JP2004069980A - 発泡導電性ゴムローラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性芯材上に発泡ゴム層が設けられている発泡導電性ゴムローラにおいて、該発泡ゴム層のゴム組成物のゴム成分が、少なくとも非極性ゴム(A)、エピクロルヒドリンゴム(B)及びアクリロニトリルブタジエンゴム(C)を含有しており、かつ、下記条件
(1)該(A)の全ゴム成分の合計に対する割合が質量比で10以上30以下、
(2)該(B)の(B)、(C)の合計に対する割合が質量比で5以上25未満、
(3)該ゴム組成物の発泡進行率10%における加硫進行率が5〜27%、
(4)該ゴム組成物の発泡進行率90%における加硫進行率が48〜85%、
を満たすゴム組成物であることを特徴とする発泡導電性ゴムローラ。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機やプリンター等の画像形成装置で用いられる導電性ゴムローラに関するものであり、特に、電子写真感光体に当接して用いられる転写ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やプリンター等のOA機器の画像形成装置においては、コロナ放電により高電圧を印加する非接触型の帯電法が用いられていた。しかしながら、この帯電法ではコロナ放電に伴い有害なオゾンが発生する問題があった。そこで近年では、電圧印加した導電性ゴムローラを電子写真感光体表面に押し当て、絶縁体表面を帯電する接触帯電方式を用いた画像形成が主流となっており、画像形成の中心であるOPC等の電子写真感光体を用いた感光ドラム廻りに帯電、転写等の各工程別に導電性ゴムローラが用いられている。
【0003】
また、導電性ゴムローラにおいては、ドラムとの密着性を高めるため上記特性のほかに適度に低硬度であることが望まれている。ローラ硬度が高い場合、感光ドラム等とのニップ幅が小さくなるため、例えば、転写ローラの場合、転写率が低下したり、電子写真感光体の表面の摩耗や損傷により画像の欠陥を生じ易い。また、硬度が低過ぎる場合は、柔らか過ぎて圧縮永久歪が大きくなり耐久性が劣るほか、搬送力が強くなり過ぎ画像に欠陥を生じ易い。
【0004】
導電性ゴムローラの低硬度化の方法としては、軟化剤や可塑剤等の各種添加剤を用いている方法が挙げられるが、軟化剤や可塑剤等を添加した導電性ゴムローラを感光ドラムと接触使用した場合、導電性ゴムローラ内から低分子量の各種添加剤がブリードアウトし電子写真感光体表面に付着することで、画像劣化や電子写真感光体汚染等を起こすという問題が生じ易い。
【0005】
そのため、導電性ゴムローラの低硬度化は、一般的に、化学発泡剤を用いて発泡弾性ゴムローラを得る方法が用いられている。
【0006】
上記導電性ゴムローラに用いるゴム材料としては、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)やエピクロルヒドリンゴム等の極性ゴムを用いる手法が一般的である。極性ゴムは、ポリマー内に存在する極性基の作用により導電性をもつため、抵抗のばらつきが小さく、また電気抵抗の電圧依存性が小さいことから導電性ゴムローラに適していることが知られている。
【0007】
しかしながら、アクリロニトリルブタジエンゴムやエピクロルヒドリンゴム等を主成分とする導電性ゴムローラの場合、極性ゴムであるため電子写真感光体表面を被膜している極性樹脂と馴染み易く、電子写真感光体表面に貼り付き、画像劣化や電子写真感光体汚染等を起こすという問題を生じ易い。
【0008】
そこで、このような上記の問題点を解決する方法として、ローラ表面にオゾンや紫外線を照射することで表面を改質する方法(特開平8−292640号公報及び特開平11−149201号公報等)や非極性ゴムをブレンドする方法が提案されている。しかしながら、オゾンや紫外線を照射する方法は貼り付き防止に効果があるものの、人体に悪影響を与える恐れもあり、また、設備も高価である。
