JPH08303449A - 導電性ゴムローラ - Google Patents
導電性ゴムローラInfo
- Publication number
- JPH08303449A JPH08303449A JP24031995A JP24031995A JPH08303449A JP H08303449 A JPH08303449 A JP H08303449A JP 24031995 A JP24031995 A JP 24031995A JP 24031995 A JP24031995 A JP 24031995A JP H08303449 A JPH08303449 A JP H08303449A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- conductive
- value
- roller
- conductive filler
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
- Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 導電性充填剤の配合量が少なくても十分に高
い導電性を示し、しかもローラの硬度が低い導電性ゴム
ローラを提供する。 【解決手段】 SP値の異なる少なくとも2種のゴムと
導電性充填剤とを含み、前記2種のゴムにおけるSP値
の比が1.15以上であり、SP値が大きいゴムとSP
値が小さいゴムとを80:20〜50:50の重量比で
配合する。
い導電性を示し、しかもローラの硬度が低い導電性ゴム
ローラを提供する。 【解決手段】 SP値の異なる少なくとも2種のゴムと
導電性充填剤とを含み、前記2種のゴムにおけるSP値
の比が1.15以上であり、SP値が大きいゴムとSP
値が小さいゴムとを80:20〜50:50の重量比で
配合する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電式複写機、レー
ザープリンタ、ファクシミリ等の電子写真複写装置に使
用する導電性ローラに関する。
ザープリンタ、ファクシミリ等の電子写真複写装置に使
用する導電性ローラに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、静電式複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ
等の種々の電子写真複写装置においては、導電性ローラ
の表面を被帯電体と接触させることにより帯電または放
電が行われている。通常、導電性ローラには、導電性充
填剤の配合によって導電性を付与したゴムが用いられて
いる。例えば、特開平5−331307号公報に開示の
導電性ローラは、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
ゴム(EPDM)にカーボンブラックを配合して導電性
を付与したものである。
より、静電式複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ
等の種々の電子写真複写装置においては、導電性ローラ
の表面を被帯電体と接触させることにより帯電または放
電が行われている。通常、導電性ローラには、導電性充
填剤の配合によって導電性を付与したゴムが用いられて
いる。例えば、特開平5−331307号公報に開示の
導電性ローラは、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
ゴム(EPDM)にカーボンブラックを配合して導電性
を付与したものである。
【0003】しかし、上記した導電性ゴムローラは、十
分な電気抵抗値を得るためにゴム中にカーボンブラック
を多量に混入させる必要があり、そのためローラの硬度
が高くなるという問題が生じる。一方、この問題を解決
するため、可塑剤を配合したり発泡倍率を調節すること
によって硬度を調整することも行われているが、この場
合には可塑剤や発泡剤の残渣が表面にブリードしてしま
い、被帯電体が汚染されるという別の問題が生じる。
分な電気抵抗値を得るためにゴム中にカーボンブラック
を多量に混入させる必要があり、そのためローラの硬度
が高くなるという問題が生じる。一方、この問題を解決
するため、可塑剤を配合したり発泡倍率を調節すること
によって硬度を調整することも行われているが、この場
合には可塑剤や発泡剤の残渣が表面にブリードしてしま
い、被帯電体が汚染されるという別の問題が生じる。
【0004】本発明の目的は、導電性充填剤の配合量が
少なくても十分に高い導電性を有しており、しかもロー
ラの硬度が低い導電性ゴムローラを提供することであ
る。
少なくても十分に高い導電性を有しており、しかもロー
ラの硬度が低い導電性ゴムローラを提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、SP値の異な
