JP2008088384A - 熱伝導性組成物および熱伝導性成形体 - Google Patents

熱伝導性組成物および熱伝導性成形体 Download PDF

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司 石垣
Hitoshi Mizoguchi
整 溝口
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Abstract

【課題】発熱部品から放熱部材へ熱を伝導させる用途において、より好適に使用可能な熱伝導性組成物及び熱伝導性成形体を提供する。
【解決手段】熱伝導性組成物は、熱伝導性充填剤と、基材として、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン系ランダム共重合体と、可塑剤として、40℃における動粘度が90mm/s〜400mm/sである非シリコーン系オイルとを含む。熱伝導性組成物中、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン系ランダム共重合体100重量部に対して、非シリコーン系オイルが100〜300重量部配合されている。熱伝導性成形体は、前記熱伝導性組成物から形成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱伝導性組成物と、該熱伝導性組成物から形成され、例えば電子機器内において発熱した電子部品と放熱器との間、又は発熱した電子部品と金属製伝熱板との間に介在して用いられる熱伝導性成形体とに関する。
近年、コンピュータのCPU(中央処理装置)を代表とする電子部品の高性能化に伴って電子部品の消費電力が増大し、その結果、電子部品の発熱量が増大している。電子部品の処理能力は熱により低下する。よって、電子部品の性能を維持するために電子部品の蓄熱を回避する必要があり、電子部品の冷却が重要な課題となっている。このような課題を解決する技術として、発熱した電子部品と放熱部材との間に介在して用いられる熱伝導性成形体が知られている。高性能化に伴って電子部品の発熱量が増大することから、より高い効率で熱を伝導することができる熱伝導性成形体が求められている。
そのような熱伝導性成形体として、従来、シリコーンポリマーからなる基材に熱伝導性充填剤が配合されたものが多く用いられてきている。例えば、特許文献1には、シリコーン樹脂に熱伝導性充填剤が混入された材料から成形された伝熱シートであって、少なくとも片面に溝を有する伝熱シートが開示されている。
シリコーンポリマーの未硬化時の粘度は低いことから、シリコーンポリマーには、熱伝導性充填剤が高い割合で充填され得る。そのため、基材としてシリコーンポリマーが用いられることにより、高い熱伝導性を発揮する成形体を得ることができる。さらに、基材としてシリコーンポリマーが用いられると、硬度が60となるような柔軟な熱伝導性成形体が得られる。本発明において、硬度の値は、日本工業規格のJIS K6253(国際標準規格のISO7619)に準拠し、タイプEデュロメータによって測定された値を指す。このような柔軟な熱伝導性成形体は、電子部品および放熱部材に緊密に密着することができる。よって、シリコーンポリマーを用いた柔軟な熱伝導性成形体は、熱を効率よく伝えることが可能となる。
しかしながら、シリコーンポリマーを用いた熱伝導性成形体は、電子部品の発熱により熱伝導性成形体に含まれる未反応物である低分子量シロキサンが揮発するという問題を有する。このような低分子量シロキサンが揮発して電気接点等に付着すると、低分子量シロキサンはシリカに変化し、導通不良および接点の摩耗を引き起こす。
この問題を回避するために、シリコーンポリマー以外の基材として、エポキシポリマーに熱伝導性充填剤が配合されたエポキシ系熱伝導性成形体が検討されている。しかしながら、基材としてエポキシポリマーが用いられた熱伝導性成形体では、成形体の硬度が60以下となるような柔軟な成形体を得ることができない。そのため、エポキシ系熱伝導性成形体は、発熱部品である電子部品及び放熱部材との十分な密着が得られず、電子部品の熱を効率よく放熱部材に伝えることができなかった。
特開平2−166755号公報
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、発熱部品から放熱部材へ熱を伝導させる用途において、より好適に使用可能な熱伝導性組成物及び熱伝導性成形体を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、熱伝導性充填剤と、基材として、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン系ランダム共重合体と、可塑剤として、40℃における動粘度が90mm/s〜400mm/sである非シリコーン系オイルとを含む熱伝導性組成物であって、前記熱伝導性組成物中、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン系ランダム共重合体100重量部に対して、前記非シリコーン系オイルが100〜300重量部配合されている熱伝導性組成物を提供する。
