JP6133257B2 - 高熱伝導性絶縁架橋性組成物、高熱伝導性絶縁架橋組成物、高熱伝導性絶縁架橋成形体及びその製造方法 - Google Patents

高熱伝導性絶縁架橋性組成物、高熱伝導性絶縁架橋組成物、高熱伝導性絶縁架橋成形体及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、高熱伝導性絶縁架橋性組成物、高熱伝導性絶縁架橋組成物、高熱伝導性絶縁架橋成形体及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、難燃性が優れ、低硬度で弾性のある高熱伝導性絶縁架橋成形体、この成形体を形成可能な高熱伝導性絶縁架橋性組成物及び高熱伝導性絶縁架橋組成物、並びに、高熱伝導性絶縁架橋成形体の製造方法に関する。
半導体チップの高集積化が急速に進んでいることから、作動により熱を発する電子部品(発熱性電子部品)においては、その発熱密度が上昇する傾向にある。これらの熱は製品の寿命や正常な動作に対して悪影響を及ぼす。したがって、この熱を速やかに放熱、冷却し、ヒートスポットを解消することがますます重要になっている。
このような熱を放熱させる放熱部材として、ヒートパイプ、ヒートシンクや、アルミ又は銅等の金属製放熱プレート、シリコーンゴム製等の放熱パッドや放熱シート等の成形体がある。
これらの放熱部材には、放熱性に加えて、電気・電子機器類の正常な動作の観点から電気絶縁性を有すること、また、安全性の点から難燃性を有することも、重要な要求特性になっている。
このような放熱部材、特に放熱部材として用いられる成形体を形成する材料として、例えば、ブロック共重合体及びパラフィン系プロセスオイル等を含有する樹脂組成物が提案されている(特許文献1〜4参照)。
また、放熱部材に用いられる成形体として、官能基含有アクリル系共重合体を架橋剤にて硬化してなるシートも提案されている(特許文献5)。
特開2001−106865号公報 特開2008−150629号公報 特開2008−163145号公報 特開2008−150629号公報 特開2005−306967号公報
放熱部材として用いられる成形体は、通常、発熱性電子部品を放熱できるように、例えば狭小なスペースに設けられる。したがって、放熱部材としての成形体には、組み付け作業性の点から低硬度であることが求められている。
さらには、発熱性電子部品の使用耐久性が向上していること(長期寿命)から、組み付け後の温度変化や振動等によって発熱性電子部品と放熱部材との間に隙間が開かないことが重要になっている。したがって、放熱部材としての成形体には、ゴム弾性を有することが求められるようになっている。本発明において、ゴム弾性とは、圧縮に反発する応力による戻りとして表すことができる。このゴム弾性は、短時間に発現することが重要であり、JIS K 7312に準拠してタイプC硬度計にて測定した「硬さの15秒値」が「硬さの初期値」に対して80%以上であることが好ましい。
しかし、このような成形体は、通常、熱伝導性フィラーを多量に配合して熱伝導性を高めている。これにより、硬度が高くなってしまう。
また、例えば特許文献2のように、ベースゴムとして熱可塑性エラストマーを用いることでゴム弾性を付与することも試みられている。しかし、熱可塑性エラストマーを用いても、熱伝導性を高めるためには、熱伝導性フィラーを多量に配合する必要がある。したがって、熱可塑性エラストマーの特性を十分に活用できず、所望のゴム弾性が得られない。そもそも、熱可塑性エラストマーは高温で軟化現象を起こし、高温域でのゴム弾性が劣るという特性を有している。
ゴム弾性を大きくするために、ベースゴム等を架橋することも考えられる。しかし、一般的に、ベースゴム等の架橋には熱プレス等の架橋工程を必要とする。この架橋工程が、コストアップの要因となり、難点となっている。
本発明は、難燃性が優れ、低硬度でゴム弾性を有する高熱伝導性絶縁架橋成形体、この成形体を形成可能な高熱伝導性絶縁架橋性組成物及び高熱伝導性絶縁架橋組成物、並びに、高熱伝導性絶縁架橋成形体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を行ったところ、成形体を形成する材料において、スチレン系熱可塑性エラストマーをベースポリマーとし、ハードセグメントであるスチレンブロックを架橋することにより、放熱部材に要求される熱伝導性及び難燃性を満たすのに十分な量の特定の熱伝導性フィラーと、熱伝導性フィラーによる硬度の上昇を抑えてゴム弾性を発現可能な量のオイルとを含有させることができ、低硬度でゴム弾性が大きく、しかも難燃性にも優れる高熱伝導性絶縁架橋成形体が得られることを見出した。
本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
(1)スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、熱伝導性フィラー2000〜6000質量部と、パラフィン系オイル550〜1500質量部と、有機過酸化物0.3〜5質量部とを含有し、
前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、架橋性スチレンブロックを有する架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーを少なくとも50質量%含み、
前記架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーのスチレンブロックの構成成分が、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルスチレン構成成分を有し、
前記熱伝導性フィラー2000〜6000質量部のうち、少なくとも1000質量部が水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも1種の金属水酸化物であり、かつ0〜200質量部(ただし、金属水酸化物が3000質量部未満であるとき、20〜200質量部)が膨張黒鉛である、高熱伝導性絶縁架橋性組成物。
)前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、前記架橋性スチレンブロックを有する架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーである(1)に記載の高熱伝導性絶縁架橋性組成物。
前記(1)または2)に記載の高熱伝導性絶縁架橋性組成物を架橋してなる高熱伝導性絶縁架橋組成物。
前記)に記載の高熱伝導性絶縁架橋組成物を成形してなる高熱伝導性絶縁架橋成形体。
前記(1)または2)に記載の高熱伝導性絶縁架橋性組成物を密閉型混合機で混合して動的架橋を行い、その後、成形する高熱伝導性絶縁架橋成形体の製造方法。
本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物、高熱伝導性絶縁架橋組成物及び高熱伝導性絶縁架橋成形体の「高熱伝導性」とは、本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物、高熱伝導性絶縁架橋組成物及び高熱伝導性絶縁架橋成形体が有する性質であって、JIS R 2616に規定の「熱線法」による熱伝導率が1.3W/mK以上であることをいう。
また、熱伝導性フィラーの「熱伝導性」とは、フィラーが有する性質であって、配合することにより、高熱伝導性絶縁架橋性組成物等の熱伝導率を上昇させうるものいう。