る少なくとも2種のゴムと導電性充填剤とを含み、前記
2種のゴムにおけるSP値の比が1.15以上であり、
SP値が大きいゴムとSP値が小さいゴムとが80:2
0〜50:50の重量比で配合されているときは、導電
性充填剤の配合量が少なくても十分に高い導電性を有
し、かつゴム硬度が低い導電性ローラが得られるという
新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、SP値の異な
る少なくとも2種のゴムと導電性充填剤とを含み、前記
2種のゴムにおけるSP値の比が1.15以上であり、
SP値が大きいゴムとSP値が小さいゴムとが80:2
0〜50:50の重量比で配合されているときは、導電
性充填剤の配合量が少なくても十分に高い導電性を有
し、かつゴム硬度が低い導電性ローラが得られるという
新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】上記SP値(溶解パラメーター、Solubili
ty Parameter) は下記の式で求められるパラメーターで
あって、これを用いることにより2種のゴムの相溶性が
求められる。
ty Parameter) は下記の式で求められるパラメーターで
あって、これを用いることにより2種のゴムの相溶性が
求められる。
【0007】
【数1】
【0008】〔式中、ΔHは蒸発潜熱(カロリー/モ
ル)、Rは気体定数(=1.987カロリー/(モル・
K))、Tは絶対温度(K)、Vはモル体積(モル/c
m2 )を示す。〕 2種類のゴムを混合するとき、それぞれのゴムのSP値
が近い場合は相溶性が高く、均一に混合されたゴムが得
られる。一方、本発明のようにSP値の差が大きい2種
類のゴムを混合する場合、具体的にはSP値の比(高い
SP値/低いSP値)が1.15以上である場合はゴム
の相溶性が低く、均一な混合が行われない。このため、
混合後のゴムの内部には、微視的に、図1に示すような
海−島構造が形成される。かかる海−島構造において、
SP値が大きいゴムとSP値が小さいゴムとを80:2
0〜50:50の重量比で配合することにより、SP値
の大きいゴムが海部1を形成し、SP値の小さいゴムが
島部2を形成する。このとき、海部1は連続した構造で
あるのに対して、島部2は海部1中で孤立した構造を有
する。
ル)、Rは気体定数(=1.987カロリー/(モル・
K))、Tは絶対温度(K)、Vはモル体積(モル/c
m2 )を示す。〕 2種類のゴムを混合するとき、それぞれのゴムのSP値
が近い場合は相溶性が高く、均一に混合されたゴムが得
られる。一方、本発明のようにSP値の差が大きい2種
類のゴムを混合する場合、具体的にはSP値の比(高い
SP値/低いSP値)が1.15以上である場合はゴム
の相溶性が低く、均一な混合が行われない。このため、
混合後のゴムの内部には、微視的に、図1に示すような
海−島構造が形成される。かかる海−島構造において、
SP値が大きいゴムとSP値が小さいゴムとを80:2
0〜50:50の重量比で配合することにより、SP値
の大きいゴムが海部1を形成し、SP値の小さいゴムが
島部2を形成する。このとき、海部1は連続した構造で
あるのに対して、島部2は海部1中で孤立した構造を有
する。
【0009】また、SP値の差が大きい2種のゴムを混
合した混合物に導電性充填剤を配合する場合、理由は明
らかではないが、導電性充填剤はSP値の大きいゴム中
に優先的に存在する。従って、SP値の大きいゴムから
なる海部に高い導電性を付与することができる。すなわ
ち、上記した本発明の構成によれば、SP値の大きいゴ
ムが海部1を構成し、このゴムに導電性充填剤が配合さ
れるため、導電性の高い部分がゴム中で連続して存在
し、ゴム全体で高い導電性を得ることができる。一方、
島部2を構成するSP値の小さいゴムは、導電性充填剤
の含有量が少ないために導電性は低いが、導電性の高い
海部1中に孤立して存在していることからゴムの導電性
に与える影響が少ない。逆に、このような島部2が存在
することで、導電性充填剤の配合量を少なく抑えること
ができ、そのためゴムの硬度を低く抑えることができ
る。
合した混合物に導電性充填剤を配合する場合、理由は明
らかではないが、導電性充填剤はSP値の大きいゴム中
に優先的に存在する。従って、SP値の大きいゴムから
なる海部に高い導電性を付与することができる。すなわ
ち、上記した本発明の構成によれば、SP値の大きいゴ
ムが海部1を構成し、このゴムに導電性充填剤が配合さ
れるため、導電性の高い部分がゴム中で連続して存在
し、ゴム全体で高い導電性を得ることができる。一方、
島部2を構成するSP値の小さいゴムは、導電性充填剤
の含有量が少ないために導電性は低いが、導電性の高い
海部1中に孤立して存在していることからゴムの導電性
