以下に添付図面を参照して、この発明にかかる通信装置、端末装置および通信方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(通信システムの概要)
本実施の形態1では、本発明にかかる通信装置、端末装置および通信方法を用いて、情報を収集する端末装置によって指定された指定区域内に存在する通信端末から、収集対象となる収集対象情報を取得する場合について説明する。
まず、図1を用いて、本実施の形態1にかかる通信システムの概要について説明する。図1は、本実施の形態1にかかる通信システムの概要について示す説明図である。
図1において、通信システム100は、端末装置110(図1に示した例では、110A,110B,110C)と、端末装置110間の通信を中継する通信装置としての指定区域情報収集サーバ120、端末装置情報サーバ130と、から構成される。
図1に示す通信システム100では、端末装置110と、指定区域情報収集サーバ120、端末装置情報サーバ130とは、基地局140(図1に示した例では、140A,140B)を介して接続されている。
端末装置110は、基地局140に接続して送信相手の端末装置110に情報を送信する。また、端末装置110は、他の端末装置110から送信された情報を、基地局140を介して受信する。
また、図示はしないが、端末装置110の具体的な構成は、たとえば、利用者における情報の入出力をおこなう入力ボタン、表示画面、スピーカなどのユーザインターフェイス部と、端末装置110同士の双方向通信をおこなうための通信部と、自装置の位置情報を取得するための位置取得部と、から構成されている。
なお、図1には、端末装置110の具体例として携帯電話装置を図示している。しかしながら、端末装置110として利用する装置は、携帯電話装置に限ることなく、有線、無線などの通信機能を備えたコンピュータなどでもよい。また、端末装置110として利用する装置は、通信機能を備えたコンピュータであれば、送信側の端末装置110と受信側の端末装置110とが同じ種類の装置(携帯電話装置同士など)でなくても通信をおこなうことができる構成としてもよい。
具体的には、たとえば、情報を収集する端末装置110Aは、指定区域情報収集サーバ120が提供する専用のウェブサイトに接続して、ユーザインターフェイス部を用いて所定の情報を入力することによって、所定の情報に適した他の端末装置110B,110Cから、指定区域情報収集サーバ120、端末装置情報サーバ130、基地局140を介して収集対象情報を受信する。
所定の情報は、たとえば、収集対象情報を収集する対象となる端末装置110B,110Cが位置する指定区域150に関する指定区域情報や、収集対象情報の要求に関する要求情報などである。すなわち、収集対象情報を収集したい区域や、要求の詳細な情報などである。
詳細は図2および図3を用いて説明するが、指定区域情報は、たとえば、円形の指定区域150に関する情報であり、中心位置の緯度経度情報と、半径の距離情報の2つの情報から構成されていてもよい。指定区域情報の入力は、たとえば、入力ボタンなどを操作して上述の2つの情報を直接入力してもよい。
また、指定区域情報の入力は、ユーザインターフェイス部に地図画像を表示させ、地図画像上に指定区域150を設定してもよい。この場合は、指定区域150を示す地図画像から中心位置の緯度経度情報と、半径情報とを求めて、指定区域情報に変換する。
要求情報は、たとえば、指定区域150内に位置する端末装置110B,110Cに対する収集対象情報の送信依頼を含む情報であり、収集対象情報の種別を指定する情報でもよい。収集対象情報は、たとえば、テキスト情報、映像情報、音声情報などで、具体的には、指定区域150内の端末装置110B,110C周辺の交通情報や天候情報や映像情報などでもよい。
また、要求情報は、たとえば、端末装置110B,110Cの属性情報を含む情報でもよい。属性情報は、端末装置110B,110Cの機種や、グループなどである。
そして、端末装置110の位置取得部は、自装置の現在位置の情報を取得する機能を備えている。具体的には、たとえば、現在位置の情報は、緯度経度情報である。緯度経度情報を取得するために、端末装置110には、GPS衛星から送信されているGPS信号を受信する受信機と、受信したGPS信号を用いて自装置の緯度経度情報を算出する演算部を備えている。
端末装置110は、常に自装置の位置情報を取得し、最新の緯度経度情報に更新している。また、緯度経度情報の取得方法は、GPS信号を利用する他にも、既知の緯度経度情報を有する基地局140との位置関係から自装置の緯度経度情報を求めることによって取得してもよい。
具体的には、たとえば、端末装置110B,110Cは、収集対象情報を収集する情報収集側の端末装置110Aから、指定区域情報収集サーバ120、端末装置情報サーバ130、基地局140を介して受信した指定区域情報や要求情報に応じて情報を発信する。
詳細は図2および図3を用いて説明するが、情報発信側の端末装置110B,110Cは、たとえば、自装置の位置情報と、指定区域情報とを比較することによって、自装置が指定区域150に位置するか否かを判断する。
そして、自装置が指定区域150に位置していた場合に、自装置が保有する情報や自装置が取得可能な映像情報などと、要求情報とを比較することによって、収集対象情報を送信することとしてもよい。
このように、端末装置110Aは、設定した指定区域情報や要求情報に適した収集対象情報を他の端末装置110B,110Cから収集することで、端末装置110B,110Cのアドレスを指定しなくても所望の情報を収集することができる。換言すれば、端末装置110B,110Cのアドレスを知らなくても所望の収集対象情報を取得することができる。
また、属性情報によって、端末装置110B,110Cを限定することで、指定区域150に多数の端末装置110が位置している場合にも、すべての端末装置110から収集対象情報を受信することを避け、情報過多となることを防ぐことができる。
