JP2008085980A - 色変換装置、エミュレーション方法、三次元ルックアップテーブルの生成方法、画像処理装置 - Google Patents
色変換装置、エミュレーション方法、三次元ルックアップテーブルの生成方法、画像処理装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】第1の画像処理デバイス(使用デバイス)において、第2の画像処理デバイス(ターゲットデバイス)を用いた場合の色再現を行うエミュレーションのために、3DLUTを用いて第1の画像処理デバイスで表示する画像信号の色変換を行う。この場合、エミュレーション用の3DLUTは、第2の画像処理デバイスの入出力特性を再現するための色変換と、第2の画像処理デバイスと第1の画像処理デバイスとの間の色域変換としての色変換と、第1の画像処理デバイスの入出力特性に応じた補正としての色変換の各色変換要素が含まれた入出力値が設定されたものであるとする。
【選択図】図2
Description
例えば図21に、上記のような各種の表示出力デバイスをデバイスA・・・デバイスEとして、それらの色域の差をXYZ色度図で例示している。
このように表現可能な色域はデバイスによって異なるため、例えば或る画像信号を或る表示出力デバイスで表示させる際には、画像信号をその表示出力デバイスに応じた色域に補正することが必要である。
例えば図22のように、R、G、Bを軸とする正方立方体の三次元ルックアップテーブル(以下、ルックアップテーブルを「LUT」、三次元ルックアップテーブルを「3DLUT」と記す)を考える。この3DLUTでは、入力されるR、G、B値を各軸上でそれぞれ17個の係数ポイント(3D骨格の格子点)に分割しており、17×17×17の変換テーブル係数のテーブルを構成している。つまり●を付した格子点が17×17×17=4913個存在し、それぞれの格子点に出力R、G、B値、もしくは出力R、G、B値を導く係数値が記憶されているものである。つまり入力RGB値から或る格子点を参照することで色域変換された出力RGB値が得られる。
なお3DLUTの軸や格子点の出力値については、RGB値に限られず、他の表色系の値とされる場合もある。
ここでエミュレーション技術を考える。エミュレーション技術とは、例えば或る表示デバイスで表示させている画像が、他の表示デバイスで表示した場合にどのように見えるかをシミュレートする技術である。例えばLEDバックライト液晶表示デバイス(以下、LED液晶モニタという)を用いて画像を作成したり編集したりした場合に、その画像がプロジェクタやCRTなどの他の表示デバイスでどのように再現されるかを、現在の表示デバイス(例えばLED液晶モニタ)上で確認するための技術である。
なお、現在使用しているデバイス、つまりエミュレーションを実行するデバイスを、説明上「使用デバイス」といい、またエミュレーションの目的とする他のデバイスを「ターゲットデバイス」ということとする。
従って、色域変換だけではエミュレーションにおいてターゲットデバイスで見られる色を正確に再現することができない。
そこで本発明では、色域変換だけでなく、使用デバイスの入出力特性や、ターゲットデバイスの入出力特性も考慮して色変換処理をおこない、再現性のよいエミュレーションを実現することを目的とする。
また上記三次元ルックアップテーブルは、上記第2の画像処理デバイスの入出力特性に応じた入出力値を持つ三次元ルックアップテーブルについて、各出力値を上記第1の画像処理デバイスの色域に色域変換した値に書き換え、さらに各出力値を、上記第1の画像処理デバイスの入出力特性の逆特性とされた入出力値を持つ三次元ルックアップテーブルを検索し、検索された値に書き換えて生成されたものであるとする。
例えばこの画像処理装置は、入力された画像信号について、上記画像処理部で色変換を行って表示処理を行う表示装置とする。
また、この画像処理装置は、入力された画像信号について、上記画像処理部で色変換を行って印刷処理を行う印刷装置とする。
また、この画像処理装置は、画像撮像を行うとともに、撮像によって得た画像信号について上記画像処理部で色変換を行って記録処理又は出力処理を行う撮像装置とする。
なお、本発明の色変換装置、エミュレーション方法、三次元ルックアップテーブルの生成方法でいう上記第1,第2の画像処理デバイスに相当する機器や、本発明の画像処理装置に相当する機器としては、画像表示を行う表示装置(表示デバイス)、画像印刷を行う印刷装置、画像撮像を行う撮像装置などが考えられ、他にも多様な機器が考えられる。
そしてその三次元ルックアップテーブルは、使用デバイスとターゲットデバイスとしての第1,第2の画像処理デバイス間の色域変換だけでなく、使用デバイスでの入出力特性、及びターゲットデバイスでの入出力特性を加味した色変換が実行されるように生成されていることから、より精度の高い再現性の良いエミュレーションを実現できるという効果がある。
[1.色変換装置及び3DLUT生成装置]
[2.エミュレーション用3DLUTの作成に用いる補正3DLUTの作成]
[3.エミュレーション用3DLUTの作成]
[4.色変換装置の使用例]
[5.表示装置に色変換装置を内蔵した例]
[6.印刷装置に色変換装置を内蔵した例]
[7.撮像装置に色変換装置を内蔵した例]
実施の形態として、まず色変換装置及び3DLUT生成装置について説明するが、ここでは、或る画像がCRTモニタにおいてどのように再現されるかを、LED液晶モニタ上で確認する場合のエミュレーション処理を例にして説明を行う。
即ち第1の画像処理デバイス(使用デバイス)がLED液晶モニタであり、第2の画像処理デバイス(ターゲットデバイス)がCRTモニタとした場合である。