に与える影響が少ない。逆に、このような島部2が存在
することで、導電性充填剤の配合量を少なく抑えること
ができ、そのためゴムの硬度を低く抑えることができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の導電性ゴムローラ
について詳細に説明する。本発明の導電性ゴムローラの
一例を図2に示す。すなわち、本発明の導電性ゴムロー
ラは、図2に示すように、導電性を有するゴムチューブ
3に導電性シャフト4を挿入したものである。本発明に
用いられるゴムは、少なくとも2種のゴムをブレンドし
たものである。かかるゴムにおいて、SP値の比(高い
SP値/低いSP値)は1.15以上である。SP値の
比が前記範囲よりも小さいときは、2種のゴムが均一に
混じり合うために海−島構造が形成されない。また、こ
の様な場合はSP値の差が小さいことから、2種のゴム
における導電性充填剤の含有割合に明確な差が現れなく
なる。従って、十分な導電性を有するゴムを得るために
は、導電性充填剤をゴム全体に均一に分散させなければ
ならず、結果として導電性充填剤の配合量が増加し、ゴ
ム硬度が高くなるおそれが生じる。なお、現在市販され
ているゴムの中での組み合わせを考慮すれば、前記SP
値の比の最大は1.35程度であるが、特に限定される
ものではない。
について詳細に説明する。本発明の導電性ゴムローラの
一例を図2に示す。すなわち、本発明の導電性ゴムロー
ラは、図2に示すように、導電性を有するゴムチューブ
3に導電性シャフト4を挿入したものである。本発明に
用いられるゴムは、少なくとも2種のゴムをブレンドし
たものである。かかるゴムにおいて、SP値の比(高い
SP値/低いSP値)は1.15以上である。SP値の
比が前記範囲よりも小さいときは、2種のゴムが均一に
混じり合うために海−島構造が形成されない。また、こ
の様な場合はSP値の差が小さいことから、2種のゴム
における導電性充填剤の含有割合に明確な差が現れなく
なる。従って、十分な導電性を有するゴムを得るために
は、導電性充填剤をゴム全体に均一に分散させなければ
ならず、結果として導電性充填剤の配合量が増加し、ゴ
ム硬度が高くなるおそれが生じる。なお、現在市販され
ているゴムの中での組み合わせを考慮すれば、前記SP
値の比の最大は1.35程度であるが、特に限定される
ものではない。
【0011】本発明の導電性ゴムローラには、従来より
導電性ローラに用いられているゴムを使用することがで
きる。例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(N
BR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(E
PDM)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(N
R)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン
共重合ゴム(SBR)、フッ素ゴム(FKM)、シリコ
ーンゴム、エピクロロヒドリンゴム(CHR,EC
O)、アクリロニトリル−ブタジエンゴムの水素化物、
多硫化ゴム(T)、ウレタンゴム(U)等のゴムが使用
可能であって、上記例示のゴムの中から、SP値の比が
上記した範囲になるような組み合わせで用いればよい。
また、上記例示のゴムのうち、エチレン−プロピレン−
ジエン共重合ゴム(EPDM)、クロプレンゴム(C
R)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロル
ヒドリンゴム(CHR,ECO)、アクリロニトリル−
ブタジエンゴムの水素化物などのゴムは耐オゾン性を有
している。従って、これらのゴムを用いた場合、導電性
ゴムローラに耐オゾン性をも付与できる。
導電性ローラに用いられているゴムを使用することがで
きる。例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(N
BR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(E
PDM)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(N
R)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン
共重合ゴム(SBR)、フッ素ゴム(FKM)、シリコ
ーンゴム、エピクロロヒドリンゴム(CHR,EC
O)、アクリロニトリル−ブタジエンゴムの水素化物、
多硫化ゴム(T)、ウレタンゴム(U)等のゴムが使用
可能であって、上記例示のゴムの中から、SP値の比が
上記した範囲になるような組み合わせで用いればよい。
また、上記例示のゴムのうち、エチレン−プロピレン−
ジエン共重合ゴム(EPDM)、クロプレンゴム(C
