JP2005097493A - 難燃性ゴム組成物とこれを用いた電子写真装置用転写ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、従来、ベースゴム100重量部に50重量部を超えて配合することができなかった水酸化アルミニウムを、多量に用いても押出加工性や物性の低下を引き起こしにくい難燃導電性ゴム組成物、および、高レベルの難燃性と表面平滑性を有し、変形回復率が高い電子写真装置の転写ベルトを提供する。
【解決手段】
第3成分として5−エチリデン−2−ノルボルネンであり、この5−エチリデン−2−ノルボルネンを7重量%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が50以下であるエチレンプロピレンゴム100重量部に、脂肪酸またはシランカップリング剤により表面処理した水酸化アルミニウム60〜120重量部と赤燐4〜15重量部とを含有させ、更に、脂肪酸亜鉛0.5〜5重量部を加えた難燃性ゴム組成物を用いて、クロスヘッド押出方式により成形され、UL94・V−1レベルの難燃性であり、10点平均表面粗さが10μm以下であり、7日間変形後の変形回復率が80%以上である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、環境問題に対応でき、物性、加工性に優れる難燃性ゴム組成物、およびこの難燃性ゴム組成物を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置に使用される転写ベルト、中間転写ベルト、転写ローラなどの転写部材に関するものである。
本発明が対象とするの転写部材の1形態である転写搬送ベルトの斜視図を図1に示す。転写搬送ベルト1は薄肉の円筒形状を有し、弾性体のみ、または弾性体である基材層2にコーティングによる薄膜の表面層3を1層あるいは2層設けたものが一般的に用いられている。
図2に、前記転写搬送ベルト1が使用される電子写真装置の画像形成部の概要を側面図で示す。円筒形状の感光体11の外周面には帯電ローラ21により電荷が均一に付与される。感光体11は矢印16の方向に回転され露光手段22により露光されて静電潜像が形成される。つづいて現像領域13において、現像装置23に供給されたトナーを供給ローラ25と規制ブレード27により現像ローラ26表面に薄層のトナー層を形成して、感光体11に移動させて静電潜像をトナー像とする。
感光体11を回転させ転写領域14において、前記トナー像を感光体11とローラ41,42に張架された転写搬送ベルト1との間に供給される記録材28に転写される。転写済みの記録材28は、転写搬送ベルト1により搬送され、定着装置(図示せず)により定着されて画像が形成される。転写後、感光体11はクリーニング領域15でクリーニングブレード29で残留トナーが除去され、次の画像形成に供される。
これら転写搬送ベルト1は良好な画質を得るためベルトの表面平滑性、1本中の電気抵抗のばらつきが小さいこと、寸法精度が良いこと、繰り返し使用により表面性、電気抵抗が変化しにくい特性に加えて、高電圧による火花放電などにより燃えにくいという難燃性が要求される。この難燃性については安全を考えてUL94難燃規格のV−2以上、好ましくはV−1以上の難燃レベルが求められている。
この難燃性を確保するためにベルトを構成する材料中に、リン系難燃剤、金属水酸化物、含窒素化合物(例えば、メラミン)等を含有させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら含窒素化合物は難燃性効果が比較的小さく、大量配合が困難である問題があり、難燃剤としてリン系難燃剤、含窒素化合物、金属水酸化物の3種を併用することが必要となるが、これらを多量に含有させると各難燃剤を十分に分散させることが困難である。リン系難燃剤と金属水酸化物特に水酸化アルミニウムとの組み合わせは、難燃性としては比較的良好であるが、ゴム100重量部に対して50重量部を超えて含有させると、成形物の物性が低下し、その加工性(押出性、研磨加工)が低下し易いという問題がある。特に水酸化アルミニウムの含有量の影響が大である。
物性については、特に引き裂き強度の低下が顕著に出てくる。加工性については、押出加工を行った場合に成形品表面にひび割れのような模様が入り、また成形後研磨加工するときにも表面粗さが大きくなりすぎるため、例えば、転写ベルトに使用する場合、表面粗さに応じて転写後の画質に荒れが生じる結果となる。
