JP5015450B2 - 熱伝導性成形体 - Google Patents

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本発明は、電子機器内における発熱電子部品と放熱器との間や、発熱電子部品と金属製伝熱板との間に介在して用いられる熱伝導性成形体に関する。
近年、コンピュータのCPUを代表とする素子等の電子部品の高性能化に伴い、電子部品の消費電力が増大しており、それにより電子部品の発熱量も増大している。従って、発熱電子部品の冷却は、電子部品の性能を維持する上で、非常に重要な技術となってきている。このような技術として、発熱電子部品を冷却するために、電子部品と冷却部材との間に介在させて用いられる熱伝導性成形体が知られている。高性能化した電子部品においては、発熱量がより増大するため、より高効率で熱を伝導することができる熱伝導性成形体が求められている。
そのような熱伝導性成形体として、従来、シリコーンポリマーからなる基材に熱伝導性充填剤を配合したものが多く用いられてきている。例えば、特許文献1には、シリコーン樹脂に熱伝導性材料を混入した材料から成形され、少なくともその片面に溝を有する伝熱シートが開示されている。
シリコーンポリマーは、未硬化時の粘度が低いことから、熱伝導性充填剤を高い割合で充填することができる。そのため、基材としてシリコーンポリマーを用いることにより、高い熱伝導性を示す成形体を得ることができる。さらに、基材としてシリコーンポリマーを用いると、硬度が60となるような柔軟な熱伝導性成形体が得られる。尚、本発明において、硬度の値は、JIS K6253(ISO7619)に準拠し、タイプEデュロメータによって測定した値を指す。このような柔軟な熱伝導性成形体は、電子部品および冷却部材に緊密に密着することができる。よって、シリコーンポリマーを用いた柔軟な熱伝導性成形体は、熱を効率よく伝えることが可能となる。
しかしながら、シリコーンポリマーを用いた熱伝導性成形体には、電子部品の発熱により熱伝導性成形体に含まれる未反応物である低分子量シロキサンが揮発するという問題を有する。このような低分子量シロキサンが揮発して、電気接点等に付着すると、シリカに変化し、導通不良や接点の摩耗を引き起こす。
この問題を回避するために、シリコーンポリマー以外の基材として、エポキシポリマーに熱伝導性充填剤を配合したエポキシ系熱伝導性成形体が検討されている。
しかしながら、基材としてエポキシポリマーを用いた熱伝導性成形体では、成形体の硬度が60以下となるような柔軟な成形体を得ることができない。そのため、エポキシ系熱伝導性成形体は、電子部品及び冷却部材との十分な密着が得られず、電子部品の熱を効率よく冷却部材に伝えることができなかった。
特開平2−166755号公報
よって、本発明は、低分子量シロキサンなどの揮発性ガスの発生がなく、発熱部品からの熱を効率よく伝えるために十分な柔軟性を有する熱伝導性成形体を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、高分子組成物から形成される熱伝導性成形体であって、前記高分子組成物は、熱伝導性充填剤と、基材として、末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子と、40℃における動粘度が90mm/s〜400mm/sである非極性炭化水素系オイルとを含み、前記高分子組成物中、100重量部の前記非極性炭化水素系高分子に対して、800重量部〜1500重量部の前記熱伝導性充填剤、及び200重量部〜400重量部の前記非極性炭化水素系オイルが配合されていることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の熱伝導性成形体において、末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子が、末端にアリル基を有するポリイソブチレンであることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の熱伝導性成形体において、非極性炭化水素系オイルが、パラフィンオイルであることを要旨とする
求項に記載の発明は、高分子組成物から形成される熱伝導性成形体であって、前記高分子組成物は、熱伝導性充填剤と、基材として、末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子と、40℃における動粘度が70mm/s〜500mm/sである極性基含有非シリコーン系オイルとを含み、前記高分子組成物中、100重量部の前記非シリコーン系極性高分子に対して、200重量部〜400重量部の前記極性基含有非シリコーン系オイルが配合されていることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の熱伝導性成形体において、末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子が、末端にアリル基を有するポリアクリレートであることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項またはに記載の熱伝導性成形体において、極性基含有非シリコーン系オイルが、エステル系オイルであることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱伝導性成形体において、前記高分子組成物が、さらに硬化剤を含むことを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の熱伝導性成形体において、前記高分子組成物が、さらに熱硬化性樹脂で被覆された赤燐を含み、前記高分子組成物中、100重量部の前記非シリコーン系高分子に対して、前記赤燐のみの割合で3重量部〜200重量部の前記熱硬化性樹脂で被覆された赤燐が配合されていることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱伝導性成形体において、高分子組成物が、熱伝導性充填剤として、少なくとも1種類以上の金属水酸化物を含むことを要旨とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の熱伝導性成形体において、金属水酸化物が水酸化アルミニウムであることを要旨とする。
請求項1乃至10の発明によれば、熱伝導性成形体は低分子量シロキサン等の揮発ガスをほとんど発生せず、電子機器内を汚染することがない。また、熱伝導性成形体の柔軟性を向上することができ、それにより熱を効率よく伝えることができるようになる。
請求項の発明によれば、非極性炭化水素系高分子に対して非極性炭化水素系オイルを配合することで、非極性炭化水素系オイルの配合割合を高くすることができ、より柔軟な熱伝導性成形体を得ることができる。
請求項の発明によれば、非極性炭化水素系高分として、末端にアリル基を有するポリイソブチレンを用いることにより、熱伝導性成形体の耐熱性、電気絶縁性、および耐水性を向上することができる。
請求項の発明によれば、非極性炭化水素系オイルをパラフィンオイルとすることで、非極性炭化水素系高分子に多量に配合しても、得られた熱伝導性成形体からオイルがブリードし難くなり、より柔軟な熱伝導性成形体が得られる。
請求項の発明によれば、非シリコーン系極性高分子に対して極性基含有非シリコーン系オイルを配合することで、極性基含有非シリコーン系オイルの配合割合を高くすることができ、より柔軟な熱伝導性成形体を得ることができる。
請求項の発明によれば、非シリコーン系極性高分子として、末端にアリル基を有するポリアクリレートを用いることにより、熱伝導性成形体の耐候性、耐熱性、および耐油性を向上することができる。
請求項の発明によれば、極性基含有非シリコーン系オイルをエステル系オイルとすることで、非シリコーン系極性高分子に多量に配合しても熱伝導性成形体からオイルがブリードし難く、より柔軟な熱伝導性成形体が得られる。
請求項の発明によれば、上記のような熱伝導性成形体を容易に得ることができる。
請求項の発明によれば、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐が配合されることにより、該赤燐が非シリコーン系高分子の末端アリル基の反応を阻害せず、且つ熱伝導性成形体の成形の際または焼却の際に腐食性のハロゲン系ガスが発生しないことから、例えば成型機および金型の寿命を延ばすことができるとともに環境に与える影響を小さくすることができる。
請求項の発明によれば、熱伝導性充填材として金属水酸化物が配合されることにより、金属水酸化物が200℃以上で結晶水を放出して気化熱を吸収することから、燃焼物質が冷却されて更なる難燃性の効果が発揮される。
請求項10の発明によれば、金属水酸化物として水酸化アルミニウムが配合されることにより、熱伝導性成形体の製造コストが非常に低減される。また、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐が配合される場合、赤燐と水酸化アルミニウムとの組み合わせによって低発煙性の効果が発揮される。
以下、本発明に関してさらに詳しく説明する。
(第一実施形態および第二実施形態)