指定区域情報収集サーバ120は、本発明にかかる通信方法を実現するため、端末装置110同士の情報の送受信を中継する通信装置として機能するサーバである。指定区域情報収集サーバ120は、端末装置110Aが、指定区域150内の端末装置110B,110Cへ向けて、指定区域情報と、要求情報を入力するためのウェブサイトを提供する。
また、指定区域情報収集サーバ120は、端末装置110Aから入力された指定区域情報に基づいて、基地局140が通信可能な通信可能区域(以下、「セル・セクタ」ともいう)からなる通信範囲のなかから、指定区域150に該当するセル・セクタつまり、指定区域150のすべて、もしくは一部が含まれるセル・セクタを抽出する。
本実施の形態1では、セルは円形の通信可能区域を表し、セクタは、セルの中心点を通る線で等角度に分割された扇形の通信可能区域を表す。また、通信可能区域(セル・セクタ)は、任意の基地局140の通信範囲の一部あるいは全部でもよく、各基地局140によって大きさや数が異なる構成でもよい。なお、通信可能区域内に位置する端末装置110との通信方法は有線、無線を問わない。
さらに、指定区域情報収集サーバ120は、現在、指定区域150に該当するセル・セクタに、端末装置110が位置しているか否か、端末装置情報サーバ130へ照会をおこなう。
具体的には、たとえば、照会によって指定区域情報収集サーバ120は、抽出したセル・セクタに位置する端末装置110、つまり指定区域150内に位置している可能性のある端末装置110のアドレスを取得する。ここで、アドレスとは、各端末装置110に付与されたIPアドレス、電話番号または、端末装置110を識別するために備えられたユニークな情報である。これらのなかから通信をおこなう状況や装置の特性に応じて、いずれかをアドレスとして利用することとしてもよい。
指定区域情報収集サーバ120は、端末装置情報サーバ130から取得したアドレスに対して、情報収集側の端末装置110Aから入力された指定区域情報を送信する。抽出されたセル・セクタに位置する端末装置110B,110Cは、指定区域情報に基づいて、指定区域150内にいると判断した装置のみが指定区域情報収集サーバ120に応答するため、指定区域情報収集サーバ120は、応答のあった端末装置110B,110Cにのみ、情報収集側の端末装置110Aから入力された情報を送信する。
端末装置情報サーバ130は、端末装置110の現在位置を管理するデータベースとして機能するサーバである。具体的には、基地局140が通信可能なセル・セクタからなる各通信範囲それぞれにおいて、現在位置している端末装置110のアドレスの保持をおこなう。各通信範囲にどの端末装置110が位置しているかは、常に更新され、端末装置情報サーバ130には最新のアドレスが保持されている。
基地局140は、通信可能な範囲に位置する端末装置110から送信された情報を受信する。受信した情報は、端末装置情報サーバ130を介して指定区域情報収集サーバ120に送信する。また、指定区域情報収集サーバ120から送信された情報を、指定されたセルもしくはセクタに位置する端末装置110に送信する。
基地局140の通信可能なセル・セクタの構成、範囲などの情報は、基地局140ごとに異なっており、あらかじめ指定区域情報収集サーバ120に設定されている構成としてもよい。
また、通信システム100は、図示しないがインターネット網などを介して、他のコンテンツプロバイダとの通信をおこなってもよい。コンテンツプロバイダは、端末装置110に地図情報を提供してもよいし、受信側の端末装置110に送信するための情報を取得してもよい。
(指定区域情報収集サーバ120によるセル・セクタの抽出の概要)
つぎに、図2および図3を用いて、本実施の形態1にかかる指定区域情報収集サーバ120によるセル・セクタの抽出の概要について説明する。図2および図3では、指定区域150の形状が円形の場合と任意の形状である2通りの場合について説明する。図2は、本実施の形態1にかかる指定区域が円形であった場合の指定区域情報収集サーバによるセル・セクタの抽出の概要を示す説明図である。
図2において、指定区域150は、情報収集側の端末装置110Aによって設定される構成でもよく、中心位置o、半径rからなる円形の区域である。中心位置oは、たとえば、経度を秒で表した値をx軸(不図示)、緯度を秒で表した値をy軸(不図示)としてもよい。半径rは、たとえば、長さを表し、m(メートル)などの単位でもよい。
セルAは、複数のセクタA1〜A6から構成されており、中心位置oa、半径raからなる円形の通信可能区域である。中心位置oa、半径raは、たとえば、指定区域150と同様の形式としてもよい。また、セクタA1〜A6は、セルAの中心点を通る線で等角度に分割されたそれぞれ扇形の通信可能区域である。
セルBは、複数のセクタB1〜B6から構成されており、中心位置ob、半径rbからなる円形の通信可能区域である。中心位置ob、半径rbは、たとえば、指定区域150と同様の形式としてもよい。また、セクタB1〜B6は、セルBの中心点を通る線で等角度に分割されたそれぞれ扇形の通信可能区域である。
詳細は図5を用いて説明するが、セルA,BやセクタA1〜A6,B1〜B6の抽出処理は、たとえば、まず、指定区域150の中心位置oと、周囲のセルA,Bの中心位置oa,obとを比較することによって、中心間距離を算出する。また、それぞれセルA,Bについての半径ra,rbと、指定区域150の半径rとの合計である半径距離を算出する。そして、算出された中心間距離が、半径距離よりも小さい場合には、そのセルA,Bと、指定区域150は重なる部分を有すると判断できる。
さらに、指定区域150と重なる部分を有するセルA,Bにおいて、セクタA1〜A6,B1〜B6のうちいずれが、指定区域150と重なる部分を有するか判断する。具体的には、セルAを用いて説明すると、まず、中心位置oaを通り、指定区域150に接する2つの直線を算出する。つぎに、算出された2つの直線が、それぞれx軸に平行な直線と成す角を算出する。そして、算出された角度がセクタA1〜A6の境界となる2つの直線のx軸との成す角度の間にある場合に、そのセクタと指定区域150が重なると判断する。なお、この方法によって選択されるセクタは、複数であってもよく、具体的には、たとえば、隣り合わない2つのセクタが選択された場合、当該2つのセクタに挟まれたセクタも指定区域150と重なる部分を有すると判断される。換言すれば、セクタA1〜A6の境界のうちいずれか2つの直線におけるx軸と成す角度のうち、指定区域150に接する2つの直線がx軸に平行な直線と成す角度を含む角度があった場合、当該境界を構成した2つの直線で囲まれるセクタが指定区域150と重なる部分を有すると判断される。
