WO2024105930A1 - ロータ及び超音波モータ - Google Patents

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Abstract

超音波モータの生産性を高めることができる、ロータを提供する。 本発明に係るロータ4は、振動体と、振動体上に設けられている振動発生素子とを有するステータを備える超音波モータに用いられるロータである。ロータ4は、ロータ本体4Aと、ロータ本体4Aに設けられており、上記振動体に接触する、複数の摩擦材7とを備える。複数の摩擦材7は樹脂からなる。複数の摩擦材7が、平面視において、環状の軌道に分散して配置されている。

Description

ロータ及び超音波モータ
 本発明は、超音波モータに用いられるロータ、及び当該ロータを用いた超音波モータに関する。
 従来、圧電素子によりステータを振動させる超音波モータが種々提案されている。下記の特許文献1には、超音波モータの一例が開示されている。この超音波モータにおいては、ステータにおいて発生した進行性振動波により、ロータを回転させる。
 特許文献1に記載のステータは、リング状の弾性体及びリング状の圧電体を有する。弾性体の材料として、りん青銅、ステンレス及びインバーが挙げられている。弾性体は、円環状に並ぶ複数の突出部を有する。一方で、ロータは、リング状のロータ母材及びリング状のスライダ材を有する。ロータ母材に、スライダ材が接着されている。ステータの弾性体における複数の突出部に、ロータにおけるスライダ材が接触している。
特開平3-74182号公報
 特許文献1に記載の超音波モータにおいては、駆動中にステータなどが摩耗されることなどによって生じる異物を、複数の突出部の間から好適に排出し得る。しかしながら、弾性体に複数の突出部を形成するに際しては、弾性体を切削することを要する。そのため、生産性を十分に高めることは困難である。
 本発明の目的は、超音波モータの生産性を高めることができる、ロータ及びそれを用いた超音波モータを提供することにある。
 本発明に係るロータは、振動体と、前記振動体上に設けられている振動発生素子とを有するステータを備える超音波モータに用いられるロータであって、ロータ本体と、前記ロータ本体に設けられており、前記振動体に接触する、複数の摩擦材とを備え、前記複数の摩擦材が樹脂からなり、前記複数の摩擦材が、平面視において、環状の軌道に分散して配置されている。
 本発明に係る超音波モータは、本発明に従い構成されているロータと、前記振動体と、前記振動体上に設けられている前記振動発生素子とを有する前記ステータとを備え、前記振動体が、前記複数の摩擦材と接触している接触面を含み、前記接触面が平面状である。
 本発明によれば、超音波モータの生産性を高めることができる、ロータ及びそれを用いた超音波モータを提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超音波モータの模式的正面断面図である。 図2は、本発明の第1の実施形態におけるロータの模式的斜視図である。 図3は、図2の一部を拡大して示す模式的斜視図である。 図4は、図3中のI-I線に沿う模式的断面図である。 図5は、本発明の第1の実施形態においての、ロータの板バネ部における、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す、環状の軌道に沿う模式的断面図である。 図6は、本発明の第1の実施形態においての、ロータの板バネ部における第1の面上の、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す模式的平面図である。 図7は、本発明の第1の実施形態における貫通孔の形状を説明するための、ロータの板バネ部における第1の面上の、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す模式的平面図である。 図8は、本発明の第1の実施形態における圧電素子の正面断面図である。 図9は、本発明の第1の実施形態の変形例においての、ロータの板バネ部における第1の面上の、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す模式的平面図である。 図10は、本発明の第2の実施形態においての、ロータの板バネ部における第1の面上の、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す模式的平面図である。 図11は、本発明の第2の実施形態においての、ロータの板バネ部における、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す、環状の軌道に沿う模式的断面図である。 図12は、本発明の第2の実施形態の変形例においての、ロータの板バネ部における第1の面上の、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す模式的平面図である。 図13は、本発明の第3の実施形態においての、ロータの板バネ部における第1の面上の、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す模式的平面図である。 図14は、本発明の第3の実施形態の変形例においての、ロータの板バネ部における第1の面上の、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す模式的平面図である。
 以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
 なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