R)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロル
ヒドリンゴム(CHR,ECO)、アクリロニトリル−
ブタジエンゴムの水素化物などのゴムは耐オゾン性を有
している。従って、これらのゴムを用いた場合、導電性
ゴムローラに耐オゾン性をも付与できる。
【0012】SP値が大きいゴムとSP値が小さいゴム
との配合割合は、前述のように、重量比で80:20〜
50:50、好ましくは70:30〜60:40であ
る。SP値が大きいゴムの割合が前記範囲を超えるとき
は、ゴム中で島部が占める割合が小さくなる。すなわち
導電性充填剤の含有量の少ない部分が少なくなるため、
ゴムローラの硬度を低くする効果が低下してしまう。一
方、SP値が大きいゴムの割合が前記範囲に満たない場
合は、島部と海部とが逆転し、導電性充填剤が優先的に
存在する部分が不連続な島部となるため、ゴム全体の導
電性が低下してしまう。その結果、十分な導電性を得る
には大量の導電性充填剤が必要となり、ゴムローラの硬
度が高くなるおそれがある。
との配合割合は、前述のように、重量比で80:20〜
50:50、好ましくは70:30〜60:40であ
る。SP値が大きいゴムの割合が前記範囲を超えるとき
は、ゴム中で島部が占める割合が小さくなる。すなわち
導電性充填剤の含有量の少ない部分が少なくなるため、
ゴムローラの硬度を低くする効果が低下してしまう。一
方、SP値が大きいゴムの割合が前記範囲に満たない場
合は、島部と海部とが逆転し、導電性充填剤が優先的に
存在する部分が不連続な島部となるため、ゴム全体の導
電性が低下してしまう。その結果、十分な導電性を得る
には大量の導電性充填剤が必要となり、ゴムローラの硬
度が高くなるおそれがある。
【0013】本発明に使用可能な導電性充填剤として
は、例えばカーボンブラック、金属酸化物、金属粉、グ
ラファイト等があげられる。上記導電性充填剤のうちカ
ーボンブラックとしては、例えばチャンネルブラック、
ファーネスブラック、アセチレンブラック等があげられ
る。カーボンブラックの粒径は18〜120nm、好ま
しくは22〜90nmの範囲であるのが適当である。
は、例えばカーボンブラック、金属酸化物、金属粉、グ
ラファイト等があげられる。上記導電性充填剤のうちカ
ーボンブラックとしては、例えばチャンネルブラック、
ファーネスブラック、アセチレンブラック等があげられ
る。カーボンブラックの粒径は18〜120nm、好ま
しくは22〜90nmの範囲であるのが適当である。
【0014】導電性充填剤の配合量は、一般に、ゴム材
料100重量部に対して5〜300重量部、好ましくは
5〜50重量部であるのが適当である。導電性充填剤の
配合量が前記範囲を超えると、導電性ローラの電気抵抗
が印加電圧に大きく依存するという問題が生じるほか、
ゴムの硬度が高くなったり、加工性が悪化したりするた
めに好ましくない。
料100重量部に対して5〜300重量部、好ましくは
5〜50重量部であるのが適当である。導電性充填剤の
配合量が前記範囲を超えると、導電性ローラの電気抵抗
が印加電圧に大きく依存するという問題が生じるほか、
ゴムの硬度が高くなったり、加工性が悪化したりするた
めに好ましくない。
【0015】本発明におけるゴムチューブを製造するう
えで必要なその他の添加剤としては、加硫剤、発泡剤、
加硫促進剤、老化防止剤、補強剤、充填剤などがあげら
れるが、加硫剤を除く他の添加剤は必要に応じて配合す
ればよい。加硫剤としては、例えば硫黄、有機含硫黄化
合物のほか、有機過酸化物なども使用可能である。有機
含硫黄化合物としては、例えばテトラメチルチウラムジ
スルフィド、N,N’−ジチオビスモルホリン等があげ
られる。また、有機過酸化物としては、例えばベンゾイ
ルペルオキシド等があげられる。加硫剤の配合量は、ゴ
ム成分100重量部に対して0.3〜4重量部、好まし
くは0.5〜3重量部であるのが適当である。
えで必要なその他の添加剤としては、加硫剤、発泡剤、
加硫促進剤、老化防止剤、補強剤、充填剤などがあげら
れるが、加硫剤を除く他の添加剤は必要に応じて配合す
ればよい。加硫剤としては、例えば硫黄、有機含硫黄化
合物のほか、有機過酸化物なども使用可能である。有機
含硫黄化合物としては、例えばテトラメチルチウラムジ
スルフィド、N,N’−ジチオビスモルホリン等があげ
られる。また、有機過酸化物としては、例えばベンゾイ
ルペルオキシド等があげられる。加硫剤の配合量は、ゴ
ム成分100重量部に対して0.3〜4重量部、好まし
くは0.5〜3重量部であるのが適当である。
【0016】発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、
4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等