本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体は、低硬度でゴム弾性を有し、優れた難燃性を示す。さらには、熱を効率よく伝達することが可能であり、優れた電気絶縁性をも示す。したがって、電気・電子機器類におけるヒートスポットの解消、均熱化、熱拡散等の用途に好適に用いることができる。
本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物、高熱伝導性絶縁架橋組成物、及び、高熱伝導性絶縁架橋成形体の製造方法は、上記の優れた特性を持つ本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体を製造可能であり、さらに好ましくは加工作業性にも優れる。
図1は実施例17で製造した高熱伝導性絶縁積層体1の表面追従性試験を説明する図である。
以下に、本発明の実施の形態について、さらに詳しく説明するが、本発明は下記実施の態様に限定されるものではない。
<高熱伝導性絶縁架橋性組成物>
本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物(高熱伝導性絶縁架橋性混和物ともいう)は、架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーを含有するスチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、熱伝導性フィラー2000〜6000質量部と、パラフィン系オイル550〜1500質量部と、有機過酸化物0.3〜5質量部を含有する。
スチレン系熱可塑性エラストマーは、架橋性スチレンブロックを有する架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーを少なくとも50質量%含んでいる。
また、熱伝導性フィラーは、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも1種の金属水酸化物を少なくとも1000質量部と、膨張黒鉛を0〜200質量部(ただし、金属水酸化が1000質量部以上3000質量部未満であるとき、20〜200質量部)とを含んでいる。
(スチレン系熱可塑性エラストマー)
本発明に用いるスチレン系熱可塑性エラストマーは、架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーを含む。
本発明において、スチレンブロックが有機過酸化物により架橋可能なスチレン構成成分を有するものを架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーといい、有機過酸化物により架橋する架橋性スチレン構成成分を有しないものを非架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーということがある。単にスチレン系熱可塑性エラストマーというときは、特に限定しない限り、両者を意味する。
本発明において、スチレン系熱可塑性エラストマーは、架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーを50質量%以上含んでいる。これにより、低硬度でゴム弾性が大きく、しかも難燃性にも優れる高熱伝導性絶縁架橋成形体を得ることができる。また、本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物、本発明の高熱伝導性絶縁架橋組成物及び高熱伝導性絶縁架橋成形体をリサイクル・リユースすることができる。
スチレン系熱可塑性エラストマー中の、架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーの含有率は、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。その上限は、特に限定されず、100質量%とすることもできる。
(1)非架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー
非架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントとをそれぞれ1種以上有する共重合体であればよい。例えば、ハードセグメントとしてスチレンブロックと、ソフトセグメントとして共役ジエンブロック又はこれを水素添加して得られるブロックとを有してなる。ソフトセグメントは水素添加して得られるブロックが寿命の点で好ましい。
非架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーは、2元共重合体でも3元共重合体でもよく、またハードセグメントとソフトセグメントとの結合様式も特に限定されない。
スチレン系熱可塑性エラストマーは電気絶縁性に優れ、適度な柔軟性と強度を持つ。
スチレンブロックの構成成分としては、非架橋性のものであれば特に限定されず、例えば、スチレン構成成分が好ましく挙げられる。
共役ジエンブロックの構成成分としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の各構成成分が挙げられ、これら1種単独で使用され、又は2種以上が併用される。
(2)架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー
通常、一般的なスチレン系熱可塑性エラストマーは、有機過酸化物を用いればソフトセグメントを架橋しうるが、本発明においてはハードセグメントが架橋可能な架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーを用いる。これにより、成形体にゴム弾性を発現させることができる。また、成形体に要求されるだけの含有量で熱伝導性フィラー及びオイルを含有させることができる。さらには本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物にリサイクル性又はリユース性を付与することもできる。
架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン構成成分が有機過酸化物等により架橋可能であること以外は非架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーと同じである。
架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーのスチレンブロックの構成成分としては、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルスチレン構成成分を有するものが好ましい。
このため、本発明で使用する架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーのスチレンブロックの構成成分は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルスチレン構成成分を有する。
アルキルスチレン構成成分において、アルキル基が結合する位置及び数は特に限定されない。例えば、アルキル基が結合する位置は、エラストマーの主鎖に結合する炭素原子を基準にして、オルト位、メタ位、パラ位のいずれであってもよく、また1〜5個のアルキル基を有していてもよい。なかでも、パラ位にアルキル基を有するスチレン構成成分が好ましく、1つのアルキル基をパラ位に有するp−アルキルスチレン構成成分が特に好ましい。アルキル基は、ハロゲン原子を有していてもよい。
