JP2008073213A - シート装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートバック5の回動に連動して座面の傾きが変わるようにしたリクライニングシート1において、居住性や操作性の悪化を防止し、前突時等にもサブマリン現象が発生し難くする。
【解決手段】シートバック5の下端部をナックル35によりベースフレーム3に回動可能に取り付ける。シートクッション2の前部を上下動させてそれをチルトさせるチルト機構部7と、シートバック5の回動変位をチルト機構部7に伝達して、シートクッション2をチルトさせる連動機構部8と、を備える。連動機構部8のリンク80、81に、それぞれ、シートバック5が基準位置とリクライニング位置との間にあるとき、又は基準位置から前傾しているときに、該シートバック5の回動変位がチルト機構部7に伝達されるのを抑制するための長穴80a,81aを形成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、シートバックを前傾又は後傾させるのに連動して、座面の傾きが変わるようにしたシート装置に関し、特に、そのように連動させるための機構の構造の技術分野に属する。
従来より、例えば自動車用のシート装置としては、乗員の着座状態に対応する基準位置からシートバックを後傾(リクライニング)させると、シートクッションも連動して座面の傾きが変わるようにしたものが公知である(例えば特許文献1、2を参照)。このものでは通常、シートバックの回動変位を機械的にシートクッションに伝達して、それを揺動(チルト、スイング)させることにより、座面の傾きを変化させて、乗員の尻部の前ずれを防ぐようにしている。
特開昭62−192114号公報 特開平06−245837号公報
しかしながら、前記従来例のようにシートバックのリクライニングに機械的に連動させてシートクッションを揺動させるようにした場合、シートバックを所定角度以上、大きく後傾させたときに座面の傾斜が急になり過ぎて、乗員の居住性を損なう虞れがある。
また、そうして機械的に連動させるようにした場合、例えばシートバックが基準位置から前傾するときにも座面の傾斜が変化するような構成になると、自動車の前突時等の衝撃荷重によって、この衝撃荷重に耐えかねてシートバックが前傾するときに、これに連動して座面の傾斜が緩くなってしまい、乗員がシートベルトとの間からすり抜けて、ダッシューボード下に投げ出されるという現象(所謂サブマリン現象)が発生し易くなる。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的とするところは、シートバックの前傾乃至後傾に連動して座面の傾きが変わるようにしたシート装置において、その連動機構の構造に工夫を凝らし、リクライニング時の居住性や操作性の悪化を防止することにある。
前記目的を達成するために、本願の請求項1の発明は、シートバックを、その下端部を中心として基準位置から前傾及び後傾の少なくとも一方へ回動可能な回動機構部と、シートクッションの前部を少なくとも上下に移動可能なチルト機構部と、前記回動機構部によるシートバックの回動変位に連動させて、前記チルト機構部によりシートクッションの前部を上下動させる連動機構部と、を備えたシート装置を前提として、前記連動機構部を、少なくとも1つのリンクを備え、このリンクには前記シートバックが所定の回動範囲にあるときに、その回動変位が前記チルト機構部に伝達されるのを抑制するための長穴が形成されているものとする。
前記構成のシート装置では、シートバックを基準位置から前傾及び後傾の少なくとも一方へ回動させるとき、この回動変位に連動して連動機構部によりチルト機構部が動作され、これによりシートクッションの前部が上下に移動して、座面の傾斜が変更される。このことで、従来までのものと同様にシートバックの後傾に連れて座面の後傾を強めることができ、乗員の尻部の前ずれを防ぐなど、サポート性、ホールド性を向上することができる。
また、前記連動機構部の少なくとも1つのリンクには長穴が形成されており、シートバックが所定の回動範囲にあるときには、その回動変位が前記チルト機構部に伝達されるのが抑制されるため、シートバックの回動に連れて座面の傾斜が急に(水平に対する傾斜角度が大きく)なり過ぎることもなくなり、簡単且つコンパクトな構成で居住性、操作性の悪化を防止することができる。
すなわち、例えば前記の連動機構部を、シートバックが基準位置から所定角度を越えて後傾しているときに、その回動変位のチルト機構部への伝達を抑制するように構成すれば(請求項2)、シートバックの後傾によって座面の傾斜が急になりすぎることはなくなり、居住性が悪化したり、操作性が損なわれたりすることがない。
また、シートバックが基準位置から前傾しているときに、その回動変位のチルト機構部への伝達を抑制するようにすれば、自動車の前突時等の衝撃によりシートバックが例えばその自重により基準位置から前傾しても、座面の傾斜が緩くなり過ぎることはないので、サブマリン現象が発生し易くなることもない
より具体的に、例えば連動機構部におけるリンクのシートバック側及びチルト機構部側の少なくとも一方の連結部に長穴を形成すれば(請求項3)、シートバックの回動に伴いリンクがシートバック側乃至チルト機構部側のいずれかの部材に対して長穴の延びる方向に移動するときに、チルト機構部への変位の伝達が抑制される。
例えば前記リンクのチルト機構部側の連結部に、シートバックが基準位置から前傾しているときに、その回動変位がチルト機構部に伝達されるのを抑制するように、即ち、その回動変位に伴いリンクの移動する方向に延びるように、長穴を形成すれば(請求項4)、自動車の前突時等にシートバックが前傾しても、サブマリン現象が発生し易くなることはない。
そうした場合に好ましいのは、前記連動機構部を、シートバックが基準位置にあるときにはチルト機構部によりシートクッションの前部を最下位置に位置付ける一方、そこからシートバックが後傾するのに連れてシートクッションの前部が上方移動するように、前記チルト機構部を動作させるものとし、さらに、前記シートクッションの前部を前記最下位置に向かうよう下方に付勢する付勢手段を設けることである(請求項5)。