の有機発泡剤があげられる。発泡剤の配合量はゴムチュ
ーブの発泡倍率に大きく関わっており、所望の発泡倍率
に応じて適宜設定される。加硫促進助剤としては、例え
ば亜鉛華などの金属酸化物、ステアリン酸、オレイン
酸、綿実脂肪酸などの脂肪酸、その他従来公知の加硫促
進助剤があげられる。また、老化防止剤としては、例え
ば2−メルカプトベンゾイミダゾール等のイミダゾール
類、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−β
−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−
N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等のアミ
ン類、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フ
ェノール等のフェノール類などがあげられる。
4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等
の有機発泡剤があげられる。発泡剤の配合量はゴムチュ
ーブの発泡倍率に大きく関わっており、所望の発泡倍率
に応じて適宜設定される。加硫促進助剤としては、例え
ば亜鉛華などの金属酸化物、ステアリン酸、オレイン
酸、綿実脂肪酸などの脂肪酸、その他従来公知の加硫促
進助剤があげられる。また、老化防止剤としては、例え
ば2−メルカプトベンゾイミダゾール等のイミダゾール
類、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−β
−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−
N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等のアミ
ン類、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フ
ェノール等のフェノール類などがあげられる。
【0017】補強剤としては、カーボンブラックが代表
例としてあげられるが、カーボンブラックは導電性粒子
として本発明の導電性ゴムローラの導電性に大きな影響
を与える。充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、ク
レー、硫酸バリウム、珪藻土などがあげられる。本発明
における導電性シャフトは、従来より用いられているも
のがいずれも使用可能であり、具体的には銅、アルミニ
ウム等の金属シャフトが例示される。
例としてあげられるが、カーボンブラックは導電性粒子
として本発明の導電性ゴムローラの導電性に大きな影響
を与える。充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、ク
レー、硫酸バリウム、珪藻土などがあげられる。本発明
における導電性シャフトは、従来より用いられているも
のがいずれも使用可能であり、具体的には銅、アルミニ
ウム等の金属シャフトが例示される。
【0018】つぎに、本発明の導電性ローラの製造方法
について説明する。まず、SP値の比が1.15以上で
ある2種のゴム、導電性充填剤および必要な各種添加剤
を配合し、混練する。次いで円筒状に押出成形を行い、
加硫および2時加硫を行うことによってゴムチューブを
作製する。上記加硫の方法としては缶加硫が好適である
が、その他の加硫方法であってもよい。加硫条件は、使
用するゴム材料や配合量に応じて変化するが、通常14
0〜170℃で0.5〜6時間程度行うのがよい。ま
た、2次加硫は、例えば熱風オーブン中、約140〜2
00℃で0.5〜4時間程度行うのがよい。発泡剤を配
合した場合には、加硫の過程で発泡が行われ、スポンジ
状のゴムチューブが得られる。このとき、スポンジチュ
ーブの発泡倍率(体積%)は140〜400、好ましく
は200〜350の範囲となるように発泡剤の配合量を
調節するのが適当である。
について説明する。まず、SP値の比が1.15以上で
ある2種のゴム、導電性充填剤および必要な各種添加剤
を配合し、混練する。次いで円筒状に押出成形を行い、
加硫および2時加硫を行うことによってゴムチューブを
作製する。上記加硫の方法としては缶加硫が好適である
が、その他の加硫方法であってもよい。加硫条件は、使
用するゴム材料や配合量に応じて変化するが、通常14
0〜170℃で0.5〜6時間程度行うのがよい。ま
た、2次加硫は、例えば熱風オーブン中、約140〜2
00℃で0.5〜4時間程度行うのがよい。発泡剤を配
合した場合には、加硫の過程で発泡が行われ、スポンジ
状のゴムチューブが得られる。このとき、スポンジチュ
ーブの発泡倍率(体積%)は140〜400、好ましく
は200〜350の範囲となるように発泡剤の配合量を