請求項2に記載の発明は、前記非シリコーン系オイルが非極性炭化水素系オイルである請求項1に記載の熱伝導性組成物を提供する。
請求項3に記載の発明は、前記非極性炭化水素系オイルがパラフィンオイルである請求項2に記載の熱伝導性組成物を提供する。
請求項4に記載の発明は、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐を更に含み、熱伝導性組成物中、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン系ランダム共重合体100重量部に対して、前記熱硬化性樹脂で被覆された赤燐が赤燐のみの割合で10重量部〜50重量部配合されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱伝導性組成物を提供する。
請求項5に記載の発明は、硬化剤を更に含む請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の熱伝導性組成物を提供する。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱伝導性組成物から形成される熱伝導性成形体を提供する。
本発明によれば、発熱部品から放熱部材へ熱を伝導させる用途において、より好適に使用可能な熱伝導性組成物及び熱伝導性成形体が提供される。
以下、本発明を熱伝導性成形体に具体化した一実施形態を説明する。
本実施形態の熱伝導性成形体(以下、単に成形体という)は熱伝導性組成物から形成される。この成形体は、発熱部品、例えば発熱した電子部品と、放熱部材との間に介在して用いられ、電子部品の熱を放熱部材へ伝導する。成形体には、熱伝導性および非汚染性が具備されている。熱伝導性は発熱部品から放熱部材への熱伝導のし易さを表す指標であり、成形体の熱伝導率および熱抵抗値と、成形体の発熱部品および放熱部材との密着性とに起因している。成形体と、発熱部品および放熱部材との密着性は、成形体の柔軟性が高いほど高い。成形体は、熱伝導率が高いほど、熱抵抗値が低いほど、且つ発熱部品および放熱部材との密着性が高いほど発熱部品から放熱部材への熱伝導を促進し、優れた熱伝導性を発揮する。
非汚染性は、成形体が実装された装置内の汚染され難さを表す指標であり、成形体から発生した揮発ガスの量と、成形体からブリードアウト(滲出)した成分の量とに起因している。前記装置としては、例えば電子部品を備える基板が内部に配置された電子機器が挙げられる。成形体は、該成形体から発生した揮発ガスの量が少ないほど、且つ成形体からブリードアウトした成分の量が少ないほど前記装置内を汚染し難くなり、優れた非汚染性を発揮する。
熱伝導性組成物(以下、単に組成物という)は、熱伝導性充填剤と、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン系ランダム共重合体と、非シリコーン系オイルとを含んでいる。
熱伝導性充填剤は、成形体の熱伝導率を高めることにより成形体の熱伝導性を高める。熱伝導性充填剤としては、例えば金属酸化物の粉末、金属窒化物の粉末、金属炭化物の粉末、及び金属水酸化物の粉末が挙げられる。これらの粉末は、成形体の熱伝導率を高めて該成形体に高い熱伝導性を付与することができるとともに、電気絶縁性を有している。具体的には、熱伝導性充填剤として、例えば酸化アルミニウムの粉末、窒化ホウ素の粉末、窒化アルミニウムの粉末、酸化マグネシウムの粉末、酸化亜鉛の粉末、炭化ケイ素の粉末、石英の粉末、及び水酸化アルミニウムの粉末が挙げられる。熱伝導性充填剤として、炭素繊維、又はダイヤモンド若しくは黒鉛の粉末が用いられてもよい。これらの繊維および粉末は、成形体の熱伝導率を高めて該成形体に高い熱伝導性を付与することができるとともに、導電性を有している。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン系ランダム共重合体(以下、単に共重合体という)は基材として含有され、成形体中の各成分、例えば熱伝導性充填剤を成形体内に保持する。この共重合体は、エチレンと、3〜20の炭素原子数を有するα−オレフィンと、非共役ポリエンとのランダム共重合体である。
3〜20の炭素原子数を有するα−オレフィンの具体例としては、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、及び12−エチル−1−テトラデセンが挙げられる。3〜20の炭素原子数を有するα−オレフィンとして、3〜10の炭素原子数を有するα−オレフィンが好ましく、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンがより好ましく、プロピレンが最も好ましい。
非共役ポリエンは、下記一般式(1)または(2)で表わされるビニル基含有ノルボルネン化合物である。
Figure 2008088384
Figure 2008088384