なお、この色歪みは、R,G,Bの原色信号それぞれについて異なる特性であり、従ってLED液晶モニタ等の画像処理デバイスの色歪みは三次元で表される。
色変換装置1にはエミュレーションのための色変換が行われる前の画像信号(RGB信号)が入力される。
色変換装置1は、この入力される画像信号について、エミュレーション用3DLUT2を用いてR値、G値、B値の変換を行い、変換後RGB信号として出力する。
エミュレーション用3DLUT2が、LED液晶モニタ上でCRTモニタのエミュレーションを行うための3DLUTとされている場合、色変換装置1から出力される変換後のRGB信号を、LED液晶モニタで表示出力することで、その表示される画像は、CRTモニタ上での色再現具合を表したエミュレーション画像となる。
3DLUT生成装置30は、色変換装置1と一体的に設けられても良いし、別体の機器とされても良い。また3DLUT生成装置30は例えば汎用のコンピュータ装置などで実現することもできる。
あくまでも、予め3DLUT生成装置30で生成されたエミュレーション用3DLUT2が、色変換装置1に取り込まれて記憶されることで、色変換装置1はエミュレーションのための色変換ができるものとなる。
図2(d)に本例のエミュレーション用3DLUT2を示すが、このエミュレーション用3DLUT2は、入力される画像信号としてのRGB値(Ri,Gi,Bi)についての三次元の軸を持つ。各軸は、Ri値、Gi値、Bi値について例えば0.0〜1.0の範囲でN個の係数ポイント(3D骨格の格子点)に分割しており、N×N×Nの変換テーブル係数のテーブルを構成している。例えばエミュレーション用3DLUT2は、9×9×9、或いは17×17×17、或いは32×32×32などの格子点数の三次元変換テーブルとされる。なお、格子点の数は、特に限定されるものではなく、適切な格子点数が任意に選定されればよい。
例えばN=17とし、17×17×17であるとすると、エミュレーション用3DLUT2は図18に示したように●を付した格子点が17×17×17=4913個存在し、それぞれの格子点に出力するRo値、Go値、Bo値、もしくは出力するRo値、Go値、Bo値を導く係数値が記憶されている。
つまり入力されるRi値、Gi値、Bi値について3次元軸から導かれる格子点を参照することで、エミュレーション表示をおこなうためのRo値、Go値、Bo値が得られる。
なお本例では、3DLUTの軸や格子点の出力値については、RGB値とされる場合を例に挙げているが、SDLUTの軸や格子点の出力値は、RGB値に限らず、XYZ表色系の値、YCC(輝度及び色差信号)の値、CMY(シアン、マゼンタ、イエロー)の値、L*a*b*表色系の値、CIE_LUV表色系の値など、他の表色系の値が用いられる場合もある。
図2(a)のターゲットデバイス特性3DLUTは、入力されるRi値、Gi値、Bi値から、ターゲットデバイスの入出力特性の再現のための補正を行った結果としての出力としてR’値、G’値、B’値を得るものとされる。
図2(b)の色域変換3DLUTは、入力されるR’値、G’値、B’値を、ターゲットデバイス(CRTモニタ)の色域と考え、これを使用デバイス(LED液晶モニタ)の色域に変換したR”値、G”値、B”値を得るものとされる。
また図2(c)の使用デバイス補正3DLUTは、入力されるR”値、G”値、B”値から、使用デバイスの入出力特性に応じた補正を行った結果としての出力としてRo値、Go値、Bo値を得るものとされる。
従ってエミュレーション用3DLUT2において、入力されるRi値、Gi値、Bi値をエミュレーション表示をおこなうためのRo値、Go値、Bo値に変換することは、色域変換、ターゲットデバイスの入出力特性の補正、及び使用デバイスの入出力特性の補正が行われた結果としてのRo値、Go値、Bo値が得られるものとなり、これによって再現性の良いエミュレーションを実現する。
まず、色域変換とは、ターゲットデバイスの色域の画像信号を使用デバイスの色域に変換することである。
例えばターゲットデバイスとしてCRTを想定し、使用デバイスであるLED液晶モニタ上でこれをエミュレーションする場合とは、画像信号がCRTモニタ上で映し出される様子をLED液晶モニタ上で再現することである。
従って、まず「画像信号がCRTモニタで表示された場合の色再現が正しい」と仮定し、画像信号はCRTモニタ用の画像信号ととらえる必要がある。つまり図1の色変換装置1に入力される変換前RGB信号、即ち図2に示すRi値、Gi値、Bi値は、CRTモニタ用の画像信号と考える。
そして、このような前提にたつことで、エミュレーションでは「CRTモニタ用の画像信号」を「LED液晶モニタ」で表示することになるため、本例のエミュレーション用3DLUT2によって行われる色域変換とは、「CRT色域」から「LED液晶モニタ色域」に変換する処理となる。より一般的に言えば、エミュレーションの際の色域変換とは、「ターゲットデバイスの色域」から「使用デバイスの色域」に変換する処理となる。
そこで本例では、LED液晶モニタの入出力特性に対する逆特性を与えるような変換を行い、結果としてLED液晶モニタが、色歪みがないデバイスとして考えることができるようにする。すると、上記のように「色域変換が行われ、かつターゲットデバイスの入出力特性が考慮された変換が行われた画像信号を、色歪みのない表示デバイスで写し出す」という状況を作り出すことができ、非常に精度の高いエミュレーション表示を実現できる。
図1の色変換装置1において、このようなエミュレーション用3DLUT2が配置されていることにより、高精度なエミュレーションが実現される。
