JP2008079053A - 無線通信装置及び無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】通信先の無線通信装置または通信先の無線通信装置周辺に存在する物体が高速で移動することによって当該無線通信装置との伝播路の状態が急激に変動する場合でも、通信品質の劣化を抑制することができる無線通信装置及び無線通信方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る無線通信装置は、複数の素子アンテナを用い、通信先の無線通信装置である対向無線通信装置から受信した受信無線信号に基づいて、対向無線通信装置に送信する送信無線信号の指向性を適応制御する無線通信装置であって、受信無線信号に基づいて、対向無線通信装置との伝播路の変動状態を検出する伝播路状態検出部と、伝播路状態検出部によって検出された伝播路の変動状態に基づいて、送信無線信号の位相を制御する送信制御部とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の素子アンテナを用い、通信先の無線通信装置から受信した無線信号に基づいて、当該無線通信装置に送信する無線信号の指向性を適応制御する無線通信装置及び無線通信方法に関する。
従来、移動体通信システムなどの無線通信システムでは、通信先の無線通信装置、例えば、無線通信端末に向けて無線基地局から送信される無線信号の指向性を複数の素子アンテナを用いて適応的に制御するアダプティブアレイ制御が広く用いられている。アダプティブアレイ制御によれば、当該無線通信端末の位置に応じて無線信号の指向性を制御することができる。
しかしながら、アダプティブアレイ制御が用いられる無線通信システムでは、無線通信端末が通信の継続中に移動すると、当該無線通信端末の位置に応じて送信する無線信号の指向性を適切に制御することができないといった問題がある。
そこで、当該無線通信端末から受信した無線信号に基づいてドップラ変動量(ドップラ周波数)を推定し、推定したドップラ変動量が小さい方から所定数の素子アンテナを用いて無線信号の指向性を制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
このような方法によれば、ドップラ変動量が小さい素子アンテナが選択されるため、当該無線通信端末が通信の継続中に移動する場合でも、良好な無線信号の指向性を確保することができるとされている。
特開2003−198508号公報(第8頁、第5図)
ところで、無線通信端末の周辺には、無線基地局から送信された無線信号によって、定在波のように周期的に電力値のピークを有する周期的信号が現れる。このような周期的信号の波長は、一般的に、無線基地局から送信された無線信号の波長の半分程度である。例えば、無線信号の周波数が2GHz帯である場合、周期的信号の波長が約半分であると仮定すると、周期的信号の波長は約7.5cmである。
すなわち、無線通信端末または無線通信端末周辺に存在する物体(例えば、車両)が高速(100km/h〜)で移動する場合、無線基地局においてアダプティブアレイ制御が実行された無線信号を無線通信端末が受信する時点では、既に無線基地局と無線通信端末との伝播路の状態が急激に変動してしまっている場合がある。このため、無線通信端末が受信する無線信号の通信品質が劣化するといった問題があった。
具体的には、無線通信端末または無線通信端末周辺に存在する物体が高速で移動する場合、無線通信端末が周期的信号の電力値のピークから外れた位置に移動してしまい、無線通信端末が受信する無線信号の通信品質が著しく劣化する。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、通信先の無線通信装置または通信先の無線通信装置周辺に存在する物体が高速で移動することによって当該無線通信装置との伝播路の状態が急激に変動する場合でも、通信品質の劣化を抑制することができる無線通信装置及び無線通信方法を提供することを目的とする。
上述した問題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。
まず、本発明の第1の特徴は、複数の素子アンテナを用い、通信先の無線通信装置である対向無線通信装置(例えば、無線通信端末200)から受信した受信無線信号(上り方向信号RSup)に基づいて、前記対向無線通信装置に送信する送信無線信号(下り方向信号RSdown)の指向性を適応制御する無線通信装置(例えば、無線基地局100)であって、前記受信無線信号に基づいて、前記対向無線通信装置との伝播路の変動状態を検出する伝播路状態検出部(希望波電力算出部107)と、前記伝播路状態検出部によって検出された前記伝播路の変動状態に基づいて、前記送信無線信号の位相を制御する送信制御部(位相算出部111)とを備えることを要旨とするものである。
このような特徴によれば、無線通信装置は、検出した伝播路の変動状態に基づいて、位相を制御した送信無線信号を、対向無線通信装置へ送信するので、対向無線通信装置との間における伝播路が変動する場合であっても、伝播路の変動状態に応じて、適切に位相を制御した送信無線信号を送信できる。よって、かかる特徴によれば、無線通信装置は、通信先の対向無線通信装置または通信先の対向無線通信装置周辺に存在する物体が高速(100km/h〜)で移動することによって当該対向無線通信装置との伝播路の状態が急激に変動する場合でも、通信品質の劣化を抑制することができる。
本発明の第2の特徴は、第1の特徴に係り、前記対向無線通信装置から送信される信号を第1の既知信号として記憶する既知信号記憶部を更に備え、前記伝播路状態検出部は、前記受信無線信号から、振幅及び位相が既知である第2の既知信号を検出し、前記送信制御部は、前記既知信号記憶部に記憶しておいた第1の既知信号と、前記伝播路状態検出部で検出した第2の既知信号との位相差に基づいて、前記送信無線信号の位相を変化させることを要旨とするものである。
このような特徴によれば、無線通信装置は、受信無線信号と、記憶する既知信号との位相差に基づいて、伝播路の変動状態を検出するので、送信無線信号の位相差を、より適切に変化させることができる。
本発明の第3の特徴は、第2の特徴に係り、伝播路状態検出部は、前記受信無線信号の受信電力値を検出し、前記送信制御部は、前記伝播路状態検出部によって検出された前記受信無線信号の受信電力値の変動量が所定の閾値以下である場合、前記送信無線信号の位相を変化させることを要旨とするものである。
このような特徴によれば、無線通信装置は、受信電力値の変動量が所定の閾値以下である場合、又は、所定の閾値よりも大きい場合等、受信電力値の変動量に応じて、より適切に位相を変化させることができる。
本発明の第4の特徴は、第2の特徴に係り、伝播路状態検出部は、前記受信無線信号の受信電力値を検出し、前記送信制御部は、前記伝播路状態検出部によって検出された前記受信無線信号の受信電力値の変動量が所定の閾値以下である場合、前記送信無線信号の位相を反転させることを要旨とするものである。
このような特徴によれば、無線通信装置は、受信電力値の変動量が所定の閾値以下である場合、位相を反転させて送信無線信号を送信するので、伝播路の変動による受信電力値の変動量を判定し、送信無線信号の位相を適切に変化させて送信できる。
本発明の第5の特徴は、第3の特徴に係り、前記送信制御部は、前記対向無線通信装置から前記受信無線信号を受信した時点から、前記送信無線信号を送信する時点までの処理時間と、前記伝播路状態検出部によって検出された前記受信無線信号の変動状態から把握される変動周期との比較結果に基づいて、前記所定の閾値を決定することを要旨とするものである。
このような特徴によれば、無線通信装置は、処理時間と、受信無線信号の変動周期との比較結果に基づいて、所定の閾値を決定するので、受信無線信号の変動と、受信から送信までの処理時間を考慮し、適切な所定の閾値を決定することができる。