一般式(1)において、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、又はデシル基を示す。Rは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はペンチル基を示す。一般式(2)において、Rは、前記Rと同様に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、又はデシル基を示す。R、R 及びRがそれぞれ示すメチル基等のアルキル基の概念は、iso体、tert体等の全ての構造異性体を含む。
前記一般式(1)または(2)で表されるビニル基含有ノルボルネン化合物の具体例としては、例えば5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセシル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、及び5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンが挙げられる。これらのビニル基含有ノルボルネン化合物は、単独で用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。前記具体例の中でも、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、及び5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネンが好ましい。
共重合体に用いられる前記非共役ポリエン以外に、本発明の目的とする物性を損なわない範囲で、以下に示す非共役ポリエンが併用されてもよい。このような非共役ポリエンの具体例としては、例えば鎖状非共役ジエン、環状非共役ジエン、及びトリエンが挙げられる。鎖状非共役ジエンの具体例としては、例えば1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、及び7−メチル−1,6−オクタジエンが挙げられる。環状非共役ジエンの具体例としては、例えばメチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、及びジシクロペンタジエンが挙げられる。トリエンの具体例としては、例えば2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、及び2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエンが挙げられる。
共重合体中における、エチレンと3〜20の炭素数を有するα−オレフィンとのモル比は、エチレン/3〜20の炭素数を有するα−オレフィンで40/60〜95/5が好ましく、50/50〜90/10がより好ましく、55/45〜80/20がさらに好ましく、55/45〜75/25が最も好ましい。3〜20の炭素数を有するα−オレフィンに対するエチレンのモル比が40/60未満の場合、得られる成形体の機械強度が低下する。3〜20の炭素数を有するα−オレフィンに対するエチレンのモル比が95/5を超えると、共重合体中のエチレンの量が過剰に多くなり、得られる成形体の例えば低温特性が悪化する。
共重合体のヨウ素価は共重合体100g当たり0.5〜50gが好ましく、1〜40gがより好ましく、2〜35gがさらに好ましく、2〜30gが特に好ましい。共重合体のヨウ素価が共重合体100g当たり0.5g未満の場合、成形体の製造の際に共重合体の架橋速度が遅くなる。共重合体のヨウ素価が共重合体100g当たり30gを超えると、共重合体の分子における長鎖分岐が過剰に多くなり、組成物の加工性が悪化する。
共重合体の極限粘度[η]は0.01〜1.0dl/gが好ましく、0.01〜0.7dl/gがより好ましく、0.01〜0.5dl/gがさらに好ましく、0.01〜0.5dl/gがさらに好ましく、0.05〜0.5dl/gが特に好ましく、0.05〜0.3dl/gが最も好ましい。共重合体の極限粘度が0.01dl/g未満の場合、組成物の粘度が過剰に低くなり、組成物の加工性が悪化したり成形体の強度が不足したりする。共重合体の極限粘度が1.0dl/gを超えると、組成物の粘度が過剰に高くなり、組成物の加工性が悪化する。
共重合体の形状は、成形体の製造工程において、調整、混練等の作業が容易であることから液状が好ましい。
非シリコーン系オイルは可塑剤として含有されている。非シリコーン系オイルとは、分子内にシロキサン結合(Si−O)を含まないオイルのことである。非シリコーン系オイルの具体例としては、例えば非極性炭化水素系オイル、及び極性基含有非シリコーン系オイルが挙げられる。これらの中でも、基材として含有される前記共重合体と良好な混和性を有することから、非極性炭化水素系オイルが好ましい。非極性炭化水素系オイルの具体例としては、例えばパラフィンオイル、ポリαオレフィンオイル、及びポリブテンオイルが挙げられる。これらの中でも、前記共重合体に対して多量に配合されることができ、且つ均一分散性に優れることから、パラフィンオイルが好ましい。極性基含有非シリコーン系オイルの具体例としては、エステル系オイル、及びアクリル系オイルが挙げられる。