そしてこのためには、いうまでもなく、このような3つの変換要素を含む色変換を実現するエミュレーション用3DLUT2が、あらかじめ3DLUT生成装置30で生成されていなければならない。
3DLUT生成装置30は、演算部40とメモリ部50を有する。演算部40は、エミュレーション用3DLUT2の生成のための各種演算やメモリアクセスを行う。メモリ部50は、エミュレーション用3DLUT2の作成のための各種データを記憶する。
ターゲットデバイス入出力特性データベース51は、ターゲットデバイスとして想定される各種画像処理デバイスの入出力特性を記憶する。本例のようにCRTをターゲットデバイスとするエミュレーション用3DLUT2を生成する場合、少なくともCRTの入出力特性のデータが記憶されていることが必要である。入出力特性のデータは、具体的には3DLUTの形式で保存されていればよい。例えばCRTの入出力特性のデータとして、後述するCRT入出力特性LUTが記憶されている。
色域データベース52には、各種画像処理デバイスの色域の情報が記憶されている。本例の場合、少なくともLED液晶モニタの色域情報や、CRTモニタの色域情報が記憶されていることが必要である。
使用デバイス入出力特性データ53は、使用デバイスの入出力特性を記憶する。本例の場合、LED液晶モニタの入出力特性のデータが記憶されていることが必要である。入出力特性のデータは、具体的には3DLUTの形式で保存されていればよい。即ち後述するLED液晶モニタの入出力特性LUTが記憶されている。
但し、この使用デバイス入出力特性データ53は、後述する補正3DLUTを生成するために用いるものであるが、例えば外部の演算処理装置で補正3DLUTを予め生成しておいてメモリ部50に補正3DLUTのデータを保存しておいてもよい。
また、CRT入出力特性LUTやLED液晶モニタの入出力特性LUTは、実際に各画像処理デバイス(表示デバイス)に順次各色(RGB信号)を入力した際の出力RGB値を測定することで作成されたものであればよい。
色域変換部41は色域変換の演算を行う。LED液晶モニタ上でCRTモニタの見え方をエミュレートするためのエミュレーション用3DLUT2を生成する場合、色域変換部41では、CRTモニタ色域をLED液晶モニタ色域に変換する演算が行われる。
LUT演算部42では、LUT同志の演算処理を行う。例えば一方の3DLUTの格子点の値を他方の3DLUTの格子点に代入するなどの処理である。
メモリ制御部43はメモリインターフェース44を介してメモリ部50にアクセスし、エミュレーション用3DLUT2の生成に必要な情報を読み出す。
以下、3DLUT生成装置30で行われる、エミュレーション用3DLUT2の作成について説明していく。
但し、エミュレーション用3DLUT2の作成処理の際には、予め作成した補正3DLUTを用いるため、ここではまず先に、補正3DLUTの生成について述べる。補正3DLUTとは、図2(c)に示した使用デバイス補正3DLUTのことであり、つまり使用デバイスの入出力特性に応じた補正を行うための3DLUTである。
これは本例の場合、LED液晶モニタの入出力特性の逆特性の3DLUTとなる。以下、LED液晶モニタの逆特性となる補正3DLUTとしての「LED補正3DLUT」の生成について図8〜図12で説明する。
まず演算部40はステップF201として、LED液晶モニタの入出力特性LUT(LUT(A))と同じ軸を持つLUT(B)を用意する。
図9にLED液晶モニタの入出力特性LUT(以下、LUT(A))と、LUT(B)を示す。LED液晶モニタの入出力特性LUTであるLUT(A)は、上述したように使用デバイス入出力特性データ53としてメモリ部50に保存されているものである。
このLUT(A)は、R、G、B軸において、R値、G値、B値の0.0〜1.0の範囲をN個に分割し、N×N×Nの格子点を持つものとされる。(なお3DLUTの軸や格子点の出力値については、RGB値に限らず、XYZ、YCC、CMY、L*a*b*、CIE_LUVなど、他の表色系の値が用いられてもよい。)
三次元に形成された各格子点には、入力RGB値に対する出力RGB値が記憶されている。そしてこのLUT(A)において、入力RGB値と、それに対応する各格子点の出力RGB値は、LED液晶モニタの入出力特性(色歪み)に応じた値となっている。
一方、LUT(B)は、LUT(A)と同じ3次元格子構成をもった記憶領域として用意される。
n個の点、(xi,yi)(但しi=0,1,・・・,n−1)が与えられれば、
yi=P(xi)(但しi=0,1,・・・,n−1)を満たす(n−1)次の多項式、
P(xi)=Cn-1xn-1+Cn-2xn-2+・・・+C1x+C0
が一意的に定まる。但し、どの2つのxiも等しくないとする。
この多項式を表す閉じた式が、ラグランジュの補間公式であり、
で表される。
そしてこの◎の格子点には、値として(R1,G1,B1)が記憶されているとする。LUT(A)はLED液晶モニタの入出力特性の3DLUTであるため、(R11,G11,B11)というRGB信号がLED液晶モニタに供給される場合、LED液晶モニタでは(R1,G1,B1)という値のRGB出力が行われると考えることができる。
ここで、探索されたLUT(B)の3つの軸の格子位置から、1つの格子点が導かれるが、これが図に●で示す格子点であったとする。
この●の格子点に、値として、LUT(A)の◎の格子点の格子位置(R11,G11,B11)を代入する。
LUT(A)の格子位置の値(例えば上記(R11,G11,B11))はLED液晶モニタの入力RGB値であり、各格子点に記憶された値(例えば上記(R1,G1,B1))は入力RGB値に対して実際に表示出力される値である。