【0009】
また、非極性ゴムとのブレンドの場合、非極性ゴムと電子写真感光体表面の樹脂被膜との極性の違いにより馴染みにくく、その結果、アクリロニトリルブタジエンゴムやエピクロルヒドリンゴムと電子写真感光体表面との接触が緩和され、電子写真感光体表面との貼り付かないローラが得られる。また、イオン導電系ゴム材の特徴である抵抗のばらつきが小さく、電気抵抗の電圧依存性が小さいという特性を保持した導電性ゴムローラを得ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、極性ゴムであるアクリロニトリルブタジエンゴムやエピクロルヒドリンゴムと非極性ゴムからなるゴム組成物の場合、両者が非相溶性であり、また、加硫速度や発泡速度が異なるため、均一に発泡させることが困難である問題を有していた。
【0011】
本発明の目的は、前述の事情に鑑みなされたものであり、接触使用しても電子写真感光体への貼り付きや汚染がなく、かつ抵抗値の環境依存性の小さい低硬度の発泡導電性ゴムローラを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、導電性芯材上に発泡ゴム層が設けられている発泡導電性ゴムローラにおいて、該発泡ゴム層のゴム組成物のゴム成分が、少なくとも非極性ゴム(A)、エピクロルヒドリンゴム(B)及びアクリロニトリルブタジエンゴム(C)を含有しており、かつ、下記条件
(1)該(A)の全ゴム成分の合計に対する割合が質量比で10以上30以下、
(2)該(B)の(B)、(C)の合計に対する割合が質量比で5以上25未満、
(3)該ゴム組成物の発泡進行率10%における加硫進行率が5〜27%、
(4)該ゴム組成物の発泡進行率90%における加硫進行率が48〜85%、
を満たすゴム組成物であることを特徴とする発泡導電性ゴムローラが提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の導電性ゴムローラについて詳述する。本発明の発泡導電性ゴムローラは、導電性芯材上に発泡ゴム層が設けられている発泡導電性ゴムローラである。本発明に使用するゴム組成物中のゴム成分は、少なくとも非極性ゴム(A)、エピクロルヒドリンゴム(B)及びアクリロニトリルブタジエンゴム(C)を含有し、その配合割合は非極性ゴム(A)の全ゴム成分の合計に対する割合が質量比で10以上30以下であり、エピクロルヒドリンゴム(B)及びアクリロニトリルブタジエンゴム(C)の合計に対するエピクロルヒドリンゴム(B)の割合が質量比で5以上25未満である。また、上記ゴム組成物の発泡進行率10%における加硫進行率が5〜27%、発泡進行率90%における加硫進行率が48〜85%である。
【0014】
上記ゴム成分中の非極性ゴム(A)の種類は、電子写真感光体に対し貼り付きや汚染がないものであれば、特に限定されるものではない。例えば、エチレンプロピレンゴム、エチレンゴム、エチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴム等が挙げられるが、特に耐オゾン性や耐熱性の面で優れているエチレンプロピレンジエンゴムが好ましい。
【0015】
上記非極性ゴムの添加量は、全ゴム成分に対して質量比で10以上30以下であり、より好ましくは15以上25以下である。非極性ゴムの質量比が10未満の場合、アクリロニトリルブタジエンゴムやエピクロルヒドリンゴムと電子写真感光体表面との接触を緩和する効果が弱く、電子写真感光体表面に貼り付いたり、電子写真感光体汚染を生じる。また、非極性ゴムの質量比が30を超える場合、電子写真感光体への貼り付きや汚染に効果があるものの、ローラ抵抗が高くなるため、転写ローラとしての機能を損ない、転写不良による画像ムラを生じてしまう。そのためローラ抵抗としては、最も抵抗が高くなる低温低湿環境においても1×1010Ω未満が好ましい。
