JP3668555B2 - 導電性ゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば導電性ローラ等のゴム製品の製造材料として使用される、新規な導電性ゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば静電式複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置等の電子写真法を利用した画像形成装置においては従来、光導電性の像担持体の表面を一様に帯電させ、露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナー像に顕像化し、トナー像を紙等の表面に転写した後、像担持体の表面を除電する画像形成の工程のうち帯電、転写および除電の各工程に、いわゆるコロトロン方式等によるコロナ放電を利用していた。
【0003】
しかしコロナ放電には、オゾンの発生や高電圧電源を必要とする等の問題があるため、近時、上記コロナ放電に代えて、帯電、転写および除電の各工程のうちの少なくとも1工程に、導電性ゴム組成物からなる導電性ローラを用いる接触方式を採用した画像形成装置が実用化されつつある。
上記導電性ローラの従来例としては、たとえば
▲1▼ エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)に、導電性充てん剤であるカーボンブラックを配合した導電性ゴム組成物を発泡成形したもの(特開平5−331307号公報)や、あるいは
▲2▼ 比較的低抵抗の基材ゴムに、導電性付与剤として第4級アンモニウム塩等を配合した導電性ゴム組成物を発泡成形したもの(特開平7−28301号公報)
などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のうち▲1▼の構成においては、EPDMが高抵抗であるため、カーボンブラックの分散状態が電気抵抗に大きく係わっており、導電性ゴム組成物におけるカーボンブラックの配合量を同じにしても、当該カーボンブラックの分散状態の違いによって、製造される導電性ローラの電気抵抗が一定しない場合が生じ、再現性および量産安定性を確保するのが容易でないという問題がある。
【0005】
また上記▲1▼の構成の導電性ローラにおいては、その電気抵抗が、印加電圧の変化に依存して変動するという問題もある。この問題もやはり、カーボンブラックの分散状態に起因して発生するものと、発明者らは考えている。
つまりEPDMは前記のように高抵抗であるため、所望の電気抵抗をえるためにカーボンブラックを多量に混入させる必要があるが、多量に混入されたカーボンブラックはEPDM中に均等に分散されず、凝集して、不連続な連鎖構造、つまり複数のカーボンブラック粒子が鎖状に繋がった連鎖が、EPDM中に切れぎれに存在する構造をとる。
【0006】
そしてこのような不連続な連鎖構造においては、主としてカーボンブラックの連鎖上を電流が流れるのであるが、連鎖の不連続部分、つまりカーボンブラックの粒子間のギャップ部は、高抵抗(1015Ω程度)のEPDMにより充てんされているため、電界強度が低い場合には、上記の不連続部分に全く電流が流れず、電界強度がある程度高くなってはじめて、電流がギャップをジャンプして流れるようになる。それゆえ電界強度、すなわち印加電圧の変化に依存して、導電性ローラの電気抵抗が変動するのである。
【0007】
このため上記▲1▼の構成の導電性ローラを、たとえば前述した画像形成装置の転写手段に使用した場合には、必要とされる転写電流をえるのに精密な印加電圧制御装置が必要となり、画像形成装置の複雑化とコストアップを招くという問題がある。
一方、前記▲2▼の構成においては、基材ゴムとして、たとえばエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ウレタンゴム、水素化ニトリルゴム等の低抵抗のゴムを用いるため、前者のような問題は生じないが、第4級アンモニウム塩が親水性であるため、温度や湿度等の環境変化により、導電性ローラの電気抵抗が変動するという問題がある。とくに、基材ゴムとしてウレタンゴムを使用した場合には、かかるウレタンゴム自体も親水性であるためより一層、環境変化による導電性ローラの電気抵抗の変動が大きくなってしまう。
【0008】
そこで発明者は、前記▲1▼の構成のうちEPDMに代えて、上述した低抵抗の基材ゴムのうち耐湿性のよいNBRを使用することを検討した。
つまりかかる構成では、基材ゴムであるNBR自体が低抵抗であることと、それゆえにカーボンブラックを多量に加える必要がないため、カーボンブラックがNBR中により均質に分散されることと、前記のようにNBRが耐湿性にすぐれることとが相まって、カーボンブラックの分散状態の違いによる電気抵抗のばらつきや、印加電圧の変化に依存した電気抵抗の変動、あるいは環境変化による電気抵抗の変動等を抑制できるのではないかと考えたのである。
【0009】
しかし、とくに前述した画像形成装置においては、接触方式の採用によりオゾンの発生量を抑制できるとはいうものの、依然として像担持体の周囲はオゾン濃度が高いために、耐オゾン性があまり良好でない上記NBRを基材ゴムとして用いるのは好ましくない。