すると、上記処理でLUT(A)の格子点の記憶値に近い格子位置で導かれる格子点に、そのLUT(A)の格子点の格子位置を書き込んだLUT(B)は、LED液晶モニタの入出力特性の逆特性の3DLUTとなる。
ただし、この時点ではLUT(B)には、必ずしも全ての格子点に値が書き込まれるわけではない。また、LUT(A)の各格子点に記憶された値と最も近いとされるRGB各格子位置から或る格子点を探すものであり、必ずしも精密な逆特性となっているものではない。
図12のその様子を示す。
図12に示すLUT(B)では、●はステップF204までの処理で値が代入された格子点であり、○は、まだ値が代入されていない格子点であるとしている。
○の格子点として、格子位置の値(RGB各軸の値)が(R2,G2,B2)であるとした格子点を例に挙げる。この格子位置の格子点には、まだ値は記憶されていない。
この格子位置(R2,G2,B2)について、LUT(C)における最も近い値(最も近い色)を探し出す。そして例えばLUT(C)の得る格子点の値(R3,G3,B3)が、最も近い値であったとすると、この値(R3,G3,B3)を、LUT(B)の格子位置(R2,G2,B2)の格子点に記憶される値として代入する。
このような処理を、まだ値が代入されていない全ての○の格子点について行う。
なおL*a*b*表色系はCIEが定めたデバイス非依存の表色系であり、L*は明度であり、a*,b*の組み合わせですべての色相を表す。そしてa*値はレッド〜グリーンの彩度、b*値はイエロー〜ブルーの彩度である。
そして上記(数2)(数3)におけるΔL*はL*値の差分、Δa*はa*値の差分、Δb*はb*の差分である。またC*、H*は、いわゆるL*C*H*表色系の値で、C*は彩度、H*は色相である。
C*、H*は次のように算出される。
またLUT(C)の全格子点の値も、L*a*b*に変換する。すると、(R2,G2,B2)とLUT(C)の各格子点の値におけるΔL*、Δa*、Δb*を求めることができ、ΔE*もしくはΔE*94の色差式で、最も近い値を探し出すことができる。
なおR、G、Bの値からは、次の(数2)によりL*値、a*値、b*値を得ることができる。
ここでXn,Yn,Znは、光源の3刺激値であり、例えば標準イルミナントD65の場合は(Xn,Yn,Zn)=(95.04,100.00,108.89)である。
この時点で、LUT(B)が、図2(c)に相当する、LED液晶モニタの入出力特性の逆特性を表したLED補正3DLUTとして完成したことになる。
続いて、以上のようにして作成されたLED補正3DLUTを使用して、エミュレーション用3DLUTを作成する処理を図4〜図7で説明する。
図4は3DLUT生成装置30の演算部40で実行されるエミュレーション用3DLUT2の作成の手順を示している。
まず演算部40はステップF101として、CRTモニタの入出力特性LUTを取得し、これをLUT#1とする。上述のようにCRTモニタの入出力特性LUTは、予め測定によって用意され、メモリ部50のターゲットデバイス入出力特性データベース51に保存されているため、ステップF101は、これを読み出す処理となる。
このLUT#1は、図5のように、R、G、B軸において、R値、G値、B値の0.0〜1.0の範囲を所定の分割点を設定してN個に分割し(一例としては等間隔に分割)、N×N×Nの格子点を持つものとされる。(なお3DLUTの軸や格子点の出力値については、RGB値に限らず、XYZ、YCC、CMY、L*a*b*、CIE_LUVなど、他の表色系の値が用いられてもよい。)
三次元に形成された各格子点には、入力RGB値に対する出力RGB値が記憶されている。そしてこのLUT#1において、入力RGB値と、それに対応する各格子点の出力RGB値は、CRTモニタの入出力特性(色歪み)に応じた値となっている。
この段階でのLUT#1は、図2(a)の3DLUTに相当する。
図6にこの処理の様子を示す。例えばLUT#1の或る格子点において、CRT色域のRGB値として(Rc,Gc,Bc)という値が記憶されているとする。
この(Rc,Gc,Bc)を色域変換して、LED液晶モニタの色域のRGB値(RL,GL,BL)を得る。そして、LUT#1の当該格子点(値(Rc,Gc,Bc)が記憶されていた格子点)に、(RL,GL,BL)というRGB値を上書きする。
まず、次の(数6)により、CRTモニタの色域のRGB値(Rc,Gc,Bc)をXYZ値に変換する。
ここで「M」は、CRT色域のRGB値をXYZ値に変換する3×3マトリクス係数である。
次に、(数7)により、XYZ値をLED液晶モニタの色域に変換する。
「M’」は、XYZ値をLED液晶モニタの色域のRGB値に変換する3×3マトリクス係数である。
なお、ここでは狭い色域であるCRTモニタ色域から、より広い色域であるLED液晶モニタの色域に変換する例であるので、このようなマトリクス変換で良いが、例えば広い色域を狭い色域に変換する場合は、3次元色域圧縮処理を用いることが有効である。
この時点で、LUT#1は、色域変換としての変換要素と、CRTモニタの入出力特性を再現するという変換要素を備えた3DLUTとなっている。つまり図2(a)(b)に示したターゲットデバイス特性3DLUTと色域変換3DLUTの2つを合成したものになっていることになる。
そこで次には、上述した図8の処理で作成したLED補正3DLUT(LUT(B))、つまり図2(c)に示した使用デバイス補正3DLUTに相当するLED補正3DLUTによる変換要素を、このLUT#1に取り入れる処理を行う。
図7にこの処理の様子を示す。
上述のようにLUT#1の各格子点にはLED液晶モニタの色域の値が記憶されているため、例えば図7のLUT#1において◎を付した格子点に記憶されている値を(RL,GL,BL)とする。