本発明の第6の特徴は、第2の特徴に係り、前記送信制御部は、前記位相差の変動量に応じて、前記送信無線信号の位相の変化量を制御することを要旨とするものである。
このような特徴によれば、無線通信装置は、受信無線信号の位相差に応じて、適切な位相に変化量を制御して送信無線信号を送信することができる。
本発明の第7の特徴は、第6の特徴に係り、前記送信制御部は、前記位相差の変動量が増大している場合、前記送信無線信号の位相を進めることを要旨とするものである。
このような特徴によれば、無線通信装置は、位相差の変動量が増大する際には、これに応じて、位相を進めて適切に変化させた送信無線信号を送信することができる。つまり、前記位相差の変動と同方向に前記送信無線信号の位相を補正させることができる。
本発明の第8の特徴は、第6の特徴に係り、前記送信制御部は、前記位相差の変動量が減少している場合、前記送信無線信号の位相を遅らせることを要旨とするものである。つまり、前記位相差の変動と同方向に前記送信無線信号の位相を補正させることができる。
このような特徴によれば、無線通信装置は、位相差の変動量が減少する際には、これに応じて、位相を遅らせて適切に変化させた送信無線信号を送信することができる。
本発明の第9の特徴は、第2の特徴に係り、前記送信制御部は、少なくとも第1のタイミングと、前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにおける前記受信無線信号の受信電力値に基づいて前記受信電力値の変動量を判定し、判定した前記受信電力値の変動量が減少している場合、前記第1のタイミングにおける前記受信無線信号の位相差に基づいて前記送信無線信号の位相を変化させることを要旨とするものである。
このような特徴によれば、無線通信装置は、第1のタイミングと第2のタイミングとにおける受信電力値の変動量を考慮して、送信無線信号の位相を変化させることができる。
本発明の第10の特徴は、第2の特徴に係り、前記送信制御部は、少なくとも第1のタイミングと、前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにおける前記受信無線信号の受信電力値に基づいて前記受信電力値の変動量を判定し、判定した前記受信電力値の変動量が増大している場合、前記第2のタイミングにおける前記受信無線信号の位相差に基づいて前記送信無線信号の位相を変化させることを要旨とするものである。
本発明の第11の特徴は、第5の特徴に係り、前記伝播路状態検出部は、前記受信無線信号のドップラ変動量の周期を前記変動周期として検出することを要旨とするものである。
このような特徴によれば、無線通信装置は、ドップラ変動量の周期から変動周期をより正確に検出することが出来る。
本発明の第12の特徴は、第5の特徴に係り、前記伝播路状態検出部は、前記受信無線信号の電力値の変動周期を前記変動周期として検出することを要旨とするものである。
このような特徴によれば、無線通信装置は、受信無線信号の電力値の変動周期から伝播路の状態の変動周期を、より正確に検出することが出来る。
本発明の第13の特徴は、第5の特徴に係り、前記複数の素子アンテナのそれぞれが受信する前記受信無線信号の相関度を検出するアンテナ相関検出部(アンテナ相関検出部121)をさらに備え、前記送信制御部は、前記アンテナ相関検出部によって検出された前記相関度に基づいて、前記所定の閾値を決定することを要旨とするものである。
このような特徴によれば、無線通信装置では、各素子アンテナにおける受信無線信号の相関度に基づいて、相関度が高い又は低いことによる伝播路の状態を考慮して、より適切な所定の閾値を決定することができる。
本発明の第14の特徴は、第1の特徴に係り、前記受信無線信号の状態に基づいて、少なくとも何れかの前記素子アンテナを選択するアンテナ選択部(アンテナ選択部131)をさらに備え、前記送信制御部は、前記アンテナ選択部によって選択された前記素子アンテナを介して前記送信無線信号を送信することを要旨とするものである。
このような特徴によれば、無線通信装置では、例えば、受信無線信号の状態に基づいて、例えば、受信無線信号の状態の良い又は悪いアンテナを選択して、送信無線信号を送信することができる。
本発明の第15の特徴は、第1の特徴に係り、前記受信無線信号は、複数の周波数帯域を用いており、前記周波数帯域のそれぞれの相関度を検出する周波数帯域相関検出部(伝播路変動相関値演算部152)をさらに備え、前記送信制御部は、前記周波数帯域相関検出部によって検出された前記相関度に基づいて、前記相関度が所定の閾値以上である複数の周波数帯域を対象として、複数の前記送信無線信号の位相を同様に変化させることを要旨とするものである。
このような特徴によれば、無線通信装置は、相関度が所定の閾値以上である複数の周波数帯域において、同一のウエイトを用いて送信無線信号を送信する。よって、複数の周波数帯域毎にそれぞれウエイトを算出する必要がなく、一の周波数帯域用に算出したウエイトを用いて、送信無線信号を送信できるので、ウエイトを算出する際の演算処理負荷を低減出来る。
本発明の第16の特徴は、複数の素子アンテナを用い、通信先の無線通信装置である対向無線通信装置から受信した受信無線信号に基づいて、前記対向無線通信装置に送信する送信無線信号の指向性を適応制御する無線通信装置における無線通信方法であって、前記受信無線信号に基づいて、前記対向無線通信装置との伝播路の変動状態を検出する検出ステップと、検出された前記伝播路の変動状態に基づいて、前記送信無線信号の位相を制御する制御ステップとを備えることを要旨とするものである。
本発明の特徴によれば、通信先の無線通信装置または通信先の無線通信装置周辺に存在する物体が高速で移動することによって当該無線通信装置との伝播路の状態が急激に変動する場合でも、通信品質の劣化を抑制することができる無線通信装置及び無線通信方法を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
[本発明の第1実施形態]
(第1実施形態に係る移動体通信システムの全体概略構成)
図1は、本実施形態に係る無線通信装置を含む移動体通信システムの全体概略構成図である。移動体通信システムは、無線基地局100(無線通信装置)と無線通信端末200(対向無線通信装置)とを具備する。なお、移動体通信システムを構成する無線基地局及び無線通信端末の数は、図1に示した数に限定されるものではない。
移動体通信システムでは、無線基地局100と無線通信端末200との間で、無線通信が行われる。移動体通信システムは、時分割多元接続/時分割複信(TDMA/TDD)を用いた移動体通信システムである。
無線通信端末200は、携帯電話端末であり、音声通話や電子メールの送受信機能を備える。また、無線通信端末200は、携帯電話機や、PDA(Personal Degital Assistant)や、ノート型コンピュータなどのモバイル機器を想定している。
また、図1では、無線通信端末200が、時点t1において位置イにおいて上り方向信号RSupを送信し、時点t2において位置ロへ移動した際、下り方向信号RSdownを受信するイメージが示されている。
無線基地局100は、複数の素子アンテナを用いて、アダプティブアレイ制御を実行する。具体的に、無線基地局100は、通信先の無線通信装置である無線通信端末200から受信した上り方向信号RSup(受信無線信号)に基づいて、無線通信端末200に送信する下り方向信号RSdown(送信無線信号)の指向性を適応制御する。
無線通信端末200では、自装置の移動又は周辺の物体の移動等の周辺環境の変化により伝播路が変動する。そして、当該無線通信端末200の周辺には、無線基地局100から送信された無線信号によって、例えば、図2に示すように、定在波等の周期的に電力値のピークを有する周期的信号が現れる。このような周期的信号において、ピークの受信電力P1からヌルの受信電力P2までの間隔は、例えば、無線信号の周波数が2GHz帯である場合、周期的信号の波長が約半分であると仮定すると、周期的信号の波長は最短で約7.5cmである。