つぎに、図3を用いて、本実施の形態1にかかる任意の形状の指定区域の指定区域情報収集サーバ120によるセル・セクタの抽出の概要について説明する。図3は、本実施の形態1にかかる指定区域が任意の形状であった場合の指定区域情報収集サーバによるセル・セクタの抽出の概要を示す説明図である。
図3において、任意の形状をした指定区域300(図1に示した指定区域150)は、複数の指定区域150によって構成される指定区域群である。換言すれば、指定区域300(以降、本明細書では、「指定区域群300」ともいう)は、さらなる複数の指定区域150から構成されている。
指定区域群300は、指定区域150を複数個設定することで構成されており、指定区域群300の指定区域情報は、たとえば、指定区域群300を構成するすべての指定区域150の中心位置の緯度経度情報と、中心位置からの半径情報とによって構成される。
詳細は図5を用いて説明するが、指定区域群300におけるセル・セクタの抽出処理は、それぞれの指定区域150について、図2に示したように抽出することとすればよい。具体的には、たとえば、指定区域群300に識別番号を付与するとともに、図3に示すようにすべての指定区域150にC1〜Ciの通し番号を付与する。そして、抽出処理における処理負荷の低減を図るため、それぞれの指定区域150について、抽出処理をおこなう際に、同一の識別番号の指定区域群300について抽出されたセル・セクタの抽出処理を重複しておこなわないようにする。
(通信システム100における処理の内容)
つづいて、図4を用いて、本実施の形態1にかかる通信システム100における処理手順について説明する。図4は、本実施の形態1にかかる通信システムにおける処理手順を示すフローチャートである。以下、本実施の形態1における処理では、図1に示した端末装置110Aが収集対象情報を収集することとし、端末装置110B,110Cが指定区域150内に位置していることとして説明する。
図4のフローチャートにおいて、まず、情報収集側の端末装置110Aによって、収集対象情報を収集するためにウェブサイトを呼び出す(ステップS401)。ウェブサイトは、指定区域情報収集サーバ120によって提供され、具体的には、たとえば、端末装置110Aは、基地局140Aからネットワークを経由して指定区域情報収集サーバ120に接続して、ウェブサイトの情報を要求する構成でもよい。
つぎに、指定区域情報収集サーバ120は、ウェブサイトが端末装置110Aの呼び出しに応答したか否かを判断する(ステップS402)。ここで、ウェブサイトが応答しない場合(ステップS402:No)は、指定区域情報収集サーバ120は、情報収集側の端末装置110Aへウェブサイトが応答しない旨を送信する。端末装置110Aは、ウェブサイトが応答しない旨を受信すると再度、ステップS401の処理をおこなう。
ステップS402において、ステップS401において呼び出されたウェブサイトが応答した場合(ステップS402:Yes)は、指定区域情報収集サーバ120は、端末装置110Aに応答画面を送信する(ステップS403)。
なお、ステップS402においてウェブサイトが応答しない場合(ステップS402:No)は、所定の待機時間を設定して判断させることとしてもよい。具体的には、たとえば、待機時間を用いた判断によって、指定区域情報収集サーバ120は、所定の待機時間を経過してもウェブサイトが応答しない場合に、情報収集側の端末装置110Aに対してウェブサイトが応答しない旨を送信するように設定してもよい。そして、所定の待機時間を経過してもウェブサイトからの応答がない場合、端末装置110Aは、利用者に一定時間経過後に、再度、ウェブサイトの呼び出し処理(ステップS401)を促す構成としてもよい。
そして、端末装置110Aは、ステップS403において指定区域情報収集サーバ120から送信された応答画面を受信し、受信した応答画面に応じたサイト画面を表示する(ステップS404)。
ステップS404においてサイト画面を表示すると、端末装置110Aは、利用者から指定区域情報、要求情報が入力されたか否かを判断する(ステップS405)。ここで、指定区域情報、要求情報が入力されるのを待って、入力された場合(ステップS405:Yes)は、端末装置110Aは、指定区域情報収集サーバ120へ、ステップS405において入力された指定区域情報、要求情報を送信する(ステップS406)。なお、図4のフローチャートにおいては、ステップS401〜ステップS405において、端末装置110Aによって、指定区域情報収集サーバ120が提供するウェブサイトを呼び出して、指定区域情報、要求情報を入力する構成としているが、ウェブサイトを呼び出す代わりに、端末装置110Aに備えられた、指定区域情報、要求情報の入力を受け付ける入力アプリケーションを利用する構成でもよい。その場合、端末装置110Aは、入力アプリケーションによって入力された指定区域情報、要求情報を指定区域情報収集サーバ120に送信することとしてもよい。
指定区域情報収集サーバ120は、ステップS406において端末装置110Aから送信された指定区域情報に基づいて、指定区域150に該当するセル・セクタ抽出処理をおこなう(ステップS407)。なお、ステップS407におけるセル・セクタ抽出処理の詳細については、図5を用いて後述する。
つぎに、指定区域情報収集サーバ120は、ステップS407において抽出されたセル、セクタ内の端末装置110(たとえば、図1に示した端末装置110B,110C)に照会をおこなう(ステップS408)。具体的には、たとえば、照会は、ステップS407において抽出されたセル、セクタ内に位置する端末装置110B,110Cの情報を端末装置情報サーバ130に問い合わせる処理である。
