。
さらに、図6に示す変形形態2の弾性体12は、変形形態1に加えてさらに溝部12dの表面も樹脂硬化膜18で覆う構成としてもよい。図6の場合も、櫛歯部12aは樹脂硬化膜18で製造され、その先端面12cに凹部18aが形成されている。
また、第1実施形態及び変形形態1,2では、図7(a)に示すように樹脂硬化膜18に凹部18aを形成する例について説明した。しかし、本第1実施の形態及び変形形態1,2はこれに限定されない。図7(b)で示すように、樹脂硬化膜18に凸部18bを形成してもよい。
図8は、本実施形態の比較形態における、弾性体12と移動体15との摩擦接触面を拡大した図である。図示するように、比較形態では、樹脂硬化膜18に凹凸が設けられていない。
表1は、本実施形態の超音波モータ10と、比較形態の超音波モータとの最小異音回転数、最大トルク、最低起動電圧、摩耗特性等の超音波モータ10の駆動性能について調べた結果である。
Figure 2017099209
表1において、最大トルクとは、駆動可能な負荷トルクの最大値、すなわち、最大負荷トルクである。消費電力は、この値が小さいほど小電力で駆動が可能となる。
最低起動電圧とは、駆動可能な最低電圧であり、この値が小さいほど小電力で駆動が可能となる。
異音発生回転数とは、超音波モータ10を所定の駆動条件下で駆動した場合の異音が発生する最小の回転数を調べたものである。通常、超音波モータ10は、異音発生回転数以上の回転数で異音が発生するため、異音発生回転数がなるべく大きい(規定の異音発生回転数を1としたとき、1以上の回転数で異音が発生する)ものが好ましい。
摺動音圧とは、異音発生状態ではない定常状態で所定の負荷トルク及び回転数(負荷トルク20N・mm、回転数60rpm)における、摺動部から発生する音圧で、実施例図5の音圧を1としたときの比である。
磨耗量とは、超音波モータ10を所定の負荷トルク及び回転数(負荷トルク20N・mm、回転数60rpm)で、50000回転させた場合(この場合は軟らかく摩耗しやすい方の移動体側の接触膜)の磨耗量を、磨耗深さとして測定し、評価したものである。この磨耗深さとは、50000回転させる前の弾性体12の厚みを基準としたときの回転駆動後の弾性体12の厚みとの差である。この磨耗深さが小さい方が、駆動によって生じた磨耗量が小さく、耐久性が良好である。
表1に示すように、最大トルクは、第1実施形態、変形形態1、変形形態2、及び比較形態は同様であった。すなわち、本実施形態のように凹凸をつけても、最大トルクが低下することはない。
また、消費電力は、第1実施形態の場合、比較形態より良好であった。これは凹凸が設けられていることにより、摩擦熱がこもりにくいこと、磨耗粉が凹凸部に落下して摺動面に残らないこと、等によるものと考えられる。
なお、変形形態1及び変形形態2では、櫛歯部12a,12Aも熱硬化製樹脂で製造されているため、弾性体12で製造されている場合に比べて振動効率が若干低下するためと考えられる。
異音は、本実施形態及び変形形態において、比較形態よりも高回転になるまで発生しなかった。
摺動音圧も、本実施形態及び変形形態において、比較形態よりも良好であった。
膜の磨耗量も、本実施形態及び変形形態において、比較形態よりも良好であった。
以上、本実施形態及び変形形態の超音波モータ10を測定した結果、最大トルク、最低起動電圧、消費電力、異音発生回転数、摺動音圧、摩耗量は良好であった。
これらのことから、摩擦摺動材の摩擦接触面に型押し加工を施した樹脂硬化膜18と硬質アルマイトを用いれば、所望する最大トルクを満たし、所要電力を低減させ、起動性を向上し、摺動音・異音や摩耗を防止する観点から好ましいことがわかる。
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態に係る超音波モータ20を示す断面図である。
第2実施形態に係る超音波モータ20は、上記第1実施形態の超音波モータ10と同様のカメラ1のレンズ鏡筒3に設けられ、フォーカス動作を行なう際のレンズ4を駆動する駆動源として用いられている。
この超音波モータ20は、不図示のギアを介して駆動力を不図示のカム筒に伝え、このカム筒に保持されるレンズ4を駆動する形態となっている点が第1実施形態とは異なる。
超音波モータ20は、振動子23、移動体25、出力軸28、加圧部29等を備えている。振動子23は、弾性体22と、弾性体22に接合された圧電体21等を有する略円環形状の部材である。この振動子23は、圧電体21の伸縮により進行波が発生する。
弾性体22は、ステンレス鋼により形成された略円環形状の部材であり、一方の面には圧電体21が接合され、もう一方の面には周方向に複数の溝を切って形成された櫛歯部22aが設けられている。この櫛歯部22aの先端面12cは、移動体25に加圧接触される接触面であり、この面に接する移動体25を進行波によって駆動する。
振動子23の移動体25との接触面には、第1実施形態に示した振動子13と同様に、型押し加工を施した樹脂硬化膜31が形成されている。