この発明は、上記の問題点を解決して、電気抵抗が印加電圧の変化や環境変化に対して安定であるとともに耐オゾン性にすぐれており、しかも、電気抵抗の再現性および量産安定性にもすぐれた、導電性ローラ等の各種ゴム製品を製造しうる、新規な導電性ゴム組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため発明者らは、基材ゴムとしてのNBRに、耐オゾン性が良好な別のゴムを配合することを検討した結果、アクリルゴムが、ゴム製品に耐オゾン性を付与する効果にすぐれるとともに、NBRとの相溶性が良好で均質なゴム組成物を形成しうることを見出した。
【0011】
そこで、上記アクリルゴムの配合割合についてさらに検討を行った結果、この発明を完成するに至った。
すなわちこの発明の導電性ゴム組成物は、基材ゴムとして、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムとアクリルゴムとを、重量比で80/20〜50/50の割合で併用すると共に、導電性付与剤として、粒径18〜120nmのカーボンブラックを、基材ゴム100重量部に対して10〜50重量部の割合で含有したことを特徴とするものである。
【0012】
この発明において、NBRとアクリルゴムとの配合割合が上記の範囲に限定されるのは、以下の理由による。
すなわち、上記範囲よりもNBRが多く、アクリルゴムが少ない場合には、当該アクリルゴムによる、耐オゾン性を付与する効果が不十分となって、かかる導電性ゴム組成物から製造される、導電性ローラ等のゴム製品の耐オゾン性が低下してしまう。
【0013】
また逆に、上記範囲よりもNBRが少なく、アクリルゴムが多い場合には、当該アクリルゴムの耐湿性が、NBRのそれに比べてやや低いために、かかる導電性ゴム組成物から製造されるゴム製品の、環境変化による電気抵抗の変動が大きくなってしまう。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明を説明する。
この発明の導電性ゴム組成物は、前述したように、基材ゴムが、NBRとアクリルゴムとを、重量比で80/20〜50/50の割合で含有すると共に、導電性付与剤として、粒径18〜120nmのカーボンブラックを、基材ゴム100重量部に対して10〜50重量部の割合で含有することを特徴とするものである。
【0015】
上記のうちNBRとしては種々のグレードのものがいずれも使用可能であるが、とくに低抵抗であることと耐湿性にすぐれることとを考慮すると、アクリロニトリル成分の含有量が15〜55%程度であるのが好ましい。かかるNBRの具体例としては、これに限定されないがたとえば日本ゼオン(株)製のDN004、DN219、DN300、日本合成ゴム(株)製のN215SL、N230S、N240S等があげられる。
【0016】
また上記NBRに配合されるアクリルゴムとしては、アクリル酸エステルを主体とする種々の弾性体があげられるが、とくに前述した耐オゾン性の付与効果と、NBRに対する相溶性とを考慮すると、これに限定されないが、たとえば日本ゼオン(株)製のAR−31、AR−32、AR−42、昭和電工・デュポン(株)のベイマックD、ベイマックG、日信化学工業(株)製のRV−2540L、住友化学(株)製のエスプレンEMA−2152、エスプレンEMA−2752等が、好適なものとしてあげられる。
【0017】
上記NBRとアクリルゴムとの配合割合が前記範囲に限定される理由は、前述したとおりである。
この発明の導電性ゴム組成物は、上記の基材ゴムに、従来同様の各種添加剤を添加して製造される。
基材ゴムに添加される添加剤としては、たとえば導電性ゴム組成物に発泡性を付与するための発泡剤や、導電性を付与するための導電性付与剤の他、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、老化防止剤、補強剤、充てん剤、軟化剤、可塑剤等があげられる。
【0018】
上記のうち発泡剤は、前述した導電性ローラ等の、発泡構造を有するゴム製品を製造する際に添加されるもので、かかる発泡剤としてはたとえばジアゾアミノベンゼン、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾジカルボンアミド等があげられる。
また導電性付与剤としては、カーボンブラックが使用される。
【0019】
カーボンブラックとしては、たとえばチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック等があげられる。当該カーボンブラックの粒径は、基材ゴム中に均質に分散させることを考慮して、18〜120nmに限定され、特に22〜90nm程度であるのが好ましい。
【0020】
カーボンブラックの添加量が多すぎると、前述したように凝集が発生して、分散状態の違いによる電気抵抗のばらつきや、印加電圧の変化に依存した電気抵抗の変動等が生じるおそれがあるので、導電性付与剤の添加量は、基材ゴム100重量部に対して50重量部以下に限定され、特に30重量部以下であるのが好ましい。
【0021】
また、カーボンブラックの添加量は、基材ゴム100重量部に対して、10重量部以上に限定される。
【0022】