調節するのが適当である。
【0019】さらに、上記した方法で得られたゴムチュ
ーブに導電性シャフトを挿入し、所定の長さにカットし
た後、表面を研磨仕上げする。このようにして、導電性
シャフトがゴムチューブに挿入された導電性ローラが得
られる。この導電性ゴムローラは、導電性シャフトに電
圧を印加し、ローラの表面を被帯電体に接触させること
により帯電または放電を行うものであって、導電性シャ
フトからローラの外表面までの電気抵抗R(Ω)が10
3 〜1010Ω、好ましくは106 〜109 Ωの範囲であ
るのが適当である。なお、電気抵抗の測定は、図3に示
すようにして行った。すなわち、ゴムチューブ31が接
触するように、導電性ゴムローラ41をアルミ板5上に
設置し、さらに導電性シャフト41の両端に500gづ
つの荷重Wを加え、1000Vの電圧を印加したときの
電流値(A)を求め、オームの法則により電気抵抗R
(Ω)を求めた。電気抵抗が前記範囲を下回ると、リー
ク、紙汚れなどの画像上の問題が発生する。一方、電気
抵抗が前記範囲を超えると転写効率が悪く、実用に適さ
なくなる。
ーブに導電性シャフトを挿入し、所定の長さにカットし
た後、表面を研磨仕上げする。このようにして、導電性
シャフトがゴムチューブに挿入された導電性ローラが得
られる。この導電性ゴムローラは、導電性シャフトに電
圧を印加し、ローラの表面を被帯電体に接触させること
により帯電または放電を行うものであって、導電性シャ
フトからローラの外表面までの電気抵抗R(Ω)が10
3 〜1010Ω、好ましくは106 〜109 Ωの範囲であ
るのが適当である。なお、電気抵抗の測定は、図3に示
すようにして行った。すなわち、ゴムチューブ31が接
触するように、導電性ゴムローラ41をアルミ板5上に
設置し、さらに導電性シャフト41の両端に500gづ
つの荷重Wを加え、1000Vの電圧を印加したときの
電流値(A)を求め、オームの法則により電気抵抗R
(Ω)を求めた。電気抵抗が前記範囲を下回ると、リー
ク、紙汚れなどの画像上の問題が発生する。一方、電気
抵抗が前記範囲を超えると転写効率が悪く、実用に適さ
なくなる。
【0020】導電性ローラの表面の硬度は、アスカーC
で20〜45、好ましくは25〜35の範囲である。硬
度が前記範囲を下回ると、ローラのへたりが生じやすく
なり、耐久性に欠ける。一方、硬度が前記範囲を超える
と、画像中の転写ローラとして使用した画像にピンホー
ルが生じやすくなる。なお、硬度(アスカーC)の測定
は、高分子計器(株)製のゴム硬度計「DD2型 形式
C」を用いて行った。
で20〜45、好ましくは25〜35の範囲である。硬
度が前記範囲を下回ると、ローラのへたりが生じやすく
なり、耐久性に欠ける。一方、硬度が前記範囲を超える
と、画像中の転写ローラとして使用した画像にピンホー
ルが生じやすくなる。なお、硬度(アスカーC)の測定
は、高分子計器(株)製のゴム硬度計「DD2型 形式
C」を用いて行った。
【0021】
【実施例】導電性ゴムローラの作製 実施例1 ( 成 分 ) (重量部) アゾジカルボンアミド(発泡剤) 7 ベンゼンスルホニルヒドラジド(発泡剤) 3 硫 黄 1.5 テトラメチルチウラムジスルフィド(加硫促進剤) 1.2 2−メルカプトベンゾチアゾール(加硫促進剤) 1.0 N−ジクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール スルフェンアミド(加硫促進剤) 0.6 上記の成分にアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R、SP値=10.3)80重量部、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合ゴム(EPDM、SP値=7.9)
20重量部、およびカーボンブラック26重量部(ダイ
ヤブラックLH16重量部、旭#35G10重量部)を
加え、バンバリーミキサーで素練り、混練した後、押出
成形した。次いで、得られた成形品を加硫缶に入れて1
40℃で2時間加硫し、さらに熱風オーブンにて2次加
硫(150℃、4時間)してゴムチューブを得た。
R、SP値=10.3)80重量部、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合ゴム(EPDM、SP値=7.9)
20重量部、およびカーボンブラック26重量部(ダイ
ヤブラックLH16重量部、旭#35G10重量部)を
加え、バンバリーミキサーで素練り、混練した後、押出
成形した。次いで、得られた成形品を加硫缶に入れて1
40℃で2時間加硫し、さらに熱風オーブンにて2次加
硫(150℃、4時間)してゴムチューブを得た。
【0022】このゴムチューブに金属シャフトを挿入
し、ゴムチューブの長さを216mmにカットし、外径
が17mmとなるように研磨仕上げを施し、導電性ゴム
