JP2008078384A - プリント配線板の製造方法、保護シート及びプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導体層11と絶縁樹脂12との積層構造とされ、最外層に配置された前記導体層11に半田接合端子部11Aが形成されたプリント配線板10の製造方法において、最外層に配置された前記導体層11の上に、半田接続端子部11Aが露出するように、かつ、半田接合端子部11Aの周囲を取り囲むように、ソルダーレジスト13を形成し、該ソルダーレジスト13の上に、少なくとも半田接合端子部11Aを覆うように、保護シート15を熱圧着あるいは熱ローララミネート法により配設することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
さらに、最外層に設けたソルダーレジスト等の絶縁樹脂層は半田接合端子部の表面にめっきを施す場合、様々なウエット処理にさらされることになる。すなわち、酸あるいはアルカリ性の高温の前処理液やめっき液のストレスを受けるために、必然的に半導体パッケージあるいはプリント配線板の電気的信頼性の低下が懸念される。そのため信頼性に耐え得るソルダーレジストの選定には長期の電気的信頼性試験を行う事が必須となり、時間的コストと高品位のソルダーレジストを選定することが免れないという問題があった。
また、保護シートを、熱圧着あるいは熱ローララミネート法により配設するので、プリント配線板の現行の製造工程にラミネーター等を追加するのみであり、多大な装置導入コストを必要としない。
さらに、ソルダーレジストに対する常温における接着力が、1.0N/20mm以上とされているので、保護シートを貼り付けた後の工程中のハンドリングで剥離してしまうことを確実に防止できる。また、前記接着力が、10N/20mm以下とされているので、半田接合を行う際には保護シートを容易に剥離して、半田接合端子部を露出されることができる。
この構成のプリント配線板によれば、ソルダーレジストと前記保護シートとの間隙に不活性ガスが充填されているので、半田接合端子部の表面の酸化を確実に防止することができる。特に、半田接合端子部表面の面積が広く間隙が大きくなる場合に効果的である。
なお、不活性ガスとしては、コストの観点から窒素ガスあるいはアルゴンガスを使用することが望ましい。
この構成のプリント配線板によれば、半田接合端子部の表面と前記保護シートとの間にフラックスあるいは水溶性プリフラックス層が形成されているので、半田接合端子部の酸化をさらに効果的に防止することができる。
この構成のプリント配線板によれば、半田接合端子部の表面が金属めっき層によって被覆されることになり、半田接合端子部の表面の酸化をさらに効果的に防止することができる。
なお、本発明のプリント配線板は、半導体パッケージ用基板(インターボーザ)、半導体パッケージを実装するマザーボードとして用いることができる。
本実施形態であるプリント配線板10は、図1に示すように、電気回路を構成する導体層11と絶縁樹脂12の積層構造をなしている。
なお、熱硬化型のソルダーレジストペーストであればスクリーン印刷法でソルダーレジスト13のパターンを形成できる。感光性ソルダーレジストであればフォトリソグラフィー法によりソルダーレジスト13のパターンを形成することができる。
保護シート15は、ソルダーレジスト13に対して粘着性を有する粘着層15Aと基材層15Bとを備えている。なお、貼り付け時以外のハンドリングや粘着層15A保護を目的として粘着層15Aの表面にセパレータ層を設けても良い。すなわち、保護シート15を基材層15B、粘着層15A、セパレータ層の三層構造としてもよい。この場合、ソルダーレジスト13の表面に保護シート15を貼り付ける際に、セパレーター層を予め剥離して、あるいは剥離しながらラミネートすることになる。
また、粘着層15Aとの接着力を挙げるために、基材層15B表面にプラズマ処理、コロナ処理、ブラスト処理等の易接着処理をおこなってもよい。
例えば、半導体パッケージの組立工程においては、ICチップ搭載時に熱硬化性樹脂によってICチップと半導体パッケージを固定、熱硬化するダイボンディング工程、さらにワイヤーボンディングあるいはフリップチップ実装であれば1次実装のリフロー工程、さらにチップ上にエポキシ樹脂よりなるモールド樹脂形成時およびその熱硬化工程と多種多様の過酷な熱履歴を受ける。その後、保護シート15を剥離して半田接合端子部11Aに半田ボールを搭載するか、あるいはスクリーン印刷法により半田ペーストを塗布する方法で半田接合端子部11Aに半田を形成して、電子機器に搭載する。