(第1実施形態に係る無線基地局の構成)
図3は、本実施形態に係る無線基地局100の機能ブロック構成図である。また、以下、本発明との関連がある部分について主に説明する。したがって、無線基地局100は、無線基地局100としての機能を実現する上で必須な、図示しない或いは説明を省略した論理ブロック(電源部など)を備える場合があることに留意されたい。
図3に示すように、無線基地局100は、素子アンテナ101_1乃至101_nと、受信部102_1乃至102_nと、第1のウエイト算出部103と、ドップラ把握部104と、判断部105と、トレーニング信号記憶部106と、希望波電力算出部107と、絶対値算出部108と、希望波電力変動判定部109と、希望波位相差算出部110と、位相算出部111と、第2のウエイト算出部112と、アダプティブ処理制御部113と、送信部114_1乃至114_nとを備える。
素子アンテナ101_1乃至101_nは、受信部102_1乃至102_nと、送信部114_1乃至114_nと接続し、無線通信端末200との間で、TDMA/TDDに従った無線信号を送受信する。
受信部102_1乃至102_nは、素子アンテナ101_1乃至101_nを介して、無線通信端末200から上り方向信号RSupを受信する。
第1のウエイト算出部103は、受信部102_1乃至102_nと、アダプティブ処理制御部113と接続する。第1のウエイト算出部103は、受信部102_1乃至102_nで受信された時点t1の上り方向信号RSupに基づいて、時点t2で位置イにピークを向けるように、無線通信端末200へ送信する下り方向信号RSdownのアダプティブアレイ制御で用いられる第1のアレーウエイトを算出する。つまり従来技術と同様に第1のアレーウエイトを算出する。
ドップラ把握部104は、受信部102_1乃至102_nと、判断部105と、希望波電力変動判定部109と接続する。ドップラ把握部104は、上り方向信号RSupの電力値の変動周期を変動周期faとして検出する。具体的に、ドップラ把握部104は、例えば、無線通信端末200の移動によるドップラ変動で変化する受信電力値を定期的に取得すると共に、当該受信電力値の変動の変動周期faを検出する。
本実施形態において、ドップラ把握部104は、伝播路状態検出部を構成する。
判断部105は、ドップラ把握部104と、アダプティブ処理制御部113と接続する。また、判断部105は、無線通信端末200から上り方向信号RSupを受信した時点t1から、下り方向信号RSdownを送信する時点t2までの処理時間Δtと、ドップラ把握部104によって検出された変動周期faとを比較する。判断部105は、処理時間Δtが、ドップラ把握部104から通知された変動周期faの略半分であるか否かを判定する。
具体的に、判断部105は、処理時間Δtとなる変動周期faの略半分の範囲を示す下限値fL及び上限値fHを予め記憶しており、ドップラ把握部104によって検出された変動周期faが、下限値fL≦fa<上限値fHであるか否かを判定する。このようにして、判断部105では、上り方向信号RSupを受信した位置イでピークとなる下り方向信号RSdownを送信した際に、時点t2の位置ロでヌル近傍となるか否かが判定される。
トレーニング信号記憶部106は、無線通信端末200との無線通信に用いられているトレーニング信号(第1の既知信号)を記憶する。ここで、かかるトレーニング信号とは、振幅及び位相の値が既知である既知信号を示す。
希望波電力算出部107は、上り方向信号RSupに基づいて、無線通信端末200との伝播路の変動状態を検出する。具体的に、希望波電力算出部107は、上り方向信号RSupとトレーニング信号とに基づいて、上り方向信号RSupの受信電力値、及び振幅及び位相が既知であるトレーニング信号との希望波受信電力を変動状態として検出する。なお、希望波電力算出部107は、受信部102_1乃至102_nのそれぞれの希望波受信電力を検出する。本実施形態において、希望波電力算出部107は、伝播路状態検出部を構成する。
絶対値算出部108は、希望波電力算出部123で算出された希望波受信電力に基づいて、アダプティブアレイ制御で用いられるウエイトの絶対値を、希望波受信電力の値を大小逆転させるよう変換して算出する。
希望波電力変動判定部109は、希望波電力算出部107において、前回算出された希望波電力値と今回算出された希望波電力値とに基づいて、希望波受信電力値の変動量を算出する。
また、希望波電力変動判定部109は、無線通信端末200から上り方向信号RSupを受信した時点t1から、下り方向信号RSdownを送信する時点t2までの処理時間Δtと、ドップラ把握部104によって検出された上り方向信号RSupの変動周期faとの比較結果に基づいて、希望波受信電力値の変動量の所定の閾値を決定してもよい。ここで、かかる所定の閾値は、後述する位相算出部111において、下り方向信号RSdownの位相を変化させる際の判定基準となる値である。また、希望波電力変動判定部109は、希望波電力算出部107によって検出された上り方向信号RSupの希望波受信電力値の変動量が、所定の閾値以下であるか否かを判定し、判定結果を位相算出部111に通知する。本実施形態において、希望波電力変動判定部109は、送信制御部を構成する。
希望波位相差算出部110は、上り方向信号RSupから、振幅及び位相が既知であるトレーニング信号(第2の既知信号)を検出し、検出したトレーニング信号と、トレーニング信号記憶部106に記憶しておいたトレーニング信号(第1の既知信号)とに基づいて、各受信部102_1乃至102_nにおける希望波とトレーニング信号との間の位相差を算出する。また、希望波位相差算出部110は、前回算出した位相差と今回算出した位相差とに基づいて、位相差の変動量を算出する。本実施形態において、希望波位相差算出部110は、伝播路状態検出部を構成する。
位相算出部111は、希望波電力算出部107によって検出された伝播路の変動状態に基づいて、下り方向信号RSdownの位相を制御する。また、位相算出部111は、希望波電力算出部107によって検出された上り方向信号RSupの受信電力と、トレーニング信号との位相差に基づいて、下り方向信号RSdownの位相を変化させる。
位相算出部111は、希望波電力算出部107によって検出された上り方向信号RSupの受信電力値の変動量が、希望波電力変動判定部109によって所定の閾値以下であると判定された場合、下り方向信号RSdownの位相を反転(例えば、πだけ進ませる)するように位相を変化させて、第2のアレーウエイトで用いられるウエイトの位相を算出する。本実施形態において、位相算出部111は、送信制御部を構成する。
第2のウエイト算出部112は、絶対値算出部108と、位相算出部111と、アダプティブ処理制御部113と接続する。第2のウエイト算出部112は、絶対値算出部108において算出されたウエイトの絶対値と、位相算出部111において算出されたウエイトの位相とを用いて、位置ロにピークを向けるように、無線通信端末200へ送信する下り方向信号RSdownのアダプティブアレイ制御で用いられる第2のアレーウエイトを算出する。
アダプティブ処理制御部113は、判断部105によって処理時間Δtが変動周期faの略半分であると判定された場合、時点t2における無線通信端末200の位置ロにピークが向くように、第2のアレーウエイトを用いて、送信部114_1乃至114_nから、下り方向信号RSdownを送信するように制御する。
また、アダプティブ処理制御部113は、判断部105によって処理時間Δtが変動周期の略半分でないと判定された場合、上り方向信号RSupを受信した時点t1における無線通信端末200の位置イにピークが向くように、第1のアレーウエイトを用いて、送信部114_1乃至114_nから、下り方向信号RSdownを送信するように制御する。
送信部114_1乃至114_nは、アダプティブ処理制御部113の制御に従ってアダプティブアレイ処理を実行し、素子アンテナ101_1乃至101_nを介して、無線通信端末200へ下り方向信号RSdownを送信する。