このようなアルキルスチレン構成成分としては、例えば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジエチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、2,4,6−トリエチルスチレン、o−プロピルスチレン、m−プロピルスチレン、p−プロピルスチレン、2,4−ジプロピルスチレン、3,5−ジプロピルスチレン、2,4,6−トリプロピルスチレン、2−メチル−4−エチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、2,4−ビス(クロロメチル)スチレン、3,5−ビス(クロロメチル)スチレン、2,4,6−トリ(クロロメチル)スチレン、o−ジ(クロロメチル)スチレン、m−ジ(クロロメチル)スチレン、p−ジ(クロロメチル)スチレン等の各構成成分が挙げられる。なかでも、架橋反応性に優れる点で、p−メチルスチレン構成成分が好ましい。
スチレンブロックは、このアルキルスチレン構成成分を有していればよく、アルキル基を有しない非架橋性の上記スチレン構成成分を有していてもよい。
アルキルスチレン構成成分の含有率は、架橋可能な量であれば特に限定されない。例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーの構成成分の全質量に対して、アルキルスチレン構成成分が5〜60質量%であるのが好ましく、10〜40質量%であるのがより好ましい。アルキルスチレン構成成分の含有率が上記範囲になると、架橋反応が速やかに進行し、成形体にゴム弾性を発現させることができる。また、成形体に要求されるだけの含有量で熱伝導性フィラー及びオイルを含有させることができる。
ソフトセグメントを構成する構成成分の含有率は、アルキルスチレン構成成分の含有率との合計がスチレン系熱可塑性エラストマーの構成成分の全質量となる含有率であることが好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水素化SBS、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、水素化SIS、水素化スチレン・ブタジエンゴム(HSBR)、水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム(HNBR)等からなるものを挙げることができる。架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーは、アルキルスチレン構成成分を有する上記例示の各エラストマーが挙げられる。
非架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーは、なかでも、SEPS、SEEPS又はSEBSが好ましい。
架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーは、なかでも、アルキルスチレン構成成分を有する、SEEPS又はSEBSが好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーの数平均分子量は、特に限定されないが、例えば、50,000〜1,000,000が好ましい。数平均分子量の測定方法は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン検量線から求められる。
スチレン系熱可塑性エラストマーは、市販品を用いることができる。例えば、「タフテックH1221、H1052」(いずれも、商品名、旭化成社製)、「AR741N、751N」(いずれも、商品名、アロン化成社製)、「セプトン2006、4055、V9461」(いずれも、商品名、クラレ社製)、及び、「ラバロンSJ4400、SJ5400、T320C」(いずれも、商品名、三菱化学社製)等の市販品を用いることができる。
(熱伝導性フィラー)
本発明に用いる熱伝導性フィラーは、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも1種の金属水酸化物を含有する。また、この金属水酸化物の含有量により膨張黒鉛をさらに含有する。これにより、高熱伝導性絶縁架橋性組成物や高熱伝導性絶縁架橋成形体等に熱伝導性に加えて、優れた難燃性も付与できる。熱伝導性フィラーの熱伝導性は、高熱伝導性絶縁架橋性組成物等に高熱伝導性を付与できるものであればよく、例えば、熱伝導率が2W/mK以上であることが好ましい。
熱伝導性フィラーは、少なくとも1種の金属水酸化物を含んでいればよく、金属水酸化物のみを含んでいてもよい。金属水酸化物及び膨張黒鉛を併用する場合、熱伝導性フィラーは、少なくとも1種の金属水酸化物及び少なくとも1種の膨張黒鉛をそれぞれ含んでいればよく、金属水酸化物及び膨張黒鉛のみを含んでいてもよい。
熱伝導性フィラーは、金属水酸化物及び膨張黒鉛に加えて、放熱部品に通常用いられ、上述の性質を有する別異の熱伝導性フィラーを含有していてもよい。別異の熱伝導性フィラーとして、例えば、金属酸化物、熱伝導性窒化物等が挙げられる。
本発明に用いる金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。金属水酸化物は、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいればよく、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの両者を含むこともできる。
膨張黒鉛は、熱により膨張する黒鉛であり、鱗片状の黒鉛の層間に化合物等を層間挿入して作られる黒鉛層間化合物である。層間挿入する化合物としては、硫酸、硝酸、硫酸と硝酸の混合物等が挙げられる。
膨張黒鉛が膨張する膨張温度は、通常、150〜300℃であるのが好ましく、170〜300℃であるのが好ましい。膨張温度は、層間挿入する化合物等の種類により制御できる。本発明においては、膨張開始温度が加工温度以上の温度であるものが適している。
膨張黒鉛の膨張率は100〜300倍が好ましく、150〜300倍がより好ましい。
金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。また、熱伝導性窒化物としては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等が挙げられる。
これらの中でも、熱伝導性の点で、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。安価な点から、金属水酸化物及び膨張黒鉛と併用される好ましい金属酸化物として、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムがさらに好ましい。
高熱伝導性絶縁架橋性組成物において、熱伝導性フィラーの総含有量は、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、2000〜6000質量部である。総含有量が2000質量部未満であると、高熱伝導性絶縁架橋性組成物等に十分な熱伝導性を付与できないことがある。一方、6000質量部を超えると、高熱伝導性絶縁架橋性組成物を調製できないことがある。