第一実施形態および第二実施形態の熱伝導性成形体は、熱伝導性充填剤と、基材として末端にアリル基を有する非シリコーン系高分子と、可塑剤として非シリコーン系オイルとを含む高分子組成物から形成される。本発明において、「非シリコーン系高分子」とは、その分子鎖内にシロキサン結合(Si−O)を含まない高分子を意味する。末端にアリル基を有する非シリコーン系高分子としては、具体的には、末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子、及び末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子が挙げられる。また、「非シリコーン系オイル」とは、分子内にシロキサン結合(Si−O)を含む成分を含まないオイルを意味する。非シリコーン系オイルとしては、具体的には、非極性炭化水素系オイル及び極性基含有非シリコーン系オイルが挙げられる。前記非シリコーン系オイルは40℃において70mm/s〜500mm/sの動粘度を有する。前記高分子組成物中、100重量部の前記非シリコーン系高分子に対して、200重量部〜400重量部の前記非シリコーン系オイルが配合されている。前記高分子組成物において、末端にアリル基を有する非シリコーン系高分子と、上記範囲の動粘度を有する非シリコーン系オイルとを配合することにより、得られる熱伝導性成形体は、その実装時に、低分子量シロキサン等の揮発ガスをほとんど発生せず、電子機器内を汚染することがない。また、前記高分子組成物中、非シリコーン系高分子に対して非シリコーン系オイルを上記範囲の割合で配合することにより、得られる熱伝導性成形体が良好な柔軟性を有し、発熱部品や冷却部品との密着性が向上し、熱を効率よく伝えることができる。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態において、熱伝導性成形体は、熱伝導性充填剤と、末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子と、40℃における動粘度が90mm/s〜400mm/sである非極性炭化水素系オイルとを含む高分子組成物から形成される。この高分子組成物中、100重量部の前記非極性炭化水素系高分子に対して、200重量部〜400重量部の前記非極性炭化水素系オイルが配合されている。前記高分子組成物は、さらに硬化剤を含み得る。
本実施形態においては、前記高分子組成物は、基材として末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子を含有する。本発明において、末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子とは、末端にアリル基(CH=CH−CH−)を有し、かつ極性官能基を有さない炭化水素系高分子を指す。末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子はシリコーン成分を含まないため、上述した低分子量シロキサン発生の問題を回避することができる。また、基材として末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子を使用することにより、ヒドロシリル化反応などにより、前記高分子組成物を大気中で加熱硬化させることができる。これにより、熱伝導性成形体の生産性が向上するとともに、製造コストを低減することができる。
このような末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子は、一般に、耐候性、耐薬品性に優れる非極性炭化水素系高分子の末端に、アリル基を導入することにより得ることができる。末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子として、具体的には、末端にアリル基を有するポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、およびポリブテン等が挙げられる。なかでも、耐熱性、電気絶縁性、耐水性に優れる点から、末端にアリル基を有するポリイソブチレンを用いることが好ましい。成形性の点から、本発明に使用される末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子は、常温において、液状である。そのような非極性炭化水素系高分子の数平均分子量は、1000〜20000の範囲であることが好ましい。この数平均分子量が5000〜7000の範囲であると、末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子は比較的低い粘度を有するため、熱伝導性充填剤を高い割合で充填することができるので、特に好ましい。
本実施形態において、前記高分子組成物は、可塑剤として、非極性炭化水素系オイルを含有する。本発明において、非極性炭化水素系オイルとは、極性基で置換されていない炭化水素を主成分とするオイルであり、通常、常温常圧(15℃、1013.25hPa(1気圧))で液体のものを指す。アリル基を有する非極性の炭化水素系高分子に対して、同じく非極性の炭化水素系オイルを用いることにより、相溶性が高まり、アリル基を有する炭化水素系高分子に対して炭化水素系オイルが分散し易くなる。よって、アリル基を有する炭化水素系高分子に対して高い割合で炭化水素系オイルを配合することができる。したがって、より柔軟な熱伝導性成形体を得ることができる。また、非極性炭化水素系オイルもシリコーン成分を含まないため、上述した低分子量シロキサン発生による問題を回避することができる。
このような非極性炭化水素系オイルとしては、具体的には、パラフィンオイル、ポリαオレフィンオイル、ポリブテンオイル等が挙げられる。なかでも、非極性炭化水素系高分子に対して、多量に配合でき、かつ均一分散性に優れるパラフィンオイルが特に好ましい。
また、本実施形態で使用される非極性炭化水素系オイルは、40℃において90mm/s〜400mm/sの動粘度を有する。熱伝導性成形体中において、このような非極性炭化水素系オイルは、熱伝導性成形体の実装使用温度領域で、揮発ガスをほとんど発生せず、電子機器内を汚染することがない。本実施形態において、熱伝導性成形体からの揮発ガス発生促進試験として、熱伝導性成形体を200℃雰囲気で1時間放置し、熱伝導性成形体の重量の減少割合を測定した場合に、重量の減少割合は1%未満と非常に小さい値となる(実施例参照)。よって、揮発性ガスは実質的に発生しないものと見なすことができる。40℃における動粘度が90mm/s未満である非極性炭化水素系オイルは揮発性が高いため、そのようなオイルを用いると、熱伝導性成形体からの揮発ガス量が多くなり電子機器内を汚染する。非極性炭化水素系オイルの40℃における動粘度が400mm/sを超えると、該オイルの粘度が高くなるため、高分子組成物が加工し難くなる。
さらに、前記高分子組成物中、100重量部の前記非極性炭化水素系高分子に対して、200重量部〜400重量部の非極性炭化水素系オイルが配合されている。これにより、シートの硬度が60以下となるような柔軟な熱伝導性成形体が得られる。このような柔軟な熱伝導性成形体は、発熱部品および冷却部品との密着性が向上するため、より効率的に熱を伝導することができる。非極性炭化水素系オイルの配合量が200重量部未満であると、得られる成形体の硬度が高くなり、柔軟な熱伝導性成形体が得られない。非極性炭化水素系オイルの配合量が400重量を超えると、得られた熱伝導性成形体からオイルがブリード(滲出)し易くなり、電子機器内を汚染する可能性が生じる。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態において、熱伝導性成形体は、熱伝導性充填剤と、基材として末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子と、可塑剤として40℃における動粘度が70mm/s〜500mm/sである極性基含有非シリコーン系オイルとを含む高分子組成物から形成される。この高分子組成物中、100重量部の前記非シリコーン系極性高分子に対して、200重量部〜400重量部の前記極性基含有非シリコーン系オイルが配合されている。前記高分子組成物は、さらに硬化剤を含み得る。
本実施形態においては、前記高分子組成物は、基材として末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子を含有する。本発明において末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子とは、分子鎖の末端にアリル基(CH=CH−CH−)を有し、かつ分子鎖内にシロキサン結合(Si−O)を含まず、かつ極性基を有する高分子を指す。末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子はシリコーン成分を含まないため、上述した低分子量シロキサン発生の問題を回避することができる。また、基材として末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子を使用することにより、ヒドロシリル化反応などによって、前記高分子組成物を大気中で加熱硬化させることができる。これにより、熱伝導性成形体の生産性が向上するとともに、製造コストを低減することができる。
末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子としては、具体的には、末端にアリル基を有するポリアクリレート、ポリアミド、およびポリエステル等が挙げられる。なかでも、耐候性、耐熱性、耐油性に優れる点から、末端にアリル基を有するポリアクリレートを用いることが好ましい。成形性の点から、本発明に使用される末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子は、常温において液状である。そのような非シリコーン系極性高分子の数平均分子量は、5000〜30000の範囲であることが好ましい。この数平均分子量が10000〜20000の範囲であると、末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子は比較的低い粘度を有するため、熱伝導性充填剤を高い割合で充填することができるので、特に好ましい。
本実施形態において、前記高分子組成物は、可塑剤として、極性基含有非シリコーン系オイルを含有する。本発明において、極性基含有非シリコーン系オイルとは、極性基を有するがシロキサン結合(Si−O)を含まない化合物を主成分とするオイルであり、通常、常温常圧(15℃、1013.25hPa)で液体のものを指す。極性を有し、かつ、アリル基を有する非シリコーン系極性高分子に対して、同じく極性を備えた、極性基含有非シリコーン系オイルを用いることにより、アリル基を有する非シリコーン系極性高分子に対して極性基含有非シリコーン系オイルが分散し易くなり、アリル基を有する非シリコーン系極性高分子に対して高い割合で極性基含有非シリコーン系オイルを配合することができる。したがって、より柔軟な熱伝導性成形体を得ることができる。また、極性基含有非シリコーン系オイルはシリコーン成分を含まないため、上述した低分子量シロキサン発生による問題を回避することができる。