 図1は、本発明の第1の実施形態に係る超音波モータの模式的正面断面図である。
 超音波モータ1は、ステータ2と、ロータ4と、軸部材10とを有する。ステータ2とロータ4とは接触している。ロータ4は、本発明の一実施形態に係るロータである。ステータ2において生じた進行波により、ロータ4が回転する。ロータ4の回転に伴い、軸部材10が回転する。超音波モータ1における回転中心軸は、軸部材10が設けられている部分に位置している。以下において、超音波モータ1の具体的な構成を説明する。
 ステータ2は板状の振動体3を有する。振動体3は円板状の形状を有する。振動体3は第1の主面3a及び第2の主面3bを有する。第1の主面3a及び第2の主面3bは互いに対向している。ところで、本明細書において、軸方向Zとは、第1の主面3a及び第2の主面3bを結ぶ方向であって、回転中心軸に沿う方向をいう。本実施形態においては、軸方向Zは、軸部材10が延びる方向と平行である。
 振動体3の中央部には貫通孔3cが設けられている。貫通孔3cに軸部材10が挿通されている。なお、貫通孔3cの位置は振動体3の中央部に限定されない。貫通孔3cは、回転中心軸を含む領域に位置していればよい。さらに、振動体3の形状は円板状に限定されない。軸方向Zから見た振動体3の形状は、例えば、正六角形、正八角形または正十角形などの正多角形であってもよい。本明細書において、多角形は、頂点に相当する部分が曲線の形状である場合、及び面取りされた形状である場合も含むものとする。以下においては、軸方向Zから見ることを、平面視と記載することがある。
 振動体3は適宜の金属からなる。もっとも、振動体3は必ずしも金属からなっていなくともよい。振動体3は、例えば、セラミックス、シリコン材料または合成樹脂などの他の弾性体により構成されていてもよい。
 振動体3の第1の主面3aには、複数の圧電素子13が設けられている。圧電素子13は、本発明における振動発生素子である。平面視において、複数の圧電素子13は周回方向に分散配置されている。より具体的には、複数の圧電素子13は、軸方向Zに平行な軸を中心として周回する進行波を発生させるように、該進行波の周回方向に沿って分散配置されている。ステータ2において、複数の圧電素子13を周回方向に分散配置し、駆動することにより進行波を発生させる構造については、例えば国際公開第2010/061508号に開示されている。よって、進行波の発生の詳細な説明は省略することとする。
 図2は、第1の実施形態におけるロータの模式的斜視図である。図3は、図2の一部を拡大して示す模式的斜視図である。
 図2に示すように、ロータ4は、ロータ本体4Aと、複数の摩擦材7とを有する。ロータ本体4Aは円板状である。ロータ本体4Aの中央部には貫通孔4cが設けられている。貫通孔4cに、図1に示す軸部材10が挿通されている。もっとも、貫通孔4cの位置はロータ本体4Aの中央部に限定されない。貫通孔4cは、回転中心軸を含む領域に位置していればよい。さらに、ロータ本体4Aの形状は上記に限定されない。ロータ本体4Aの形状は、平面視において、例えば、正六角形、正八角形または正十角形などの正多角形であってもよい。
 ロータ本体4Aは、ロータベース部5と、板バネ部6とを有する。ロータ本体4Aの平面視における外形は、ロータベース部5の平面視における外形である。そして、ロータ本体4Aの貫通孔4cは、ロータベース部5に設けられている。一方で、板バネ部6の平面視における形状はリング状の形状である。板バネ部6は、貫通孔4cを囲むように設けられている。ロータベース部5の材料としては、適宜の金属または適宜のセラミックスなどを用いることができる。板バネ部6の材料としては、適宜の金属などを用いることができる。
 上記複数の摩擦材7は、ロータ本体4Aに設けられている。具体的には、複数の摩擦材7は、ロータ本体4Aにおける板バネ部6に設けられている。図2及び図3に示すように、複数の摩擦材7は、進行波の周回方向に沿って分散配置されている。よって、複数の摩擦材7は、平面視において、環状の軌道に分散して配置されている。図3においては、二点鎖線により、環状の軌道Aを示している。環状の軌道Aは、本実施形態では、円環状の軌道である。以下においては、環状の軌道と記載する場合、特に断りのない場合には、複数の摩擦材7が分散して配置されている環状の軌道をいうものとする。
 図4は、図3中のI-I線に沿う模式的断面図である。図5は、第1の実施形態においての、ロータの板バネ部における、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す、環状の軌道に沿う模式的断面図である。環状の軌道に沿う部分は曲面状の部分であるが、図5においては、該部分を模式的に平面として示している。
 図4に示すように、ロータベース部5は凹部5aを有する。図示しないが、凹部5aの平面視における形状は、リング状の形状である。凹部5aを覆うように、ロータベース部5上に板バネ部6が設けられている。板バネ部6は、第1の面6a及び第2の面6bを有する。第1の面6a及び第2の面6bは互いに対向している。第1の面6a及び第2の面6bのうち、第1の面6aが、図1に示すステータ2側に位置している。
 図5に示すように、板バネ部6には、第1の面6aから第2の面6bにかけて、複数の貫通孔6cが設けられている。各摩擦材7は、板バネ部6の第1の面6a、貫通孔6c内及び第2の面6bにわたり設けられている。具体的には、各摩擦材7は、第1の面6a、2つの貫通孔6c内及び第2の面6bにわたり設けられている。
 複数の摩擦材7は適宜の樹脂からなる。本実施形態の板バネ部6及び複数の摩擦材7は、一体として構成された、インサートモールド成形体である。すなわち、複数の貫通孔6cを有する板バネ部6を用いてインサートモールド成形を行うことによって、板バネ部6に複数の摩擦材7が設けられている。