他の難燃性を確保する手段として、ゴムに赤燐と金属水酸化物と黒鉛を配合する技術が開示されているが、この場合も上記と同様に加工性、物性などに大きな問題がある(特許文献2参照)。
他の難燃性を確保する手段として、クロロプレン等のハロゲンゴムに三酸化アンチモン系難燃剤や臭素系難燃剤を配合した難燃性ゴムが知られているが、環境上好ましくない。水酸化アルミニウムは燃焼時加熱により結晶水を放出して燃焼温度を下げる効果を有するので安全な難燃剤であるが、多量に含有させないと難燃性効果が出にくく、多量に含有させようとすると物性が低下し、押出加工性や研磨加工性等に劣る問題があった。
特開2002−212343号公報(請求項1、段落番号0018) 特開平7−309976号公報(請求項1)
本発明は、上記の問題点に鑑み、水酸化アルミニウムを多量に用いても、押出加工性や物性の低下を起しにくく環境上の問題もない難燃導電性ゴム組成物、およびこの難燃導電性ゴム組成物を電子写真装置の転写部材として用いて高レベルの難燃性と転写性とを有する転写部材(転写ベルト)を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために本願発明の難燃性ゴム組成物は、第3成分として7重量%以上の5−エチリデン−2−ノルボルネンを含有し、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が50以下であるエチレンプロピレンゴム100重量部に、脂肪酸またはシランカップリング剤により表面処理した水酸化アルミニウム60〜120重量部と赤燐4〜15重量部とを含有させたことを特徴とする。
ベースポリマーとしては環境問題にも対応でき、電子写真装置の感光体周辺のオゾンにも耐えるエチレンプロピレンゴム(EPDM)を用いる。EPDMとして、第3成分が5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENBという)を7重量%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が50以下のものを用いることにより、水酸化アルミニウムを多量に配合してもクロスヘッド押出加工により、引張強度の低下もなく、表面性の良好な薄肉円筒体を成形できるようになる。なお、ENBを7重量%以上とすることにより、転写搬送ベルト等の転写部材を装置に装着して停止状態に放置した場合でも変形くせ付きが少なくなる。
また、ムーニー粘度は加工前のEPDMの特性を特定するものであって、混練り押出する時にこのEPDMが容易に流動して、多量の水酸化アルムニウムを十分に分散する効果があり、結果として、優れた引張強度、引裂き強度などが得られるとともに、表面平滑性の良好な押出成形品が得られるものと考えられる。
EPDM100重量部に対して水酸化アルミニウムを60〜120重量部用いるのは、60重量部未満ではUL94難燃規格においてV−1水準の難燃性を確保できないことがあり、120重量部を超えると押出加工時に表面にひび割れなどが生じ、また、繰り返し屈曲性や引裂き性などの物性が低下する。
なお、無処理の水酸化アルミニウムを50重量部を超えて用いると、前述の通り押出加工においてひび割れが生じ、また加硫中にひび割れが進み、研磨仕上げしてもひび割れの跡の凹凸が残り、これにより画質が荒れることとなり、使用時にベルトが破損しやすくなるという問題がある。水酸化アルミニウムの表面にEPDMと親和性が高い脂肪酸またはカップリング剤により表面処理をすることにより、水酸化アルミニウムがEPDM中に均一に分散しやすくなる。これによって上記の様に水酸化アルムニウムを60〜120重量部と多量に配合しても押出加工性が良好で成形物の表面にひび割れを生じることがなく、表面を研磨しても表面粗さが大きくなることがない。即ち、必要な難燃性を保持した転写部材が容易に加工でき、しかも、必要な物性や表面平滑性が保たれることが判った。
表面処理に用いる処理脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸などを用いればよいが、EPDMとの親和性が大であって、入手が容易なステアリン酸を用いるのが好適である。脂肪酸処理法としてはヘンシェルミキサー等で水酸化アルミニウムを撹拌しながら約100℃に加熱し、脂肪酸を少しずつ添加して、撹拌した後、冷却する。