(第1実施形態に係る無線基地局の動作)
次に、図4を参照し、上述した無線基地局100の動作について説明する。具体的には、無線基地局100が、アダプティブアレイ制御を用いて、上り方向信号RSup(受信無線信号)に基づいて、下り方向信号RSdown(送信無線信号)を送信する際の制御動作と、所定の閾値Thrを決定してウエイトを算出する際の制御動作について説明する。
(下り方向信号RSdownを送信する際の制御動作)
ステップS11において、無線基地局100は、無線通信端末200から送信された上り方向信号RSupの無線信号を受信する。
ステップS13において、希望波電力算出部107が、上り方向信号RSupとトレーニング信号とに基づいて、各受信部102_1乃至102_nにおける希望波受信電力raを算出する。また、絶対値算出部108は、希望波電力算出部123で算出された希望波受信電力raに基づいて、アダプティブアレイ制御で用いられるウエイトの絶対値を、希望波受信電力の値を大小逆転させるよう変換することにより算出する。具体的に、絶対値算出部108では、例えば、基準電力をAとし、希望波電力算出部107から通知された各々の受信部102_1乃至102_nにおける希望波受信電力raをA1、A2、A3・・・Anとすると、逆転させた補正後のウエイトの絶対値を、(A−A1)、(A−A2)、(A−A3)・・・(A−An)として算出する。ここで、一例として、基準電力を“1”とし、受信部102_1での希望波受信電力A1を“0.3”とすると、絶対値算出部108では、逆転させたウエイトの絶対値を、“0.7”として算出する。また、絶対値算出部108は、算出したウエイトの絶対値を、第2のウエイト算出部112に通知する。
ステップS15において、希望波位相差算出部110が、上り方向信号RSupとトレーニング信号とに基づいて、各受信部102_1乃至102_nにおける希望波とトレーニング信号との間の位相差paを算出する。
ステップS17において、ドップラ把握部104は、上り方向信号RSupの受信電力値の変動周期faを検出する。ドップラ把握部104は、検出した変動周期faを、判断部105と、希望波電力変動判定部109とに通知する。
ステップS19において、判断部105は、ドップラ把握部104によって検出された変動周期faが、下限値fL≦fa<上限値fHであるか否かを判定する。また、判断部105は、判断結果をアダプティブ処理制御部113に通知する。
ステップS21において、(fL≦fa<fHがYESの場合)アダプティブ処理制御部113は、第2のウエイト算出部112に第2のアレーウエイトを算出するように指示する。第2のウエイト算出部112は、第2のアレーウエイトを算出して、アダプティブ処理制御部113に通知する。
ステップS23において、(fL≦fa<fHがNOの場合)アダプティブ処理制御部113は、第1のウエイト算出部103に第1のアレーウエイトを算出するように指示する。第1のウエイト算出部103は、第1のアレーウエイトを算出して、アダプティブ処理制御部113に通知する。
ステップS25において、アダプティブ処理制御部113は、第1のアレーウエイト又は第2のアレーウエイトを用いて、送信部114_1乃至114_nから、下り方向信号RSdownを送信する。
なお、無線基地局100では、第1のアレーウエイト又は第2のアレーウエイトの算出(ステップS21乃至23)を、判断部105によって、下限値fL≦fa<上限値fHであるか否かを判定(ステップS19)する前に行ってもよい。
(所定の閾値Thrを決定してウエイトを算出する際の制御動作)
次に、図5を参照し、無線基地局100が、所定の閾値Thrを決定してウエイトを算出する際の制御動作について説明する。なお、無線基地局100では、以下に示す制御動作は、上述したステップS19乃至ステップS23と置き換えて実行することが可能である。
ステップS211において、希望波電力変動判定部109は、予め記憶する処理時間Δtと、ドップラ把握部104から通知された変動周期faとの比較結果に基づいて、希望波受信電力の変動量を示す所定の閾値Thrを決定する。
ここで、希望波電力変動判定部109が決定する所定の閾値Thrについて、図6を参照して説明する。図6には、移動する無線通信端末200から送信される上り方向信号RSupを、無線基地局100の一つの受信部(例えば、受信部102_1)で受信される希望波受信電力の時間軸方向の変動が示されている。図6に示すように、無線通信端末200が移動することにより、受信部102_1において受信される希望波電力は、ドップラ変動の影響を受けて変動する。
また、無線基地局100では、受信した上り方向信号RSupに基づいて、アダプティブアレイ制御を実行して下り方向信号RSdownを送信する際、処理時間Δtの間に移動する無線通信端末200に対して、下り方向信号RSdownを、受信電力の低いヌルEの受信電力P2にならないように送信することが望ましい。
よって、このとき、無線基地局100において、下り方向信号RSdownを送信する時点t2のタイミングに、無線通信端末200に対してピーク(ビーム)を向けるためには、無線基地局100で上り方向信号RSupを受信した時点t1のタイミングにおいて、素子アンテナ101_1乃至101_nで、例えば、図6のA,B,C、Dのような受信電力であった場合、各々A’、B’、C’、D’のようなウエイトの絶対値に補正すると共に、適切な位相補正を行って送信することが望ましい。
このため、希望波電力変動判定部109では、変動周期faが小さい場合、変動量の所定の閾値Thr(変動量“0”、図6中“G”と“H”の境F)を、小さくし(図6中“F”を“h”の方向にずらすことに相当)、大きい変動周期faである場合には大きくする(図6中“F”を“g”の方向にずらすことに相当)。
ステップS215において、希望波電力変動判定部109は、希望波電力算出部107で算出された希望波受信電力値raに基づいて、上り方向信号RSupの希望波受信電力の変動量aを算出する。
ステップS217において、希望波電力変動判定部109は、算出した変動量aが、所定の閾値Thr以下であるか否かを判定する。ここで、変動量aが、所定の閾値Thr以下である場合とは、図6において、“H”で示される範囲の場合である。また、変動量aが、所定の閾値Thrよりも大きい場合とは、同図において、“G”で示される範囲の場合である。また、希望波電力変動判定部109は、判定結果を位相算出部111に通知する。
ステップS219において、(閾値Thr≧変動量aがYESの場合)位相算出部111は、素子アンテナ101_nのウエイトの位相Pwt=Pt+πとしてπだけ(180度)位相をずらしたウエイトの位相を算出する。
ステップS221において、(閾値Thr≧変動量aがNOの場合)位相算出部111は、素子アンテナ101_nのウエイトの位相Pwt=Ptとして位相をずらすことなくウエイトの位相を算出する。
ステップS223において、位相算出部111は、全ての素子アンテナ101_n数だけのウエイトの位相Pwnを算出したか否かを判定する。なお、全ての素子アンテナ101_n数だけ算出していない場合、ステップS213乃至ステップS223の動作を繰り返す。
ステップS225において、全ての素子アンテナ101_n数だけのウエイトの位相Pw1乃至Pwnを算出した場合、位相算出部111は、算出したウエイトの位相Pw1乃至Pwnを第2のウエイト算出部112に通知する。
第2のウエイト算出部112は、ウエイトの位相Pwnと、絶対値算出部108で算出されたウエイトの絶対値とに基づいて、各素子アンテナ101_nのウエイトWp1乃至Wpnを算出する。
このようにして、無線基地局100では、無線通信端末200との伝播路の変動周期faに応じて、所定の閾値Thrが決定され、適切な位相に基づいてウエイトが算出される。