 なお、各摩擦材7は、第1の面6a、3つ以上の貫通孔6c内及び第2の面6bにわたり設けられていてもよい。あるいは、各摩擦材7は、第1の面6a、1つのみの貫通孔6c内及び第2の面6bにわたり設けられていてもよい。
 図6は、第1の実施形態においての、ロータの板バネ部における第1の面上の、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す模式的平面図である。図6においては、貫通孔6cの部分を、ハッチングを付して示す。
 摩擦材7の平面視における形状は矩形である。なお、矩形の各頂点に相当する部分は曲線状である。一方で、板バネ部6の貫通孔6cの平面視における形状は楕円形である。もっとも、摩擦材7及び貫通孔6cの平面視における形状は上記に限定されない。
 図2に戻り、本実施形態の特徴は、ロータ4における複数の摩擦材7が、平面視において、環状の軌道に分散して配置されていることにある。これにより、図1に示す超音波モータ1の駆動に際し、ステータ2やロータ4が摩耗することによって生じる異物を、複数の摩擦材7の間から好適に除去することができる。そのため、従来、異物を除去し易くするために設けられていた、ステータ2の振動体3における凹凸構造を要しない。このことから、ステータ2を得るに際し、振動体3の凹凸構造を形成するための、振動体3の切削を要しない。よって、煩雑な工程を省略することができる。従って、超音波モータ1の生産性を高めることができる。
 さらに、図1に示すように、ロータ4の複数の摩擦材7が、ステータ2の振動体3と接触するため、振動体3とロータ4との間に加わる摩擦力を安定化させることができる。それによって、ロータ4を効率的に回転させることができる。
 以下において、本実施形態の好ましい構成を説明する。
 図4に示すように、ロータベース部5が凹部5aを有し、かつ凹部5aを覆うようにロータベース部5上に板バネ部6が設けられていることが好ましい。そして、板バネ部6に複数の摩擦材7が設けられていることが好ましい。この場合には、図1に示す、ステータ2の振動体3に複数の摩擦材7が接触している構成において、実際には、板バネ部6は弾性変形している。これにより、複数の摩擦材7をより確実に、均一に振動体3と接触させることができる。よって、ロータ4を効率的に回転させることができる。
 加えて、板バネ部6の弾性力により、複数の摩擦材7が振動体3に押し当てられているため、ステータ2及びロータ4の間の摩擦力を高めることができる。よって、ステータ2からロータ4に進行波を効果的に伝搬させることができ、ロータ4を効率的に回転させることができる。従って、超音波モータ1を効率的に回転駆動させることができる。
 図4に示すように、ロータベース部5には、凹部5aの内周縁と接続されるように、溝部5bが設けられている。同様に、ロータベース部5には、凹部5aの外周縁と接続されるように、溝部5cが設けられている。溝部5b及び溝部5cの平面視における形状はそれぞれ、リング状である。溝部5bから溝部5cにかけて、板バネ部6が設けられている。より具体的には、板バネ部6の内周縁は溝部5b内に位置している。板バネ部6の外周縁は溝部5c内に位置している。
 この場合には、板バネ部6の厚みを所望の厚みとした状態において、板バネ部6がロータベース部5から軸方向Zに突出している部分の厚みを薄くすることができる。あるいは、溝部5b及び溝部5cの深さに相当する寸法が、板バネ部6の厚みに相当する寸法以上である場合には、板バネ部6がロータベース部5から軸方向Zに突出していない構成とすることができる。それによって、板バネ部6がロータベース部5から剥離し難い。
 さらに、板バネ部6の厚みが所望の厚みであるため、板バネ部6のバネ定数を十分な大きさとし易い。これにより、摩擦材7を、図1に示すステータ2に好適に押し当てることができる。そのため、ステータ2及びロータ4の間の摩擦力を高めることができる。従って、超音波モータ1を効率的に回転駆動させることができる。なお、溝部5b及び溝部5cは必ずしも設けられていなくともよい。
 本実施形態においては、溝部5b及び溝部5cを有するロータベース部5と、板バネ部6とが、互いに嵌合している。この場合には、ロータ4の形成に際し、板バネ部6の位置決めを行い易い。よって、ロータ4を効率的に得ることができ、超音波モータ1の生産性を効果的に高めることができる。
 図5に示すように、板バネ部6の第1の面6a、貫通孔6c内及び第2の面6bにわたり、各摩擦材7が設けられていることが好ましい。それによって、摩擦材7をロータ本体4Aに効果的に固定することができる。例えば、摩擦材7が接着剤により接着されている場合とは異なり、摩擦材7の剥離を効果的に抑制することができる。従って、超音波モータ1の破損を効果的に抑制することができる。
 各摩擦材7が、板バネ部6の第1の面6a、複数の貫通孔6c内及び第2の面6bにわたり設けられていることが好ましい。この場合には、各摩擦材7が設けられている部分において、板バネ部6のバネ定数を一定とし易い。加えて、各摩擦材7の回転を抑制することができる。なお、本実施形態では、環状の軌道Aに沿って、複数の貫通孔6cが並んでいる。もっとも、環状の軌道Aの法線に沿って、複数の貫通孔6cが並んでいてもよい。
 板バネ部6及び複数の摩擦材7が、一体として構成された、インサートモールド成形体であることが好ましい。この場合、板バネ部6の第1の面6a、貫通孔6c内及び第2の面6bにわたり、各摩擦材7が設けられている構成を、インサートモールド成形を行うことによって、容易に得ることができる。よって、生産性をより一層高めることができる。