この◎の格子点に記憶された値(RL,GL,BL)のそれぞれについて、LUT(B)の各軸で最も近い値を探索する。即ち値RLについて、LUT(B)のR軸の値として、最も近い値(R軸の格子位置)を探す。同様に値GLについて、LUT(B)のG軸の値として、最も近い値(G軸の格子位置)を探す。さらに同様に値BLについて、LUT(B)のB軸の値として、最も近い値(B軸の格子位置)を探す。
ここで、探索されたLUT(B)の3つの格子位置から、1つの格子点の格子位置が導かれるが、これが図に●で示す格子点であったとする。
この●の格子点に記憶されているRGB値を(Rh,Gh,Bh)とする。このRGB値(Rh,Gh,Bh)を、LUT#1の◎の格子点に上書きする。
上述したようにLUT(B)は、LED液晶モニタの入出力特性の逆特性の3DLUTである。従って、この処理を行うことで、LUT#1は、LED液晶モニタの入出力特性を補正するための変換要素が加えられたことになる。
ステップF103として、LUT#1の全格子点の値について、このような処理が行われた時点で、このLUT#1がエミュレーション用3DLUT2として完成することになる。
そしてこのLUT#1(=エミュレーション用3DLUT2)は、色域変換としての変換要素と、CRTモニタの入出力特性の再現のための変換要素と、LED液晶モニタの入出力特性の補正のための変換要素の3つを含む3DLUTとなる。
このエミュレーション用3DLUT2が、図1の色変換装置1に導入されることで、CRTモニタの色域とLED液晶モニタの色の色域変換だけでなく、使用デバイスであるLED液晶モニタの入出力特性、及びターゲットデバイスであるCRTモニタの入出力特性を加味した色変換が実行され、高精度な再現性のエミュレーションが実現される。
例えば、表示デバイスの入出力特性の補正に一次元テーブルを用いることも考えられるが、一次元テーブルでは十分な補正ができない。これについて図13〜図16で説明する。
特性B1は、R値=0.0、G値=0.0に固定し、B値を0.0、0.1・・・1.0と変化させた場合の特性である。
特性B2は、R値=0.0、G値=0.5に固定し、B値を0.0、0.1・・・1.0と変化させた場合の特性である。
特性B3は、R値=0.5、G値=0.0に固定し、B値を0.0、0.1・・・1.0と変化させた場合の特性である。
この図13から、CRTモニタでは、R値(赤)とG値(緑)の混ざり具合によって、B値(青)の入出力特性が変化することがわかる。
この図も、特性B1は、R値=0.0、G値=0.0に固定し、B値を0.0、0.1・・・1.0と変化させた場合の特性である。
特性B2は、R値=0.0、G値=0.5に固定し、B値を0.0、0.1・・・1.0と変化させた場合の特性である。
特性B3は、R値=0.5、G値=0.0に固定し、B値を0.0、0.1・・・1.0と変化させた場合の特性である。
この図14から、LED液晶モニタにおいても、R値(赤)とG値(緑)の混ざり具合によって、B値(青)の入出力特性が変化することがわかる。
なお図15はa*値、L*値を軸とした平面方向で表し、図16はa*値、b*値を軸とした平面方向で表したものである。図16は図15の三次元空間を上方から見た図である。
この図15,図16において、入力信号が歪み無く表示されれば、入力信号値を示す小さい球と出力値を示す大きい球は重なるが、歪みが大きくなるほど、この大小の球を結ぶ直線が長くなる。
そしてこれらの図からわかるように、大多数の信号に歪みがあり、しかもそれぞれが多様な方向に歪んでいる。
従って入出力特性を一次元のテーブルで補正することは無理がある。つまり一次元のテーブル(もしくは一次元の補正演算等)で、表示デバイスの入出力特性の補正としての色変換を行ったとしても、それは適正な補正とはならない。
これに対して本実施の形態では、エミュレーション用3DLUT2としての3次元テーブルにより、ターゲットデバイス、使用デバイスのそれぞれの入出力特性に応じた変換が行われる。つまり入出力特性に応じた補正のための色変換が三次元テーブルで行われることで、適正な色変換が実現でき、より高精度なエミュレーション表示が実現できる。
また色変換装置1としても、使用デバイスに内蔵されたり、表示デバイス等の画像処理デバイスに接続されて使用される専用装置とされるほか、エミュレーション用3DLUT2及びそれを用いた変換処理を行うプログラムを、例えば汎用のコンピュータ装置等においてインストールすることで、色変換装置1を実現することもできる。
あるいはまた、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magnet optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリ、メモリカードなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、これらのプログラムは、リムーバブル記録媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
以上のような色変換装置1の使用例を図17に例示する。
図17(a)は、色変換装置1が、例えば単体の装置とされて形成され、画像ソース機器20と使用デバイス21の間に接続される場合を示している。
ここでいう画像ソース機器20とは、画像信号を出力する機器であればよく、例えばコンピュータ装置、映像編集装置、ビデオプレーヤ、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像装置、画像信号受信装置(ビデオチューナ)、通信装置、ネットワーク端末装置などの非常に多様な機器が想定される。