【0016】
上記ゴム成分中のエピクロルヒドリンゴム(B)とアクリロニトリルブタジエンゴム(C)は、抵抗調整を目的として添加される。アクリロニトリルブタジエンゴムのアクリロニトリル含有量や、エピクロルヒドリンゴムのエチレンオキサイドとエピクロルヒドリンの共重合比率は、各ローラで所望する電気抵抗等の諸特性を有していれば、特に限定されるものではない。
【0017】
上記エピクロルヒドリンゴム(B)とアクリロニトリルブタジエンゴム(C)の添加割合は、エピクロルヒドリンゴム(B)及びアクリロニトリルブタジエンゴム(C)の合計に対するエピクロルヒドリンゴム(B)の割合が質量比で5以上25未満である。エピクロルヒドリンゴムの質量比が5未満の場合、抵抗値はほとんど変化せず、また、質量比で25以上の場合、抵抗の環境変動が大きいエピクロルヒドリンゴムの割合が増すため、ローラ抵抗の環境変動が大きくなる。ローラ抵抗の環境変動が大きい場合、抵抗の変化に合わせて印加電圧を制御する必要があり、また、抵抗変化に耐えうる電源を搭載する必要がありコスト面や装置の小型化に影響する。そのため、ローラ抵抗の環境変動は、低温・低湿と高温・高湿の環境下の抵抗変動桁で1.30以下が好ましい。
【0018】
本発明において、上記ゴム組成物の発泡進行率10%における加硫進行率が5〜27%、発泡進行率90%における加硫進行率が48〜85%であることが重要である。
【0019】
発泡進行率10%における加硫進行率が5%より小さい場合は、発泡進行率90%における加硫進行率にかかわらず、発泡反応と加硫反応のバランスにおいて、発泡反応が先行してしまうため、ゴム表面からガスが抜けて発泡不足になり、硬度が高くなり、電子写真感光体の表面の摩耗や損傷により画像の欠陥を生じる。
【0020】
そのため、ローラの硬度としては、φ6mmの導電性芯材に4mm厚の発泡ゴム層を設けた発泡導電性ゴムローラにおいては、アスカーC硬度で20°〜40°が好ましく、より好ましくは25°〜35°である。
【0021】
発泡進行率10%における加硫進行率が27%を超える場合は、発泡進行率90%における加硫進行率にかかわらず、発泡反応と加硫反応のバランスにおいて、加硫反応が先行してしまうため、ゴムの粘度が上がり、発泡し難いため発泡ガスが押さえこまれ発泡不足となり、硬度が高くなってしまう。
【0022】
また、発泡進行率10%における加硫進行率が5〜27%の範囲内であっても、発泡進行率90%における加硫進行率が48%より小さい場合は、発泡反応と加硫反応のバランスが崩れ、ゴム表面から発泡ガスが抜け発泡不良になり、低硬度のローラが得難くなってしまう。また、発泡進行率90%における加硫進行率が、85%を超える場合は、ゴムの粘度が高く発泡し難くなるため発泡ガスが押さえ込まれ発泡不足となり、硬度が高くなってしまう。
【0023】
また、化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4、4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)及びパラトルエンスルホニルヒドラジドが挙げられる。
【0024】
4、4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)やパラトルエンスルホニルヒドラジドを用いた場合、分解温度が低いため発泡の進行が早くなり、上記の加硫速度と発泡速度のバランスを調整し難く、また、ジニトロソペンタメチレンテトラミンの場合は、分解副生成物として毒性のあるホルムアルデヒドやアミン臭の強いヘキサメチレンテトラミンが発生するため、本発明で使用する発泡剤としてはアゾジカルボンアミドがより好ましい。
【0025】