 加えて、インサートモールド成形を行う場合には、複数の摩擦材7の形状の精度を高めることができる。よって、複数の摩擦材7の間における、高さのばらつきを抑制することができる。さらに、複数の摩擦材7を設ける位置の精度を高めることができる。よって、超音波モータ1の不良率を低くすることができる。従って、生産性をより一層効果的に高めることができる。
 図3に示すように、複数の摩擦材7は、環状の軌道Aに分散して配置されている。図6に示すように、各摩擦材7の重心Gが環状の軌道Aに位置するように、各摩擦材7が配置されていることが好ましい。それによって、超音波モータ1をより確実に安定して回転駆動させることができる。なお、摩擦材7のいずれかの部分が環状の軌道Aに位置していればよく、摩擦材7の重心Gは環状の軌道Aに必ずしも位置していなくともよい。
 図6に示すように、本実施形態においては、板バネ部6の貫通孔6cの平面視における形状は楕円形である。このように、貫通孔6cの平面視における形状は、長さ方向を有する形状であることが好ましい。それによって、摩擦材7が回転し難い。もっとも、本実施形態のように、各摩擦材7が、板バネ部6の第1の面6a、複数の貫通孔6c内及び第2の面6bにわたり設けられている場合には、貫通孔6cの平面視における形状に関わらず、摩擦材7は回転し難い。
 図7に示すように、板バネ部6の貫通孔6cの平面視における形状は、環状の軌道Aと平行な線以外により構成されていることが好ましい。より具体的には、平面視において、以下の関係が成立することが好ましい。まず、図7に示す仮想線Bは、環状の軌道Aの中心から貫通孔6cを通る直線状の仮想線の一例である。仮想線Bと交叉する、貫通孔6cの外周縁の部分が、環状の軌道Aにおける該仮想線Bと交叉する部分の接線Cと平行な直線以外の線の一部であることが好ましい。なお、環状の軌道Aの中心からは無数の仮想線Bを引くことができるが、貫通孔6cの外周縁のいずれの部分においても、上記の関係が成立していることが好ましい。本実施形態においては、貫通孔6cの平面視における形状は楕円であるため、貫通孔6cの外周縁のいずれの部分においても、上記の関係が成立している。
 この場合には、超音波モータ1を回転駆動させた際に、摩擦材7の貫通孔6c内に設けられている部分から板バネ部6に加わる応力の、局所的な集中が生じ難い。すなわち、摩擦材7の貫通孔6c内に設けられている部分から板バネ部6に加わる応力を緩和することができる。よって、板バネ部6に歪みが生じ難い。従って、超音波モータ1をより確実に安定して回転駆動させることができる。
 本実施形態においては、板バネ部6における1つの摩擦材7が設けられている部分に形成された2つの貫通孔6cの平面視における面積が、以下の好ましい範囲とされている。
 貫通孔6cの平面視における面積が0.3mm以上であることが好ましい。なお、本実施形態のように、複数の貫通孔6cが設けられている場合には、それぞれの貫通孔6cの面積が0.3mm以上であることが好ましい。この場合には、摩擦材7を形成するに際し、摩擦材7用の樹脂が、板バネ部6の貫通孔6cを通り易い。よって、摩擦材7を容易に形成することができ、摩擦材7の形状の精度をより確実に高くすることができる。
 板バネ部6に設けられた貫通孔6cの平面視における総面積が、摩擦材7の平面視における面積の70%以下であることが好ましい。言い換えれば、全ての貫通孔6cの平面視における面積の合計が、摩擦材7の平面視における面積の70%以下であることが好ましい。この場合には、摩擦材7が形成されている部分において、板バネ部6のバネ定数を十分の大きさとし易い。加えて、摩擦材7及び板バネ部6の接合面積を大きくすることができる。従って、摩擦材7及び板バネ部6の間の接合力を高くすることができる。
 ここで、図5に示すように、板バネ部6における1つの摩擦材7が設けられている部分の、環状の軌道、または該軌道と相似な軌道に沿う最大の寸法をL1とする。なお、ここでいう、板バネ部6における1つの摩擦材7が設けられている部分の、環状の軌道、または該軌道と相似な軌道における両端は、板バネ部6における、摩擦材7により挟まれている部分である。一方で、1つの摩擦材7が設けられている部分における1つの貫通孔6cの、環状の軌道、または該軌道と相似な軌道に沿う最大の寸法をL2とする。各貫通孔6cにおいて、(L2/L1)×100≦84[%]であることが好ましく、(L2/L1)×100≦70[%]であることがより好ましい。この場合においても、摩擦材7が形成されている部分において、板バネ部6のバネ定数を十分の大きさとし易い。加えて、摩擦材7及び板バネ部6の接合面積を大きくすることができる。従って、摩擦材7及び板バネ部6の間の接合力を高くすることができる。
 なお、本明細書においては、環状の軌道を外形とする形状の重心と、該軌道と相似な軌道を外形とする形状の重心とは、共通であるものとする。本実施形態では、環状の軌道を外形とする形状と、該軌道と相似な軌道を外形とする形状とは、同心円である。
 本実施形態では、寸法L1は、板バネ部6における1つの摩擦材7が設けられている部分の、環状の軌道に沿う寸法である。もっとも、該部分の環状の軌道に沿う寸法よりも、該部分の環状の軌道と相似な軌道に沿う寸法の方が大きい場合には、寸法L1は、環状の軌道と相似な軌道に沿う寸法である。
 図5においては、寸法L1及び寸法L2を1つの面上において模式的に示しているが、本実施形態では、厳密には、寸法L2は、1つの摩擦材7が設けられている部分における1つの貫通孔6cの、環状の軌道と相似な軌道に沿う寸法である。具体的には、寸法L2は、図6に示す環状の軌道Aよりもわずかに半径が大きい円環の軌道に沿う寸法である。
 寸法L1及び寸法L2は、曲線の長さに相当する。よって、寸法L1及び寸法L2を、環状の軌道、または該軌道と相似な軌道の一部の曲線の長さとして算出すればよい。例えば、本実施形態のように、環状の軌道が円環状の軌道である場合には、寸法L1及び寸法L2を、円弧の長さとして弧度法を用いて算出してもよい。
