JP2003113318A - 熱可塑性エラストマー組成物及び放熱シート - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及び放熱シート

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JP2003113318A
JP2003113318A JP2001309796A JP2001309796A JP2003113318A JP 2003113318 A JP2003113318 A JP 2003113318A JP 2001309796 A JP2001309796 A JP 2001309796A JP 2001309796 A JP2001309796 A JP 2001309796A JP 2003113318 A JP2003113318 A JP 2003113318A
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Yoichi Nishimuro
陽一 西室
Kunio Machida
邦郎 町田
Shinichi Toyosawa
真一 豊澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放熱シートの放熱性と難燃性を維持しつつ、
十分な強度を有する熱可塑性エラストマー組成物、及び
該組成物からなる放熱シートを提供すること。 【解決手段】 熱可塑性エラストマー、熱伝導性充填材
及び難燃剤を含有してなる熱可塑性エラストマー組成物
であって、該難燃剤の少なくとも一部として難燃性を有
するウィスカを含有する熱可塑性エラストマー組成物、
及び該組成物からなる放熱シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーンゴムに
金属化合物の粉末を分散した放熱シートと同程度の放熱
性を有すると共に、実用上十分な強度と難燃性を有する
熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物からなる放
熱シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子部品や電子機器におい
て、これらから発生する熱を放熱するための放熱対策が
講じられている。最近の電子部品や電子機器は、従来の
ものと比較して耐熱性が向上しているが、高密度実装や
劣悪な環境における使用の増加に伴い、放熱対策は依然
として不可欠なものとなっている。一般の電子機器にお
ける放熱は、電子ファンやブロアーを用いることにより
なされている。一方、ノート型パーソナルコンピュータ
を始めとする小型機器や、高密度実装される電子部品に
おいては、電子ファンやブロアーを設置する空間がない
ため、マイカなどの絶縁板を設置したり、シリコーング
リースなどのコンパウンド材を塗布することにより、放
熱が行われている。また電子部品に対する高性能化の要
求に対応するため、放熱シートを使用するケースが増加
している。
【0003】従来、放熱シートとしては、絶縁性、熱伝
導性、実装効率の向上及び信頼性の向上に効果的なシリ
コーンゴム系の材料に金属粉末又は金属化合物粉末を分
散させた放熱シートが主として使用されており、特にパ
ワー系トランジスタやIC(集積回路)等において多用
されている。しかしながら、金属粉末は、酸化しやす
く、酸化すると性能が変化し、かつ高価であるという問
題がある。シリコーンゴムは、成形の自由度がなく、リ
サイクル使用が不可能であり、シリコーンゴム放熱シー
トは、使用中に低分子量シリコーン成分がブリードアウ
トするため、電子機器や電子部品の誤動作の誘因となる
という問題がある。
【0004】近年、上記の問題を解決した新規の放熱シ
ートとしては、酸化アルミニウムや酸化マグネシウムの
粉末を熱可塑性エラストマーに配合した材料が開発され
ている(特願2000−244580等)。これらの材
料は熱可塑性の特性を生かして射出成形できるので、複
雑な形状に対応可能であり、金属や樹脂と一体成形がで
きる等の優れた特徴を有して注目されている。一方で、
これらの材料は本質的に可燃性である有機材料をベース
に使用しているので、難燃性とするためには従来公知の
難燃剤(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の
金属含水塩、リン含有可塑剤など)を多量に配合する必
要があり、放熱性シートとして使用する場合に、強度が
弱くなるとか、機器に悪影響となる揮発成分の発生が懸
念される等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、放熱シートの放熱性と難燃性を維
持しつつ、実用上十分な強度を有する熱可塑性エラスト
マー組成物、及び該組成物からなる放熱シートを提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討を行った結果、熱可塑性エラス