アゾジカルボンアミドの添加量は特に限定されるものではないが、ゴム成分100質量部に対し5〜15質量部添加することが好ましい。アゾジカルボンアミドの添加量が5質量部より少ない場合、発生ガス量が少ないため発泡不足となり硬度が高くなり易い。また、アゾジカルボンアミドの添加量が15質量部を超えて添加した場合は、発生ガス量が多過ぎるため、発泡セル径が大きくなり、硬度が低過ぎて圧縮永久歪が大きくなり、画像に欠陥を生じ易い。
【0026】
また、本発明の発泡導電性ゴムローラに使用されるゴム組成物には、一般のゴムに使用されるその他の成分を必要に応じて含有させることができる。例えば、硫黄や有機含硫黄化合物等の加硫剤、各種加硫促進剤、カーボンブラック、炭酸カルシウムやクレー、シリカ、タルク等の各種充填剤、可塑等の加工助剤、各種老化防止剤、酸化亜鉛やステアリン酸等の加硫助剤、尿素等の各種発泡助剤、導電性調整のための各種イオン導電剤等が必要に応じて含有される。
【0027】
加硫剤や加硫促進剤は特に限定するものでないが、上記ゴム組成物の発泡進行率10%における加硫進行率が5〜27%、発泡進行率90%における加硫進行率が48〜85%である様にする必要がある。
【0028】
本発明の発泡導電性ゴムローラは、上述のゴムに必要に応じて各種添加剤を配合して混練し、チューブ状に押出し成形した後、加硫を行い、これに金属製の芯材を挿入し、所望の形状に研磨することで得られる。金属製の芯材としては、従来用いられているアルミニウムやステンレス等が挙げられる。
【0029】
加硫方法について特に限定されるものではなく、例えば加硫缶を用いた直接加圧蒸気加硫、金型を熱盤でプレスするプレス加硫、熱風炉を用いた熱風加硫及びマイクロ波加硫等が挙げられるが、ゴム材料に対して均一に熱が伝わり易く、また均一な発泡体を得易い直接加圧蒸気加硫がより好ましい。加硫缶を用いた直接加圧蒸気加硫の加硫条件は、通常140〜180℃、10〜120分で行われるが、150〜170℃で加硫することがより好ましい。150℃より低い温度で加硫した場合、加硫反応、発泡反応いずれも遅くなるため発泡セル径が大きくなり易く、硬度が低過ぎて圧縮永久歪が大きくなり、画像に欠陥を生じ易い。また、170℃より高い温度で加硫する場合は、一般的な加硫缶では出力性能上困難であるため、より高価な装置が必要となりコストアップの要因になってしまう。
【0030】
【実施例】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定するものではない。なお、実施例中の配合量の単位は質量部である。
【0031】
各実施例及び比較例において、表1に示す配合割合で原材料をオープンロールで混練を行いゴム組成物を作製した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
上記実施例において、エチレンプロピレンジエンゴムには「エスプレン505A;住友化学工業(株)社製」を、エピクロルヒドリンゴムには「ゼクロン3101(エチレンオキサイド含量31mol%);日本ゼオン(株)社製」を、アクリロニトリルブタジエンゴムには「ニポールDN401L(アクリロニトリル含量18質量%);日本ゼオン(株)社製」を使用した。また、重質炭酸カルシウムには「スーパーSSS;丸尾カルシウム(株)社製」を、カーボンブラックには「旭#35;旭カーボン(株)社製」を、酸化亜鉛には「酸化亜鉛2種;ハクスイテック(株)社製」を、ステアリン酸には「ステアリン酸S;花王(株)社製」を、硫黄には「サルファックス200S;鶴見化学(株)社製」を使用した。また、ジベンゾチアジルジスルフィドには「ノクセラーDM;大内振興化学(株)社製」を、2−メルカプトベンゾチアゾールには「ノクセラーM−p;大内振興化学(株)社製」を使用した。また、アゾジカルボンアミドには「ビニホールAC#LQ;永和化成(株)社製」を、尿素には「セルペーストA;永和化成(株)社製」を使用した。
【0035】