そして、端末装置情報サーバ130は、ステップS408における指定区域情報収集サーバ120からの照会に応じて、指定区域150に位置する端末装置110B,110Cを検索する(ステップS409)。具体的には、たとえば、検索は、端末装置情報サーバ130によって管理されている、セル、セクタごとの端末装置110の情報のうち、ステップS407によって抽出されたセル、セクタ内に位置する端末装置110B,110Cの情報を検索することとしてもよい。
つぎに、端末装置情報サーバ130は、ステップS409における検索結果から、指定区域150内に端末装置110B,110Cがあったか否かを判断する(ステップS410)。具体的には、たとえば、端末装置110B,110Cがあったか否かの判断は、ステップS407において抽出されたセル、セクタ内に位置する端末装置110B,110Cがあったか否かを判断することとしてもよい。
ステップS410において、端末装置110B,110Cがあった場合(ステップS410:Yes)は、端末装置情報サーバ130は、指定区域情報収集サーバ120に対して、検索された端末装置110B,110Cのアドレスを送信する(ステップS411)。
また、ステップS410において、端末装置110B,110Cがなかった場合(ステップS410:No)は、図5におけるステップS517へ移行する。なお、図5については後述する。
指定区域情報収集サーバ120は、ステップS411において端末装置情報サーバ130から送信された端末装置110B,110Cのアドレスを受信し、受信したアドレスへ指定区域情報を送信する(ステップS412)。
そして、図5におけるステップS517へ移行するとともに、端末装置110B,110Cは、ステップS412において送信された指定区域情報に基づいて、自装置が指定区域150内に位置するか否かについて、指定区域判定処理をおこなう(ステップS413)。なお、ステップS413における指定区域判定処理の詳細については、図6を用いて後述する。
つぎに、端末装置110B,110Cは、指定区域情報収集サーバ120に応答する(ステップS414)。指定区域情報収集サーバ120に対する応答は、たとえば、自装置が指定区域150内に位置する旨を含む応答情報を送信することとしてもよい。
そして、指定区域情報収集サーバ120は、ステップS414において端末装置110B,110Cから応答があると、端末装置110B,110Cに対して要求情報を送信する(ステップS415)。
端末装置110B,110Cは、ステップS415において送信された要求情報を受信すると、指定区域情報収集サーバ120へ、要求情報に応じた収集対象情報を送信する(ステップS416)。要求情報は、たとえば、収集対象情報の種別などを指定する情報でもよく、要求情報に応じた収集対象情報がない場合は、その旨を収集対象情報の代わりに指定区域情報収集サーバ120へ送信してもよい。
そして、指定区域情報収集サーバ120は、ステップS416において送信された収集対象情報を受信して、不図示の記録媒体に受信した収集対象情報を蓄積する(ステップS417)。
つづいて、指定区域情報収集サーバ120は、蓄積した収集対象情報はあるか否かを判断する(ステップS418)。収集対象情報に関する判断は、たとえば、ステップS417において蓄積された収集対象情報のうち、ステップS406において端末装置110Aから送信された要求情報に適した収集対象情報があるかを判断する構成でもよい。
また、収集対象情報は、あらかじめ蓄積されている構成でもよく、ステップS406における要求情報を受信した際に、端末装置110B,110Cの検索などをおこなう代わりに、あらかじめ蓄積されている収集対象情報に関する判断をおこなってもよい。
ステップS418において、収集対象情報がある場合(ステップS418:Yes)は、指定区域情報収集サーバ120は、端末装置110Aに対して収集対象情報を送信する(ステップS419)。収集対象情報の送信は、たとえば、必要に応じて加工してから送信することとしてもよい。
具体的には、たとえば、収集対象情報の加工は、送信先である端末装置110Aが受信可能となるように圧縮したりしてもよい。また、要求情報に応じて変換することとしてもよい。より具体的には、要求情報によって音声データが要求されている場合には、収集対象情報から音声データを生成することとしてもよい。
また、ステップS418において、収集対象情報がない場合(ステップS418:No)は、指定区域情報収集サーバ120は、端末装置にその旨通知して、端末装置110Aは、指定区域150には収集対象情報がない旨を表示して(ステップS422)、一連の処理を終了する。収集対象情報がない旨は、たとえば、表示する代わりに音声出力など、利用者に報知することができる構成であればよい。
そして、端末装置110Aは、ステップS419において送信された収集対象情報を受信し(ステップS420)、受信した収集対象情報を出力して(ステップS421)、一連の処理を終了する。収集対象情報の出力は、たとえば、不図示の表示部に表示したり記録媒体に記録したりする構成でもよい。
なお、図4のフローチャートでは、ステップS406において指定区域情報と要求情報とをあわせて送信する構成としているが、指定区域情報と、要求情報とを別々に送信することとしてもよい。具体的には、たとえば、指定区域情報、要求情報の送信は、まず指定区域情報を送信して、ステップS407〜ステップS410において指定区域150内に端末装置110B,110Cがあった場合にその旨の通知を指定区域情報収集サーバ120から受け取る。
そして、端末装置110Aは、端末装置110B,110Cがあった旨の通知を受け取ってから、指定区域情報収集サーバ120に要求情報を送信することとしてもよい。このような構成によれば、指定区域150内に端末装置110B,110Cが位置していない場合は要求情報は必要でないため、不必要に要求情報を送信することを防ぐことができる。