ローラを得た。 実施例2〜6および比較例1〜3 使用したゴムおよびカーボンブラックの種類および配合
量が異なる以外は実施例1と同様にして、導電性ゴムロ
ーラを得た。各実施例および比較例で用いたゴムおよび
カーボンブラックを表1に示す。
し、ゴムチューブの長さを216mmにカットし、外径
が17mmとなるように研磨仕上げを施し、導電性ゴム
ローラを得た。 実施例2〜6および比較例1〜3 使用したゴムおよびカーボンブラックの種類および配合
量が異なる以外は実施例1と同様にして、導電性ゴムロ
ーラを得た。各実施例および比較例で用いたゴムおよび
カーボンブラックを表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】各実施例および比較例で用いたゴムの製造
元と商品名およびカーボンブラックの製造元は、以下の
とおりである。 NBR: ・SP値=10.3;日本合成ゴム(株)、「N215
SL」 ・SP値=8.7;日本合成ゴム(株)、「N250
S」 ・SP値=9.64;日本ゼオン(株)、「Nipol
DN219」 EPDM: ・SP値=7.9;三井石油化学(株)、「EPT40
21」 ・SP値=7.7;住友化学(株)、「エスプレン50
5A」 クロロプレンゴム(CR): ・SP値=9.2;昭和電工−デュポン社、「ネオプレ
ンWRT」 カーボンブラック: ・「ダイヤブラックLH」;三菱化成(株) ・「旭#35G」;旭カーボン(株)導電性ゴムローラの評価 各実施例および比較例で得られた導電性ローラについ
て、それぞれ電気抵抗とゴム硬度を測定した。測定方法
は前述の方法と同様である。測定結果は上記表1に示し
たとおりである。なお、電気抵抗Rは対数値(log
R)で示した。
元と商品名およびカーボンブラックの製造元は、以下の
とおりである。 NBR: ・SP値=10.3;日本合成ゴム(株)、「N215
SL」 ・SP値=8.7;日本合成ゴム(株)、「N250
S」 ・SP値=9.64;日本ゼオン(株)、「Nipol
DN219」 EPDM: ・SP値=7.9;三井石油化学(株)、「EPT40
21」 ・SP値=7.7;住友化学(株)、「エスプレン50
5A」 クロロプレンゴム(CR): ・SP値=9.2;昭和電工−デュポン社、「ネオプレ
ンWRT」 カーボンブラック: ・「ダイヤブラックLH」;三菱化成(株) ・「旭#35G」;旭カーボン(株)導電性ゴムローラの評価 各実施例および比較例で得られた導電性ローラについ
て、それぞれ電気抵抗とゴム硬度を測定した。測定方法
は前述の方法と同様である。測定結果は上記表1に示し
たとおりである。なお、電気抵抗Rは対数値(log
R)で示した。
【0025】
【発明の効果】本発明の導電性ゴムローラは、SP値の
異なる少なくとも2種のゴムと導電性充填剤とを含み、
前記2種のゴムにおけるSP値の比が1.15以上であ
り、SP値が大きいゴムとSP値が小さいゴムとが8
0:20〜50:50の重量比で配合されていることに
より、必要な導電性充填剤の量が少ないにもかかわら
ず、十分な導電性をゴムローラに付与することができる
という効果がある。
異なる少なくとも2種のゴムと導電性充填剤とを含み、
前記2種のゴムにおけるSP値の比が1.15以上であ
り、SP値が大きいゴムとSP値が小さいゴムとが8
0:20〜50:50の重量比で配合されていることに
より、必要な導電性充填剤の量が少ないにもかかわら
ず、十分な導電性をゴムローラに付与することができる
という効果がある。
【図1】ゴムの海−島構造を模式的に示す断面図であ
る。
る。
【図2】本発明の導電性ゴムローラの一実施例を示す平
面図である。
面図である。
【図3】導電性ゴムローラの電気抵抗を測定する方法を
示す概略図である。
示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 21:00
Claims (1)
- 【請求項1】SP値の異なる少なくとも2種のゴムと導
電性充填剤とを含み、前記2種のゴムにおけるSP値の
比が1.15以上であり、SP値が大きいゴムとSP値
が小さいゴムとが80:20〜50:50の重量比で配
合されていることを特徴とする導電性ゴムローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24031995A JPH08303449A (ja) | 1995-03-09 | 1995-09-19 | 導電性ゴムローラ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5008895 | 1995-03-09 | ||
JP7-50088 | 1995-03-09 | ||