カップリング剤処理は一般的なシランカップリング剤にて処理を行えばよい。カップリング剤は、X〜Si(OR)3で表される化合物で、Xはアミノ基、ビニル基、エポキシ基、アクリル基などで、ORは、メトキシ基、エトキシ基などである。Xの種類は使用するポリマー種に合わせて選択され、EPDMにはビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが好適に使用される。
カップリング剤処理方法としては、メタノール等の溶剤にシランカップリング剤を溶解分散し、その中に水酸化アルミニウムを浸漬させ、撹拌混合した後、溶剤を除去して、加熱処理を行うことにより水酸化アルミニウムの表面にカップリング剤を固着する。これらの表面処理によりEPDM100重量部に対して60重量部以上の水酸化アルミニウムを分散含有させることができる。
更に、赤燐を4〜15重量部添加することにより水酸化アルミニウムとの相乗効果によりUL94難燃規格の難燃性試験においてV−1水準の難燃性が確保できる。赤燐が4重量部未満では難燃性が不足であり、15重量部を超えると物性低下や吸湿性が大きくなり過ぎる。この赤燐は、粉体での取り扱い時に発火する危険があるため表面に樹脂をコーティングしたものが市販されている。また、このコーティングによりゴム中への分散性を向上することができる。粒子径としては小さい方が難燃効果が大きく、20μm以下のものを用いるのが好ましい。
請求項2に記載の難燃性ゴム組成物は、請求項1の難燃性ゴム組成物に、更に、エチレンプロピレンゴム100重量部に対して脂肪酸亜鉛0.5〜5重量部を加えていることを特徴とする。難燃性を確保するために、予め脂肪酸などをコーティングした水酸化アルミニウムを多量に配合し、更に、加工助剤として脂肪酸亜鉛を混合することにより、押出加工性が一層良くなる。この脂肪酸亜鉛に用いられる脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸が好適である。
請求項3に記載の電子写真装置用転写ベルトは、請求項1または2に記載の難燃性ゴム組成物を用いてクロスヘッド押出方式により成形され、UL94難燃規格のV−1水準以上の難燃性であり、10点平均の表面粗さが10μm以下であり、変形くせ付きがないことを特徴とする(この転写ベルトには、転写搬送ベルト、中間転写ベルトを含む)。
この転写ベルトは、請求項1または2に記載の難燃性ゴム組成物を用いるので、UL94難燃規格のV−1水準以上の難燃性を有し、かつ、電子写真装置に組み込まれて長期間保管されてもベルトに変形くせ付きがなく、さらに、多量の水酸化アルムニウムを含有するにも関わらず表面平滑性が良好であり転写画像も鮮明である。
なお、この転写ベルトは、次のように製造される。前記難燃性ゴム組成物に、その他必要なカーボンブラックや加硫剤、加硫促進剤、可塑剤などを加えてをバンバリーミキサー、ニーダなどにより混練りして、電気抵抗値が108〜1012Ω程度の半導電性の難燃性ゴム組成物とする。このゴム組成物を、クロスヘッド押出方式により、円筒状の内金型に密着して押出して未加硫の芯金入りゴム成形体を作製し、そのまま加硫、研磨加工した後、芯金(内金型)を抜いて転写ベルトを得ることができる。この転写ベルトは、圧力をかけずに加硫され研磨加工もできるので、加硫時のゴムの流れむらに起因する電気抵抗のばらつきが小さく、表面平滑性や厚み精度に優れたものとなる。なお、この転写ベルトは、薄肉(約2mm)円筒状に成形されるので、押出加工性(表面荒れ、内金型への密着性など)や研磨加工後の表面粗さの緻密さ(充填物のベースゴムとの親和性による)という特性を十分に満足させることができる。
クロスヘッド押出方式は、押出機本体の押出方向とほぼ直角方向に流路を変えてゴム組成物を吐出する。吐出されるゴム組成物のゴム流路に沿って、細い円筒状の内金型が移動され、この内金型の外周面にゴム組成物を被覆形成する。このまま加硫して内金型より離脱させることにより円筒状の広幅ベルトを得ることができる。