弾性体22は、その内周側の径方向に伸ばして形成された鍔状のフランジ部22bを有し、このフランジ部22bにより支持体26に支持されている。
圧電体21は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する機能を有する。本実施形態では、第1実施形態と同様に、圧電体21として、圧電素子を用いているが、電歪素子を用いてもよい。この圧電体21は、圧電体21に形成された所定の電極部と電気的に接続されたフレキシブルプリント基板24から供給される駆動信号により伸縮し、弾性体22に振動を生じさせる。
フレキシブルプリント基板24には、超音波モータ20を備えられるカメラの制御を行う制御装置208が接続されている。本実施例において、制御装置208には温度センサ209が接続されており、温度センサ209の検知結果に応じて、回転数が一定となるように、圧電体21に供給する駆動信号の周波数を調整している。また、予め測定したトルクと連続駆動時間の関係がプログラミングされており、所望のトルクに応じて連続駆動時間を制御することによりトルク制御する。
移動体25は、振動子23と加圧接触し、振動子23の接触面(櫛歯部22aの先端面12c)に生じた進行波による楕円運動によって回転駆動される。移動体25は、ステンレスにより形成された部材である。移動体25は、出力軸28に嵌合している。
本実施形態の移動体25は、ステンレス合金によって形成され、移動体25の振動子23との接触面に硬質アルマイト皮膜32が形成されている。
従って、移動体25と振動子23とが摩擦接触する面は、硬質アルマイト皮膜32と型押し加工を施した樹脂硬化膜31とが接する形態となっている。
出力軸28は、略円筒形状をしており、一方の端部はゴム部材30を介して移動体25と嵌合し、もう一方の端部は、ベアリング27を介して支持体26に回転自在に取り付けられている。この出力軸28は、移動体25と一体に回転して移動体25の回転運動を不図示のギア等の被駆動部材に伝達する。
加圧部29は、振動子23と移動体25とを加圧する機構である。加圧部29は、加圧力を発生するバネ29aと、ベアリング27に接して配置され、バネ29aの一端を押さえる押さえリング29bと、バネ29aの他端を押さえる押さえリング29cと、出力軸28に形成された溝に挿入され、押さえリング29cの位置を規制するEリング29dとを備えている。
本実施形態に示すような超音波モータ20においても、型押し加工して凹部31aが設けられた樹脂硬化膜31が振動子23の摩擦接触面に形成されている。これにより、磨耗量の低減、異音・擦れ音の低減、耐久性の向上、駆動性能の安定化、起動特性の向上等を図ることができる。なお、本実施形態においても、第1実施形態の変形形態と同様の変形形態が可能である。
さらに、本実施形態に示した超音波モータ20は、第1実施形態に示した超音波モータ10に比べて径が小さい小型の超音波モータ10として作製される場合が多いため、熱の発生が問題となる。
しかし、本実施形態によれば、樹脂硬化膜31は熱伝導性が良好で、硬質アルマイト皮膜32も熱伝導性に優れる。
[その他の変形形態]
技術範囲は上記実施形態及び変形形態に限定されるものではなく、上記実施形態及び変形形態の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
圧電体11については、単層の例を示したが、これに限らず積層を使用してもよい。
また、上記各実施形態では、樹脂硬化膜18としてポリアミドイミドとPTFEで製作する例を示したが、これに限らずエポキシ樹脂、PEEK樹脂、PBI樹脂などの熱硬化する塗料を用いた材料であってもよい。
型押し材も、金属に限らず、樹脂・セラミックス等であってもよい。
エンボスは摩擦接触部の一部だけに形成してもよい。
また、硬質アルマイト皮膜以外でも、樹脂硬化膜18を著しく攻撃しない材料であれば用いても構わない。
また、上記各実施形態では、振動子13,23の接触面(櫛歯部12a,22aの先端面12c)に型押しした樹脂硬化膜31を形成する例を示したが、これに限らず、移動体15,25の型押しした接触面に樹脂硬化膜18を形成してもよい。
振動子と移動体の両方に型押しした樹脂硬化膜18を施してもよい。
移動体側接触面が樹脂硬化膜18、振動子側の接触面が金属または表面処理膜と入れ替わってもよい。
さらに、弾性体12を使用せずに、圧電体11と移動体とが摩擦接触する形態の振動アクチュエータに適用してもよい。
また、上記各実施形態では、弾性体22を形成する材料として、ステンレス鋼を用いたが、その他の鉄系材料を用いてもよい。例えば、S15C、S55C、SCr445、SNCM630等の各種鉄鋼材料を用いてもよいし、リン青銅、銅合金、アルミニウム系合金を用いてもよい。