また、図4のフローチャートでは、ステップS413において端末装置110B,110Cが指定区域150内に位置する場合に、端末装置110B,110Cが応答してから、指定区域情報収集サーバ120は、端末装置110B,110Cに要求情報を送信することとしているが、ステップS412における指定区域情報の送信と同時におこなう構成でもよい。
その場合、端末装置110B,110Cは、自装置が指定区域150内に位置しているか否かを判断するのと同時に、要求情報に応じた収集対象情報を有しているか否かを判断することとしてもよい。このような構成とすることで、指定区域情報収集サーバ120と、端末装置110B,110Cとの間の送受信回数を低減させることができる。
(セル・セクタ抽出処理手順)
ここで、図5を用いて、本実施の形態1にかかる通信システム100におけるセル・セクタ抽出処理(図4のステップS407)手順について説明する。図5は、本実施の形態1にかかる通信システムにおけるセル・セクタ抽出処理(図4のステップS407)手順を示すフローチャートである。なお、本実施の形態1では、セル・セクタ抽出処理は、指定区域情報収集サーバ120によっておこなう構成である。
図5のフローチャートにおいて、まず、図4に示したステップS406において送信された指定区域情報が複数の指定区域150によって構成されているか否かを判断する(ステップS501)。換言すれば、図2および図3に示したように、円形の指定区域150であるか、複数の指定区域150によって構成された、任意の形状の指定区域群300であるかを判断することとしてもよい。
ステップS501において、複数の指定区域150によって構成されている場合(ステップS501:Yes)は、複数の指定区域150によって構成される指定区域群300に識別番号を付与する(ステップS502)。
そして、ステップS502において識別番号が付与された指定区域群300を構成する指定区域150に、それぞれ番号を付与する(ステップS503)。番号の付与は、たとえば、図3に示すように、すべての指定区域150に対してC1〜Ciの通し番号を付与することとしてもよい。このように、識別番号や通し番号を付与すると、セル・セクタ抽出処理が円滑におこなわれることとなる。
また、ステップS501において、複数の指定区域150によって構成されていない場合(ステップS501:No)は、ステップS503へ移行して、指定区域150に番号を付与する(ステップS503)。
つぎに、セル・セクタ抽出処理について、未処理の指定区域150を選択する(ステップS504)。未処理の指定区域150の選択は、たとえば、処理した指定区域150について、ステップS503において付与された番号を一時記録しておき、記録されていない番号の指定区域150を選択することとしてもよい。
そして、セルがセクタに分割されているか否かを判断する(ステップS505)。ステップS505において、セルが、セクタに分割されている場合(ステップS505:Yes)は、つづけて、セルの中心位置から指定区域150の中心位置までの距離(セル中心−指定区域中心距離)が、セルの半径と指定区域150の半径とを足し合わせた距離(セル半径+指定区域半径)よりも大きいか否かを判断する(ステップS506)。
また、ステップS505において、セルが、セクタに分割されていない場合(ステップS505:No)は、つづけて、セル中心−指定区域中心距離が、セル半径+指定区域半径よりも大きいか否かを判断する(ステップS508)。
ステップS506において、セル中心−指定区域中心距離が、セル半径+指定区域半径よりも大きい場合(ステップS506:Yes)は、当該セクタと指定区域150とは、離れた場所にあることを表すため、当該セクタは、指定区域150を含まないと判断する(ステップS507)。換言すれば、当該セクタを有するセルは、指定区域150を含まない構成である。
また、ステップS506において、セル中心−指定区域中心距離が、セル半径+指定区域半径よりも大きくはない場合(ステップS506:No)は、つづけて、セルの中心位置から指定区域150の中心位置までの距離(セル中心−指定区域中心距離)が指定区域半径より短いか否かを判断する(ステップS511)。
ステップS508において、セル中心−指定区域中心距離が、セル半径+指定区域半径よりも大きい場合(ステップS508:Yes)は、当該セルと指定区域150とは、離れた場所にあることを表し、当該セルは指定区域150を含まないと判断する(ステップS509)。
また、ステップS508において、セル中心−指定区域中心距離が、セル半径+指定区域半径よりも大きくはない場合(ステップS508:No)は、当該セルは指定区域150を含むと判断する(ステップS510)。ステップS510において、指定区域150を含むと判断されたようなセルは、図2に示したセルAおよびセルB(セクタに分割されていない状態)と指定区域150との関係を表す。
ステップS511において、セル中心−指定区域中心距離が指定区域半径より短い場合(ステップS511:Yes)は、当該セルは、指定区域150であると判断する(ステップS512)。換言すれば、当該セルにおけるすべてのセクタが、指定区域150を含む状態である。
また、ステップS511において、セル中心−指定区域中心距離が指定区域半径以上であった場合(ステップS511:No)は、セル中心から指定区域円への接線を作成する(ステップS513)。
そして、ステップS513において作成された接線のなす角の小さい方の角度部分を含むセクタを指定区域150を含むセクタと判断する(ステップS514)。指定区域150を含むセクタは複数でもよく、セル中心−指定区域中心距離が指定区域半径と同じであった場合は、接線によって分割されたセルのうち、指定区域150を含む側の半円を含むセクタを指定区域150を含むセクタと判断することとしてもよい。
つぎに、指定区域150を含むと判断され、抽出されたセル・セクタについて、同一の識別番号に対して抽出したセル・セクタを除外する(ステップS515)。このように、同一の識別番号によって、重複してセル・セクタを抽出することを防ぐことができる。
そして、セル・セクタを抽出したか否かを判断して(ステップS516)、抽出した場合(ステップS516:Yes)は、図4に示すステップS408へ移行し、一連のセル・セクタ抽出処理を終了する。