以上説明したことから明らかなように、本発明の難燃性ゴム組成物は、環境問題があると指摘されるハロゲン含有ポリマーやハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤等を使用することなく、多量の水酸化アルミニウムと赤燐とを用いて高レベルの難燃性を実現できる。しかも、前記水酸化アルミニウムに脂肪酸またはカップリング剤で表面処理することにより、EPDMとの親和性が向上しEDDM中に均一に分散しやすいので流動性(押出加工性)、表面研磨性、物性(引裂き強さ等)を良好に維持できる。このように優れた難燃性、流動性、物性等を具備するゴム組成物を用いることにより、難燃性であって転写性に優れた電子写真装置用転写ベルトを得ることができる。
本発明の難燃性ゴム組成物は、例えば、ENB量が8重量%であるEPDM100重量部に、予めステアリン酸により表面処理された水酸化アルミニウム100重量部と樹脂コーティングされた赤燐10重量部を加え、更にその他必要なカーボンブラック、加硫剤、加硫促進剤等を配合し、混練りしている。この難燃性ゴム組成物をクロスヘッド押出方式により円筒状の内金型の外周面全面を覆って押し出してそのまま加硫することにより、UL難燃規格でV−1以上の難燃性水準にあり、かつ表面粗さ、物性に優れた転写ベルトを提供することができる。
以下、本発明に係る難燃性ゴム組成物を用いた転写ベルトを実施例により説明する。
(実施例1)
実施例1の難燃性ゴム組成物として表1に記載の配合材料を用いて、転写搬送ベルトを成形し、その組成と評価結果を表1に示す。
EPDM〔JSR社製:EP33(ENB量=8wt%、ムーニー粘度=45)〕100重量部に対して表1に示すその他の配合剤および量(重量部で示す)を、バンバリーミキサーで混練りして、本発明の難燃性ゴム組成物を得た。なお、配合剤としては、表面ステアリン酸処理された水酸化アルミニウム(昭和電工社製、ハイジライトH34HL)、パラフィン系可塑剤(出光石油化学社製、PW90)、導電性粒子(ライオン社製、ケッチェンブラックEC)、赤燐(燐化学工業社製、ノーバレッド120UF、樹脂コート品)、酸化亜鉛(堺化学社製、亜鉛華1号)、ステアリン酸(日本油脂社製、ビーズステアリン酸椿)、チウラム系加硫促進剤(大内新興社製、促進剤TET)、イオウ(鶴見化学工業社製、オイルサルファー)を用いた。
この難燃性ゴム組成物を、転写部材である薄肉円筒状ベルトに成形する過程を図3のクロスヘッドダイの断面図を用いて説明する。芯金80は外径が50mm、長さ300mm、肉厚5mmで材質SUS303の内金型である。スクリュー70を有する押出機(三葉製作所社製、押出シリンダー径60mm)の先端にクロスヘッドダイ71(ノズル内径=51mmφ)を取り付け、前記難燃性ゴム組成物を前記押出機に供給し、混練り溶融したゴム組成物72をクロスヘッドダイ71に押し出す。同時に押出シリンダーの中心軸Xと直交する方向に設けられた芯金案内路73にそって芯金80を移動させて、芯金80の外周に難燃性ゴム組成物72を2mmの厚みで被覆して難燃性ゴム成形物74を得た。これを160℃の加硫炉に30分間入れて加硫した。冷却後、研磨して1mmの肉厚とした後、脱型して基材層2(図1参照)を作製した。この基材層2の研磨面に熱可塑性ポリウレタンをトルエン、イソプロピルアルコール等に溶かしたコーティング液をスプレー塗工して表面層3(図1参照)を形成し、転写搬送ベルト1(図1参照)を作製した。
なお、前記EPDMは、水酸化アルムニウム等の混練り分散性や押出流動性を考慮してムーニー粘度が50以下のものを用いる。ムーニー粘度(ML1+4100℃)が50を超えるとクロスヘッド方式により押し出しする時、押出物の表面(肌)が荒れる問題がある。水酸化アルミニウムなど無機粒子が高充填であるためであると考えられる。
得られた転写搬送ベルトについて難燃性、押出性、表面粗さおよび変形くせ付きを評価した結果を表1に示す。評価方法は次のとおりである。
難燃性は、UL94難燃規格の標準試験方法に従い評価した。
押出加工性は、クロスヘッドダイで押出成形の可否と押出円筒体の表面状態を目視観察し、ひび割れ等が認められないものを良好とした。
表面粗さは、研磨仕上げした薄肉円筒体の表面を表面粗さ計(ミツトヨ社製、表面測定機)により10点を測定しその平均値を算定した。
変形くせ付きは、電子写真装置に転写搬送ベルトとして組み込んで25℃で7日間保管し、開放1時間後の変形くせ付きを目視観察し、変形くせ付きの認められたものは画像出しし、画像むらの発生有無を確認した。