なお、実施例及び比較例の発泡導電性ゴムローラは、押出し機を用いてチューブ状にゴム組成物を押出した後、加硫缶にて表1に記した加硫温度で30分間加硫を行いチューブ状のゴム加硫物を作製し、次いでφ6mmの導電性芯体を前記チューブ状のゴム加硫物の内径部に圧入し、ローラ状の成形体を得た。この成形体を外径がφ14mmになるように研磨し、作製した。
【0036】
また、発泡進行率10%における加硫進行率、発泡進行率90%における加硫進行率、抵抗、抵抗の環境変動桁、硬度、貼り付き等に関する特性は、以下の方法により測定した。
【0037】
<発泡進行率10%における加硫進行率、発泡進行率90%における加硫進行率>
発泡圧測定機能付ロータレス加硫試験機MDR2000P(アルファテクノロジーズ社製)を用いて、160℃で30分間の条件で加硫曲線と発泡圧曲線を測定し、発泡進行率10%における加硫進行率、発泡進行率90%における加硫進行率を算出した。また、発泡進行率10%における加硫進行率が5〜27%である場合を○、それ以外を×、発泡進行率90%における加硫進行率が48〜85%である場合を○、それ以外を×とした。
【0038】
<ローラ電気抵抗>
低温低湿のL/L環境(15℃/10%RH)、常温常湿のN/N環境(23℃/50%RH)、高温高湿のH/H環境(32.5℃/80%RH)において、導電性ゴムローラの芯体に総圧500gの荷重が掛かるように外径30mmのアルミニウム製ドラムに圧着し、0.5Hzで回転させた状態で、芯体とアルミドラムとの間に500Vの電圧を印加しながら抵抗値を測定した。なお、評価基準は、低温低湿の環境下での抵抗値が1×1010Ωより低い場合を○、1×1010Ω以上の場合を×とした。
【0039】
<ローラ電気抵抗の環境変動桁>
上記ローラ電気抵抗を測定した時のL/L環境における抵抗値(R(L/L))とH/H環境における抵抗値(R(H/H))から抵抗の環境変動桁(logR(L/L)−logR(H/H))を算出し、環境変動桁1.30以下を○、1.30を超える場合を×とした。
【0040】
<硬度>
導電性ゴムローラ端部の導電性芯材を軸受で受けた状態で、芯体に総圧500gの荷重とともにアスカーC型スプリング式硬さ試験機(高分子計器(株)製)の押し針を押し付けてアスカーC硬度を測定した。なお、評価基準はアスカーC硬度25°〜35°の場合を◎、アスカーC硬度20°〜24°又は36°〜40°を○、アスカーC硬度40°を超える場合やアスカーC硬度20°より小さい場合を×とした。
【0041】
<電子写真感光体への貼り付き>
導電性ローラをヒューレッドパッカード製レーザージェット4050用の感光ドラムに片側荷重500gとなるように接触させ、40℃/95%RH環境下に240時間放置した後、電子写真感光体の汚染状態を目視により確認し、接触跡が認められない場合を○、接触跡が認められる場合を×とした。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
表3〜表5に示される実験の結果より、実施例1〜3及び比較例1、2より本発明の導電性ゴムローラにおいては、エチレンプロピレンジエンゴムの全ゴム成分に対する割合が質量比で10以上30以下が好ましいことが分かる。すなわち、エチレンプロピレンジエンゴムの質量比が10未満である比較例1では電子写真感光体に貼り付いて不良であり、また、エチレンプロピレンジエンゴムの質量比が30を超える比較例2の場合、電子写真感光体への貼り付き防止は良好であるが、低温低湿の環境下におけるローラの抵抗が1×1010Ωを超えるため不良である。
【0046】
次に、実施例4〜7及び比較例3、4より、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムの合計に対するエピクロルヒドリンゴムの割合が質量比で5以上25未満が好ましいことが分かる。質量比が5未満の比較例3は低温低湿の環境下におけるローラの抵抗が1×1010Ωを超えるため不良である。また、質量比が25である比較例4は抵抗の環境変動桁が大きく不良である。