このような極性基含有非シリコーン系オイルとしては、具体的には、エステル系オイル、およびアクリル系オイル等が挙げられる。なかでも、非シリコーン系極性高分子に対して、多量に配合でき、かつ均一分散性に優れるエステル系オイルが特に好ましい。
また、本実施形態で使用される極性基含有非シリコーン系オイルは、40℃において70mm/s〜500mm/sの動粘度を有する。熱伝導性成形体中において、このような極性基含有非シリコーン系オイルは、熱伝導性成形体の実装使用温度領域で、揮発ガスをほとんど発生せず、電子機器内を汚染することがない。本実施形態において、熱伝導性成形体からの揮発ガス発生促進試験として、熱伝導性成形体を200℃雰囲気で1時間放置し、熱伝導性成形体の重量の減少割合を測定すると、重量の減少割合は1%未満と非常に小さい値となり、揮発性ガスは実質的に発生しないものと見なすことができる(実施例参照)。40℃における動粘度が70mm/s未満である極性基含有非シリコーン系オイルは揮発性が高いため、そのようなオイルを用いると、熱伝導性成形体からの揮発ガス量が多くなり電子機器内を汚染する。極性基含有非シリコーン系オイルの40℃における動粘度が500mm/sを超えると、該オイルの粘度が高くなるため、高分子組成物が加工し難くなる。
さらに、前記高分子組成物中、100重量部の前記非シリコーン系極性高分子に対して、200重量部〜400重量部の極性基含有非シリコーン系オイルが配合されている。これにより、シートの硬度が60以下となるような柔軟な熱伝導性成形体が得られる。このような柔軟な熱伝導性成形体は、発熱部品および冷却部品との密着性が向上するため、より効率的に熱を伝導することができる。極性基含有非シリコーン系オイルの配合量が200重量部未満であると、得られる成形体の硬度が高くなり、柔軟な熱伝導性成形体が得られない。極性基含有非シリコーン系オイルの配合量が400重量を超えると、得られた熱伝導性成形体からオイルがブリード(滲出)し易くなり、電子機器内を汚染する可能性が生じる。
第一実施形態および第二実施形態において使用される硬化剤としては、特に限定されないが、Si−H基を有する硬化剤は、白金触媒の存在下、加熱することによりすみやかにアリル基末端二重結合に付加反応するため好ましい。例えば、基本骨格としてジメチルシロキサン構造(−(CH)Si(CH)O−)を有し、分子鎖内において該構造中のメチル基のいくつかが水素で置換されてSi−H基となっている硬化剤を用いてもよい。また、そのような硬化剤において、基材との相溶性を付与するために、前記ジメチルシロキサン構造がさらに有機物で変性されていてもよい。本発明の高分子組成物に、このようなSi−H基を含む硬化剤を添加すると、該硬化剤と基材であるアリル基を有する非シリコーン系高分子(非極性炭化水素系高分子/非シリコーン系極性高分子)とのヒドロシリル化反応により、前記高分子組成物を大気中で加熱硬化させることができる。これにより、熱伝導性成形体の生産性が向上するとともに、製造コストを低減することができる。また、高分子組成物中における硬化剤の添加量は非常に少量(例えば、非極性/非シリコーン系極性高分子100重量部に対して5〜10重量部程度)であるため、硬化剤のほぼ全量が末端にアリル基を有する炭化水素系高分子と反応して、高分子に取り込まれる。そのため、硬化剤がジメチルシロキサン構造を有していても、未反応の低分子シロキサンが発生することはないものと考えられる。その他にも、過酸化物硬化剤など、二重結合を含む高分子を架橋可能な硬化剤であれば用いることができる。
第一実施形態および第二実施形態において使用される熱伝導性充填剤としては、高い熱伝導性を有するとともに電気絶縁性である金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物などの粉末が挙げられる。具体的には、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、石英、水酸化アルミニウム等の粉末があるが、これらに限定されるものではない。また、高い熱伝導性を有するとともに導電性である、炭素繊維やダイヤモンド、黒鉛等の粉末を用いてもよい。
本発明の高分子組成物は、生産性、耐候性、および耐熱性などの向上を目的として、さらに触媒、硬化遅延剤、劣化防止剤等を適宜適量、含んでもよい。
本発明において、前記高分子組成物は、任意の形状に成形され得る。例えば、前記高分子組成物をシート状に成形して、熱伝導性シートを形成することができる。
本発明の成形方法としては、高分子組成物を金型に注入する方法や、基材上に高分子組成物を流延させる方法などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明の熱伝導性成形体は、電子部品と放熱部材との間に挟持されて電子部品から発生する熱を放熱部材に伝える伝熱シートなどに用いることができる。
(第三実施形態および第四実施形態)
第三実施形態および第四実施形態の熱伝導性成形体は、熱伝導性充填剤と、基材として末端に前記アリル基を有する非シリコーン系高分子と、可塑剤として前記非シリコーン系オイルと、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐とを含む高分子組成物から形成される。末端にアリル基を有する非シリコーン系高分子の定義は上記第一実施形態および第二実施形態と同様であり、末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子、及び末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子が具体例として挙げられる。また、非シリコーン系オイルの定義も上記第一実施形態および第二実施形態と同様であり、非極性炭化水素系オイル及び極性基含有非シリコーン系オイルが具体例として挙げられる。前記高分子組成物中、100重量部の前記非シリコーン系高分子に対して、200重量部〜400重量部の前記非シリコーン系オイルと、前記赤燐のみの割合で3重量部〜200重量部の前記熱硬化性樹脂で被覆された赤燐とが配合されている。前記高分子組成物において、末端にアリル基を有する非シリコーン系高分子と、非シリコーン系オイルとを配合することにより、得られる熱伝導性成形体は、上述と同様の理由により、その実装時に電子機器内を汚染することがないとともに熱を効率よく伝えることができる。さらに、非シリコーン系高分子に対して熱硬化性樹脂で被覆された赤燐を上記範囲の割合で配合することにより、得られる熱伝導性成形体は米国アンダー・ライターズ・ラボラトリーズ・インク(Under Writers Laboratories Inc)によって制定されたUL規格に規定のUL94V−0グレード相当の優れた難燃性を得ることができる。赤燐は、樹脂被覆されていることから末端にアリル基を有する非シリコーン系高分子の架橋反応を阻害しない。
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態において、熱伝導性成形体は、熱伝導性充填剤と、末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子と、40℃における動粘度が90mm/s〜400mm/sである非極性炭化水素系オイルと、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐とを含む高分子組成物から形成される。この高分子組成物中、100重量部の前記非極性炭化水素系高分子に対して、200重量部〜400重量部の前記非極性炭化水素系オイルと、前記赤燐のみの割合で3重量部〜200重量部の前記熱硬化性樹脂で被覆された赤燐とが配合されている。前記高分子組成物は、さらに硬化剤を含み得る。
本実施形態においては、前記高分子組成物は、基材として末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子を含有する。末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子の定義、物性、具体例、好ましい限定および限定理由は第一実施形態と同様である。該非極性炭化水素系高分子は、第一実施形態と同様の理由により、低分子量シロキサン発生の問題を回避することができるうえ、前記高分子組成物を大気中で加熱硬化させることにより、熱伝導性成形体の生産性が向上するとともに製造コストを低減することができる。
本実施形態において、前記高分子組成物は、可塑剤として、非極性炭化水素系オイルを含有する。アリル基を有する非極性の炭化水素系高分子に対して、同じく非極性の炭化水素系オイルを用いることにより、第一実施形態と同様の理由によって、より柔軟な熱伝導性成形体を得ることができる。また、非極性炭化水素系オイルもシリコーン成分を含まないため、上述した低分子量シロキサン発生による問題を回避することができる。このような非極性炭化水素系オイルの具体例、物性、好ましい限定および限定理由は、第一実施形態と同様である。
本実施形態において、前記高分子組成物は、難燃剤として、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐を含有する。赤燐を被覆する熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂で被覆された赤燐は、末端にアリル基を有する非シリコーン系高分子100重量部に対して、赤燐のみの割合で3重量部〜200重量部となるように配合されている。熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の割合が3重量部未満では難燃性の効果が発揮されず、200重量部を超えると、熱伝導性成形体の製造コストが嵩む。