また、上記各実施形態では、移動体15,25は、アルミニウム合金によって形成される例を示したが、これに限らず、鉄系材料(含合金)・アルミニウム合金・銅合金・リン青銅等を用いてもよい。例えば、S15C、S55C、SCr445、SNCM630等の各種鉄鋼材料を用いてもよい。またアルミナやその他のセラミックスやプラスチックで形成してもよい。
また、上記各実施形態では、移動体15,25が回転駆動される超音波モータ10を示したが、これに限らず、移動体が直線方向に駆動されるリニア駆動型の振動アクチュエータとしてもよい。
なお、各実施形態では、移動体15,25が回転駆動される回転型(円環型)の超音波モータ10を例としてあげたが、これは、この型の超音波モータ10では凝着が問題になることが多く、上記実施形態及び変形形態を適用することにより大きな効果が得られるからである。
また、上記各実施形態では、超音波領域の振動を用いる超音波モータ10を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、超音波領域以外の振動を用いる振動アクチュエータに適用してもよい。
また、上記各実施形態では、超音波モータ20は、カメラのレンズ鏡筒のフォーカス動作を行う駆動源として用いられる例を示したが、これに限らず、例えば、レンズ鏡筒のズーム動作を行う駆動源に用いてもよい。また、超音波モータ20を、複写機等の駆動源や、自動車のハンドルチルト装置やヘッドレストの駆動部等に用いてもよい。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、上記実施形態及び変形形態は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
1:カメラ、2:カメラボディ、3:レンズ鏡筒、4:レンズ、4a:レンズ枠、5:カム筒、6:撮像素子、10,20:超音波モータ、11,21:圧電体、12,22:弾性体、12a,22a:櫛歯部、12b:ベース部、12c:先端面、12d:溝部、13,23:振動子、15,25:移動体、15c:接触面、18,31:樹脂硬化膜、18a,31a:凹部、18b:凸部、19,32:硬質アルマイト皮膜

Claims (9)

  1. 振動を発生する振動子と、
    前記振動子に接触し、前記振動によって前記振動子に対して相対移動する相対移動部材と、を備え、
    前記振動子の前記相対移動部材に対する接触面と、前記相対移動部材の前記振動子に対する接触面との少なくとも一方に、凹凸が形成されている、
    振動アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の振動アクチュエータにおいて、
    前記振動子は、溝部と前記相対移動部材に接触する櫛歯部とを備え、
    前記凹凸は、前記櫛歯部の前記相対移動部材に対する接触面と、前記相対移動部材の前記振動子に対する接触面との少なくとも一方に形成されている振動アクチュエータ。
  3. 請求項1または2に記載の振動アクチュエータにおいて、
    前記凹凸は、型押し加工により形成される、
    振動アクチュエータ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の振動アクチュエータにおいて、
    前記接触面には、液状の樹脂材料が塗布された後、硬化することにより形成された樹脂膜が設けられ、
    前記凹凸は、前記樹脂膜が硬化する際に前記樹脂膜に型押し加工されて形成されたものである、
    振動アクチュエータ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の振動アクチュエータにおいて、
    前記凹凸は、前記振動子の接触面側に形成され、振動拡大をさせる振動アクチュエータ。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載の振動アクチュエータにおいて、
    前記凹凸は、前記相対移動部材の接触面側に形成され、振動を伝達させる振動アクチュエータ。
  7. 請求項3から6のいずれか1項に記載の振動アクチュエータにおいて、
    前記型押し加工は、平面度調整機能を有することを特徴とする振動アクチュエータ。
  8. 請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の振動アクチュエータを備えるレンズ鏡筒。
  9. 請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の振動アクチュエータを備える電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024105930A1 (ja) * 2022-11-18 2024-05-23 株式会社村田製作所 ロータ及び超音波モータ

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