【0047】
次に、実施例1、比較例5〜8から低硬度のローラを得るには、ゴム組成物の発泡進行率10%における加硫進行率が5〜27%、発泡進行率90%における加硫進行率が48〜85%であることが適していることが分かる。
【0048】
発泡進行率10%における加硫進行率が5%より小さい比較例5では、発泡反応と加硫反応のバランスにおいて、発泡反応が先行してしまうため、ゴム表面からガスが抜けて発泡不足になり、硬度が高くなり不良である。
【0049】
また、発泡進行率10%における加硫進行率が27%を超える比較例6では、発泡反応と加硫反応のバランスにおいて、加硫反応が先行してしまうため、ゴムの粘度が上がり、発泡し難いため発泡ガスが押さえ込まれ発泡不足となり、硬度が高くなり不良である。
【0050】
また、発泡進行率10%における加硫進行率が5〜27%であっても、発泡進行率90%における加硫進行率が48〜85%を満たさない比較例7や比較例8の場合も、発泡反応と加硫反応のバランスが崩れ、ガス抜けや発泡ガスの押さえ込みが生じ硬度が高くなり不良である。
【0051】
実施例1、8〜10よりアゾジカルボンアミドの添加量は、5〜15質量部が好ましいことが分かる。アゾジカルボンアミドの添加量が15質量部を超えて添加した実施例10の場合は、アゾジカルボンアミドの添加量が5〜15質量部である実施例1、8、9より発生ガス量が多いため、発泡セル径が大きくなり、硬度が低くなる傾向にある。
【0052】
実施例1、11〜13より、加硫条件温度は150〜170℃が好ましいことが分かる。150℃より低い温度で加硫した実施例11は、150〜170℃の温度で加硫した実施例1、12、13よりも加硫反応、発泡反応いずれも遅くなるため発泡セル径が大きくなり、硬度が低くなる傾向にある。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の導電性ゴムローラは、電子写真感光体に接触使用しても貼り付かず、また電子写真感光体汚染がない。また、抵抗値の環境依存性が小さく、かつ低硬度であるため接触部材との密着性が高い。そのため、本発明の発泡導電性ゴムローラは、電子写真装置において電子写真感光体上に相対して用いられる、特に転写ローラに好適なものである。
Claims (5)
- 導電性芯材上に発泡ゴム層が設けられている発泡導電性ゴムローラにおいて、該発泡ゴム層のゴム組成物のゴム成分が、少なくとも非極性ゴム(A)、エピクロルヒドリンゴム(B)及びアクリロニトリルブタジエンゴム(C)を含有しており、かつ、下記条件
(1)該(A)の全ゴム成分の合計に対する割合が質量比で10以上30以下、
(2)該(B)の(B)、(C)の合計に対する割合が質量比で5以上25未満、
(3)該ゴム組成物の発泡進行率10%における加硫進行率が5〜27%、
(4)該ゴム組成物の発泡進行率90%における加硫進行率が48〜85%、
を満たすゴム組成物であることを特徴とする発泡導電性ゴムローラ。 - 前記ゴム組成物のゴム成分100質量部に対し、化学発泡剤としてアゾジカルボンアミドが5〜15質量部含有されている請求項1に記載の発泡導電性ゴムローラ。
- 前記非極性ゴムがエチレンプロピレンジエンゴムである請求項1又は2に記載の発泡導電性ゴムローラ。
- 前記発泡ゴム層が、加熱手段として直接加圧水蒸気を用い、設定加熱温度150〜170℃で加硫したゴム組成物の発泡ゴム加硫物からなる請求項1〜3のいずれかに記載の発泡導電性ゴムローラ。
- 電子写真感光体上の静電荷像を現像剤により現像する画像形成装置に用いられる発泡導電性ゴムローラにおいて、該発泡導電性ゴムローラが電子写真感光体上に相対して配置される転写ローラである請求項1〜4のいずれかに記載の発泡導電性ゴムローラ。
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