前記高分子組成物中、100重量部の前記非極性炭化水素系高分子に対して、前記配合割合の熱硬化性樹脂で被覆された赤燐に加えて、200重量部〜400重量部の非極性炭化水素系オイルが配合されている。これにより、シートの硬度が60以下となって柔軟性を有し、且つ厚さが1.0mm未満であるような薄いシート状の成形体の場合であっても前記UL94V−0グレード相当の優れた難燃性を有する熱伝導性成形体が得られる。このような柔軟で且つ難燃性に優れる熱伝導性成形体は、発熱部品および冷却部品との密着性が向上するため、より効率的に熱を伝導することができる。非極性炭化水素系オイルの配合量の限定理由は第一実施形態と同様である。
(第四実施形態)
本発明の第四実施形態において、熱伝導性成形体は、熱伝導性充填剤と、基材として末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子と、可塑剤として40℃における動粘度が70mm/s〜500mm/sの極性基含有非シリコーン系オイルと、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐とを含む高分子組成物から形成される。この高分子組成物中、100重量部の前記非シリコーン系極性高分子に対して、200重量部〜400重量部の前記極性基含有非シリコーン系オイルと、前記赤燐のみの割合で3重量部〜200重量部の前記熱硬化性樹脂で被覆された赤燐とが配合されている。前記高分子組成物は、さらに硬化剤を含み得る。
本実施形態においては、前記高分子組成物は、基材として末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子を含有する。末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子はシリコーン成分を含まないため、上述した低分子量シロキサン発生の問題を回避することができる。また、基材として末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子を使用することにより、第二実施形態と同様の理由により、熱伝導性成形体の生産性が向上するとともに、製造コストを低減することができる。末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子の具体例、物性、好ましい限定および限定理由は、第二実施形態と同様である。
本実施形態において、前記高分子組成物は、可塑剤として、極性基含有非シリコーン系オイルを含有する。極性を有し、かつ、アリル基を有する非シリコーン系極性高分子に対して、同じく極性を備えた、極性基含有非シリコーン系オイルを用いることにより、第二実施形態と同様の理由によって、より柔軟な熱伝導性成形体を得ることができる。また、極性基含有非シリコーン系オイルはシリコーン成分を含まないため、上述した低分子量シロキサン発生による問題を回避することができる。このような極性基含有非シリコーン系オイルの具体例、物性、好ましい限定および限定理由は、第二実施形態と同様である。
本実施形態においても、前記高分子組成物は、難燃剤として、第三実施形態と同様の熱硬化性樹脂で被覆された赤燐を含有する。
前記高分子組成物中、100重量部の前記非シリコーン系極性高分子に対して、200重量部〜400重量部の極性基含有非シリコーン系オイルと、赤燐のみの割合で3重量部〜200重量部の熱硬化性樹脂で被覆された赤燐とが配合されている。これにより、シートの硬度が60以下となるような柔軟性を有し、且つ厚さが1.0mm未満であるような薄いシート状の成形体の場合であっても前記UL94V−0グレード相当の優れた難燃性を有する熱伝導性成形体が得られる。このような柔軟で且つ難燃性に優れる熱伝導性成形体は、発熱部品および冷却部品との密着性が向上するため、より効率的に熱を伝導することができる。極性基含有非シリコーン系オイルの配合量の限定理由は第二実施形態と同様である。
第三実施形態および第四実施形態において使用される硬化剤としては、特に限定されないが、Si−H基を有する硬化剤は、白金触媒の存在下、加熱することによりすみやかにアリル基末端二重結合に付加反応するために好ましい。しかし、この反応は、難燃性を付与するために表面処理されていない通常の赤燐が使用されると阻害されることがある。それ故、第三実施形態および第四実施形態では、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の使用により、上記反応が阻害されないようにしている。第三実施形態および第四実施形態の硬化剤の具体例および物性は、第一実施形態および第二実施形態と同様である。
第三実施形態および第四実施形態の熱伝導性充填剤の具体例は、第一実施形態および第二実施形態と同様である。これらの熱伝導性充填剤のうち、200℃以上で結晶水を放出して気化熱を吸収するために燃焼物質を冷却すると考えられ、この点で難燃助剤としての効果が期待されることから、金属水酸化物が好ましい。金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化カルシウムが挙げられる。金属水酸化物のうち、コストが非常に安いだけでなく、赤燐系の難燃剤と組み合わせて使用された際に低発煙効果も望めることから水酸化アルミニウムが特に好ましい。
以下、本発明の実施例を挙げて、さらに詳しく説明する。
第1実施形態の熱伝導性シート
(実施例1)
実施例1においては、末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子として末端にアリル基を有するポリイソブチレン(EP200A、数平均分子量=5000、株式会社カネカ製)100重量部に、非極性炭化水素系オイルとして40℃動粘度が90mm/sであるパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)を300重量部と、熱伝導性充填剤として平均粒径44μmの水酸化アルミニウムを800重量部および平均粒径8μmの水酸化アルミニウムを400重量部と、硬化剤として有機物で変性したジメチルシロキサン構造を有する硬化剤(CR300、株式会社カネカ製)を5重量部と、老化防止剤(ノクラックNS−7、大内新興化学工業株式会社製)を1重量部と、硬化遅延剤(ME−75、GE東芝シリコーン株式会社製)を0.5重量部と、白金触媒(PT−CS−3.2cS、Ferro社(米国)製)を0.1重量部とを配合し、振動攪拌器により混合して高分子組成物を調製した。該高分子組成物をシート状に成形し、真空脱泡後、130℃雰囲気で1時間加熱することにより前記高分子組成物を硬化させて熱伝導性シートを得た。
(実施例2)
実施例2においては、非極性炭化水素系オイルを40℃動粘度が150mm/sのパラフィンオイル(PW−150 出光興産株式会社製)300重量部に変更した以外は、実施例1と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例1と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例3)
本実施例3においては、非極性炭化水素系オイルを40℃動粘度が400mm/sのパラフィンオイル(PW−380 出光興産株式会社製)300重量部に変更した以外は、実施例1と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例1と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例4)
本実施例4においては、40℃動粘度が90mm/sのパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)の配合量を200重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を600重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を300重量部に変更した以外は、実施例1と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例1と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例5)
本実施例5においては、40℃動粘度が90mm/sのパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)の配合量を400重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を1000重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を500重量部に変更した以外は、実施例1と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例1と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例1)
比較例1においては、非極性炭化水素系オイルを40℃動粘度が30mm/sのパラフィンオイル(PW−30 出光興産株式会社製)300重量部に変更した以外は、実施例1と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例1と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例2)
比較例2においては、非極性炭化水素系オイルを40℃動粘度が440mm/sのパラフィンオイル(PS−430 出光興産株式会社製)300重量部に変更した以外は、実施例1と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例1と同様の方法によって、熱伝導性シートの作製を試みた。しかしながら、比較例2では、パラフィンオイルの40℃動粘度が大きいことから、調製した高分子組成物の粘度が大きくなり、該高分子組成物を混練してシート状に成形することができなかった。