非シリコーン系オイルは、40℃において90mm/s〜400mm/sの動粘度を有している。40℃における動粘度が90mm/s未満の場合、非シリコーン系オイルは高い揮発性を有し、そのような非シリコーン系オイルが組成物に含有されると、成形体から発生する揮発ガスの量が多くなる。その結果、成形体の非汚染性が低下し、該成形体が実装された例えば電子機器内が汚染される。40℃における動粘度が400mm/sを超えると、非シリコーン系オイルの粘度が高くなることから、混練、成形等の組成物の加工が困難となり、成形体を製造することができない。
組成物中、前記共重合体100重量部に対する非シリコーン系の配合量は、100重量部〜300重量部である。非シリコーン系オイルの配合量が100重量部未満の場合、得られる成形体の硬度が高くなり、柔軟な熱伝導性成形体が得られない。非シリコーン系オイルの配合量が300重量部を超えると、得られた成形体から非シリコーン系オイルがブリードし易くなる。その結果、成形体の非汚染性が低下し、該成形体が実装された電子機器内が汚染される。
組成物は硬化剤を更に含有してもよい。硬化剤の具体例は特に限定されないが、Si−H基を有する硬化剤は、白金触媒の存在下、加熱されることにより速やかに共重合体の二重結合に付加反応することから好ましい。例えば、基本骨格としてジメチルシロキサン構造(−(CH)Si(CH)O−)を有し、分子鎖内において該構造中のメチル基のいくつかが水素で置換されてSi−H基を有する硬化剤が用いられてもよい。また、そのような硬化剤において、基材との相溶性を硬化剤に付与するために、前記ジメチルシロキサン構造がさらに有機物で変性されてもよい。
このようなSi−H基を含む硬化剤が組成物に添加されると、該硬化剤と基材としての共重合体との反応により、組成物を大気中で加熱硬化させることができる。これにより、成形体の生産性が向上するとともに、製造コストを低減することができる。また、組成物中における硬化剤の添加量は非常に少量(例えば、共重合体100重量部に対して5〜10重量部程度)でよいことから、硬化剤のほぼ全量が組成物中の炭化水素系高分子と反応して該高分子に取り込まれる。そのため、硬化剤がジメチルシロキサン構造を有していても、未反応の低分子シロキサンが発生することはないものと考えられる。硬化剤として、前記Si−H基を含む硬化剤以外にも、二重結合を含む高分子を架橋可能な硬化剤、例えば過酸化物硬化剤が用いられてもよい。
組成物は、成形体の難燃性を向上させるために難燃剤を更に含有してもよい。難燃剤の材質の具体例としては、ハロゲン系、リン系、金属水酸化物、アンチモン系、及び赤燐系が挙げられるが、例えば環境への配慮から金属水酸化物、及び赤燐系が好ましく、赤燐系がより好ましい。
前述したように、基材としての共重合体のビニル基と反応することができる、Si−H基を有する硬化剤、及びその硬化反応を促進する白金触媒が好適に使用されることから、赤燐が組成物に配合されると該赤燐が共重合体のビニル基と硬化剤のSi−H基との反応を阻害する可能性がある。そのため、赤燐は熱硬化性樹脂で被覆されることが好ましい。熱硬化性樹脂で被覆された赤燐は共重合体の架橋反応を阻害しない。
赤燐を被覆する熱硬化性樹脂の具体例としては、例えばフェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂が挙げられる。
組成物中、前記共重合体100重量部に対する熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合量は、赤燐のみの割合で10重量部〜50重量部が好ましい。さらに、前記熱伝導性充填剤及び難燃剤としての役割を果たす水酸化アルミニウム等の金属水酸化物が併用されることは、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合量が少量でも難燃性の効果が十分に発揮され得ることから好ましい。
熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合量が10重量部未満では、他の難燃剤(例えば熱伝導性充填剤としての機能も有する金属水酸化物)の配合量にもよるが、難燃性の効果が発揮され難い。熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合量が50重量部を超えると、赤燐自体の燃焼し易いという性質が現れ易く、却って難燃性の効果が発揮されない可能性が生じる上、製造コストが嵩む要因にもなる。熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合量が前記範囲に設定されることにより、得られる成形体は米国アンダー・ライターズ・ラボラトリーズ・インク(Under Writers Laboratories Inc)によって制定されたUL規格に規定のUL94V−0グレード相当の優れた難燃性を容易に得ることができる。