すなわち、前記したようにリンクのチルト機構部側の連結部に長穴を設けて、シートバックが基準位置から前傾するときに、その回動変位がチルト機構部側に伝わらないようにした場合、シートバックが後傾した位置から起き上がって基準位置に戻るときにも、その回動変位がチルト機構部側に伝わり難くなる虞れがあるが、シートクッションの前部を付勢手段により最下位置に向けて、即ちシートバックの基準位置に対応する位置に向けて付勢しておけば、前記のようにシートバックの回動変位がチルト機構部側に伝わり難くなったとしても、不具合は生じない。
別の例として、前記連動機構部のリンクを、固定側(シートバックの回動やシートクッションのチルト動作に対する固定側であり、例えばフロアに移動可能に配設されたベースフレーム側であってもよいし、フロアそれ自体の側であってもよい)に設けた支軸に長穴を介して支持し、シートバックの回動変位の途中で前記支軸周りの回動と該支軸に対するスライド移動との一方から他方に主体となる動作形態が切り換わるように構成としてもよい(請求項6)。
こうすれば、リンクの動作がその長穴と固定側の支軸との係合により規制されることを利用して、該リンクの動作形態を支軸周りの回動と該支軸に対するスライド移動とに切り換え、いずれかの動作形態のときにはシートバックの回動変位がチルト機構部側に伝わり難くなるように構成できる。
例えば、前記連動機構部にシートバック側の第1リンクとチルト機構部側の第2リンクとを備える場合に、好ましいのは、第1リンクを、固定側に設けた支軸に長穴を介して支持して、シートバックが基準位置と所定角度後傾した位置との間で回動変位するときに、この回動変位に連れて前記支軸周りの回動を主体とする動作をする一方、シートバックが前記所定角度を越えて後傾したときには、その回動変位に連れて前記支軸に対するスライド移動を主体とする動作をするように、当該シートバック側に連結するとともに、第2リンクは、そのチルト機構部側の連結部が前記第1リンクの回動に連れて変位する一方、該第1リンクのスライド移動に連れてチルト機構部側の連結部の周りに回動するように、前記第1リンクに連結することである(請求項7)。
こうすれば、まず、シートバックが基準位置と所定角度後傾した位置との間で回動変位するときには、この回動変位に連れて第1リンクが支軸周りの回動を主体とする動作をし、これに連れて第2リンクは、そのチルト機構部側の連結部が変位するように動作する。こうしてシートバックの回動変位がチルト機構部側に伝えられる。
一方、シートバックが前記所定角度を越えて後傾したときには、その回動変位に連れて第1リンクが支軸に対するスライド移動を主体とする動作をし、これに連れて第2リンクがそのチルト機構部側の連結部の周りを回動するから、シートバックの回動変位はチルト機構部側には伝わらないようになる。
以上のように、本発明に係るシート装置によると、シートバックの回動変位を連動機構部によりチルト機構部に伝えて、シートクッションの座面の傾斜を変更することで、従来までと同様にシートバックの後傾に連れて座面の後傾を強めることができ、これにより、乗員の尻部のサポート性、ホールド性を向上できる。
しかも、連動機構部のリンクに長穴を設けるという極めて簡単な構成でもって、例えばシートバックが基準位置から前傾したときや或る程度以上、大きく後傾したときには、その回動変位のチルト機構部への伝達を抑制することができるので、座面の傾斜が急になり過ぎることを防止して、リクライニング時の居住性、操作性の悪化を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(シート装置の全体構成)
図1は、本発明に係るシート装置を、自動車の後部左側に配置されるリクライニング・タイプのシート1に適用した実施形態を示し(尚、以下の説明では、自動車の前後左右を単に前後左右という)、このシート1は、乗員の着座するシートクッション2がベースフレーム3(図2参照)を介して車体フロアに取り付けられ、そのシートクッション2の前端下部に格納可能にオットマン4(足載せ台)が配設される一方、該シートクッション2の後端付近から上方に延びるようにシートバック5が配設されていて、そのシートバック5の上端にはヘッドレスト6が取り付けられている。
図2には、前記シートクッション2のクッション体を省略してそのフレーム構造を示し、該シートクッション2の左右両側部には例えば鋼板のプレス成型品であるサイドフレーム20,20が設けられ、それらの前端部及び後端部がそれぞれパイプ部材21,22により連結されるとともに、前後方向の中間部位には線材からなるスプリング23,23が左右に架け渡されている。また、前記前端部のパイプ部材21にはアーム24,24を介して、オットマン4のフレームである板部材25が揺動可能に取り付けられている。
前記左右のクッションサイドフレーム20,20の下方外側にそれぞれ近接して、ベースフレーム3のサイドフレーム30,30が配置されている。このベースサイドフレーム30,30もプレス成型品であり、それらは前後の連結板31,31やパイプ部材32によって互いに連結されている。尚、図4にのみ示すが、ベースサイドフレーム30の下端縁における前部及び後部には、それぞれスライダ33,33が固定され、車体フロアに敷設されたスライドレール34,34に前後に移動可能に取り付けられている。
また、ベースサイドフレーム30の後端部には湾曲して上方に延びる延出部30aが形成され、そこにはナックル35(回動機構部)を介して、シートバック5のフレーム50(図には下側の部分のみを示す)の下端部が回動可能に取り付けられている。このシートバックフレーム50は、例えばパイプ材を逆U字状に成形したものであり、シートバック5内の外周寄りの部位に埋設されていて、その左右両側の下端部にそれぞれプレス成型品のブラケット51,51が溶接されるとともに、このブラケット51,51同士がパイプ部材52によって連結されている。