(比較例3)
比較例3においては、40℃動粘度が90mm/sのパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)の配合量を150重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を500重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を250重量部に変更した以外は、実施例1と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例1と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例4)
本比較例4においては、40℃動粘度が90mm/sのパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)の配合量を450重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を1100重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を550重量部に変更した以外は、実施例1と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例1と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた熱伝導性シートについて、硬度(JIS K6253準拠、タイプEデュロメータ)および熱抵抗値を測定した。熱抵抗値は、発熱基板(発熱量Q:4W)上に各熱伝導性成形体の試験片(サイズ:厚み1.0mm×縦10mm×横10mm)を配置し、該発熱基板および試験片をヒートシンク(株式会社アルファ製 FH60−30)に一定の荷重(2kgf/cm)で圧接させる。ヒートシンクの上部にはファン(風量:0.01(kg/sec)、風圧:49(Pa))が取り付けられており、ヒートシンクおよび発熱基板には温度センサが接続されている。この状態において発熱基板に通電する。5分経過後、発熱基板の温度(θj1)およびヒートシンクの温度(θi0)を測定し、それらの測定値を下記式に適用することにより熱抵抗値を算出した。尚、上記熱抵抗値と熱伝導率との間には下記の関係が成立し、熱抵抗値を熱伝導率に換算することが可能である。
熱抵抗値(℃/W)=(θj1−θj0)/発熱量Q
=試験片の熱通過方向における厚み(m)/(試験片の熱通過断面積(m)×熱伝導率(W/m・K))
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた熱伝導性シートについて、揮発ガス発生促進試験を行なった。各熱伝導性シートを熱重量測定装置(TGA-50、島津製作所)により200℃1時間定温放置後の重量変化を測定した。
以上の測定結果を表1および表2に示す。
実施例1〜5の熱伝導性シートは、54以下の硬度と、4.2(℃/W)以下の熱抵抗値を有した。従って、これらの熱伝導性シートは、高い熱伝導性を有するとともに、柔軟性に富むため、他部材との密着性が良好となり、より効率的に熱を伝えることができる。熱伝導性成形体を、生産性が高く廉価に得ることができた。また、揮発ガス発生促進試験においても、シート重量の減少割合が1%未満であることから、低分子量シロキサンおよび他の揮発ガスの発生が殆ど無いものと考えられる。また、これらの熱伝導性シートは実装においてブリード現象も起こさなかった。
一方、比較例1の熱伝導性シートは、揮発ガス発生促進試験において、熱伝導性成形体の重量が5%減少した。よって、この熱伝導性シートは、実装において、揮発ガスを発生して電子機器内を汚染する可能性がある。また、比較例3の熱伝導性シートは、揮発ガス発生促進試験における熱伝導性成形体の重量の減少割合が小さいことから、揮発ガスをほとんど発生しないものと考えられる。また実装においてブリード現象も起こさなかった。しかし、シートの硬度が61と柔軟性に劣っているため、シート自身の熱抵抗値は比較的良好であっても、実装した際に、実装対象との十分な密着が得られず、効率的に熱を伝えることができない可能性がある。比較例4の熱伝導性シートは、揮発ガス発生促進試験における熱伝導性成形体の重量の減少割合が小さいことから、揮発ガスをほとんど発生しないものと考えられる。しかしながら、この熱伝導性シートはブリード現象を起こしたことから、実装において電子機器内を汚染する可能性がある。
Figure 0005015450
Figure 0005015450
第2実施形態の熱伝導性シート
(実施例6)
実施例6においては、末端基にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子として末端にアリル基を有するポリアクリレート(SA100A 数平均分子量=20000 株式会社カネカ製)100重量部に、極性基含有非シリコーン系オイルとして40℃動粘度が70mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2362 HATCO社(米国)製)を300重量部と、熱伝導性充填剤として平均粒径44μmの水酸化アルミニウムを800重量部および平均粒径8μmの水酸化アルミニウムを400重量部と、硬化剤として有機物で変性したジメチルシロキサン構造を有する硬化剤(CR500 株式会社カネカ製)を10重量部と、老化防止剤(ノクラックNS−7、大内新興化学工業)を3重量部と、白金触媒(PT−CS−3.2cS、Ferro社(米国)製)を0.5重量部とを配合し、振動攪拌器により混合して高分子組成物を調製した。この高分子組成物をシート状に成形し、真空脱泡した後に、130℃雰囲気で1時間加熱して、前記高分子組成物を硬化することにより熱伝導性シートを得た。
(実施例7)
実施例7においては、極性基含有非シリコーン系オイルを40℃動粘度が120mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2372 HATCO社(米国)製)300重量部に変更した以外は、実施例6と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例1と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例8)
実施例8においては、極性基含有非シリコーン系オイルを40℃動粘度が400mm/sのアクリル系オイル(UP1021 東亜合成株式会社製)300重量部に変更した以外は、実施例6と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例1と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例9)
実施例9においては、極性基含有非シリコーン系オイルを40℃動粘度が500mm/sのアクリル系オイル(UP1020 東亜合成株式会社製)300重量部に変更した以外は、実施例6と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例1と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例10)
実施例10においては、40℃動粘度が70mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2362 HATCO社(米国)製)の配合量を200重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を600重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を300重量部に変更した以外は、実施例6と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例1と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例11)
実施例11においては、40℃動粘度が70mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2362 HATCO社(米国)製)の配合量を400重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を1000重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を500重量部に変更した以外は、実施例6と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例6と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例5)
比較例5においては、極性基含有非シリコーン系オイルを40℃動粘度が30mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2352 HATCO社(米国)製)300重量部に変更した以外は、実施例6と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例6と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例6)
比較例6においては、極性基含有非シリコーン系オイルを40℃動粘度が750mm/sのエステル系オイル(ケッチェンルブ165 アクゾノーベル製)300重量部に変更した以外は、実施例6と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例6と同様の方法によって、熱伝導性シートの作製を試みた。しかしながら、ポリエステル系オイルの動粘度が大きいことから、高分子組成物の粘度が大きくなり、該高分子組成物を混練して、シート状に成形することができなかった。