また、ステップS516において、セル・セクタを抽出しない場合(ステップS516:No)は、すべての指定区域150に対して処理が終了したか否かを判断する(ステップS517)。
ステップS517において、すべての指定区域150に対して処理が終了した場合(ステップS517:Yes)は、図4に示すステップS418へ移行し、一連のセル・セクタ抽出処理を終了する。
また、ステップS517において、すべての指定区域に対して処理が終了していない場合(ステップS517:No)は、ステップS504へ戻って処理を繰り返す。
以上説明したような処理を各基地局140のセル・セクタでおこない、図4に示すステップS407では、指定区域150であると判断されたセル・セクタを抽出している。
(指定区域判定処理)
つぎに、図6を用いて、本実施の形態1にかかる通信システム100における指定区域判定処理(図4のステップS413)手順について説明する。図6は、本実施の形態1にかかる通信システムにおける指定区域判定処理(図4のステップS413)手順を示すフローチャートである。なお、本実施の形態1では、指定区域判定処理は、情報を発信する端末装置110B,110Cによっておこなう構成である。
図6のフローチャートにおいて、まず、指定区域情報収集サーバ120から送信された位置情報に基づいて、指定区域150の中心位置情報と、指定区域150の半径情報とを取得する(ステップS601)。中心位置情報とは、たとえば、指定区域150を円に見立てた際に中心となる位置の緯度経度情報である。また、半径情報とは、たとえば、指定区域150を円に見立てた際の半径の距離である。
つぎに、現在位置の情報を取得するため、GPS信号を受信したか否かを判断する(ステップS602)。ここで、GPS信号を受信するのを待って、受信した場合(ステップS602:Yes)は、受信したGPS信号を用いて、自装置(本実施の形態1の場合は、端末装置110B,110C)の位置情報を算出する(ステップS603)。自装置の位置とは、具体的には自装置の緯度経度情報でもよい。
そして、ステップS603において算出された自装置の位置から、ステップS601において取得された指定区域150の中心までの距離を算出する(ステップS604)。その後、ステップS604において算出された自装置の位置から指定区域150の中心位置までの距離(自装置位置−指定区域中心距離)と指定区域150の半径情報(指定区域半径)とを比較して、自装置位置−指定区域中心距離が指定区域半径以内か否かを判断する(ステップS605)。
ステップS605において、自装置位置−指定区域中心距離が指定区域半径以内であると判断された場合(ステップS605:Yes)は、同じ識別番号を有する指定区域150に対して既に応答したか否かを判断する(ステップS606)。
また、ステップS605において、自装置位置−指定区域中心距離が指定区域半径以内ではないと判断された場合(ステップS605:No)は、自装置は、指定区域150外にあると認識し、そのまま一連の処理を終了する。
ステップS606において、同じ識別番号を有する指定区域150に対して既に応答した場合(ステップS606:Yes)は、そのまま一連の処理を終了する。
また、ステップS606において、同じ識別番号を有する指定区域150に対してまだ応答していない場合(ステップS606:No)は、図4に示すステップS414へ移行し、一連の指定区域判定処理を終了する。
このように、本実施の形態1に記載の発明によれば、情報を収集する指定区域に位置する端末装置と通信をおこなうセル・セクタを適切に抽出することができる。そして、抽出されたセル・セクタによって通信をおこなうため、不必要な通信負荷をかけることなく、通信状態の最適化を図ることができる。
また、本実施の形態1に記載の発明によれば、情報を収集する情報収集側の端末装置は、収集対象情報における指定区域情報や属性情報を指定して、指定区域に位置する情報発信側の端末装置から収集対象情報を取得することができる。すなわち、情報収集側の端末装置の利用者は、相手側の端末装置の識別情報を知らなくても、自身の所望する収集対象情報を的確に取得することができる。
具体的には、本実施の形態1によれば、特定の地域に位置する端末装置に対してアンケートを実施する場合に利用することができる。より具体的には、たとえば、繁華街にいる若者をターゲットとしたアンケートの実施に利用すれば、若者が所有する端末装置のアドレスを知らなくても、アンケートを実施して情報収集を図ることができる。
(実施の形態2)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2について説明する。本実施の形態2では、前述の実施の形態1における端末装置として、車両に搭載された車載機を利用することによって、車載機によって撮像されたカメラ映像を収集する場合について説明する。なお、セル・セクタの抽出の概要については、図2および図3とほぼ同様であるため説明を省略する。
(通信システムの概要)
まず、図7を用いて、本実施の形態2にかかる通信システムの概要について説明する。図7は、本実施の形態2にかかる通信システムの概要について示す説明図である。
図7において、通信システム700は、車載機710(図7に示した例では、710A,710B,710C,710D)と、車載機710間の通信を中継する通信装置としてのカメラ映像配信サーバ720と、携帯電話システム730と、から構成されている。
なお、本実施の形態2にかかる通信システム700は、前述の実施の形態1において図1に示した通信システム100における端末装置110を車載機710に、指定区域情報収集サーバ120をカメラ映像配信サーバ720に、端末装置情報サーバ130を携帯電話システム730にそれぞれ置き換える構成となっており、図1と同様の部分については説明を省略する。
図7に示す通信システム700では、車載機710と、カメラ映像配信サーバ720、携帯電話システム730とは、基地局740(図7に示した例では、740A,740B)を介して接続されている。