 以下において、本実施形態の構成のさらなる詳細を説明する。
 図1に示すように、超音波モータ1は、第1のケース部材8及び第2のケース部材9を有する。第2のケース部材9はキャップ状であり、第1のケース部材8は蓋状である。第1のケース部材8及び第2のケース部材9により、ケースが構成されている。ケースの内部に、バネ部材16、ロータ4及びステータ2が配置されている。
 第1のケース部材8は、第1の円筒突出部8a及び第2の円筒突出部8bを有する。第1の円筒突出部8aは、ケースの外側に突出している。第2の円筒突出部8bは、ケースの内側に突出している。第2の円筒突出部8bの一部は、ステータ2の振動体3の貫通孔3c内に位置している。
 第1の円筒突出部8a及び第2の円筒突出部8bには、連続して貫通孔8cが設けられている。貫通孔8c内における、第1の円筒突出部8aに位置する部分に、第1の軸受け部18が設けられている。軸部材10は、貫通孔8c及び第1の軸受け部18に挿通されている。軸部材10は、第1のケース部材8の貫通孔8cから、ケースの外側に突出している。なお、第1のケース部材8の構成は上記に限定されない。
 第2のケース部材9は円筒突出部9aを有する。円筒突出部9aはケースの外側に突出している。円筒突出部9aには貫通孔9cが設けられている。貫通孔9c内に第2の軸受け部19が設けられている。軸部材10は、貫通孔9c及び第2の軸受け部19に挿通されている。軸部材10は、第2のケース部材9の貫通孔9cから、ケースの外側に突出している。なお、第2のケース部材9の構成は上記に限定されない。第1の軸受け部18及び第2の軸受け部19には、例えば、滑り軸受けまたはベアリングなどを用いてもよい。
 図1に示すように、ステータ2における振動体3の第2の主面3bに、ロータ4の複数の摩擦材7が接触している。第2の主面3bは接触面3dを含む。接触面3dは、第2の主面3bにおける、ロータ4に接触している部分である。接触面3dは平面状である。より具体的には、接触面3dには、凹凸構造は設けられていない。接触面3dは、第2の主面3bにおける接触面3d以外の部分と同様に構成されている。そのため、本実施形態のステータ2を得るに際しては、振動体3における第2の主面3bの切削を要しない。よって、上記のように、超音波モータ1の生産性を高めることができる。
 ロータ4のロータベース部5上には弾性部材12が設けられている。より具体的には、弾性部材12は、軸方向Zにおいて、ステータ2と共にロータ4を挟んでいる。弾性部材12は円環状の形状を有する。なお、弾性部材12の形状は上記に限定されない。弾性部材12の材料としては、例えば、ゴムまたは樹脂などを用いることができる。もっとも、弾性部材12は設けられていなくともよい。
 弾性部材12の第2の軸受け部19側には、バネ部材16が配置されている。より具体的には、本実施形態のバネ部材16は金属からなる板バネである。バネ部材16の中央部には、貫通孔16cが設けられている。貫通孔16cに軸部材10が挿通されている。軸部材10は幅広部10aを有する。軸部材10の幅広部10aにおける幅は、軸部材10における他の部分の幅よりも広い。なお、軸部材10の幅は、軸部材10の軸方向Zと直交する方向に沿う寸法である。幅広部10aに、バネ部材16の内周端縁部が当接している。これにより、バネ部材16及び軸部材10の間の位置ずれを抑制することができる。もっとも、バネ部材16の材料及び構成は上記に限定されない。軸部材10の構成も上記に限定されるものではない。
 バネ部材16から弾性部材12を介して、ロータ4に弾性力が付与されている。これにより、ロータ4がステータ2に押し当てられている。この場合には、ステータ2及びロータ4の間の摩擦力を高めることができる。よって、ステータ2からロータ4に進行波を効果的に伝搬させることができ、ロータ4を効率的に回転させることができる。従って、超音波モータ1を効率的に回転駆動させることができる。
 図1に示すように、軸部材10には止め輪17が設けられている。止め輪17は円環状の形状を有する。平面視において、止め輪17は軸部材10を囲んでいる。より詳細には、止め輪17の内周端縁部は軸部材10内に位置する。止め輪17は第1の軸受け部18に、軸方向Zにおける外側から当接している。これにより、止め輪17と、軸部材10の幅広部10aとの間の長さが規定され、バネ部材16のたわみ量が決定される。それによって、上記のように、バネ部材16による弾性力をロータ4に付与させることができる。軸部材10及び止め輪17の材料としては、例えば、金属または樹脂などを用いることができる。
 上述したように、ステータ2は、複数の圧電素子13を有する。以下において、圧電素子13の具体的な構成を示す。
 図8は、第1の実施形態における圧電素子の正面断面図である。
 圧電素子13は圧電体14を有する。圧電体14は第3の主面14a及び第4の主面14bを有する。第3の主面14a及び第4の主面14bは互いに対向している。圧電素子13は、第1の電極15A及び第2の電極15Bを有する。圧電体14の第3の主面14aに第1の電極15Aが設けられており、第4の主面14bに第2の電極15Bが設けられている。圧電素子13の平面視における形状は矩形である。なお、圧電素子13の平面視における形状は上記に限定されず、例えば楕円形などであってもよい。
 あるいは、ステータ2は、複数の領域に分割された、1個の圧電素子を有していてもよい。この場合、例えば、圧電素子の各領域が互いに異なる方向に分極されていてもよい。該圧電素子の平面視における形状は、例えば、円環状である。