(比較例7)
比較例7においては、40℃動粘度が70mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2362 HATCO社(米国)製)の配合量を150重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を500重量部、および平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を250重量部に変更した以外は、実施例6と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例6と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例8)
比較例8においては、40℃動粘度が70mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2362 HATCO社(米国)製)の配合量を450重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を1100重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を550重量部に変更した以外は、実施例6と同一の組成の高分子組成物を調製した。
尚、実施例6、実施例10および実施例11、並びに比較例7および比較例8においては、末端にアリル基を有するポリアクリレートとポリオールエステルオイルとの合計量と、熱伝導性充填剤の総量との割合が一定(ポリアクリレート+ポリオールエステルオイル:熱伝導性充填剤=1:3)となるように調整されている。
実施例6〜11および比較例5〜8で得られた熱伝導性シートについて、上述した方法によって、硬度(JIS K6253準拠、タイプEデュロメータ)および熱抵抗値の測定、並びに揮発ガス発生促進試験を行なった。その結果を表3および表4に示す。
実施例6〜11の熱伝導性シートは、49以下の硬度と、3.8(℃/W)以下の熱抵抗値を有した。従って、これらの熱伝導性シートは、高い熱伝導性を有するとともに、柔軟性に富むため、他部材との密着性が良好となり、より効率的に熱を伝えることができる。熱伝導性成形体を、生産性が高く廉価に得ることができた。また、揮発ガス発生促進試験においても、シート重量の減少割合が1%未満であることから、低分子量シロキサンおよび他の揮発ガスの発生が殆ど無いものと考えられる。また、これらの熱伝導性シートは実装においてブリード現象も起こさなかった。
比較例5の熱伝導性シートは、揮発ガス発生促進試験において、熱伝導性シートの重量が5.1%減少したことから、実装において、揮発ガスが電子機器内を汚染する可能性があると考えられる。
比較例7の熱伝導性シートは、揮発ガス発生促進試験における熱伝導性成形体の重量の減少割合が小さいことから、揮発ガスをほとんど発生しないものと考えられる。また実装においてブリード現象も起こさなかった。しかし、シートの硬度が61と柔軟性に劣っているため、シート自身の熱抵抗値は比較的良好であっても、実装した際に、実装対象との十分な密着が得られず、効率的に熱を伝えることができない可能性がある。
比較例8の熱伝導性シートは、揮発ガス発生促進試験における熱伝導性成形体の重量の減少割合が小さいことから、揮発ガスをほとんど発生しないものと考えられる。しかしながら、この熱伝導性シートは実装においてブリード現象を起こしたことから、電子機器内を汚染する可能性がある。
Figure 0005015450
Figure 0005015450
第3実施形態の熱伝導性シート
(実施例12)
実施例12においては、末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子として末端にアリル基を有するポリイソブチレン(EP200A、数平均分子量=5000、株式会社カネカ製)100重量部に、非極性炭化水素系オイルとして40℃動粘度が90mm/sであるパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)を300重量部と、熱伝導性充填剤として平均粒径44μmの水酸化アルミニウムを800重量部および平均粒径8μmの水酸化アルミニウムを400重量部と、難燃剤として熱硬化性樹脂で被覆された赤燐を5重量部と、硬化剤として有機物で変性したジメチルシロキサン構造を有する硬化剤(CR300、株式会社カネカ製)を5重量部と、老化防止剤(ノクラックNS−7、大内新興化学工業株式会社製)を1重量部と、白金触媒(PT−CS−3.2CS、Ferro社(米国)製)を0.1重量部とを配合し、振動攪拌器により混合して高分子組成物を調製した。該高分子組成物をシート状に成形し、真空脱泡後、130℃雰囲気で1時間加熱することにより前記高分子組成物を硬化させて熱伝導性シートを得た。
(実施例13)
実施例13においては、難燃剤としての熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合割合を3重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例14)
実施例14においては、難燃剤としての熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合割合を200重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例15)
実施例15においては、熱伝導性充填材を平均粒径8μmの水酸化アルミニウム800重量部および平均粒径20μmの酸化アルミニウム400重量部に変更し、難燃剤としての熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合割合を40重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例16)
実施例16においては、熱伝導性充填材を平均粒径1μmの水酸化マグネシウム800重量部に変更し、難燃剤としての熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合割合を40重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例17)
実施例17においては、非極性炭化水素系オイルを40℃動粘度が150mm/sのパラフィンオイル(PW−150 出光興産株式会社製)300重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例18)
実施例18においては、非極性炭化水素系オイルを40℃動粘度が400mm/sのパラフィンオイル(PW−380 出光興産株式会社製)300重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例19)
本実施例19においては、40℃動粘度が90mm/sのパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)の配合量を200重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を600重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を300重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例20)
本実施例20においては、40℃動粘度が90mm/sのパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)の配合量を400重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を1000重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を500重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例9)
比較例9においては、難燃剤を表面処理が施されていない通常の赤燐5重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートの作製を試みた。しかしながら、比較例9では、熱硬化性樹脂で被覆されていない赤燐が配合されていることから、上述したアリル基と硬化剤のSi−H基とのヒドロシリル化反応が阻害されて高分子組成物が硬化せず、シート状に成形することができなかった。
(比較例10)
比較例10においては、難燃剤としての熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合量を2重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例11)
比較例11においては、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を600重量部に変更するとともに平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を300重量部に変更し、難燃剤としての熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合量を240重量部に変更し、40℃動粘度が90mm/sのパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)の配合量を400重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例12)
比較例12においては、非極性炭化水素系オイルを40℃動粘度が30mm/sのパラフィンオイル(PW−32 出光興産株式会社製)300重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例13)