トマー組成物における難燃剤の少なくとも一部として、
難燃性を有するウィスカを用いることにより、放熱シー
トの放熱性と難燃性を維持しつつ、強度の向上を達成で
きることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて
完成したものである。すなわち、本発明は、熱可塑性エ
ラストマー、熱伝導性充填材及び難燃剤を含有してなる
熱可塑性エラストマー組成物であって、該難燃剤の少な
くとも一部として難燃性を有するウィスカを含有してな
る熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物からなる
放熱シートを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる熱可塑性エラスト
マーとしては、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体
と共役ジエン化合物を主体とする重合体を含むブロック
共重合体又は該ブロック共重合体を水添して得られる水
添ブロック共重合体であることが好ましい。具体的に
は、ポリスチレン/ポリブタジエン/ポリスチレンのブ
ロック共重合体、あるいはポリスチレン/ポリイソプレ
ン/ポリスチレンのブロック共重合体、又は該ブロック
共重合体を水添して得られる、例えば、スチレン−エチ
レン/ブチレン−スチレンのトリブロック共重合体(S
EBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン
のトリブロック共重合体(SEPS)などを挙げること
ができる。これらの熱可塑性エラストマーの数平均分子
量は60000以上であることが好ましい。この数平均
分子量が60000未満であると、パラフィン系オイル
を該熱可塑性エラストマーに添加した場合に、そのブリ
ードが増加し、不都合が生じることがある。この数平均
分子量の上限は特に制限はないが、通常は400000
程度である。
【0008】次に、本発明においては、熱伝導性充填材
を含有することが必須であるが、該熱伝導性充填材とし
ては、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、酸化
マグネシウム、二酸化ケイ素などの酸化物、窒化ホウ
素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの窒化物、アル
ミニウム、鉄、銅などの金属粉および炭化ケイ素等を用
いることができる。その中でも、形状のバリエーション
があって高充填が可能であり、かつ安価である点から、
酸化アルミニウム粉末が好ましい。ところで、該熱伝導
性充填材はその粒径が小さいと、充填時に配合物の粘度
が顕著に上昇し、充填しにくくなり、その結果、熱伝導
性の高い放熱シートを得ることができない場合がある。
また、該熱伝導性充填材の粒径が大きいと、放熱シート
を作製したときに異物となり、外観に悪影響を及ぼした
り、得られる放熱シートが脆くなり、裂け易くなる場合
がある。このような観点から、該熱伝導性充填材の平均
粒径は2〜80μmが好ましく、より好ましくは3〜5
0μmである。なお、酸化アルミニウム粉末の場合はそ
の平均粒径は8〜80μmが適当であり、好ましくは1
5〜50μmである。8μm未満の場合、全体の粘度が
高くなり、均一な分散が取り難く、成形性が劣る場合が
ある。一方、80μmを超える放熱シートを作成した場
合に表面に異物として現れたり、シートが脆くなるなど
して好ましくない場合がある。また、熱可塑性エラスト
マー組成物に該熱伝導性充填材を多量に添加できるよう
にする点から、該熱伝導性充填材は、その粒度分布にお
いて2個以上のピークを有するものが好ましい。尚、平
均粒径の異なるものを2種以上混合することにより、こ
のような粒度分布を有する粉末を得ることができる。熱
伝導性充填材の配合量は、成形された組成物中における
体積分率として、10〜70容量%、さらには、30〜
50容量%の範囲とすることが好ましい。10容量%未
満であると放熱シートが十分な放熱性を発揮しない場合
があり、また70容量%を超えて配合すると、放熱シー
トの強度、熱伝導性、成形性等に劣る場合があるからで
ある。
【0009】また、本発明においては、熱可塑性エラス
トマー組成物は難燃剤を含有するものであるが、特に、
その難燃剤の少なくとも一部として難燃性を有するウィ
スカを含有することが必須である。難燃性を有するウィ
スカとしては、結晶水を有し、平均繊維長が0.5〜3
0μm、さらには2〜15μm、平均繊維径が0.1〜
5μm、さらには0.2〜2μmの範囲にあるウィスカ
が好ましい。難燃性を有するウィスカとして具体的に
は、塩基性硫酸マグネシウムウィスカやケイ酸カルシウ
ムウィスカを好ましく用いることができる。塩基性硫酸
マグネシウムウィスカとしては、例えば、水酸化マグネ
シウムと硫酸マグネシウムを原料とした水熱合成で得ら