 ここで、図8に示す第1の電極15Aは、振動体3の第1の主面3aに接着剤により貼り付けられている。この接着剤の厚みは非常に薄い。従って、第1の電極15Aは振動体3に電気的に接続される。
 ところで、図6に示すように、第1の実施形態においては、摩擦材7の平面視における形状は矩形である。もっとも、例えば、摩擦材7の平面視における形状は、環状の軌道Aに応じた形状であってもよい。図9に示す第1の実施形態の変形例においては、各摩擦材7Aの平面視における形状は、略扇形である。具体的には、摩擦材7Aの平面視における形状は、環状の軌道Aと中心が一致しており、かつ環状の軌道Aよりも半径が小さい同心円の弧と、半径が大きい同心円の弧とが接続された形状である。なお、該形状における4つの頂点に相当する部分は曲線状である。半径が小さい同心円の弧に相当する部分は、半径が大きい同心円の弧に相当する部分よりも、ロータの中央側に位置している。半径が小さい同心円の弧に相当する部分の長さは、半径が大きい同心円の弧に相当する部分の長さよりも短い。
 本変形例においても、第1の実施形態と同様に、ロータにおける複数の摩擦材7が、平面視において、環状の軌道に分散して配置されている。よって、超音波モータの生産性を高めることができる。そして、第1の実施形態と同様に、本変形例の板バネ部6及び複数の摩擦材7Aは、一体として構成された、インサートモールド成形体である。よって、摩擦材7Aの剥離が生じ難く、摩擦材7Aの形状の精度及び位置の精度をより確実に高くすることができる。
 なお、本変形例においては、摩擦材7Aの寸法L1は、板バネ部6における1つの摩擦材7Aが設けられている部分の、環状の軌道Aと相似な軌道A1に沿う寸法である。
 以下において、ロータの板バネ部における貫通孔の形状が第1の実施形態と異なる、第2の実施形態及び第3の実施形態、並びに各変形例を示す。なお、第2の実施形態及び第3の実施形態、並びに各変形例においては、1つの摩擦材が設けられている部分に形成されている貫通孔が1つのみである点においても、第1の実施形態と異なる。上記の点以外においては、第2の実施形態及び第3の実施形態、並びに各変形例の超音波モータは第1の実施形態の超音波モータ1と同様に構成されている。第2の実施形態及び第3の実施形態、並びに各変形例においても、第1の実施形態と同様に、摩擦材の剥離が生じ難く、摩擦材の形状の精度及び位置の精度をより確実に高くすることができ、かつ超音波モータの生産性を高めることができる。
 図10は、第2の実施形態においての、ロータの板バネ部における第1の面上の、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す模式的平面図である。図11は、第2の実施形態においての、ロータの板バネ部における、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す、環状の軌道に沿う模式的断面図である。
 図10に示すように、本実施形態では、板バネ部26の貫通孔26cの平面視における形状は、長円形である。図11に示すように、1つの摩擦材7が設けられている部分において、1つのみの貫通孔26cが設けられている場合、貫通孔26cの寸法L2を大きくし易い。それによって、摩擦材7を形成するに際し、摩擦材7用の樹脂が、板バネ部26の貫通孔26cを通り易い。よって、摩擦材7を容易に形成することができ、摩擦材7の形状の精度をより確実に高くすることができる。
 上記のように、貫通孔26cの平面視における形状は長円形である。よって、該形状は長さ方向を有する形状である。これにより、1つの摩擦材7が設けられている部分において、1つのみの貫通孔26cが設けられている場合においても、摩擦材7が回転し難い。
 なお、貫通孔26cの平面視における形状は、例えば楕円や多角形などであってもよい。図12に示す第2の実施形態の変形例においては、貫通孔26xの平面視における形状は正方形である。より具体的には、正方形の頂点に相当する部分が曲線の形状である。貫通孔26xの平面視における形状は、長さ方向を有しない形状である。もっとも、貫通孔26xの形状は、回転体の形状ではない。この場合においても、第2の実施形態と同様に、板バネ部に1つのみの貫通孔26xが設けられている場合であっても、摩擦材7が回転し難い。
 本変形例のように、板バネ部に設けられた貫通孔26xの平面視における形状が、正多角形、あるいは長さ方向を有する多角形である場合、貫通孔の平面視における形状は、多角形における頂点に相当する部分が曲線状とされた形状であることが好ましい。それによって、摩擦材7を貫通孔26x内の全ての部分に、より確実に充填することができる。これにより、板バネ部及び摩擦材7の間の接合力をより確実に高めることができる。
 あるいは、貫通孔の平面視における形状は、複数の頂点に相当する部分が曲線により接続されており、かつ複数の頂点に相当する部分が曲線状である形状であってもよい。この場合には、上記第1の実施形態と同様に、平面視において、環状の軌道の中心から貫通孔を通る直線を引いたときに、貫通孔の外周縁における該仮想線と交叉する部分が、環状の軌道における該仮想線と交叉する部分の接線と平行な直線以外の線の一部である。これにより、超音波モータを回転駆動させた際に、摩擦材の貫通孔内に設けられている部分から板バネ部に加わる応力の、局所的な集中が生じ難い。
 なお、板バネ部には、ここで挙げた例における形状の貫通孔が、複数設けられていてもよい。同様に、板バネ部には、第2の実施形態またはその変形例における形状の貫通孔が、複数設けられていてもよい。そして、摩擦材が、板バネ部の第1の面、複数の貫通孔内及び第2の面にわたり設けられていてもよい。
 図13は、第3の実施形態においての、ロータの板バネ部における第1の面上の、1つの摩擦材が設けられている部分付近を示す模式的平面図である。