JP24031995A JPH08303449A (ja) | 1995-03-09 | 1995-09-19 | 導電性ゴムローラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08303449A true JPH08303449A (ja) | 1996-11-19 |
Family
ID=26390524
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24031995A Pending JPH08303449A (ja) | 1995-03-09 | 1995-09-19 | 導電性ゴムローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08303449A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2311987A (en) * | 1996-04-11 | 1997-10-15 | Fuji Xerox Co Ltd | Image forming apparatus |
CN102566371A (zh) * | 2011-12-31 | 2012-07-11 | 深圳市乐普泰科技股份有限公司 | 导电橡胶辊及成像装置 |
-
1995
- 1995-09-19 JP JP24031995A patent/JPH08303449A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2311987A (en) * | 1996-04-11 | 1997-10-15 | Fuji Xerox Co Ltd | Image forming apparatus |
US5862447A (en) * | 1996-04-11 | 1999-01-19 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Image forming apparatus, and paper feed members thereof |
GB2311987B (en) * | 1996-04-11 | 2001-03-14 | Fuji Xerox Co Ltd | Image forming apparatus and paper feed members thereof |
CN102566371A (zh) * | 2011-12-31 | 2012-07-11 | 深圳市乐普泰科技股份有限公司 | 导电橡胶辊及成像装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20040096247A1 (en) | Conductive roller and image-forming apparatus having conductive roller | |
JPH1165269A (ja) | 導電性ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いた導電性弾性ローラ | |
JPH0863014A (ja) | 導電性ローラ | |
US7172543B2 (en) | Conductive roller | |
JP5091379B2 (ja) | 導電性ロール | |
JP2004101958A (ja) | 導電性部材及び導電性部材の製造方法 | |
JPH08303449A (ja) | 導電性ゴムローラ | |
JP4402332B2 (ja) | 導電性ロール | |
JP3602398B2 (ja) | 導電性ロール用ゴム組成物および導電性ロール | |
JP4340082B2 (ja) | 導電性ゴムローラ | |
JP2000213529A (ja) | 導電性弾性ロ―ラ | |
JP2003270885A (ja) | 導電性ロール | |
JPH08169974A (ja) | 導電性ローラの製造方法 | |
JP4143717B2 (ja) | 導電性発泡ロール及び該導電性発泡ロールを用いた画像形成装置 | |
JP2930543B2 (ja) | 発泡ゴム組成物 | |
JPH09244349A (ja) | 導電性ゴムローラ | |
JPH11190929A (ja) | 導電性弾性ローラ | |
JP2877710B2 (ja) | 半導電性ゴム材料 | |
JP2877697B2 (ja) | 電子写真装置用導電性ゴム組成物 | |
JPH08240969A (ja) | 導電性ゴム材料 | |
JP2004177940A (ja) | 導電性ロール | |
JP3299914B2 (ja) | 導電性弾性ゴム部材 | |
JPH09324076A (ja) | 導電性ゴム組成物 | |
JPH0927215A (ja) | 導電性ゴム組成物およびこれを用いた導電性ローラと転写ベルト | |
JP3779365B2 (ja) | 導電性発泡ローラ |