前記パイプ部材52はシートバック5の回動支軸であり、これと同心になるようにしてブラケット51,51とその外側に隣接するベースサイドフレーム30,30との間に、ナックル35,35が介設されている。そして、乗員がリクライニング・レバー36(図3、4には示さず)を操作すると、詳細は図示しないが、ナックル35のロック部材とカム部材との係合が解除され、シートバック5は、前記のようにシートクッション2の後端付近から上方に延びる位置を基準として(以下、基準位置という)、そこから前傾及び後傾の両方に回動可能となる。
(チルト機構部)
図3、4に示すように、シートクッション2の左側のサイドフレーム20の内側(右側)に隣接して、それをチルト(揺動)させるチルト機構部7と、これを前記シートバック5の回動に連動させる連動機構部8とが一体的に設けられており、シートバック5を図3に示す基準位置(鉛直に対し5〜20°の間の所定角度だけ後傾した状態)から所定角度だけ後傾したリクライニング位置(図5参照)まで回動させるときに、その後傾に連れてシートクッション2の前部を上昇させて、座面の後側への傾斜を強めるようにしている。尚、前記所定角度は、例えばシート1に着座した乗員が仮眠するのに好適なシートバック5の傾斜角度として予め設定することができる。
まず、チルト機構部7について説明すると、図3及び図4(a)に示すようにクッションサイドフレーム20の前部には下方への延出部20aが形成されていて、この延出部20aがリンク70及び揺動レバー71を介してベースサイドフレーム30の前部に高さ調節可能に連結されている。また、図3及び図4(b)に示すように、クッションサイドフレーム20の後端部にも下方への延出部20bが形成され、この延出部20bは、ベースサイドフレーム30に取り付けられた支持ピン37の周りに回動可能に支持されている。
こうしてクッションサイドフレーム20が後側の下方延出部20bを支持する支持ピン37の周りに回動することで、シートクッション2は、その前部が上下に揺動(チルト)するように左右方向の軸心(支持ピン37の軸心)周りに回動することになるが、そうしてシートクッション2の前部が揺動してもその後端は殆ど移動せず(この例では下方延出部20bの揺動により僅かに前後動する)、シートクッション2の前部についても、その上下の移動量に対して前後の移動量が小さくなっている。
より詳しくは、前記クッションサイドフレーム20の前側の下方延出部20aは、ピン72を介してリンク70の上端部に回動可能に連結され、該リンク70の下端部はピン73を介して、揺動レバー71の一方の端部に回動可能に連結されている。この揺動レバー71は、図3に示すように「く」の字状の平板部材であり、その屈曲部位に揺動軸74が貫通状態で固定されている。この揺動軸74は図2に示すように左右方向に延びていて、両端部がそれぞれベースサイドフレーム30,30に回動可能に支持されている。
前記揺動レバー71の一方の側は、図3の他、図5等にも示すように揺動軸74から概略前方に延びて上下に揺動するようになっていて、その端部に連結されたリンク70が揺動軸74よりも前方に位置しており、その分は、揺動レバー71からクッションサイドフレーム20への力の作用点が前方に位置付けられている。このことは、シートクッション2の前部への力の作用点が、その後部の軸支部位(支持ピン37)から遠くなっていることを意味し、これにより、相対的に小さな力でシートクッション2の前部を上下動させることができる。
前記のようにリンク70を介してクッションサイドフレーム20を動作させる揺動レバー71の一方の側(以下、出力側ともいう)は、図3に示すようにシートバック5が基準位置にあるときには、揺動軸74から前方斜め下方に延びている。そのため、その出力側の端部にリンク70を介して連結されたクッションサイドフレーム20の前部は相対的に下方に位置しており、このときにシートクッション2の座面は、乗員の着座姿勢に対応して予め設定された適切な傾斜状態になっている。以下、このときにはシートクッション2も基準位置にあるという。
また、この実施形態では、リンク70や揺動レバー71の後方においてクッションサイドフレーム20とベースサイドフレーム30との間には上下に伸びるようにコイルばね75が配設されており、その引張力によってクッションサイドフレーム20の前部を常時、下方に付勢している。この付勢力はリンク70を介して揺動レバー71の出力側に下向きに作用し、該揺動レバー71を図3等における反時計回りに常時、回動付勢している。
一方、図示しないが、ベースサイドフレーム30の内側には、シートクッション2が基準位置にあるときにクッションサイドフレーム20と係合して、その下方への移動を阻止するようにストッパ部が設けられている。このため、前記のようにコイルばね75の引張力によって下方に付勢されていても、クッションサイドフレーム20の前部はシートクッション2の基準位置に相当する位置よりも下方へは移動し得ない。よって、シートクッション2の基準位置はその前部の最下位置ということができる。
前記したように「く」の字状とされた揺動レバー71の他方の側は、この実施形態では揺動軸74から概略上方に延びていて、その端部にはピン76を介して、連動機構部8の第2連動リンク81の前端部が回動可能に連結されており、この連動機構部8を介してシートバック5の回動変位が伝達されるようになっている(以下、揺動レバー71の他方の側を入力側ともいう)。そして、詳しくは後述するが、シートバック5が基準位置からリクライニング位置まで後傾するときには、前記第2連動リンク81を介して入力側が後方に引かれることで、揺動レバー71は、コイルばね75の引張力による回動付勢力に抗して図の時計回りに回動する。
そうして揺動レバー71が回動すると、その出力側は上方へ移動し、リンク70を介してクッションサイドフレーム20の前部を押し上げることになる。図5は、シートバック5がリクライニング位置まで後傾した状態を示し、このときにはシートクッション2の前部が最も高い位置(最上位置)にあって、その座面が相対的に大きく後方へ傾斜しており、このことで、後傾したシートバック5に上体を預けた乗員の尻部を適切に保持して、その前ずれを防ぐことができる。このときのシートクッション2の位置を以下、チルト位置というものとする。
