JP6229461B2 - 振動アクチュエータ、振動アクチュエータの制御装置、レンズ鏡筒及び電子機器 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明は、振動を発生する振動子と、前記振動子に加圧接触され、前記振動によって前記振動子に対して相対移動する相対移動部材と、前記相対移動部材の被駆動部への出力が、前記相対移動部材の連続駆動時間に基づいて制御されていること、を特徴とする振動アクチュエータである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の振動アクチュエータであって、前記被駆動部への出力の大きさに対応して、前記連続駆動時間におけるどの期間において前記被駆動部へ出力するかが制御されていること、を特徴とする振動アクチュエータである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の振動アクチュエータであって、前記連続駆動時間に対する出力トルクの関係に基づいて、前記連続駆動時間におけるどの期間において前記被駆動部へ出力するかが制御されていること、を特徴とする振動アクチュエータである。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の振動アクチュエータであって、前記振動子の前記相対移動部材に対する第一接触面、及び、前記相対移動部材の前記振動子に対する第二接触面、の一方は、DLC膜で形成されていること、を特徴とする振動アクチュエータである。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の振動アクチュエータであって、前記振動子の前記相対移動部材に対する第一接触面、及び、前記相対移動部材の前記振動子に対する第二接触面の一方は、アルミナ及び陽極酸化皮膜のいずれか一方で形成されていること、を特徴とする振動アクチュエータである。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の振動アクチュエータであって、高出力が必要な際は、低出力が必要な際よりも前記振動子の前記相対移動部材に対する接触時間を短くすること、を特徴とする振動アクチュエータである。
請求項7に記載の発明は、振動を発生する振動子と、前記振動子に加圧接触され、前記振動によって前記振動子に対して相対移動する相対移動部材と、を備える振動アクチュエータにおける、前記相対移動部材の被駆動部への出力を、前記相対移動部材の連続駆動時間に基づいて制御すること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の振動アクチュエータの制御装置であって、前記被駆動部への出力の大きさに対応して前記連続駆動時間におけるどの期間において前記被駆動部へ出力するかを制御すること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の振動アクチュエータの制御装置であって、前記連続駆動時間に対する出力トルクの関係を記憶する記憶部を備え、前記記憶部に記憶されている前記関係に基づいて、前記連続駆動時間におけるどの期間において前記被駆動部へ出力するかを制御すること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置である。
請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の振動アクチュエータを備えるレンズ鏡筒である。
請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の振動アクチュエータを備える電子機器である。
なお、上記構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係るカメラ1の構成を示す図である。
本実施形態では、振動アクチュエータとして、超音波の振動域を利用する超音波モータを一例に挙げて説明する。また、本実施形態では、電子機器として、カメラを一例に挙げて説明する。
レンズ鏡筒3は、カメラボディ2に着脱可能な交換レンズである。なお、本実施形態のカメラ1は、レンズ鏡筒3が交換レンズである例を示すが、これに限らず、例えば、カメラボディと一体型のレンズ鏡筒であってもよい。
本実施形態で超音波モータ10は、略円環形状であり、その円環中心軸方向が光軸方向(図1中の矢印A方向)と略一致するようにレンズ鏡筒3内に配置されている。
この超音波モータ10は、カメラ1のフォーカス動作時にレンズ4を駆動する駆動源として用いられている。