図示はしないが、車載機710の具体的な構成は、たとえば、利用者によって情報の入出力をおこなう入力ボタン、表示画面、スピーカなどのユーザインターフェイス部と、車載機710同士の双方向通信をおこなうための通信部と、自装置の位置情報を取得するための位置取得部と、車両周辺の映像を撮像する撮像部と、から構成されている。
なお、図7には、車載機710を搭載した車両を図示しているが、車載機710は携帯電話装置などと一体型であってもよく、有線、無線などの通信機能を備えたコンピュータなどでもよい。
具体的には、たとえば、車載機710には、情報を収集する車載機710Aと、指定区域750に位置する車両に搭載された車載機710B,710Cと、指定区域750外に位置する車両に搭載された車載機710Dとがある。
情報を収集する車載機710Aは、たとえば、ユーザインターフェイス部を用いて所定の情報を入力することによって、所定の情報に適した他の車載機710から、カメラ映像配信サーバ720、携帯電話システム730、基地局740を介して収集対象情報を受信する。
所定の情報は、たとえば、収集対象情報を収集する対象となる車載機710が位置する指定区域750に関する指定区域情報や、収集対象情報の要求に関する要求情報などである。すなわち、収集対象情報を収集したい区域や、要求の詳細な情報などである。
要求情報は、たとえば、収集対象情報の送信依頼や他の車載機710の属性情報の他に、車載機710を搭載した車両の進行方向や撮像するカメラ映像の方向や角度などを含む情報でもよい。より具体的には、要求情報は、中心位置751の緯度経度情報とともに、カメラ映像を撮像する方向752を指定し、撮像する範囲として±30度の角度を設定してもよい。
なお、本実施の形態2では、車載機710Aは、自装置の有するアプリケーションを起動させて所定の情報について設定できる構成としたが、実施の形態1と同様にして、カメラ映像配信サーバ720に問い合わせておこなう構成としてもよい。
(通信システム700における処理の内容)
つぎに、図8を用いて、本実施の形態2にかかる通信システム700における処理手順について説明する。図8は、本実施の形態2にかかる通信システムにおける処理手順を示すフローチャートである。以下、本実施の形態2における処理では、図7に示した車載機710Aがカメラ映像を要求することとし、指定区域750内に位置する車載機710B,710Cのうち、車載機710Bが要求情報に応じたカメラ映像を送信することとして説明する。
図8のフローチャートにおいて、まず、カメラ映像の要求元の車載機710Aは、指定区域情報、要求情報の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS801)。指定区域情報は、たとえば、入手希望のカメラ映像を撮像する指定位置の緯度経度情報や、指定位置から半径100mを指定区域とする情報を含む情報でもよい。また、要求情報は、たとえば、入手希望のカメラ映像を撮像する車載機710Bの属性情報や撮像する方角や指定方角の範囲などを含む情報でもよい。
ステップS801において、車載機710Aは、指定区域情報、要求情報の入力を受け付けるのを待って、受け付けた場合(ステップS801:Yes)は、カメラ映像配信サーバ720へ、ステップS801において入力された指定区域情報、要求情報を送信する(ステップS802)。
カメラ映像配信サーバ720は、ステップS802において車載機710Aから送信された指定区域情報に基づいて、指定区域750に該当するセル、セクタを抽出する(ステップS803)。なお、ステップS803におけるセル、セクタの抽出は、実施の形態1に示したセル・セクタ抽出処理とほぼ同様であるため説明を省略する。
つぎに、カメラ映像配信サーバ720は、ステップS803において抽出されたセル、セクタ内の車載機710(たとえば、図7に示した車載機710B,710C)に照会をおこなう(ステップS804)。具体的には、たとえば、照会は、ステップS803において抽出されたセル、セクタ内に位置する車載機710B,710Cの情報を携帯電話システム730に問い合わせる処理である。
そして、携帯電話システム730は、ステップS804におけるカメラ映像配信サーバ720からの照会に応じて、指定区域750に位置する車載機710B,710Cを検索する(ステップS805)。具体的には、たとえば、検索は、携帯電話システム730によって管理されている、セル、セクタごとの車載機710の情報のうち、ステップS803によって抽出されたセル、セクタ内に位置する車載機710B,710Cの情報を検索することとしてもよい。
つぎに、携帯電話システム730は、ステップS805における検索結果から、指定区域750内に車載機710B,710Cがいるか否かを判断する(ステップS806)。具体的には、たとえば、車載機710B,710Cがいるか否かの判断は、ステップS803において抽出されたセル、セクタ内に位置する車載機710B,710Cがいるか否かを判断することとしてもよい。
ステップS806において、車載機710B,710Cがいた場合(ステップS806:Yes)は、携帯電話システム730は、カメラ映像配信サーバ720に対して、検索された車載機710B,710Cのアドレスを送信する(ステップS807)。
また、ステップS806において、車載機710B,710Cがいなかった場合(ステップS806:No)は、携帯電話システム730は、その旨をカメラ映像配信サーバ720に送信して、カメラ映像配信サーバ720は、車載機710Aに対して、指定位置からカメラ映像を送れる車載機710がいない旨を通知する(ステップS819)。
そして、車載機710Aは、ステップS819における通知に基づいて、図示しない表示部などに、指定位置からカメラ映像を送れる車載機710がいない旨を表示して(ステップS820)、一連の処理を終了する。
カメラ映像配信サーバ720は、ステップS807において携帯電話システム730から送信された車載機710B,710Cのアドレスを受信し、受信したアドレスへ要求情報を送信する(ステップS808)。