以上、述べたように、この実施形態のチルト機構部7では、シートバック5の回動に伴う第2連動リンク81の前後方向の移動を「く」の字状の揺動レバー71により効率良く上下方向の移動に変換して、シートクッション2の前部を上下動させるようにしており、コンパクトな構成でもって、シートクッション2前部の上下の移動量を十分に大きくすることができる。
また、揺動レバー71の入力側の端部を揺動軸74よりも上方に位置付けて、これをシートバック5の後傾側への回動に伴い第2連動リンク81により後方へ引くようにしており、これにより該揺動レバー71の入力側は後方へ、即ち揺動軸74から離れるように変位することになるから、両者の干渉を阻止し易く、このこともチルト機構部7をコンパクトに構成する上で好ましい。
(連動機構部)
次に連動機構部8について説明する。この実施形態の連動機構部8は、シートバック5のフレーム50のブラケット51に固定されたアーム部材53から前記チルト機構部7の揺動レバー71までを連結する第1、第2の2つの連動リンク80,81からなり、その第1連動リンク80の一端部(シートバック側の端部)がピン82を介して、前記アーム部材53に回動可能に連結される一方、該第1連動リンク80の他端部(チルト機構部側の端部)はピン83を介して第2連動リンク81の後端部に回動可能に連結されている。そして、該第2連動リンク81の前端部は、前記したようにチルト機構部7の揺動レバー71の入力側の端部にピン76を介して回動可能に連結されている。
−第1連動リンクの長穴−
この実施形態では、前記第1連動リンク80にはその軸方向に長い長穴80aが形成され、この長穴80aが、ベースサイドフレーム30に取り付けられた支持ピン38と回動可能に且つスライド移動可能に係合している。このため、第1連動リンク80は、その一端部(ピン82)がシートバック5の回動に連れて回動支軸52の周りを回動するときに、長穴80aと支持ピン38との係合状態が維持されるよう、その動作が規制されることになり、この結果として、第1連動リンク80は、支持ピン38の周りの回動とそれに沿ったスライド移動とのいずれか一方が主体となるよう、その動作形態が切り換わる。
より具体的には図3、5、6を参照して、例えばシートバック5が基準位置(図3)とリクライニング位置(図5)との間で回動するときには、第1連動リンク80の一端部(ピン82)の移動方向(図3に矢印a1で示す)が長穴80aの延びる方向と大きく異なるため、該第1連動リンク80は支持ピン38の周りの回動を主とする動作をすることになり、その他端部に連結されている第2連動リンク81の後端部は、図3に矢印a2で示すように概ね前後方向に移動することになる。これにより当該第2連動リンク81全体が前後方向に移動する。
一方、シートバック5が、図5のリクライニング位置を越えてさらに大きく後傾すると、同図に矢印a3で示すように、第1連動リンク80の一端部(ピン82)の移動方向は長穴80aの延びる上下方向と概ね一致することになるので、該第1連動リンク80は支持ピン38に対し長穴80aをスライドさせて、概ね上下方向に移動するようになる。そして、図6に示すようにシートバック5が略横倒しになったフルフラット位置では、第1連動リンク80の長穴80aの最下端に支持ピン38が位置するようになる。
そうしてシートバック5がリクライニング位置(図5)とフルフラット位置(図6)との間で回動するときに、第1連動リンク80の他端部(ピン83)は、図5に矢印a4で示すように概ね上下方向に移動することになり、ここに後端部を連結されている第2連動リンク81は、その前端部のピン76の周りを回動するが、前後には殆ど移動しない。
つまり、シートバック5を基準位置から後傾させていくとき、リクライニング位置まではシートバック5の後傾に連れて第1連動リンク80が回動主体の動作をし、これにより第2連動リンク81を介してチルト機構部7が動作されて、シートクッション2の座面の傾きが変化する。一方、リクライニング位置を超えてシートバック5が後傾すると、第1連動リンク80は上下のスライド移動が主体の動作をするようになり、チルト機構部7は動作しなくなるので、シートクッション2はチルト位置に維持される。
−補助ダンパ−
そうしてシートバック5がリクライニング位置を越えて、その回動変位がシートクッション2側へ伝達されないようになると、そのシートクッション2のチルトの反力がシートバック5側へ作用しなくなるから、シートバック5の回動に対する抵抗力が急に減少して、乗員が操作に違和感を覚える虞れがあった。特にこの実施形態では、上述したようにコイルばね75の引張力によってシートクッション2の前部を常時、下方に付勢しており、この付勢力もシートクッション2のチルトの反力になるから、そうした反力がシートバック5の後傾途中でリクライニング位置を越えた途端に作用しなくなると、違和感は非常に大きなものになってしまう。
そこで、この実施形態では、図3等に模式的に示すように、シートバックフレーム50のブラケット51とベースサイドフレーム30との間に補助ダンパ9(抵抗力付与手段)を配設して、シートバック5がリクライニング位置を越えて後傾するときに、その後傾に対して抵抗力を付与するようにしている。
具体的に、前記補助ダンパ9としては例えば周知の油圧ダンパを用いればよく、そのケーシング90の下端には矩形状の連結部91を設けて、ベースサイドフレーム30に取り付けた支持ピン39に回動可能に連結する。一方、ケーシング90の上端から上方に延びるロッド92には、図示の如く長穴92aを形成し、この長穴92aを、シートバックフレーム50のブラケット51に取り付けた支持ピン54に回動可能に且つスライド移動可能に係合させる。
そして、前記図5に示すようにシートバック5がリクライニング位置にあるときに、ダンパーロッド92の長穴92aの最下端に支持ピン54が位置するようにレイアウトする。こうすれば、基準位置からリクライニング位置まではシートバック5が回動してもロッド92は進退せず、補助ダンパ9は減衰力を発生しない。一方、シートバック5がリクライニング位置を越えて後傾するときには、その後傾に連れてロッド92がケーシング90に押し込まれることになるので、補助ダンパ9が減衰力を発生し、これがシートバック5の後傾に対する抵抗力となる。