連結部10aは、出力部10cと回転力伝達部10bとの連結のオンオフが可能である。連結のオンオフは、後述の制御装置108の指示に基づいて行われる。制御装置108はカメラCPU7からの指示に応じて連結部10aに指示を送る。
レンズ4のレンズ枠4aは、カム筒5とカム係合しており、超音波モータ10の駆動力によってカム筒5が光軸回りに回転すると、レンズ4は、光軸方向へ移動して焦点調節が行なわれる。
本実施形態の超音波モータ10は、圧電体11及び弾性体12を備える振動子13と、移動体15と、フレキシブルプリント基板14と、振動吸収材16と、支持体17等とを備えている。
圧電体11は、不図示の電極部が形成されている。圧電体11は、この電極部と電気的に接続されたフレキシブルプリント基板14から供給される駆動信号により伸縮し、弾性体12を励振する。
また制御装置108は、前述のように図1に示す連結部10aにも連結されており、制御装置108は、カメラCPU7からの指示に応じて連結部10aに指示を送り、連結部10aは、制御装置108の指示に応じて出力部10cと回転力伝達部10bとの連結のオンオフを行う。
(1)DLC膜18は、硬さが大きいため、移動体15(硬質アルマイト皮膜19)との接触面の耐摩耗性・耐塑性変形性を向上できる。
(2)DLC膜18の剥離強度や振動子13(弾性体12)に対する密着性が向上し、DLC膜18の耐久性が向上する。
(3)DLC膜18は耐熱温度が約400℃のため、超音波モータ10の駆動時に発生する一時的な摩擦熱によって、DLC膜18が変質することを防止できる。
(4)DLC膜18により耐化学反応性が向上し、空気中の水分によってDLC膜18が化学的に変質することを防止できる。また、硬質アルマイト皮膜19との接合(固着)も防ぐことができる。
(5)DLC膜18はメッキ処理のような薬剤の使用が無いため環境に優しい。
硬質アルマイト皮膜19は、陽極酸化処理後に耐摩耗性を保ちつつ耐食性を確保するために半封孔処理をそる。その後、硬質アルマイト皮膜19の表面をGC研磨紙を用いて研磨して平坦にする。
また、硬質アルマイト皮膜19は、表面を約2μm研磨して使用している。硬質アルマイトは、製造コストが安く、DLC膜18との摩擦摩耗特性が良好である。
図示するように、DLC膜18と硬質アルマイト皮膜19で摩擦接触する超音波モータ10の出力であるトルクを測定すると、駆動による摩擦接触時間に応じてそのトルクが変化する。
駆動初期はトルクが大きく、連続駆動時間が長くなるほどトルクが小さくなり、安定状態となる。
一旦モータを停止し、駆動を始めると、また同様に連続駆動時間が長くなるほどトルクが小さくなり、安定状態となる。
例えば、運搬ロボットのように高トルクが要求される場合、超音波モータ10の駆動初期における高トルクである期間を利用する。
また、低トルクでソフトに動かすことが要求される場合、連続駆動時間が長くなってトルクが小さくなり、安定状態となった期間を利用する。
制御装置108は、このDLC膜18と硬質アルマイト皮膜19における、連続駆動時間とトルクの関係が記憶された記憶部108aを備えている。
そして、カメラCPU7から高トルクが指示されると、制御装置108は、高トルクを発生することができる期間を記憶部108aに記憶された情報から判断し、連結部10aに対して、高トルク発生期間のみ出力部10cと回転力伝達部10bとを連結するように指示する。
また、カメラCPU7から低トルクが指示されると、制御装置108は、低トルクを発生することができる期間を記憶部108aに記憶された情報から判断し、連結部10aに対して、低トルク発生期間のみ出力部10cと回転力伝達部10bとを連結するように指示する。
なお、これに限らず、制御装置108は、予め測定したトルクと連続駆動時間の関係がプログラミングされていてもよく、そのプログラミングにより所望のトルクに応じて連続駆動時間を制御することによりトルク制御するものであってもよい。
尚、通常はトルクを変えるとモータ速度も変わるが、本方法を用いれば、速度一定のままトルクを可変とすることもできる。また用途によって加減速やトルク変化を行っていたギアを廃止することもできる。
最低起動電圧とは、駆動可能な最低電圧であり、この値が小さいほど小電力で駆動が可能となる。
図5は、本発明の第二実施形態に係る超音波モータ20を示す断面図である。
本発明の第二実施形態に係る超音波モータ20は、上記第一実施形態の超音波モータ10と同様のカメラ1のレンズ鏡筒3に設けられ、フォーカス動作を行なう際のレンズ4を駆動する駆動源として用いられている。この超音波モータ20の出力は、回転力伝達ギア列20bを介して駆動力をカム筒に伝え、このカム筒に保持されるレンズを駆動する形態となっている点が第一実施形態とは異なる。
振動子23の移動体25との接触面には、第一実施形態に示した振動子13と同様に、DLC膜31が形成されている。