なお、上述した無線基地局100では、位相算出部111は、希望波受信電力値の変動量が所定の閾値Thr以下である場合、ウエイトの位相を補正するように構成されていたが、当該閾値Thrを用いず、単に希望波電力算出部107によって検出された上り方向信号RSupの受信電力値が減少している(ヌルに向かうように変動)場合には、下り方向信号RSdownのウエイトの位相をπだけ変化させ、反対に増大している(ピークに向かうように変動)場合には、下り方向信号RSdownの位相を変化させないように構成されていても良い。
(第1実施形態に係る無線基地局の作用・効果)
本実施形態に係る無線基地局100によれば、処理時間Δtが、無線通信端末200から送信された上り方向信号RSupの受信電力値の変動周期faの略半分であると判定された場合、無線通信端末200へ送信する下り方向信号RSdownのアダプティブアレイ制御を、位置イにピークを向けるように、第2のアレーウエイトを用いて行われる。
例えば、図7に示すように、無線通信端末200が時点t1から時点t2までの処理期間Δtの間に、変動周期faの略半分の位置ロに移動する場合、従来技術に係る無線基地局100では、時点t1における位置イでの上り方向信号RSupに基づいてアダプティブアレイ制御が実行され、時点t2で位置イにおいてピークの受信電力P1となるように、下り方向信号RSdownを送信する。よって、時点t2において位置ロに移動する無線通信端末200では、受信する受信電力がヌルの受信電力P2まで急激に低下していた。
本発明に係る無線基地局100によれば、無線通信端末200が時点t1から時点t2までの処理期間Δtの間に波長λの略半分の距離を移動する場合、例えば、図8に示すように、時点t2において位置イでピークの受信電力P2となるように、ウエイトの絶対値と位相とを補正した第2のアレーウエイトを用いたアダプティブアレイ制御が実行されて下り方向信号RSdownを送信する。
このとき、第2のアレーウエイトは、希望波受信電力の変動量に基づいて、当該変動量が所定の閾値以下である場合、つまり位相のずれが大きく受信電力が大幅に低下することが推測される場合には、位相を反転させたウエイトの位相で算出される。よって、本実施形態に係る無線基地局100によれば、アダプティブアレイ制御で用いられるウエイトの位相を、希望波受信電力の変動量に応じて適切に制御して、下り方向信号RSdownを送信することができる。
このようにして、無線基地局100によれば、通信先の無線通信端末200または通信先の無線通信端末200周辺に存在する物体が高速(100km/h〜)で移動することによって当該無線通信端末200との伝播路の状態が急激に変動する場合でも、通信品質の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態に係る無線基地局100によれば、伝播路の変動周期faから、位相を変化させる際の判定基準となる変動量の所定の閾値を変化させるので、変動周期faに応じて、適切な閾値で位相を変化させることができる。
また、本実施形態に係る無線基地局100によれば、第2のアレーウエイトで用いられるウエイトの絶対値を、希望波受信電力の値を大小逆転させるよう変換して算出する。ここで、無線通信端末200が、時点t1の位置イにおいて上り方向信号RSupを送信し、移動によって時点t2にヌルとなる位置ロにおいて下り方向信号RSdownを送信する場合、無線基地局100では、上り方向信号RSupで希望波受信電力の大きかった素子アンテナ101_1乃至101_nを用いて下り方向信号RSdownを送信するよりも、希望波受信電力の小さかった素子アンテナ101_1乃至101_nを用いて送信するほうが、位置ロにおける受信電力は高くなると考えられる。
このようにして、本実施形態に係る無線基地局100によれば、第2のアレーウエイトを算出する際、ウエイトの絶対値を希望波受信電力の値を大小逆転させるよう変換して算出し、伝播路が変動する場合であっても、無線通信端末200に対して、適切に下り方向信号RSdownを送信することができる。
(変更例1)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。第1実施形態に係る無線基地局100では、位相算出部111は、素子アンテナ101_nのウエイトの位相Pwn=Pn+πを、π(180度)だけずらすように構成されていたが、位相算出部111は、πに限らず、位相差の変動量に応じて、下り方向信号RSdownのウエイトの位相の変化量を制御するように構成されていてもよい。
具体的に、無線基地局100では、図6に示した伝播路変動により変化する希望波受信電力が“H”の範囲の場合、希望波の位相差に応じて、位相算出部111は、例えば、π/2からπの間、又は(−π/2)から(ーπ)の間で位相の変化量を制御するように構成されていてもよい。また、このとき、位相算出部111は、位相差の変動量が増大している場合と、位相差の変動量が減少している場合とで、位相差の変動と同方向に下り方向信号RSdownに用いられるウエイトの位相を進ませる又は遅らせるようにする。例えば、位相算出部111は、位相差の変動量が増大している場合には、下り方向信号RSdownに用いられるウエイトの位相を進め((−π/2)から(ーπ)の間で位相を変化させる)、位相差の変動量が減少している場合には、下り方向信号RSdownに用いられるウエイトの位相を遅らせる(π/2からπの間で位相を変化させる)ように構成されていてもよい。
本変更例に係る無線基地局100によれば、アダプティブアレイ制御を実行する際、受信した上り方向信号RSup位相差の変動量に応じて、下り方向信号RSdownに用いられるウエイトの位相を変化させるので、移動する無線通信端末200に対して、よりピーク(ビーム)を向けた下り方向信号RSdownを送信し、通信品質の劣化を抑制することができる。
(変更例2)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。第1実施形態に係る無線基地局100では、ドップラ把握部104は、上り方向信号RSupのドップラ変動量の周期を変動周期faとして検出するように構成されていてもよい。
ここで、上述した変動周期として検出されるドップラ変動量の周期は、無線通信端末200の移動速度に応じてドップラ変動した上り方向信号RSupの周波数を示す。また、ドップラ把握部104は、検出した変動周期faを判断部105と、に通知する。
判断部105は、上述した処理時間Δtの間に、無線通信端末200が無線信号で用いられている周波数fの波長λの略半分の距離を移動するか否かを判定する。
具体的に、判断部105では、処理時間Δtにおいて、無線信号で用いられている周波数fの波長λの略半分の距離を移動する際の移動速度に相当するドップラ変動量の下限値fL乃至上限値fHを予め記憶し、ドップラ把握部104によって検出された変動周期faが、fL≦fa<fHであるか否かを判定する。また、判断部105は、判定結果を、希望波電力変動判定部109と、アダプティブ処理制御部113とに通知する。なお、他の構成は、上述した第1実施形態に係る無線基地局100と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態に係る無線基地局100によれば、受信電力値の変動周期だけでなく、ドップラ変動量の周期を変動周期faとして、所定の閾値Thrを決定する際や、第1のアレーウエイト又は第2のアレーウエイトの適用を判定する際に用いることができる。
(変更例3)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。第1実施形態に係る無線基地局100が、図3に示すように、アンテナ相関検出部121を更に備えても良い。
アンテナ相関検出部121は、複数の素子アンテナのそれぞれが受信する下り方向信号RSdownの相関度を検出する。アンテナ相関検出部121は、複数の素子アンテナ101_1乃至101_nのそれぞれが受信する上り方向信号RSupの相関度を検出する。具体的に、アンテナ相関検出部121は、受信部102_1乃至102_nのそれぞれで受信された上り方向信号RSupの位相及び振幅に基づいて、複数の素子アンテナ101_1乃至101_nの相関度を検出する。ここで、アンテナ相関検出部121によって検出された相関度が高い場合、無線通信端末200では、周辺の周期的信号(例えば、定在波)において、伝播路変動による変動周期faが長くなる。また、アンテナ相関検出部121は、検出した相関度を希望波電力変動判定部109に通知する。