このように半田接合端部11Aの酸化が防止されるので、従来のように、金メッキによる酸化防止対策を行う必要がなく、低コストでプリント配線板10を提供することができる。
例えば、導体層11の表面に異種金属めっきを施してもよい。たとえばここで一例を示すとニッケルめっき、錫めっき、銀メッキ等があげられる。これらは用途によって合わせて使用してもよい。
(1)評価用電子部品の作成
銅箔厚18μm、コア材厚0.3mmの両面銅張積層板を準備し、所望の箇所にレーザー加工機にて貫通穴を形成し、デスミア処理後にスルーホールめっきを施し両面銅箔の導通を取った。スルーホールめっきの貫通孔部分に穴埋め樹脂を印刷法にて充填し、ベーク硬化した。表面を研磨後両面にドライフィルムレジストを貼り付け、銅張積層板にあらかじめ設けてあるアライメントマークの貫通穴とガラス版に設けてあるアライメントマークを位置あわせの上、前記銅張積層板を両側よりガラス版で挟み込むように密着させガラス版を介して露光する。続いて現像処理することで両銅箔表面上にドライフィルムレジストパターンを形成した。これを両面より塩化第二鉄をスプレーエッチングすることで一方の面にフリップチップ実装用バンプ、もう一方の面に2次実装用の半田接合用バンプとそれらを電気的に接合する銅回路を形成した。続いて感光性ソルダーレジストを両面30μm厚になるように塗布した後にフリップチップバンプおよび、半田接合用バンプを露出するようにパターニングしソルダーレジストパターンを形成した。こうして2メタルBGAを作成した。
続いて、プリント配線板を125℃、2hでプリベーク後、フリップチップバンプ側の保護シートを剥離して、スクリーン印刷にてフリップバンプ上に半田ペーストを形成し、ICチップをアライメントの上に搭載してピーク温度240℃でリフロー、アンダーフィル充填して1次実装を完了した。さらにモールド金型で2メタルBGAを挟み込むように設置し、チップ搭載上にトランスファーモールドを行いICチップをモールド樹脂で被服した。後に180℃、5時間でポストキュアーをおこなった。その後に半田ボール面の保護シートを剥離してフラックス塗布後、直径0.35μmの鉛フリー半田ボールを搭載してリフローしてボール面に半田ボールを搭載した電子部品を作成し、フラックス洗浄を行った。
上述の電子部品の作成とは別に、半田濡れ性評価用のプリント配線板を作成した。前述の評価用半導体装置を作成するときと同材料同条件で幅0.4mm長さ5mmのソルダーレジストパターンが形成された銅張積層板を作成し、その上に保護シートをラミネート後上述と同熱履歴をかけることでを半田濡れ性評価用のプリント配線板を作成した。このプリント配線板にも同様に銅が露出したスリットパターンにフラックスを塗布した後に0.35mmの半田ボールをスリットパターン中心にマウントし半田リフローして半田濡れ性を計測する。
上述のように作成した半田ボールを搭載した半導体装置の半田接合強度を半田シェアテストにより計測した。半田濡れ広がり性については、半田濡れ広がり評価用のプリント配線板を用いて評価した。リフロー後の半田のスリット長手方向の長さをmとし、半田ボール径をdとし、
半田濡れ性% = 濡れ広がり長さ/半田ボール径×100(%)とした。
評価用電子部品及び評価用プリント配線板の作成方法は実施例1の方法とまったく同じであるが、保護シートをラミネートする際に熱圧着ロール部を窒素雰囲気下でラミネートした。これらを実施例1と同じ方法で評価した。
評価用電子部品および評価用プリント配線板の作成方法は実施例1の方法とまったく同じであるが、保護シートをラミネートする前にフリップチップバンプおよび半田接合バンプの銅表面上に50℃の水溶性プリフラックス浴に3分浸漬し、プリフラックス皮膜をコートし、70℃、10分乾燥した。その後は実施例1と同様に保護シートをラミネートした。これらを実施例1と同じ方法で評価した。
評価用電子部品および評価用プリント配線板の作成方法は実施例1の方法とまったく同じであるが、保護シートをラミネートする前にフリップチップバンプおよび半田接合バンプの銅表面上に電解ニッケルめっき層を形成した。その後は実施例1と同様に保護シートをラミネートした。これらを実施例1と同じ方法で評価した。
(1)ワイヤーボンディング実装用2メタルBGAの作成