こうして、リクライニング位置を越えて後傾するシートバック5の回動に対して、補助ダンパ9から減衰力が付与されることで、シートクッション2のチルトの反力が作用しなくなっても、シートバック5の回動に対する抵抗力がリクライニング位置を越えた途端に急に減少することはなくなり、乗員が操作に違和感を覚えることがない。
−第2連動リンクの長穴−
この実施形態では、前記のように揺動レバー71の出力側に連結される第2連動リンク81の前端部にも長穴81aが形成され、この長穴81aに連結用のピン76が回動可能に且つスライド移動可能に嵌入されている。図3等に示すように長穴81aは前後方向に長く延びており、このことで第2連動リンク81の前端部は揺動レバー71の入力側の端部に回動可能に且つ概略前後方向にスライド移動可能に連結されている。
そうして長穴81aを介して連結されていることから、前記したようにシートバック5の回動に連れて第2連動リンク81が前後に移動しても、それが揺動レバー71に伝達されず、チルト機構部7が動作しないことがある。すなわち、シートバック5及びシートクッション2が基準位置にあるときには、図3に示すように第2連動リンク81の長穴81aの前端にピン76が位置しており、そこから該第2連動リンク81が前方に移動しても、そこに形成された長穴81a内でピン76が相対的に後側にスライドするのみで、このピン76が第2連動リンク81から前方へ押されることはない。
また、そうして基準位置にあるときにシートクッション2は、クッションサイドフレーム20を介してストッパ部により下方への移動を阻止された状態になっており、このことで揺動レバー71は図3等における反時計回りの回動を阻止されている。よって、シートバック5が基準位置(図3)とそこから前傾した位置(図7)との間で回動するときには、これに応じて第1連動リンク80が回動し、第2連動リンク81が前後に移動しても、その動作は揺動レバー71には伝わらず、シートクッション2は基準位置に維持されたままとなる。
これに対し、シートバック5が基準位置(図3)とリクライニング位置(図5)との間にあるときには、シートクッション2も基準位置とチルト位置との間にあるので、クッションサイドフレーム20に作用するコイルばね75の引張力がリンク70を介して揺動レバー71に作用し、これを図3等における反時計回りに回動付勢している。このため、シートバック5がリクライニング位置から基準位置に戻るときには、第2連動リンク81の前方への移動に連れて、その長穴81aの前端から離れないようにピン76が前方へ移動することになり、これに連れて揺動レバー71が回動する。
一方、シートバック5がリクライニング位置に向かって後傾するときには、第2連動リンク81が、その前端部の長穴81aに係合されているピン76を引きながら後方へ移動することになり、揺動レバー71はコイルばね75の引張力による回動付勢力に抗して、図3等の時計回りに回動するようになる。
換言すれば、この実施形態では、シートバック5が基準位置から前傾するときに、その回動変位がチルト機構部7に伝わらないよう、第2連動リンク81のチルト機構部7側の連結部に長穴81aを設けており、そのままではシートバック5がリクライニング位置から基準位置へ戻るときにも、その回動変位が伝わり難くなってしまうものであるが、シートクッション2の前部をコイルばね75の引張力によって常時、下方に付勢することで、それ自体が基準位置に戻るように構成しており、結果として、リクライニング位置から戻るシートバック5の回動変位は、チルト機構部7に伝達されることになる。
(シートの動作)
次に、この実施形態に係るシート1の動作を図3、5〜7を参照して順に説明すると、まず、図3に示す基準位置からシートバック5が後傾するときには、そのシートバック5の下端のアーム部材53が回動支軸52の周りを図の時計回りに回動するのに連れて、第1連動リンク80が支持ピン38の周りに反時計回りに回動し、第2連動リンク81が後方に移動して、揺動レバー71の入力側を後方に引っ張る。これにより該揺動レバー71が図3等の時計回りに回動し、リンク70を介してクッションサイドフレーム20の前部を押し上げることで、コイルばね75の引張力に抗してシートクッション2の前部が上昇する。
こうしてシートバック5の後傾に連れてシートクッション2の前部が上昇し、その座面の後傾が徐々に強まることで、シートバック5の後傾度合に対応して乗員の尻部を適切に保持できるようになる。そして、図5に示すようにシートバック5がリクライニング位置になり、乗員が上体をシートバック5に預けて仮眠し易いように傾斜したときには、シートクッション2はチルト位置にてその座面が比較的きつく傾斜した状態になり、乗員の尻部の前ずれを防ぐことができる。
そうして座面が比較的きつく傾斜するよう、シートクッション2の前部が最上位置まで上昇されたときでも、該シートクッション2の後端は殆ど移動しておらず(この例では僅かながら、むしろ後方に移動している)、前記のようにリクライニングしたシートバック5の下端との間に大きな隙間ができることはないから、そのような隙間に乗員の尻部が挟まれて、居住性が損なわれる虞れはない。
そして、さらにシートバック5が後傾すると、今度は第1連動リンク80が支持ピン38に対し長穴80aをスライドさせて、概ね上方に移動するようになり、これにより、第2連動リンク81がその前端部(ピン76)の周りを図の反時計回りに(上向きに)回動し、前後には殆ど移動しないようになる。こうしてシートバック5がフルフラット位置(図6)に至るまで揺動レバー71は揺動することなく、シートクッション2はチルト位置に維持される。
このように、シートバック5がリクライニング位置を越えて後傾するときには、その回動変位がチルト機構部7へ伝達されなくなり、シートクッション2がチルト位置に維持されるようになるから、シートバック5が大きく後傾しても座面の傾斜がきつくなり過ぎることはなく、乗員の居住性が悪化したり、リクライニング・レバー等の操作をし難くなったりすることはない。
また、そうしてシートバック5の回動変位がチルト機構部7へ伝達されなくなれば、このチルト機構部7からの反力もシートバック側へ作用しなくなるが、このときには補助ダンパ9が減衰力を発生して、シートバック5の後傾に対し抵抗力を付与するようになるので、シートバック5の後傾途中でそれに対する抵抗力が急減することはなく、乗員が違和感を覚えることはない。