加硫剤としては、たとえば硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物等があげられ、このうち有機含硫黄化合物としては、たとえばN,N′−ジチオビスモルホリン等があげられ、有機過酸化物としては、たとえばベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等があげられる。
加硫剤の添加量は従来と同程度、つまり基材ゴム100重量部に対して0.3〜5重量部程度であるのが好ましく、0.5〜4重量部程度であるのがさらに好ましい。
【0023】
また加硫促進剤としては、たとえばテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジブチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカーバミン酸テルル等のジチオカーバミン酸類;2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のチアゾール類;トリメチルチオ尿素、N,N′−ジエチルチオ尿素等のチオウレア類などの有機促進剤や、あるいは消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサージ(PbO)等の無機促進剤があげられる。
【0024】
加硫促進助剤としては、たとえば亜鉛華等の金属酸化物や、あるいはステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸などがあげられる。
加硫遅延剤としては、たとえばサリチル酸、無水フタル酸、安息香酸等の芳香族有機酸;N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチルアミン等のニトロソ化合物などがあげられる。
【0025】
老化防止剤としては、たとえば2−メルカプトベンゾイミダゾール等のイミダゾール類;フェニル−α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等のアミン類;ジ−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノール等ノフェノール類などがあげられる。
【0026】
補強剤としては主にカーボンブラックが使用される他、ホワイトカーボン、亜鉛華、表面処理沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー等の無機補強剤や、あるいはクマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂(スチレン含有量の多いスチレン−ブタジエン共重合体)等の有機補強剤も使用できる。
【0027】
このうちカーボンブラックは、前述したように導電性付与剤として使用されるものであり、かかるカーボンブラックを、導電性付与剤および補強剤として兼用するのが好ましい。
充てん剤としては、たとえば炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、珪藻土などがあげられる。
【0028】
軟化剤としては、たとえば脂肪酸(ステアリン酸、ラウリン酸等)、綿実油、トール油、アスファルト物質、パラフィンワックス等の、植物油系、鉱物油系、および合成系の各種軟化剤があげられる。
さらに可塑剤としては、たとえばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェート等の各種可塑剤があげられる。
【0029】
上記以外にも、基材ゴムにはたとえば分散剤、溶剤等を適宜配合してもよい。
この発明の導電性ゴム組成物は、上記の各成分を、たとえばオープンロール、密閉式混練機等を用いて、発泡剤の分解温度以下の温度で混練することにより製造される。
そしてこの発明の導電性ゴム組成物は、前述した画像形成装置の導電性ローラや導電性ベルト等の製造材料として好適に使用される他、たとえば帯電防止効果を有するタイヤや床材料、紡績、製紙、印刷用のロール、手袋等の製造材料としても使用できる。
【0030】
この発明の導電性ゴム組成物から上記各種ゴム製品を製造するには、それぞれのゴム製品に応じた、通常の製造方法を適用すればよい。
【0031】
【実施例】
以下にこの発明を、実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1
NBR〔前出のN230S〕80重量部と、アクリルゴム〔前出のベイマックG〕20重量部とを基材ゴムとし、当該基材ゴム100重量部に対して下記の各成分を配合し、混練して、導電性ゴム組成物を製造した。
【0032】
実施例2
NBR50重量部とアクリルゴム50重量部とを基材ゴムとしたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ゴム組成物を製造した。
【0033】
比較例1
アクリルゴムを使用せず、NBR100重量部を基材ゴムとしたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ゴム組成物を製造した。
比較例2