れ、MgSO4・5Mg(OH)2・3H2Oで表される宇
部マテリアル(株)製の「モスハイジ」(平均繊維長1
0μm、平均繊維径0.5μm)を挙げることができ
る。また、ケイ酸カルシウムウィスカとしては、例え
ば、同様の水熱合成で得られ、6CaO・6SiO2
2Oで表される宇部マテリアル(株)製の「ゾノハイ
ジ」(平均繊維長4μm、平均繊維径0.4μm)を挙
げることができる。難燃性を有するウィスカの配合量
は、成形された組成物中における体積分率として、3〜
20容量%、さらには、6〜15容量%の範囲とするこ
とが好ましい。3容量%未満であると放熱シートの強度
の向上が十分でない場合があり、また20容量%を超え
て配合すると、材料の流動性が低下して成形性が低下し
たり、放熱シートが硬くなって発熱体との密着性が低下
し、放熱性に劣る場合があるからである。
【0010】本発明における熱可塑性エラストマー組成
物中の難燃剤としては、上記の難燃性を有するウィスカ
に加えて、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等
の水和金属系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃
剤、臭素系難燃剤等を用いることができる。難燃性を有
するウィスカと併用するこれらの難燃剤の平均粒径は
0.1〜10μmの範囲が好ましく、さらには0.2〜
6μmの範囲が好ましい。0.1μm未満では難燃剤同
士の凝着が起こりやすくなり、10μmを超えると高度
な分散がし難くなり、いずれも難燃性の効果が十分発揮
されない場合があるからである。難燃性を有するウィス
カを含む全難燃剤の配合量は、成形された組成物中にお
ける体積分率として、5〜50容量%、さらには、10
〜30容量%の範囲とすることが好ましい。5容量%未
満であると十分な難燃性の効果を発揮しない場合があ
り、また50容量%を超えて配合すると、放熱シートの
強度、熱伝導性、成形性等に劣る場合があるからであ
る。なお、熱伝導性充填材及び難燃剤と熱可塑性エラス
トマー組成物との相溶性を改善する、作業性を改善す
る、安定性を上げる、或いは分散性を上げるなどの目的
で、熱伝導性充填材及び難燃剤の表面処理を施すことも
可能である。
【0011】本発明の熱可塑性エマラストマー組成物に
は、該組成物の加工性、耐熱特性の向上を図るため、ポ
リプロピレンを主成分とするプロピレン系重合体、具体
的にはプロピレン単独重合体及び/又はプロピレンを主
体とするプロピレン共重合体を加えることが好ましい。
プロピレン系重合体として、好ましくはアイソタクティ
ックポリプロピレン,プロピレンと他の少量のα−オレ
フィンとの共重合体(例えば、プロピレン−エチレン共
重合体,プロピレン/4−メチル−1−ペンテン共重合
体)などを挙げることができる。プロピレン重合体とし
てアイソタクティックポリプロピレンを用いる場合、そ
のMFR(JIS K7210)が0.1〜100g/1
0分、特に0.5〜50g/10分の範囲のものが好適に
使用できる。該プロピレン系重合体成分の配合量は、熱
可塑性エラストマー100重量部に対し、1〜100重
量部の範囲が好ましく、さらには3〜40重量部、特に
は5〜30重量部の範囲であることが好ましい。この配
合量が100重量部を超えると、得られる熱可塑性エラ
ストマー組成物の硬度が高くなり過ぎる場合がある。
【0012】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物は、パラフィン系オイルを配合することが好ましい。
この配合によって、熱可塑性エラストマー組成物を低硬
度化することができるからである。その配合量は、熱可
塑性エラストマー100重量部に対し、20〜500重
量部の範囲が好ましく、さらには25〜300重量部の
範囲が好ましい。この配合量が20重量部未満では充分
な低硬度化が達成できず熱可塑性エラストマー組成物の
柔軟性が不充分となり、また500重量部を超えるとパ
ラフィン系オイルがブリードしやすくなり、かつ熱可塑
性エラストマー組成物の機械的強度が低下する原因とな
る場合がある。尚、パラフィン系オイルの配合量は、熱
可塑性エラストマーの分子量及び該熱可塑性エラストマ
ーに添加される他の成分の種類に応じて、上記範囲で適
宜選定することが好ましい。また、このパラフィン系オ
イルは、40℃における動粘度が100mm /se
c以上のものが好ましく、特に100〜10000mm
/sec、さらに200〜5000mm /se
cが好ましい。さらに、このパラフィン系オイルは、重
量平均分子量が450〜5000であるものが好まし
い。
【0013】さらに、本発明の熱可塑性エラストマー組
成物には、ポリフェニレンエーテル及び/又はポリスチ
レン樹脂で変性されたポリフェニレンエーテル(以下
「PPE」という場合がある。)を含有することが好ま
しい。これにより、熱可塑性エラストマー組成物の難燃
性及び機械的強度が向上する。ポリフェニレンエーテル