本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物において、熱伝導性フィラーの総含有量2000〜6000質量部のうち、1000質量部以上を、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも1種の金属水酸化物にし、かつ20〜200質量部を膨張黒鉛にすると、低硬度でゴム弾性が大きく、しかも難燃性にも優れる高熱伝導性絶縁架橋成形体が得られることを見出した。
さらに、熱伝導性フィラーの総含有量のうち、3000質量部以上を上記金属水酸化物にすると、膨張黒鉛の含有量を20質量部から0質量部の範囲まで少なくしても、高い熱伝導性、優れた難燃性及びゴム弾性を有し、しかも硬度がさらに小さな高熱伝導性絶縁架橋性成形体が得られることを見出した。この場合、さらに、より優れた電気絶縁性をも有することを見出した。
したがって、本発明に用いる熱伝導性フィラーは、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも1種の金属水酸化物と膨張黒鉛とを、下記含有量の範囲で、含有する。
スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対する熱伝導性フィラー2000〜6000質量部のうち、少なくとも1000質量部が上記金属水酸化物である場合、0〜200質量部が膨張黒鉛である。ただし、1000質量部以上3000質量部未満が上記金属水酸化物である場合、20〜200質量部が膨張黒鉛である。すなわち、熱伝導性フィラーのうち、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、少なくとも1000質量部が上記金属水酸化物である場合、20質量部以上200質量部以下が膨張黒鉛である。また、少なくとも3000質量部が上記金属水酸化物である場合、膨張黒鉛の含有量は、上記範囲に加えて、さらに0質量部以上20質量部未満である。
膨張黒鉛の含有量に着目すると、熱伝導性フィラーは、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、上記金属水酸化物を1000質量部以上3000質量部未満含有する場合、膨張黒鉛を20質量部以上200質量部含有する。また、上記金属水酸化物を3000質量部以上6000質量部以下含有する場合、膨張黒鉛を0質量部以上200質量部以下含有する。
スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対する、熱伝導性フィラーの総含有量は、熱伝導性フィラーが20質量部以上の膨張黒鉛を含有する場合、好ましくは2000〜5000質量部であり、より好ましくは2200〜4700質量部であり、さらに好ましくは2400質量部〜4650質量部である。
一方、総含有量は、熱伝導性フィラーが20質量部未満の膨張黒鉛を含有する場合、好ましくは3000〜5800質量部であり、より好ましくは3000〜5600質量部であり、さらに好ましくは3000〜5400質量部である。
上記金属水酸化物の含有量は、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、すなわち熱伝導性フィラー中、1000質量部以上である。この含有量が少なすぎると、高い熱伝導率を損なわず、高熱伝導性絶縁架橋成形体等にUL94難燃規格でV−1以上の優れた難燃性を付与できない。すなわち、金属水酸化物、特に水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムの含有量が1000質量部未満であると、膨張黒鉛が共存していても、難燃性が劣ることがある。
金属水酸化物の含有量は、熱伝導性フィラーが20質量部以上の膨張黒鉛を含有する場合、好ましくは1500質量部以上、より好ましくは2000質量部以上である。
また、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対する、金属水酸化物の含有量が、3000質量部以上である場合、膨張黒鉛の含有量及び有無にかかわらず、高い熱伝導率を損なわず、高熱伝導性絶縁架橋成形体等にUL94難燃規格でV−1以上の優れた難燃性を付与できる。この場合、金属水酸化物の含有量は、上記範囲に関わらず、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、好ましくは3500質量部以上であり、より好ましくは4000質量部以上である。
金属水酸化物の含有量は、上記熱伝導性フィラーの総含有量と膨張黒鉛の含有量との差分以下である。スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、熱伝導性フィラーが20質量部以上の膨張黒鉛を含有する場合、好ましくは5500質量部以下である。金属水酸化物の含有量がこの範囲内にあると、高熱伝導性絶縁架橋成形体等が硬くなり過ぎず、高い熱伝導率を維持できる。この含有量は、より好ましくは5000質量部以下であり、さらに好ましくは4000質量部以下であり、特に好ましくは3000質量部以下である。
また、金属水酸化物の含有量は、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、熱伝導性フィラーが20質量部未満の膨張黒鉛を含有する場合、上記範囲に関わらず、好ましくは5500質量部以下であり、より好ましくは5000質量部以下である。
膨張黒鉛の含有量は、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、金属水酸化物の含有量が少なくとも1000質量部である場合、20〜200質量部である。膨張黒鉛の含有量が少ないと難燃効果が弱く、多すぎると絶縁性を阻害することがある。含有量は、難燃性及び絶縁性の点で、好ましくは30〜180質量部、より好ましくは40〜180質量部、さらに好ましくは50〜150質量部である。
一方、金属水酸化物の含有量が、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、少なくとも3000質量部である場合、上記のように、膨張黒鉛の含有量を20質量部未満に少なくすることができる。この場合、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対する、膨張黒鉛の含有量は、電気絶縁性に優れる点で、15質量部以下が好ましく、0質量部がより好ましい。
本発明において、膨張黒鉛の含有量は熱伝導性フィラーの総含有量に含まれる。
本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物において、熱伝導性フィラーの総含有量と、パラフィン系オイルの含有量との含有量比(熱伝導性フィラー/パラフィン系オイル)は、特に限定されないが、3.5〜6.5であることが好ましく、4.0〜6.0であることがより好ましい。含有量比が大きすぎると、熱伝導率が高く、難燃性が良好になるが、混合物が硬くなり、場合によって混合できなくなることがある。一方、含有量比が小さすぎると、柔らかくなるが、熱伝導率が低く、難燃性が悪くなることがある。
熱伝導性フィラーが、別異の熱伝導性フィラーを含有する場合、その含有量は、特に限定されない。別異の熱伝導性フィラーの含有量は、上記金属水酸化物及び膨張黒鉛との合計が熱伝導性フィラーの総含有量となる量(熱伝導性フィラーの残部)に、設定されることが好ましい。