実施例5の2メタルBGAの作成は実施例1と同様な方法で作成した。本実施例ではチップ実装側の導体層にワイヤーボンディングパットを形成し、反対面は半田接合バンプを形成した。同様にソルダーレジストパターンをボンディングパット部およびボールマウント部の半田接合バンプ部を露出するように形成した。保護シートはボールマウント面のみにロールラミネート装置によりラミネート温度120℃で熱圧着した。保護シートは、粘着層には厚さ5μmのUV硬化型アクリル系粘着材、基材層には厚さ125μmのPETフィルムを使用し、ラミネート後に保護フィルムの基材層であるPETフィルムを介して粘着層をUV硬化した。続いて保護シートを設けた2メタルBGAのボンディングパット部分にニッケル−金メッキを行った。続いてチップマウントしてダイボンド用樹脂を熱硬化後、金ワイヤーを用いてチップとBGAをワイヤーボンディングによる接続を行った。さらにモールド金型で2メタルBGAを挟み込むように設置し、チップ搭載上にトランスファーモールドを行いICチップをモールド樹脂で被服した。後に180℃、5時間でポストキュアーを行い、保護シートを剥離して、半田接合バンプにフラックスを塗布後、半田ボールをマウント、リフローして半田ボールを接続した。
半田濡れ性評価用のプリント配線板は本実施例1と同材料、同条件で作成した。これらを実施例1と同じ方法で評価した。
保護シートをラミネートしない以外は実施例1の電子部品の作成方法、半田濡れ性評価用プリント配線板の作成方法と同方法で行い、評価用電子部品及び評価用プリント配線板。これらを実施例1と同じ方法で評価した。
2メタルBGAの作成は実施例1の方法と同様で行った。フリップチップバンプおよび半田接合用バンプに電解ニッケルめっきを2μm、電解金メッキを0.03μmで形成した。保護シートは使用しなかった。半田濡れ性評価用プリント配線板も同様ニッケル金メッキを施し、保護シートは使用しなかった。これらを実施例1と同じ方法で評価した。
11 導体層
11A 半田接合端子部
12 絶縁樹脂
13 ソルダーレジスト
15 保護シート
15A 粘着層
15B 基材層
Claims (7)
- 導体層と絶縁樹脂の積層構造とされ、最外層に配置された前記導体層に半田接合端子部が形成されたプリント配線板の製造方法において、
最外層に配置された前記導体層の上に、前記半田接続端子部が露出するように、かつ、
前記半田接合端子部の周囲を取り囲むように、ソルダーレジストを形成し、
該ソルダーレジストの上に、少なくとも前記半田接合端子部を覆うように、保護シートを熱圧着あるいは熱ローララミネート法により配設することを特徴とするプリント配線板の製造方法。 - 請求項1に記載のプリント配線板の製造方法に適用される保護シートであって、
基材層と前記ソルダーレジストとの接着性を備えた粘着層とを有していることを特徴とする保護シート。 - 前記粘着層は、その厚みが3〜10μmの範囲内とされ、前記ソルダーレジストに対する常温における接着力が、JIS Z 0237記載の180°剥離試験方法で1.0〜10N/20mmの範囲内とされていることを特徴とする請求項2に記載の保護シート。
- 請求項1に記載のプリント配線板の製造方法により製造され、請求項2または請求項3に記載の保護シートが配設されたプリント配線板であって、
導体層と絶縁樹脂の積層構造とされ、最外層に配置された前記導体層に半田接合端子部が形成されており、
前記半田接続端子部が露出するように、かつ、前記半田接合端子部の周囲を取り囲むようにソルダーレジストが形成され、該ソルダーレジストの上に、少なくとも前記半田接合端子部を覆うように、前記保護シートが配設されていることを特徴とするプリント配線板。 - 前記半田接合端子部と前記ソルダーレジストと前記保護シートとの間隙に、不活性ガスが充填されていることを特徴とする請求項4に記載のプリント配線板。
- 前記半田接合端子部の表面と前記保護シートとの間に、フラックスあるいは水溶性プリフラックス層が形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5のいずれかに記載のプリント配線板。
- 前記半田接合端子部の表面と前記保護シートとの間に、金属めっき層が形成されていることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載のプリント配線板。
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