組成物は、例えば生産性、耐候性、又は耐熱性の向上を目的として、触媒、硬化遅延剤、劣化防止剤等をさらに含有してもよい。この組成物が、例えば金型に注入されたり、基板上に流延されたりした後に硬化することによって成形体が成形されるが、成形体の成形方法は特に限定されない。この成形体の形状は特に限定されず、具体例として、例えばシート状が挙げられる。
前記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態の組成物は、熱伝導性充填剤と、基材としての共重合体と、可塑剤としての非シリコーン系オイルとを含有している。共重合体および非シリコーン系オイルはともに、シロキサン構造を有しない。そのため、成形体の実装の際に、成形体から低分子量シロキサン等の揮発ガスがほとんど発生せず、成形体が実装された例えば電子機器内の汚染を防止することができる。共重合体は組成物の粘度を適度に低下させることができ、その結果、共重合体以外の基材が用いられた場合に比べて熱伝導性充填剤を組成物中に多量に含有させることができる。そのため、成形体の熱伝導性を高めることができる。更に、共重合体は、例えばヒドロシリル化反応により、組成物を大気中で加熱硬化させることができる。そのため、成形体の生産性を向上させるとともに、製造コストを低減することができる。
また、非シリコーン系オイルの40℃における動粘度は、90mm/s〜400mm/sに設定されている。これにより、成形体の成形を容易にするとともに、成形体からの揮発ガスの発生をより確実に防止することができる。更に、非シリコーン系オイルの配合量は、共重合体100重量部に対して100〜300重量部に設定されている。これにより、ブリード現象の発生を防止するとともに、成形体の柔軟性を高めることができる。以上のことから、本実施形態の組成物は、発熱部品から放熱部材へ熱を伝導させる用途において、より好適に使用可能である。
・ 前記非シリコーン系オイルは、好ましくは非極性炭化水素系オイルである。この場合、共重合体と非極性炭化水素系オイルとの混和性が高いことから、組成物の混練、および成形体の成形を容易に行うことができる。また、非極性炭化水素系オイルは、好ましくはパラフィンオイルである。この場合、パラフィンオイルは、共重合体に対して多量に配合されてもブリード現象の発生を防止することができ、成形体の柔軟性を高めることができる。その結果、成形体と例えば発熱部品との密着性が高まり、成形体の熱伝導性を高めることができる。
・ 組成物は熱硬化性樹脂で被覆された赤燐を更に含有してもよい。赤燐の配合量は、共重合体100重量部に対して、赤燐のみの割合で10重量部〜50重量部に設定されている。この場合、成形体は、配合量が上記の範囲に設定された赤燐によって優れた難燃性を有することができる。
・ 組成物は硬化剤を更に含有してもよい。この場合、硬化剤の作用によって、成形体を容易に成形することができる。
次に、実施例および比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1においては、基材としての共重合体A100重量部に対して、下記の各成分を配合した。即ち、可塑剤として、40℃における動粘度が90mm/sであるパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)250重量部を配合した。熱伝導性充填剤として、平均粒径が45μmである酸化アルミニウム1400重量部および平均粒径が8μmである水酸化アルミニウム350重量部を配合した。硬化剤として、有機物で変性されたジメチルシロキサン構造を有する硬化剤(トリス(ジメチル水素シロキシ)フェニルシラン、[C−Si−(O−SiH−(CH])6重量部を配合した。更に、老化防止剤(AO−60、株式会社ADEKA製)3.5重量部と、白金触媒(PT−CS−1.8cS、Ferro社(米国)製)0.7重量部とを配合した。
そして、これらを振動攪拌器により混合して組成物を調製した。共重合体Aの組成および物性は以下の通りであった。即ち、αオレフィンはプロピレンであった。ポリエンは5−ビニル−2−ノルボルネンであり、極限粘度[η]は0.12dl/gであった。エチレンとプロピレンとのモル比はエチレン/プロピレンで63/37であった。ヨウ素価は共重合体100g当たり14.7gであった。共重合体Aは、常温(25℃)で液状を有していた。次いで、組成物をシート状に成形して真空脱泡した後、120℃雰囲気で1時間加熱することにより組成物を硬化させて成形体としての熱伝導性シートを得た。
(実施例2)
実施例2においては、可塑剤を40℃における動粘度が150mm/sであるパラフィンオイル(PW−150 出光興産株式会社製)250重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(実施例3)
実施例3においては、可塑剤を40℃における動粘度が400mm/sであるパラフィンオイル(PW−380 出光興産株式会社製)250重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(実施例4)