別異の熱伝導性フィラーが金属酸化物である場合、金属酸化物の含有量は、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、500〜3000質量部が好ましく、700〜2000質量部がより好ましい。金属酸化物の含有量が上記範囲内にあると、熱伝導率が向上する。
(パラフィン系オイル)
ゴム用軟化剤は、通常、芳香族環を有する炭化水素からなる芳香族系オイル、ナフテン環を有する炭化水素からなるナフテン系オイル及びパラフィン鎖を有する炭化水素からなるパラフィン系オイルの混合油である。これらのうち、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン鎖を構成する全炭素数に対してパラフィン鎖を構成する炭素原子数(パラフィン分)が50%以上のオイルをパラフィン系オイルという。
本発明においては、スチレン系熱可塑性エラストマー等との相溶性がよく、表面にブリードアウトしにくい点で、パラフィン系オイルを用いる。
パラフィン系オイルは、粘度比重定数(VGC)が0.849以下であることが好ましく、0.819以下であることがより好ましい。
本発明で用いることができるパラフィン系オイルとしては、例えば、ダイアナプロセスオイルPW90、PW380(いずれも、商品名、出光興産社製)等が挙げられる。
パラフィン系オイルの含有量は、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、550〜1500質量部である。パラフィン系オイルが少なすぎると、硬度の低下効果が十分ではないことがある。一方、多すぎると、ゴム弾性が十分に発現しないことがある。また、難燃性が低下することがある。
パラフィン系オイルの含有量は、硬度及び難燃性の点で、好ましくは600質量部以上であり、より好ましくは650質量部以上である。一方、硬度及び難燃性の点で、好ましくは1400質量部以下であり、より好ましくは1300質量部以下であり、さらに好ましくは1200質量部以下であり、特に好ましくは1000質量部以下である。本発明において、パラフィン系オイルの好ましい含有量は、上記上限値のいずれかと上記下限値のいずれかとを組み合わせた範囲とすることができる。
(有機過酸化物)
本発明に用いる有機過酸化物は、ペルオキシド構造(−O−O−)又は過カルボン酸構造(−C(=O)−O−O−)構造を有する有機化合物であれば、特に限定されない。この有機過酸化物は、分解してラジカルを発生し、架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーのスチレン構成成分の架橋を起こさせる。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルカーボネート、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
有機過酸化物の含有量は、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、0.3〜5質量部である。有機過酸化物が少なすぎると(架橋後)ゴム弾性が十分に発現しないことがある。一方、多すぎると硬度が高くなり、またシート加工性、表面平滑性に劣ることがある。含有量は、硬度、シート加工性、表面平滑性及びゴム弾性の点で、好ましくは0.4〜4.0質量部であり、さらに好ましくは0.5〜3.0質量部である。
(その他の成分)
本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物は、必要に応じて、上記成分以外の成分を含有していてもよい。このような成分として、例えば、樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー以外のエラストマー、粘着付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、銅害防止剤、加工助剤等が挙げられる。
酸化防止剤や老化防止剤、加工助剤等を用いる場合、含有量は、それぞれ、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部であることが好ましく、必要に応じて10質量部程度まで含有させることもできる。
本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物は、有機過酸化物を含有し、有機過酸化物の分解温度以上に加熱することにより、架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーの架橋性スチレンブロックが架橋しうる架橋性組成物である。
ここで、架橋性組成物とは、架橋処理、具体的には、有機過酸化物の分解温度以上に加熱処理をしていない組成物であって、架橋処理によって架橋可能な組成物をいう。したがって、架橋性組成物は、架橋処理されていない限り、一部が架橋しているものも包含される。
本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物は、上述の各成分を混練することにより、得ることができる。
具体的には、本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物は、スチレン系熱可塑性エラストマーと熱伝導性フィラーとパラフィン系オイルと有機過酸化物と所望により各種添加剤等とを、好ましくは有機過酸化物の分解温度未満の温度において、均一になるまで十分よく混練(混合)して、製造できる。混練に用いる混練機、押出機等は、上記成分を十分に混合、攪拌できる装置であれば特に制限はない。例えば、バンバリーミキサー、ニーダー等の密閉型混練機、単軸押出機、二軸押出機等の押出機又はオープンロール等の開放型混練機等が挙げられる。
熱伝導性フィラーは、一括して配合し、混練することもでき、数回に分けて混練(マスターバッチ法)することもできる。マスターバッチ法で混練すると、熱伝導性フィラーの配合量(含有量)が多くても、均一な高熱伝導性絶縁架橋性組成物を生産性良く得ることができる。
本発明において、上述の各成分を混練するときのその他の混練条件等は、特に限定されない。
<高熱伝導性絶縁架橋組成物>
本発明の高熱伝導性絶縁架橋組成物は、本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物を架橋してなる組成物である。この架橋組成物は、後述する本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体の橋架け度(架橋度)以下の架橋度を有しており、好ましくは同じ架橋度を有している。架橋度については後述する。
架橋方法は、本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物を有機過酸化物の分解温度以上に加熱できる方法であれば特に限定されない。例えば、プレス機等を用いた架橋方法、混練と同時に行う動的架橋方法等が挙げられる。
ここで、動的架橋法とは、上記成分を混練しながら加熱する方法である。これにより、高熱伝導性絶縁架橋性組成物にせん断力及び熱を付与して、混練しながら架橋することができる。