また使用デバイス21とは、画像ソース機器20から供給される画像信号についての所定の画像処理を行う装置であり、例えば画像表示処理を行う表示装置、画像印刷処理を行う印刷装置、画像記録処理を行う記録装置(ビデオレコーダ)など、多様な機器が想定される。また、記録装置の一種として例えばデジタル画像データをフィルムに変換するフィルムレコーダなども考えられる。
この結果、使用デバイス21では、或るターゲットデバイスでの色再現としての画像出力が実現される。例えば使用デバイス21が表示装置であれば、ターゲットデバイスでの色再現を表現する画像表示が行われる。また使用デバイス21が印刷装置であればターゲットデバイスでの色再現を表現する画像プリントが行われる。
或いは多数の使用デバイス21とターゲットデバイスの組み合わせに応じて、多数の係数群を記憶し(予め、上述したエミュレーション用3DLUT2の生成方式により、組み合わせ毎にエミュレーション用3DLUT2の係数群を生成して記憶しておく)、接続する使用デバイス21と選択されたターゲットデバイスの組み合わせに応じて、エミュレーション用3DLUT2の各格子点の係数値を変更していくことでも、汎用的な色変換装置1を実現できる。
この場合、使用デバイス21内の画像信号処理部21aは、エミュレーション用3DLUT2を備え、画像信号処理部21aは、このエミュレーション用3DLUT2を用いて色変換処理を行う構成とすることで、上述してきた色変換装置1の機能を使用デバイス21内の画像信号処理部21aで実現できる。
これによって、画像ソース機器20から供給されるRi値、Gi値、Bi値に対して、ターゲットデバイスの入出力特性に応じた補正、色域変換、及び使用デバイス21である自身の入出力特性に応じた補正という3つの変換要素を含む色変換を行って、変換後のRGB信号、即ちRo値、Go値、Bo値を生成し、この変換後のRGB信号を用いた表示、印刷、記録、外部出力等を行うことができる。
画像ソース部21bは、撮像部やスキャナ部など、画像信号を得る構成部位を示している。従ってこの場合の使用デバイス21としては、撮像装置やスキャナ装置などが想定される。スキャナ装置の一種としては、フィルムとしての画像をデジタル画像信号に変換するフィルムスキャナなども考えられる。
この場合も、使用デバイス21内の画像信号処理部21aは、エミュレーション用3DLUT2を備え、画像信号処理部21aは、このエミュレーション用3DLUT2を用いて色変換処理を行う構成とすることで、上述してきた色変換装置1の機能を使用デバイス21内の画像信号処理部21aで実現できる。
そしてこの場合も、色変換処理の対象とする使用デバイス21は自身の機器として固定であるが、ターゲットデバイスとして多種の装置を選択するように、多数のエミュレーション用3DLUT2を用意したり、或いはエミュレーション用3DLUT2の係数値をターゲットデバイス毎に選択できるようにすることができる。
上記図17(b)のように、使用デバイス21に色変換装置1としての機能を内蔵する例として、表示装置40に色変換装置1の機能を内蔵した例を図18に示す。
この表示装置40としては、CRTモニタ装置、液晶モニタ装置、プロジェクタ装置、有機EL(Electroluminescence)モニタ装置など、各種の表示装置が考えられる。
画像信号処理部141は、画像ソース機器20から供給される画像信号に対して表示用の各種処理を行い、処理後の画像信号を表示駆動部142に供給する。表示駆動部142は、画像信号に応じて表示部143の各画素を駆動し、表示部143での画像表示を実行させる。
制御部144は例えばマイクロコンピュータにより形成され、各部の動作を制御する。メモリ部145は例えばROM領域、RAM領域、不揮発性メモリ領域を備え、制御部144の動作プログラム、動作制御のための係数、制御パラメータ、プログラムを記憶したり、ワーク領域として用いられる。
これによって、画像ソース機器20から供給されるRi値、Gi値、Bi値に対して、ターゲットデバイスの入出力特性に応じた補正、色域変換、及び使用デバイス21である自身の表示装置140の入出力特性に応じた補正という3つの変換要素を含む色変換を行って、変換後のRGB信号、即ちRo値、Go値、Bo値を生成し、この変換後のRGB信号を用いた表示を表示部143において行うことができる。
つまり或るターゲットデバイスにおける色再現を、表示部143での表示により実現できる。例えばターゲットデバイスを他の種類の表示装置とすれば、その表示装置で表示される色再現表示ができる。またターゲットデバイスを或る撮像装置とすれば、その撮像装置で撮像される画像としての色再現表示ができる。またターゲットデバイスを或る印刷装置とすれば、その印刷装置で印刷される画像としての色再現表示ができる。
ターゲットデバイスを選択可能とする場合は、各種のターゲットデバイスと自身の表示装置140の組み合わせのそれぞれについて、エミュレーション用3DLUT2の係数群を上述したエミュレーション用3DLUTの生成方式により予め生成し、メモリ部145に記憶しておく。そして、ターゲットデバイスの選択に応じて、制御部144がメモリ部145から該当する係数群を読み出し、画像信号処理部141内のエミュレーション用3DLUT2の各格子点の係数を書き換えるようにする。
このような手法により、複数のターゲットデバイスのうちで1つを選択して、そのエミュレーション表示を実行できることになる。即ち多様なターゲットデバイスでの色再現を選択的に表示部143での表示により実現することができる。