実施例4においては、基材としての共重合体B100重量部に対して、下記の各成分を配合した。即ち、可塑剤として、40℃における動粘度が90mm/sであるパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)100重量部を配合した。熱伝導性充填剤として、平均粒径が45μmである酸化アルミニウム800重量部および平均粒径が8μmである水酸化アルミニウム200重量部を配合した。硬化剤として、前記有機物で変性されたジメチルシロキサン構造を有する硬化剤6重量部を配合した。更に、前記老化防止剤3.5重量部と、前記白金触媒0.7重量部とを配合した。
そして、これらを振動攪拌器により混合して組成物を調製した。共重合体Bの組成および物性は以下の通りであった。即ち、αオレフィンはプロピレンであった。ポリエンは5−ビニル−2−ノルボルネンであった。極限粘度[η]は0.08dl/gであった。エチレンとプロピレンとのモル比はエチレン/プロピレンで63/37であった。ヨウ素価は共重合体100g当たり23.2gであった。共重合体Bは、常温(25℃)で液状を有していた。次いで、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(実施例5)
実施例5においては、可塑剤を40℃における動粘度が90mm/sであるパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)300重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(比較例1)
比較例1においては、可塑剤を40℃における動粘度が30mm/sであるパラフィンオイル(PW−30 出光興産株式会社製)250重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(比較例2)
比較例2においては、可塑剤を40℃における動粘度が440mm/sであるパラフィンオイル(PW−430 出光興産株式会社製)250重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして組成物を調製した。そして、この組成物から、実施例1と同様の方法によって熱伝導性シートの作製を試みた。しかしながら、比較例2では、パラフィンオイルの40℃における動粘度が400mm/sを超えることから調製された組成物の粘度が増大し、該組成物を混練してシート状に成形することができなかった。
(比較例3)
比較例3においては、可塑剤を40℃における動粘度が90mm/sであるパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)50重量部に変更した以外は、実施例4と同様にして熱伝導性シートを得た。
(比較例4)
比較例4においては、可塑剤を40℃における動粘度が90mm/sであるパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)350重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
そして、各実施例および各比較例の熱伝導性シートについて、下記の各項目に関して測定を行った。その結果を表1に示す。
<熱伝導性シートの硬度>
各熱伝導性シートについて、JIS K6253に準拠してタイプEデュロメータを用いて硬度を測定した。
<揮発ガス発生促進試験>
各熱伝導性シートについて、以下の方法により揮発ガス発生促進試験を行なった。即ち、各熱伝導性シートについて、熱重量測定装置(TGA-50、島津製作所)により200℃で1時間定温放置後の重量変化を測定した。
<熱伝導性シートの熱抵抗値>
各熱伝導性シートの熱抵抗値を以下の方法により測定した。即ち、発熱基板(発熱量Q:4W)上に各熱伝導性シートからなる試験片(縦及び横が10mmであり、厚さが1.0mmである)を配置し、該発熱基板および試験片をヒートシンク(株式会社アルファ製 FH60−30)に一定の荷重(2kgf/cm(0.2MPa))で圧接させた。ヒートシンクの上部にファン(風量:0.01(kg/sec)、風圧:49(Pa))を取り付け、ヒートシンクおよび発熱基板に温度センサを接続した。この状態で発熱基板に通電した。通電してから5分経過後、発熱基板の温度(θj1)およびヒートシンクの温度(θi0)を測定し、それらの測定値を下記式に適用することにより熱抵抗値を算出した。前記熱抵抗値と熱伝導率との間には下記の関係が成立し、熱抵抗値を熱伝導率に換算することが可能である。
熱抵抗値(℃/W)=(θj1−θj0)/発熱量Q
=試験片の熱通過方向における厚さ(m)/(試験片の熱通過断面積(m)×熱伝導率(W/m・K))
<ブリード>
前記<熱伝導性シートの熱抵抗値>の測定の際に、試験片の表面を目視により観察した。各表における“ブリード”欄において、“有”は試験片がブリード現象を起こしたことを示し、“無”は試験片がブリード現象を起こさなかったことを示す。
Figure 2008088384