また、この通知を受けた希望波電力変動判定部109は、アンテナ相関検出部121によって検出された相関度に基づいて、所定の閾値Thrを決定する。なお、他の構成は、上述した第1実施形態に係る無線基地局100と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、本変更例に係る無線基地局100によれば、希望波電力変動判定部109は、例えば、アンテナ相関検出部121によって検出された相関度が高い場合、つまり無線通信端末200周辺の周期的信号(定在波)における変動周期faが長くなる場合には、例えば、変動量の所定の閾値Thrを小さくする等、変動周期faを考慮して決定することができる。
(変更例4)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。第1実施形態に係る無線基地局100において、希望波電力変動判定部109は、少なくとも第1のタイミングと、第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにおける上り方向信号RSupの受信電力値に基づいて、当該受信電力値の変動量を判定し、判定した受信電力値の変動量が減少している場合、第1のタイミングにおける上り方向信号RSupの位相差に基づいて下り方向信号RSdownの位相を変化させる。
このとき、希望波電力変動判定部109は、少なくとも第1のタイミングと、第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにおける上り方向信号RSupの受信電力値に基づいて受信電力値の変動量を判定し、判定した受信電力値の変動量が増大している場合、第2のタイミングにおける上り方向信号RSupの位相差に基づいて下り方向信号RSdownの位相を変化させる。
具体的に、本変更例に係る希望波電力変動判定部109では、算出した希望波受信電力の変動量aが所定の閾値Thr以下であるか否かを判定すると共に、変動量aが増大しているか減少しているかを判定し、判定結果と、第1のタイミング及び第2のタイミングにおける上り方向信号RSupを位相算出部111に通知する。
位相算出部111は、この判定結果と、上り方向信号RSupの位相とに応じて、変動量aが増大している場合には、第2のタイミングに基づいて下り方向信号RSdownの位相を変化させ、減少している場合には、第1のタイミングに基づいて下り方向信号RSdownの位相を変化させる。
ここで、図9には、図6で示したヌルEの拡大図が示されている。図9に示すように、希望波電力変動判定部109において、変動量aに用いられる希望波受信電力は、“J”−“J’”で示すように、希望波受信電力値の変動量が増大する場合と、“K”−“K’”で示すように、希望波受信電力の変動量が減少する場合とが考えられる。“K”−“K’”のように希望波受信電力の変動量は減少している場合、位相算出部111では、位相を変化させることを考慮し、希望波受信電力の変動量が減少となるに近い“K”のときの位相差を元にしてウエイトの位相を算出する。
また、“J”−“J’”のように希望波受信電力の変動量は増大している場合、位相算出部111では、位相を変化させることを考慮し、希望波受信電力の変動量が増大となる“J’”のときの位相差を元にしてウエイトの位相を算出する。
このように、本変更例に係る無線基地局100によれば、第1のタイミングと第2のタイミングとにおける上り方向信号RSupの希望波受信電力の変動量が増大しているか、又は減少しているかに応じて、よりピークに近いタイミングの上り方向信号RSupの位相を変化させて、適切にウエイトの位相を算出する。
[本発明の第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る無線基地局100の構成について、上述した第1実施形態との相違点に着目して説明する。以下、第1実施形態に係る無線基地局100と異なる部分について主に説明し、同様の機能については、その説明を適宜省略する。
(第2実施形態に係る無線基地局100の構成)
本実施形態では、第1実施形態に係る無線基地局100において、本実施形態に係る無線基地局100は、図10に示すように、アンテナ選択部131を更に備える。
アンテナ選択部131は、希望波電力算出部107と、アダプティブ処理制御部113と接続する。アンテナ選択部131は、受信無線信号の状態に基づいて、少なくとも何れかの素子アンテナ101_1乃至101_nを選択する。具体的に、アンテナ選択部131は、希望波電力算出部107で算出された受信部102_1乃至102_nそれぞれの希望波受信電力値に基づいて、最も希望波受信電力の小さい、又は、小さい方から順に複数の素子アンテナ101_1乃至101_nを選択する。また、アンテナ選択部131は、選択した素子アンテナ101_1乃至101_nをアダプティブ処理制御部113に通知する。
アダプティブ処理制御部113は、処理時間Δtが変動周期faの略半分であると判断部105によって判定された場合、第2のアレーウエイトを用いてアダプティブアレイ制御を実行する。このとき、アダプティブ処理制御部113は、アンテナ選択部131によって選択された素子アンテナ101_1乃至101_nを備える送信部を介して、第2のウエイト算出部112で算出された第2のアレーウエイトを適用したアダプティブアレイ制御により、下り方向信号RSdownを送信する。本実施形態において、アダプティブ処理制御部113は、送信制御部を構成する。
(第2実施形態に係る無線基地局の動作)
本実施形態に係る無線基地局100の動作について、図11を参照して説明する。なお、本実施形態に係る無線基地局100は、上述した第1実施形態に係る無線基地局100の動作と比べ、ステップS24が追加されているのみであるため、主に当該ステップS24とステップS25の動作に着目して説明する。
ステップS24において、アンテナ選択部131は、受信部102_1乃至102_nそれぞれの希望波受信電力raに基づいて、最も希望波受信電力の小さい、又は、小さい方から順に複数の素子アンテナ101_1乃至101_nを選択する。また、アンテナ選択部131は、選択した素子アンテナ101_1乃至101_nをアダプティブ処理制御部113に通知する。
ステップS25において、アダプティブ処理制御部113は、例えば、第2のアレーウエイトを用いて、アダプティブアレイ制御を実行し、無線通信端末200に対して、下り方向信号RSdownを送信する際、通知された素子アンテナ101_1乃至101_nを備える送信部を介して、当該下り方向信号RSdownを送信する。
(第2実施形態に係る無線基地局の作用・効果)
本実施形態に係る無線基地局100によれば、処理時間Δtが変動周期faの略半分であると判断部105によって判定された場合、最も希望波受信電力の小さい、又は、小さい方から順に複数の素子アンテナ101_1乃至101_nを用いて、第2のアレーウエイトでアダプティブアレイ制御が行われる。
ここで、無線基地局100が、下り方向信号RSdownを送信する時点t2のタイミングにおいて、無線通信端末200が周期的信号 (定在波)のヌル(谷)に移動するような伝播路変動をしている場合、上り方向信号RSupを受信した時点t1の希望波電力と、下り方向信号RSdownを送信する時点t2のウエイトの絶対値は大小逆転する可能性が高いと考えられるため、無線基地局100は、アンテナ選択部131で選択された希望波電力の小さい素子アンテナを用いて下り方向信号RSdownを送信することにより、無線通信端末200では、下り方向信号RSdownを受信する時点t2の位置ロにおいて、良好な通信品質を得ることが可能となる。