プレス機等を用いた架橋方法(熱プレス法)としては、特に限定されず、例えば、次の方法が挙げられる。すなわち、本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物のうち有機過酸化物を除いた組成(各成分)を、バンバリーミキサーやニーダー等の密閉型混合機で混合する。その後、オープンロール等を用いて得られた混合物に有機過酸化物を配合して、高熱伝導性絶縁架橋性組成物を調製する。次いで、この高熱伝導性絶縁架橋性組成物を熱プレス等により加熱する。これにより、高熱伝導性絶縁架橋性組成物を架橋することができる。
本発明においては、混練工程と架橋工程とを別途行う上記熱プレス法等よりも、混合(混練)と同時に架橋させる動的架橋法が好ましい。この方法は、別途の架橋工程が不要となり、効率的で廉価に高熱伝導性絶縁架橋性組成物を架橋することができる。また、高熱伝導性絶縁架橋性組成物を動的架橋すると、多様な加工、例えば、押出加工、カレンダーロール加工、プレス加工等が可能になり、加工作業性が優れる。
動的架橋法は、特に限定されない。例えば、有機過酸化物の分解温度に対応した温度(例えば、1分間半減期175℃の有機過酸化物であれば150℃〜180℃程度)に設定された、バンバリーミキサーやニーダー等の密閉型混合機を用いて、本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物を加熱・混合することによって、動的架橋させることができる。
成形する場合には、後述するように、得られた高熱伝導性絶縁架橋組成物を、押出機又はカレンダーロール、プレス等にて成形することができる。
こうして得られる高熱伝導性絶縁架橋組成物は、有機過酸化物により架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーが架橋してなる架橋スチレン系熱可塑性エラストマーを含有する。この架橋スチレン系熱可塑性エラストマーは、架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーの種類、特性等、また架橋方法、架橋条件等によって、一義的に定まるものではない。例えば、架橋性スチレンブロックのアルキルスチレン構成成分同士が架橋した架橋構造を有する架橋スチレン系熱可塑性エラストマー、アルキルスチレン構成成分とエラストマーの主鎖を形成する炭素原子等が架橋した架橋構造を有する架橋スチレン系熱可塑性エラストマー等、種々の架橋構造を有する架橋スチレン系熱可塑性エラストマーが得られる。したがって、本発明の高熱伝導性絶縁架橋組成物は、種々の架橋スチレン系熱可塑性エラストマーを含有していてもよい。
架橋スチレン系熱可塑性エラストマーを含有すると、低硬度でゴム弾性を有し、優れた難燃性を示す高熱伝導性絶縁架橋成形体とすることができる。
本発明において、高熱伝導性絶縁架橋組成物は、上記の多様な加工が可能な程度に、すなわち高熱伝導性絶縁架橋性組成物の加工性・成形性を保持する程度に、架橋している。
<高熱伝導性絶縁架橋成形体>
本発明の高熱伝導性成形体は、本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物を架橋及び成形したもの、又は、本発明の高熱伝導性絶縁架橋組成物を成形したものである。
本発明の高熱伝導性成形体は、用途、適用箇所等に応じた形状、寸法を有していればよく、形状及び寸法は特に限定されない。例えば、帯状、シート状(板状)、パッド状、角柱体状(ブロック状)等が挙げられる。
シート状成形体である場合、厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1〜1.0mmが挙げられる。厚さが0.1mm以上であると、高熱伝導性成形体の強度が増強され、破損しにくくなる。また、用途等によって、厚さを1mm以上とすることもでき、例えば、3mmとすることもできる。
パッド状成形体である場合、厚さは、シート状成形体よりも厚く、例えば、1.0mmを越え、好ましくは2mm以上である。上限は、例えば、20mmとすることができ、10mmが好ましい。
本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体は、特に限定されないが、架橋度が5〜30%であるのが好ましい。架橋度は、JIS C 3005に準拠して、試験片の質量に対するキシレン不溶分の質量の割合(ゲル分率という。ただし、質量測定ではフィラーの配合量を差し引いて計算する。以下、同じ。)である。架橋度が高すぎると、高熱伝導性絶縁架橋成形体が硬くなり、シートに成形したときに表面状態が悪化することがある。
本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体は、以下の特性を有する。
この高熱伝導性絶縁架橋成形体は、低硬度であり、好ましくは、JIS K 7312に準拠してタイプC硬度計にて測定した初期硬さ(硬度又はアスカーC硬度ともいう)が40以下である。放熱部材との密着性(表面追従性)がさらに優れる点で、硬さは、より好ましくは35以下であり、さらに好ましくは30以下である。一方、硬さは、例えば10以上であればよく、13以上が好ましい。
また、本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体は、ゴム弾性を有する。ゴム弾性は、JIS K 7312に準拠してタイプC硬度計にて測定した初期硬さに対して15秒値(15秒値/初期値)が、好ましくは80%以上である。より好ましくは82%以上である。
本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体は、上記した「高熱伝導性」(コンパウンドシートでの測定)を示す。さらに、例えば厚さ2mm以上にすると、UL94規格V−1以上の難燃性を示し、膨張黒鉛を含有する場合には厚さ0.5mmでもUL94規格V−1以上の難燃性を示す。
本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体は、電気絶縁性にも優れる。好ましくは、JIS K 6911に規定の体積抵抗率が1×1013Ω−cm以上である。また、好ましくは、JIS K 6911に規定の破壊電圧が7KV/mm以上である。
このように、本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体は、高熱伝導性に加えて、優れた電気絶縁性及び難燃性をも示す。また、本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体は低硬度で、ゴム弾性に富み、長期にわたってゴム弾性を維持する。さらには、破れにくく、取り扱い性及び加工作業性にも優れる。
このような優れた特性を有する本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体は、電気・電子機器類の筐体等と発熱性電子部品との間に介装され、発熱性電子部品を放熱等させる放熱部品として好適である。
<高熱伝導性絶縁架橋成形体の製造方法>
本発明の高熱伝導性成形体の製造方法は、高熱伝導性絶縁架橋性組成物を架橋、成形して、製造する方法である。この方法において架橋と成形は同時に行っても、別々に行ってもよい。
架橋方法は、上記した通りである。プレス機等を用いて架橋する場合は、架橋に加えて成形も行うことが好ましい。
動的架橋を行う場合は、その後に成形することが好ましい。具体的には、本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物を密閉型混合機で混合しつつ動的架橋して、高熱伝導性絶縁架橋組成物を調製し、その後、この高熱伝導性絶縁架橋組成物を成形する。