 本実施形態では、板バネ部36の貫通孔36cの平面視における形状は、瓢箪状の形状である。具体的には、貫通孔36cは、第1の部分37及び第2の部分38と、連結部39とを有する。第1の部分37及び第2の部分38の平面視における形状は円形である。連結部39の平面視における形状は矩形である。第1の部分37及び第2の部分38は、連結部39により接続されている。すなわち、本実施形態では、連結部39が、第1の部分37及び第2の部分38が接続されている部分である。連結部39の環状の軌道Aの法線の方向に沿う最大の寸法は、第1の部分37及び第2の部分38のそれぞれの、環状の軌道Aの法線の方向に沿う最大の寸法よりも小さい。
 これにより、摩擦材7及び板バネ部36の接合面積を大きくすることができる。よって、摩擦材7及び板バネ部36の間の接合力を高くすることができる。さらに、板バネ部6のバネ定数を十分な大きさとし易い。それによって、摩擦材7を、ステータに好適に押し当てることができる。そのため、ステータ及びロータの間の摩擦力を高めることができる。従って、超音波モータを効率的に回転駆動させることができる。
 一方で、第1の部分37及び第2の部分38のそれぞれの、環状の軌道Aの法線の方向に沿う最大の寸法は、連結部39の環状の軌道Aの法線の方向に沿う最大の寸法よりも大きい。さらに、1つの摩擦材7が設けられている部分において、1つのみの貫通孔36cが設けられている。そのため、貫通孔36cの寸法L2を大きくし易い。よって、摩擦材7を形成するに際し、摩擦材7用の樹脂が、板バネ部36の貫通孔36cを通り易い。従って、摩擦材7を容易に形成することができ、摩擦材7の形状の精度をより確実に高くすることができる。
 なお、第1の部分37の平面視における形状は円形に限定されない。例えば、該形状は楕円、三角形や多角形などであってもよい。第2の部分38においても同様である。連結部39の平面視における形状は矩形に限定されない。例えば、砂時計状のような、中央部における、環状の軌道Aの法線の方向に沿う寸法が狭くなっている形状であってもよい。
 第3の実施形態における貫通孔36cにおいては、第1の部分37及び第2の部分38は、連結部39により間接的に接続されている。もっとも、これに限定されるものではない。例えば、図14に示す第3の実施形態の変形例においては、板バネに設けられた貫通孔36xは連結部を有しない。貫通孔36xにおいては、第1の部分37A及び第2の部分38Aが直接的に接続されている。本変形例では、第1の部分37及び第2の部分38の間の境界が、第1の部分37A及び第2の部分38Aが接続されている部分である。貫通孔36xの平面視における形状は、連結部を有しない瓢箪状の形状である。
 第1の部分37A及び第2の部分38Aが接続されている部分の、環状の軌道Aの法線の方向に沿う寸法は、第1の部分37A及び第2の部分38Aの間の境界が含まれる部分の、環状の軌道Aの法線の方向に沿う寸法であるとする。本変形例においては、第1の部分37A及び第2の部分38Aが接続されている部分の、環状の軌道Aの法線の方向に沿う最大の寸法は、第1の部分37A及び第2の部分38Aのそれぞれの、環状の軌道Aの法線の方向に沿う最大の寸法よりも小さい。
 本変形例においても、第3の実施形態と同様に、摩擦材7及び板バネ部の間の接合力を高くすることができる。さらに、板バネ部のバネ定数を十分な大きさとし易い。加えて、摩擦材7を形成するに際し、摩擦材7用の樹脂が、板バネ部36の貫通孔36cを通り易い。従って、摩擦材7を容易に形成することができ、摩擦材7の形状の精度をより確実に高くすることができる。
 なお、板バネ部には、第3の実施形態またはその変形例における形状の貫通孔が、複数設けられていてもよい。そして、摩擦材が、板バネ部の第1の面、複数の貫通孔内及び第2の面にわたり設けられていてもよい。
 以下において、本発明に係るロータ及び超音波モータの形態の例をまとめて記載する。
 <1>振動体と、前記振動体上に設けられている振動発生素子と、を有するステータを備える超音波モータに用いられるロータであって、ロータ本体と、前記ロータ本体に設けられており、前記振動体に接触する、複数の摩擦材と、を備え、前記複数の摩擦材が樹脂からなり、前記複数の摩擦材が、平面視において、環状の軌道に分散して配置されている、ロータ。
 <2>前記ロータ本体が、凹部を有するロータベース部と、前記凹部を覆うように前記ロータベース部上に設けられている板バネ部と、を有し、前記板バネ部が、互いに対向する第1の面及び第2の面を含み、前記第1の面から前記第2の面にかけて複数の貫通孔が設けられており、前記板バネ部の前記第1の面、前記貫通孔内及び前記第2の面にわたり、各前記摩擦材が設けられている、<1>に記載のロータ。
 <3>各前記摩擦材が、前記板バネ部の前記第1の面、1つのみの前記貫通孔内及び前記第2の面にわたり設けられている、<2>に記載のロータ。
 <4>各前記摩擦材が、前記板バネ部の前記第1の面、複数の前記貫通孔内及び前記第2の面にわたり設けられている、<2>に記載のロータ。
 <5>平面視において、前記環状の軌道の中心から前記貫通孔を通る直線状の仮想線と交叉する、前記貫通孔の外周縁の部分が、前記環状の軌道における該仮想線と交叉する部分の接線と平行な直線以外の線の一部である、<2>~<4>のいずれか1つに記載のロータ。
 <6>前記貫通孔の平面視における形状が、長さ方向を有する形状である、<2>~<4>のいずれか1つに記載のロータ。
 <7>前記貫通孔の平面視における形状が、楕円形または長円形である、<2>~<4>のいずれか1つに記載のロータ。
 <8>前記貫通孔の平面視における形状が、多角形における頂点に相当する部分の形状が曲線状とされた形状である、<2>~<4>のいずれか1つに記載のロータ。