前記のようにリクライニング位置を越えて後傾したシートバック5が基準位置まで戻るとき、まずリクライニング位置までは前記と同様にシートバック5が回動しても、第2連動リンク81がその前端部(ピン76)の周りを回動するのみで、揺動レバー71は揺動しない。一方、リクライニング位置から基準位置までは、シートバック5の回動に連れて第1連動リンク80が支持ピン38の周りを図3等の時計回りに回動すると、これにより第2連動リンク81が前方に移動し、揺動レバー71がコイルばね75の引張力による回動付勢力によって図の反時計回りに回動される。
よって、シートバック5がリクライニング位置から基準位置に向かい徐々に起き上がるのに連れて、シートクッション2の前部がコイルばね75の引張力によって徐々に下方に移動し、その座面の傾斜が徐々に緩くなる。これにより、シートクッション2の座面は、前記した後傾時と同様にシートバック5の後傾度合に対応する適切な傾斜状態になる。
そうして基準位置に戻ったシートバック5がさらに前傾側に回動するときには、前記のようにリクライニング位置から戻るときと同様に、その回動に連れて第1連動リンク80が支持ピン38の周りを回動し、これにより第2連動リンク81が前方に移動することになるが、このとき既にシートクッション2は基準位置にあり、その前部はそれ以上、下方へ移動できないので、揺動レバー71は回動せず、その入力側のピン76は第2連動リンク81前端部の長穴81aに沿って相対的に後側へスライドするようになる。
つまり、シートバック5の回動変位は連動機構部8における第2連動リンク81の長穴81aにて吸収され、チルト機構部7には伝達されないようになる。そして、反対にシートバック5が前傾位置から基準位置まで回動するときにも、その回動変位は前記と同様に第2連動リンク81の長穴81aにて吸収され、チルト機構部7へは伝達されない。
−実施形態の効果−
したがって、この実施形態に係るシート1を自動車に搭載した場合、リクライニングするシートバック5の回動に連動させてシートクッション2をチルトさせ、その座面の傾斜をシートバック5の傾きに対して適切な状態に保つことができるとともに、そうしてチルトされるシートクッション2とシートバック5との間に大きな隙間ができることもなく、居住性は非常に高い。
しかも、シートバック5が基準位置から所定以上、大きく後傾したときには、その回動変位の伝達を抑えてシートクッション2をチルト位置に維持することにより、座面の傾斜がきつくなり過ぎないようにして、簡単且つコンパクトな構成でもって居住性や操作性の悪化を防止することができる。
また、そうした場合に、シートバック5を後傾させる途中でシートクッション2がチルトしなくなる結果、その反力もシートバック5側へ作用しなくなることに対応して、補助ダンパ9が減衰力を発生するようにしているので、リクライニングの途中でシートバック5の回動に対する抵抗力が急減することはなく、乗員が違和感を覚えることがない。
さらに、万一の事故の際にその衝撃によってシートバック5が基準位置から前傾したとしても、シートクッション2は基準位置に維持され、その座面の傾斜が緩くなり過ぎることはないから、乗員がシートベルトとの間からすり抜ける心配はなく、所謂サブマリン現象は発生し難いといえる。
加えて、この実施形態のようにシートクッション2の前端部にオットマン4を装備した場合において、シートバック5が基準位置から前傾するように回動しても、シートクッション2の前部の高さが変わらない(若しくは大きく下がることがない)ということは、格納した状態のオットマン4の下端が車体フロアに当たらないようにするために、その格納位置を無用に高く設定したり、或いは車体フロアに窪みを設けたりする必要がない、ということであり、このことは設計の高い自由度を確保する上で好ましいといえる。
(他の実施形態)
本発明に係るシート装置の構成は、前記の実施形態に限定されず、その他の種々の構成も包含する。すなわち、前記実施形態のシート1においては、第1連動リンク80の長穴80aがベースサイドフレーム30側の支持ピン38に係合しているが、これは、シート1がスライダ33及びスライドレール34によって車体フロアに前後に移動可能に取り付けられているからであり、そうでなければ支持ピン38を車体フロアやピラー等に配設してもよく、要するに支持ピン38は、シートバック5の回動やシートクッション2のチルト動作に対し移動しない側(固定側)に設ければよい。
また、前記実施形態のシート1は、乗員が自らの力でシートバック5をリクライニングさせるようにした所謂手動式のものであり、それ故に、リクライニング途中でその動作に対する抵抗力が急減しないように補助ダンパ9を設けているが、これに限ることはなく、例えば補助ばねを設けてもよい。
或いは、例えば図8に一例を示すように、第1連動リンク80の長穴80aの幅をシートバック5側とチルト機構部7側とで異ならせるとともに、この長穴80aに係合する支持ピン38にゴムリング40を外嵌して、この支持ピン38が長穴80a内を相対的にスライド移動するときに受ける抵抗力が、シートバック5のリクライニングの途中で変化するように構成することもできる。
図の例では、長穴80aの幅がシートバック5側で相対的に広くなっていて、ここを支持ピン38がスライド移動するときに受ける抵抗力が小さい一方、相対的に幅の狭い長穴80aのチルト機構部7側をスライド移動するときにはゴムリング40が圧縮されて、相対的に大きな抵抗力を生じることになる。そして、両者の境界はシートバック5のリクライニング位置に対応して設定されているので、該シートバック5が基準位置から後傾するときにリクライニング位置を越えると、その回動変位に対し大きな抵抗力が付与されることになる。この例では、前記異形の長穴80aとゴムリング40とによって抵抗力付与手段が構成される。
−パワーシートの例−