[本発明の第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る無線基地局100の構成について、上述した第1実施形態との相違点に着目して説明する。以下、第1実施形態に係る無線基地局100と異なる部分について主に説明し、同様の機能については、その説明を適宜省略する。
(第3実施形態に係る無線基地局100の構成)
本実施形態に係る無線基地局100では、無線通信端末200との間において送受信される上り方向信号RSup及び下り方向信号RSdownは、複数の周波数帯域を用いている。
また、本実施形態に係る無線基地局100は、図10に示すように、第1実施形態に係る無線基地局100と比べ、適応制御部151_1乃至151_3と、伝播路変動相関値演算部152と、グループ化部153とをさらに備える。なお、本実施形態に係る無線基地局100では、3つの適応制御部151_1乃至151_3を備える場合を例に挙げて説明するが、かかる数はこれに限定されるものではない。
伝播路変動相関値演算部152は、ドップラ把握部104と、グループ化部153と接続する。伝播路変動相関値演算部152は、複数の周波数帯域それぞれの伝播路変動を相互に相関演算して、周波数帯域のそれぞれの相関値を算出する。また、伝播路変動相関値演算部152は、算出した相関値をグループ化部153に通知する。本実施形態において、伝播路変動相関値演算部152は、周波数帯域のそれぞれの相関度を検出する周波数帯域相関検出部を構成する。
グループ化部153は、伝播路変動相関値演算部152と、適応制御部151_1乃至151_3と接続する。グループ化部153は、伝播路変動相関値演算部152によって検出された相関度に基づいて、相関度が所定の閾値以上である複数の周波数帯域を対象として、複数の下り方向信号RSdownの位相を同様に変化させる。
具体的に、グループ化部153は、伝播路変動相関値演算部152によって演算された相関値が、予め記憶する所定の閾値以上の周波数帯域の適応制御部151_1乃至151_3を同じグループとするようグループ化し、同じグループとされた適応制御部151_1乃至151_3に通知する。本実施形態において、グループ化部153は、送信制御部を構成する。
適応制御部151_1乃至151_3は、受信部102_1乃至102_nと、判断部105と、グループ化部153と、送信部114_1乃至114_nと接続する。適応制御部151_1乃至151_3は、下り方向信号RSdownにおいて、それぞれ異なる周波数帯域毎に、アダプティブアレイ制御を行うように構成されている。
また、グループ化部153から、同じグループと通知された適応制御部151_1乃至151_3では、そのうちの1つのみを用いて第1のアレーウエイト算出、又は、第2のアレーウエイト算出を行い、その結果をグループ内で共有して、それぞれのアダプティブ処理制御部113にてアダプティブアレイ制御を行う。
なお、適応制御部151_1乃至151_3は、それぞれ同様に構成されているので、適応制御部151_1の構成について説明する。
適応制御部151_1は、第1のウエイト算出部103と、第2のウエイト算出部112と、アダプティブ処理制御部113とを備える。
第1のウエイト算出部103と、第2のウエイト算出部112との構成は、上述した第1実施形態と同様である。
アダプティブ処理制御部113は、グループ化部153から、他の適応制御部151_2乃至151_3と同じグループである旨の通知を受けると、当該同じグループとなる適応制御部151_2乃至151_3のアダプティブ処理制御部との間で、算出した第1又は第2のアレーウエイトを共有して、アダプティブアレイ制御を行う。
(第3実施形態に係る無線基地局の動作)
本実施形態に係る無線基地局100の動作について、上述した実施形態との相違点に着目し、図11を参照して説明する。なお、本実施形態に係る無線基地局100は、上述した第1実施形態に係る無線基地局100の動作と比べ、ステップS12a乃至S12bと、ステップS24が追加されているのみであるため、主に当該ステップS12a乃至S12bと、ステップS24の動作に着目して説明する。
ステップS12aにおいて、伝播路変動相関値演算部152が、複数の周波数帯域それぞれの伝播路変動を相互に相関演算して、それぞれの相関値を算出し、グループ化部153に通知する。
ステップS12bにおいて、グループ化部153は、相関値が所定の閾値以上の周波数帯域に対応する適応制御部151_1乃至151_3をグループ化する。グループ化部153は、同じグループとなる適応制御部151_1乃至151_3に同一のグループであることを通知する。このとき、グループ化部153は、一の適応制御部(例えば、適応制御部151_1)を特定し、特定した適応制御部に、第1又は第2のアレーウエイトを算出するように指示する。
グループ化部153から第1又は第2のアレーウエイトを算出するように指示を受けた、例えば、適応制御部151_1では、ステップS13乃至ステップS23の動作を行う。なお、ステップS13乃至ステップS23の動作は、第1実施形態と同様である。
また、ステップS24において、グループ化部153から通知を受けた、例えば、適応制御部151_1では、アダプティブ処理制御部113が、同じグループ内の適応制御部151_2乃至151_3へ第1又は第2のアレーウエイトを通知する。
ステップS25において、適応制御部151_1乃至151_3のそれぞれのアダプティブ処理制御部は、通知された第1のアレーウエイト又は第2のアレーウエイトを用いて、送信部114_1乃至114_nから、下り方向信号RSdownを送信する。
このようにして、本実施形態に係る適応制御部151_1乃至151_3のそれぞれに備えられているアダプティブ処理制御部113では、伝播路変動相関値演算部152によって検出された相関度が所定の閾値以上である複数の周波数帯域を対象として、グループ化され、上り方向信号RSupを受信した時点t1における無線通信端末200の位置イにヌルが向く同一の第2のアレーウエイト、又は位置イにピークが向く同一の第1のアレーウエイトが用いられた下り方向信号RSdownを送信する。
(第3実施形態に係る無線基地局の作用・効果)
本実施形態に係る無線基地局100によれば、複数の周波数帯域の相関値が、所定の閾値以上の周波数帯域に対応する適応制御部151_1乃至151_3が、グループ化されて、同じグループ内で一の第1又は第2のアレーウエイトを共有して、無線通信端末200へ下り方向信号RSdownを送信するので、複数の周波数帯域毎の適応制御部151_1乃至151_3で第1又は第2のアレーウエイトを算出する場合に比べ、演算処理負荷の増加を抑制できる。
(その他の実施形態)
上述したように、本発明の一実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態が明らかとなろう。
例えば、上述した実施形態では、無線基地局100が、無線通信装置として機能するように構成されていたが、例えば、無線通信端末200が、無線通信装置として機能するように構成されていてもよい。また、無線基地局100が、対向無線通信装置として機能するように構成されていてもよい。
また、無線通信端末200にGPS等の位置検出機能及び移動速度検出機能等を備えている場合、無線基地局100は、無線通信端末200で検出された位置や移動速度に応じて、第1のアレーウエイト、又は第2のアレーウエイトを選択するように構成されていてもよい。