そして、車載機710B,710Cは、ステップS808において送信された要求情報を受信し、受信した要求情報に基づいて、自装置の属性情報が一致したか否かを判断する(ステップS809)。属性情報は、たとえば、自装置の性能、機種などを含む情報でもよい。
ステップS809において、属性情報が一致した場合(ステップS809:Yes)は、つづいて、車載機710B,710Cは、指定位置から半径100m以内にいるか否かを判断する(ステップS810)。具体的には、たとえば、図示しない位置取得部などによって取得する現在地点と、指定位置とを比較することとしてもよい。
また、ステップS809において、属性情報が一致しない場合(ステップS809:No)は、そのまま一連の処理を終了する。なお、属性情報が一致しない場合に、その旨を車載機710Aに報知できる構成としてもよい。
ステップS810において、指定位置から半径100m以内にいる場合(ステップS810:Yes)は、つづいて、車載機710B,710Cは、指定方角の±30度の範囲にいるか否かを判断する(ステップS811)。なお、ステップS811では、車載機710B,710Cの位置について判断しているが、位置を判断する代わりに、車載機710B,710Cの撮像部の方角について判断することとしてもよい。
また、ステップS810において、指定位置から半径100m以内にいない場合(ステップS810:No)は、そのまま一連の処理を終了する。なお、指定位置から半径100m以内にいない場合に、その旨を車載機710Aに報知したり、半径を広げて処理を繰り返すこととしてもよい。
ステップS811において、指定方角の±30度の範囲にいる場合(ステップS811:Yes)は、車載機710Bは、カメラ映像配信サーバ720に、車載機710Bのアドレスと位置を送信する(ステップS812)。
また、ステップS811において、指定方角の±30度の範囲にいない場合(ステップS811:No)は、車載機710Cは、そのまま一連の処理を終了する。なお、指定方角の±30度の範囲にいない場合に、その旨を車載機710Aに報知したり、角度の範囲を広げて処理を繰り返すこととしてもよい。
カメラ映像配信サーバ720は、ステップS808において要求情報を送信してから、カメラ映像を一定時間内に受信したか否かを判断する(ステップS813)。換言すれば、タイムアウトしたか否かを判断する構成である。
ステップS813において、一定時間内に受信した場合(ステップS813:Yes)は、カメラ映像配信サーバ720は、返答がひとつか否かを判断する(ステップS814)。
また、ステップS813において、一定時間内に受信しなかった場合(ステップS813:No)は、ステップS819に戻って処理を繰り返す。
ステップS814において、返答がひとつだった場合(ステップS814:Yes)は、後述するステップS816へ移行して処理を継続する。
また、ステップS814において、返答が複数だった場合(ステップS814:No)は、カメラ映像配信サーバ720は、指定位置に一番近い車載機710Bのアドレスを選択する(ステップS815)。
なお、図8のフローチャートでは、通信負荷を低減させるために複数のカメラ映像を取得せずに、指定位置に最も近いカメラ映像を取得する構成としているが、たとえば、指定位置から3台分のカメラ映像を取得する構成としてもよい。また、複数のカメラ映像を取得して、画質などによって最適なカメラ映像を選択することとしてもよい。
そして、カメラ映像配信サーバ720は、ステップS812において送信された車載機710Bのアドレス、あるいはステップS815において選択された車載機710Bのアドレスに対して、カメラ映像の送信を要求する(ステップS816)。
つぎに、車載機710Bは、ステップS816における要求に応じて、車載機710Aに対して、図示しない撮像部によって撮像したカメラ映像を送信する(ステップS817)。
そして、車載機710Aは、ステップS817において送信されたカメラ映像を受信して(ステップS818)、一連の処理を終了する。なお、カメラ映像は、動画でも静止画でもよく、カメラ映像を受信した車載機710Aは、図示しない表示部に表示したりしてもよい。
このように、本実施の形態2に記載の発明によれば、カメラ映像が欲しい地域を指定して、指定地域に位置する車載機からカメラ映像を取得する構成であるため、利用者は、相手先の識別情報を知らなくても、通信負荷を低減しつつ、最適なカメラ画像を取得することができる。
また、道路沿いに多くの定点カメラを設置しなくても、複数の車載機のカメラ映像を受信することで、道路状況を的確かつリアルタイムに把握することができる。
また、本実施の形態2によれば、たとえば、利用者の目的地点周辺や経路上のカメラ映像を取得して確認すれば、利用者は、目的地点周辺や経路上の環境を把握して適切な目的地点、経路を選択することができる。具体的には、利用者は、遊園地が目的地点である場合に、目的地点周辺が雨であることを確認したら、屋内施設を目的地点として変更してもよい。
また、本実施の形態2では、車載機同士の通信によるカメラ映像の送受信について説明したが、携帯電話装置と車載機との通信や、通信機能を備えた撮影装置と車載機との通信や、携帯電話装置と通信機能を備えた撮影装置との通信などであってもよい。このように、多種の装置に適用することによって、本発明の適用の汎用性向上を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、情報を収集する端末装置の利用者が、任意で定めた指定区域内に位置する端末装置に限定して通信をおこなうことができる。さらに、本発明によれば、指定区域に該当するセル、セクタを抽出して通信をおこなう構成であるため、必要最低限の通信トラフィックのみを利用し、通信トラフィックへの負荷を低減させることができる。また、要求情報の設定によって、利用者の所望する情報を適切に収集することができる。換言すれば、本発明によれば、適切な情報収集をおこなうとともに、通信環境の最適化を実現することができる。
なお、本実施の形態1,2で説明した通信方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。