本発明の高熱伝導性絶縁架橋性組成物は、動的架橋により、半架橋状態、好ましくは目的とする架橋状態に架橋される。好ましくは多様な加工(例えば、成形)が可能な程度に架橋される。半架橋状態に架橋する場合は、成形前又は後に、目的とする架橋状態となる後架橋工程を行う。
ここで、半架橋状態とは、目的とする架橋状態に達しないように一部を架橋した状態をいう。また、目的とする架橋状態は、用途等に応じて適宜に設定され、特に限定されない。例えば、上記架橋度を満たす架橋状態が挙げられる。
成形方法は、いずれの製造方法であっても、特に限定されず、例えば、圧延成形、プレス成形、押出成形、カレンダーロール成形、二軸押出機による成形法等が挙げられる。
本発明においては、高熱伝導性絶縁架橋性組成物を架橋した後に成形してもよく、成形した後に架橋してもよい。
<高熱伝導性絶縁積層体>
本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体は、上記のように単独で用いることができる。また、用途等に応じて、グラファイトシート(黒鉛シート)や金属箔等との積層体(本発明の高熱伝導性絶縁積層体という)として、用いることもできる。高熱伝導性絶縁架橋成形体をグラファイトシートや金属箔と積層することにより、面方向の熱伝導性(熱拡散性)をさらに向上させることができ、被着物(発熱性電子部品)の微小な凹凸に密着して熱伝達効率が向上した積層体となる。また、この積層体は、絶縁性が高く、低硬度の弾性積層体となる。
本発明の高熱伝導性絶縁積層体に用いられるグラファイトシート及び金属箔は、特に限定されない。ロール状で連続して加工できるものが、加工作業の効率がよく低コストとなり、好ましい。加工作業効率の点で、グラファイトシート等の厚さは、薄層シートであることが好ましく、例えば厚さ0.25mm以下の薄層シートが好ましい。グラファイトシートの厚さは、例えば、0.05mm以上であることが好ましい。
本発明の高熱伝導性絶縁積層体は、グラファイトシート又は金属箔上に本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体が積層され、本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体が発熱性電子部品に密着した状態に配置される。
本発明の高熱伝導性絶縁架橋成形体と発熱性電子部品との熱抵抗が小さく、しかもグラファイトシート等により難燃性及び面方向の熱伝導性がさらに向上する。したがって、本発明の高熱伝導性絶縁積層体は、電気・電子機器類の筐体等と発熱性電子部品との間に介装され、発熱性電子部品を放熱等させる放熱部品として特に好適である。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
各例において用いた成分の詳細を以下に示す。
<スチレン系熱可塑性エラストマー:TPE−1>
架橋性スチレンブロックを有する架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー:「セプトンV9461」(商品名、SEEPS、アルキルスチレン構成成分のアルキル基はp−メチルスチレン基、ハードセグメントの含有率30質量%、数平均分子量約300,000、クラレ社製)
<スチレン系熱可塑性エラストマー:TPE−2>
非架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー:「セプトン2063」(商品名、SEPS、クラレ社製)
<酸化アルミニウム>
平均粒径35μmの球状品:「AX35−125」(商品名、新日鉄住金マテリアルズ社製)
<水酸化アルミニウム>
ボーキサイトからバイヤー法で製造されたギブサイトで平均粒径7μmの細粒:「BX053T」(商品名、ドライ品(水分付着量0.1%)、日本軽金属社製)
<水酸化マグネシウム>
平均粒径3.5μmの微細粒粒子品「マグシーズ10A」(商品名、神島化学工業社製)
<膨張黒鉛>
「SYZR802」(商品名、平均粒子径約180μm、膨張開始温度180〜200℃、膨張容積150〜250mL/g、三洋貿易社製)
<パラフィン系オイル>
パラフィン系プロセスオイル:「PW−380」(商品名、出光興産社製、VGC0.794)
<有機過酸化物>
ジクミルパーオキサイド:「パークミルD40」(商品名、40%希釈品であり、表1〜3に示す数値は有効成分の数量に換算した値(例えば、40%希釈品を10質量部用いた場合、4質量部と表記した)である。日油社製)
(実施例1)
表1に示す配合1(高熱伝導性絶縁架橋性組成物1)の各成分を、配合1の含有量(質量部)で、加圧ニーダーにより150〜160℃の温度で混練しつつ動的架橋して、高熱伝導性絶縁架橋組成物を調製した。この高熱伝導性絶縁架橋組成物のゲル分率(上記方法による。以下同じ。)を測定したところ、20%であった。
この高熱伝導性絶縁架橋組成物を押出成形機(先端400mm幅Tダイ)を用いて、150℃で厚さ2mmのシート状に成形して、高熱伝導性絶縁架橋成形体を製造した。
得られた高熱伝導性絶縁架橋成形体の硬度(初期値及び15秒値)、ゴム弾性(15秒値/初期値)、熱伝導率、体積抵抗率、破壊電圧及び難燃性を、それぞれ、上記方法により、測定した。その結果を表4に示す。
(実施例2〜9)
実施例1において配合1を表1及び表2に示す各配合2〜9に変更したこと以外は実施例1と同様にして各例の高熱伝導性絶縁架橋組成物及び高熱伝導性絶縁架橋成形体を製造した。
得られた高熱伝導性絶縁架橋組成物のゲル分率、並びに、高熱伝導性絶縁架橋成形体の硬度、ゴム弾性、熱伝導率、体積抵抗率、破壊電圧及び難燃性を、実施例1と同様にして、測定した。結果を表4に示す。
(実施例10〜16)
実施例1において配合1を表3に示す各配合20〜26に変更したこと以外は実施例1と同様にして各例の高熱伝導性絶縁架橋組成物及び高熱伝導性絶縁架橋成形体を製造した。
得られた高熱伝導性絶縁架橋組成物のゲル分率、並びに、高熱伝導性絶縁架橋成形体の硬度、ゴム弾性、熱伝導率、体積抵抗率、破壊電圧及び難燃性を、実施例1と同様にして、測定した。結果を表5に示す。
実施例1〜16において、高熱伝導性絶縁架橋組成物の架橋度(ゲル分率)と、高熱伝導性絶縁架橋成形体の架橋度(ゲル分率)とは同じであった。
(比較例1〜10)
実施例1において配合1を表2及び表3に示す各配合10〜19に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較用架橋組成物及び比較用架橋成形体を製造した。
得られた比較用架橋組成物のゲル分率、並びに、比較用架橋成形体の硬度、ゴム弾性、熱伝導率、体積抵抗率、破壊電圧及び難燃性を、実施例1と同様にして、測定した。結果を表4に示す。
なお、比較例1及び2は、ゲル分率の測定において比較用架橋組成物が溶解し、ゲル分率は0%であった。
また、配合16に変更した比較例7は、混合物が粉状でまとまらず、比較用架橋組成物を調製できなかった。
Figure 0006133257
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Figure 0006133257
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表4及び表5に示されるように、実施例1〜16の高熱伝導性絶縁架橋成形体は、いずれも、低硬度でゴム弾性を有し、優れた難燃性を示した。さらには、熱伝導率、体積抵抗率及び電気絶縁性のいずれも優れていた。