 <9>前記貫通孔が、第1の部分及び第2の部分を有し、前記第1の部分及び前記第2の部分が接続されており、前記第1の部分及び前記第2の部分が接続されている部分の、前記環状の軌道の法線の方向に沿う最大の寸法が、前記第1の部分及び前記第2の部分のそれぞれの、前記環状の軌道の法線の方向に沿う最大の寸法よりも小さい、<2>~<4>のいずれか1つに記載のロータ。
 <10>前記板バネ部における1つの前記摩擦材が設けられている部分における1つの前記貫通孔の平面視における面積が、0.3mm以上である、<2>~<9>のいずれか1つに記載のロータ。
 <11>前記板バネ部における1つの前記摩擦材が設けられている部分における前記貫通孔の平面視における総面積が、前記摩擦材の平面視における面積の70%以下である、<2>~<10>のいずれか1つに記載のロータ。
 <12>前記板バネ部及び複数の前記摩擦材が、一体として構成された、インサートモールド成形体である、<2>~<11>のいずれか1つに記載のロータ。
 <13><1>~<12>のいずれか1つに記載のロータと、前記振動体と、前記振動体上に設けられている前記振動発生素子と、を有する前記ステータと、を備え、前記振動体が、前記複数の摩擦材と接触している接触面を含み、前記接触面が平面状である、超音波モータ。
1…超音波モータ
2…ステータ
3…振動体
3a,3b…第1,第2の主面
3c…貫通孔
3d…接触面
4…ロータ
4A…ロータ本体
4c…貫通孔
5…ロータベース部
5a…凹部
5b,5c…溝部
6…板バネ部
6a,6b…第1,第2の面
6c…貫通孔
7,7A…摩擦材
8…第1のケース部材
8a,8b…第1,第2の円筒突出部
8c…貫通孔
9…第2のケース部材
9a…円筒突出部
9c…貫通孔
10…軸部材
10a…幅広部
12…弾性部材
13…圧電素子
14…圧電体
14a,14b…第3,第4の主面
15A,15B…第1,第2の電極
16…バネ部材
16c…貫通孔
17…止め輪
18,19…第1,第2の軸受け部
26,36…板バネ部
26c,26x,36c,36x…貫通孔
37,38…第1,第2の部分
37A,38A…第1,第2の部分
39…連結部
A…環状の軌道
A1…軌道
B…仮想線
C…接線

Claims (13)

  1.  振動体と、前記振動体上に設けられている振動発生素子と、を有するステータを備える超音波モータに用いられるロータであって、
     ロータ本体と、
     前記ロータ本体に設けられており、前記振動体に接触する、複数の摩擦材と、
    を備え、
     前記複数の摩擦材が樹脂からなり、
     前記複数の摩擦材が、平面視において、環状の軌道に分散して配置されている、ロータ。
  2.  前記ロータ本体が、凹部を有するロータベース部と、前記凹部を覆うように前記ロータベース部上に設けられている板バネ部と、を有し、
     前記板バネ部が、互いに対向する第1の面及び第2の面を含み、前記第1の面から前記第2の面にかけて複数の貫通孔が設けられており、
     前記板バネ部の前記第1の面、前記貫通孔内及び前記第2の面にわたり、各前記摩擦材が設けられている、請求項1に記載のロータ。
  3.  各前記摩擦材が、前記板バネ部の前記第1の面、1つのみの前記貫通孔内及び前記第2の面にわたり設けられている、請求項2に記載のロータ。
  4.  各前記摩擦材が、前記板バネ部の前記第1の面、複数の前記貫通孔内及び前記第2の面にわたり設けられている、請求項2に記載のロータ。
  5.  平面視において、前記環状の軌道の中心から前記貫通孔を通る直線状の仮想線と交叉する、前記貫通孔の外周縁の部分が、前記環状の軌道における該仮想線と交叉する部分の接線と平行な直線以外の線の一部である、請求項2~4のいずれか1項に記載のロータ。
  6.  前記貫通孔の平面視における形状が、長さ方向を有する形状である、請求項2~4のいずれか1項に記載のロータ。
  7.  前記貫通孔の平面視における形状が、楕円形または長円形である、請求項2~4のいずれか1項に記載のロータ。
  8.  前記貫通孔の平面視における形状が、多角形における頂点に相当する部分の形状が曲線状とされた形状である、請求項2~4のいずれか1項に記載のロータ。
  9.  前記貫通孔が、第1の部分及び第2の部分を有し、前記第1の部分及び前記第2の部分が接続されており、
     前記第1の部分及び前記第2の部分が接続されている部分の、前記環状の軌道の法線の方向に沿う最大の寸法が、前記第1の部分及び前記第2の部分のそれぞれの、前記環状の軌道の法線の方向に沿う最大の寸法よりも小さい、請求項2~4のいずれか1項に記載のロータ。
  10.  前記板バネ部における1つの前記摩擦材が設けられている部分における1つの前記貫通孔の平面視における面積が、0.3mm以上である、請求項2~9のいずれか1項に記載のロータ。
  11.  前記板バネ部における1つの前記摩擦材が設けられている部分における前記貫通孔の平面視における総面積が、前記摩擦材の平面視における面積の70%以下である、請求項2~10のいずれか1項に記載のロータ。
  12.  前記板バネ部及び複数の前記摩擦材が、一体として構成された、インサートモールド成形体である、請求項2~11のいずれか1項に記載のロータ。
  13.  請求項1~12のいずれか1項に記載のロータと、
     前記振動体と、前記振動体上に設けられている前記振動発生素子と、を有する前記ステータと、
    を備え、
     前記振動体が、前記複数の摩擦材と接触している接触面を含み、
     前記接触面が平面状である、超音波モータ。
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