表1の評価結果欄に記載のように、水酸化アルミニウム100重量部及び赤燐10重量部を添加することにより、難燃性はUL94難燃規格のV−1水準を確保することができ、押出加工性は水酸化アルミニウムを100重量部添加しているにもかかわらず良好であった。水酸化アルミニウムをステアリン酸で表面処理したことによる効果と考えられる。同様に表面粗さは8μmと小さく、水酸化アルミニウムとEPDMとの結合が強くなったことによると考えられる。また、EDPMとしてENB量=8重量%のEPDMを用いることにより変形くせ付きも問題なかった。
(実施例2)
無処理の水酸化アルミニウム(昭和電工社製:ハイジライトH32)100重量部をヘンシェルミキサーにより撹拌しながら、約100℃に加熱し、日本油脂社製のミスチン酸5重量部を少しずつ添加し、10分間撹拌して表面処理した水酸化アルミニウムを得た。この水酸化アルミニウムを用いたほかは、実施例1と同様に難燃性ゴム組成物を調製し、転写ベルトを製作し評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例3は、ビニルシランにより表面処理した水酸化アルミニウム(昭和電工社製:ハイジライトH42STV)を使用した以外は実施例1と同様に難燃性ゴム組成物を調製し、転写ベルトを製作し評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例4は、表面をステアリン酸処理した水酸化アルミニウム(昭和電工社製:ハイジライトH34HL)を用い、加工助剤として日本油脂社製、ステアリン酸亜鉛を用いた以外は、実施例1と同様に難燃性ゴム組成物を調製し、転写ベルトを製作し評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5,6)
実施例5は、赤燐(ノーバレッド120UF)を15重量部、水酸化アルミニウム(ハイジライトH34HL)を60重量部とし、実施例6は、赤燐(ノーバレッド120UF)を4重量部、水酸化アルミニウム(ハイジライトH34HL)を120重量部とした他は、実施例1と同様に難燃性ゴム組成物を調製し、転写ベルトを製作し評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2005097493
(比較例1〜5)
比較例1は、赤燐を15重量部、水酸化アルミニウム(ハイジライトH34HL)を50重量部とし、比較例2は、赤燐を3重量部、水酸化アルミニウム(ハイジライトH34HL)を120重量部とし、比較例3は、水酸化アルミニウム(ハイジライトH32)を無処理のままで100重量部用い、比較例4は、EPDMとしてENB量=6wt%、ムーニー粘度=38であるJSR社製のEP21を100重量部用い、比較例5は、EPDMとしてENB量=8wt%、ムーニー粘度=83であるJSR社製のEP35を100重量部用いた他は、実施例1と同様に難燃性ゴム組成物を調製し、転写ベルトを製作し評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005097493
本発明に係る転写搬送ベルトの斜視図である。 本発明に係る転写搬送ベルトが使用される電子写真装置の概要を示す側面図である。 転写搬送ベルトの成形に使用されるクロスヘッド方式のクロスヘッドダイの断面図である。
符号の説明
1:転写搬送ベルト
2:基材層
3:表面層
11:感光体
22:露光手段
70:スクリュー
71:クロスヘッドダイ
72:難燃性ゴム組成物
73:芯金案内路
74:難燃性ゴム成形物
80:芯金

Claims (3)

  1. 第3成分として5−エチリデン−2−ノルボルネンを7重量%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が50以下であるエチレンプロピレンゴム100重量部に、脂肪酸またはシランカップリング剤により表面処理された水酸化アルミニウム60〜120重量部と赤燐4〜15重量部とを含有させたことを特徴とする難燃性ゴム組成物。
  2. 前記エチレンプロピレンゴム100重量部に、更に、脂肪酸亜鉛0.5〜5重量部を加えた請求項1に記載の難燃性ゴム組成物。
  3. 請求項1または2に記載の難燃性ゴム組成物を用いてクロスヘッド押出方式により成形され、UL94難燃規格のV−1水準以上の難燃性であり、10点平均の表面粗さが10μm以下であり、変形くせ付きがないことを特徴とする電子写真装置用転写ベルト。
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