表1に示すように、実施例1〜5の熱伝導性シートは、30以下の硬度と、2.7(℃/W)以下の熱抵抗値を有していた。従って、これらの熱伝導性シートは、高い熱伝導性を有するとともに柔軟性に富むことから、例えば発熱部品との密着性が良好となり、より効率的に熱を伝導することができる。また、揮発ガス発生促進試験においても、熱伝導性シートの重量の減少割合が0.8%以下であることから、実施例1〜5の熱伝導性シートにおいては揮発ガスの発生が殆ど無いものと考えられる。また、これらの熱伝導性シートは、実装の際にブリード現象を起こさなかった。以上のことから、実施例1〜5の熱伝導性シートは、発熱部品から放熱部材へ熱を伝導させる用途において、より好適に使用可能である。
一方、比較例1においては、パラフィンオイルの40℃における動粘度が90mm/s未満であることから、揮発ガス発生促進試験において熱伝導性シートの重量が3.2%減少した。よって、この熱伝導性シートは、実装の際に揮発ガスを発生して例えば電子機器内を汚染する可能性がある。
比較例3においては、パラフィンオイルの配合量が100重量部未満であることから、熱伝導性シートが高い硬度を有しており、比較例3の熱伝導性シートの柔軟性は、各実施例の熱伝導性シートの柔軟性に比べて劣っていた。その結果、比較例3の熱伝導性シートの熱抵抗値は、7.4と高い値となった。よって、この熱伝導性シートは、実装の際に例えば発熱部品との十分に密着することができず、効率的に熱を伝導することができない可能性がある。
比較例4においては、パラフィンオイルの配合量が300重量部を超えることから、熱伝導性シートは高い柔軟性を有していたものの、粘着性をも有していた。そのため、比較例4の熱伝導性シートの取扱いは各実施例の熱伝導性シートの取扱いに比べて煩雑であり、比較例4の熱伝導性シートを実際に使用することは困難であった。更に、比較例4の熱伝導性シートはブリード現象を起こした。よって、この熱伝導性シートは、実装の際にブリードアウトした成分に起因して例えば電子機器内を汚染する可能性がある。
(実施例6)
実施例6においては、基材としての共重合体A100重量部に対して、下記の各成分を配合した。即ち、可塑剤として、40℃における動粘度が90mm/sであるパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)200重量部を配合した。熱伝導性充填剤として、平均粒径が45μmである酸化アルミニウム1650重量部および平均粒径が8μmである水酸化アルミニウム450重量部を配合した。硬化剤として、前記有機物で変性されたジメチルシロキサン構造を有する硬化剤6重量部を配合した。前記老化防止剤3.5重量部と、前記白金触媒(PT−CS−1.8cS、Ferro社(米国)製)0.7重量部とを配合した。更に、難燃剤として、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐(ノーバレッド120、燐化学工業株式会社製、熱硬化性樹脂の種類:フェノール樹脂)を赤燐のみの割合で12重量部を配合した。そして、これらを振動攪拌器により混合して組成物を調製した後、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(実施例7)
実施例7においては、平均粒径が8μmである水酸化アルミニウムの配合量を700重量部に変更し、さらに、難燃剤として、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐を赤燐のみの割合で15重量部を更に配合した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(実施例8)
実施例8においては、熱伝導性充填剤を平均粒径が45μmである酸化アルミニウム350重量部および平均粒径が8μmである水酸化アルミニウム1450重量部に変更した。さらに、難燃剤として、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐を赤燐のみの割合で10重量部を更に配合した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(実施例9)
実施例9においては、実施例5の組成物に、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐を赤燐のみの割合で50重量部を更に配合した以外は、実施例5と同様にして熱伝導性シートを得た。
(実施例10)
実施例10においては、平均粒径が8μmである水酸化アルミニウムの配合量を350重量部に変更した以外は、実施例7と同様にして熱伝導性シートを得た。
(実施例11)
実施例11においては、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合量を赤燐のみの割合で9重量部に変更した以外は、実施例8と同様にして熱伝導性シートを得た。
(実施例12)
実施例12においては、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合量を赤燐のみの割合で60重量部に変更した以外は、実施例9と同様にして熱伝導性シートを得た。
そして、各実施例の熱伝導性シートについて、前記各項目に関して測定を行うとともに、下記の項目に関して測定を行った。その結果を表3に示す。