そして、カメラCPUから高トルクが指示されると、制御装置208は、高トルクを発生することができる期間を判断し、連結部20bに対して、高トルク発生期間のみ出力ギア20cと回転力伝達ギア列20bとを連結するように指示する。
また、カメラCPUから低トルクが指示されると、制御装置208は、低トルクを発生することができる期間を判断し、連結部20bに対して、低トルク発生期間のみ出力ギア20cと回転力伝達ギア列20bとを連結するように指示する。
(1)本発明の態様によれば、出力(トルク)制御が容易であり、製造が容易かつ環境に優しく、異音の発生が低減され駆動性能の良好な振動アクチュエータ、振動アクチュエータの制御装置、レンズ鏡筒及び電子機器を提供することができる。
(2)本発明は、速度を変えることなく出力(トルク)制御が容易であり、余分な電圧投入や周波数制御を必要とせず、製造方法も容易で、異音が発生せず駆動性能が安定している。
(4)さらに、第2実施形態に示した超音波モータは、第1実施形態に示した超音波モータに比べて径が小さい小型の超音波モータとして作製される場合が多いため、熱の発生が問題となる。しかし、本実施形態によれば、DLC膜31は熱伝導性が良好で、硬質アルマイト皮膜32も熱伝導性に優れる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
Claims (11)
- 振動を発生する振動子と、
前記振動子に加圧接触され、前記振動によって前記振動子に対して相対移動する相対移動部材と、
前記相対移動部材の被駆動部への出力が、前記相対移動部材の連続駆動時間に基づいて制御されていること、
を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項1に記載の振動アクチュエータであって、
前記被駆動部への出力の大きさに対応して
前記連続駆動時間におけるどの期間において前記被駆動部へ出力するかが制御されていること、
を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項1または2に記載の振動アクチュエータであって、
前記連続駆動時間に対する出力トルクの関係に基づいて、前記連続駆動時間におけるどの期間において前記被駆動部へ出力するかが制御されていること、
を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の振動アクチュエータであって、
前記振動子の前記相対移動部材に対する第一接触面、及び、前記相対移動部材の前記振動子に対する第二接触面、の一方は、DLC膜で形成されていること、
を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の振動アクチュエータであって、
前記振動子の前記相対移動部材に対する第一接触面、及び、前記相対移動部材の前記振動子に対する第二接触面の一方は、アルミナ及び陽極酸化皮膜のいずれか一方で形成されていること、
を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の振動アクチュエータであって、
高出力が必要な際は、低出力が必要な際よりも前記振動子の前記相対移動部材に対する接触時間を短くすること、
を特徴とする振動アクチュエータ。 - 振動を発生する振動子と、前記振動子に加圧接触され、前記振動によって前記振動子に対して相対移動する相対移動部材と、を備える振動アクチュエータにおける、前記相対移動部材の被駆動部への出力を、前記相対移動部材の連続駆動時間に基づいて制御すること、
を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。 - 請求項7に記載の振動アクチュエータの制御装置であって、
前記被駆動部への出力の大きさに対応して前記連続駆動時間におけるどの期間において前記被駆動部へ出力するかを制御すること、
を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。 - 請求項7または8に記載の振動アクチュエータの制御装置であって、
前記連続駆動時間に対する出力トルクの関係を記憶する記憶部を備え、
前記記憶部に記憶されている前記関係に基づいて、前記連続駆動時間におけるどの期間において前記被駆動部へ出力するかを制御すること、
を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の振動アクチュエータを備えるレンズ鏡筒。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の振動アクチュエータを備える電子機器。
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