比較例13においては、非極性炭化水素系オイルを40℃動粘度が440mm/sのパラフィンオイル(PS−430 出光興産株式会社製)300重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートの作製を試みた。しかしながら、比較例13では、パラフィンオイルの40℃動粘度が大きいことから調製した高分子組成物の粘度が大きくなり、該高分子組成物を混練してシート状に成形することができなかった。
(比較例14)
比較例14においては、40℃動粘度が90mm/sのパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)の配合量を150重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を500重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を250重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例15)
比較例15においては、40℃動粘度が90mm/sのパラフィンオイル(PW−90 出光興産株式会社製)の配合量を450重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を1100重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を550重量部に変更した以外は、実施例12と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例12と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
実施例12〜20及び比較例9〜15で得られた熱伝導性シートについて、上述した方法によって、硬度(JIS K6253準拠、タイプEデュロメータ)および熱抵抗値の測定、並びに揮発ガス発生促進試験を行った。
難燃性に関しては、米国の安全規格であるUL(Under Writers Laboratories Inc)規格のうちプラスチック材料の燃焼性について規定するUL94Vに従って、図1に示した装置を用いて各熱伝導性シートについて燃焼試験を行って評価した。具体的には、クランプ4に支持された各熱伝導性シートの試験片1(長さ127mm×幅12.7mm×厚み1.0mm又は0.5mm)をバーナー2(口径:10mm、長さ:約10cm)の炎2aに10秒間接炎した後、炎2aから離して各試験片1の燃焼時間を記録した。各試験片1の消炎後、再度、炎2aに10秒間接炎させ、その後、炎2aから離して各試験片1の燃焼時間を記録した。さらに、2回目の接炎後の火種の保持時間(グローイング時間)と、試験片1の下方に配置されている脱脂綿3を発火させる滴下物の有無とを記録した。以上の操作を各試験片1について5回1組として行なった。得られた結果を下記の表5に記載の判定基準と照らし合せ、各熱伝導性シートの難燃性グレードを判定した。
以上の測定結果を表6および表7に示す。
実施例12〜20の熱伝導性シートは、55以下の硬度と、4.3(℃/W)以下の熱抵抗値を有し、更に前記UL94V−0グレード相当の優れた難燃性を有していた。従って、これらの熱伝導性シートは、高い熱伝導性を有するとともに、柔軟性に富むため、他部材との密着性が良好となり、より効率的に熱を伝えることができる。更に、これらの熱伝導性シートは、厚さが0.5mmであるような非常に薄いシート状の成形体においても優れた難燃性を有する。熱伝導性成形体を、生産性が高く廉価に得ることができた。また、揮発ガス発生促進試験においても、シート重量の減少割合が1%未満であることから、低分子量シロキサンおよび他の揮発ガスの発生が殆ど無いものと考えられる。また、これらの熱伝導性シートは実装においてブリード現象も起こさなかった。
一方、比較例10の熱伝導性シートは、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合割合が少ないために、厚みが0.5mmの熱伝導性シートにおいては、前記UL94V−0グレード相当の難燃性が得られなかった。比較例11の熱伝導性シートは、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合割合が多いために、コスト高になるだけでなく、製造過程において粘度が高くなり成形性が悪かった。また、熱抵抗値が上昇してしまった。比較例12の熱伝導性シートは、揮発ガス発生促進試験において、熱伝導性成形体の重量が5%減少した。よって、この熱伝導性シートは、実装において、揮発ガスを発生して電子機器内を汚染する可能性がある。比較例14の熱伝導性シートは、揮発ガス発生促進試験における熱伝導性成形体の重量の減少割合が小さいことから、揮発ガスをほとんど発生しないものと考えられる。比較例14の熱伝導性シートは、実装においてブリード現象も起こさなかったが、シートの硬度が62と柔軟性に劣っているため、シート自身の熱抵抗値は比較的良好であっても、実装した際に、実装対象との十分な密着が得られず、効率的に熱を伝えることができない可能性がある。比較例15の熱伝導性シートは、揮発ガス発生促進試験における熱伝導性成形体の重量の減少割合が小さいことから、揮発ガスをほとんど発生しないものと考えられる。しかしながら、この熱伝導性シートはブリード現象を起こしたことから、実装において電子機器内を汚染する可能性がある。
Figure 0005015450
Figure 0005015450
Figure 0005015450
第4実施形態の熱伝導性シート
(実施例21)
実施例21においては、末端基にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子として末端にアリル基を有するポリアクリレート(SA100A 数平均分子量=20000 株式会社カネカ製)100重量部に、極性基含有非シリコーン系オイルとして40℃動粘度が70mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2362 HATCO社(米国)製)を300重量部と、熱伝導性充填剤として平均粒径44μmの水酸化アルミニウムを800重量部および平均粒径8μmの水酸化アルミニウムを400重量部と、難燃剤として熱硬化性樹脂で被覆された赤燐を5重量部と、硬化剤として有機物で変性したジメチルシロキサン構造を有する硬化剤(CR500 株式会社カネカ製)を10重量部と、老化防止剤(ノクラックNS−7、大内新興化学工業)を3重量部と、白金触媒(PT−CS−3.2cS、Ferro社(米国)製)を0.5重量部とを配合し、振動攪拌器により混合して高分子組成物を調製した。この高分子組成物をシート状に成形し、真空脱泡した後に、130℃雰囲気で1時間加熱して、前記高分子組成物を硬化することにより熱伝導性シートを得た。
(実施例22)
実施例22においては、難燃剤としての熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合量を3重量部に変更した以外は、実施例21と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例21と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例23)
実施例23においては、難燃剤としての熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合量を200重量部に変更した以外は、実施例21と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例21と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例24)
実施例24においては、極性基含有非シリコーン系オイルを40℃動粘度が120mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2372 HATCO社(米国)製)300重量部に変更した以外は、実施例21と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例21と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例25)
実施例25においては、極性基含有非シリコーン系オイルを40℃動粘度が500mm/sのアクリル系オイル(UP1020 東亜合成株式会社製)300重量部に変更した以外は、実施例21と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例21と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例26)
本実施例26においては、40℃動粘度が70mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2362 HATCO社(米国)製)の配合量を200重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を600重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を300重量部に変更した以外は、実施例21と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例21と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(実施例27)