はポリフェニレンオキシドとも呼ばれ、主に高い耐熱性
を要求される多くの用途に使用されるエンジニアリング
プラスチックとして知られているものである。本発明に
おいては、熱可塑性エラストマー組成物の加工性を向上
させるために、ポリフェニレンエーテルとの相溶性に優
れるポリスチレン樹脂、特に耐衝撃強度を改善するため
にゴム変性された耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)で
変性されたポリフェニレンエーテルを使用することが好
ましい。なお、本発明においては、ポリスチレン変性し
ていないポリフェニレンエーテルとポリスチレン変性し
たポリフェニレンエーテルを混合して使用してもよい。
また、PPEの配合量としては、熱可塑性エラストマ
ー、又はこれにプロピレン単独重合体及び/又はプロピ
レンを主体とするプロピレン共重合体やパラフィン系オ
イルを含有する場合には、PPEを含め、成形体中でマ
トリックスを形成するこれらの成分全体を100重量部
としたときに、8〜40重量部の範囲が好ましく、より
好ましくは10〜30重量部、さらには12〜25重量
部の範囲が好ましい。PPEの配合量が8重量部未満で
あると、難燃性の向上が十分でない場合があり、一方4
0重量部を超えて配合すると、難燃性は向上するが、放
熱シートの硬度が上がり、発熱体との密着性が低下する
ことで放熱特性が低下する場合がある。
【0014】本発明の熱可塑エラストマー組成物の製造
方法は、特に限定されず、公知の方法を適用することが
できる。例えば、前記の各成分及び所望により用いられ
る添加剤成分を加熱混練機、例えば、一軸押出機,二軸
押出機,ロール,バンバリーミキサー,プラベンダー,
ニーダー,高剪断型ミキサーなどを用いて溶融混練り
し、さらに、所望により有機パーオキサイドなどの架橋
剤、架橋助剤などを添加したり、又は、これら必要な成
分を同時に混合し、加熱溶融混練りすることにより、熱
可塑性エラストマー組成物を容易に製造することができ
る。尚、本発明の組成物は、熱可塑性エラストマーを配
合しているものであるため、射出成形が可能で、生産性
の観点から有利であり、また、複雑な形状の放熱材を成
形したり、他の樹脂材料や金属材料と一体成形できる等
の利点を有する。
【0015】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。 実施例1〜3、参考例1 第1表に示す熱可塑性エラストマー組成物を、2本ロー
ルを用いて混練し、手動式圧縮プレスを用いて0.5m
mの放熱シートに腑形した。
【0016】
【表1】
【0017】なお、各成分に用いた材料は以下の通りで
ある。 熱可塑性エラストマー:スチレン−エチレン/プロピ
レン−スチレンのトリブロック共重合体〔クラレ(株)
製、商品名:セプトン4077、数平均分子量:30万
以上、比重:0.92〕 ポリプロピレン:〔チッソ(株)製、商品名:チッソ
ポリプロCF3031、MFR:0.5g/10分、比
重:0.90〕 パラフィン系オイル〔出光興産(株)製、商品名:ダ
イアナプロセスオイルPW380、40℃における動粘
度:380mm2/sec、重量平均分子量:750、
比重:0.88〕 変性ポリフェニレンエーテル:HIPSで変性された
ポリフェニレンエーテル〔旭化成工業(株)製、商品
名:ザイロンX0108、比重:1.05〕 熱伝導性充填剤:酸化アルミニウム粉末〔昭和電工
(株)製、商品名:アルミナAS−10、平均粒径37
μm、比重:3.9〕 難燃剤:水酸化マグネシウム〔共和化学工業(株)
製、商品名:キスマ5A、平均粒径:0.5μm、比
重:2.36〕 難燃剤:リン系難燃剤〔日本化学工業(株)製、商品
名:ビシガードEL、平均粒径3μm、比重:2.2
5〕 難燃剤:塩基性硫酸マグネシウムウィスカ〔宇部マテ
リアルズ(株)製、商品名:モスハイジSN、平均直
径:0.5μm、平均長さ:10μm、比重:2.3〕
【0018】得られた放熱シートについて、以下の方法
により、その性能を評価した。結果を第1表に示す。 (強度の評価:引張り強度の測定)DIN3号打ち抜き
試験片を使用し、インストロン万能試験機を用いて、引
張り速度5mm/minで測定した。 (熱伝導性の評価:熱抵抗の測定)各放熱シートを幅2
1mm、長さ36mmに裁断して試料を作製し、トラン
ジスタ放熱器型熱抵抗測定器〔コム電子(株)製〕を用
いて熱抵抗を測定した。この測定器は、125Wタイプ
のトランジスタ素子〔サンケン電気(株)製、2SC2
921〕及び0.94℃/Wタイプの放熱器〔オーエス
(株)製、FBA150PS−AN−0〕を備えたもの
である。トランジスタ素子と放熱器との間に、両者に密
着させて試料を載置し、19.421Wの電力を印加
し、トランジスタ素子の表面温度T1と放熱器の表面温
度T2を熱電対を用いて測定し、以下の式 熱抵抗(℃/W)=(T1−T2)/19.421 により熱抵抗を求めた。なお、発熱体であるトランジス