また、本発明は、シートバック5を電動モータ等の駆動力によって自動で回動させるようにした所謂パワーシートにも適用可能である。すなわち、図9、10に一例を示すように、シートバックフレーム50のブラケット51,51同士を連結する回動支軸52に代えて、ベースサイドフレーム30から内方に延びるように支軸部54を設け、これにより前記ブラケット51を回動可能に支持する。その支軸部54の内端にはギヤ41を固定し、これと噛合するギヤ42を前記ブラケット51に回動可能に取り付ける。そして、そのギヤ42と一体に回転するようにウォームギヤ43(ウォーム43a、ウォームホィール43b)を取り付け、これを電動モータ44により駆動するようにする。
こうすれば、電動モータ44の回転によりその回転軸に固定されたウォーム43aが回転し、これによりウォームホィール43bが回動されると、これと一体に回転(自転)するギヤ42が固定ギヤ41の周りを公転することにより、シートバックフレーム50が支軸部54の周りに回動し、これによりシートバック5が回動されるようになる。こうして電動モータ44の駆動力によってシートバック5をリクライニングさせるようにすれば、リクライニングの途中でその動作に対する抵抗力が急に減少したとしても、そのことに乗員は気づかないので、操作に違和感を覚えることはない。
尚、前記電動モータ44によって、シートバック5を回動機構部8を介して駆動する駆動手段が構成されるが、電動モータ44は、シートバック5が大きく後傾しているリクライニング位置とフルフラット位置との間でのみ、それを駆動するようにしてもよい。また、電動モータ44による駆動を停止するときに例えばギヤ41、42等と噛合して、その回転を阻止することにより、シートバック5の回動位置を固定保持する固定保持部材(図示せず)を設けてもよい。
−連動リンクが1つの例−
さらに、前記実施形態におけるチルト機構部7や連動機構部8の構造は一例に過ぎず、本発明の構成を限定するものではない。例えば図11〜15に示すように連動機構部8を1つの連動リンク85によって構成することもできる。尚、図示の例におけるシート1の構成は、以下に述べるチルト機構部7、連動機構部8及びアーム部材55の構造を除いて前記した実施形態のものと略同じであり、以下、同じ部材には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図11を参照すると、この例ではチルト機構部7の揺動レバー77が前記実施形態のような「く」の字状ではなく、一端(図の上端)に揺動軸74が固定され、他端(図の下端)が入力側及び出力側を兼ねるリンクによって構成されている。また、この揺動レバー77にピン73によって連結されるリンク70は、前記実施形態のものと比べて軸方向の長さが長いものである。さらに、両者を連結するピン73に対して、前記連動リンク85の前端部が長穴85aを介して回動可能に且つスライド移動可能に連結されている。
前記連動リンク85は、前記実施形態における第1、第2連動リンク80,81を一体化したように前後に長い「へ」の字状とされ、その後端側の屈曲部位がベースサイドフレーム30の上方延出部30aの側方を上方へ延びていて、その上端部にピン86を介してシートバック5側のアーム部材55が回動可能に連結されている。このアーム部材55は前記実施形態のもの(アーム部材53)と同様にシートバック5と一体に回動して、その回動変位を連動機構部8に伝えるものであるが、それとは形状及び位置が異なるとともに、図示の如く長穴55aが形成されていて、この長穴55aに、前記連動リンク85の後端部に取り付けられたピン86が回動可能に且つスライド移動可能に係合している。
そして、図11に示す基準位置から図12に示すリクライニング位置までシートバック5が後傾(リクライニング)するときには、アーム部材55との連結部(ピン86)がシートバック5の回動に連れて回動支軸52の周りを図の時計回りに回動することにより、連動リンク85は前方へ移動し、これにより揺動レバー77の下端部が揺動軸74の周りに図の時計回りに回動するとともに、リンク70を介してクッションサイドフレーム20の前部が押し上げられて、シートクッション2は、その前部が最上位置となるチルト位置に位置付けられる。
次いでシートバック5がリクライニング位置(図12)を越えてさらに後傾するときには、連動リンク85の後端部のピン86がアーム部材55の長穴55aに沿ってスライド移動するようになり、シートバック5の回動に連れてアーム部材55が回動支軸52の周りを回動しても、連動リンク85はその前端部(ピン73)の周りを回動するのみとなって、揺動レバー77やリンク70を動作させることはない。そのため、シートバック5が図13に示すフルフラット位置に至るまで、シートクッション2はチルト位置に維持されるようになる。
一方、シートバック5が基準位置(図11)から前傾するときには、その回動に連れてアーム部材55が回動支軸52の周りを図の時計回りに回動し、これとの連結部(ピン86)が後方斜め上方に移動するのに伴い、連動リンク85は、その前端部も含めて後方へ移動することになる。但し、そうして後方へ移動する連動リンク85の前端部の長穴85a内では、これに対し相対的に前側へピン73がスライドすることになり、このピン73が後側へ引かれることはないので、揺動レバー77やリンク70は動作しない。このため、図14に示すようにシートクッション2は基準位置に維持される。
そうして所定角度、前傾した状態からシートバック5がさらに前傾側へ回動し、アーム部材55が回動支軸52の周りをさらに回動するときには、ピン86によって連動リンク85の後端部がさらに後方斜め上方に引き上げられることになるが、その前端部の長穴85a内ではピン73が既に前端に位置しているので、当該連動リンク85の後方斜め上方への移動に連れてピン73も後方斜め上方へ引き上げられ、これにより揺動レバー77が揺動軸74の周りを図の反時計回りに回動する。
その揺動レバー77の回動により、リンク70を介してクッションサイドフレーム20の前部が引き下げられて、図15に示すようにシートクッション2の座面が沈み込むことになる。よって、シートバック5を、シートクッション2との干渉を生じることなく、その背面が略水平な前伏位置になるまで大きく前傾させることができる。