次に、同じく図17(b)のように、使用デバイス21に色変換装置1としての機能を内蔵する例として、印刷装置150に色変換装置1の機能を内蔵した例を図19に示す。
この印刷装置150としては、レーザプリンタ装置、インクジェットプリンタ装置、感熱プリンタ装置など、各種のカラープリンタが考えられる。
画像信号処理部151は、画像ソース機器20から供給される画像信号に対して印刷用の各種処理を行い、処理後の画像信号を印刷駆動部152に供給する。印刷駆動部152は、画像信号に応じて印刷部153の印刷ヘッド機構を駆動し、印刷を実行させる。
制御部154は例えばマイクロコンピュータにより形成され、各部の動作を制御する。メモリ部155は例えばROM領域、RAM領域、不揮発性メモリ領域を備え、制御部154の動作プログラム、動作制御のための係数、制御パラメータ、プログラムを記憶したり、ワーク領域として用いられる。
なお、印刷装置では、CMY信号が使用されることが多いため、図19では画像ソース機器20から印刷装置150に対してCMY表色系の入力信号としてCi値、Mi値、Yi値が供給される例としている。
画像信号処理部151は、エミュレーション用3DLUT2を用いて、画像ソース機器20から供給されるCi値、Mi値、Yi値に対して、ターゲットデバイスの入出力特性に応じた補正、色域変換、及び使用デバイス21である自身の印刷装置150の入出力特性に応じた補正という3つの変換要素を含む色変換を行って、変換後のCMY信号、即ちCo値、Mo値、Yo値を生成する。これによって、この変換後のCMY信号を用いた印刷を印刷部153において行うことができる。
つまり或るターゲットデバイスにおける色再現を、印刷部153での印刷により実現できる。例えばターゲットデバイスを他の種類の印刷装置とすれば、その印刷装置でプリントされる色再現印刷ができる。またターゲットデバイスを或る撮像装置とすれば、その撮像装置で撮像される画像としての色再現印刷ができる。またターゲットデバイスを或る表示装置とすれば、その表示装置で表示される画像としての色再現印刷ができる。
なおエミュレーション用3DLUTの軸や格子点の出力値については、CMY値に限らず、XYZ、YCC、RGB、L*a*b*、CIE_LUVなど、他の表色系の値が用いられてもよい。
次に図17(c)のように、使用デバイス21に画像ソース部21bと色変換装置1としての機能を内蔵する例として、撮像装置160に色変換装置1の機能を内蔵した構成例を図20に示す。撮像装置160はビデオカメラ或いはデジタルスチルカメラとされる。
撮像装置160は、撮像光学系161、撮像素子部162,前処理部163、画像信号処理部164、記録部165,制御部166、タイミングジェネレータ167、光学部品駆動部168、メモリ部169、表示部170、出力部171を備える。
撮像素子部162は、例えばCCDセンサアレイ、CMOSセンサアレイなどの固体撮像素子部として構成される。この図20の例では、R、G、Bの各色に対応したCCDセンサ162R、162G、162Bと、各CCDセンサ162R、162G、162Bに各色の光を導くプリズム162Pを備えた構成としている。
この撮像素子部162は撮像光学系161を介して導かれた光をCCDセンサ162R、162G、162Bで光電変換し、撮像画像信号(R信号、G信号、B信号)を出力する。
前処理部163は、いわゆるアナログフロントエンドであり、撮像素子部162から出力される撮像画像信号に対してCDS(correlated double sampling :相関2重サンプリング)処理、プログラマブルゲインアンプによるゲイン処理、A/D変換処理を行う。そしてこれらの処理を行った撮像画像信号と画像信号処理部164に供給する。
記録部165は、画像信号処理部164からの画像信号に対して圧縮エンコードや記録媒体に応じた記録フォーマット処理を行い、記録媒体に記録する。記録媒体としては例えばHDD(Hard Disk Drive)、メモリカード、磁気テープ、光ディスクなどが想定される。
表示部170は、画像信号処理部164からの画像信号を表示する。例えば撮像スタンバイ状態におけるプレビュー表示や、撮像時のモニタ表示を実行する。また、記録部164で再生された画像を表示することもできる。
また画像信号処理部164から出力される撮像画像信号は、出力部171から外部機器に出力することができる。
タイミングジェネレータ167は、撮像素子部62に必要な動作パルスを生成する。例えば垂直転送のための4相パルス、フィールドシフトパルス、水平転送のための2相パルス、シャッタパルスなどの各種パルスを生成し、撮像素子部162に供給する。
光学部品駆動部168は、撮像光学系1における光学部品の駆動を行う。例えば、フォーカスレンズ、ズームレンズの駆動や絞り機構の駆動を行う。
これによって、画像ソース部21b(この場合、撮像光学系161,撮像素子部162,前処理部163)から供給される撮像画像信号としてのRi値、Gi値、Bi値に対して、ターゲットデバイスの入出力特性に応じた補正、色域変換、及び使用デバイス21である自身の撮像装置160の入出力特性に応じた補正という3つの変換要素を含む色変換を行って、変換後のRGB信号、即ちRo値、Go値、Bo値を生成し、この変換後のRGB信号を記録したり、表示したり、出力できる。
なおこの場合、自身の撮像装置160の入出力特性とは、主に、撮像光学系161、撮像素子部162としての光学素子や撮像素子の特性と考えればよい。
例えばターゲットデバイスを他の種類の撮像装置とすれば、その撮像装置で撮像された色再現性を持った撮像画像信号を得ることができる。特にカメラ機器では、メーカーやモデルの違いにより色再現性が異なる。多くは光学素子や撮像素子の違いにより、色再現性が異なる。このため、他のカメラ機器をターゲットデバイスとすることで、他のカメラの色再現を持った撮像画像信号を得ることができる。