タ素子の表面温度と放熱器の表面温度との差が小さいほ
ど放熱シートの放熱性が良好であるといえる。 (難燃性の評価)UL−94規格に準じて行なった(試
料4個の平均)。
【0019】引張り強度に関して、塩基性硫酸マグネシ
ウムウィスカの添加により、著しい強度の向上が見られ
る。実施例3〜5は、スイッチング電源用に一般に使用
されているシリコーン系放熱シートに匹敵する、40k
gf/cm2以上の強度を示している。熱伝導性を示す
熱抵抗値に関して、シリコーンゴムをマトリックスとし
た市販の放熱シートの熱抵抗は、通常0.5〜2.0℃
/Wである。スイッチング電源などに使用されるトラン
ジスタ等の熱を効率よく逃すためには、本実施例の系に
おいては、熱抵抗が、1.6℃/W以下、好ましくは
1.5℃/W以下程度であることが望まれるが、本実施
例における放熱シートは十分低い熱抵抗値を維持してい
る。難燃性に関しては、参考例1と実施例1との比較か
ら、塩基性硫酸マグネシウムウィスカの添加により難燃
性に変化はないが、変性ポリフェニレンエーテルを添加
した実施例2〜5は、UL94規格でのV−1を満た
し、充分な難燃性を有する。
【0020】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、以上の実施例に示されるように、難燃性を有するウ
ィスカを難燃剤の少なくとも一部として添加することに
より、放熱性(熱伝導性)と難燃性を維持した上で、強
度の向上した放熱シートを得ることを可能とするもので
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53/02 C08L 53/02 71/12 71/12 91/00 91/00 H01L 23/373 H01L 23/36 M Fターム(参考) 4F071 AA02 AA12X AA20 AA22X AA51 AA71 AA75 AB24 AD01 AE07 AE17 AF14 AF43 AF47 AH12 BC01 4J002 AE05X BB123 BB143 BB153 BP01W CH074 DA076 DA086 DA096 DE076 DE078 DE106 DE146 DE148 DF016 DG037 DJ006 DJ007 DJ016 DK006 FA067 FD016 FD02X FD137 FD138 FD206 GQ00 5F036 AA01 BB21 BD21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマー、熱伝導性充填材
    及び難燃剤を含有してなる熱可塑性エラストマー組成物
    であって、該難燃剤の少なくとも一部として難燃性を有
    するウィスカを含有することを特徴とする熱可塑性エラ
    ストマー組成物。
  2. 【請求項2】 前記難燃性を有するウィスカが、塩基性
    硫酸マグネシウムであることを特徴とする請求項1に記
    載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性エラストマーが、ビニル芳
    香族化合物を主体とする重合体と共役ジエン化合物を主
    体とする重合体を含むブロック共重合体又は該ブロック
    共重合体を水添して得られる水添ブロック共重合体であ
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱可
    塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性エラストマー組成物が、さ
    らにプロピレン単独重合体及び/又はプロピレンを主体
    とするプロピレン共重合体を含むことを特徴とする請求
    項1〜請求項3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマ
    ー組成物。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性エラストマー組成物が、さ
    らにパラフィン系オイルを含むことを特徴とする請求項
    1〜請求項4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー
    組成物。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性エラストマー組成物が、さ
    らにポリフェニレンエーテル及び/又はポリスチレン樹
    脂で変性されたポリフェニレンエーテルを含有してなる
    請求項1〜請求項5のいずれかに記載の熱可塑性エラス
    トマー組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
    熱可塑性エラストマー組成物からなる放熱シート。
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