JP2877710B2 - 半導電性ゴム材料 - Google Patents

半導電性ゴム材料

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JP2877710B2
JP2877710B2 JP32858994A JP32858994A JP2877710B2 JP 2877710 B2 JP2877710 B2 JP 2877710B2 JP 32858994 A JP32858994 A JP 32858994A JP 32858994 A JP32858994 A JP 32858994A JP 2877710 B2 JP2877710 B2 JP 2877710B2
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俊一 藪下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導電性ゴム材料に関
し、より詳しくは静電式複写機、レーザープリンタ、フ
ァクシミリ等の電子写真複写装置における導電性ローラ
等の帯電部材として用いられる半導電性ゴム材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】静電
式複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等の電子写
真複写装置は、感光体の表面に静電潜像を形成し、これ
にトナーを付着させて得られるトナー像を複写紙に転写
することによって画像を複写する。従来より、静電潜像
を形成する方法としてはコロナ放電方式が用いられてい
るが、この方法には高電圧を使用したり、放電時にオゾ
ンが発生する等の問題があるために、近年では、導電ロ
ーラ等の導電部材を感光体表面に接触させることによっ
て感光体表面を帯電させる接触帯電方式が実用化されつ
つある。
【0003】上記導電部材には、通常1×1015Ω程度
以下の電気抵抗を有する導電性ゴム材料を用いられる。
前記導電性ゴム材料は、通常、比抵抗の低いカーボンブ
ラックを導電性付与剤としてゴムに配合することによっ
て得られる。しかし、このようにして得られた導電性ゴ
ム材料は、電気抵抗が印加電圧の変化に依存するため
に、帯電部材として使用する際に精密な印加電圧制御装
置を必要とする等の問題を有している。
【0004】また、帯電部材として使用するゴム材料
は、電気抵抗が1×105 〜1×10 15Ωのいわゆる半
導電性ゴム材料を用いるのが好ましいが、カーボンブラ
ックを導電性付与剤として用いた場合、電気抵抗が上記
の範囲で急激に変化するために、電気抵抗を所定の値に
設定することが困難である。従って、電気抵抗値の再現
性(量産安定性)に欠けており、帯電部材の品質が不安
定になるという問題を有している。
【0005】そこで、カーボンブラックに代えて、比抵
抗の高い複酸化物を導電性付与剤として用いる方法が特
開平3−7966号公報に開示されている。上記複酸化
物は、2種以上の金属酸化物あるいは同じ金属元素でも
酸化数の異なる2種以上の金属酸化物を含む高次化合物
であり、その構造中にオキソ酸のイオンが存在しないも
のである。
【0006】しかし、前記公報で使用されている天然ゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレ
ンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピ
レン−ジエンゴム、ポリイソプレン、シリコンゴム、ウ
レタンゴム等のゴムは一般的に絶縁抵抗が高いために、
これに比抵抗の高い複酸化物を配合しても、ゴムの導電
性を低下させる効果が少ない。従って、前記公報では、
複酸化物と多量のカーボンブラックとを併用して使用し
ており、前述のような電気抵抗の印加電圧に対する依存
性や再現性(量産安定性)の問題を解決することができ
ない。
【0007】また、電子写真複写装置内には前述のよう
にオゾンが発生することがあるため、帯電部材に耐オゾ
ン性が要求されている。本発明の目的は、上述の問題点
を解決し、電気抵抗の印加電圧への依存性が低く、電気
抵抗が再現性(量産安定性)を有しており、かつ耐オゾ
ン性に優れた半導電性ゴム材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、アクリルニトリル−ブタジエンゴムまたは水素化ア