NBR20重量部とアクリルゴム80重量部とを基材ゴムとしたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ゴム組成物を製造した。
【0034】
比較例3
アクリルゴムに代えてEPDM20重量部を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電性ゴム組成物を製造した。
比較例4
NBRに代えて天然ゴム80重量部を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電性ゴム組成物を製造した。
【0035】
比較例5
NBRに代えてウレタンゴム80重量部を使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電性ゴム組成物を製造した。
上記各実施例、比較例の導電性ゴム組成物を加硫、成形して、縦10cm×横10cmのシート状のサンプルを作製し、このサンプルを用いて以下の各試験を行って、各導電性ゴム組成物の特性を評価した。
【0036】
電気抵抗測定
図1に示すように、上記シート状のサンプル1を、それよりも大きい一対の電極板2、3によって挟み、上側の電極板3に500gの荷重Wを加えてサンプル1と電極板2、3とを圧接しつつ、温度20℃、湿度60%の常温、常湿環境下、1000Vの電圧を印加したときの電流値(A)を測定した。そしてオームの法則にもとづいて、電極板2、3間の電気抵抗R(Ω)を求めた。
【0037】
環境安定性評価
前記シート状のサンプルの電気抵抗電気抵抗R(Ω)を、温度10℃、湿度15%の低温、低湿環境下、および温度32.5℃、湿度90%の高温、高湿環境下で、それぞれ前記と同様にして測定した。そして両者の差ΔR(Ω)を求め、その大小により、環境変化に対する電気抵抗の安定性を評価した。
【0038】
電圧安定性評価
前記シート状のサンプルの、印加電圧を10Vとしたときと1000Vとしたときの電気抵抗R(Ω)を、温度20℃、湿度60%の常温、常湿環境下で、それぞれ前記と同様にして測定した。そして両者の差ΔR(Ω)を求め、その大小により、印加電圧に対する電気抵抗の安定性を評価した。
【0039】
再現性評価
各実施例、比較例の導電性ゴム組成物を、それぞれ3回ずつ別個に製造し、各導電性ゴム組成物から製造した3枚ずつのシート状のサンプルの、1000Vの電圧を印加したときの電気抵抗電気抵抗R(Ω)を、温度20℃、湿度60%の常温、常湿環境下で、それぞれ前記と同様にして測定した。そして測定値の最大値と最小値との差ΔR(Ω)を求め、その大小により電気抵抗の再現性を評価した。
【0040】
耐オゾン性試験
前記シート状のサンプルを、オゾン濃度25pphm、温度40℃のオゾン雰囲気中で96時間放置した後、10%伸長させてき裂の有無を観察した。そしてき裂が生じなかったものを○(耐オゾン性良好)、き裂を生じたものを×(耐オゾン性不良)として評価した。
【0041】
以上の結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1より、NBRとアクリルゴムとを、重量比で80/20〜50/50の割合で併用した実施例1、2はともに、NBRのみを使用した比較例1に比べて耐オゾン性にすぐれるとともに、上記範囲よりNBRが少なく、アクリルゴムが多い比較例2、およびNBRに代えてウレタンゴムを使用した比較例5に比べて環境安定性にすぐれることがわかった。また上記実施例1、2はともに、アクリルゴムに代えてEPDMを使用した比較例3、およびNBRに代えて天然ゴムを使用した比較例4に比べて再現性にすぐれるとともに、上記比較例4に比べて電圧安定性にすぐれることもわかった。さらに実施例1、2は、高抵抗であるEPDMを使用した上記比較例4に比べて電気抵抗が低く、しかもNBRとアクリルゴムとが良好な相溶性を有するため、相溶性を有しないNBRとEPDMとを使用した上記比較例4に比べて、均一な相を形成できることが確認された。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳述したようにこの発明の導電性ゴム組成物は、基材ゴムとしてNBRとアクリルゴムとを所定の割合で併用すると共に、導電性付与剤として、所定の粒径を有するカーボンブラックを、所定の割合で含有したものであるため、電気抵抗が印加電圧の変化や環境変化に対して安定であるとともに耐オゾン性にすぐれており、しかも、電気抵抗の再現性および量産安定性にもすぐれたゴム製品を製造できるという特有の作用効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例、比較例の導電性ゴム組成物から製造したシート状のサンプルの電気抵抗を測定する方法を説明する図である。
Claims (1)
- 基材ゴムとして、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムとアクリルゴムとを、重量比で80/20〜50/50の割合で併用すると共に、導電性付与剤として、粒径18〜120nmのカーボンブラックを、基材ゴム100重量部に対して10〜50重量部の割合で含有したことを特徴とする導電性ゴム組成物。
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