尚、この例では、上述したように、連動リンク85がシートバック5側のアーム部材55及びチルト機構部7側の揺動レバー77にそれぞれ長穴55a、85aを介して連結されており、このことで、基準位置(図11)から前伏位置(図15)までシートバック5が90°以上(第1の設定角度)、前傾側に回動する間に、チルト機構部7によりシートクッション2は概略15°くらい(第2の設定角度)しか回動しない。つまり、シートクッション2の基準位置よりも下向きのチルト角度が小さいので、それを車体フロアから大きく離して配置する必要はなく、レイアウトの自由度は高いといえる。
また、図12、13等から分かるように、連動リンク85が「へ」の字状とされているため、シートバック5が大きく後傾したときでも、連動リンク85が上方へ突出することはなく、シートクッション2のクッション体等との干渉を容易に避けられる。
以上、説明したように、本発明に係るシート装置は、シートバックのリクライニングに連動させてシートクッションをチルトさせることで、乗員の身体を常に適切に保持できるものなので、自動車用のシートとして好適である。
実施形態1に係る自動車用シートの外観を示す斜視図である。 クッション体を省略してシートクッションのフレーム構造を示す斜視図である。 連動機構部及びチルト機構部の構成を側方から見て示す説明図である。 同正面から見た説明図であり、(a)は図3のa矢示図であり、(b)は同b-b断面図である。 リクライニング時の図3相当図である。 フルフラット時の図3相当図である。 シートバック前傾時の図3相当図である。 リンクの長穴を異形とした他の実施形態に係る図3相当図である。 パワーシートに適用した他の実施形態に係る図3相当図である。 同図4(b)相当図である。 連動リンク機構を単一のリンクによって構成した他の実施形態に係る図3相当図である。 同図5相当図である。 同図6相当図である。 同図7相当図である。 シートバック前伏時の図11相当図である。
符号の説明
1 シート(シート装置)
2 シートクッション
3 ベースフレーム(固定側)
38 支持ピン(リンクの支軸)
4 オットマン(足載せ台)
5 シートバック
7 チルト機構部
70 リンク
71 揺動レバー
74 揺動軸
8 連動機構部
80 第1連動リンク
80a 長穴
81 第2連動リンク
81a 長穴
85 連動リンク
85a 長穴
9 補助ダンパ(抵抗力付与手段)
36 ナックル(回動機構部)
44 電動モータ(駆動手段)

Claims (7)

  1. シートバックを、その下端部を中心として基準位置から前傾及び後傾の少なくとも一方へ回動可能な回動機構部と、
    シートクッションの前部を少なくとも上下に移動可能なチルト機構部と、
    前記回動機構部によるシートバックの回動変位に連動させて、前記チルト機構部によりシートクッションの前部を上下動させる連動機構部と、を備えたシート装置において、
    前記連動機構部は、少なくとも1つのリンクを備え、このリンクには前記シートバックが所定の回動範囲にあるときに、その回動変位が前記チルト機構部に伝達されるのを抑制するための長穴が形成されている
    ことを特徴とするシート装置。
  2. 連動機構部は、シートバックが基準位置から前傾しているとき、或いは該基準位置から所定角度を越えて後傾しているときの少なくとも一方のときに、該シートバックの回動変位がチルト機構部に伝達されるのを抑制するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート装置。
  3. リンクのシートバック側及びチルト機構部側の少なくとも一方の連結部に長穴が形成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のシート装置。
  4. リンクのチルト機構部側の連結部には、シートバックが基準位置から前傾しているときに、その回動変位がチルト機構部に伝達されるのを抑制するように長穴が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシート装置。
  5. 連動機構部は、シートバックが基準位置にあるときには、チルト機構部によってシートクッションの前部を最下位置に位置付ける一方、そこから該シートバックが後傾するのに連れてシートクッションの前部が上方移動するようにチルト機構部を動作させるように構成され、
    前記シートクッションの前部を前記最下位置に向かうよう下方に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のシート装置。
  6. リンクは、固定側に設けられた支軸に長穴を介して支持され、シートバックの回動変位の途中で、前記支軸周りの回動と該支軸に対するスライド移動との一方から他方に主体となる動作形態が切り換わるよう、該シートバック側に連結されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のシート装置。
  7. 連動機構部は、シートバック側の第1リンクとチルト機構部側の第2リンクとを備え、
    前記第1リンクは、固定側に設けられた支軸に長穴を介して支持され、シートバックが基準位置と所定角度後傾した位置との間で回動変位するときに、この回動変位に連れて前記支軸周りの回動を主体とする動作をする一方、シートバックが前記所定角度を越えて後傾したときには、その回動変位に連れて前記支軸に対するスライド移動を主体とする動作をするように、当該シートバック側に連結されており、
    前記第2リンクは、そのチルト機構部側の連結部が前記第1リンクの回動に連れて変位する一方、該第1リンクのスライド移動に連れてチルト機構部側の連結部の周りに回動するように、当該第1リンクに連結されている
    ことを特徴とする請求項6に記載のシート装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6156609A (ja) * 1984-08-28 1986-03-22 株式会社タチエス 車両用座席
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