クリルニトリル−ブタジエンゴムに硫黄架橋を施したと
きは、絶縁抵抗の低いゴムが得られることから、これを
ゴム成分として用いれば上記課題を解決できるのではな
いかという着想を得、さらに研究を重ねた結果、本発明
を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の半導電性ゴム材料は、
導電性付与剤として複酸化物を配合したゴム材料におい
て、ゴム成分がアクリロニトリル−ブタジエンゴムと、
主鎖に二重結合を有しないゴムとを含み、前記主鎖に二
重結合を有しないゴムの割合がゴム成分中で15〜30
重量%であり、硫黄架橋されており、前記複酸化物が5
2〜75重量%の割合で含有されるとともに、複酸化物
以外の導電性付与剤の含有割合0〜3重量%であるこ
とを特徴とするものである。また、本発明の他の半導電
性ゴム材料は、導電性付与剤として複酸化物を配合した
ゴム材料において、ゴム成分が水素化アクリロニトリル
−ブタジエンゴムとアクリロニトリル−ブタジエンゴム
とを100:0〜50:50の重量比で含み、硫黄架橋
されており、前記複酸化物が52〜75重量%の割合で
含有されるとともに、複酸化物以外の導電性付与剤の含
有割合が0〜3重量%であることを特徴とするものであ
る。
【0010】以下、本発明の半導電性ゴム材料について
詳細に説明する。本発明において用いられるゴム成分に
は、少なくともアクリロニトリル−ブタジエンゴム(N
BR)と主鎖に二重結合を有しないゴムとを含んでお
り、前記主鎖に二重結合を有しないゴムの割合がゴム成
分中で15〜30重量%である場合と、水素化アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)とアクリロニト
リル−ブタジエンゴム(NBR)とを100:0〜5
0:50の重量比で含んでいる場合とがある。
【0011】上記アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(NBR)としては、アクリロニトリルの割合が15〜
55モル%であるのが好ましい。本発明に使用可能なN
BRとしては、例えば日本ゼオン(株)製のDN00
4、DN219、DN300や、日本合成ゴム(株)製
のN215SL、N230S、N240S等が挙げられ
る。
【0012】主鎖に二重結合を有しないゴムとしては、
例えばエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPD
M)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、シリコー
ンゴム等が挙げられる。これらの中で、とくにEPDM
はゴムの加工性が良く、コストが低いことから好適に使
用される。前記ジエン類としては、例えばエチリデンノ
ルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジ
エン等が挙げられる。
【0013】本発明に使用可能なEPDMとしては、例
えば住友化学(株)製のエスプレン501A、同505
A、同514、同524;三井石油化学工業(株)製の
EPT1045、同3045、同4010、同402
1;日本合成ゴム(株)製のEP33、同35等が挙げ
られる。ゴム成分が少なくともNBRと主鎖に二重結合
を有しないゴムとを含んでおり、前記主鎖に二重結合を
有しないゴムの割合がゴム成分中で15〜30重量%で
ある場合において、主鎖に二重結合を有しないゴムの割
合が前記範囲よりも少ないときには、得られるゴム材料
の耐オゾン性が低下してしまう。一方、前記範囲よりも
多いときは得られるゴム材料の絶縁抵抗が高くなってし
まう。
【0014】前記水素化アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム(HNBR)は、NBR中の二重結合の一部または
全部に水素が添加されたものであり、絶縁抵抗が低く、
耐オゾン性も優れている。本発明に使用可能なHNBR
としては、水素添加率が90〜98%のものであり、具
体的には日本ゼオン(株)製のゼットポール1020、
同2010、同2020等が挙げられる。
【0015】ゴム成分がHNBRとNBRとを100:
0〜50:50の重量比で含んでいる場合において、H
NBRとNBRの重量割合が前記範囲から外れるとき
は、得られるゴムの耐オゾン性が悪くなるために好まし
くない。本発明におけるゴム組成物に用いられる上記例