また、各実施形態の構成及び各変更例の構成もそれぞれ組み合わせることが可能である。また、各実施形態及び各変更例の作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、各実施形態及び各変更例に記載されたものに限定されるものではない。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1実施形態に係る移動体通信システムの全体概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る無線通信端末の周辺における周期的信号(定在波)を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る無線基地局の機能ブロック構成図である。 本発明の第1実施形態に係る無線基地局における動作フロー図である。 本発明の第1実施形態に係る無線基地局における動作フロー図である。 本発明の第1実施形態に係る無線基地局のおける受信電力を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る無線通信端末の周辺における周期的信号(定在波)を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る無線通信端末の周辺における周期的信号(定在波)を示す図である。 本発明の変更例に係る無線基地局のおける受信電力を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る無線基地局の機能ブロック構成図である。 本発明の第2実施形態に係る無線基地局における動作フロー図である。 本発明の第3実施形態に係る無線基地局の機能ブロック構成図である。 本発明の第3実施形態に係る無線基地局における動作フロー図である。
符号の説明
100…無線基地局、101_1乃至101_n…素子アンテナ、102_1乃至102_n…受信部、103…第1のウエイト算出部、104…ドップラ把握部、105…判断部、106…トレーニング信号記憶部、107…希望波電力算出部、108…絶対値算出部、109…希望波電力変動判定部、110…希望波位相差算出部、111…位相算出部、112…第2のウエイト算出部、113…アダプティブ処理制御部、114_1乃至114_n…送信部、121…アンテナ相関検出部、123…希望波電力算出部、131…アンテナ選択部、151_1乃至151_3…適応制御部、152…伝播路変動相関値演算部、153…グループ化部、200…無線通信端末、λ…波長、P1…受信電力値、P2…受信電力値、Pn…位相差、Pwn…位相、RSdown…下り方向信号、RSup…上り方向信号、S11乃至S25…ステップ、S211乃至S225…ステップ、Thr…閾値、at…変動量、f…周波数、fH…上限値、fL…下限値、fa…変動周期、pa…位相差、ra…希望波受信電力値、t1乃至t2…時点、イ乃至ロ…位置

Claims (16)

  1. 複数の素子アンテナを用い、通信先の無線通信装置である対向無線通信装置から受信した受信無線信号に基づいて、前記対向無線通信装置に送信する送信無線信号の指向性を適応制御する無線通信装置であって、
    前記受信無線信号に基づいて、前記対向無線通信装置との伝播路の変動状態を検出する伝播路状態検出部と、
    前記伝播路状態検出部によって検出された前記伝播路の変動状態に基づいて、前記送信無線信号の位相を制御する送信制御部と
    を備える無線通信装置。
  2. 前記対向無線通信装置から送信される信号を第1の既知信号として記憶する既知信号記憶部を更に備え、
    前記伝播路状態検出部は、前記受信無線信号から、振幅及び位相が既知である第2の既知信号を検出し、
    前記送信制御部は、前記既知信号記憶部に記憶しておいた第1の既知信号と、前記伝播路状態検出部で検出した第2の既知信号との位相差に基づいて、前記送信無線信号の位相を変化させる請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 伝播路状態検出部は、前記受信無線信号の受信電力値を検出し、
    前記送信制御部は、前記伝播路状態検出部によって検出された前記受信無線信号の受信電力値の変動量が所定の閾値以下である場合、前記送信無線信号の位相を変化させる請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 伝播路状態検出部は、前記受信無線信号の受信電力値を検出し、
    前記送信制御部は、前記伝播路状態検出部によって検出された前記受信無線信号の受信電力値の変動量が所定の閾値以下である場合、前記送信無線信号の位相を反転させる請求項2に記載の無線通信装置。
  5. 前記送信制御部は、前記対向無線通信装置から前記受信無線信号を受信した時点から、前記送信無線信号を送信する時点までの処理時間と、前記伝播路状態検出部によって検出された前記受信無線信号の変動状態から把握される変動周期との比較結果に基づいて、前記所定の閾値を決定する請求項3に記載の無線通信装置。
  6. 前記送信制御部は、前記位相差の変動量に応じて、前記送信無線信号の位相の変化量を制御する請求項2に記載の無線通信装置。
  7. 前記送信制御部は、前記位相差の変動量が増大している場合、前記送信無線信号の位相を進める請求項6に記載の無線通信装置。
  8. 前記送信制御部は、前記位相差の変動量が減少している場合、前記送信無線信号の位相を遅らせる請求項6に記載の無線通信装置。
  9. 前記送信制御部は、少なくとも第1のタイミングと、前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにおける前記受信無線信号の受信電力値に基づいて前記受信電力値の変動量を判定し、判定した前記受信電力値の変動量が減少している場合、前記第1のタイミングにおける前記受信無線信号の位相差に基づいて前記送信無線信号の位相を変化させる請求項2に記載の無線通信装置。
  10. 前記送信制御部は、少なくとも第1のタイミングと、前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにおける前記受信無線信号の受信電力値に基づいて前記受信電力値の変動量を判定し、判定した前記受信電力値の変動量が増大している場合、前記第2のタイミングにおける前記受信無線信号の位相差に基づいて前記送信無線信号の位相を変化させる請求項2に記載の無線通信装置。
  11. 前記伝播路状態検出部は、前記受信無線信号のドップラ変動量の周期を前記変動周期として検出する請求項5に記載の無線通信装置。
  12. 前記伝播路状態検出部は、前記受信無線信号の電力値の変動周期を前記変動周期として検出する請求項5に記載の無線通信装置。
  13. 前記複数の素子アンテナのそれぞれが受信する前記受信無線信号の相関度を検出するアンテナ相関検出部をさらに備え、
    前記送信制御部は、前記アンテナ相関検出部によって検出された前記相関度に基づいて、前記所定の閾値を決定する請求項7に記載の無線通信装置。
  14. 前記受信無線信号の状態に基づいて、少なくとも何れかの前記素子アンテナを選択するアンテナ選択部をさらに備え、
    前記送信制御部は、前記アンテナ選択部によって選択された前記素子アンテナを介して前記送信無線信号を送信する請求項1に記載の無線通信装置。
  15. 前記受信無線信号は、複数の周波数帯域を用いており、
    前記周波数帯域のそれぞれの相関度を検出する周波数帯域相関検出部をさらに備え、
    前記送信制御部は、前記周波数帯域相関検出部によって検出された前記相関度に基づいて、前記相関度が所定の閾値以上である複数の周波数帯域を対象として、複数の前記送信無線信号の位相を同様に変化させる請求項1に記載の無線通信装置。
  16. 複数の素子アンテナを用い、通信先の無線通信装置である対向無線通信装置から受信した受信無線信号に基づいて、前記対向無線通信装置に送信する送信無線信号の指向性を適応制御する無線通信装置における無線通信方法であって、
    前記受信無線信号に基づいて、前記対向無線通信装置との伝播路の変動状態を検出する検出ステップと、
    検出された前記伝播路の変動状態に基づいて、前記送信無線信号の位相を制御する制御ステップと
    を備える無線通信方法。
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