特に、膨張黒煙を20質量部以上含有する実施例1〜9の高熱伝導性絶縁架橋成形体はより優れた放熱性を有することが分かった。一方、金属水酸化物を3000質量部以上含有し、膨張黒鉛を20質量部未満含有する実施例10〜16はさらに小さな硬度と、より高い絶縁性を有することが分かった。
これに対して、比較例1は有機過酸化物を含有せず、また比較例2は架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーを含有せず、いずれも、架橋体が得られなかった。したがって、両比較例はゴム弾性及び難燃性が劣っていた。
比較例3は、有機過酸化物の含有量が過剰で、比較用成形体の硬度が高すぎ、しかも表面が荒れており、外観が悪かった。比較例4は、膨張黒鉛の含有量が過剰で、比較用成形体の破壊電圧が低く、絶縁性が十分ではなかった。比較例5は、パラフィン系オイルの含有量が少なく比較用成形体の硬度が高すぎた。比較例6は、パラフィン系オイルの含有量が過剰で、比較用成形体のゴム弾性が不十分であった。しかも、熱伝導率が低く、難燃性試験で燃焼し、難燃性に劣った。
また、比較例7は、熱伝導性フィラーの含有量が過剰で、比較用架橋組成物を調製できなかった。比較例8は、熱伝導性フィラーの配合量が少なく、熱伝導率が低かった。比較例9は、膨張黒鉛の配合量が少なく、難燃性試験でV−2の評価となった。比較例10は、金属水酸化物の配合量が少なく、難燃性試験で燃焼した。
(実施例17)
実施例11と同様にして、高熱伝導性絶縁架橋組成物を調製し、この高熱伝導性絶縁架橋組成物を圧延成形して、厚さ0.5mmのシート状成形体(高熱伝導性絶縁架橋成形体)を得た。
次いで、厚さ0.127mmの粘着剤付きグラファイトシートの粘着面にシート状成形体を圧延ロールにより貼り合わせて、合計厚さが0.5mmのシート状の高熱伝導性絶縁積層体1を得た。
グラファイトシートは「HITHERM HT−705A」(グラフテック社製、厚さ0.127mm、0.004mmの粘着剤付き)を用いた。
この高熱伝導性絶縁積層体1の難燃性を上記の方法により測定したところ、UL94規格にてV−0であった。
このようにして製造した高熱伝導性絶縁積層体1(32.5×32.5×0.5mm)の表面追従性を、以下のようにして、熱抵抗測定方法により、評価した。すなわち、図1に示されるように、アルミニウム板からなる熱電対付きアルミブロックA1及びA2の間に、高熱伝導性絶縁積層体1を挟み込んで、500gの荷重を1分かけた後に、復元防止のため対角の2箇所をネジ2で止めた。高熱伝導性絶縁積層体1の高熱伝導性絶縁架橋成形体11を熱電対付きアルミブロックA1側に配置し、グラファイトシート12を熱電対付きアルミブロックA2側に配置した。
熱電対付きアルミブロックA1の、高熱伝導性絶縁架橋成形体11に接する表面は、深さ0.3mm×幅1mmの溝を1mm間隔で碁盤目状に切削加工してなる凹凸面(図1において図示しない)とした。
このようにして、図1に示される試料を作製した。図1(a)は高熱伝導性絶縁積層体1の表面追従性の試験を説明する側面図であり、図1(b)は高熱伝導性絶縁積層体1の表面追従性の試験を説明する平面図である。ただし、図1(b)において、ヒートシンクHSは図示しない。
これを試料とし、熱電対付きアルミブロックA1上に約0.001mmの厚さに塗布したシリコーングリス(商品名、型番:YG6111、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を介して、さらにその上部にヒーターHを配置し、熱電対付きアルミブロックA2の下部に同様にシリコーングリスを介してヒートシンクHSを配置した。このとき、熱電対付きアルミブロックA1とヒーターH、及び、熱電対付きアルミブロックA2とヒートシンクHSは互いに密着していた。この状態で、ヒーターHに電力P(12V)をかけて、ヒートシンクHSに冷却水を流した。熱電対付きアルミブロックA1の温度T及び熱電対付きアルミブロックA2の温度Tを測定した。測定温度T1及びTから次式(1)により、熱抵抗Rを算出した。その結果、実施例17の高熱伝導性絶縁積層体1の熱抵抗Rは0.754℃/Wと低い値であった。このように、実施例17の高熱伝導性絶縁積層体1は、高熱伝導性絶縁架橋成形体11を設けた分だけ厚さが厚くなったにもかかわらず、接触熱抵抗が小さくなり、全体としての熱抵抗が小さくなった。これにより、高熱伝導性絶縁積層体1は表面追従性に特に優れていることが分かった。また、この高熱伝導性絶縁積層体1は高い絶縁性及び放熱特性を有することが分かった。
Figure 0006133257
一方、実施例17で用いた高熱伝導性絶縁積層体1の代わりにグラファイトシート:HITHERM HT−705Aを単独で用いたこと以外は実施例17と同様にして、熱抵抗Rを測定した。このグラファイトシートの粘着剤を熱電対付きアルミブロック側に配置した。
その結果、このグラファイトシートの熱抵抗Rは1.033℃/Wであった。
1 高熱伝導性絶縁積層体
11 高熱伝導性絶縁架橋成形体
12 グラファイトシート
2 ネジ
A1、A2 熱電対付きアルミブロック
H ヒーター
HS ヒートシンク

Claims (5)

  1. スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、熱伝導性フィラー2000〜6000質量部と、パラフィン系オイル550〜1500質量部と、有機過酸化物0.3〜5質量部とを含有し、
    前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、架橋性スチレンブロックを有する架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーを少なくとも50質量%含み、
    前記架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーのスチレンブロックの構成成分が、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルスチレン構成成分を有し、
    前記熱伝導性フィラー2000〜6000質量部のうち、少なくとも1000質量部が水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも1種の金属水酸化物であり、かつ0〜200質量部(ただし、金属水酸化物が3000質量部未満であるとき、20〜200質量部)が膨張黒鉛である、高熱伝導性絶縁架橋性組成物。
  2. 前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、前記架橋性スチレンブロックを有する架橋性スチレン系熱可塑性エラストマーである請求項1に記載の高熱伝導性絶縁架橋性組成物。
  3. 請求項1または2に記載の高熱伝導性絶縁架橋性組成物を架橋してなる高熱伝導性絶縁架橋組成物。
  4. 請求項に記載の高熱伝導性絶縁架橋組成物を成形してなる高熱伝導性絶縁架橋成形体。
  5. 請求項1または2に記載の高熱伝導性絶縁架橋性組成物を密閉型混合機で混合して動的架橋を行い、その後、成形する高熱伝導性絶縁架橋成形体の製造方法。
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