示のゴムはいずれも絶縁抵抗の低いゴムであるが、これ
に硫黄架橋を施すことによってさらに絶縁抵抗を低くす
ることができる。前記硫黄架橋は、後述するように、有
機系硫黄化合物からなる加硫剤によって加硫する際に施
される。
【0016】本発明におけるゴム成分には、上記例示の
ゴム以外にも従来公知の種々のゴムを含有していてもよ
く、その含有量はゴム成分中で15重量%以下である。
含有量が前記範囲よりも多いときは、得られるゴム材料
の絶縁抵抗が高くなったり、耐オゾン性が低下するため
に好ましくない。本発明における複酸化物は、導電性付
与剤として用いられる。前記複酸化物とは、前述のよう
に2種以上の金属酸化物からなる高次化合物で、その構
造中にオキソ酸のイオンが存在しないものであり、2種
以上の金属あるいは原子価数が異なる金属のイオン半径
があまり異ならない場合に形成される置換型固溶体であ
る。従って、単なる金属酸化物とは異なり、通常の金属
酸化物では得られない導電性を得ることができる。
【0017】複酸化物の具体例としては、酸化亜鉛(Z
nO)と酸化アルミニウム(Al23 )の固溶体、酸
化インジウム(In2 3 )と酸化スズ(SnO2 )の
固溶体、酸化スズ(SnO2 )と酸化アンチモン(Ab
2 5 )の固溶体、酸化亜鉛(ZnO)と酸化チタン
(Ti2 3 )の固溶体、酸化マグネシウム(MgO)
と酸化アルミニウム(Al2 3 )の固溶体などが挙げ
られる。
【0018】本発明に使用される複酸化物の比抵抗値
は、101 〜103 Ω・cmであることが好ましい。比
抵抗値が101 Ω・cmよりも小さい場合、複酸化物の
添加によってゴムの抵抗値が急激に低下する恐れがある
ために好ましくない。一方、103 Ω・cmよりも大き
い場合、ゴムに半導電性をもたせるために添加される複
酸化物の量が多くな、ゴム材料に対する分散性やゴム
の加工性が悪くなるために好ましくない。上記例示の複
酸化物のうち、特に酸化亜鉛と酸化アルミニウムの固溶
体は、ゴム材料に対する分散性・加工性に優れており、
コストを低くすることができるために好ましい。
【0019】上記例示の複酸化物は、例えば金属酸化物
結晶格子中に1種または2種以上の異種の金属イオンを
分散させて還元雰囲気中で焼成することによって製造さ
れる。例えば、酸化亜鉛(ZnO)と酸化アルミニウム
(Al2 3 )の固溶体からなる複酸化物(ZnAl2
4 )は、酸化亜鉛とアルミニウム塩をアンモニウム塩
水溶液中で処理し、脱水処理後、水素雰囲気中で焼成す
ることによって得られる(特公昭62−41171号公
報参照)。
【0020】複酸化物の含有量は、ゴム材料中で52〜
75重量%である。含有量が上記範囲よりも少ないとき
は十分な導電性が得られず、上記範囲よりも多いときは
作業性や加工性が悪くなる。複酸化物以外の導電性付与
剤としては、例えばカーボンブラックや、銅、アルミニ
ウム、ニッケル、亜鉛、ステンレス、鋼などの金属粉な
どが挙げられる。これらの含有量はゴム組成物中で3重
量%以下である。含有量が前記範囲以上であると、電気
抵抗の電圧依存性や再現性および量産安定性が悪くなる
ために好ましくない。また、含有量の下限に制限はな
く、添加していなくてもよい。
【0021】本発明の半導電性ゴム材料は、上記例示の
ゴムおよび複酸化物などの導電性付与剤に下記の他の添
加剤を配合し、これを混練、加硫・架橋することによっ
て得られる。上記他の添加剤としては、例えば加硫剤、
加硫促進剤および加硫促進助剤からなる加硫系のほか
に、発泡剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、充填剤など
が挙げられる。
【0022】加硫剤としては、硫黄または有機系硫黄化
合物が用いられる。このような加硫剤を用いることによ
り、前述のように、加硫時にゴム成分に硫黄架橋が施さ
れ、得られるゴム材料の絶縁抵抗を低下させることがで
きる。一方、有機過酸化物や金属酸化物を加硫剤として
用いた場合は、得られるゴム材料の絶縁抵抗を十分に低
下させることができないために好ましくない。
【0023】加硫剤の添加量はゴム成分100重量部に
対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部
である。加硫促進剤としては、例えばテトラメチルチウ
ラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド
等のチウラム類、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ
エチルジチオカルバミン酸亜鉛などのジチオカルバミン
酸塩類、2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロ
ヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等の
チアゾール類、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチ
ルチオ尿素などのチオウレア類などの有機硫黄系化合物
が挙げられる。尚、これらの加硫促進剤は、単独で加硫
剤として用いることも可能である。
【0024】加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100重
量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重
量部である。加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華など
の金属酸化物、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪
酸、その他従来公知の加硫促進助剤が挙げられる。ま
た、加硫の方法としては、従来公知の方法が使用可能で
ある。
【0025】尚、上記加硫促進助剤の中には、単独で加
硫剤として用いることができるものもあるが、本発明で
は前述の理由により、上記硫黄または有機硫黄化合物か
らなる加硫剤とともに使用されなければならない。発泡
剤としては、例えばジアミノベンゼン、ジニトロソペン
タメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、アゾジカルボンアミド等が挙げられる。
【0026】老化防止剤としては、例えば2−メルカプ
トベンゾイミダゾール等のイミダゾール類、フェニル−
α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p
−フェニレンジアミン等のアミン類、ジ−t−ブチル−
p−クレゾール、スチレン化フェノール類などが挙げら
れる。軟化剤としては、例えばステアリン酸、ラウリン
酸などの脂肪酸、綿実油、トール油、パラフィンワック
ス等が挙げられる。
【0027】可塑剤としては、例えばジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェー
ト等が挙げられる。充填剤としては、例えば炭酸カルシ
ウム、クレー、硫酸バリウム、ケイ藻などが挙げられ
る。本発明の半導電性ゴム材料は、上記例示の各成分を
配合して混練し、160〜180℃で10〜30分間加
熱し、加硫を行うことによって得られる。また、本発明
の半導電性ゴム材料は、用途に応じて所望の形状に成形
して使用される。
【0028】
【実施例】ゴム材料の作製 実施例1〜6および比較例1〜12 各実施例および比較例について、表1に示す各成分を配
合して混練し、170℃の温度で20分間加熱して加硫
を行い、ゴム板を作製した。
【0029】
【表1】
【0030】(表中、重量%はゴム材料総量中の割合を
示す。) 上記実施例および比較例において、アクリロニトリル−
ブタジエンゴム(NBR)には日本ゼオン(株)製のD
N219を、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EP
DM)には住友化学(株)製のエスプレン501Aを、
天然ゴムにはSMR(Standard Malaysian Rubber) 規格
の5CVを、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)には
日本合成ゴム(株)製のSBR1500を、ブタジエン
ゴム(BR)には日本合成ゴム(株)製のBR1220
をそれぞれ使用した。
【0031】また、酸化亜鉛(ZnO)と酸化アルミニ
ウム(Al2 3 )との固溶体には白水化学(株)製の
23K−Sを、カーボンブラックとしては、ファーネス
ブラック(HAF)である三菱化成(株)製のダイヤブ
ラックHをそれぞれ使用した。さらに、亜鉛華には白水
化学(株)製の亜鉛華1号を、テトラエチルチウラムジ
スルフィド(TETD)には大内新興化学工業(株)製