実施例27においては、40℃動粘度が70mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2362 HATCO社(米国)製)の配合量を400重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を1000重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を500重量部に変更した以外は、実施例21と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例21と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例16)
比較例16においては、難燃剤としての熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合量を2重量部に変更した以外は、実施例21と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例21と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例17)
比較例17においては、難燃剤としての熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合量を240重量部に変更した以外は、実施例21と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例21と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例18)
比較例18においては、極性基含有非シリコーン系オイルを40℃動粘度が30mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2352 HATCO社(米国)製)300重量部に変更した以外は、実施例21と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例21と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例19)
比較例19においては、極性基含有非シリコーン系オイルを40℃動粘度が750mm/sのエステル系オイル(ケッチェンルブ165 アクゾノーベル製)300重量部に変更した以外は、実施例21と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例21と同様の方法によって、熱伝導性シートの作製を試みた。しかしながら、比較例19では、オイルの40℃動粘度が大きいことから、調製した高分子組成物の粘度が大きくなり、該高分子組成物を混練してシート状に成形することができなかった。
(比較例20)
比較例20においては、40℃動粘度が70mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2362 HATCO社(米国)製)の配合量を150重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を500重量部、および平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を250重量部に変更した以外は、実施例21と同一の組成の高分子組成物を調製した。該高分子組成物から、実施例21と同様の方法によって、熱伝導性シートを得た。
(比較例21)
比較例21においては、40℃動粘度が70mm/sのポリオールエステルオイル(HATCOL2362 HATCO社(米国)製)の配合量を450重量部に変更し、平均粒径44μmの水酸化アルミニウムの配合量を1100重量部に変更し、平均粒径8μmの水酸化アルミニウムの配合量を550重量部に変更した以外は、実施例21と同一の組成の高分子組成物を調製した。
実施例21〜27および比較例16〜21で得られた熱伝導性シートについて、上述した方法によって、硬度(JIS K6253準拠、タイプEデュロメータ)および熱抵抗値の測定、揮発ガス発生促進試験、並びに難燃性試験を行なった。その結果を表8および表9に示す。
実施例21〜27の熱伝導性シートは、49以下の硬度と、3.8(℃/W)以下の熱抵抗値と、前記UL94V−0グレード相当の優れた難燃性とを有していた。従って、これらの熱伝導性シートは、高い熱伝導性を有するとともに、柔軟性に富むため、他部材との密着性が良好となり、より効率的に熱を伝えることができるうえ、優れた難燃性を有することができる。熱伝導性成形体を、生産性が高く廉価に得ることができた。また、揮発ガス発生促進試験においても、シート重量の減少割合が1%未満であることから、低分子量シロキサンおよび他の揮発ガスの発生が殆ど無いものと考えられる。また、これらの熱伝導性シートは実装においてブリード現象も起こさなかった。
比較例16の熱伝導性シートは、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合割合が少ないために、厚みが0.5mmの熱伝導性シートにおいては、前記UL94V−0グレード相当の難燃性が得られなかった。
比較例17の熱伝導性シートは、熱硬化性樹脂で被覆された赤燐の配合割合が多いために、コスト高になるだけでなく、製造過程において粘度が高くなり成形性が悪かった。また、熱抵抗値が上昇してしまった。
比較例18の熱伝導性シートは、揮発ガス発生促進試験において、熱伝導性シートの重量が5.1%減少したことから、実装において、揮発ガスが電子機器内を汚染する可能性があると考えられる。
比較例20の熱伝導性シートは、揮発ガス発生促進試験における熱伝導性成形体の重量の減少割合が小さいことから、揮発ガスをほとんど発生しないものと考えられる。比較例20の熱伝導性シートは、実装においてブリード現象も起こさなかったが、シートの硬度が61と柔軟性に劣っているため、シート自身の熱抵抗値は比較的良好であっても、実装した際に、実装対象との十分な密着が得られず、効率的に熱を伝えることができない可能性がある。
比較例21の熱伝導性シートは、揮発ガス発生促進試験における熱伝導性成形体の重量の減少割合が小さいことから、揮発ガスをほとんど発生しないものと考えられる。しかしながら、この熱伝導性シートは実装においてブリード現象を起こしたことから、電子機器内を汚染する可能性がある。
以上の第3実施形態及び第4実施形態における実施例及び比較例においては、末端にアリル基を有する非シリコーン系高分子と非シリコーン系オイルとの合計量と、熱伝導性充填剤の総量との割合が一定(非シリコーン系高分子+非シリコーン系オイル:熱伝導性充填剤=1:3)となるように調整されているが、この割合以外であっても構わない。
Figure 0005015450
Figure 0005015450
難燃性を評価する装置を示す図。
符号の説明
1…試験片、2…バーナー、3…脱脂綿、4…クランプ。

Claims (10)

  1. 高分子組成物から形成される熱伝導性成形体であって、前記高分子組成物は、
    熱伝導性充填剤と、
    基材として、末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子と、
    40℃における動粘度が90mm/s〜400mm/sである非極性炭化水素系オイルとを含み、前記高分子組成物中、100重量部の前記非極性炭化水素系高分子に対して、800重量部〜1500重量部の前記熱伝導性充填剤、及び200重量部〜400重量部の前記非極性炭化水素系オイルが配合されていることを特徴とする熱伝導性成形体。
  2. 末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子が、末端にアリル基を有するポリイソブチレンであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性成形体。
  3. 非極性炭化水素系オイルが、パラフィンオイルであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱伝導性成形体。
  4. 高分子組成物から形成される熱伝導性成形体であって、前記高分子組成物は、
    熱伝導性充填剤と、
    基材として、末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子と、
    40℃における動粘度が70mm/s〜500mm/sである極性基含有非シリコーン系オイルとを含み、前記高分子組成物中、100重量部の前記非シリコーン系極性高分子に対して、200重量部〜400重量部の前記極性基含有非シリコーン系オイルが配合されていることを特徴とする熱伝導性成形体。
  5. 末端にアリル基を有する非シリコーン系極性高分子が、末端にアリル基を有するポリアクリレートであることを特徴とする請求項に記載の熱伝導性成形体。
  6. 極性基含有非シリコーン系オイルが、エステル系オイルであることを特徴とする請求項またはに記載の熱伝導性成形体。
  7. 前記高分子組成物が、さらに硬化剤を含む請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱伝導性成形体。
  8. 前記高分子組成物が、さらに熱硬化性樹脂で被覆された赤燐を含み、前記高分子組成物中、前記赤燐のみの割合で3重量部〜200重量部の前記熱硬化性樹脂で被覆された赤燐が配合されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱伝導性成形体。
  9. 前記高分子組成物が、前記熱伝導性充填剤として、少なくとも1種類以上の金属水酸化物を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱伝導性成形体。
  10. 前記金属水酸化物が水酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項に記載の熱伝導性成形体。
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