例えば高性能な撮像光学系161や撮像素子部162を搭載したビデオカメラにおいて、エミュレーションモードとして、旧来のビデオカメラをターゲットデバイスとできるようにすれば、旧来のビデオカメラで撮像した場合と同様の色再現の撮像画像信号を得ることができる。このため撮像画像信号を用いた編集等のポストプロダクションにおいて、旧来のビデオカメラの色域に対応したワークフローを利用できる。また旧来のビデオカメラで撮像した映像素材との編集によるマッチングにも適している。
また新しい色域を使ったワークフローへの転換をスムーズにできることにもなる。
また、例えば、最終的に表示するデバイスと同じ色域をエミュレーションするようにすれば、最終的に表示するデバイスで表示したときに忠実な色を再現できる撮像画像信号を得ることができる。これによって例えばビデオカメラで完パケを作るようなワークフローも実現可能となる。
Claims (8)
- 第1の画像処理デバイスにおいて、ターゲットデバイスとした第2の画像処理デバイスを用いた場合の色再現を行うエミュレーションのために、上記第1の画像処理デバイスで使用する画像信号の色変換を行う色変換装置において、
入力された画像信号の信号値を、三次元ルックアップテーブルを用いて出力信号値に変換するとともに、
上記三次元ルックアップテーブルは、
上記第2の画像処理デバイスの入出力特性を再現するための色変換と、
上記第2の画像処理デバイスと上記第1の画像処理デバイスとの間の色域変換としての色変換と、
上記第1の画像処理デバイスの入出力特性に応じた補正としての色変換と、
としての各色変換要素が含まれた入出力値が設定されたものであることを特徴とする色変換装置。 - 上記三次元ルックアップテーブルは、
上記第2の画像処理デバイスの入出力特性に応じた入出力値を持つ三次元ルックアップテーブルについて、各出力値を上記第1の画像処理デバイスの色域に色域変換した値に書き換え、さらに各出力値を、上記第1の画像処理デバイスの入出力特性の逆特性とされた入出力値を持つ三次元ルックアップテーブルを検索し、検索された値に書き換えて生成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の色変換装置。 - 第1の画像処理デバイスにおいて、ターゲットデバイスとした第2の画像処理デバイスを用いた場合の色再現を行うエミュレーション方法として、
上記第1の画像処理デバイスで使用する画像信号の信号値について、
上記第2の画像処理デバイスの入出力特性を再現するための色変換と、
上記第2の画像処理デバイスと上記第1の画像処理デバイスとの間の色域変換としての色変換と、
上記第1の画像処理デバイスの入出力特性に応じた補正としての色変換と、
としての各色変換要素が含まれた入出力値が設定された三次元ルックアップテーブルにより色変換を行い、
上記三次元ルックアップテーブルで色変換された出力信号値による画像信号を上記第1の画像処理デバイスにおいて使用することを特徴とするエミュレーション方法。 - 第1の画像処理デバイスにおいて、ターゲットデバイスとした第2の画像処理デバイスを用いた場合の色再現を行うエミュレーションのための、上記第1の画像処理デバイスで使用する画像信号の色変換に用いる三次元ルックアップテーブルの生成方法として、
上記第2の画像処理デバイスの入出力特性に応じた入出力値を持つ三次元ルックアップテーブルを取得するステップと、
上記三次元ルックアップテーブルについて、各出力値を上記第1の画像処理デバイスの色域に色域変換した値に書き換えるステップと、
さらに上記三次元ルックアップテーブルの各出力値を、上記第1の画像処理デバイスの入出力特性の逆特性とされた入出力値を持つ他の三次元ルックアップテーブルを検索し、検索された値に書き換えるステップと、
を備えることを特徴とする三次元ルックアップテーブルの生成方法。 - 画像信号についての処理を行う画像処理装置において、
ターゲットデバイスとしての他の画像処理デバイスを用いた場合の色再現を行うエミュレーションのために、入力された画像信号の信号値を、三次元ルックアップテーブルを用いて出力信号値に変換することで、使用する画像信号の色変換を行う画像処理部を備えるとともに、
上記三次元ルックアップテーブルは、
上記ターゲットデバイスとした画像処理デバイスの入出力特性を再現するための色変換と、
上記ターゲットデバイスとした画像処理デバイスの色域と、自己の色域の間の色域変換としての色変換と、
自己の入出力特性に応じた補正としての色変換と、
としての各色変換要素が含まれた入出力値が設定されたものであることを特徴とする画像処理装置。 - 入力された画像信号について、上記画像処理部で色変換を行って表示処理を行う表示装置であることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
- 入力された画像信号について、上記画像処理部で色変換を行って印刷処理を行う印刷装置であることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
- 画像撮像を行うとともに、撮像によって得た画像信号について上記画像処理部で色変換を行って記録処理又は出力処理を行う撮像装置であることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
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