のノクセラーTETを、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル(MBTS)には大内新興化学工業(株)製のノクセ
ラーDMを、ジクミルパーオキシド(DCP)には日本
油脂(株)製のパークミルDをそれぞれ使用した。 実施例7〜12および比較例13〜23 各実施例および比較例について、表2に示す各成分を配
合して混練し、170℃の温度で20分間加熱して加硫
を行い、ゴム板を作製した。
【0032】
【表2】
【0033】(表中、重量%は前記と同じである。)上
記実施例7〜12および比較例13〜23において使用
した成分は、前述の実施例1〜6および比較例1〜12
で使用したものと同じである。また、水素化アクリルニ
トリル−ブタジエンゴム(HNBR)には、日本ゼオン
(株)製のゼットポール2010を使用した。 ゴム板の性能評価 上記実施例、比較例毎に作製した10cm×10cmの
ゴム板を試験片として用い、下記の性能評価試験を行っ
た。 (電気抵抗) 上記試験片に100Vの電圧をかけたときの抵抗値R
(Ω)を測定し、その値の対数(log R)を求め
た。この値が小さいほど、ゴム組成物の導電性が大きい
ことを示す。尚、半導電性ゴム組成物としての電気抵抗
値の好ましい範囲は、log Rで5〜10である。 (電圧依存性) 上記試験片に10Vの電圧をかけたときの抵抗値R
1 (Ω)と、1000Vの電圧をかけたときの抵抗値R
2 (Ω)とを測定し、それぞれの値の対数(log
1 、log R2 )を求め、その差を求めた。この値
が小さいほど、電気抵抗における電圧の依存性が少ない
ことを示す。 (抵抗値再現性) 上記試験片に100Vの電圧をかけたときの抵抗値R
(Ω)を測定し、その値の対数(log R)を求め
。測定は、各実施例、比較例毎に3種類ずつの試験片
について行い、最大値と最小値との差を求めた。この値
が小さいほど、電気抵抗値の再現性が高いことを示す。 (耐オゾン性) 各実施例、比較例について、上記と同様の試験片を用
い、オゾン濃度25pphm、40℃の雰囲気下で96
時間放置した。放置後、試験片を10%伸長させて亀裂
の有無を観察し、亀裂が発生しなかったものを〇(耐オ
ゾン性が良好)、発生したものを×(耐オゾン性が不
良)とした。 (加工性) 各実施例、比較例について、ゴム材料の混練から押出成
形、加硫プレスによるゴム板の作製までの各工程での加
工性の良否を総合的に評価し、加工性が良好なものを
〇、加工性に劣っていて実用性がないものを×とした。
【0034】以上の評価の結果を表3〜4に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】実施例1,7および比較例1〜3,13〜
15より、本発明に使用するゴム成分としては、アクリ
ルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)またはアクリル
ニトリル−ブタジエンゴムの一部または全部が水素添加
されたゴム(HBR)が適しているのがわかる。汎用ゴ
ムである天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴムまたはブ
タジエンゴムを用いた比較例1〜3,13〜15では、
NBRを使用する実施例1またはHNBRを使用する実
施例7に比べて電気抵抗値R(Ω)が100倍程度、す
なわちlog Rが2程度高くなり、複酸化物の効果が
現れない。
【0038】実施例1,7および比較例4〜5,16〜
17より、本発明に使用するゴムの架橋系としては硫黄
架橋が好ましいのがわかる。すなわち、過酸化物架橋や
金属塩架橋を用いた比較例4〜5,16〜17は、硫黄
架橋を用いた実施例1,7に比べて電気抵抗R(Ω)が
100倍程度、すなわちlog Rが2程度高くなり、
満足する抵抗値が得られない。
【0039】実施例1,3および比較例6〜7より、E
PDMのゴム成分100重量部中での割合は15〜30
重量部が良好であるのがわかる。すなわち、EPDMの
配合量が15〜30重量部の範囲にある実施例1,3で
は耐オゾン性・抵抗値ともに満足しているのに対し、E
PDMが配合されていない比較例6は耐オゾン性が満足
せず、EPDMが40重量部配合されている比較例7で
は抵抗値が高くなり、複酸化物の効果が現れない。
【0040】実施例1〜2,4〜6,7〜8,10〜1
2および比較例8〜9,19〜20より、電圧依存性・
電気抵抗再現性を満足させる導電性付与剤としては複酸
化物が好ましいのがわかる。同程度の電気抵抗を持つ実