<難燃性>
各熱伝導性シートについて、以下の方法により難燃性に関する試験を行った。即ち、米国の安全規格であるUL(Under Writers Laboratories Inc)規格のうちのプラスチック材料の燃焼性について規定するUL94Vに従って、図1に示した装置を用いて各熱伝導性シートについて燃焼試験を行った。具体的には、クランプ4に支持された各熱伝導性シートからなる試験片1(長さが127mmであり、幅が12.7mmであり、厚さが1.0mmである)をバーナー2(口径が10mmであり、長さが約10cmである)の炎2aに10秒間接炎した後、炎2aから離して各試験片1の燃焼時間を記録した。各試験片1の消炎後、各試験片1を再度、炎2aに10秒間接炎させ、その後、炎2aから離して各試験片1の燃焼時間を記録した。さらに2回目の接炎後、火種の保持時間(グローイング時間)と、試験片1の下方に配置されている脱脂綿3を発火させる滴下物の有無とを記録した。以上の操作を各試験片1について5回1組として行った。得られた結果を下記の表2に記載の判定基準と照らし合せ、各熱伝導性シートの難燃性のグレードを判定した。表3の“難燃性(UL94)”欄において、“燃焼”は、前記難燃性に関する試験の際に試験片が全て燃焼してしまい、難燃性のグレードを判定することができなかったことを示す。
Figure 2008088384
Figure 2008088384
表3に示すように、各実施例の熱伝導性シートは、40以下の硬度と、3.0(℃/W)以下の熱抵抗値とを有していた。従って、これらの熱伝導性シートは、高い熱伝導性を有するとともに柔軟性に富むことから、例えば発熱部品との密着性が良好となり、より効率的に熱を伝導することができる。また、揮発ガス発生促進試験においても、熱伝導性シートの重量の減少割合が0.7%以下であることから、各実施例の熱伝導性シートにおいては揮発ガスの発生が殆ど無いものと考えられる。また、これらの熱伝導性シートは、実装の際にブリード現象を起こさなかった。更に、実施例6〜9の熱伝導性シートは、赤燐の配合量が10〜50重量部の範囲内であることから、前記UL94V−0グレードに相当する優れた難燃性を有していた。そのため、これらの熱伝導性シートは、厚さが1.0mmと非常に薄いときにも優れた難燃性を発揮する。以上のことから、実施例6〜12の熱伝導性シートは、発熱部品から放熱部材へ熱を伝導させる用途において、より好適に使用可能であり、実施例6〜9の熱伝導性シートは、特に好適に使用可能である。
ここで、実施例7において、難燃剤を熱硬化性樹脂で被覆されていない赤燐15重量部に変更して組成物を調製し、この組成物から熱伝導性シートの作製を試みた。しかしながら、組成物が硬化せず、熱伝導性シートを作製することができなかった。これは、赤燐が熱硬化性樹脂で被覆されておらず、赤燐が露出していることから、該赤燐によってビニル基と硬化剤中のSi−H基とのヒドロシリル化反応が阻害されたためと考えられる。このことにより、組成物に赤燐が配合される場合には、赤燐が熱硬化性樹脂で被覆される必要があることが分かった。
難燃性を評価する装置を示す図。
符号の説明
1…試験片、2…バーナー、3.…脱脂綿、4…クランプ。

Claims (6)

  1. 熱伝導性充填剤と、
    基材として、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン系ランダム共重合体と、
    可塑剤として、40℃における動粘度が90mm/s〜400mm/sである非シリコーン系オイルとを含む熱伝導性組成物であって、
    前記熱伝導性組成物中、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン系ランダム共重合体100重量部に対して、前記非シリコーン系オイルが100〜300重量部配合されていることを特徴とする熱伝導性組成物。
  2. 前記非シリコーン系オイルが非極性炭化水素系オイルである請求項1に記載の熱伝導性組成物。
  3. 前記非極性炭化水素系オイルがパラフィンオイルである請求項2に記載の熱伝導性組成物。
  4. 熱硬化性樹脂で被覆された赤燐を更に含み、熱伝導性組成物中、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン系ランダム共重合体100重量部に対して、前記熱硬化性樹脂で被覆された赤燐が赤燐のみの割合で10重量部〜50重量部配合されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱伝導性組成物。
  5. 硬化剤を更に含む請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の熱伝導性組成物。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱伝導性組成物から形成されることを特徴とする熱伝導性成形体。
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