施例1,4〜6と比較例8、実施例2と比較例9、実施
例7,10〜12と比較例19ないしは実施例8と比較
例20とを比較した場合において、複酸化物を使用した
実施例は電圧依存性を示すR(Ω)の差が10倍以内、
すなわちlog Rの差が1以内であるのに対し、多量
にカーボンブラックを使用した比較例の電圧依存性を示
すR(Ω)の差は100〜1000倍、すなわちlog
Rで2〜3もの差があり、好ましくない。また、抵抗
再現性においても、複酸化物を使用した実施例は、R
(Ω)のばらつきが1.5倍程度以内、すなわちlog
Rで約0.2以内であるのに対し、カーボンブラック
を多量に用いた比較例は、R(Ω)のばらつきが10倍
以上、すなわちlog Rで1以上になり量産安定性に
欠ける。
【0041】また、比較例12および23は、前述の特
開平3−7966号公報に記載の範囲で複酸化物とカー
ボンブラックとを配合したものであるが、この場合もゴ
ムの電気抵抗の電圧依存性および再現性を満足させるこ
とができない。実施例1〜2,7〜8および比較例10
〜11,21〜22より、複酸化物の含有量はゴム材料
中で52〜75重量%が好ましいことがわかる。複酸化
物の含有量が前記範囲内にある実施例1〜2,7〜8は
良好な電気抵抗値が得られ、なおかつ加工性も優れてい
るのに対して、複酸化物の含有量が50重量%の比較例
10および21は電気抵抗値が高くて複酸化物の効果が
現れず、複酸化物の含有量が78重量%の比較例11お
よび22は加工性が劣っている。
【0042】実施例7,9および比較例18より、HN
BRにNBRを配合する場合にNBRの重量割合がHN
BRより多くなると、ゴム材料の耐オゾン性が不十分に
なり、電子写真複写装置に用いるには不向きであるのが
わかる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、ゴム成分が少なくとも
アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)または水
素化アクリルニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)を
含み、かつ硫黄架橋されており、複酸化物が52〜75
重量%の割合で含有されるとともに、複酸化物以外の導
電性付与剤が3重量%以下の割合で含有されていること
から、印加電圧の変化および半導電体領域において安定
な抵抗を有し、かつ耐オゾン性に優れる半導電性ゴム材
料を得ることができる。
【0044】従って、本発明の半導電性ゴム材料は、電
子写真複写装置における導電性ローラ等の用途に好適で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08L 9/02 23:16) (C08L 15/00 9:02) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 7/00 - 21/02 C08L 23/16 C08K 3/20 - 3/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性付与剤として複酸化物を配合したゴ
    ム材料において、ゴム成分がアクリロニトリル−ブタジ
    エンゴムと、主鎖に二重結合を有しないゴムとを含み、
    前記主鎖に二重結合を有しないゴムの割合がゴム成分中
    で15〜30重量%であり、硫黄架橋されており、前記
    複酸化物が52〜75重量%の割合で含有されるととも
    に、複酸化物以外の導電性付与剤の含有割合0〜3重
    %であることを特徴とする半導電性ゴム材料。
  2. 【請求項2】前記主鎖に二重結合を有しないゴムがエチ
    レン−プロピレン−ジエンゴムである請求項記載の半
    導電性ゴム組成物。
  3. 【請求項3】導電性付与剤として複酸化物を配合したゴ
    ム材料において、ゴム成分が水素化アクリロニトリル−
    ブタジエンゴムとアクリロニトリル−ブタジエンゴムと
    を100:0〜50:50の重量比で含み、硫黄架橋さ
    れており、前記複酸化物が52〜75重量%の割合で含
    有されるとともに、複酸化物以外の導電性付与剤の含有
    割合が0〜3重量%であることを特徴とする半導電性ゴ
    ム材料。
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